JP2019069592A - 3dプリンタ用ヘッドモジュール、3dプリンタおよび造形方法 - Google Patents

3dプリンタ用ヘッドモジュール、3dプリンタおよび造形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】造形材料が300℃以上の融解温度を有する場合でも、造形材料供給部の供給口で、造形材料が軟化しないように温度上昇を抑制する。【解決手段】吐出ヘッド1内を流動させる造形材料92aを加熱する加熱ヘッド2と、吐出ヘッド1に、直接的、または間接的に接続され、吐出部12に造形材料91を供給するための造形材料供給孔61a、3aを有する熱伝導抑制部材(バレル61、断熱スペーサ3)を備えており、熱伝導抑制部材(バレル61、断熱スペーサ3)が、5W/(m・℃)以下、好ましくは3W/(m・℃)以下の熱伝導率の材料で形成されている。【選択図】図1A

Description

本発明は、3Dプリンタ用ヘッドモジュール、これを搭載した3次元(3D)プリンタおよび造形方法に関する。
近年、コンピュータを利用して3次元プリンタにより立体造形物を製造することが盛んに行われている。このような造形材料を吐出する装置としては、例えば図6に示されるような構造のものが知られている。すなわち、図6において、ヒータブロック83の一端側にノズル81がねじ込まれ、他端部側にバレル82がねじ込まれ、バレル82にワイヤ状または棒状の造形材料が挿入される。そして、バレル82により造形材料が一定の割合で送り込まれ、ヒータブロック83の熱により造形材料が加熱されて融解し、ノズル81の先端部の吐出部81aから融解した造形材料が一定量ずつ吐出される。この吐出部81aの位置が、造形物を形成する造形テーブル(図示せず)とxyz方向に相対的に移動することにより、3次元の所望の造形物が製造される。
一方、特許文献1には、クイックスタートが可能な吐出ヘッドが開示されている。すなわち、図5に側面図が示されるように、少ない熱量で造形材料を融解して吐出する安価な吐出ヘッドとして、例えば板状体または金属ブロックによって流路構造体10を形成し、その流路構造体10の一壁面に、セラミック基板に発熱抵抗体を形成して通電できるようにした加熱ヘッド20を配置し、その流路構造体10の吐出部12と反対側に設けられた取付板85にバレル82が固定され、造形材料91が定ピッチで送り込まれるように図示しない送り機構がバレル82の外周に取り付けられている。この取付板85やバレル82はアルミニウム、ステンレスなどの金属によって形成されている。そのため、造形材料がバレル82に付着しないように、また、造形材料91のバレル82内での移動がスムーズに行われるように、バレル82の内面にフッ素系樹脂からなるチューブ82aが挿入されている。図6の例でもチューブが挿入されているが、図では省略されている。
特許第6154055号公報
前述のように、流路構造体10と接続される取付板85、およびその取付板85に接続されるバレル82は金属で形成されている。そのため、図6に示されるヒータブロック83や図5に示される加熱ヘッド20の熱がバレル82に容易に伝達する。特に最近では、造形物に、より高温に耐え得る材料を用いたり、添加物を加えたりして強度を強くし耐久性を有する造形物とするための材料など、高温で融解し得る種々の材料が用いられる傾向にある。その結果、造形材料を融解して造形物を製造する場合でも、スイッチ投入後直ちに300℃以上の高温で造形材料を融解(吐出できるように軟化)し得るようにする必要が出てきている。
このように造形材料が高温で融解する材料になると、融解した造形材料を流動させる流路構造体の温度も非常に高温になる。その結果、流路構造体10を加熱した熱は、造形材料の供給部であるバレル82側に伝導する。造形材料供給部であるバレル82側に熱が伝わると、供給する造形材料91の温度が上昇し、融解状態には至らずとも、軟化して、僅かな量ずつで流路構造体10に送れなくなる。前述の特許文献1に示されるように、断熱スペーサが挿入されても、多孔質ガラスや多孔質セラミックスでは、充分に熱伝導を阻止することができない恐れがあり得る。従来の造形材料供給部(バレル82)は、加工の容易さから、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの金属材料によって形成されている。そのため、断熱スペーサが挿入されても、その断熱スペーサを乗り越えた熱は、直ちに取付板85内を伝導し、造形材料の供給口であるバレル82まで温度が上昇する。その結果、前述したように、流路構造体10に送り込む造形材料91が軟化して正確な量で送り込みができなくなるという問題が起り得る。従来の図6に示される構造では、このバレル82の外周にフィンを取り付け、空冷などで冷却することが行われている。
前述のように、造形材料供給部側に熱が伝導すると、造形材料の送り込みの制御を充分に行えないという問題を有するのみならず、流路構造体を加熱する熱が充分に流路構造体に供給されず、加熱の無駄になるという問題もある。特に、この問題は造形材料の融解温度が例えば300℃以上などと高くなる程、より一層顕著になるという問題がある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、造形材料が300℃以上の融解温度(吐出できる程度に軟化し得る温度)を有する場合でも、造形材料供給部の供給口で、造形材料が軟化するような温度に上昇しないようにすると共に、流路構造体(吐出ヘッド)で造形材料を融解するための熱を無駄なく利用し得る吐出ヘッドに用いられる熱伝導抑制部材を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、バレルを強制冷却しなくても高融点造形材料を用いて造形を行うことができる3Dプリンタ用ヘッドモジュール、3Dプリンタおよび造形方法を提供することにある。
