JP2019064090A - 3dプリンタ用加熱装置および3dプリンタ用ヘッドモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】融解させた材料の積層による造形において、機械的強度の高い造形物を作製することができる3Dプリンタ用の加熱装置およびヘッドモジュールを提供する。【解決手段】3Dプリンタ用加熱装置1は、板状の本体2と本体2に備えられた発熱体3とを有し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aの近傍に配置され、本体2の一方の面を加熱面2bとして造形時に積層形成されている造形物Aの表面と対向させることで造形物Aの表面を加熱する。また、3Dプリンタ用ヘッドモジュール10は、造形材料吐出ヘッド11と、板状の本体2および本体2に備えられた発熱体3を有し、造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aの近傍に配置され、本体2の一方の面を加熱面2bとして造形時に積層形成されている造形物Aの表面と対向させることで造形物Aの表面を加熱する加熱板1とを備えている。【選択図】図1A
Description
本発明は、3Dプリンタによる造形時に造形物を加熱することができる3Dプリンタ用加熱装置、および、造形時に造形物を加熱する加熱板を備えた3Dプリンタ用ヘッドモジュールに関する。
近年、金型などを必要とせずに所望の形状の立体を形成し得る3Dプリンタ(3次元プリンタ)が多くの分野で用いられており、各種工業製品の生産用途に留まらず、ホビー用などとして一般家庭にまで浸透している。3Dプリンタに用いられる造形方式としては、熱溶解積層法、光造形法、および、粉末焼結積層造形法などが知られている。このうち、熱溶解積層法は、比較的シンプルな構造の装置および比較的安価な材料を用いて造形できるという利点を有し、多くの3Dプリンタで用いられている。
熱溶解積層法では、熱可塑性樹脂などからなる造形材料が加熱されることによって融解し、その融解した造形材料がノズルの先端から造形ステージ上に吐出される。造形材料の吐出と共にノズルがXY平面上において所望の経路で動かされることにより、一層の造形物が形成される。XY平面上でのノズルの移動および造形材料の吐出がノズルと造形ステージとを次第に離間させながら継続されることによって、ステージ上において造形材料が次々と積層され、その結果、造形材料の積層体からなる目標の造形物が作製される。特許文献1には、この熱溶解積層法を用いる3Dプリンタに備えられ得る造形材料吐出ヘッドが開示されている。
熱溶解積層法のように、造形材料の積層による造形物の作製では、各層を構成する造形材料同士の十分な接着強度が得られない場合、造形物全体の強度が低下したり、各層の境界線が露わになることによって美観を損ねたりすることがある。
本発明は、このような問題の解決のためになされたもので、融解させた造形材料の積層による造形において、シンプルな構造でありながら、各層の造形材料同士が本来の強度で接着することで高い機械的強度を有する造形物を作製することができる、3Dプリンタ用加熱装置、および、3Dプリンタ用ヘッドモジュールを提供することを目的とする。
本発明者らは、造形物における各層間の接着強度が、上層の形成時における下層の温度と関係していることに着眼した。すなわち、既に吐出された造形材料の温度は、たとえ造形ステージを加熱していても、造形物が高くなると、その上に造形材料が吐出される前に自己放熱により低下し得る。下地となる下層の造形材料の温度が低下した状態でその上に造形材料が吐出されて上層が積層されると、その二つの層間において造形材料の十分な融合が得られないことがある。特に、近年3Dプリンタによる造形では、耐熱性や機械的強度の向上の観点から高融点の造形材料が用いられることがあり、その場合、吐出された材料の固化が短時間で進行するため、下層を形成する造形材料の温度低下による融合不足の発生が顕著になるおそれがある。
本発明者らは、このような状況に鑑みて、前述した課題の解決のために鋭意検討を重ね、各層(最下層を除く)を構成する造形材料の吐出時に、その下層を形成している造形物を加熱することによって、各層間において十分な接着強度が安定して得られることを見出した。また、本発明者らは、造形材料を吐出する吐出ヘッドの吐出口の周囲に熱源を配置して造形材料の吐出時に発熱させるだけで、放射および対流による熱伝達によってそのような接着強度の向上効果が得られることを見出した。さらに本発明者らは、スポット的では無く一定の面積を有する加熱板を用いてそのような加熱を行うことによって、造形の高速化を妨げることなく十分な接着強度を安定して得ることが可能となることを見出した。
本発明の一実施形態の3Dプリンタ用加熱装置(加熱板)は、板状の本体と該本体に備えられた発熱体とを有し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッドの吐出口の近傍に配置され、前記本体の一方の面を加熱面として造形時に積層形成されている造形物の表面と対向させることで当該造形物の表面を加熱することができる。
本発明の別の一実施形態の3Dプリンタ用加熱装置(加熱板)は、板状の本体と前記板状の本体に備えられた発熱体とを有し、前記本体は、前記本体を貫通し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッドの吐出口を有する先端部が挿入される開口と、前記造形材料吐出ヘッドに前記本体が装着されることで前記吐出口の周囲に吐出方向に向けて位置付けられ、造形時に前記吐出口から吐出された造形材料の積層により形成された造形物を加熱することができる加熱面と、を有する。
本発明の他の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールは、造形材料吐出ヘッドと、板状の本体および該本体に備えられた発熱体を有し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッドの吐出口の近傍に配置され、前記本体の一方の面を加熱面として造形時に積層形成されている造形物の表面と対向させることで当該造形物の表面を加熱する加熱板と、を備えている。
本発明の別の他の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールは、造形材料吐出ヘッドと、前記造形材料吐出ヘッド内の造形材料を加熱する吐出ヘッド用加熱ヘッドと、前記造形材料吐出ヘッドの吐出口を有する先端部を突出させて前記造形材料吐出ヘッド及び前記吐出ヘッド用加熱ヘッドを覆う吐出ヘッド用カバーを備えた3Dプリンタ用ヘッドモジュールであって、前記吐出ヘッド用カバーが、造形時に既に形成されている造形物を加熱する加熱板を備えており、前記加熱板は、発熱体を備えていて前記吐出口の周囲を囲むように配置されている。
ここに「発熱体」は、熱を発生させることを主目的として、吐出又は積層された造形材料を加熱するために3Dプリンタに用いられる加熱装置(加熱板)に備えられる素子、部材、その他の任意の構成要素を意味しており、特定の構造を有するものに限定されない。
本発明の一実施形態の3Dプリンタ用加熱装置によれば、3Dプリンタ用加熱装置は発熱体を備え、造形材料吐出ヘッドに装着されたときに吐出方向に向けられる加熱面を有しているので、造形時に、既に吐出されて造形物の一部となった造形材料を効果的に加熱することができる。また、本発明の他の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールによれば、発熱体を備えていて造形時に既に形成されている造形物を加熱する加熱板が備えられている。そのため、融解させた造形材料の積層による造形物の作製において、既に吐出されて造形物の一部となった造形材料を昇温させることができる、機械的強度の高い造形物を作製することができる。
つぎに、図面を参照しながら一実施形態の3Dプリンタ用加熱装置および他の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールについて説明する。なお、以下の説明では、各実施形態の3Dプリンタ用加熱装置は、加熱面を有することから、3Dプリンタ用加熱板とも称される。図1Aおよび1Bには、一実施形態の3Dプリンタ用加熱板1(以下、単に「加熱板1」ともいう)が示されている。図1Aおよび1Bには、他の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュール10(以下、単に「ヘッドモジュール10」ともいう)も示されている。
図1Aおよび1Bに示されるように、一実施形態の加熱板1は、板状の本体2と、本体2に備えられた発熱体3とを有している。本体2は、本体2を貫通し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aを有する先端部が挿入される開口2aと、造形材料吐出ヘッド11に加熱板1の本体2が装着されることで吐出口11aの周囲に造形材料の吐出方向に向けて位置付けられる加熱面2bとを有している。加熱板1は、加熱面2bが造形物Aの表面と対向するように、吐出口11aの近傍に装着される。このように位置付けられることで、加熱面2bは、造形時に、吐出口11aから吐出された造形材料の積層により形成された造形物Aを加熱することができる。
