JP2019064317A - 車両用表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両に衝突する障害物ではない対象物についても接触の可能性を推定し、接触の可能性のある対象物について、有用な情報を提示することが可能な車両用表示装置を実現する。【解決手段】 車両1の周囲の情報を取得する周囲情報取得部200、206と、取得された周囲情報に基づいて、運行中の車両に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物を検出する対象物検出部318と、検出された対象物についての路面上の高さ情報及び傾斜情報の少なくとも一方を含む対象物情報を取得する情報取得部320と、車両用表示装置における表示を制御する表示制御部340と、を有し、表示制御部340は、対象物情報をヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100等に表示させる。【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車両用表示装置等に関する。
例えば特許文献1には、車両の進行方向における障害物を障害物検出部が検出し、制御部が、障害物の回避措置を自動的に実行する技術が記載されている。また、例えば特許文献2には、車両の周囲の障害物をレーダーを用いて検出し、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置という)を用いて警告情報を表示する技術が記載されている。
特開2014−91350号公報 特開2005−231381号公報
従来は、車両に衝突する障害物を検出しているが、車両に衝突する障害物(車両に衝突する可能性が高い障害物を含む)ではない場合でも、例えば、車両の最低地上高程度の高さをもつ対象物は、車両に接触する(当接する、あるいは、当たる)可能性があり、このような対象物についても、有用な情報を提示できるようにすることが好ましいことを、本発明者は認識した。特許文献1、2には、この点については、記載がされてなく、また示唆もされていない。
本発明の1つの目的は、車両に衝突する障害物ではない対象物についても接触の可能性を推定し、接触の可能性のある対象物について、有用な情報を提示することが可能な車両用表示装置を実現することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
第1の態様において、車両用表示装置は、
車両に搭載され、画像を、前記車両に備わる被投影部材に投影することで運転者に前記画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を少なくとも有する車両用表示装置であって、
前記車両の周囲の情報を取得する周囲情報取得部と、
取得された周囲情報に基づいて、運行中の前記車両に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物を検出する対象物検出部と、
検出された前記対象物についての路面上の高さ情報及び傾斜情報の少なくとも一方を含む対象物情報を取得する情報取得部と、
前記車両用表示装置における表示を制御する表示制御部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記情報取得部によって取得された前記対象物情報を、
前記ヘッドアップディスプレイ装置において前記対象物に重畳させて表示させる、
又は、
前記ヘッドアップディスプレイ装置において前記対象物に重畳させることなく表示させる、
又は、
前記ヘッドアップディスプレイ装置とは別に表示部が設けられる場合に、前記ヘッドアップディスプレイ装置において前記対象物に重畳させて、あるいは重畳させることなく表示させ、かつ前記表示部に、前記ヘッドアップディスプレイ装置における表示態様とは異なる態様にて表示させる、
又は、
前記ヘッドアップディスプレイ装置とは別に表示部が設けられる場合に、前記ヘッドアップディスプレイ装置及び前記表示部の少なくとも一方に表示させる。
第1の態様によれば、運行中の前記車両に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物を検出し、この対象物について、路面上の高さ情報及び傾斜情報の少なくとも一方を含む対象物情報を表示することができる。よって、車両の運転者は、例えば、車両の運行方向に背の低い対象物がある、といった場合において、その対象物が、車両の底部(例えば、車両の前端部又は後端部付近における車体底部)に接触する可能性があるか否かを知ることができ、接触の可能性がある場合には、車速を減速する、あるいは、その対象物の上を通過することを避ける、といった適切な措置を迅速に採ることが可能となる。また、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置(及び、他の表示部等)を用いて適切な表示をなすことで、運転者に、検出された対象物についての有用な情報をわかり易く提示(報知)することが可能である。よって、車両用表示装置の利便性が向上する。
また、第1の態様に従属する第2の態様において、
前記対象物検出部が検出する前記対象物は、運行中の前記車両に接触する可能性のある、路面の突起、傾斜する路面の一部、路面から少なくとも一部が突出する突出物、轍、スロープ、路上の落下物、路上に設置されている路上設置物、路上に露出する段差を有する路上段差物、の少なくとも1つであるとしてもよい。
第2の態様では、運行中の車両に接触する可能性のある対象物は、路面の突起(例えば、道路の表面に凹凸が生じて突起状となっている場合)、傾斜する路面の一部(例えば、道路の表面が、局所的に、ある程度の距離をもって隆起して急峻な勾配が生じているような場合)、路面から少なくとも一部が突出する突出物(例えば、マンホールの蓋が所定位置から外れて傾いた結果として、その傾いた蓋の一部が路面から突出している場合等)、轍(例えば、大きな凹凸が生じている轍、雪解け道の轍が夜間に凍りついて立体構造物のようになったもの等)、スロープ(例えば、全体としての傾斜は緩やかではあるが、先端部等の傾斜が急になっており、その急な傾斜の部分が突起となっているもの等)、路上の落下物(例えば、背の低い段ボール等の箱やコンクリートブロック等が路上に落ちている場合等)、路上に設置されている路上設置物(例えば、駐車場の車輪止め等)、路上に露出する段差を有する路上段差物(例えば、駐車しようとするスペースの横に位置する縁石等)、の少なくとも1つである。但し、これらは例示であり、この例に限定されるものではない。第2の態様によれば、従来、検出対象とならなかった、比較的、背(高さ)の低い対象物についても、車両との接触の可能性(言い換えれば、運行の妨げとなる可能性)が推定されて、積極的に、有用な表示がなされることで、車両用表示装置の利便性が格段に向上する。
