JP2019065487A - 住宅用ハンドル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザーが行うハンドル操作を利用してそのユーザーを特定することで、信頼性の高い住宅用ハンドル装置を提供する。【解決手段】住宅用ハンドル装置1は、住宅の扉に設けられ、扉の開閉時にユーザーによって操作されるハンドル本体11を有している。また、住宅用ハンドル装置1は、ユーザーが行うハンドル操作を検知する検知部21と、ユーザー毎に、ユーザーが行うハンドル操作の特性である操作特性を記憶する記憶部34と、検知部21の検知結果から認識した操作特性に基づいて記憶部34を検索し、ハンドル操作を行うユーザーを特定する認証処理部35と、を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅用ハンドル装置に関する。
例えば特許文献1には、各ユーザーに適した電気機器の制御を可能にする施解錠システムが開示されている。この施解錠システムは、専有部の扉を電動で施解錠する電気錠装置と、電気錠装置による施解錠を許可するための専有部認証情報を記憶した携帯器から専有部認証情報を読み取って認証することで電気錠装置による施解錠を制御する室外リーダ及び室内リーダと、を備えている。携帯器は、専有部のユーザーを識別する個人識別情報を記憶している。室外リーダ及び室内リーダは、携帯器から専有部認証情報と共に個人識別情報を読み取ると、電気錠装置を施解錠するときに、専有部の電気機器を制御する電力管理装置に向けて個人識別情報を送信して、個人識別情報毎に定められた設定情報に基づいて電力管理装置に電気機器を制御させている。
特開2016−189511号公報
ところで、特許文献1に開示された手法によれば、専有部の扉の施解錠について、携帯器の情報(専有部認証情報)に基づいて認証を行っている。この場合、携帯器を所持する人物が本人以外の他人に入れ替わっても、その他人が携帯器を所持している限り、電気錠装置による施解錠が許可されてしまう。そのため、他人であっても専有部に侵入することが可能となってしまうという不都合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザーが行うハンドル操作を利用してそのユーザーを特定することで、信頼性の高い住宅用ハンドル装置を提供することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、住宅の扉に設けられ、扉の開閉時にユーザーによって操作されるハンドル本体を有する住宅用ハンドル装置を提供する。この住宅用ハンドル装置は、ユーザーが行うハンドル操作を検知する検知部と、ユーザー毎に、ユーザーが行うハンドル操作の特性である操作特性を記憶する記憶部と、検知部の検知結果から認識した操作特性に基づいて記憶部を検索し、ハンドル操作を行うユーザーを特定する認証処理部と、を有している。
ここで、本発明において、操作特性は、ユーザー個人毎に現れるハンドル操作の特性であることが好ましい。あるいは、操作特性は、複数のユーザー間で共通するハンドル操作の特性を類型化したものであることが好ましい。
また、本発明は、扉の施解錠を行う錠前と、ハンドル操作を行うユーザーから、扉の施解錠に必要な認証情報を取得する取得部をさらに有するものでもよい。この場合、記憶部は、施解錠の権限を有するユーザーに割り当てられた認証情報と、当該認証情報が割り当てられたユーザーに関する操作特性とが関連付けられたユーザーデータベースを有し、認証処理部は、取得部が取得した認証情報と、検知部の検知結果から認識した操作特性とに基づいてユーザーデータベースを検索し、認証情報及びハンドル操作を行うユーザーの正当性を判定し、正当性の判定結果に基づいて所定の処理を行うことが好ましい。
また、本発明において、認証処理部は、認証情報及びハンドル操作を行うユーザーがそれぞれ正当である場合、錠前による施解錠を許可し、認証情報及びハンドル操作を行うユーザーのうち少なくとも一方が正当でない場合に、錠前による施解錠を許可しないことが好ましい。
また、本発明において、認証処理部は、認証情報が正当であるが、ハンドル操作を行うユーザーが正当でない場合には、錠前による施解錠を許可する一方で、注意喚起を促す処理を行うことが好ましい。
また、本発明において、認証処理部は、住宅内部の機器の動作を制御する住宅制御装置に対して、ハンドル操作を行うユーザーを通知し、住宅制御装置にユーザーに関連付けられた所定の制御を行わせることが好ましい。