また、他の実施形態のヘッドモジュール10は、造形材料吐出ヘッド11と、造形材料吐出ヘッド11内の造形材料A1を加熱する吐出ヘッド用加熱ヘッド12と、造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aを有する先端部を突出させて造形材料吐出ヘッド11及び吐出ヘッド用加熱ヘッド12を覆う吐出ヘッド用カバー13を備えている。吐出ヘッド用カバー13は、発熱体3を備える加熱板(図1Aおよび1Bの例では一実施形態の加熱板1)を備えており、加熱板1は、造形材料の吐出方向に向けられた加熱面2bを有している。加熱板1は、加熱面2bで吐出口11aの周囲を囲むように配置されており、造形時に既に形成されている造形物Aを加熱する。加熱板1は、加熱面2bが造形物Aの表面と対向するように、吐出口11aの近傍に装着される。
このように加熱板1は、発熱体3を備えると共に、既に吐出されて造形物の一部となった造形材料(以下、このような吐出済みの造形材料に対しても、「造形物」という語句が符号Aと共に用いられる)に向けられる加熱面2bを有している。そのため、造形物Aの温度が低下しても、発熱体3から加熱面2bに伝導した熱を放射や対流によって造形物Aに伝達させ、新たな吐出材料A1が吐出される部分の温度を上昇させることができる。従って、造形物Aと、その上に吐出される融解状態の造形材料A1とを十分に融合させることができ、両者を強固に接着することができる。すなわち、本来得られるべき機械的強度を有する造形物Aを作製することができる。
また、加熱板1は、特定のスポットに集光されるレーザー光などによる加熱と異なり、所定の面積で広がる加熱面2bを備える加熱手段によって造形物Aを加熱する。そのため、造形物Aのうち、その上に融解状態の造形材料A1が吐出される部分(以下、「被吐出部」ともいう)を、その周囲も含めて素早く昇温させることができる。しかも、被吐出部は、被吐出部の上に吐出口11aが達する直前ではなく、その暫く前から加熱され得る。従って、造形物Aの温度が低下している場合でも、被吐出部上に吐出口11aが達するまでに少なくとも被吐出部を所定の温度まで昇温させ易く、従って、昇温時間の確保のために造形材料吐出ヘッド11の移動速度を遅くする必要性も生じ難い。従って、造形物Aの温度を上昇させるために、造形の高速化が妨げられることもない。
さらに、加熱板1は、図1Aの例のように、好ましくは、造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aを有する先端部が挿入される開口2aを有し、造形材料吐出ヘッド11に装着されたときに、加熱面2bは、吐出口11aを囲むように、その周囲に位置付けられる。その場合、造形物Aにおける一つの層の作製中に、造形材料吐出ヘッド11がXY平面において如何なる方向に移動しようとも、被吐出部に造形材料A1が吐出される前にその被吐出部を加熱することができる。従って、造形材料吐出ヘッド11の移動方向が変わるたびに、造形物A用の加熱手段と吐出口11aとの位置関係を変更する、すなわち、造形材料吐出ヘッド11の移動方向において常に加熱手段が吐出口11aよりも前方に位置するように両者の位置関係を変更する必要はない。そして、後述するように、発熱体3自体も複雑な機構を用いることなく構成することができる。従って、シンプルな構造の加熱板1でありながら、また、シンプルな構造のヘッドモジュール10でありながら、機械的強度の高い造形物Aを得ることができる。
図1Aおよび1Bの例では、二つの発熱体3が、加熱面2bの反対面2c(以下、第2面2cともいう)側に備えられている。二つの発熱体3は、開口2aを挟んで、すなわち、造形材料吐出ヘッド11に加熱板1が装着されたときには吐出口11aを挟んで互いに対向する位置に備えられている。発熱体3は、加熱板1の本体2に搭載されている加熱板用加熱ヘッド30である。加熱板用加熱ヘッド30は加熱板1の第2面2cに搭載されている。図1Aおよび1Bは、通電により発熱する加熱板用加熱ヘッド30の例を示しおり、加熱板用加熱ヘッド30には、それぞれ、発熱体用リード線3aが接続されている。加熱板用加熱ヘッド30は、絶縁基板301および絶縁基板301上に形成された発熱抵抗体32を含んでいる。また、ヘッドモジュール10は、通電により発熱する吐出ヘッド用加熱ヘッド12を備えており、吐出ヘッド用加熱ヘッド12への通電に用いられる吐出ヘッド用リード線121が造形材料吐出ヘッド11に接続されている。
図1Aおよび1Bの例では、加熱板1は、ボルト131を用いて吐出ヘッド用カバー13に取付けられている。しかし、加熱板1の吐出ヘッド用カバー13への取付け手段はボルト131に限定されず、任意の取付け手段が用いられ得る。たとえば、造形材料A1の融解温度に対する耐熱性を有する接着剤、はんだ、または、ロウ材が、吐出ヘッド用カバー13への加熱板1の取付けに用いられてもよい。なお、加熱板1は、必ずしも吐出ヘッド用カバー13に備えられなくてもよい。加熱板1は、造形材料吐出ヘッド11または吐出ヘッド用加熱ヘッド12の周囲または近傍に配置されていて「カバー」以外の名称で呼ばれる任意の部材(たとえばケース、断熱部材、または保護部材など)に取付けられてもよく、これらの部材を介して造形材料吐出ヘッド11と組み合わされてもよい。図1Aに示されるように、加熱板1は、造形材料吐出ヘッド11に装着されることによって、造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aを有する先端部に開口2aを貫通させて加熱面2bから突出させている。そのため、吐出口11aを造形物Aの直近まで近付けても、加熱面2bが造形物Aに接触し難い。従って、造形物Aの近くで造形材料A1を吐出することができ、造形物A上の所定の位置に正確に造形材料A1を吐出することができる。なお、造形材料吐出ヘッド11の先端部は、加熱板1と造形材料吐出ヘッド11とが組み合わされたときに加熱面2bから必ずしも突出しなくてもよい。
図2Aには、加熱板用加熱ヘッド30の一例が示されている。なお、「加熱ヘッド」は、「加熱板用加熱ヘッド」および前述した「吐出ヘッド用加熱ヘッド」のいずれにおいても、一定の体積を有し、供給されるエネルギーに基づく熱を発生することによってその周囲に存在する物体の温度を上昇せしめる任意の部品を意味している。
図2Aに示されるように、絶縁基板301の一面に一対の電極33が形成され、電極33に接触するように両端部それぞれを電極33にオーバーラップさせて帯状の発熱抵抗体32が形成されている。発熱抵抗体32は、平面形状としてU字型の形状を有している。そして、発熱抵抗体32の近傍に、温度測定素子として温度測定用抵抗体34が設けられている。温度測定用抵抗体34は、発熱抵抗体32のU字型の形状の内側に発熱抵抗体32に沿って形成されており、U字型の平面形状を有している。そして、温度測定用抵抗体34の電気抵抗を測定するための一対の測定端子35が、温度測定用抵抗体34の両端それぞれに接触するように形成されている。これらにより加熱板用加熱ヘッド30が構成されている。なお、発熱抵抗体32および温度測定用抵抗体34は、U字形状以外の任意の平面形状を有していてもよい。また、電極33は、発熱抵抗体32の両端だけではなく、発熱抵抗体32における任意の位置に設けられていてもよい。同様に、測定端子35も、温度測定用抵抗体34における任意の位置に設けられ得る。図示されていないが、発熱抵抗体32および温度測定用抵抗体34を覆うカバー層が、アルミナ基板のような高い耐熱性を有する絶縁性材料を用いて形成されていてもよい。
電極33には、発熱体用リード線3a(図1A参照)が接続される。発熱体用リード線3aを通じて発熱抵抗体32に電力が供給され、流れる電流の大きさに応じて発熱抵抗体32が発熱する。その熱が絶縁基板301を介して加熱板1(図1A参照)に伝導し、加熱板1の温度が上昇する。その結果、加熱面2bからの放射や対流による熱伝達によって、造形物A(図1A参照)が加熱される。一方、測定端子35には、測定用電源62(図11参照)が接続され、所定の大きさの電流が流される。それと共に、測定端子35に接続された測定器(図示せず)によって、一対の測定端子35間の電圧が測定される。測定された電圧、および、測定端子35に流された電流から、温度測定用抵抗体34の抵抗値が算定される。その抵抗値と、事前に測定された基準温度における抵抗値と、温度測定用抵抗体34の既知の温度係数とに基づいて、温度測定用抵抗体34の周囲の温度を知ることができる。この温度を用いて、発熱抵抗体32に印加される電圧もしくは電流の大きさまたはデューティ比などが制御され得る。この制御方法は後述される。
絶縁基板301には、アルミナなどからなる熱伝導率の優れた絶縁性の基板が用いられる。その平面形状は、図2Aの例のように矩形であってもよく、矩形以外の任意の形状であってもよい。また、絶縁基板301の寸法は、加熱板1の大きさや加熱板1に搭載される加熱板用加熱ヘッド30の数量などに応じて適宜決定され得る。
発熱抵抗体32は、たとえばAg+Pd+RuO2+Pt+金属酸化物+ガラスなどを含む粉末をペースト状にして所定のパターンで塗布し、それらを焼成することにより形成される。発熱抵抗体32となる抵抗膜のシート抵抗および温度係数は、上記粉末に混合される固形絶縁粉末の量によって変えられる。また、電極33および測定端子35は、AgおよびPdまたはAgおよびPtを主材とするペースト状の材料を、印刷および焼成することにより形成され得る。