また、第1又は第2の態様に従属する第3の態様において、
前記車両の運転シーンを判定する運転シーン判定部を有し、
前記対象物検出部における前記対象物の検出、及び、前記表示制御部による表示制御、の少なくとも一方において、前記運転シーン判定部の判定によって得られた運転シーンに応じて、検出対象となる対象物の絞り込み、又は、前記対象物情報の表示対象となる対象物の絞り込みが実行されるようにしてもよい。
第4の態様では、運転シーンに応じて、検出対象となる対象物、又は表示対象となる対象物を、適宜、絞り込むことができる。よって、不要な対象物の検出や表示がなされることを抑制することができ、より的確な検出や表示を行うことができる。また、無用な対象物についての検出や表示がなされないことから、車両用表示装置(ハードウエアやソフトウエア)の処理負担を軽減することができる。
また、第1乃至第3の何れか1つの態様に従属する第4の態様において、
前記車両に備わる、電波又は音波による物体の探知機能を備えるレーダー部又はソナー部及び車両の周囲を撮像する撮像部を有し、
前記情報取得部は、前記レーダー部又はソナー部が取得する、電波又は音波の照射範囲にある路面や物体についての高さの分布情報、及び、前記撮像部が撮像した画像に画像処理を施すことで得られる物体についての情報、の少なくとも一方を用いて、前記対象物情報を取得するようにしてもよい。
第4の態様では、レーダー部又はソナー部、カメラ等の撮像部の少なくとも一方によって得られる情報に基づいて、対象物を、迅速、的確に検出することができる。
また、第1乃至第4の何れか1つの態様に従属する第5の態様において、
前記対象物検出部は、前記車両に備わるタイヤの最下部を基準とした場合の、前記車両の最低地上高を基準として、前記対象物の、前記車両との接触の可能性を判定するようにしてもよい。
第5の態様では、最低地上高さを基準として対象物を検出することによって、車両の底部(例えば、車両の前端部又は後端部付近における車体底部)に接触する可能性がある対象物を、効率的に検出することができる。よって、接触の可能性がある場合には、車両の運転者は、車速を減速する、あるいは、その対象物の上を通過することを避ける、といった適切な措置を迅速に採ることが可能となる。
また、第1乃至第5の何れか1つの態様に従属する第6の態様において、
前記表示制御部は、前記対象物情報を表示させるに際し、前記車両の運転者に対する警告の表示も行わせるようにしてもよい。
第6の態様では、対象物情報に加えて、警告の表示も行うことによって、注意を要する対象物の存在を、運転者に確実に認識させることができる。
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
図1(A)は、本発明の車両用表示装置における対象物情報の表示の一例(警告表示なし)を示す図、図1(B)は、対象物情報の表示の他の例(警告表示あり)を示す図である。 図2(A)は、車両が駐車スペースに進入する様子を示す図、図2(B)は、図2(A)の運転シーンにおける、本発明の車両用表示装置における対象物情報の表示例を示す図である。 図3(A)は、複数の虚像表示面を切り換えて使用可能なヘッドアップディスプレイ(HUD)装置における、虚像表示面の設定例を示す図、図3(B)は、HUD装置の要部の構成例を示す図である。 図4は、図3(A)及び図3(B)に示されるHUD装置を少なくとも含む、本発明の車両用表示装置の全体構成の一例を示す図である。 図5は、本発明の車両用表示装置の、主要な動作手順の一例を示すフローチャートである。 図6(A)及び図6(B)は、レーダー部又はソナー部によって得られた情報に基づいて、対象物の高さを、所定の閾値を用いて判定する方法の一例について説明するための図である。 図7(A)、図7(B)、図7(C)、図7(D)は、レーダー部又はソナー部によって得られた情報に基づいて、対象物の高さ情報、あるいは対象物(路面の一部である場合を含む)の傾斜情報を取得する方法の一例について説明するための図である。
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
本発明の車両用表示装置は、画像(言い換えれば、画像を表示する表示光)を、車両に備わる被投影部材(透光部材)に投影(投射)することで、運転者に画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置(図1では不図示、図3(A)、図3(B)、図4における参照符号100)を少なくとも有している。
まず、図1を参照する。図1(A)は、本発明の車両用表示装置における対象物情報の表示の一例(警告表示なし)を示す図、図1(B)は、対象物情報の表示の他の例(警告表示あり)を示す図である。図1(A)の例では、車両1のウインドシールド(フロントガラス)3が被投影部材(透光部材)として機能する。運転者(図1では不図示、図3(A)の参照符号15)は、ウインドシールド3を介して、車両1の前方に実景を視認することができる。
図1の例における運転シーンでは、車両1は、直線状の道路を時速60kmで走行している。この例示的な例において、車両1の周囲(ここでは前方とする)には、例えば、道路の路面上に引かれている一対の車道外側線(以下、単に白線という)E1、E3と、センターラインE2と、遠方にある電柱E4、樹木E5と、走行中の車両1の前方に位置する落下物としての「箱体E6」と、が見えている。
また、図1(A)の例では、ウインドシールド3の面において、破線で示される矩形の虚像表示領域5が設定され、この虚像表示領域5の内側において、HUD装置100による虚像の表示が可能である。言い換えれば、運転者から見ると、HUD装置(図3(A)、図3(B)、図4の参照符号100)による虚像は、この虚像表示領域5内において表示される。虚像は、例えば、注意喚起対象である対象物に重畳されることが可能である。このような「対象物に重畳される虚像」は、言い換えれば「重畳画像の虚像」である。なお、本明細書では、「重畳画像の虚像による表示」を、「虚像の重畳表示」、あるいは、単に「重畳表示」という場合がある。
また、車両1に備わるHUD装置100は、実景に含まれる、運行中の車両1に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物(以下、単に、「対象物」ということがある。ここでは、走行中の車両1の前方に位置する落下物である「箱体E6」とする)について、運転者の運転に役立つ有用な情報を、例えば、虚像の重畳表示によって表示することができる。