本発明によれば、ユーザーが行うハンドル操作を利用して、そのユーザーを特定することができる。これにより、信頼性の高い住宅用ハンドル装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る住宅用ハンドル装置の構成を示すブロック図 ハンドル本体の構成を模式的に示す説明図 ユーザーデータベースの説明図 携帯器IDの登録処理を説明するフローチャート 住宅用ハンドル装置による扉の施解錠動作の流れを説明するフローチャート 施解錠動作の変形例を説明するフローチャート 検知部の変形例を示す説明図 検知部の変形例を示す説明図 検知部の変形例を示す説明図 検知部の変形例を示す説明図 第3の実施形態に係る住宅用ハンドル装置の構成を示すブロック図
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る住宅用ハンドル装置1について説明する。ここで、図1は、第1の実施形態に係る住宅用ハンドル装置1の構成を示すブロック図である。図2は、ハンドル本体11の構成を模式的に示す説明図であり、同図(a)は、ハンドル本体11の側面図、同図(b)はハンドル本体11の正面図に対応する。
住宅用ハンドル装置1は、住宅の扉に設けられ、この扉を開閉したり、施解錠したりする装置である。本実施形態に係る住宅用ハンドル装置1は、ユーザーが所持する携帯器50との間で通信を行い、ユーザー及び携帯器50が正当であることを条件に扉の施解錠を行うものである。
ここで、携帯器50は、無線通信機能を備えた端末である。携帯器50は、住宅を利用するユーザー、すなわち、施解錠の権限を有するユーザーによって所持される。この携帯器50には、固有の識別情報(携帯器ID)が割り当てられている。携帯器50は、施解錠の権限を有するユーザー毎に用意されており、携帯器IDは、携帯器50を所持するユーザーに割り当てられる認証情報として機能する。
住宅用ハンドル装置1は、室外ハンドル10と、錠装置30とを主体に構成されている。
室外ハンドル10は、ハンドル本体11と、通信部20と、検知部21とを備えている。
ハンドル本体11は、扉の室外側に設けられ、扉の開閉時にユーザーによって操作される操作部材である。ハンドル本体11は、上下方向に離間して扉に固定される一対のベース12,13の間に設けられている。ハンドル本体11の上下端部は、一対のベース12,13に対して所要の機構を介して連結されており、ハンドル本体11は、手前(正面)側へと引き出し操作可能に構成されている。ハンドル本体11は、住宅のドア枠に固定されたストライクに係止させるラッチボルト(図示せず)と機械的に連結されている。ハンドル本体11を把持した上で、これを手前(正面)側に引き出すと、ストライクに対するラッチボルトの係止が解除され、扉を開放することができる。
ハンドル本体11は、上下方向に沿った縦長形状とされている。大人や子供といったユーザーの体躯の差に拘わらず、その体躯に合った位置でハンドル操作を行うことができるように、一定の長さを確保しているためである。ハンドル本体11は、中空状に形成されており、その内部には、通信部20及び検知部21が収容されている。
通信部20は、ユーザーが所持する携帯器50との間で、電磁界又は電波を用いた無線通信を行う。通信部20は、通信距離が数m程度となる近距離通信に対応している。通信部20は、扉(ハンドル本体11)の周囲であって、通信部20からの距離数mの範囲が通信圏内となる。通信部20の通信圏内に携帯器50が存在する場合、通信部20は、携帯器50との間で無線通信を行うことができる。
通信部20は、制御部33により制御されることで、携帯器IDの送信を要求するリクエスト信号を携帯器50に送信する。また、通信部20は、携帯器50から携帯器IDを取得すると、取得した携帯器IDを、錠装置30の制御部33に出力する。すなわち、通信部20は、ハンドル操作を行うユーザーから携帯器IDを取得する取得部に相当する。
検知部21は、ハンドル本体11に対してユーザーが行うハンドル操作を検知する。検知部21は、それぞれが検知機能を備えた複数の検知要素、例えば3つの検知要素21a,21b,21cから構成されている。これらの検知要素21a,21b,21cは、ハンドル本体11の長手方向(上下方向)にかけて所定のピッチで配置されており、ハンドル本体11の全域をカバーするように設けられている。本実施形態では、検知要素21aがハンドル本体11の上段に、検知要素21bがその中段に、検知要素21cがその下段にそれぞれ配置されている。