温度測定用抵抗体34は、発熱抵抗体32と同じ材料で形成されてもよいが、発熱抵抗体32の材料と比べて、AgとPdとの比率を変えたものや、全く別の材料で形成されてもよい。特に、正または負の大きな温度係数を有する材料が、温度測定用抵抗体34の材料として好ましい。前述したように温度測定用抵抗体34の抵抗値に基づいてその周囲の温度を測定する場合に、測定誤差を小さくすることができるからである。温度測定用抵抗体34も、ペースト状の材料を所定のパターンで印刷し、焼成することによって形成され得る。
加熱板用加熱ヘッド30は、図2Aに示されるような構造に限定されず、任意の発熱素子を備えていてもよい。たとえば、発熱抵抗体32に代えて、発熱用の半導体素子(たとえば大電力系のトランジスタまたはダイオードなど)が配置され、この半導体素子に電力を消費させることによって熱が生成されてもよい。この場合、半導体素子のp−n接合部の順方向電圧の変化に基づいて周囲温度が算定されてもよい。従って、温度測定用抵抗体34は必ずしも設けられなくてもよく、加熱板用加熱ヘッド30の温度を測定する手段が全く設けられなくてもよい。
加熱板用加熱ヘッド30は、任意の手段で加熱板1に固定され得る。たとえば、絶縁基板301における発熱抵抗体32などが形成されている面の反対面の一部または全部が、金属材料の印刷および焼成、または蒸着などによってメタライズされ、そのメタライズ部分と、銅などの金属で形成された加熱板1とが、金属製のろう材やはんだなどによって接合されてもよい。また、特に絶縁基板301にメタライズが施されることなく、加熱板用加熱ヘッド30と加熱板1とが接着剤で接着されてもよい。但し、このように、ロウ材、はんだ、または接着剤などの接合材を用いる場合は、発熱抵抗体32によって発せられる熱に対する耐性を有する接合材を用いることが好ましい。
一方、図2Bには、そのように何らの接合材も用いられない方法で加熱板1に固定されている加熱板用加熱ヘッド30の一例が示されている。図2Bは、そのような加熱板用加熱ヘッド30における発熱抵抗体32などが形成されている面と直交する面での断面図である。図2Bに示されるように、加熱板1における加熱板用加熱ヘッド30が搭載される領域を挟んで対向するように二つの固定部21が設けられている。加熱板用加熱ヘッド30は、加熱板1から離間しないように、かつ、位置ずれしないように、二つの固定部21によって保持されている。固定部21は、加熱板用加熱ヘッド30が搭載される領域において第2面2c側に持ち上げられた、加熱板1の一部である。固定部21の形成では、たとえば図1Bに二点鎖線Lで示すような軌跡を描きながらレーザー加工が加熱板1に施され、固定部21となる部分が、一部の非分離部分を残してその周囲の部分から分離される。その周囲と分離された部分を第2面2c側に持ち上げるべく非分離部分を折り曲げることによって、固定部21が形成され得る。このような固定部21を設けることによって、高い耐熱性を有する接合材を要することなく、加熱板用加熱ヘッド30を加熱板1に固定することができる。なお、図示されていないが、異なる方向において一組の固定部21が対向するように、二組またはそれ以上の固定部21が形成されていてもよい。
図1Aおよび1Bの例では、一つの方向において対向するように二つの加熱板用加熱ヘッド30が配置されている。しかし、加熱板用加熱ヘッド30の数や、加熱板1上でのレイアウトは、図1Aおよび1Bの例に限定されない。また、加熱板1の本体2の断面形状も平面に限定されない。図3Aおよび3Bには、加熱板用加熱ヘッド30の配置の他の例が示されている。また、図3Cおよび3Dには、3Dプリンタ用加熱板(加熱装置)1の他の例が示されている。
図3Aの例では、直交する二つの方向(X方向およびY方向)それぞれにおいて、矩形の平面形状を有する二つの加熱板用加熱ヘッド30が開口2aを挟んで配置されており、合計四つの加熱板用加熱ヘッド30が配置されている。すなわち、発熱体3は、開口2aの周囲に開口2aから見て互いに異なる方向上に複数個設けられている。また、各加熱板用加熱ヘッド30は、その長手方向が開口2aを中心とする半径方向に沿う向きで配置されている。四つの加熱板用加熱ヘッド30は、開口2aを中心とする円周方向において90°おきに配置されている。図3Aの例のように加熱板用加熱ヘッド30が配置されると、加熱板1における温度のムラは、図1Bに示される例よりも少ないと考えられる。なお、四つ以外の数の加熱板用加熱ヘッド30が、図3Aに示されるように、開口2aの周囲に放射状に配置されてもよい。また、電極33が、開口2aの近位側となる向きで、各加熱板用加熱ヘッド30が配置されてもよい。
図3Bの例では、六つの加熱板用加熱ヘッド30が、開口2aの周囲に円を描くように、開口2aを中心として円周方向に列をなして配置されている。このように加熱板用加熱ヘッド30を配置することによって、加熱板1における温度のムラをいっそう少なくできることがある。なお、複数の加熱板用加熱ヘッド30は、開口2aの周囲に複数の同心円描くように複数列にわたって配置されてもよい。このように、任意の数の加熱板用加熱ヘッド30が、加熱板1上の任意の位置に搭載され得る。
図3Cの例では、本体2の加熱面2bが、段部2baを有することで、開口2a(吐出口11a)から離れるにつれて段階的に上方に向かう(造形物の表面から離間する)テーパー状に形成されている。すなわち、加熱面2bは、開口2aが形成された下段面とその外側の上段面とを有する。そして、加熱板用加熱ヘッド30が上段面(加熱面2b側)に配置されている。加熱板用加熱ヘッド30を加熱面2b側に配置することで、エネルギー効率よく造形材料の積層表面を加熱することができる。
図3Dの例では、加熱板1(本体2)の加熱面2bが、すり鉢状に、造形材料の吐出方向に凸となるように湾曲することで、開口2a(吐出口11a)から離れるにつれて上方に向かう(造形物の表面から離間する)テーパー状に形成されている。そして、加熱板用加熱ヘッド30が本体2の反対面2c側において開口2aから離れる方向に、開口2aの両側それぞれに2個(複数)配置されている。このように、加熱板用加熱ヘッド30を複数個配置した場合には、これら加熱板用加熱ヘッド30を個々に独立して温度制御するようにすることで、加熱面2bの加熱温度を部分的に異ならせることができ、用いる造形材料に応じてより適切な加熱を行うことができる。また、加熱面2bをテーパー状にすることによって、吐出口11aから吐出され積層された造形材料が加熱面2bに付着することをより確実に防止できるとともに、造形材料の造形(積層)状態を目視などで確認しやすくできる。
図1Aおよび2Aなどの例では、発熱体3は、加熱板用加熱ヘッド30である。しかし、発熱体3は、加熱板1に直接形成されていてもよい。加熱板1の材料には、後述するように、金属だけではなく、セラミックスのような絶縁性の材料も用いることができる。その場合、加熱板1の上に直接、発熱体3として発熱抵抗体32が形成され得る。図4A〜4Dは、そのように、加熱板1の板状の本体2に直接形成された電気抵抗体の膜(発熱抵抗体32aなど)によって構成されている発熱体3の例を示している。このように、発熱体3を加熱板1上に直接形成することによって、加熱板1と別個に形成される加熱板用加熱ヘッド30に発熱体3を形成する場合と比べて、絶縁基板301(図2A参照)が不要になると共に、加熱板用加熱ヘッド30の搭載作業が不要になる。
図4Aに示される例では、上記の図2Aに示される加熱板用加熱ヘッド30に形成された発熱抵抗体32と同様の平面形状を有する発熱抵抗体32aが、加熱板1の第2面2cに形成されている。また、U字型の平面形状を有する発熱抵抗体32aの内側には、図2Aに示される温度測定用抵抗体34と同様の温度測定用抵抗体34aが形成されている。発熱抵抗体32aの両端には電極33が形成され、温度測定用抵抗体34aの両端には測定端子35が形成されている。発熱抵抗体32aおよび温度測定用抵抗体34aは、発熱抵抗体32および温度測定用抵抗体34に関して前述した材料および形成方法と同様の材料および形成方法を用いてそれぞれ形成され得る(下記で参照する図4B〜4Dに示される発熱抵抗体32b〜32eおよび温度測定用抵抗体34b〜34dについても同様である)。
図4Aの例では、直交する二つの方向(X方向およびY方向)それぞれにおいて、二つの発熱抵抗体32aが、開口2aを挟んで配置されており、合計四つの発熱抵抗体32aが形成されている。従って、発熱体3は、開口2aの周囲に開口2aから見て互いに異なる方向上に複数個形成されている。それぞれ四つの発熱抵抗体32aおよび温度測定用抵抗体34aは、開口2aを中心とする円周方向において90°おきに形成されている。発熱抵抗体32aおよび温度測定用抵抗体34aは、図4Aに二点鎖線で示されている吐出ヘッド用カバー13と加熱板1との当接領域よりも外周側に形成されている(図4B〜4Dの例でも同様である)。
図4Bの例では、加熱板1における第2面2c(図1A参照)は、開口2aを中心とする円周方向において略四等分されることによって四つの領域に分割され、各領域に、一組の発熱抵抗体32bおよび温度測定用抵抗体34bが形成されている。各発熱抵抗体32bは、開口2aを中心とする周方向において往復しつつ径方向において複数の帯状の抵抗体が並列する蛇行パターンを有しており、一つの領域全体にわたって形成されている。このようなパターンで発熱抵抗体32bを形成することによって、加熱板1全体を加熱することができる。また、発熱抵抗体32bに印加する電圧などを領域ごとに変えることによって領域ごとに温度制御することもできる。なお、各発熱抵抗体32bの電極33を、隣接する発熱抵抗体32bの電極33にジャンパ線などを用いて接続することによって、一部または全部の発熱抵抗体32bが直列接続されてもよい。また、複数の発熱抵抗体32bの一部または全部が並列接続されたうえで通電されてもよい。