図1(A)の例では、対象物である箱体E6を囲む枠(強調表示枠)QP1が表示され(但し、強調表示枠はない場合も有り得る)、その強調表示枠QP1内において、箱体E6の右横に目盛り(スケール)QP2が表示され、また、目盛りQP2の下に「15cm」という、対象物である箱体E6の高さ情報(この場合は、高さを示す具体的な数値の情報)QP3が表示されている。また、虚像表示領域5の右下側には、車速(ここでは「60km/h」)を示す車速情報SPが、表示されている。車速情報の他に、エンジンの回転数等の車両情報や、エンジンオイルの状況等を示す警告等が表示される場合もある。
また、図1(A)の例では、車両1には、HUD装置100の他に、液晶表示装置等で構成される表示部(表示器)13が設けられている。表示部(表示器)13は、例えば、インストルメントパネル11の中央に設けられている。
また、車両1のハンドル(例えばステアリングホイール)7には、モード選択スイッチ(操作部)9が設けられており、運転者は、モード選択スイッチ(操作部)9の操作によって、HUD装置100のオン/オフ、あるいは、「運行中の車両に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物」について高さ情報等を表示するモードのオン/オフ、あるいは、情報の表示を、HUD装置に行うか、表示部(表示器)13に行うか、それらの双方に行うか、といった表示態様についてのモードの切り換え(選択)等を、適宜、行うことができる。
対象物についての高さ情報等は、HUD装置100を用いて虚像として表示することができるが、例えば、対象物が、車両1から遠い位置にある場合は、高さ情報等を示す虚像が小さくなりがちであり、無理に拡大して表示すると運転者に違和感を生じさせる場合も想定され得ることから、このような場合は、HUD装置100とは異なる他の表示部(表示器)13(電子ミラー等であってもよい)を併用して表示を行うことができる。表示部(表示器)13を併用する場合には、表示部(表示器)13には、HUD装置100による表示態様とは異なる態様にて、わかりやすく情報を表示して、運転者の利便性を向上させてもよい。また、表示部(表示器)13のみに、対象物についての高さ情報等を表示させることもできる。
図1(A)の例では、表示部(表示器)13においても、対象物E6についての「落下物 高さ15cm」という情報が表示されている。言い換えれば、運転者(車両用表示装置のユーザー)には、より的確で、わかり易い表示による情報提供がなされている。
また、図1(A)の例では、対象物である「箱体E6」の高さ「15cm」は、車両1に備わるタイヤの最下部(言い換えれば、道路の路面との接触位置)を基準とした場合の、車両1の最低地上高(例えば、路面と車体底部との間の最小距離であり、例えば、「20cm」)よりも、やや低いことから、車両1との接触の可能性はあるが、そのまま通り過ぎることも想定され得る状況であると判定されて、警告のアイコン等は表示されていない。
次に、図1(B)を参照する。図1(B)において、図1(A)と共通する部分には、同じ参照符号を付している。図1(B)の例では、対象物E6の高さは「25cm」であり、車両1の最低地上高(「20cm」)よりも、やや高いことから、車両1との接触の可能性があり、また、車体底部等に当たることで衝撃が生じるといった場面も想定され得ることから、警告を示すアイコン(ここでは、「D」という表示)が追加されている。対象物情報に加えて、警告の表示も行うことによって、注意を要する対象物の存在を、運転者に確実に認識させることができる。
なお、上記の表示例は、一例であり、これに限定されるものではない。例えば、対象物が車両1と接触する可能性があると判定された場合には、一律に、警告の表示をなすようにしてもよい。この場合は、図1(A)の場合においても、警告のアイコン等が表示されることになる。
次に、図2を参照する。図2(A)は、車両が駐車スペースに進入する様子を示す図、図2(B)は、図2(A)の運転シーンにおける、本発明の車両用表示装置における対象物情報の表示例を示す図である。図2(A)の運転シーンでは、車両1の運転手は、駐車スペース(駐車場の角部のスペース)に駐車するべく、前進しながら右にハンドルを切っている。駐車スペースを示すために、路面には一対の白線E7、E8が引かれており、また、白線E7の外側には、路上に露出する段差を有する路上段差物としての縁石E9が設けられている。また、一対の白線E7、E8に挟まれたスペースの右側(車両が進入する入口とは反対の側)には、路上に設置される路上設置物としての、所定の突出長を有する一対の車輪止め(車止め)が設置されている。なお、参照符号204は車両の前照灯(ヘッドライト)である。
縁石E9は、駐車スペースを他のスペースと区画するという機能を有し、また、一対の車輪止め(車止め)E10は、車両1を所定の位置に止めるという機能を有し、共に、有用な道路構造物である。但し、例えば、図2(A)のように、車両1が前進しながら駐車スペースに進入する場合(前方進入の場合)は、車両1が後退しながら駐車スペースに進入する場合(後方進入の場合)に比べて、車両1の減速が十分ではなく、かなりの速度で曲がりながら進入する場合があり得る。図2(A)の例では、車両1の、推定される進路(推定進路)が太線の矢印で示されている。明らかに、車両1は、縁石E9を乗り越える可能性が高い。
ここで、縁石E9の高さが低い場合は、車両1が乗り越える場合も特に問題は生じないが、その高さが、車両1の最低地上高(例えば、路面と車体底部との間の最小距離であり、例えば、「20cm」)と同等(あるいはそれ以上)である場合には、縁石E9が車両1の車体底部を傷つけるといったことも生じ得る。
言い換えれば、この場合には、縁石E9は、車両1(の車体底部またはその近傍等)に接触する(言い換えれば、当たる、当接する、乗り上げる、あるいは、軽度の衝突を生じる)可能性がある、ということである。一対の車輪止め(車止め)E10についても、同様である。
このように、有用な道路構造物であっても、運転シーン(運転状況)によっては、車両1に接触する可能性のある対象物となり得る。そこで、図2の例では、図2(B)に示されるように、例えば、車両1が駐車スペースに進入しようとする直前に、対象物である縁石E9(実景)に重畳される態様にて、強調表示枠QP1、目盛り(スケール)QP2、及び、「15cm」という、対象物である縁石E9の高さ情報(この場合は、高さを示す具体的な数値の情報)QP3が表示される。
よって、車両1の運転者は、縁石E9に乗り上げる可能性があることを、即座に知ることができる。この場合、運転者は、進入速度を十分に低下させる、あるいは、一旦、停止した後、入りなおす、といった適切な措置を採ることができる。