本発明の一実施形態の熱伝導抑制部材は、造形材料を吐出する吐出ヘッドに、直接的、または間接的に接続され、前記吐出ヘッドに造形材料を供給するための造形材料供給孔を有する熱伝導抑制部材であって、前記熱伝導抑制部材の材料は、熱伝導率が5W/(m・℃)以下の材料で形成されている。
本発明の他の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールは、造形材料を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを加熱する加熱ヘッドと、前記吐出ヘッドに、直接的、または間接的に接続され、前記吐出ヘッドに造形材料を供給するための造形材料導通孔を有する熱伝導抑制部材とを備えており、前記熱伝導抑制部材が、熱伝導率が5W/(m・℃)以下の材料で形成されている。
本発明の立体造形物の造形方法は、立体造形物の造形方法であって、前記3Dプリンタ用ヘッドモジュールおよび300℃以上の高温で軟化する造形材料を用いて立体造形物を形成することを含む。
本発明の別の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールは、加熱融解させられた造形材料を吐出する吐出口を有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの外面に取付けられて前記吐出ヘッド内に供給された前記造形材料を加熱する加熱ヘッドと、前記吐出ヘッドに、直接的、または間接的に接続され、前記吐出ヘッドに前記造形材料を供給するための造形材料供給孔を有する熱伝導抑制部材と、前記吐出口を突出させるとともに前記加熱ヘッドを覆うように前記吐出ヘッドの周囲に取付けられたカバー部材と、を備え、前記吐出ヘッドおよび前記カバー部材は、前記熱伝導抑制部材よりも熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする。
前記本発明の別の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールにおいて、前記カバー部材と前記吐出口との間であって、前記カバー部材の下端部に取付けられ、前記加熱ヘッドによる熱の放散を行う放熱部材を備えていることを特徴とする。
また、前記本発明の別の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールにおいて、前記熱伝導抑制部材の材料が、マシナブルセラミックス、エンジニアリングセラミックス、ガラス、チタン合金、またはマシナブルセラミックス、エンジニアリングセラミックスもしくはガラスからなる内管を金属の外管で覆った複合材料であることを特徴とする。
さらに、本発明の3Dプリンタは、前記3Dプリンタ用ヘッドモジュールを備えることを特徴とする。
加えて、本発明の立体造形物の造形方法は、前記3Dプリンタ用ヘッドモジュールおよび300℃以上の高温で軟化する造形材料を用いて立体造形物を形成することを含むことを特徴とする。
本発明の熱伝導抑制部材によれば、造形材料を吐出する吐出ヘッドに、造形材料を供給するための造形材料供給孔を有する熱伝導抑制部材であって、熱伝導率が5W/(m・℃)以下の材料が直接的または間接的に接続されている。そのため、吐出ヘッドの加熱される部分の熱が、造形材料の供給側に伝導し難い。その結果、造形材料が300℃以上の高温で融解する材料で吐出ヘッドの温度が300℃以上に上昇しても、その熱が造形材料の供給側に伝わり難くなる。その結果、造形材料であるフィラメントを送り込むところで造形材料が軟化して送り込み難くなるということがなくなる。さらに、吐出ヘッドの流路部分での加熱する熱量の逃げが少なくなるので、加熱する熱量を有効に利用することができ、無駄な加熱を抑制し得る。
本発明の3Dプリンタ用ヘッドモジュールによれば、吐出ヘッドおよびそのカバー部材を、吐出ヘッドへ造形材料を供給する熱伝導抑制部材よりも熱伝導率の高い材料で形成しているので、カバー部材によって吐出ヘッドを加熱した熱を効果的に閉じ込めることができるので、加熱ヘッドの発熱を造形材料の加熱により有効に用いることができ、加えて、熱伝導抑制部材を吐出ヘッドおよびそのカバー部材よりも低熱伝導率材料としているので、造形材料を供給する熱伝導抑制部材側に伝導するのを軽減できる。その結果、造形材料が300℃以上の高温で融解する材料で吐出ヘッドの温度が300℃以上に上昇した場合であっても、その熱が造形材料の供給側に伝わり難くなり、バレル(熱伝導抑制部材)を強制冷却しなくても造形材料であるフィラメントを送り込むところで造形材料が軟化して送り込み難くなるということがなくなる。さらに、カバー部材の下端部に放熱部材を取付けるようにしたときには、加熱ヘッドによる熱をカバー部材が効果的に放熱部材に逃がすことができ、放熱部材から放散した熱をこれから造形材料を積層しようとする既積層された造形物表面の加熱に利用することができ、PEEK等の高融点材料の造形材料であっても強固な結合において積層(造形)を行うことができる。
本発明の一実施形態の熱伝導抑制部材を用いた3Dプリンタ用ヘッドモジュールの断面説明図である。 図1Aのヘッドモジュールに用いる吐出ヘッドを構成する板状体の例である。 図1Aの加熱ヘッドのカバー部材を除去した状態の平面説明図である。 図2Aにカバー部材を取り付けた状態の側面図である。 図2Aの加熱ヘッドの裏面を示す底面図である。 図1Aのヘッドモジュールの変形例である。 本発明の別の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールの(A)断面説明図、および(B)底面説明図である。 従来の吐出ヘッドモジュールの一例を示す側面図である。 従来の吐出ヘッドモジュールの他の例を示す断面図である。