ハンドル操作は、ハンドル本体11を把持する行為であり、個々の検知要素21a,21b,21cは、ハンドル本体11への人体(ユーザーの掌)の接触を検知する。ユーザーがハンドル本体11を把持すると、把持位置と対応する検知要素21a,21b,21cによって、その接触が検知される。個々の検知要素21a,21b,21cは、錠装置30の制御部33と接続されており、その検知結果は制御部33により読み込まれる。
個々の検知要素21a,21b,21cは、例えばタッチセンサから構成されている。タッチセンサとしては、グランド接続された電極部を備える静電容量方式のセンサを用いることができる。しかしながら、タッチセンサは、感圧方式や赤外線方式といった他の方式のものであってもよい。
検知部21の検知結果から、操作特性、すなわち、ユーザーが行うハンドル操作の特性を認識することができる。操作特性は、ハンドル本体11を操作する際のユーザーの癖や特徴といったものに相当する。また、操作特性は、大人又は子供といった複数のユーザー間で共通するハンドル操作の特性を類型化したものとされている。
本実施形態において、操作特性は、ハンドル本体11に対する把持位置とされている。上述したように、ハンドル本体11は上下方向に沿った縦長形状とされており、ハンドル操作時、ユーザーはその体躯に合った位置でハンドル本体11を把持する。このため、体躯の大きなユーザー(主として大人)が行うハンドル操作には、ハンドル本体11の上段又は中段を把持するという特性が現れる。一方、体躯が小さなユーザー(主として子供)が行うハンドル操作には、ハンドル本体11の下段を把持するという特性が現れる。すなわち、大人の操作特性としては、把持位置が上段又は中段と定義することができ、子供の操作特性としては、把持位置が下段と定義することができる。
錠装置30は、扉の内部に設けられている。この錠装置30は、錠前31と、駆動部32と、制御部33と、報知部36とを主体に構成されている。
錠前31は、例えばデッドボルトであり、扉の施解錠を行うものである。錠前31は、ドア枠に設けられたストライクと対応する位置に設けられ、扉の木口から進退可能に構成されている。
駆動部32は、モータやソレノイド等のアクチュエータ、並びにカム等の動力伝達機構から構成され、錠前31を進退させる。駆動部32は、制御部33から施錠信号が入力されると、錠前31を進出させて、施錠位置へと切り替える。この施錠位置では、錠前31がストライクに入った状態となり、扉が施錠される。一方、駆動部32は、制御部33から解錠信号が入力されると、錠前31を退避させて、解錠位置へと切り替える。この施錠位置では、錠前31の突端が木口よりも内側に収まった状態となり、扉が解錠される。
制御部33は、住宅用ハンドル装置1の制御を司る。制御部33としては、CPU、ROM、RAMを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。CPUは、制御プログラムに従い、各種の制御を行う(プロセッサ)。ROMは、CPUが実行するプログラム、又はそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際の作業領域である。
本実施形態との関係において、制御部33は、記憶部34及び認証処理部35としての機能を備えている。
記憶部34は、ユーザーデータベース34aを格納している。ここで、図3は、ユーザーデータベース34aの説明図である。ユーザーデータベース34aは、ユーザーを管理するデータベースであり、一つ以上のユーザーレコードから構成されている。個々のユーザーレコードは、「携帯器ID」、「操作特性」で構成されている。
携帯器IDには、施解錠の権限を有するユーザーが所持する携帯器50の携帯器IDが記述されている。
操作特性には、ユーザーが行うハンドル操作の特性、具体的には、ハンドル本体11に対する把持位置が記述されている。したがって、ユーザーが大人であれば、上段又は中段といった情報が記述され、ユーザーが子供であれば、下段といった情報が記述される。
このように、ユーザーデータベース34aには、施解錠の権限を有するユーザー毎に、当該ユーザーが所持する携帯器50の携帯器IDと、この携帯器50を正当に所持するユーザーの操作特性(把持位置)とが関連付けられている。すなわち、携帯器IDは、ユーザーを識別する固有の認証情報であるから、ユーザーデータベース34aは、ユーザー毎に、操作特性を記憶したものと言い換えることができる。