このように、従来は、車両1に衝突する障害物のみを検出していたが、車両に衝突する障害物(車両に衝突する可能性が高い障害物を含む)ではない場合でも、上述のとおり、例えば、車両の最低地上高程度の高さをもつ対象物は、車両に接触(当たる、当接する、乗り上げる、あるいは軽度の衝突を生じる)可能性があり、本発明の車両用表示装置は、このような対象物についても、有用な情報の提示が可能である。ここで、「有用な情報」は、例えば、対象物についての路面上の高さ情報及び傾斜情報の少なくとも一方を含む情報である。本明細書では、これらの情報を「対象物情報」と称する。
なお、「対象物についての傾斜情報」は、路面上にある対象物が傾斜した段差を有する物(傾斜物)である場合や、道路自体が局所的に隆起するなどして、不自然な、急峻な傾斜が生じている場合において、その局所的な隆起(傾斜を有する道路の(部分的な)突出部分)を対象物として把握して、情報の表示を行う場合等に有用となる。例えば、「路面傾斜50度」といった表示によって、「路面の傾き」を示すことで、車両1の運転者に、対象物(傾斜を有する道路の(部分的な)突出部分)の存在を報知することができる。
また、運行中の車両に接触する可能性のある対象物は、図1、図2の例で挙げた対象物に限定されるものではない。対象物としては、例えば、路面の突起(例えば、道路の表面に凹凸が生じて突起状となっている場合)、傾斜する路面の一部(例えば、道路の表面が、局所的に、ある程度の距離をもって隆起して急峻な勾配が生じているような場合)、路面から少なくとも一部が突出する突出物(例えば、マンホールの蓋が所定位置から外れて傾いた結果として、その傾いた蓋の一部が路面から突出している場合等)、轍(例えば、大きな凹凸が生じている轍、雪解け道の轍が夜間に凍りついて立体構造物のようになったもの等)、スロープ(例えば、全体としての傾斜は緩やかではあるが、先端部等の傾斜が急になっており、その急な傾斜の部分が突起となっているもの等)、路上の落下物(例えば、背の低い段ボール等の箱やコンクリートブロック等が路上に落ちている場合等)、路上に設置されている路上設置物(例えば、駐車場の車輪止め等)、路上に露出する段差を有する路上段差物(例えば、駐車しようとするスペースの横に位置する縁石等)を挙げることができる。但し、これらは例示であり、この例に限定されるものではない。本発明の車両用表示装置の対象物検出部(後述)は、上記のような対象物の少なくとも1つを検出することができる。
これにより、従来、検出対象とならなかった、比較的、背(高さ)の低い対象物についても、車両との接触の可能性(言い換えれば、運行の妨げとなる可能性)が推定されて、積極的に、有用な表示がなされることで、車両用表示装置の利便性が格段に向上する。
以上説明したように、本発明の車両用表示装置は、運行中の車両1に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物を検出し、この対象物について、例えば、路面上の高さ情報及び傾斜情報の少なくとも一方を含む対象物情報を表示することが可能である。よって、車両1の運転者は、例えば、車両1の運行方向に背の低い対象物がある、といった場合において、その対象物が、車両1の底部(例えば、車両の前端部又は後端部付近における車体底部)に接触する可能性があるか否かを知ることができ、接触の可能性がある場合には、車速を減速する、あるいは、その対象物の上を通過することを避ける、といった適切な措置を迅速に採ることが可能となる。
また、HUD装置100(及び、他の表示部13等)を用いて適切な表示をなすことで、運転者に、検出された対象物についての有用な情報をわかり易く提示(報知)することが可能である。なお、報知には、例えば、アンビエント照明の照明態様を変化させることによる報知等を含み、また、表示によるものに加えて、音声による報知を併用する場合も含むものとする。よって、本発明の車両用表示装置は、その利便性が、従来のものに比べて格段に向上している。
以下、上述のような表示(報知)を行うことができる車両用表示装置の構成について、図面を参照しつつ、順を追って説明する。ここで、図3を参照する。図3(A)は、複数の虚像表示面を切り換えて使用可能なHUD装置における、虚像表示面の設定例を示す図、図3(B)は、HUD装置の要部の構成例を示す図である。なお、図3において、前掲の図面と同じ箇所には同じ参照符号を付している。
先に説明した図1(A)、図2(A)の例からもわかるように、対象物は、車両1から比較的遠い位置にある場合もあり、比較的近い位置にある場合もあり、その対象物に、正確に虚像を重畳して、高さ情報等の表示を行うことを考慮すると、虚像の、奥行き方向(車両の運行方向に沿う方向)における位置を変化させることができた方が好ましい(但し、これに限定されるものではない)。図3の例では、HUD装置100として、複数の虚像表示面を切り換えて使用可能なHUD装置を使用する。
図3(A)の例では、HUD装置100は、例えば、車両1のダッシュボード等の内部に設置されており、下側から上側に画像を表示する表示光K1、K2を照射することで、画像を被投影部材(透光部材)としてのウインドシールド3に投影する。なお、被投影部材(透光部材)3は、ウインドシールドに限定されるものではなく、コンバイナー等の他の部材であってもよい。
図3(A)の例では、虚像表示面として、運転者15から見て、遠い位置(虚像表示距離L100)の虚像表示面PS1(a)と、より近い位置(虚像表示距離L101、L101<L100)の虚像表示面PS1(b)と、最も近い位置(虚像表示距離L102、L102<L101<L100)の虚像表示面PS2を使用することができる。虚像表示面PS2は、車速情報SP等が表示される面であり、例えば、虚像表示距離L102は固定である。
また、虚像表示面PS1(a)、(b)は、重畳表示(先に示した強調表示枠QP1等)が表示される面であり、重畳対象である対象物の距離が、車両1から遠いか近いかに応じて、PS1(a)、PS1(b)が選択的に切り換えられるようになっている。対象物までの距離に応じて、2面を選択的に切り換えることで、奥行き感を損なうことなく、3次元的に、精度よく、重畳表示(強調表示枠等)を対象物に重畳させることができる。なお、虚像表示面PS1(a)、PS1(b)、PS2は、路面2に対して直交して立設されてもよく、また、路面2に対して所定の角度で傾斜する、あるいは、路面2に重畳されるように傾斜するものであってもよい。