つぎに、図面を参照しながら本発明の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールおよびその吐出ヘッドモジュールに用いる熱伝導抑制部材が説明される。本発明の一実施形態による3Dプリンタ用ヘッドモジュール100は、図1Aにその断面説明図が示されるように、造形材料を吐出する吐出部12、融解した造形材料を流動させる流路11を有する吐出ヘッド1と、吐出ヘッド1内を流動させる造形材料92aを加熱する加熱ヘッド2と、吐出ヘッド1に、直接的、または間接的に接続され、吐出ヘッド1に造形材料91を供給するための造形材料供給孔61a、3aを有する熱伝導抑制部材(バレル61、断熱スペーサ3)とを備えており、熱伝導抑制部材(バレル61、および/または断熱スペーサ3)が、5W/(m・℃)以下、好ましくは3W/(m・℃)以下の熱伝導率の材料で形成されている。
すなわち、図1Aに示される例では、吐出ヘッド1内を融解した(軟化状態になった)造形材料92aが流動できるように流路11が形成されており、その流路11と連結して造形材料91を送り込む造形材料供給部6のバレル61が取付板5を介して接続されている。このバレル61には、造形材料であるフィラメント91を一定ピッチで送り込む送り機構が設けられて、造形材料供給部6が構成されているが、図では省略されている。このバレル61の中心部には、造形材料であるフィラメント91を流路11に供給するための貫通孔(造形材料供給孔)61aが形成されている。また、図1Aに示される実施形態では、必須ではないが、断熱スペーサ3が吐出ヘッド1と取付板5との間に挿入されている。この断熱スペーサ3も、その中心部には、造形材料であるフィラメント91を吐出ヘッド1に供給する貫通孔(造形材料供給孔)3aが形成されている。その結果、図1Aに示されるように、バレル61から吐出ヘッド1の吐出部12まで連通した造形材料の流通路が形成されている。このバレル61と断熱スペーサ3が前述の熱伝導抑制部材によって形成されている。この熱伝導抑制部材の使用は、バレル61および断熱スペーサ3の両方に用いられる必要はなく、いずれか一方のみ、または他の構成で用いられていてもよい。
近年、リードなどを形成するため、導電性材料としての合金材料を吐出して形成することが要求されたり、強度の大きい造形物の要請から、樹脂などからなる造形材料に金属粉や金属酸化物などの融点の高いフィラーが混合された造形材料が要求されたり、各種センサ機能材料であることが要求されている。その結果、本発明者は、前述のように、300℃程度の高融点の造形材料でも、スイッチの投入後、直ちに温度を上昇させて融解させクイックスタートを可能としながら、造形材料の吐出ヘッドモジュールを開発して、前述の特許文献1で開示しているが、造形材料を300℃程度に加熱すると、造形材料供給部6の方も温度が上昇するという問題がある。
前述したように、造形材料の融解温度が300℃以上になると、造形材料91の供給部であるバレル61の温度が上昇して、造形材料(フィラメント)91の送り込みがスムーズに行えない場合が生じ得る。そこで本発明者が鋭意検討を重ねた結果、吐出ヘッド1から造形材料供給部6への熱伝導を抑制することを考えた。すなわち、従来の吐出ヘッドは、図6や図5に示されるバレル82や取付部85(ヒータブロック83)が、取付構造の容易化のため、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって形成されている。そのため、図6のヒータブロック83や図5の加熱ヘッド20の熱が容易にバレル82側に伝導して、バレル82の温度が上昇しやすい。そこで、その熱の伝導を少なくとも1/3程度以下、好ましくは1/5程度以下、さらに好ましくは1/10程度以下に抑制することによって、バレル61(図1A参照)での造形材料(フィラメント)91の軟化を抑制し得る程度にバレル61の温度上昇を抑制できることを見出した。
このバレル61は一例として、長さが25〜35mm程度で、直径がφ6mmのねじで取付板5に嵌め込まれ、中心部に内径φ2mmの造形材料供給孔61aが形成されている。従来構造では、この貫通孔をφ3.2mm程度にして円筒リング状のチューブ82a(図5参照)が挿入されていたが、本実施形態では、後述されるマシナブルセラミックスまたはジルコニアなどのエンジニアリングセラミックスが用いられるので、このチューブが不要になっている。
この熱伝導の抑制は、熱伝導抑制部材を造形材料の供給口から吐出ヘッド1までの間に挿入することで達成することができ、具体的には、バレル61を熱伝導抑制部材で形成したり、吐出ヘッド1と取付板5との間に断熱スペーサ3を挿入して、その断熱スペーサ3を熱伝導抑制部材で形成したりすることによって達成し得る。
熱伝導抑制部材としては、熱伝導率の小さい材料を用いることによって得られる。従来の取付部85やバレル82(図5参照)の材料は、前述のように、Alやステンレス鋼が用いられているが、Alの熱伝導率は230W/(m・℃)であり、ステンレス鋼の熱伝導率は16.3〜27.2W/(m・℃)である。そのため、熱伝導率をこれらの1/5以下程度にすることが好ましく、具体的には、5W/(m・℃)以下が好ましく、さらに好ましくは3W/(m・℃)以下の材料を用いることで達成し得る。
固体で熱伝導率の小さい材料としては、例えばコーニング社製のマシナブルガラスセラミック(例えばマコール(登録商標):熱伝導率1.4W/(m・℃))、エンジニアリングセラミックス(例えばジルコニア:熱伝導率1.7〜3W/(m・℃))、ガラス(例えばホウ珪酸ガラス、石英ガラス:熱伝導率1.4W/(m・℃))などを用いることができる。
前述の材料の中でも、マシナブルセラミックスは、熱伝導率が1.4W/(m・℃)程度と小さくステンレスの1/10以下であり、加工もしやすいため特に好ましい。しかも、この材料であればセラミックスであるため、この造形材料供給孔61a、3a内で、フィラメント91が一部融解しても、その融解した造形材料92aが付着しにくいので、造形材料供給孔61a、3a内に付着物がたまる恐れもない。すなわち、従来の金属材料で形成されたバレル82では、図5に示されるように、その内部にフッ素系樹脂からなるチューブ82aを挿入する必要があったが、本実施形態ではその必要もなくなる。このマシナブルガラスセラミックスでバレル61を形成する場合、図1Aに示されるように、一端部にネジを切って取付板5にねじ込むことによっても取り付けられるし、取付板5に形成した嵌合孔にバレル61を挿入して、取付板5の外部からネジで止めることもできる。