図4Bの例では、温度測定用抵抗体34bは、発熱抵抗体32bよりも開口2aの近くに形成されている。従って、造形材料吐出ヘッド11の吐出口11a(図1A参照)の近傍の温度を測定することができる。
図4Aおよび4B、ならびに、先に説明した図1A、1B、2A、3Aおよび3Bの例では、造形時に、造形材料吐出ヘッド11の移動方向において吐出口11a(図1A参照)よりも前方に存在する発熱体3(発熱抵抗体32など)だけに通電が行われてもよい。そのように通電することによって、造形物A(図1A参照)のうち直後に造形材料A1が吐出される部分を適切に加熱しながら消費電力を低減できることがある。
図4Cの例では、開口2aの周囲に、リング状の平面形状を有していて直径が互いに異なる複数(図4Cでは三つ)の発熱抵抗体32cが形成されている。三つの発熱抵抗体32cにおけるリング状の形状の中心は、いずれも、開口2aの中心と略同じである。最も開口2aに近い発熱抵抗体32cのさらに内側に、温度測定用抵抗体34cが形成されている。図4Cのような発熱抵抗体32cおよび温度測定用抵抗体34cでも、温度ムラを大きく生じさせずに加熱板1を加熱することができ、かつ、吐出口11a(図1A参照)の近傍の温度を測定することができると考えられる。また、図4Cの例では、複数個形成された発熱抵抗体32cそれぞれの電極(第1〜第6の電極33a〜33f)は、いずれも、隣接する他の発熱抵抗体32cの電極(第1〜第6の電極33a〜33f)のいずれかと隣接している。そのため、ジャンパ線などを用いて、各電極同士を容易に接続することができる。たとえば、第1電極33aと第4電極33d(もしくは第2電極33bと第3電極33c)、および/または、第3電極33cと第6電極33f(もしくは第4電極33dと第5電極33e)とが接続されることによって、三つの発熱抵抗体32cのうちの二つまたは全部が直列接続されてもよい。また、第1、第3および第5の電極33a、33c、33eが接続され、さらに、第2、第4および第6の電極33b、33d、33fが接続されることによって三つの発熱抵抗体32cが並列接続されてもよい。
図4Dに示される例では、図4Cの例と同様に、開口2aの周囲に、リング状の平面形状を有する複数(図4Dの例では二つ)の発熱抵抗体32d、32eが、開口2aを中心として同心で形成されている。図4の例では、内側の発熱抵抗体32dおよび外側の発熱抵抗体32eそれぞれに接続されている電極33は、互いに逆方向の半径方向上に設けられている。従って、発熱抵抗体32d、32eの不連続部分が一箇所に集中せず、加熱板1における温度ムラが生じ難いと考えられる。
また、図4Dの例では、内側の発熱抵抗体32dの幅は、外側の発熱抵抗体32eの幅よりも狭い。このように、外側の発熱抵抗体32eよりも短い内側の発熱抵抗体32dの幅を外側の発熱抵抗体32eの幅よりも狭くすることによって、内側の発熱抵抗体32dと外側の発熱抵抗体32eとを同じ幅で形成する場合よりも、両者の抵抗値の差を小さくすることができる。その場合、同じ大きさの電圧を各発熱抵抗体に印加した時に、各発熱抵抗体で消費される電力の差を小さくすることができる。従って、単に一つの電源から各発熱抵抗体に電圧を印加するだけで、加熱板1の外側の領域および内側の領域それぞれを差異の少ない熱量で加熱することができ、温度ムラが生じ難いように加熱板1を加熱できることがある。たとえば、外側の発熱抵抗体32eの長さが内側の発熱抵抗体32dの長さのα倍である場合、内側の発熱抵抗体32dは、外側の発熱抵抗体32eの幅の1/αの幅で形成され得る。
図4Dの例において、温度測定用抵抗体34dは、内側の発熱抵抗体32dと外側の発熱抵抗体32eの間に形成されている。二つの発熱抵抗体32d、32eの周囲の平均的な温度を測定することができると考えられる。以上のように、発熱体3として加熱板1上に直接形成される発熱抵抗体(発熱抵抗体32aなど)、および、温度測定素子として加熱板1上に直接形成される温度測定用抵抗体(温度測定用抵抗体34aなど)は、任意の位置に任意のパターンで形成され得る。
なお、発熱体3の近傍には、温度測定用抵抗体34、34a〜34dではなく、市販のサーミスタまたは各種の温度センサが温度測定素子として設けられていてもよい。また、発熱体3および温度測定素子は、加熱板1の加熱面2bに設けられていてもよい。
つぎに、再度図1Aおよび1Bを参照して加熱板1について説明する。加熱板1の本体2は、良好な熱伝導率を有する材料を用いて形成される。「良好な熱伝導性」は、造形物Aにおける加熱板1の真下の部分全てが発熱体3からの熱によって温度への影響を受け得る程度に熱を伝導させる性質を意味している。加熱板1の材料としては、そのように良好な熱伝導性を有する材料であれば特に限定されない。銅、アルミニウム、亜鉛、炭素鋼、またはステンレス鋼のような合金鋼などの金属、および、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウムまたは窒化ケイ素などのセラミックスが加熱板1の材料として例示される。また、加熱板1の材料としては、加熱面2bにおいて高い放射率を有し得る材料が好ましいが、後述するように、加工や被膜の形成によって加熱面2bの放射率を高めることも可能である。
また、加熱板1は、図1Bに示されるように、本例では、略円形の平面形状を有している。従って、吐出口11aを中心としていずれの方位においても、吐出口11aからの距離に関して略同じ範囲内で造形物Aを加熱することができる。しかし、加熱板1の平面形状は円形に限定されず、楕円、矩形、または矩形以外の多角形であってもよい。また、加熱板1は、適宜好ましい厚さに形成される。たとえば、図1Aおよび1Bの例のように、加熱板1の第2面2cに発熱体3が配置される場合、発熱体3の熱を加熱面2bに素早く伝えるという観点、また加工性という観点では、加熱板1は薄い方が好ましい。一方、加熱板1において発熱体3が配置されている部分からそれ以外の部分への熱伝導性を高めるという観点、また強度という観点では、加熱板1は厚い方が好ましいこともある。たとえばこれらに鑑みて加熱板1の厚さは決定され得る。加熱板1の厚さは、好ましくは0.3mm以上、5mm以下、より好ましくは0.5mm以上、2mm以下である。また、加熱板1の直径又は半径は、加熱温度、造形速度、造形材料等によって、適宜好ましい長さとすればよく、公知の樹脂造形材料を用いる場合、例えば直径25〜50mmとすることができる。
加熱板1の加熱面2bは、加熱板1を構成する材料そのものからなる平坦な面であってもよいが、加熱面2bから造形物Aに熱が伝わり易いように、任意の加工が加熱面2bに施されていてもよい。たとえば、図5Aに示されるように、加熱面2bに凹凸が形成されていてもよい。加熱面2bに凹凸を形成することによってその表面積が大きくなり、加熱面2bから放射される熱量を多くすることができる。その結果、造形物A(図1A参照)に多くの熱を伝えることができる。図5Aに示される例では、規則的な角形の凹凸が形成されているが、加熱面2bに形成される凹凸は、ランダムな形状、深さおよびピッチを有していてもよい。このような凹凸は、加熱板1が金属材料を用いて形成される場合、プレス加工、ローレット加工、または鋳造金型の内壁面からの転写などによって形成され得る。また、このような凹凸は、加熱板1がセラミックスを用いて形成される場合、焼成前(グリーンシート状態)のセラミックス材に、表面に凹凸を有する金型などを押し当てることによって形成されてもよい。また、加熱面2bは、サンドブラストまたはエッチングなどによって粗面化され、その結果、表面積を広くされていてもよい。
また、放射による造形物A(図1A参照)への熱の伝達量を高めるという観点から、加熱面2bの色が黒色にされていることが好ましい。黒色にすることによって、加熱面2bの放射率を高めることができる。なお、「黒色にされている」は、加熱面2bに何らかの処理を施したり被膜を形成したりすることによって加熱板1の加熱面2b側の面を黒色の表面にすること、および、黒色を呈する材料を用いて加熱板1(具体的には加熱面2b)を形成すること、の両方を意味している。たとえば、図5Bに示されるように、加熱面2bに、熱放射層2b1が形成され、熱放射層2b1が黒色を呈するように形成されてもよい。たとえば、熱放射層2b1としては、加熱板1がアルミニウムで形成されている場合には、陽極酸化処理によって形成される黒色アルマイト層が好ましい。また、熱放射層2b1は、耐熱塗料の塗布および乾燥もしくは焼き付けなどによって形成された黒色の塗膜であってもよく、黒色ガラスまたはグラファイトなどによって形成される膜であってもよい。熱放射層2b1は、黒以外の色を有しながらも高い(好ましくは0.8以上の)放射率を有し、かつ、必要な耐熱性を有する任意の材料を用いて形成されてもよい。また、加熱面2bの放射率は、前述したサンドブラストや化学処理を用いてその表面粗さを粗くすることによって高くすることもできる。たとえば、加熱面2bの表面粗さは、第2面2cの表面粗さより粗く(大きく)てもよい。