次に、図3(B)を参照する。図3(B)に示されるように、HUD装置100は、光源部31(画像生成部33と、レーザー光を2分割して2つのビームを生成して出力する投光制御部35と、を含む)と、ミラー39と、レンズ44と、画像表示部としてのスクリーン46a、46b(画像表示面47を備え、画像表示面47上に画像Ma、Mbが形成される)と、虚像表示距離制御部24(レンズ駆動部51と、スクリーン駆動部53とを含む)と、ミラー71と、反射鏡(凹面鏡)72と、筐体81と、光出射窓83と、を有する。レンズ駆動部51はレンズ44を移動させるために設けられている。また、スクリーン駆動部53は、スクリーン46aを移動させるために設けられている。スクリーン46aの移動に合わせてレンズ44も移動させることで、移動の前後で、配光特性を一定に保つことができる。但し、レンズ駆動部51を設けない場合もあり得る。図3(B)では、光源部31から出力される光を処理する光学系の全体(破線の楕円で囲まれる領域)を、投射光学系37と称するものとする。
スクリーン46aの画像表示面47に表示される画像Maの出射光によって表示光K1が生成され、スクリーン46bの画像表示面47に表示される画像Mbの出射光によって表示光K2が生成される。虚像表示距離制御部24(レンズ駆動部51、スクリーン駆動部53)によって、レンズ44及びスクリーン46aの位置が、光路に沿って、言い換えれば、レンズ44(及びスクリーン46a)の光軸に沿う方向に移動することで、虚像表示面PS1(a)、(b)を適宜、切り換えることができる。なお、スクリーン46bは位置が固定であり、表示光K2は、車速情報SP等を表示するために使用される。
次に、図4を参照する。図4は、図3(A)及び図3(B)に示されるHUD装置を少なくとも含む、本発明の車両用表示装置の全体構成の一例を示す図である。
車両用表示装置は、車両に搭載され、画像を、前記車両に備わる被投影部材に投影することで運転者に前記画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置100を少なくとも有し、車両1の周囲の情報を取得する周囲情報取得部(ここでは、周囲を撮像する周囲撮像用カメラ(撮像部)200、及び車両1の前照灯204の近傍に設けられるレーダー部又はソナー部206を含むものとする)と、取得された周囲情報に基づいて、運行中の車両に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物を検出する対象物検出部(接触の可能性がある対象物の検出部)318と、検出された対象物についての路面上の高さ情報及び傾斜情報の少なくとも一方を含む対象物情報を取得する情報取得部320と、車両用表示装置における表示を制御する表示制御部340と、を有しており、表示制御部340は、対象物情報をHUD装置100等に表示させる。
より具体的には、車両用表示装置は、図1の例で示した液晶パネル等の表示部(表示器)13と、図3で説明したHUD装置100(虚像表示距離制御部24、画像生成部33、投光制御部35、投射光学系37を含む)と、図4で示した周囲を撮像する周囲撮像用カメラ(撮像部)200と、運転者(ユーザー)15の顔の向き(あるいは視点A)を撮像する、顔又は瞳の撮像用カメラ(撮像部)202と、を有する。周囲撮像用カメラ200は、例えば、赤外線ステレオカメラである。
また、車両用表示装置は、レーダー部又はソナー部206を有している。このレーダー部又はソナー部は、例えば、3次元カラーイメージングソナーであり、先行車両や前方等における障害物までの距離を測定したり、路面及び路面上の物体をスキャンして表面の高さの変化を検出し、高さの分布情報を取得したりすることができる。なお、レーダー部又はソナー部206は、車両1の前照灯(ヘッドライト)204の近傍に設けられる(この点は後述する)。
また、車両用表示装置は、GPS衛星400、情報通信システム(例えば、電波ビーコンや光ビーコン等を用いて、道路交通情報を車両の車載機(カーナビ装置等)に送信することが可能なシステム)402、路車間通信システム404等と無線で通信して、情報の授受を行うことができる無線通信部302と、電子制御ユニット(ECU)300と、バスBUS1と、車両情報取得部(車両情報インターフェース)304と、を有している。なお、電子制御ユニット(ECU)300は、車両1の運転状況を示す各種のデータ(例えば、車速情報、方向指示器情報等)を収集することができる。また、無線通信部が受信した各種のデータも、電子制御ユニット(ECU)300によって収集される。電子制御ユニット(ECU)300によって収集された各種のデータは、バスBUS1を経由して、車両情報取得部304に供給される。
また、車両用表示装置は、先に図1、図2を用いて説明したような動作を行うために各部を制御する、制御部306を有する。この制御部306は、ハードウエアとしては、CPU(MPU)やROM、RAM等の記憶部によって構成されるものである。制御部306は、レーダー部又はソナー部(3次元イメージングソナー)306の測定によって得られる3次元画像データを取得する、路面、物体についての3次元画像情報の取得部312と、画像処理部307と、を有している。
画像処理部307は、周囲撮像用カメラ(撮像部)200による撮像画像を解析して、物体の特徴量を抽出し、パターンマッチング等によって物体の情報(物体の属性情報)を取得する特徴量抽出部308と、車両用情報取得部304から、車両の動作状態、運転状況、車両の現在位置等を示す各種のデータを受信し、それらのデータに基づいて運転シーン(例えば、図1(A)、図2(A)に示したような運転シーン)を判定する運転シーン判定部310と、衝突の可能性がある障害物の検出部314と、衝突はしないが、接触の可能性がある対象物を検出する、対象物検出部(接触の可能性がある対象物の検出部)318と、情報取得部320と、を有する。
衝突の可能性がある障害物の検出部(第1の検出部ということができる)314は、路面、物体についての3次元画像情報の取得部312からの情報、特徴量抽出部308からの情報、及び運転シーン判定部310からの情報等に基づいて、車両1に衝突する可能性がある、ある程度の高さのある障害物を検出する。障害物が検出された場合は、そのことが直ちに表示制御部340に送られて警告の表示がなされ、また、緊急を要する場合は、例えば、エンジン制御部360を介して、車両1を強制的に停止させる等の衝突回避措置が実行される。
また、対象物検出部(接触の可能性がある対象物の検出部:第2の検出部ということができる)318は、衝突の可能性がある障害物の検出部314からの情報、路面、物体についての3次元画像情報の取得部312からの情報、特徴量抽出部308からの情報、及び運転シーン判定部310からの情報等に基づいて、車両1に接触する可能性がある、比較的、背(高さ)の低い対象物を検出する。
先に説明したように、対象物検出部(接触の可能性がある対象物の検出部)318が検出する対象物としては、運行中の車両1に接触する可能性のある、路面の突起、傾斜する路面の一部、路面から少なくとも一部が突出する突出物、路上の落下物、路上に設置されている路上設置物、路上に露出する段差を有する路上段差物等を挙げることができ、対象物検出部318は、上記の対象物の少なくとも1つを検出することができる。