ユーザーデータベース34aを構成するユーザーレコードは、住宅用ハンドル装置1のユーザー(施解錠の権限を有するユーザー)に対して配布する携帯器50の数に応じて用意されている。このユーザーレコードは、メーカーなどの管理者により予め登録されている。この場合、ユーザーレコードにおいて、携帯器IDには該当する情報が記述され、操作特性には何も情報が記述されず、後述する学習処理を通じて制御部33により記述される。また、後述する登録処理に示すように、管理者以外であっても、携帯器50の追加に応じて、ユーザーレコードを追加することもできる。
認証処理部35は、検知部21の検知結果から把持位置を認識する。例えば、検知要素21a又は検知要素21bにおいて接触が検知された場合には、ハンドル本体11の上段又は中段を把持位置として認識する。同様に、検知要素21cにおいて接触が検知された場合には、ハンドル本体11の下段を把持位置として認識する。
そして、認証処理部35は、通信部20が取得した携帯器IDと、検知部21の検知結果から認識した把持位置とに基づいてユーザーデータベース34aを検索し、ハンドル操作を行うユーザーと携帯器IDとの正当性を判定する。
報知部36は、ユーザーに情報を報知するものである。報知部36としては、情報を視覚的に報知する、LED、液晶パネルなどの表示手段や、情報を聴覚的に報知する、スピーカー、ブザーなどの音響出力手段などを用いることができる。
以下、本実施形態に係る住宅用ハンドル装置1の動作について説明する。まず、ユーザーデータベース34aに携帯器50の携帯器IDを登録する登録処理について説明する。ここで、図4は、携帯器IDの登録処理を説明するフローチャートである。この登録処理は、制御部33、具体的には、認証処理部35によって実行される。この登録処理にあたり、ユーザーは、扉の開閉時と同様の姿勢でハンドル本体11を把持し、その状態のまま、携帯器50に設けられた、携帯器IDを送信するための操作ボタン(図示せず)を操作する。
まず、ステップ10(S10)において、認証処理部35は、携帯器50から携帯器IDを受信したか否かを判断する。携帯器IDを受信した場合には本ステップにおいて肯定判定され、ステップ11(S11)に進む。一方、携帯器IDを受信しない場合には本ステップにおいて否定判定され、ステップ10に戻る。なお、ステップ10に戻る回数が所定の上限回数に到達した場合には、携帯器50が通信圏内に存在しないと判断し、登録処理を終了してもよい。
ステップ11において、認証処理部35は、検知部21を通じてハンドル操作、すなわちハンドル本体11の把持を検知する。
ステップ12(S12)において、認証処理部35は、ハンドル本体11の把持が検知されたか否かを判断する。ハンドル本体11の把持が検知された場合には本ステップで肯定判定され、ステップ13(S13)に進む。一方、ハンドル本体11の把持が検知されない場合には本ステップで否定判定され、ステップ14(S14)に進む。
ステップ13において、認証処理部35は、検知部21の検知結果から、ユーザーによるハンドル本体11の把持位置を認識する。そして、認証処理部35は、操作特性を「あり」に設定した上で、認識した把持位置を仮設定する。
ステップ14において、認証処理部35は、操作特性を「なし」に設定する。
ステップ15(S15)において、ステップ10と同様、認証処理部35は、携帯器50から携帯器IDを受信したか否かを判断する。携帯器IDを受信した場合には本ステップにおいて肯定判定され、ステップ16(S16)に進む。一方、携帯器IDを受信しない場合には本ステップにおいて否定判定され、ステップ15に戻る。
ステップ16において、認証処理部35は、ステップ15で受信した携帯器IDが、ステップ10で受信した携帯器IDと一致するか否かを判断する。それぞれの携帯器IDが一致した場合には本ステップで肯定判定され、ステップ17(S17)に進む。一方、それぞれの携帯器IDが一致しない場合には本ステップで否定判定され、ステップ22(S22)に進む。
ステップ17において、認証処理部35は、操作特性があるか否かを判断する。操作特性がある場合には本ステップにおいて肯定判定され、ステップ18(S18)に進む。一方、操作特性がない場合には本ステップにおいて否定判定され、ステップ22に進む。
ステップ18において、認証処理部35は、検知部21を通じてハンドル本体11の把持を検知する。
ステップ19(S19)において、認証処理部35は、検知部21の検知結果から、ユーザーによるハンドル本体11の把持位置を認識する。そして、認証処理部35は、ステップ19で認識された把持位置が、仮設定された把持位置と一致するか否かを判断する。両者の一致が判断された場合には本ステップで肯定判定され、ステップ20(S20)に進む。一方、両者の不一致が判断された場合には本ステップで否定判定され、ステップ22に進む。
