JP2019063726A - 安定化ハロゲンを含む海水の生成方法 - Google Patents

安定化ハロゲンを含む海水の生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 海水を大量に使用する系において、作業性及びコスト性について効率的に系を運用できる方法を提供すること。【解決手段】 海水電解で生成するハロゲン系酸化物と安定化剤とを反応させ、海水希釈する、安定化ハロゲンを含む海水を生成する方法。当該生成方法にて安定化ハロゲンを含む海水を生成して、当該海水を逆浸透膜にて淡水化する、海水淡水化方法。当該生成方法にて安定化ハロゲンを含む海水を生成して、当該海水を使用する、逆浸透膜のバイオファウリング抑制方法。【選択図】なし

Description

本発明は、安定化ハロゲンを含む海水の生成方法、当該海水を用いる海水淡水化方法及び逆浸透膜の劣化抑制方法に関する。
淡水化や機器冷却等のために海水を大量に使用する系(設備やシステム)において、長時間海水を採取していると、海水が通過する流路(取水路、バルブ、管、装置等)内に、貝類等の海洋生物や微生物等が付着するようになる。海水を大量に使用する系の流路内の海洋生物や微生物の付着は、淡水化や機器冷却等に悪影響を及ぼすこととなる。
このため、海水電解装置を用いて海水を直接電気分解することで海水から遊離塩素を生成させて、遊離塩素を含む海水電解液を得、この海水電解液を取水口付近に添加し、その添加後の流路内の海洋生物や微生物の付着を防止している。
例えば、特許文献1には、発電所等の海洋冷却プラントに用いられる海洋生物付着防止のための塩素発生装置の塩素制御装置に関することが記載されている。
特開平8−41670号公報
しかしながら、海水には塩素の他種々の成分が含まれているため、海水電解液で期待されている遊離塩素の効果が得られにくい。具体的には、海水電解で発生させた遊離塩素は、海水中の臭化物イオンと容易に反応し易いため、海水を使用する系の流路内に流入している大量の海水に添加したときに、海水電解液の遊離塩素が海水中の臭化物イオンと順次反応して遊離臭素を多く生成するようになる(例えば、表2試験例4参照)。
この遊離臭素は、遊離塩素よりも、安定性が悪く、濃度低下が速い。さらに遊離臭素は腐食性が高いことも問題となる。このため、海水中に生成される遊離臭素ができるだけ少なくなるようにすることが重要となる。
また、海水淡水化系の設備では、淡水化設備のバイオファウリング(バイオフィルム等の微生物由来物による膜の目詰まり等)を抑制又は防止する目的で、電解装置によって遊離塩素を発生させて海水電解液を生成し、この海水電解液を、海水淡水化に使用する大量の海水に注入している。この海水電解液を含む海水を逆浸透膜(RO膜)に通過させた場合、このなかの遊離塩素や遊離塩素と臭素イオンとの反応で生成した遊離臭素等の遊離ハロゲンが逆浸透膜を酸化劣化させる原因となる。
そこで、海水電解で生成した遊離ハロゲンを含む海水が逆浸透膜処理装置を通過する前に(特にRO膜処理装置の前段に)、活性炭処理や還元剤(例えば、重亜硫酸ソーダ(SBS)、亜硫酸ナトリウム等)の添加処理によって、海水中から海水電解で生成された遊離ハロゲンを分解除去することが一般的に行われている。
このような系では、逆浸透膜のバイオファウリング抑制目的やスライムコントロール(バイオフィルムの剥離や除去等)目的のために、改めて、逆浸透膜処理前に、逆浸透膜への劣化影響が小さいスライムコントロール剤やバイオファウリング抑制剤を添加する場合がある。しかし、使用する薬品の種類や薬品の添加量が増えてしまい、作業性やコスト的に効率的ではない。
さらに、活性炭処理においては、活性炭によって遊離ハロゲンのバイオファウリング抑制効果やスライムコントロール効果が失われるため、その活性炭塔内自体が細菌の温床となり、かえってその後の逆浸透膜のバイオファウリングの原因となる場合もある。このため、活性炭の交換頻度に注意が必要となり、また場合によってはRO膜のスライムコントロールを行うことができなくなるので、作業性やコスト的に効率的ではない。
このようなことから、本発明者らは、海水電解液を効率のよい形に生成し、これを効率よく海水を大量に使用する系に利用することを検討することとした。