ここで、対象物検出部(接触の可能性がある対象物の検出部)318は、車両1に備わるタイヤの最下部(路面2との接触部)を基準とした場合の、車両の最低地上高を基準として、対象物の、車両との接触の可能性を判定するようにしてもよい。最低地上高さを基準として対象物を検出することによって、車両の底部(例えば、車両の前端部又は後端部付近における車体底部)に接触する可能性がある対象物を、効率的に検出することができる。よって、接触の可能性がある場合には、車両の運転者は、車速を減速する、あるいは、その対象物の上を通過することを避ける、といった適切な措置を迅速に採ることが可能となる。
また、情報取得部320は、レーダー部又はソナー部206が取得する、電波又は音波の照射範囲にある路面や物体についての高さの分布情報、及び、周囲撮像用カメラ(撮像部)200が撮像した画像に画像処理を施すことで得られる物体についての情報、の少なくとも一方を用いて、対象物情報(高さ情報や傾斜情報等)を取得するようにしてもよい。これによって、レーダー部又はソナー部206、周囲撮像用カメラ200等の撮像部の少なくとも一方によって得られる情報に基づいて、接触可能性のある対象物を、迅速、的確に検出することができる。
また、表示制御部340は、運転者に報知するための画像の表示を、HUD装置100を用いて行うか、表示部(表示器)13を用いて行うか(あるいは、それらの双方に行うか)を判定するHUD表示/表示器表示の判定部342と、重畳表示や報知のための表示の態様や形式(例えば、重畳表示として枠表示を用いる、注意喚起マークを用いる、あるいは、報知のための表示として、ロゴマークを用いる、文字情報を用いる、といったこと)を決定する報知形式/表示形式の決定部344と、を有する。
表示制御部340は、バスBUS2を経由して、HUD装置100の画像生成部33、虚像表示距離制御部24の各動作を制御することができ、また、表示部(表示器)13用の画像生成部350の動作を制御することができる。なお、画像生成部350で生成された画像は、表示器制御部352に供給され、表示器制御部352によって、液晶表示装置等の表示部(表示器)13の表示が制御される。
ここで、表示制御部340は、情報取得部320によって取得された対象物情報を、例えば、HUD装置100において対象物(例えば、図1(A)の落下物(箱体)E6)に重畳させて表示させることができ、又は、HUD装置100において、対象物に重畳させることなく表示させることができ、又は、HUD装置100とは別に表示部(表示器)13が設けられる場合に、HUD装置100において対象物に重畳させて、あるいは重畳させることなく表示させ、かつ表示部(表示器)13に、HUD装置100における表示態様とは異なる態様にて表示させることができ(図1(A)、(B)参照)、又は、HUD装置100とは別に表示部(表示器)13が設けられる場合に、HUD装置100及び表示部(表示器)13の少なくとも一方に表示させることもできる。表示態様を適宜、選択することで、運転状況に応じて、情報の表示に適した表示態様にて、有益な情報を、確実に運転者(ユーザー)に提示することができる。
ここで、対象物検出部318における対象物の検出、及び、表示制御部340による表示制御、の少なくとも一方において、運転シーン判定部310の判定によって得られた運転シーンに応じて、検出対象となる対象物の絞り込み、又は、対象物情報の表示対象となる対象物の絞り込み等が実行されるようにしてもよい。これによって、不要な対象物の検出や表示がなされることを抑制することができ、より的確な検出や表示を行うことができる。また、無用な対象物についての検出や表示がなされないことから、車両用表示装置(ハードウエアやソフトウエア)の処理負担を軽減することができる。
また、先に図1(B)の例で説明したように、表示制御部340は、対象物情報を表示させるに際し、車両1の運転者15に対する警告の表示も行わせるようにしてもよい。対象物情報(高さ情報等)に加えて、警告の表示も行うことによって、注意を要する対象物の存在を、運転者15に確実に認識させることができる。
次に、図5を参照する。図5は、本発明の車両用表示装置の、主要な動作手順の一例を示すフローチャートである。まず、ソナーやステレオカメラ等を用いて車両の周囲情報が取得される(ステップS1)。次に、物体の検出が行われる(ステップS2)。なお、このステップS2では、運転シーンを考慮しつつ、車両の運行に悪影響を及ぼす可能性がある物体(例えば、車両が通過すると推定される位置にある物体)のみを検出する等して、検出処理の効率化が図られるのが好ましい。
次に、衝突の可能性がある物体(障害物)であるか否かが判定される(ステップS3)。ステップS3でYの場合は、報知(警告)、自動停止等の措置が採られる(ステップS4)。ステップS3でNの場合は、ステップS5に移行し、物体についての、高さや傾き等の情報が取得される。続いて、車両に接触する可能性がある対象物であるか否かの判定が行われる。ここでは、例えば、車両の最低地上高を基準として、物体(対象物)の、車両との接触の可能性が判定される。
ステップS6でYの場合は、運転シーン特定用の情報を取得する。ここで、運転シーン特定用の情報は、例えば、車速、方向指示器情報、顔向き(視線方向)、GPSによる位置情報、路車間通信や運行支援システムから得られる位置情報等である。例えば、車速が所定速度以上の状態が継続している場合は、車両は道路を走行中であることがわかり、また、車速が十分に減速された状態で方向指示器が操作され、かつ運転者の顔向き(あるいは視線)が一定時間以上、正面以外の方向を向いている場合は、車両は、駐車場へ入場している(あるいは駐車スペースに進入している)と推定することができ、また、GPS等による位置情報を用いると、車両が駐車場内にいるか否かをより精度よく推定することができる。
また、図5の例では、運転シーン特定用の情報の取得は、対象物の検出(判定)の後に行っているが、例えば、ステップS3の前、あるいは、ステップS5の前において、運転シーン特定用の情報の取得を行い、得られた運転シーンの情報を、障害物や対象物の検出等に利用してもよい。
ステップS8では、例えば、現在の車両の運転シーンが、走行中の運転シーンであるか、駐車スペースに駐車しようとしている運転シーンであるか、を判定する。走行中であるときは、表示処理(ステップS9)が実行される。ステップS9は、例えば、白線検出(ステップS10)、白線の有無判定(ステップS11)、白線内の対象物についての情報表示(ステップS12)、あるいは、すべての対象物についての情報表示(ステップS13)を含む。