図1Aに示される例では、この熱伝導抑制部材がバレル61に形成されている。バレル61はその中心部に貫通孔が形成され、造形材料供給孔61aが形成されている。この造形材料供給孔61aは、吐出ヘッド1の流路11と連結するように形成されている。バレル61が熱伝導抑制部材で形成されていることによって、例えばバレル61の吐出ヘッド1側の端部に熱が伝わったとしても、その熱はバレル61の吐出ヘッド1と反対側への伝導は抑制され、バレル全体の温度が上昇することは抑制される。その結果、造形材料であるフィラメント91がバレル61の入り口で軟化することはなく、スムーズにフィラメント91を送り込める。
図1Aに示される実施形態では、断熱スペーサ3が吐出ヘッド(流路構造体)1と取付板5との間に挿入され、その断熱スペーサ3も前述の熱伝導抑制部材で形成されている。この断熱スペーサ3が吐出ヘッド1と取付板5との間に設けられることによって、一番温度が高くなる吐出ヘッド1の熱のバレル61側への伝導が抑制されるので、最も効果的である。すなわち、バレル61の加熱を抑制できるだけでなく、吐出ヘッド1の熱を逃がさないで、吐出ヘッド1の内部の流路11内の軟化した造形材料92aの加熱に有効に利用されるからである。図1Aに示される例では、バレル61と断熱スペーサ3との両方が熱伝導抑制部材で形成されているが、この両方がこの材料で形成される必要はなく、いずれか一方のみでもよい。
また、断熱スペーサ3そのものが無くてもよい。バレル61の熱伝導率が小さければ、吐出ヘッド1側の温度が上昇していても、バレル61のフィラメント91の供給側の温度上昇が抑制され、フィラメント91の軟化という問題は生じにくいと考えられる。一方、これら以外に熱伝導抑制部材が介在されてもよい。例えば取付板5として、従来から金属材料が用いられているが、この取付板5も熱伝導抑制部材により形成されてもよい。前述のように、フッ素金雲母や、ホウケイ酸ガラスなどのマシナブルセラミックスや、ジルコニアなどのエンジニアリングセラミックスは加工することができるので、ネジ孔程度は容易に形成され得る。その結果、吐出ヘッド1で発生した熱を殆ど吐出ヘッド1の加熱に利用することができ、非常に熱効率が向上する。
本実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュール100は、図1Aに示されるように、吐出ヘッド1に取付板5やバレル61を含む造形材料供給部6と、その吐出ヘッド1の流路11の側面に設けられ、流路11内の軟化した造形材料92aを加熱する加熱ヘッド2とからなっている。
すなわち、吐出ヘッド1は、例えば棒状の金属ブロックに流路11とする縦方向の貫通孔を形成し、その流路の少なくとも一壁面に加熱ヘッド2を貼り付ける構造にしてもよいし、図1Bに示される例のように、板状体1aに流路11の長さに合せた細長の貫通孔を形成し、その板状体1aの貫通孔が重なるように複数枚重ねて貫通孔の少なくとも一端部に加熱ヘッド2を設けることによって、流路11内の軟化した造形材料92aを加熱するように構成されてもよい。金属ブロックで形成する場合には、金属ブロックの流路11の一壁面を薄くするか、流路11が露出するようにして、加熱ヘッド2が設けられることが加熱効率を向上させ得るので好ましい。また板状体1aで形成する場合、図1Aに示される(図1Aでは、2枚の板状体重ねられ、図1Bの中心線での断面図が示されている)ように、貫通孔の両端部に加熱ヘッド2が形成されれば、流路11が形成されると共に充分に加熱され得るのでよいが、一端部だけに加熱ヘッド2が接合されてもよい。この場合には、貫通孔の他端部(流路11の他の側壁)は閉塞板で閉塞することで流路11が形成される。
さらに詳細に説明すると、図1Bに示されるような板状体1aが用いられる。この板状体1aは、例えば厚さが1mm程度で、幅Wが4mm程度、長さHが20mm程度の板状体に、幅Lが2mm程度の流路11とする貫通孔が形成され、その先端部は流路11と連通するように、幅Mが0.3mm程度で深さが0.15mm程度の吐出部12とする溝が形成されている。この板状体1aは、吐出部12の先端からの長さJが13mm程度の位置Pで折り曲げられ、流路11(吐出部12)と反対側の端部は取付部15とされる。この取付部15には、取付用の孔16がφ2.2mm程度の大きさで形成され、図1Aに示される取付板5などに図示しないネジなどによって取り付けられるようになっている。なお、図1Aに示される例では、取付部15と取付板5との間に断熱スペーサ3が挿入されている。この取付部15の長さKは6.8mm程度で形成されているが、そのうち1.8mm程度は折り曲げ部に費やされる。そのため、図示されていないが、折り曲げやすいように、1.8mm程度の幅で0.6mm程度の深さの溝が形成されている。これらの孔や溝はエッチングにより形成されるが、打抜き金型により外形の形成と共に同時に形成されてもよい。この場合、貫通孔は金型により形成され、溝はエッチングにより形成されてもよい。この例では、1個の流路11を形成する例であるが、この流路11を複数個並べてラインヘッドにする場合には、図1Bの幅Wを大きくして、大きくした方向に貫通孔を複数個配置することで形成し得る。
このような板状体1aが、例えば2枚の取付部15がそれぞれ反対方向に折り曲げられてから、流路11とする貫通孔などが一致するように重ねて接合されることにより吐出ヘッド1が形成されている。この板状体1aの貼り付けが、造形材料の高融点の材料を融解する温度、例えば300℃程度の高温に耐えるような銀ロウによりロウ付けされることで接合される。この場合、例えばステンレスなどからなる金属板同士の接合であるため、メタライズの必要はなく、直接シート状のロウ材またはリボン状のロウ材などを点在させてフラックスを塗布して重ねた上で加熱炉により融解させることによりロウ付けすることができる。なお、真空炉または還元雰囲気炉でロウ付けすることにより、フラックスが無くてもロウ付けすることができる。このようにして形成された吐出ヘッド1は、板状体1aに形成された縦長の貫通孔が流路11となるため、2枚の板状体1aが接合されても、貫通孔の両端は開放されているので、流路11の対向する2つの側面が開放している。その両面に、図1Aに示されるように、加熱ヘッド2が貼り付けられている。