よって、本発明は、海水を大量に使用する系において、作業性及びコスト性について効率的に系を運用できる方法を提供することを主な目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、海水電解液と安定化剤とを反応させて、安定化ハロゲン含有海水電解液を生成した後に当該安定化ハロゲン含有海水電解液を海水希釈することで、安定化ハロゲンを効率的に含む海水を生成することができることを見出した。
従来、生成された海水電解液は、微生物付着防止等の目的のために、海水が大量に流れている流路内に添加していたが、大量の海水で希釈されると、遊離塩素や遊離臭素が海水中で大半を占めるようになり、また、これら遊離ハロゲンの海水中の濃度低下も早く、さらに腐食性も高かった。
ところが、本技術によって、遊離ハロゲンの生成割合を増やすことはなく、安定化結合塩素を効率的に生成でき、かつ残留塩素濃度の急激な低下も抑制することができることを見出した。
このようにして、本発明者らは、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔8〕のとおりである。
〔1〕 海水電解で生成するハロゲン系酸化物と安定化剤とを反応させ、海水希釈する、安定化ハロゲンを含む海水を生成する方法。
〔2〕 海水電解前に又は海水電解後に、前記安定化剤を添加する、前記〔1〕記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
〔3〕 前記安定化剤が、アミノ基を有する化合物である、前記〔1〕又は〔2〕項記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
〔4〕 前記安定化剤が、スルホンアミド及び/又はアミノ酸である、前記〔3〕記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
〔5〕 残留塩素濃度が0.1〜10mg−Cl/Lになるように、海水で希釈する、前記〔1〕〜〔4〕の何れか1つ記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
〔6〕 前記安定化ハロゲンを含む海水中の残留塩素濃度を100%としたときに、安定化結合塩素が50%以上である、前記〔1〕〜〔5〕の何れか1項記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
〔7〕 前記〔1〕〜〔6〕の何れか1つ記載の生成方法にて安定化ハロゲンを含む海水を生成して、当該海水を逆浸透膜にて淡水化する、海水淡水化方法。
〔8〕 前記〔1〕〜〔6〕の何れか1つ記載の生成方法にて安定化ハロゲンを含む海水を生成して、当該海水を使用する、逆浸透膜のバイオファウリング抑制方法。
よって、本発明によれば、海水を大量に使用する系において、作業性及びコスト性について効率的に系を運用できる方法を提供することができる。
本実施形態の海水を大量に使用する系の一例を示す。図1Aは、本実施形態の一例として、海水電解前に安定化剤を添加する海水淡水化系1aを示す。図1Bは、本実施形態の一例として、海水電解後に安定化剤を添加する海水淡水化系1bを示す。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されて解釈されることはない。
1.本発明の実施形態に係る安定化ハロゲンを含む海水の生成方法
本実施形態の海水電解で生成するハロゲン系酸化物と安定化剤とを反応させ、海水希釈する、安定化ハロゲンを含む海水を生成する方法について、以下に説明する。
<海水電解で生成するハロゲン系酸化物>
本実施形態で使用する「海水電解で生成するハロゲン系酸化物」は、海水電解装置で海水を電解したときに生成されるハロゲン系酸化物であれば、特に限定されない。一般的な海水電解装置として、種々の方式が多く存在するが、例えば、単極式電解装置、複極式電解装置等が挙げられる。