一方、加熱板1の第2面2cから放散される熱は少ない方が好ましい。発熱体3による加熱板1の加熱効率が高まり、加熱面2bの温度をより高くすることによって、より多くの熱を造形物A(図1A参照)に伝達することができるからである。その観点からは、加熱面2bには、図示されていないが、熱放射層2b1の放射率よりも低く、好ましくは加熱板1の本体2と同等以上の熱伝導率を有する材料を用いて熱反射層が形成されていてもよい。たとえば、アルミニウムなどの低い(好ましくは0.2以下の)放射率を有する材料からなる金属膜が熱反射層として第2面2c上に形成されていてもよい。
さらに、加熱板1の第2面2c側がカバー部材で覆われていることが、第2面2cからの熱の放散をいっそう防止し得る点で好ましい。図6Aには、そのように、加熱面2bの反対面2cを覆う断熱カバー4が加熱板1に設けられている例が示されており、図6Bには、断熱カバー4単体の平面図が示されている。断熱カバー4によって加熱板1の第2面2cが覆われることによって、第2面2cからの対流による放熱が抑制される。従って、発熱体3による加熱時に加熱板1を効率的に昇温させることができると共に、発熱体3の停止時には加熱板1の温度低下を緩やかにすることができる。
断熱カバー4は、平面形状において、加熱板1と略同じ形状を有し、図6Aおよび6Bの例では略円形の形状を有している。断熱カバー4は、円板状の本体と、その周縁部に本体と略90°の角度をなして加熱板1の側面を覆う側壁とを有し、側壁に囲まれた内部空間に加熱板1を収容し得るように形成されている。断熱カバー4は、加熱板1の直径と略同じ長さの内径を有し、加熱板1の直径よりも側壁の厚さの略2倍だけ長い外径を有している。また、断熱カバー4は、円板状の本体の略中央部に、吐出ヘッド用カバー13が挿通される貫通孔43を有している。また、断熱カバー4には、加熱板1と断熱カバー4とが組み合わされたときに加熱板1の第2面2c上および発熱体3上に隙間が確保されるように、スペーサ41が設けられている。図6Aの例では、断熱カバー4は、加熱板1の第2面2cと共に、発熱体3(加熱板用加熱ヘッド30)を覆っている。
また、図6Aおよび6Bの例では、断熱カバー4における円板状の本体の一部に開口42が設けられている。図6Aに示されるように、開口42を通して、発熱体用リード線3aを断熱カバー4の外部に引き出すことができる。図6Aおよび6Bの例では、発熱体3の数に合わせて二つの開口42が設けられている。このように開口42は、発熱体3の数に基づく数だけ設けられることが、発熱体用リード線3aの長さを短くすることができ、しかも、加熱板1の第2面2cにおいて断熱カバー4に覆われない領域が少なくなる点で好ましい。しかし、開口42は、必ずしも設けられなくてもよく、また、任意の数だけ設けられてもよい。なお、開口42が設けられない場合、たとえば、吐出ヘッド用カバー13の外径に対してマージンを有する内径の貫通孔43が設けられ、その貫通孔43を通して、発熱体用リード線3aが引き出されてもよい。
断熱カバー4は、「断熱」との修飾語句がその名称に添えられているが、熱的特性に関して、特に限定されるものではない。すなわち、断熱カバー4は、加熱板1における第2面2cの上方(加熱面2bと反対方向)の空気の流動を制限する隔壁を形成し得るものであればよい。従って、断熱カバー4の材料は特に限定されないが、加熱板1の第2面2cからの熱放散を抑制するという目的上、低い熱伝導率および低い放射率を有し、かつ、必要な耐熱性を備える材料が、断熱カバー4の材料として好ましい。たとえば、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、および、各種フッ素系樹脂などの高耐熱性を有する樹脂が、断熱カバー4の材料として好適に用いられ得る。
本実施形態の加熱板1が装着される造形材料吐出ヘッド11(図1A参照)によって吐出される造形材料A1としては、あくまで例として、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、PC/ABSアロイ、PPSF(ポリフェニルスルホン)樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)樹脂などが挙げられるが、これらに限定されず、任意の熱可塑性樹脂が、造形材料A1として用いられる。また、金属粉をこれらの熱可塑性樹脂に混合することによって調製された造形材料A1を用いた造形に、本実施形態の加熱板1が適用されてもよい。造形物Aを加熱することができる本実施形態の加熱板1は、このように金属粉を含むことなどによって高い融点を有する造形材料A1を用いた造形に特に有効である。
本発明の他の実施形態のヘッドモジュール10は、前述したように、吐出ヘッド用カバー13に備えられて造形物Aを加熱する加熱板として、上記の通り説明された一実施形態の加熱板1を好適に備え得る。従って、他の実施形態のヘッドモジュール10では、発熱体3が、加熱板1に搭載された加熱板用加熱ヘッド30であってもよく(図2A、3Aおよび3B参照)、加熱板1に形成された電気抵抗体の膜によって発熱体3が構成されていてもよい(図4A〜4D参照)。また、他の実施形態のヘッドモジュール10では、造形材料吐出ヘッド11に装着された加熱板1において、造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aの周囲に、吐出口11aから見て互いに異なる方向上に複数個の発熱体3が設けられていてもよい(図3A、4Aおよび4B参照)。また、他の実施形態のヘッドモジュール10では、発熱体3の近傍に温度測定用抵抗体34または図示されない温度センサなどによって構成される温度測定素子が設けられていてもよい(図2A、4A〜4D参照)。さらに他の実施形態のヘッドモジュール10では、加熱板1において造形物Aに向けられる面(加熱面2b)と反対の面(第2面2c)が断熱カバー4で覆われていてもよい(図6Aおよび6B参照)。これらの他にも、他の実施形態のヘッドモジュール10には、各図面を参照しながら前述した発熱体3および加熱板1に関する各変形例が適用され得る。
つぎに、他の実施形態のヘッドモジュール10の他の構成要素について説明する。本実施形態のヘッドモジュール10は、前述したように、造形材料吐出ヘッド11と、吐出ヘッド用加熱ヘッド12と、吐出ヘッド用カバー13とを備えている。本実施形態のヘッドモジュール10に備えられるうえで造形材料吐出ヘッド11および吐出ヘッド用加熱ヘッド12に求められる追加的な機能は特に存在しない。吐出ヘッド用カバー13にも、造形材料吐出ヘッド11および吐出ヘッド用加熱ヘッド12を収容可能な容積を有していて加熱板1を備え得ること以外に、特別な機能または形状などは求められない。従って、たとえば既存の造形材料吐出ヘッド11および吐出ヘッド用加熱ヘッド12、ならびに、それらに適合する一般的な吐出ヘッド用カバー13であっても、前述した加熱板1と組み合わされることによって、本実施形態のヘッドモジュール10を構成し得る。以下では、これらの構成要素について、一つまたは複数の例を示す図面を参照して説明するが、各構成要素は、以下の説明に例示される構造、形状、材料およびサイズなどに限定されるものではない。
図7A〜7Cには、本実施形態のヘッドモジュールが備える造形材料吐出ヘッド11の一例の正面図、側面図および底面図(吐出口11a側から見た図)が、それぞれ示されている。造形材料吐出ヘッド11には、吐出ヘッド用加熱ヘッド12が接合されている。図7A〜7Cに示されるように、この例の造形材料吐出ヘッド11は、金属ブロック50に造形材料A1の流路51が形成され、その一端部に吐出口11aを有し、他端部に造形材料A1の供給口53を有する流路構造体5と、流路構造体5の供給口53に接続して設けられる造形材料供給部(バレルおよびフッ素樹脂系の円筒状リング)54と、を備えている。造形材料供給部54は、流路構造体5の他端部に形成された取付け部55に嵌め込まれている。流路51は、流路構造体5単体の状態では、その側面を覆われておらず、流路構造体5の対向する二つの表面において露出しており、その露出部を閉塞するように吐出ヘッド用加熱ヘッド12が接合されている。吐出ヘッド用加熱ヘッド12は、流路51の側面を閉塞する金属壁(図示せず)を介して流路構造体5に接合されていてもよい。
流路構造体5と吐出ヘッド用加熱ヘッド12は、造形材料A1を融解させる温度に耐えるべく高耐熱性を有する接合材料を用いて、好ましくは、500℃以上の温度に耐え得る無機接合材料を用いて接合されている。吐出ヘッド用加熱ヘッド12における流路構造体5と反対側の表面は、カバー部材122によって覆われている。なお、図7Bでは、流路構造体5の対向する二つの表面それぞれに吐出ヘッド用加熱ヘッド12が設けられているが、吐出ヘッド用加熱ヘッド12は、いずれか一方の表面だけに設けられていてもよい。その場合、他方の表面は流路51を覆っていてもよいし、吐出ヘッド用加熱ヘッド12以外の閉塞部材(図示せず)で流路51の露出部分が塞がれていてもよい。
造形材料吐出ヘッド11では、造形材料供給部54側から、たとえばフィラメント状の造形材料A1が一定ピッチで押し込まれ、吐出ヘッド用加熱ヘッド12からの熱によって流路51内で融解した造形材料A2が、吐出口11aから所定量だけ押し出される。造形材料吐出ヘッド11と造形ステージST(図1A参照)との相対移動により、所望の造形物が形成される。なお、造形材料A1は、フィラメント状ではなく、粒状や、粉末状であってもよい。本実施形態のヘッドモジュール10は、各種の造形材料A1を用いた造形に適用され得るが、加熱板1(図1A参照)を備える本実施形態のヘッドモジュール10は、前述したように、融点の高い造形材料A1を用いた造形に、特に有効である。