図1Aに示される加熱ヘッド2の構造は、図2A〜2Cに示される構造で以下に説明される。この加熱ヘッド2の吐出ヘッド1との接合は、吐出ヘッド1が形成された後に吐出ヘッド1と加熱ヘッド2とが接合されてもよいし、板状体1aを重ねて加熱ヘッド2と同時にロウ付けされてもよい。
加熱ヘッド2は、図2A〜2Cに示されるように、絶縁基板21の一面に発熱抵抗体22などが形成され、その表面にカバー部材26が形成されているが、露出面としては絶縁基板21の他面(裏面)の方が平坦であること、絶縁基板21の方が、厚さが厚いので、温度が均一になりやすい(発熱抵抗体22の温度が一番高いが、その影響を受けにくい)こと、という点で絶縁基板21の他面側を吐出ヘッド1側にすることが好ましい。その構造にすることにより、前述のように、絶縁基板21の他面側に予めメタライズ21aを形成することによってロウ付けされ得る。
さらに詳細に説明すると、加熱ヘッド2は、例えば図2A〜2Cにその一例のカバー部材26(図2B参照)を除去した平面図と、カバー部材26が設けられた側面図と、底面図(裏面)がそれぞれ示されるように形成されている。加熱ヘッド2は、例えば図2A〜2Cに示されるように、絶縁基板21の一面に、絶縁基板21を加熱する発熱抵抗体22が形成されている。その発熱抵抗体22には、その長手方向に電流を流すための電極23が発熱抵抗体22の両端部に接続して形成され、その端部は絶縁基板21の端部に形成されているスルーホールを介して、絶縁基板21の裏面まで延びる電極端子23aになっている。絶縁基板21の裏面に導出されることによりリード27の接続が容易になるが、必ずしもそうする必要はない。図2Aに示される例では、さらに、第2の発熱抵抗体22aが吐出部12側となる方向の半分くらいの長さに形成されている。吐出部12側の温度を高くして吐出しやすくすると共に、造形材料91の供給口13(図1B参照)側ではあまり温度が上昇しないようにするためである。しかし、発熱抵抗体22の配置や形状はこの例には限定されず、種々の形状に形成され得る。要は、吐出部12側の温度が造形材料供給口13側よりも高くなるように形成されることが好ましい。また、発熱抵抗体22の近傍に温度測定用抵抗体24が形成されている。
この温度測定用抵抗体24には、例えば両端部およびその中間部のように、所定の場所の電気抵抗を測定するための測温用配線25を介して測温端子25aが形成されている。この測温端子25aも電極端子23aと同様に、絶縁基板21のスルーホールを介して絶縁基板21の裏面に導出されている。この発熱抵抗体22や温度測定用抵抗体24などの材料、形成方法なども前述の特許第5981079号公報などに記載されているのと同様の材料で、同様の方法により形成される。これらの上にカバー部材26(図2B参照)がガラス材またはセラミック基板などにより形成され、発熱抵抗体22などの表面が保護されている。また、図2Cに示されるように、発熱抵抗体22の電極端子23aや温度測定用抵抗体24の測温端子25aと接続して、セラミック基板21の裏面側で配線23b、25bを介してリード27と接続されている。この配線23b、25bは無くて、直接リード27が電極端子23aや測温端子25aに接続されてもよい。
このリード27と配線23b、25bや端子23a、25aとの接続は、300℃以上の温度に対して耐熱性を有する無機導電接着剤などで接続される。また、造形材料吐出ヘッドを使用するには、発熱抵抗体22の駆動回路や、絶縁基板21の温度を測定する測定回路を含む制御手段が設けられ得る。制御手段は、発熱抵抗体22の電流を制御して、絶縁基板21の温度が所定の温度になるように駆動回路を制御するが、この制御も前述の特許第5981079号公報などに記載の方法で行われ得る。なお、図示されていないが、リード27と電極端子23aまたは測温端子25aなどとの接続部は、その接続部でリード27が折れないように保護部材で保護される。なお、図2Aでは、リード27は、その接続部が絶縁基板21の裏面側になるため、省略されている。
本実施形態では、この加熱ヘッド2の絶縁基板21の裏面に、図2Cに示されるように、メタライズ21aが形成されている。このメタライズ21aは吐出ヘッド1と接合するための接合領域に形成されている。すなわち、吐出ヘッド1の流路11の対向する側面(貫通孔の両端面)が露出しており、その流路11の露出する部分にはメタライズが形成されていない。この部分にもメタライズが形成されても支障はないが、材料の無駄になるからである。吐出部12側の端部は、吐出部12が流路11よりも細くなるため、吐出ヘッド1の側面が一部残っているので、流路11は露出していない。そのため、その部分もロウ付けできるように絶縁基板21にメタライズ21aが形成され、メタライズ21aの部分がU字状になっている。なお、吐出部12側と反対側は、取付部15と当て付けで加熱ヘッド2が設けられるため、セラミック系、ガラス系、金属系などの無機接着剤などからなる封止材を塗布して固化することにより、取付部15と加熱ヘッド2とが接合されて、造形材料が流出しないようにされている。
このメタライズ21aは、例えばAg、Pd、Ptなどを主成分とする材料をペースト状にして絶縁基板21の裏面のメタライズの形成場所に塗布して600〜800℃程度で焼成することにより形成される。発熱抵抗体22、温度測定用抵抗体24、電極23なども同様に、Ag、Pdなどを混合したペーストの塗布と焼成により形成されるので、どちらを先に行ってもよいが、同様の方法で形成され得る。メタライズを先に形成した方が、充分に高温で焼きつけられるし、発熱抵抗体22などの抵抗値の変動を防止するという観点から好ましい。