前記生成されるハロゲン系化合物として、例えば、遊離塩素、遊離臭素、活性化結合塩素、安定化結合塩素等が挙げられる。海水から海水電解で生成された海水電解液には、これらハロゲン系化合物が含まれるが、このときの残留塩素濃度に対する遊離臭素濃度の割合は好ましくは50%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下とすることが好ましい。
なお、本明細書における「残留塩素濃度」は、JIS K0101に準拠した残留塩素測定方法によって測定することができる。
また、本明細書において、海水(試料液)中の、遊離塩素、遊離臭素、活性化結合塩素、及び安定化結合塩素を合わせて、「残留塩素」とする。
<安定化剤>
本実施形態で使用する「安定化剤」は、前記生成されたハロゲン系酸化物と反応して安定化ハロゲンを生成できるものであれば、特に限定されず、好ましくは、アミノ基を有する化合物である。
なお、本明細書において、アンモニア、第一級アミン又は第二級アミンから水素を除いた1価の官能基(−NH、−NHR、−NRR’)を「アミノ基」という。
前記安定化剤は、より好適には、海水の存在下であっても、海水中の塩素と反応し、安定化塩素成分を生成し易い塩素安定化剤が好ましい。
前記塩素安定化剤として、具体的には、スルファミン酸又はその誘導体等のスルファミン酸系化合物;5,5’−ジメチルヒダントイン等のヒダントイン;イソシアヌル酸;尿素;ビウレット;カルバミン酸メチル;カルバミン酸エチル;、アセトアミド、ニコチン酸アミド、メタンスルホンアミド及びトルエンスルホンアミド等のアミド化合物;マレイミド、コハク酸イミド及びフタルイミド等のイミド化合物;アラニン、グリシン、ヒスチジン、リシン、トレオニン、オルニチン、フェニルアラニン等のアミノ酸;メチルアミン、ヒドロキシルアミン、モルホリン、ピペラジン、イミダゾール及びヒスタミン、アミノメタンスルホン酸、タウリン等のアミン;アンモニア;硫酸アンモニウム等のアンモニウム塩等が挙げられる。
これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
スルファミン酸誘導体の具体例としては、N−メチルスルファミン酸、N,N−ジメチルスルファミン酸、N−フェニルスルファミン酸、及びこれらの塩等が挙げられる。塩は、一般的なものでよく、無機塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、鉄塩、亜鉛塩等の金属塩;アンモニウム塩等)又は有機塩(カルボン酸塩等)であればよい。
スルファミン酸塩の具体例としては、スルファミン酸ナトリウム、スルファミン酸カリウム、スルファミン酸カルシウム、スルファミン酸ストロンチウム、スルファミン酸バリウム、スルファミン酸鉄、スルファミン酸亜鉛、スルファミン酸アンモニウム等が挙げられる。
なお、前記塩素系安定化剤の例示のうち、スルファミン酸系化合物(例えば、スルファミン酸、その誘導体等)及び/又は有機窒化化合物(例えば、アミノ酸、アミド化合物等)が好ましい。より好ましくは、スルファミン酸系化合物である。
前記安定化剤において前記アミノ基を有する化合物は、「R−A−NR23」で表される化合物が、好ましい。
前記Rは、酸素原子を有するものが好ましく、例えば、置換基を有してもよいスルホニル基(−S(=O)−)(例えば、スルホ基(−SOH))、置換基を有してもよいカルボニル基(−C(=O)−)(例えば、カルボキシル基(−COOH))、Rと少なくともR又はRとが環状を形成した窒素を含む複素環でありかつ置換基を有してもよい複素環(好適には4〜6員、例えば、イミダゾール基等)等が挙げられる。当該置換基は、炭素数1〜3のアルキル基、水酸基、フェニル基等が挙げられる。
このうち、スルホ基及びカルボキシル基が好ましい。スルホ基の場合、アミノメタンスルホン酸、タウリン、スルファニル酸、及びスルファミン酸系化合物が好適であり、より好適にはタウリン及びスルファミン酸である。カルボキシル基の場合、アミノ酸系化合物が好適であり、より好適にはα−アミノ酸である。