ステップS8にて、駐車の運転シーンであると判定されたときは、例えば、検出されたすべての対象物について情報表示を行ってもよく(ステップS14)、また、上記のステップS9と同様の表示処理(白線の検出に基づく表示処理)を行ってもよい(ステップS15)。例えば、先に説明した図2(A)のような運転シーン(駐車スペースへ進入する運転シーン)では、一対の白線E7、E8を検出し、その一対の白線E7、E8内にある対象物を表示対象とすることで、車輪止め(車止め)E10についての高さ情報等を表示することができる。また、白線を問題としなければ、縁石E9についての高さ情報等も表示することができる。
次に、図6を参照する。図6(A)及び図6(B)は、レーダー部又はソナー部によって得られた情報に基づいて、対象物の高さを、所定の閾値を用いて判定する方法の一例について説明するための図である。上記の図5のフローにおけるステップS3(衝突の可能性のある障害物の判定ステップ)は、迅速に行う必要がある。この場合、例えば、レーダー部又はソナー部(例えば、物体を画像化できるイメージングレーダー又はイメージングソナー)206でスキャンを行い、物体(対象物)までの距離を測定し、測定された距離を用いた所定の演算結果を、所定の閾値と比較することで、衝突の可能性を簡便に、高速に判定する手法を採用することが可能である(但し、一例であり、これに限定されるものではない)。
以下の説明では、レーダー部又はソナー部として、3次元イメージングソナー(以下単に、ソナーという)を用いた場合について説明する(但し、一例であり、これに限定されるものではない)。図6(A)に示すように、車両1の左右のコーナー部には、一対のコーナーソナー206a、206bが設けられ、車両1の前面の中央には、4つのフロントソナー206c〜206fが設けられている。図中、A1〜A4は、フロントソナー206a〜206fの各々の反射波検出位置(反射波検出点)を示す。ここで、フロントソナー206c、206dの反射波検出位置(反射波検出点)A1、A2は、フロントソナー206c、206dの中心に位置し、路面2(言い換えれば、タイヤの最下部)を基準とした地上高がH1である。また、フロントソナー206e、206fの反射波検出位置(反射波検出点)A3、A4は、フロントソナー206e、206fの中心よりも路面2側にオフセットされ、その地上高はH2(H1>H2)である。ここで、H2は、車両1の最低地上高に等しく、あるいは、略等しく設定されている。
図6(B)において、参照符号211は、衝突の可能性がある障害物を示し、参照符号213は、衝突はしないが、接触の可能性がある対象物を示す。ここで、地上高が異なるフロントソナー(206c及び206d、206e及び206f)で、障害物211までの距離を測定すると、L1、L2となり、ほとんど差がない。
これに対して、地上高が異なるフロントソナー(206c及び206d、206e及び206f)で、対象物213までの距離を測定すると、L3、L4(L3>L4)となり、かなりの差が生じている。
ここで、L1とL2の差分、及び、L3とL4の差分を算出し、各差分を、予め用意されている所定の閾値(Lthとする)と比較する。この閾値(Lth)は、地上高H1とH2との中間にある高さHthに対応するものである。言い換えれば、閾値(Lth)は、上記の対象物213が、高さHthであった場合における、L3とL4の差分に相当する閾値である。
ここで、前方の物体の高さがHthを超える場合(前方の物体が障害物211であった場合)には、L3とL4の差分はLthよりも小さくなり、逆に、前方の物体の高さがHthを下回る場合(前方の物体は、本発明が検出対象とする対象物213であった場合)は、L3とL4の差分はLthよりも大きくなる。よって、L3とL4の差分が、Lthよりも小さいときは、前方の物体は、障害物211であることがわかり、逆に、Lthよりも大きいときは、前方の物体は、本発明における検出対象としての対象物213の可能性があることがわかる。このようにして、地上高の異なる各ソナーによって得られた前方の物体までの距離の差に閾値を適用して、高速に障害物の有無を判定することができる。
次に、図7を参照する。図7(A)〜図7(D)は、レーダー部又はソナー部によって得られた情報に基づいて、対象物の高さ情報、あるいは対象物(路面の一部である場合を含む)の傾斜情報を取得する方法の一例について説明するための図である。
衝突はしないが、接触の可能性があると判定された対象物についての高さ情報や傾斜情報は、周囲撮像カメラ(撮像部)200によって撮像された画像の画像処理によっても取得することができるが、ここでは、レーダー部又はソナー部206を用いた検出方法(レーダー部又はソナー部206と周囲撮像カメラ(撮像部)200とを併用する場合を含む)について説明する。
図7(A)に示されるように、レーダー部又はソナー部206が、例えば、車両1の前方の路面2を、ある程度の広がり(範囲RZ)でスキャンして、3次元画像情報を得る。図7(A)の例では、範囲RZには、段差を有する物体215が存在している。
ここで、レーダー部又はソナー部206が、路面2及び物体215の表面をスキャンした結果として、図2(B)のような路面2及び物体215の表面の高さの分布(奥行き方向に対する高さの変化を示す分布)についての特性線19が得られたとする。特性線19において、高さPLは、路面2の高さを示すものと推定され、高さPHは、物体215の表面の高さを示すものと推定される。よって、高さPHとPLの差分が、段差を有する物体215の高さHであると推定することができる。
また、図7(C)においては、車両1の前方の路面2が、部分的に隆起して、奥行き方向(車両の進行方向)に、かなりの角度で上昇する、不自然な勾配(部分的、あるいは局所的な勾配)225が生じている。このような勾配は、例えば、図7(C)において斜線で示されるような電波又は音波の照射範囲223において検出することが可能であり、また、周囲撮像カメラ(撮像部)200によって撮像された画像の画像処理(画像解析)によって検出可能であり、この場合、勾配225は、一つの物体として把握され得るものである。
この勾配225は、先に図6を用いて説明した方法によって、その高さ227は、閾値に対応する高さHthを超えないと判定されるが、車両1に接触する可能性はある。
ここで、レーダー部又はソナー部206が、路面2及び物体216の表面をスキャンした結果として、図7(D)のような勾配225の表面の高さの分布(奥行き方向に対する高さの変化を示す分布)についての特性線21が得られたとする。この場合、勾配が開始される前の路面の高さと推定されるH0を基準として、特性線21の傾斜角θを検出することによって、勾配225(言い換えれば、路面の傾き)についての傾斜情報を得ることができる。