ステップ20において、認証処理部35は、携帯器IDと、把持位置とに基づいて、新たなユーザーレコードを作成し、これをユーザーデータベース34aに追加する。新規作成されたユーザーレコードにおいて、「携帯器ID」の項目には、受信した携帯器IDが記述され、また、「操作特性」の項目には、把持位置が記述される。これらの情報が同一のユーザーレコードに記述されることにより、両者の関連付けが行われる。
ステップ21(S21)において、認証処理部35は、報知部36を制御して所定の表示又は音響出力を行い、登録が完了したことを報知する。
ステップ22において、認証処理部35は、報知部36を制御して所定の表示又は音響出力を行い、登録ができないことを報知する。
つぎに、住宅用ハンドル装置1による扉の施解錠動作について説明する。ここで、図5は、住宅用ハンドル装置1による扉の施解錠動作の流れを説明するフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、制御部33、具体的には、認証処理部35によって実行される。
まず、ステップ30(S30)において、認証処理部35は、検知部21を通じてハンドル本体11の把持を検知する。
ステップ31(S31)において、認証処理部35は、ハンドル本体11の把持が検知されたか否かを判断する。ハンドル本体11の把持が検知された場合には本ステップで肯定判定され、ステップ32(S32)に進む。一方、ハンドル本体11の把持が検知されない場合には本ステップで否定判定され、ステップ30に戻る。
ステップ32において、認証処理部35は、通信部20を制御してリクエスト信号の送信を行う。
ステップ33(S33)において、認証処理部35は、通信部20において携帯器50からの応答を受信したか、すなわち携帯器IDを受信したか否かを判断する。携帯器IDを受信した場合には本ステップで肯定判定され、ステップ34(S34)に進む。一方、携帯器IDを受信しない場合には本ステップで否定判定され、ステップ30に戻る。
ステップ34において、認証処理部35は、受信した携帯器IDに基づいてユーザーデータベース34aを検索し、この携帯器IDがユーザーデータベース34aに登録されているか否かを判断する。ユーザーデータベース34aに受信した携帯器IDが登録されている場合には本ステップにおいて肯定判定され、ステップ35(S35)に進む。一方、ユーザーデータベース34aに受信した携帯器IDが登録されていない場合には本ステップにおいて否定判定され、ステップ30に戻る。
ユーザーデータベース34aには、上述の登録処理を経て、或いは、システムの管理者により、施解錠の権限を有するユーザーに割り当てられた携帯器IDが登録されている。したがって、ユーザーデータベース34aを検索し、該当する携帯器IDがユーザーデータベース34aに登録されているか否かを判断することで、携帯器IDの正当性を判定することができる(携帯器50(携帯器ID)の認証処理)。
ステップ35において、認証処理部35は、登録されている携帯器IDに、把持位置が関連付けられているか否かを判断する。把持位置が関連付けられている場合には本ステップにおいて肯定判定され、ステップ36(S36)に進む。一方、把持位置が関連付けられていない場合には本ステップにおいて否定判定され、後述するステップ38(S38)に進む。
ステップ36において、認証処理部35は、検知部21の検知結果から、ユーザーによるハンドル本体11の把持位置を認識する。そして、認証処理部35は、認識された把持位置が、携帯器IDと関連付けられた把持位置と一致するか否かを判断する。両者の一致が判断された場合には本ステップで肯定判定され、ステップ37(S37)に進む。一方、両者の不一致が判断された場合には本ステップで否定判定され、ステップ30に戻る。
ユーザーデータベース34aに記述される把持位置は、ハンドル操作を行うユーザーを特定するための情報として機能する。したがって、ユーザーデータベース34aを検索し、把持位置の一致を判断することで、携帯器50を正当に所持するユーザー、すなわち、施解錠の権限を有するユーザーであることを特定することができる。このユーザーの特定作業により、ユーザーの正当性を判定することができる(ユーザーの認証処理)。
ステップ37において、認証処理部35は、錠前31による施解錠を許可する。具体的には、認証処理部35は、駆動部32に所定の信号を送信し、当該駆動部32を駆動させることで、錠前31について施解錠動作させる。