前記Aは、置換されていてもよいアルキレン基又は単結合が好ましい。置換されていてもよいアルキレン基の場合、この炭素数は0〜10が好ましく、また当該アルキレン基は直鎖、分岐鎖又は環状の何れでよい。当該アルキレン基は「−(CH−」で示すことができるものが好ましく、n(整数)は、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1がさらに好ましい。当該アルキレン基「−(CH−」が置換されている場合(好適には−(CHR−:Rは置換基)、当該置換基は、例えば、置換基を有してもよいアルキル基(好適には炭素数1〜10)等が挙げられ、具体的には、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、アミノ基、又は複素環基を有するアルキル基等が挙げられる。
前記「−NR23」のR2及びR3は、同じでもよく、別々でもよい。
前記R2及び前記R3として、例えば、水素原子、置換されていてもよいアルキル基(好適には、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基)、置換されていてもよい芳香族基(好適にはフェニル基又はアミノフェニル基)、置換されていてもよい複素環(好適には、イミダゾール基等)等が挙げられる。
前記R2のうち、水素原子、又はメチル基が好ましい。
前記R3のうち、水素原子、メチル基、フェニル基、又はアミノフェニル基が好ましい。
前記R2及び前記R3は、いずれも水素原子が好ましく、「−NH」が好ましい。
また、前記アミノ基を有する化合物として、好ましくはスルホンアミド(R4−SO−NR23)及び/又はアミノカルボニル化合物(R5−C(=O)−A−NR23)である。
前記スルホンアミド(R4−SO−NR23)は、前記R2及び前記R3は、上述の「R−A−NR23」と同様である。
前記R4は、好ましくは水酸基である。前記スルホンアミド(R4−SO−NR23)のうち、スルファミン酸及びその誘導体(HO−SO−NR23)が好ましい。このとき、R2及びR3が、同じ又は別々に、水素原子、メチル基、フェニル基であるのが好ましい。さらにスルファミン酸が好ましい。
前記アミノカルボニル化合物(R5−C(=O)−A−NR23)は、前記A、前記R2及び前記R3は、上述の「R−A−NR23」と同様である。
前記アミノ酸の「A」は、置換されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキレン基が好ましく、n(整数)は0又は1が好ましく、より好ましくは1である。当該「A」として、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ヒドロキシエチルメチレン基、アミノプロピルメチレン基、アミノブチルメチレン基等が挙げられる。
前記Rは、好ましくは水酸基である。前記アミノカルボニル化合物(R5−C(=O)−A−NR23)のうち、アミノ酸(HO−C(=O)−(CHR−NR23:Rは前記置換基)が好ましい。さらに、具体的には、アラニン、グリシン、ヒスチジン、リシン、トレオニン、オルニチン、フェニルアラニンが好ましく、よりさらに好ましくはグリシン、トレオニン、オルニチン、アラニンである。
前記安定化剤のうち、アミノ基を有する化合物であって、スルホンアミド(R4−SO−NR23)及び/又はアミノ酸(HO−C(=O)−(CHR−NR23)が好ましい。
<安定化ハロゲンを含む海水生成方法及び当該海水の用途>
本実施形態は、大量の海水を用いる系であり、当該系が海水電解(装置)を用いる系であればよい。この大量の海水は、淡水化用、機器冷却用等に使用されている。
本実施形態の大量の海水を用いる系は、例えば、海水取水設備、海水電解設備及びこれらの流路等を少なくとも有している。この大量の海水を用いる系において、本実施形態にて製造された安定化ハロゲンを含む海水を使用するものである。
そして、本実施形態は、海水電解で生成するハロゲン系酸化物と安定化剤とを反応させて、安定化ハロゲンを含む反応液(安定化ハロゲン含有海水電解液)を生成することを、少なくとも含むことが好適である。さらに、この安定化ハロゲンが含まれる反応液(安定化ハロゲン含有海水電解液)を、大量の海水で希釈することにより、当該安定化ハロゲンが安定的に含まれる海水を得ることができる。