また、図7A〜7C(ならびに下記において参照する図9A〜9C、10A、および10B)に示される造形材料吐出ヘッド11および吐出ヘッド用加熱ヘッド12の例では、流路51内に投入された造形材料A1が、吐出ヘッド用加熱ヘッド12から直接加熱され得る。すなわち、高融点の造形材料A1であっても、速やかに融解させることができる。従って、加熱板1を備える本実施形態のヘッドモジュール10は、図7Aなどに例示される構造と同様の構造を有する造形材料吐出ヘッドおよび加熱ヘッドを備えることで、需要の増大が見込まれる、500℃程度の融点を有する造形材料を用いた造形において、いっそう有効なものとなり得る。
流路構造体5と吐出ヘッド用加熱ヘッド12とは、たとえば、500℃程度の温度においても接着力を維持するように、銀と銅を主体とする銀ロウ、銅ロウ、またはアルミロウのような無機材料からなるロウ材などにより接合され得る。例えばJIS規格のBAg−7(Ag56%、Cu22%、Zn17%、Sn5%:ロウ付け温度650〜760℃程度)、もしくは、JIS規格BAg−8(Ag72%、Cu28%:ロウ付け温度780〜900℃)などのロウ材、または、BAg−7やBAg−8などの材料にさらに添加物を添加してロウ付け温度を変化させたものなど、無機材料を混合したものを使用することができる。
金属ブロック50の材料としては、吐出ヘッド用加熱ヘッド12との間で、熱膨張率を大きく相違させないものが好ましく、その点からは鉄、鉄合金、ステンレス(SUS)、Fe-Ni、Fe-Ni-Co(コバール:登録商標)が好ましいが、高熱伝導性の観点から、銅合金、アルミニウム合金などが用いられてもよい。造形材料供給部材54は、一例として円筒形状を有し、外周側面に設けられたねじ山を用いて取付け部55にねじ込まれている。造形材料供給部材54には、フィラメント状の造形材料A1がスムーズに送られるように、フッ素系樹脂などからなるチューブ(図示せず)が挿入されている。
図8Aには、本実施形態のヘッドモジュール10に用いられる吐出ヘッド用加熱ヘッド12の一例が示され、図8Bには、その吐出ヘッド用加熱ヘッド12の側面が、カバー部材を取付けられた状態で示されている。図8Aおよび8Bに示されるように、吐出ヘッド用加熱ヘッド12は、絶縁基板12aの一面に、絶縁基板12aを加熱する発熱抵抗体12bが形成されている。発熱抵抗体12bの両端それぞれには配線パターン12cを介して電極端子12dが接続されている。電極端子12dは、スルーホールを介して絶縁基板12aの裏面側にも延びている。発熱抵抗体12bの近傍には、温度測定用抵抗体12eが形成されている。温度測定用抵抗体12eには、所定の場所の電気抵抗を測定するために測定用配線12fを介して測温端子12gが形成されている。この測温端子12gも電極端子12dと同様にスルーホールを介して絶縁基板12aの裏面にも延びている。発熱抵抗体12bおよび温度測定用抵抗体12eには、前述した加熱板用加熱ヘッド30(図2A参照)の発熱抵抗体32および温度測定用抵抗体34と同様の材料および形成方法が適用され得る。従って、その説明は省略される。なお、発熱抵抗体12bおよび温度測定用抵抗体12eの配置や形状は図8Aの例に限定されず、各抵抗体は、任意の形状および任意の配置で形成され得る。
図8Bに示されるように、発熱抵抗体12bなどの上には、ガラス板またはセラミック基板などで形成され得るカバー部材122が取付けられ、発熱抵抗体12bなどの表面が保護される。また、発熱抵抗体12bなどが形成された面の裏面12h側において、吐出ヘッド用リード線121が電極端子12dおよび測温端子12g(図8A参照)それぞれに接続されている。吐出ヘッド用リード線121と各端子は、好ましくは、500℃以上の温度に対して耐熱性を有する無機導電性接着剤などで接続される。造形時には、吐出ヘッド用リード線121を通じて発熱抵抗体12bに電力が供給されることによって発熱抵抗体12bが発熱し、その熱が絶縁基板12aを介して流路構造体5(図7A参照)の流路51内の造形材料A1に伝達し、造形材料A1が融解する。一方、測温端子12gには、測定用電源62(図11参照)が接続され、通電されると共に一対の測温端子12g間の電圧が測定され、その測定結果を用いて、温度測定用抵抗体12eの周囲の温度が算定される。この温度を用いて、発熱抵抗体12bに印加される電圧もしくは電流の大きさまたはデューティ比などが制御されてもよい。この制御方法については後述する。
吐出ヘッド用加熱ヘッド12では、絶縁基板12aの裏面12hが部分的にメタライズされ、このメタライズ部分を用いて吐出ヘッド用加熱ヘッド12が流路構造体5に接合される。たとえば、Ag、Pd、Ptなどを主成分とする材料が、ペースト状にされて絶縁基板12aの裏面12hにおけるメタライズ領域(図示せず)に塗布され、600〜800℃程度で焼成される。このメタライズは、発熱抵抗体12b、温度測定用抵抗体12eおよび各端子12d、12gなどの形成よりも後に、または同時に行われてもよいが、好ましくは、発熱抵抗体12bなどの抵抗値の変動を防止するという観点から、これらの形成よりも先に行われる。そして、絶遠基板12aのメタライズされた領域と流路構造体5との間に、たとえば、ペースト状などの任意の状態の銀ロウ(例えば前述したJIS規格BAg−7を主成分とする銀ロウ)を挟んで両者を重ね合せ、700℃程度に加熱することによって、吐出ヘッド用加熱ヘッド12が流路構造体5にロウ付けされる。なお、吐出ヘッド用加熱ヘッド12の造形材料供給部54側は、セラミック系、ガラス系、金属系などの無機接着剤などからなる封止材を塗布して固化することにより取付け部55と接合され得る。
図9A〜9Cならびに10Aおよび10Bを参照し、造形材料吐出ヘッド11の他に例を簡単に説明する。金属ブロック50の外形は、図7A〜7Cの例では四角柱状であったが、図9A〜9Cに示されるように、円柱状であってもよい。図9Aには、円柱状の金属ブロック50を有する造形材料吐出ヘッド11の正面図が示され、図9Bには、図9Aの造形材料吐出ヘッド11を吐出口11a側から見た底面図が示されている。また、図9Cには、吐出ヘッド用加熱ヘッド12の接合前の流路51が露出した状態の流路構造体5が示されている。図9Cにおいて、斜線で示された部分に、吐出ヘッド用加熱ヘッド12の絶縁基板12a(図8A参照)がロウ付けなどにより接合される。図9A〜9Cの例の造形材料吐出ヘッド11にも、図8Aに例示される吐出ヘッド用加熱ヘッド12が組み合され得る。吐出口11a、造形材料の供給口53および取付け部55は、図7A〜7Cの例と同じである。これらの構成要素には、図9A〜9Cにおいて図7A〜7Cに付された符号と同じ符号が付され、再度の説明は省略される。
また、造形材料吐出ヘッド11の流路構造体5は、図7Aなどに例示の金属ブロック50のような柱状の基材を用いるのではなく、図10Aおよび10Bに示されるような板状体(流路板56)を重ねて接合された積層体によって構成されていてもよい。流路板56は、例えば厚さが1mm程度で、幅Wが4mm程度、長さHが20mm程度のステンレスなどからなる板状体であり、流路51となる2mm程度の幅Lを有する貫通孔を有し、流路51と連通して吐出口11aとなる溝が先端部に形成されている。流路板56は、吐出口11aの先端からの長さJが13mm程度の位置Pで折り曲げられ、吐出口11aと反対側の端部は固定部55aとされる。貫通孔における位置P付近の部分は、造形材料の供給口53となる。固定部55aには固定用の孔55bが形成されている。
位置Pで折り曲げられた2枚の流路板56が、図10Aに示されるように、固定部55aを相反する方向に向けて接合されることにより流路構造体5が形成される。流路板56同士の接合は、前述した流路構造体5と吐出ヘッド用加熱ヘッド12との接合と同様に、銀ロウなどを用いてロウ付けなどにより行われる。このようにして形成された流路構造体5では流路板56の貫通孔が流路(図示せず)となるため、流路構造体5の対向する二つの面に流路が露出することとなる。その両面に、図7Aなどの例と同様に、吐出ヘッド用加熱ヘッド12が、ロウ付けなどによって接合される。図10Aおよび10Bの例の造形材料吐出ヘッド11にも、図8Aに例示される吐出ヘッド用加熱ヘッド12が好適に組み合される。図10Aに示されるように固定部55aは取付け板55cなどに取り付けられ、取付け板55cと共に流路構造体5の取付け部55を構成している。図10Aに示される例では、造形材料供給部54の近傍で造形材料A1が融解することによってその送り込みが困難になることを回避すべく、固定部55aと取付け板55cとの間に断熱スペーサ55dが挿入されている。断熱スペーサ55dとしては、例えば多孔質ガラス、多孔質セラミックスなどが用いられる。
造形材料吐出ヘッド11などを覆う吐出ヘッド用カバー13(図1A参照)は、たとえば、アルミニウムにより形成され、好ましくは、外表面に黒アルマイト処理がなされ、絶縁化と腐食の防止とが図られる。吐出ヘッド用カバー13は、マグネシウムを含むアルミニウム系材料(例えばAl−Mg系A5052)で形成されてもよく、その材料は特に限定されない。吐出ヘッド用カバー13の各部の厚さも特に限定されないが、0.5mm〜3.0mm程度の厚さが例示される。また、吐出ヘッド用カバー13には、その内面にも絶縁処理がなされてもよいし、造形材料吐出ヘッド11との隙間に、ガラス繊維、無機絶縁硬化材などが充填されて電気的絶縁が図られてもよい。吐出ヘッド用カバー13は、好ましくは、造形材料吐出ヘッド11の外形と同様の形状で、造形材料吐出ヘッド11を収容した際に大きな隙間が生じない程度の大きさに形成される。たとえば、吐出ヘッド用カバー13の外径は、概して円筒状であってもよく、角筒状であってもよい。