一方、ステップ38において、認証処理部35は、携帯器IDに対して把持位置の関連付けを行い、この情報を学習情報として記憶部34の学習用記憶領域に記憶する。
ステップ39(S39)において、認証処理部35は、学習情報が所定の数だけ蓄積されたか否かを判断する。学習情報が所定の数だけ蓄積された場合には本ステップにおいて肯定判定され、ステップ40(S40)に進む。一方、学習情報の蓄積数が所定の数に到達していない場合には本ステップにおいて否定判定され、ステップ37に進む。
ステップ40において、認証処理部35は、受信した携帯器IDが記述されたユーザーレコードに対して、学習情報で蓄積された把持位置を記述する。蓄積された学習情報における把持位置が全て同じであれば、その把持位置が記述される。一方、蓄積された学習情報における把持位置にばらつきがある場合には、例えば最も蓄積頻度の高い把持位置が記述される。携帯器IDと把持位置とが同一のユーザーレコードに記述されることにより、両者が関連付けられることとなる。
ステップ38からステップ40までの処理は、ユーザーがハンドル操作を行うたびに繰り返される。すなわち、ハンドル操作の都度、その把持位置が取得され、蓄積されることで、ユーザーの把持位置を統計的に取得することができる。このように、ステップ38からステップ40までの処理を通じて、携帯器IDに関連付ける把持位置が学習される(把持位置の学習処理)。
このように本実施形態によれば、認証処理部35は、認識した把持位置に基づいてユーザーデータベース34aを検索し、ハンドル操作を行うユーザーを特定する機能を備えている。住宅用の扉に設けられたハンドル本体11を操作する際には、ユーザーの体躯に応じて把持位置に差が現れる。そこで、ハンドル本体11に、ハンドル操作を検知する検知部21を設け、把持位置を認識することで、ハンドル操作を行うユーザーを特定することができる。これにより、携帯器50を所持するユーザー自身の認証を行うことができる。その結果、信頼性の高い住宅用ハンドル装置1を提供することができる。
また、本実施形態において、操作特性として機能する把持位置は、複数のユーザー間で共通するハンドル操作の特性を類型化したものである。すなわち、子供であれば下段、大人であれば中段又は上段といった如くである。
この構成によれば、ユーザー個人を厳密に特定しないまでも、大人や子供といったレベルでユーザーを特定することができる。これにより、携帯器50を所持するユーザー自身の認証を行うことができる。
また、本実施形態において、認証処理部35は、通信部20が取得した携帯器IDと、検知部21の検知結果から認識した把持位置とに基づいてユーザーデータベース34aを検索し、ハンドル操作を行うユーザーと携帯器IDとの正当性を判定している。そして、認証処理部35は、正当性の判定結果に基づいて、所定の処理を行っている。
この構成によれば、正当性を重畳的に判定することができるので、携帯器50が本人以外の他人に使用される場合であっても、この状態を適切に把握することができる。そして、このような正当性の判定結果に基づいて、所定の処理を行うことで、信頼性の高い住宅用ハンドル装置1を提供することができる。
また、携帯器ID及びハンドル操作を行うユーザーについてそれぞれ正当性が判定されるので、その判定結果には多様なパターンが存在する。このため、多様な制御を実現することができる。
例えば上述した実施形態では、ハンドル操作を行うユーザーと携帯器IDとがそれぞれ正当である場合に、錠前31による施解錠を許可し、ハンドル操作を行うユーザーと携帯器IDとの少なくとも一方が正当でない場合に、錠前31による施解錠を許可しないとしている。しかしながら、住宅用ハンドル装置1による処理は、これに限定されない。
例えば、錠前31による施解錠の許否については携帯器IDの正当性のみで判断してもよく、ハンドル操作を行うユーザーの正当性は別個に取り扱ってもよい。ここで、図6は、施解錠動作の変形例を説明するフローチャートである。この変形例に係るフローチャートは、図5に示す処理と概ね対応しているが、ステップ41(S41)の処理が追加されている点において相違している。
このステップ41の処理は、ステップ36において否定判定された場合、すなわち、把持位置が一致せずに、ハンドル操作を行うユーザーについて正当性が判定されなかった場合に実行される。このステップ41において、認証処理部35は、ユーザーに正当性がないことについて注意喚起を促す処理を行う。そして、このステップ41の処理を行うと、ステップ37に進み、錠前31による施解錠を許可する。