(1)本実施形態の生成方法は、上述した海水電解で生成するハロゲン系酸化物と、上述した安定化剤とを反応させる。
これによって、海水電解で生成したハロゲン系酸化物と安定化剤とを反応させた液を生成することができ、この液には安定化ハロゲンが含まれている。すなわち、両者を反応させることで、安定化ハロゲンを含む反応液(安定化ハロゲン含有海水電解液)を生成することができる。
さらに、前記安定化剤は、少なくとも海水電解前に又は海水電解後に添加することが好ましい。なお、当該安定化剤は海水電解の前及び後で添加してもよい。
本実施形態において安定化剤を注入する場所として、海水電解における、海水導入流路及び/又は海水電解液注入流路が望ましい。当該安定化剤の注入は、安定化剤添加装置を用いて行えばよく、例えば、安定化剤添加装置と目的の注入場所とを配管等にて接続して行えばよい。
一般的な海水電解装置は、海水電解するための海水を導入する流路と、生成された海水電解液を海水に注入する流路とを備えているので、本実施形態の安定化剤添加装置は、海水電解装置の海水導入流路及び/又は海水電解液注入流路に添加できるように設けることが、好ましい。
海水電解前に安定化剤を添加する場合、海水電解前の海水に安定化剤を添加することが、作業効率の点で、好ましい。海水電解前に安定化剤を添加する場合には、海水取水後で海水電解装置に導入される前の海水に添加することが望ましい。
海水電解後に安定化剤を添加する場合、海水電解後の海水電解液に安定化剤を添加することが、海水中の塩素の安定化の点で、好ましい。海水電解後に安定化剤を添加する場合には、海水電解装置から送り出した後で海水注入前の海水電解液に添加することが望ましい。
本実施形態の海水電解装置に用いる電解用の海水の導入場所は特に限定されないが、当該電解用の海水は、海水を大量に用いる系の海水取水口から目的場所に移送される大量の海水の一部を導入するものであってもよく、海水電解装置用の海水取水口から導入するものであってもよい。好ましくは、海水取水口から目的場所の間で、流路に分岐ライン等を設けて海水の一部を導入して、電解用の海水として使用することが好ましい。
本実施形態の安定化剤の添加量は、海水電解で生成されるハロゲン系酸化物1mg−Cl/mLに対して、好ましくは1mg/mL以上、より好ましくは2mg/mL以上になるように調整することが安定化ハロゲンを効率よく生成できる点で好適である。また添加量の上限値は、特に限定されないが、10mg/mL以下になるように調整することが、薬剤コストの点で好適である。さらに、ハロゲン系酸化物1mg−Cl/mLに対して、安定化剤がスルホンアミドの場合は好ましくは3mg/mL以上が好適であり、安定化剤がアミノ酸の場合は5mg/mL以上が好適である。
なお、本実施形態で生成されるハロゲン系酸化物の量は、使用する海水電解装置の能力にもよるが、海水電解される海水量と相関関係にあると考える。そして、海水電解に使用した海水量から生成されたハロゲン系酸化物を、JIS K0101に準拠した残留塩素測定方法によって測定することにより、予め生成されるハロゲン系酸化物の量を、使用する海水量に基づき、算出することができる。この結果から、海水電解に使用する海水量に応じて必要な安定化剤の添加量を調整して、安定化ハロゲンの生成を効率よく行うことができる。
(2)本実施形態の生成方法は、さらに前記安定化ハロゲンを含む反応液(安定化ハロゲン含有海水電解液)を、海水で希釈する。これによって、安定化ハロゲンを含む海水を生成することができる。本実施形態の生成方法によって得られた安定化ハロゲンを含む海水において、反応液で生成した安定化ハロゲンが海水中でも安定的に存在している。
前記希釈する海水容量は、特に限定されないが、前記安定化ハロゲンを含む反応液1容量に対して、好ましくは1〜2000容量であり、より好ましくは200〜1000容量、さらに好ましくは500〜1000容量である。また、希釈の回数は特に限定されず、複数回に分けて所望の安定化ハロゲン濃度になるように希釈してもよい。
前記安定化ハロゲンを含む反応液は、海水で希釈できる場所であれば、注入場所は特に限定されない。海水で希釈できる場所として、例えば、大量の海水が通過する流路、反応液希釈のための海水を入れた槽等が挙げられる。