吐出ヘッド用カバー13において、造形材料A1の供給側と反対側の端面は、加熱板1と当接される。従って、吐出ヘッド用カバー13は、必ずしも加熱板1側に底板を有していなくてもよい。その場合、造形材料吐出ヘッド11は、加熱板1の第2面2c上に直接載置される。しかし、吐出ヘッド用カバー13は、加熱板1側に底板を有していてもよく、その場合、その底板において造形材料吐出ヘッド11の吐出口11aに対応する部分には開口(図示せず)が設けられる。また、前述したように、加熱板1が吐出ヘッド用カバー13にボルトで取付けられる場合は、吐出ヘッド用カバー13における加熱板1側の端面または底板にネジ穴が設けられる。さらに、図1には明示されていないが、吐出ヘッド用カバー13には、造形材料吐出ヘッド11の造形材料供給部54および吐出ヘッド用リード線121が挿通される開口が形成されている。
つぎに、図11を参照して、他の実施形態のヘッドモジュール10に備えられる、吐出ヘッド用加熱ヘッド12(図8A参照)の温度を制御する温度制御回路について説明する。吐出ヘッド用加熱ヘッド12が図8Aに示されるように発熱抵抗体12bへの通電によって発熱する加熱ヘッドである場合、吐出ヘッド用加熱ヘッド12に印加される電力が制御される。他の実施形態のヘッドモジュール10は、吐出ヘッド用加熱ヘッド12の温度制御を実行する温度制御部61を備えている。たとえば、温度制御部61は、吐出ヘッド用加熱ヘッド12に備えられた温度測定素子(温度測定用抵抗体12e、図8A参照)で測定された温度に基づいて吐出ヘッド用加熱ヘッド12の温度制御を実行する。また、温度制御部61は、その温度制御を、加熱板1に備えられた発熱体3(図1A参照)の近傍に設けられた温度測定素子(温度測定用抵抗体34、34a〜34d、図2Aおよび4A〜4D参照)で測定された温度に基づいて実行することができるように構成されていてもよい。
図11に示されるように、ヘッドモジュール10の温度制御回路は、測定用電源62、温度制御部61、および調整部66を備えている。測定用電源62は、温度測定素子64a、64bに接続されている。なお、二つの温度測定素子64a、64bの一方は、吐出ヘッド用加熱ヘッド12に備えられた温度測定用抵抗体12e(図8A参照)を意味し、他方は、加熱板1の発熱体3(図1A参照)の近傍に設けられた温度測定用抵抗体34、34a〜34d(図2Aなど参照)を意味している。測定用電源62から定電流が供給され、符号68で示される切り換え手段によって選択された温度測定素子64a、64bのいずれかに印加される。そして、選択された温度測定素子64a、64bのいずれかの電圧(温度測定素子の端子間電圧または接地電位に対する電位)が温度制御部61に入力される。なお、切り換え手段68は、メカニカルスイッチや電磁リレーなどのハードウェアによるものであってもよく、所定の温度測定素子を選択するように構成され、温度制御部61に組み込まれたソフトウェアなどであってもよい。また、測定用電源62からは、温度測定素子64a、64bの両方に電流が流され、いずれか一方の電圧だけが選択されて温度制御部61に入力されてもよい。なお、切り換え手段68は、必ずしも設けられなくてもよく、事前に決定された温度測定用抵抗体(温度測定用抵抗体12e、34、34a〜34dのいずれか)だけに測定電流が流され、その温度測定用抵抗体の電圧が温度制御部61に入力されてもよい。
調整部66は、吐出ヘッド用加熱ヘッド12の発熱抵抗体12bと加熱用電源67との間に接続されている。温度制御部61は、前述したように、温度測定素子64aまたは温度測定素子64bから入力される電圧値に基づいて、温度測定素子64aまたは温度測定素子64bの周囲の温度を算出し、その算出した温度と目標温度との関係に応じて調整部66の動作を制御する。調製部66は、電池または商用電源により構成される加熱用電源67からの供給電圧もしくは供給電流またはそれらの印加時間を調整し、発熱抵抗体12bに印加される電力を調整する。調整部66は、たとえば、トランスやスイッチング素子(図示せず)などによって発熱抵抗体12bへの印加電力を調整する。調整部66は、単に、温度制御部61の出力に基づいて発熱抵抗体12bへの電力の供給と遮断とを切り換える継電器であってもよい。なお、温度制御部61は、単に二つの電圧の大小を比較するコンパレータなどであってもよく、内蔵プログラムに基づいて所定の動作を実行するマイコンなどであってもよい。温度制御部61および調整部66は、造形材料吐出ヘッド11の内部に配置されていてもよく、各電源62、67と造形材料吐出ヘッド11との間に配置されていてもよい。
温度制御部61は、温度測定素子64a、64bの電圧に基づいて算出した温度が目標温度よりも高ければ、発熱抵抗体12bに印加される電力が小さくなるように調整部66を制御し、逆の場合は、発熱抵抗体12bへの印加電力が大きくなるように調整部66を制御する。このようにして、吐出ヘッド用加熱ヘッド12の温度が適切に制御される。加熱板1に備えられた温度測定素子(温度測定用抵抗体34など)で測定された温度に基づいて吐出ヘッド用加熱ヘッド12が制御されると、造形物A(図1A参照)の近傍の温度に基づいて吐出ヘッド用加熱ヘッド12の温度が制御され得る。そのため、造形物Aと、その上に吐出される融解状態の造形材料A1との強固な接着力を得る点で、より適切に温度を制御できることがある。
なお、加熱板1に備えられる発熱体3の温度制御も、図11に示されるような温度制御回路を用いて、同様に行われる。この発熱体3の温度制御は、好ましくは、発熱体3の近傍、または発熱体(加熱板用加熱ヘッド)3内に設けられた温度測定素子(温度測定用抵抗体32など)で測定された温度に基づいて行われる。しかし、各実施形態の加熱板1において、必ずしも温度測定用抵抗体がなくてもよく発熱抵抗体があればよい。また、発熱抵抗体に温度測定を兼ねさせることもできる。また、図1A、3A、3Bおよび4A〜4Dなどに示されるように、複数個の発熱体3が加熱板1に設けられる場合は、温度制御部61および調整部66は、好ましくは、各発熱抵抗体に印加される電力を独立して調整できるように構成される。そうすることで、複数個の発熱体3それぞれを独立して温度制御することができる。
図7Aなどを参照して説明した造形材料吐出ヘッド11の例は、吐出口11aが1個のシングル構造の吐出ヘッドの例である。しかし、一実施形態の加熱板1が装着される造形材料吐出ヘッドおよび他の実施形態のヘッドモジュール10に備えられる造形材料吐出ヘッドは、複数の吐出ヘッドが一列に配列されたマルチヘッド構造を有していてもよく、一列に配列された複数の流路および吐出口を一つの吐出ヘッド内に備えるマルチノズルタイプの吐出ヘッドであってもよい。すなわち、一実施形態の加熱板1が装着される造形材料吐出ヘッドおよび他の実施形態のヘッドモジュール10に備えられる造形材料吐出ヘッドは、ラインヘッドタイプの吐出ヘッドであってもよい。また、シングル構造またはラインヘッドタイプの吐出ヘッドを複数組み合わせたマルチシングルヘッドタイプまたはマルチラインヘッドタイプであってもよい。
例えば図10Bに示されるような流路板56を複数個幅方向に並べて一体化することによって、図12Aに示されるようなマルチノズルタイプ用の流路板57を形成することができる。流路板57の一面(たとえば図12Aにおける前面)に、流路板57に適合する大きさの吐出ヘッド用加熱ヘッド12(図8A参照)が接合され、この一面の反対面(たとえば図12Aにおける背面)にも、同様に吐出ヘッド用加熱ヘッド12が接合されることによって、流路板57の両面において開口が閉塞される。そうすることで、吐出口11aと供給口53に連通する複数の流路51が得られる。
図12Bには、ラインヘッドタイプの造形材料吐出ヘッドに装着され得る、一実施形態の加熱板の他の例である加熱板1aが示されている。図12Bに示されるように、加熱板1aは、一列に配列された複数の開口2aを有している。複数の開口2aを囲むように複数の発熱体3が、加熱板1aの第2面2c上に配置されている。発熱体3は、簡略化して示されているが、図2Aに示されるような加熱板用加熱ヘッド30が搭載されていてもよく、図4A〜4Dに示されるように発熱抵抗体32a〜32eが加熱板1に直接形成されていてもよい。なお、発熱体3は、必ずしも、複数の開口2aの周囲全体にわたって設けられていなくてもよい。
複数の開口2aには、ラインヘッドタイプの造形材料吐出ヘッドに装着されたときに、造形材料吐出ヘッドが備える吐出口11a(図12A参照)を有する複数の先端部が挿入される。従って、複数の開口2aは、造形材料吐出ヘッドが備える複数の吐出口11aの配置ピッチと略同じピッチで配列され、好ましくは、全ての開口2aそれぞれに、吐出口11aを有する一つの先端部が挿入される。しかし、ラインヘッドタイプの造形材料吐出ヘッドに装着される加熱板1aにおいて、開口2aの数が、吐出口11aの数より少なくてもよい。すなわち、複数の吐出口11aが一つの開口2aに露出し得るような、大きさおよび位置に個々の開口2aが設けられていてもよい。たとえば、複数個並ぶ吐出口11aの配列方向における全体の長さよりも長い、長軸方向の長さを有する楕円または長方形の開口2aが一つだけ設けられ、その一つの開口2aに、吐出口11aを有する複数の先端部の全てが挿入されてもよい。