具体的な処理としては、報知部36を用いて、ユーザーについて正当性がないことを報知する処理が挙げられる。また、錠装置30が外部ネットワークと接続するネットワーク通信部を備えている場合には、携帯器50の正当なユーザーについて予め登録されたアドレス(Eメールなど)に、注意喚起を促す情報を送信する、といったことをしてもよい。
このように、本変形例によれば、錠前31による施解錠を許可する一方で、注意喚起を促す処理が行われる。この構成によれば、例えば子供が親の携帯器50を一時利用したといった場合でも、錠前31の施解錠が許可される。これにより、一時利用者が住宅への出入りができないといった不都合を抑制することができる。一方、注意喚起を促す処理を行うことで、不正に携帯器50を使用した他人については、報知部36が動作することで、住宅への侵入を抑止する効果が期待できる。また、正当なユーザーに情報が通知されることで、携帯器50の利用についての注意を喚起することができる。
なお、この変形例では、注意喚起処理を行った後、錠前31の施解錠を許可している。しかしながら、Eメールでユーザーに情報を送信する場合には、当該ユーザーに施解錠の許否を問い合わせてもよい。そして、ユーザーから許可の応答を受けた場合に、錠前31の施解錠を許可してもよい。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係る住宅用ハンドル装置1について説明する。この住宅用ハンドル装置1が、第1の実施形態のそれと相違する点は、検知部21の構成である。以下、相違点を中心に説明を行う。
第1の本実施形態によれば、3つの検知要素21a,21b,21cを用いて、ユーザーが行うハンドル操作を検知している。しかしながら、検知要素の数は、3つに限定されず、複数で構成されていればよい。特に、検知要素の数を増やした場合には、把持位置を検知する際の分解能が高いため、操作特性の差異をより精度よく切り分けることができる。これにより、ハンドル操作を行うユーザーを精度よく特定することができる。一方、大人と子供とを切り分けるような場合であれば、図7に示すように、検知範囲の広い検知要素21dと、これよりも検知範囲の狭い検知要素21eとを上下に並べ、2箇所で検知を行ってもよい。
また、検知部21を構成する検知要素を複数設けることに限らず、図8に示すように、1つの検知要素21fで検知部21を構成してもよい。この場合、検知要素21fは、その検知範囲内における接触位置に応じて出力特性が変化するような構成であることが好ましい。
また、本実施形態では、上下方向における把持位置の差をもって、ユーザーを特定している。しかしながら、ユーザーが行うハンドル操作の特性(操作特性)は、右利き、左利きといった利き手の差でもよい。この場合、図9に示すように、ハンドル本体11の正面視において、左右に配置される2つの検知要素21g,21hから検知部21を構成してもよい。また、ユーザーによっては、ハンドル本体11の奥側を偏重して把持することもあれば、ハンドル本体11の手前側を偏重して把持することもある。そこで、奥側の把持、手前側の把持といった握り方の差でもよい。この場合、図10に示すように、ハンドル本体11の側面視において、手前側と奥側とに配置される2つの検知要素21i,21jから検知部21を構成することが好ましい。
また、検知部21は、このような検知形態を複合的に組み合わせてもよい。すなわち、把持位置、聞き手、握り方といった要素から複合的に操作特性を認識してもよい。この形態によれば、操作特性の差異をより高精度に切り分けることができるので、ハンドル操作を行うユーザーを精度よく特定することができる。
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係る住宅用ハンドル装置1の構成を示すブロック図である。この住宅用ハンドル装置1が第1の実施形態又は第2の実施形態のそれと相違する点は、住宅用ハンドル装置1が住宅制御装置60と連携している点である。以下、相違点を中心に説明を行う。
本実施形態において、住宅用ハンドル装置1は、住宅制御装置60と通信可能に接続されている。この住宅制御装置60は、住宅内部に設けられた機器と通信可能に構成されており、この機器の動作を制御する。住宅内部に設けられる機器としては、照明、家電などが挙げられる。この住宅制御装置60には、住宅を利用するユーザーの識別情報(例えば携帯器ID)と、機器の制御内容とが関連付けられている。
このような構成において、認証処理部35は、ハンドル操作を行うユーザーの正当性が判定されると、住宅制御装置60に対してユーザーの情報(例えば携帯器ID)を通知する。そして、住宅制御装置60では、通知されたユーザーに関連付けられた機器の制御を行う。