より具体的には、前記安定化ハロゲンを含む反応液は、海水取水口から海水使用目的場所の間で、海水が存在する場所(例えば、槽、流路等)に、注入することが好ましい。さらに、前記安定化ハロゲンを含む反応液は、作業効率の点で、流路を経て(例えば、海水電解液注入流路を利用して又は反応液注入流路を設けて)、大量の海水が通過する流路に注入することが好ましく、流れる海水により容易に混合される。
より好適な前記安定化ハロゲンを含む反応液を注入する場所として、海水を大量に使用する系の海水取水口付近に注入することが望ましい。これにより、生成された安定化ハロゲンを含む海水が、海水取水口以降の流路を通過することになる。その間は、安定化ハロゲンの効果(例えば、微生物付着等を防止等)を効率よく発揮させることができる。
本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水は、当該安定化ハロゲンを含む海水中の残留塩素濃度を100%としたときに、安定化結合塩素が、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であることが好適である。斯様な割合になるように、使用する海水電解装置の遊離塩素の生成量及び安定化剤の添加量を調整すればよい。
本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水は、当該海水中の残留塩素濃度が、好ましくは0.1〜10mg−Cl/L、より好ましくは0.3〜3mg−Cl/L、さらに好ましくは0.4〜1mg−Cl/L、よりさらに0.5〜1mg−Cl/Lになるように、海水で希釈して調整することが好適である。
本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水の酸化還元電位(ORP)は、好ましくは200〜550mV、より好ましくは300〜500mVである。安定化剤添加することにより、ORPを調整することが可能である。
(3)本実施形態の生成方法によって、海水電解で生成された海水電解液中のハロゲン系酸化物が安定化剤と速やかに反応して安定化ハロゲンを生成できると考える。この安定化ハロゲンは、大量の海水で希釈しても、安定状態である点で、その後の効果発現にも有利に働く。
本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水は、残留塩素濃度(特に安定化結合塩素)を適切な濃度で、長時間維持することができる。
このため、前記安定化ハロゲンを含む海水は、系の海水が通過する流路内(取水路やバルブ等)への海洋生物や微生物の付着を防止することができ、また付着していた微生物等を剥離することもできる。前記安定化ハロゲンを含む海水は、系の流路内のスライムコントロールに使用することもできる。
また、従来海水電解で発生した亜塩素酸を膜処理前に薬剤や活性炭で分解除去していたが、安定化ハロゲンを含む海水を使用することにより、これら薬剤や活性炭の使用量を低減でき、またこれら処理工程を省略することができる。
また、安定化ハロゲンを含む海水を使用することにより、通常使用されている逆浸透膜用のスライムコントロール剤を使用しなくともよくなり、また、これらを使用する場合であっても、使用量を低減できる。
斯様に、前記安定化ハロゲンを含む海水は、従来の系よりも薬品添加量や消費電力量を低減することができる。よって、安定化ハロゲンを含む海水を使用することにより、作業性を向上させつつコストを低減することができる。
また、前記安定化ハロゲンを含む海水を使用することで、塩素系酸化剤を添加することによって生成される有害なトリハロメタン等の有機塩素系化合物の生成量を大幅に低減することができる。このため、本実施形態は、特に海水淡水化のような飲料水用途では有益である。
また、前記安定化ハロゲンを含む海水は、海水電解で生成されたハロゲンが安定化ハロゲンになっているため、逆浸透膜におけるバイオファウリングの抑制を行うことができ、また、逆浸透膜のスライムコントロールを行うことができ、また逆浸透膜の劣化を低減することもできる。