図12Bの例では、加熱板1aは、開口2aの配列方向を長軸方向とする楕円形の平面形状を有している。従って、一列に並ぶ吐出口11aの近傍の造形物A(図1A参照)だけを効率良く加熱することができる。しかし、加熱板1aの平面形状は、開口2aの配列方向を長軸方向とする長方形であってもよく、任意の形状であり得る。加熱板1aは、開口2aの数、形状、および発熱体3の配置を除いて、図1Aなどに示される加熱板1と略同様の構成を有し得る。従って、その材料などについての再度の説明は省略される。
なお、図12Aに示される流路板57の例では、流路51は複数個設けられているが、供給口53は一つしか設けられていない。この構造では、供給口13側から造形材料を挿入するだけでは特定の吐出口11aから吐出させることができないため、所望の吐出口11aから造形材料を吐出させる駆動機構が必要になる。このような駆動機構は、前述した特許文献1に記載されているバイメタル方式などを用いて実現することができる。その詳細については省略するが、図12Aに二点鎖線で示される駆動用発熱抵抗体58を有する駆動用加熱板59が、吐出ヘッド用加熱ヘッド12の代わりに流路板57の他面側に接合される。そして、所望の流路51に面する駆動用発熱抵抗体58に対して通電が行われ、通電された駆動用発熱抵抗体58の発熱に伴う熱膨張によって、その所望の流路51内の造形材料が吐出される。なお、複数の供給口53を複数の流路51ごとに設け、流路51ごとに造形材料を供給口53から供給できるようにしてもよい。
マルチノズルの造形材料吐出ヘッドは、流路板57を用いる構造に限らず、図7Aなどに示される金属ブロック50を、吐出方向と直交する任意の方向に延伸し、その方向に沿って、流路51用の貫通孔を複数個並べて開けることによって形成することもできる。また、単に、図7A、8Aまたは10Aに示される造形材料吐出ヘッド11が複数個並べられた構造を一体的に形成することによってマルチヘッド構造の吐出ヘッドを構成することもできる。
また、図7Aなどに示される造形材料吐出ヘッド11などのシングル構造の吐出ヘッドを複数個、1枚の加熱板1上に離間して配置してマルチシングルヘッドタイプのヘッドモジュールとすることもできる。図12Cの例では、加熱板1の本体2の中央部に三角形状(多角形状)に3個(複数個)の開口2aが並べて設けられ、これら開口2aのそれぞれには造形材料吐出ヘッド11が、吐出口11aを有する先端部を挿通して装着される。また、本体2の第2面2cの開口2aの周囲には3つ(複数個)の加熱板用加熱ヘッド30が搭載されている。このように、複数の造形材料吐出ヘッド11を1枚の加熱板1に装着する場合、開口2aによって各造形材料吐出ヘッド11の取り付けの位置決めを容易に行うことができる。
図12D(a)、(b)には、複数の吐出口111aがライン状に設けられたラインヘッドタイプの造形材料吐出ヘッドが複数(4列)組み合わされたマルチラインヘッドタイプの造形材料吐出ヘッド111の長手両側に平面形状が矩形状の加熱板222が配置された3Dプリンタ用ヘッドモジュールの例が示されている。加熱板222は、加熱面2bを構成する平面視矩形状の加熱板部222aと該加熱板部222aの一端から上方へ延設された取付け板部222bとを有し、断面視略L字形状を有する。取付け板部222bは、造形材料吐出ヘッド111の図示しないカバー(ケース)の長手両側面に取り付けられている。加熱板部222aの加熱面2b(下面)は、取付板部222bとの連結部から離れるにしたがって上方へ向かうテーパー状とされ、最下部(上記連結部の下面)が吐出口111aの位置よりも上方に位置するもしくは同じ高さに配置されている。また、加熱板部222aの反対面2c(上面)には、その長手方向(複数の吐出口111aが並ぶ方向)に沿って1つまたは複数の加熱板用加熱ヘッド30が搭載されている。ここでは、造形材料吐出ヘッド111の長手両側に加熱板222を取り付けた例を示したが、加熱板222は、造形材料吐出ヘッド111の長手両側のうち一方側に設けるようにしてもよい。なお、造形材料吐出ヘッド111用の加熱ヘッドは図示を省略している。
各実施形態の加熱板およびヘッドモジュールにおいて、図3D、4C、4Dに示したように、発熱体3である加熱板用加熱ヘッド30または発熱抵抗体32を開口2aから離れる方向に複数設ける場合には、加熱板1の本体2の開口2aの近傍とその周囲とで異なる温度に制御できるように、これら発熱体それぞれを独立して温度制御できるようにするのが好ましい。
1、1a 3Dプリンタ用加熱板(3Dプリンタ用加熱装置)
10 3Dプリンタ用ヘッドモジュール
11 造形材料吐出ヘッド
11a 吐出口
12 吐出ヘッド用加熱ヘッド
122 カバー部材
12b 発熱抵抗体
12e 温度測定用抵抗体
13 吐出ヘッド用カバー
2 本体
2a 開口
2b 加熱面
2b1 熱放射層
2c 反対面(第2面)
3 発熱体
30 加熱板用加熱ヘッド
32、32a〜32e 発熱抵抗体
34、34a〜34d 温度測定用抵抗体
3a 発熱体用リード線
4 断熱カバー
5 流路構造体
51 流路
56 流路板
61 温度制御部
64a、64b 温度測定素子
67 加熱用電源
68 切り換え手段
A 造形物
A1 造形材料
10 3Dプリンタ用ヘッドモジュール
11 造形材料吐出ヘッド
11a 吐出口
12 吐出ヘッド用加熱ヘッド
122 カバー部材
12b 発熱抵抗体
12e 温度測定用抵抗体
13 吐出ヘッド用カバー
2 本体
2a 開口
2b 加熱面
2b1 熱放射層
2c 反対面(第2面)
3 発熱体
30 加熱板用加熱ヘッド
32、32a〜32e 発熱抵抗体
34、34a〜34d 温度測定用抵抗体
3a 発熱体用リード線
4 断熱カバー
5 流路構造体
51 流路
56 流路板
61 温度制御部
64a、64b 温度測定素子
67 加熱用電源
68 切り換え手段
A 造形物
A1 造形材料
Claims (14)
- 板状の本体と該本体に備えられた発熱体とを有し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッドの吐出口の近傍に配置され、前記本体の一方の面を加熱面として造形時に積層形成されている造形物の表面と対向させることで当該造形物の表面を加熱する、3Dプリンタ用加熱装置。
- 板状の本体と前記板状の本体に備えられた発熱体とを有し、
前記本体は、
前記本体を貫通し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッドの吐出口を有する先端部が挿入される開口と、
前記造形材料吐出ヘッドに前記本体が装着されることで前記吐出口の周囲に吐出方向に向けて位置付けられ、造形時に前記吐出口から吐出された造形材料の積層により形成された造形物を加熱することができる加熱面と、を有する、3Dプリンタ用加熱装置。 - 前記発熱体が、前記板状の本体に搭載された加熱ヘッドである、請求項1または2記載の3Dプリンタ用加熱装置。
- 前記発熱体が、前記板状の本体に形成された電気抵抗体の膜によって構成されている、請求項1または2記載の3Dプリンタ用加熱装置。
- 前記発熱体が、前記加熱面側に設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用加熱装置。
- 前記発熱体が、複数個設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用加熱装置。
- 前記加熱面が黒色にされている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用加熱装置。
- 前記加熱面が、前記吐出口から離れるにしたがって前記造形物の表面から離間するテーパー状に形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用加熱装置。
- 造形材料吐出ヘッドと、板状の本体および該本体に備えられた発熱体を有し、3Dプリンタ用の造形材料吐出ヘッドの吐出口の近傍に配置され、前記本体の一方の面を加熱面として造形時に積層形成されている造形物の表面と対向させることで当該造形物の表面を加熱する加熱板と、を備えた3Dプリンタ用ヘッドモジュール。
- 造形材料吐出ヘッドと、前記造形材料吐出ヘッド内の造形材料を加熱する吐出ヘッド用加熱ヘッドと、前記造形材料吐出ヘッドの吐出口を有する先端部を突出させて前記造形材料吐出ヘッド及び前記吐出ヘッド用加熱ヘッドを覆う吐出ヘッド用カバーを備えた3Dプリンタ用ヘッドモジュールであって、
前記吐出ヘッド用カバーが、造形時に既に形成されている造形物を加熱する加熱板を備えており、
前記加熱板は、発熱体を備えていて前記吐出口の周囲を囲むように配置されている、3Dプリンタ用ヘッドモジュール。 - 前記発熱体が、発熱抵抗体を有する加熱ヘッドである請求項9または10記載の3Dプリンタ用ヘッドモジュール。
- 前記発熱体が、前記加熱板に形成された電気抵抗体の膜によって構成されている、請求項9または10記載の3Dプリンタ用ヘッドモジュール。
- 前記発熱体が、複数個設けられている、請求項9〜12のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用ヘッドモュール。
- 複数個の前記発熱体を独立して温度制御できる温度制御部を備える、請求項13記載の3Dプリンタ用ヘッドモジュール。
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