このように、本実施形態によれば、ハンドル操作を行うユーザーを特定することができるので、この情報を利用して住宅制御装置60を運用することができる。これにより、例えば家族間で携帯器50を取り違えたような場合に、住宅制御装置60において誤った制御が実行されるといったことを抑制することができる。これにより、信頼性の高い住宅用ハンドル装置1を提供することができる。
なお、上述した各実施形態では、携帯器IDと連携しながら操作特性によるユーザーの特定を行っている。しかしながら、携帯器50とは切り離して、操作特性によるユーザーの特定を行ってもよい。すなわち、検知部21の検知結果から認識した操作特性に基づいて、ハンドル操作を行うユーザーを特定する手法を単独で利用してもよい。この場合にあっては、操作特性として、ユーザー個人毎に現れるハンドル操作の特性を用いることが好ましい。この構成によれば、操作特性から、ユーザーを一意に特定することができる。その結果、携帯器IDを用いるまでもなく、ユーザーの認証を行うことができる。
また、各実施形態では、施解錠の権限を有するユーザーに割り当てられた認証情報として、携帯器50の携帯器IDを利用した。しかしながら、この認証情報は、ユーザーを識別するための固有の情報であればよく、暗証番号などであってもよい。この場合、住宅用ハンドル装置1は、通信部20に代えて、テンキーなどの入力部を備えていればよい。すなわち、住宅用ハンドル装置1は、ハンドル操作を行うユーザーから、扉の施解錠に必要な認証情報を取得する取得部を備えていればよい。
また、操作特性は、把持位置、利き手、奥側と手前との握り方の差以外にも、圧力、接触面積であってもよいし、これらを複合的に用いるものであってもよい。
また、ユーザーの特定を正確に行うために、入退室の時間帯といったユーザーの行動特性をさらに紐付けてもよい。
以上、本発明の実施形態に係る住宅用ハンドル装置について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることなく、その発明の範囲において種々の変更が可能である。
例えば、住宅は、人が住むための家のみならず、人が利用する所定の設備を備えた建物、例えば施設、商業ビルなどを広く含むものであってもよい。
1 住宅用ハンドル装置
10 室外ハンドル
11 ハンドル本体
20 通信部
21 検知部
30 錠装置
31 錠前
32 駆動部
33 制御部
34 記憶部
34a ユーザーデータベース
35 認証処理部
50 携帯器
60 住宅制御装置

Claims (5)

  1. 住宅の扉に設けられ、扉の開閉時にユーザーによって操作されるハンドル本体を有する住宅用ハンドル装置において、
    ユーザーが行うハンドル操作を検知する検知部と、
    ユーザー毎に、ユーザーが行うハンドル操作の特性である操作特性を記憶する記憶部と、
    前記検知部の検知結果から認識した操作特性に基づいて前記記憶部を検索し、ハンドル操作を行うユーザーを特定する認証処理部と、
    を有する住宅用ハンドル装置。
  2. 前記操作特性は、ユーザー個人毎に現れるハンドル操作の特性である
    請求項1記載の住宅用ハンドル装置。
  3. 前記操作特性は、複数のユーザー間で共通するハンドル操作の特性を類型化したものである
    請求項1記載の住宅用ハンドル装置。
  4. 扉の施解錠を行う錠前と、
    ハンドル操作を行うユーザーから、扉の施解錠に必要な認証情報を取得する取得部をさらに有し、
    前記記憶部は、
    施解錠の権限を有するユーザーに割り当てられた前記認証情報と、当該認証情報が割り当てられたユーザーに関する前記操作特性とが関連付けられたユーザーデータベースを有し、
    前記認証処理部は、
    前記取得部が取得した前記認証情報と、前記検知部の検知結果から認識した操作特性とに基づいて前記ユーザーデータベースを検索し、前記認証情報及びハンドル操作を行うユーザーの正当性を判定し、
    正当性の判定結果に基づいて所定の処理を行う
    請求項1から3のいずれか記載の住宅用ハンドル装置。
  5. 前記認証処理部は、住宅内部の機器の動作を制御する住宅制御装置に対して、ハンドル操作を行うユーザーを通知し、前記住宅制御装置にユーザーに関連付けられた所定の制御を行わせる
    請求項1から4のいずれか記載の住宅用ハンドル装置。
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