このように、本発明の実施形態によれば、車両に衝突する障害物ではない対象物についても接触の可能性を推定し、接触の可能性のある対象物について、有用な情報を提示することが可能な車両用表示装置を実現することができる。
以上、本発明を、いくつかの実施形態を用いて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、種々、変形、応用が可能である。例えば、対象物の路面上の高さ(高さ情報)は、ステレオカメラを用いた三角測量によっても検出(測定)することができる。例えば、設置位置が異なる2台のカメラで対象物を撮像し、視差画像に基づく三角測量にて、対象物の路面側の端点までの距離(第1の距離)と、路面とは反対側の端点までの距離(第2の距離)を求めれば、第1の距離及び第2の距離に基づいて対象物の高さを算出することが可能である。また、例えば、検出された対象物についての情報の表示として、高さの程度を示すアイコン等を採用してもよい。また、対象物の高さが、車両の最低地上高を明らかに上回っているような場合は、対象物の種別を示すアイコン等(例えば、前方の対象物が、コンクリート製のブロックであることがわかっている場合は、そのことを示すアイコン等)を表示して、対象物について、より具体的な情報を提示するようにしてもよい。このような具体的な情報は、運転者が、対象物の危険性の判断を行う場合等における、有効な判断材料となり得る。また、虚像表示面PS1(a)、PS1(b)の2面を切り換える場合を例示したが、連続的な複数の虚像表示面に対し切り換え表示を行うことも可能である。
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
1・・・車両(乗り物)、2・・・路面、3・・・被投影部材(ウインドシールド等)、4・・・ダッシュボード、5・・・ウインドシールド上の虚像表示領域、7・・・ハンドル(ステアリングホイール)、9・・・モード切替スイッチ(操作部)、13・・・液晶等による表示部(表示器)、15・・・運転者(ユーザー)、100・・・HUD装置、200・・・ステレオカメラ等の周囲撮像用カメラ(撮像部)、206・・・レーダー部又はソナー部、300・・・電子制御ユニット(ECU)、302・・・無線通信部、304・・・車両情報取得部、306・・・制御部、308・・・特徴量抽出部、310・・・運転シーン判定部、312・・・路面、物体についての3次元画像情報の取得部、314・・・衝突の可能性がある対象物の検出部(第1検出部)、318・・・接触の可能性がある対象物の検出部(対象物検出部、第2の検出部)、320・・・情報取得部、340・・・表示制御部、360・・・エンジン制御部。

Claims (6)

  1. 車両に搭載され、画像を、前記車両に備わる被投影部材に投影することで運転者に前記画像の虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置を少なくとも有する車両用表示装置であって、
    前記車両の周囲の情報を取得する周囲情報取得部と、
    取得された周囲情報に基づいて、運行中の前記車両に衝突はしないが、接触する可能性がある対象物を検出する対象物検出部と、
    検出された前記対象物についての路面上の高さ情報及び傾斜情報の少なくとも一方を含む対象物情報を取得する情報取得部と、
    前記車両用表示装置における表示を制御する表示制御部と、
    を有し、
    前記表示制御部は、前記情報取得部によって取得された前記対象物情報を、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置において前記対象物に重畳させて表示させる、
    又は、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置において前記対象物に重畳させることなく表示させる、
    又は、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置とは別に表示部が設けられる場合に、前記ヘッドアップディスプレイ装置において前記対象物に重畳させて、あるいは重畳させることなく表示させ、かつ前記表示部に、前記ヘッドアップディスプレイ装置における表示態様とは異なる態様にて表示させる、
    又は、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置とは別に表示部が設けられる場合に、前記ヘッドアップディスプレイ装置及び前記表示部の少なくとも一方に表示させる、
    ことを特徴とする車両用表示装置。
  2. 前記対象物検出部が検出する前記対象物は、運行中の前記車両に接触する可能性のある、路面の突起、傾斜する路面の一部、路面から少なくとも一部が突出する突出物、轍、スロープ、路上の落下物、路上に設置されている路上設置物、路上に露出する段差を有する路上段差物の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
  3. 前記車両の運転シーンを判定する運転シーン判定部を有し、
    前記対象物検出部における前記対象物の検出、及び、前記表示制御部による表示制御、の少なくとも一方において、前記運転シーン判定部の判定によって得られた運転シーンに応じて、検出対象となる対象物の絞り込み、又は、前記対象物情報の表示対象となる対象物の絞り込みが実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
  4. 前記車両に備わる、電波又は音波による物体の探知機能を備えるレーダー部又はソナー部及び車両の周囲を撮像する撮像部を有し、
    前記情報取得部は、前記レーダー部又はソナー部が取得する、電波又は音波の照射範囲にある路面や物体についての高さの分布情報、及び、前記撮像部が撮像した画像に画像処理を施すことで得られる物体についての情報、の少なくとも一方を用いて、前記対象物情報を取得する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用表示装置。
  5. 前記対象物検出部は、前記車両に備わるタイヤの最下部を基準とした場合の、前記車両の最低地上高を基準として、前記対象物の、前記車両との接触の可能性を判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用表示装置。
  6. 前記表示制御部は、前記対象物情報を表示させるに際し、前記車両の運転者に対する警告の表示も行わせることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の車両用表示装置。
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