このようにメタライズされた絶縁基板21を有する加熱ヘッド2と吐出ヘッド1との間にシート状もしくはワイヤ状にし、または塗布し得るようにペースト状にした銀ロウ(例えば前述のJIS規格BAg−7を主成分とする銀ロウ)を挟んで重ねて700℃程度に加熱し、フラックスで表面を活性化させることにより、ロウ付けがなされる。ロウ材は、このようなロウ材を用いなくても、吐出ヘッド1のロウ付け部または絶縁基板21のメタライズ部分に銀メッキと銅メッキなどを施しておくことにより、重ねて温度を上昇させるだけで、両金属が合金化し、700℃程度で融解してロウ付けをすることができる。
図1Aに示される例では、吐出ヘッド1の流路11と直角方向に形成された貫通孔の両端部に加熱ヘッド2がそれぞれ設けられているが、加熱ヘッド2は一方の端部だけでもよい。その場合は、他方の端部に金属板が貼り付けられて閉塞板にされる。流路の一壁面とするためである。
前述の吐出ヘッド1の取付部15が固定される取付板5は、例えばアルミニウムなどの3〜10mm厚程度の金属板からなっており、板状体の取付孔16を利用してネジなどによって取り付けられる。図1Aに示される例では、その間に断熱スペーサ3が挿入されている。この断熱スペーサ3は、前述の熱伝導抑制部材で形成されており、5〜10mm程度の厚さのものである。また、取付板5には前述のバレル61が取り付けられている。このバレル61の取付は、図に示されるようなネジ込みでなくても、嵌合孔に挿入して取付板5の横からネジで固定することもできる。
図3は、図1Aに示される3Dプリンタ用ヘッドモジュール100の変形例である。図3に示される3Dプリンタ用ヘッドモジュール101は、例えば厚さが0.2〜0.5mm厚程度の銅などの熱伝導の良い金属板、例えばステンレス板で吐出ヘッド1および加熱ヘッド2を取り囲むようにカバー4が形成されている。従って、ヘッドモジュールの外形が矩形であれば、カバー4の外形も矩形形状に形成され、ヘッドモジュールの外形が円形であれば、カバー4の外形も円形になる。このカバー4は底部側の端部が取付板5にビス止めされるか、バネ性をもたせた嵌め込みで固定される。取付板5に取り付けられる端部と反対側の端部は、吐出部12の周囲まで被覆するように伸びているが、吐出ヘッド1や加熱ヘッド2とは接触していない。
このカバー4は、取付板5側に伝導した熱を吐出部12側に戻す役目をすると共に、加熱ヘッド2から発せられる熱を外部にできるだけ逃がさないようにして、吐出ヘッド1の加熱に利用するものである。すなわち、このカバー4は、前述のように、熱伝導が良いため、取付板5に逃げた熱を吐出部12側に戻し、加熱ヘッド2の周囲の全体の温度を保持できるようになっている。
また、本発明の立体造形物の造形方法は、図1に示されるような3Dプリンタ用ヘッドモジュールを形成し、そのモジュールを用いて立体造形物を形成することを含んでいる。
次に、本発明の3Dプリンタ用モジュール(ホットエンド)の他の実施形態を説明する。図4に本発明の別の実施形態である3Dプリンタ用モジュールを示す。3Dプリンタ用モジュールは、下端(図面下側)に融解した造形材料を吐出する吐出口111aが形成された吐出部と造形材料を融解する融解部とを有するノズル(吐出ヘッド)111と、上端(図面上側)にフィラメント(線状の造形材料)の供給口112aが形成された供給部を有するバレル(熱伝導抑制部材)112と、ノズル111の融解部の加熱手段である一対の加熱ヘッド113と、ノズル111に接して取り囲むように形成されているカバー(カバー部材)115と、カバー115に接してノズル111の吐出部を取り囲むように形成されている放熱板(放熱部材)114と、を備えている。また、3Dプリンタ用モジュールにおいて、ノズル111およびバレル112の内部には、供給口112aと吐出口111aとを直線に連通する通路117が形成されている。
バレル112は、円筒形状の外管1121と内管1122との2重構造になっており、供給部である外管1121の上端に形成された供給口112aから供給されたフィラメントをノズル111へと導く通路117が形成されている。外管1121の下部は、ノズル111の上部に螺合されている。
外管1121の中間部には、一対のスリット状(縦長)の開口1121aが対向して形成されている。また、外管1121の内径は、下端開口から上方に向かって比較的大きな通路径に形成され、上端部で供給口112aを構成する比較的小さな通路径とされている。外管1121の材質としては、金属等の高強度材料とすることが好ましい。例えば、SUS、アルミニウム、アルミニウム合金、真鍮、鉄、ニッケル、チタン等を用いることができる。なお、内管1122と外管1121とは、例えば無機接着剤等で固定してもよく、それぞれの材質の熱膨張率(線膨張率)に所定以上の差がある場合には、1点で固定するか或いは固定しなくてもよい。
また、内管1122は、外管1121の下端開口から挿通可能な外径を有し、長さ方向にわたって内部に通路117が形成された円筒形状とされている。内管1122の材質としては、外管1121との関係において、外管1121の熱伝導率よりも低い熱伝導率の材質とするのが好ましい。内管1122としては、例えば、チタン合金、エンジニアリングセラミックス、マシナブルセラミックス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ポリイミド樹脂等の熱伝導率の低い材質で形成することができるが、なかでも透明または半透明の石英ガラスとするのがより好ましい。透明または半透明の材質とすることにより、外管1121の開口1121aから通路117内を視認でき、通路117内に供給されたフィラメントの状態を観察することができる。
バレル112を、外管1121と、外管1121よりも熱伝導率の低い内管1122との2重構造としているので、また、外管1121に開口1121aを設けているので、ノズル111からの熱の伝播を効果的に抑制でき、バレル112の通路117内の温度を比較的低温に保つことができる。特に、外管1121の開口1121aが形成されている部分ではノズル111から供給口112a側への熱の伝導が抑制される断熱部として機能する。この部分において内管1122はその断熱機能を高めるために、側面がより肉薄に形成されてよく、開口が形成されてもよい。
また、本実施形態ではバレル112を2重管としたが、これに代えて、例えば、チタン合金、エンジニアリングセラミックス、マシナブルセラミックス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ポリイミド樹脂等の熱伝導率の低い材質の単管とすることができる。なかでも、機械的強度の高い、チタン合金(例えば、64チタン)等の低熱伝導率の金属を用いるのがより好ましい。
なお、本実施形態では、バレル112において外管1121の中途部に一対の開口1121a、1121aを形成するようにしているが、これに代えて、外管1121の中途部全体を無くして、内管1122の上部と下部とを別々に上部の外管と下部の外管とで被覆するようにしてもよい。
ノズル111は、先端に吐出口111aが設けられた先細りの吐出部が形成され、中途部の吐出口111a寄りに、一対の加熱ヘッド113、113が左右方向に対向して取付けられた融解部が形成されている。ノズル111の上部はバレル112を取り付けるために太く形成された円筒形状とされ、下部は左右方向から切削されたような略角柱筒(矩形筒状)とされ、先端部は先細りとなるように設けられている。ノズル111の加熱ヘッド113、113が取付けられる部分には、さらに左右から削り出された平面部が設けられており、この平面部に取付けられた加熱ヘッド113、113からリード(線)1131が導出されている。
ノズル111としては、バレル112よりも高い熱伝導率を有する材質(材料)とされ、金属を用いることができる。より具体的には、例えば、ステンレス、真鍮、鉄、銅、アルミニウム等を好ましく使用することができる。
造形材料(フィラメント)を融解させる加熱手段としては、例えば、絶縁基板上に発熱抵抗体層を形成した加熱ヘッドを使用することができる。加熱ヘッドは、小型化、軽量化、高応答性の面で優れているので好ましい。図4に示される例での融解部であるノズル111の平面部に取付けられる加熱ヘッド113は、例えば矩形板状のアルミナジルコニアセラミック基板(絶縁基板)と、絶縁基板の表面に形成された帯状の厚膜形成された発熱抵抗体と、絶縁基板の表面において発熱抵抗体の両端部のそれぞれに接続するように絶縁基板の長さ方向に沿う一端部に偏心させて形成された2つの電極を有する。なお、発熱抵抗体の表面を、例えばフィラーを含むガラス等の保護層(誘電体層)でコートしてもよい。なお、加熱ヘッド113は、絶縁基板の発熱抵抗体が形成されていない側の面をノズル111の平面部に面して取付けられている。
加熱ヘッド113は、ノズル111の長さ方向(図面の上下方向)に分割して複数の加熱ヘッドを搭載してもよく、これら複数の加熱ヘッドを異なる温度または異なる昇降温パターンに加熱制御できるようにしてもよい。また、加熱ヘッド113の発熱抵抗体の途中(中間)に電極を追加し、ここから別のリードを引き出すことで、2つの発熱抵抗体として別々に制御することもできるし、2つの加熱ヘッド113、113の発熱抵抗体を並列に接続するようにリード1131を引き出して制御するようにしてもよいし、加熱ヘッド113、113を別々に制御することもできる。さらに、加熱ヘッド113の絶縁基板上に複数の発熱抵抗体を上下に形成し、これらを共通にまたは別々に制御するようにしてもよい。
カバー115は、有底状の円筒状とされ、上部開口からノズル111が挿通され、底面に形成された開口から吐出口111aが形成されたノズル111の先端部(吐出部)を突出させて、ノズル111の側面全体を覆っている。カバー115の材質としては、加熱ヘッド113によって加熱されたノズル111の熱を内部に閉じ込めるとともに放熱板114に伝えるべく、熱伝導率の高いものが好ましく、例えば、アルミニウム、ステンレス等の加工性の良い金属を用いることができる。カバー115は、ノズル111の熱を放熱板14へ伝導させる役割を果たすべく、ノズル111の上部の大きい外径部まで延設され、該外径部と接触または高熱伝導率材料を介してノズル111の少なくとも一部と接触するよう取付けられるのが好ましい。カバー115とノズル111および加熱ヘッド113との間には、断熱材を充填してもよい。なお、カバー115には、必要に応じて加熱ヘッド113に接続されているリード1131をカバー115の外部に導出するための貫通孔が形成される。
本発明の3Dプリンタ用モジュールにおける放熱部材(放熱板114)は、造形材料の融解のために加熱ヘッドによって供給された熱の余剰分を造形材料が供給される側へ伝導するのを抑制するために放熱すると同時に、融解した造形材料が吐出される領域を加熱する機能を有する。放熱部材の形状は、例えば、板状、ブロック状等とすることができるが特に限定されない。板状とした場合には、例えば、円形、楕円形、矩形、多角形、半円形等とすることができる。放熱部のサイズおよび形状は、造形材料が吐出される領域への放熱量、造形材料の融解(溶解、軟化)温度、および造形速度等との関係で適宜決定され得る。
図4に示される例では、放熱部材(放熱板114)は円盤状とされ、その中央部にはノズル111の先端部(吐出部)を挿入して造形材料を吐出する方向に突出させるための開口114aが設けられている。放熱板114は、例えば4つのビス118によって、ノズル111の先端部を囲むようにカバー115の底面に取り付けられている。
放熱板114の形状、サイズおよび材質は、造形材料が吐出される領域の所望の加熱温度等を考慮して適宜決定される。放熱板114の厚み寸法としては、例えば0.1〜3.0mm程度とすることができ、また放熱板114の直径としては、例えば20〜50mm程度とすることができる。放熱板114の形状としては、例えば楕円形状、多角形状等任意の形状とすることもできる。また、放熱板114を設けた3Dプリンタ用モジュールの造形動作中の移動方向を回転機構などにより変化できるのであれば、吐出口111aの周辺の一部にのみ張り出すような構造としてもよい。
放熱板114の材質としては熱放射率が高いものが好ましく、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムなどのセラミックスや、アルミニウム、銅、ステンレスなどの金属が使用され得る。また、放熱板114からの熱放射を効率よく行うために、例えば、放熱板114の下面に複数のディンプルを設けたり、粗面化することで放熱板114の下面の面積を増大させるようにしてもよいし、下面の表面に黒鉛の被膜を形成するなどの黒色化を施してもよいし、また酸化膜を形成してもよく、これらを複合的に用いるようにしてもよい。このように放熱板114の下面に凹凸部等を設けることで、造形物表面と放熱板114との間に空気の乱流が生じやすくなるという効果もあり、造形物表面のより効果的な加熱を行うことができる。なお、放熱板114の下面を平滑面としてもよい。
放熱板114の露出する上面には断熱層が形成されてもよい。断熱層としては比較的熱伝導率の低い断熱材の塗布または貼着により形成されるものの他、構造的なものでもよい。構造的なものとは、例えば、放熱板114の上面にスペーサを介して板状体(熱反射板)を設けることで形成される、放熱板114の上面と板状体との間に形成される断熱空間を挙げることができる。断熱層によって放熱板114の上面側(3Dプリンタ用モジュールの供給口112a側)への熱放射が抑制され、下面側への熱放射が効率的に行われる。
1 吐出ヘッド
1a 板状体
2 加熱ヘッド
3 断熱スペーサ
4 カバー
5 取付板
6 造形材料供給部
61 バレル
11 流路
12 吐出部
13 造形材料供給口
15 取付部
16 取付孔
21 絶縁基板
22 発熱抵抗体
22a 第2の発熱抵抗体
23 電極
23a 電極端子
24 温度測定用抵抗体
25 測温用配線
25a 測温端子
26 カバー部材
27 リード
100、101 3Dプリンタ用ヘッドモジュール
111 吐出ヘッド(ノズル)
112 熱伝導抑制部材(バレル)
113 加熱ヘッド
114 放熱部材(放熱板)
115 カバー部材(カバー)
本発明の別の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールは、加熱融解させられた造形材料を吐出する吐出口を有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの外面に取付けられて前記吐出ヘッド内に供給された前記造形材料を加熱する加熱ヘッドと、前記吐出ヘッドに、直接的、または間接的に接続され、前記吐出ヘッドに前記造形材料を供給するための造形材料供給口であって前記吐出口に連通する供給口を有する筒状部材と、前記吐出口を突出させるとともに前記加熱ヘッドを覆うように前記吐出ヘッドの周囲を取り囲んで取付けられたカバーと、を備え、前記吐出ヘッドおよび前記カバーは、前記筒状部材よりも熱伝導率の高い材料からなり、前記カバーの上部内壁が前記吐出ヘッドの上部外壁と接触していることを特徴とする。
前記本発明の別の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールにおいて、前記カバーと前記吐出口との間であって、前記カバーの下端部に取付けられ、前記カバーから伝導された熱の放散を行う放熱部材を備えていることを特徴とする。
また、前記本発明の別の実施形態の3Dプリンタ用ヘッドモジュールにおいて、前記筒状部材の材料が、マシナブルセラミックス、エンジニアリングセラミックス、ガラス、チタン合金、またはマシナブルセラミックス、エンジニアリングセラミックスもしくはガラスからなる内管を金属の外管で覆った複合材料であることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 加熱融解させられた造形材料を吐出する吐出口を有する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの外面に取付けられて前記吐出ヘッド内に供給された前記造形材料を加熱する加熱ヘッドと、前記吐出ヘッドに、直接的、または間接的に接続され、前記吐出ヘッドに前記造形材料を供給するための造形材料供給孔を有する熱伝導抑制部材と、前記吐出口を突出させるとともに前記加熱ヘッドを覆うように前記吐出ヘッドの周囲に取付けられたカバー部材と、を備える3Dプリンタ用ヘッドモジュールであって、
    前記吐出ヘッドおよび前記カバー部材は、前記熱伝導抑制部材よりも熱伝導率の高い材料からなることを特徴とする3Dプリンタ用ヘッドモジュール。
  2. 前記カバー部材と前記吐出口との間であって、前記カバー部材の下端部に取付けられ、前記加熱ヘッドによる熱の放散を行う放熱部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の3Dプリンタ用ヘッドモジュール。
  3. 前記熱伝導抑制部材の材料が、マシナブルセラミックス、エンジニアリングセラミックス、ガラス、チタン合金、またはマシナブルセラミックス、エンジニアリングセラミックスもしくはガラスからなる内管を金属の外管で覆った複合材料であることを特徴とする請求項1または2に記載の3Dプリンタ用ヘッドモジュール。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用ヘッドモジュールを備えた3Dプリンタ。
  5. 立体造形物の造形方法であって、請求項1〜3のいずれか1項に記載の3Dプリンタ用ヘッドモジュールおよび300℃以上の高温で軟化する造形材料を用いて立体造形物を形成することを含む立体造形物の造形方法。
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