また、従来のフローで使用されていた活性炭処理や重亜硫酸ソーダ添加による遊離ハロゲンの還元を行わなくともよくなるので、作業性及びコスト性について効率的に運用することができる。
さらに、従来のフローで使用されていたRO膜のスライムコントロール剤の添加も行わなくともよくなるので、作業性及びコスト性について効率的に運用することができる。
さらに、遊離塩素や遊離臭素と比較し、RO膜劣化を低減できるので、RO膜交換頻度等を減らすことができ、作業性及びコスト性について効率的に運用することができる。
さらに、本発明の安定化ハロゲンを含む海水を、海水淡水化用RO膜に通過させることで、淡水化できるので、淡水化のための作業性及びコスト性について効率的に運用することができる。
さらに、本発明の安定化ハロゲンを含む海水電解液は、安定化しているため、取り扱いも容易であり、適宜海水希釈することが可能であり、作業性及びコスト性について効率的に運用することができる。
また、本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水は、海水流路内の微生物等の付着防止作用、逆浸透膜のバイオファウリング抑制又は防止作用、逆浸透膜のバイオフィルムコントロール作用、及び逆浸透膜の劣化低減作用を有するので、この目的に使用することが望ましい。
また、本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水を、海水流路内の微生物付着防止剤、逆浸透膜のバイオファウリング抑制剤、逆浸透膜のバイオフィルムコントロール剤、及び逆浸透膜の劣化低減剤という薬剤の目的で使用することが可能である。
また、本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水は、海水淡水化系の淡水化用海水として使用することができる。
2.本発明の実施形態に係る海水淡水化方法
本実施形態の海水淡水化方法において、上述した生成方法にて安定化ハロゲンを含む海水を生成して、当該海水を淡水化することが好適である。
さらに、前記海水を逆浸透膜処理にて淡水化することがより好適である。
また、本実施形態の水淡水化方法は、本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水を生成する方法を用いることが好適である。
本実施形態の淡水化系において、海水電解処理設備を備えることが望ましい。
本実施形態の海水電解処理設備は、少なくとも安定化ハロゲンを含む反応液を生成する生成部と海水電解装置を備えることが好適である。さらに、当該海水電解処理設備には、これらと安定化剤添加設備を設けることが好ましい。
本実施形態の海水電解処理設備は、前記反応液を海水で希釈するための混合部、又は海水取水路に前記反応液を注入する部(例えば、槽、配管等)を設けてもよい。この混合部又は注入部は、逆浸透膜(RO膜)前段に本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水を移送できるように、設けることが好ましい。これにより、本実施形態の安定化ハロゲンを含む海水を逆浸透膜にて淡水化することができる。
本実施形態の海水淡水化系において、前記安定化ハロゲンを、海水取水口から逆浸透膜設備の間に、注入するようにすることが好ましい。これにより、流路内の微生物等付着防止と共に膜に対してバイオファウリング抑制や膜劣化抑制等も行うことができる。
本実施形態の海水淡水化系において、例えば、前記安定化ハロゲンを含む反応液を海水が目的場所の逆浸透膜まで移送される流路に注入することで、その流れで安定化ハロゲンを含む海水を逆浸透膜に到達されてもよい。また、別の場所で生成した安定化ハロゲンを含む海水を移送する配管等を逆浸透膜設備の前に接続し、この配管から注入して安定化ハロゲンを含む海水を逆浸透膜に到達させてもよい。
本実施形態の海水淡水化系の一例を示し、本発明を説明するが、本実施形態の海水を大量に用いる系が、これに限定されるものではない。
本実施形態の海水淡水化系において、少なくとも、海水取水、海水電解設備、逆浸透膜設備、及びこれらの流路が少なくとも設けられている。
図1Aに示す本実施形態の海水淡水化系1aは、安定化剤添加設備7aから海水電解処理工程前に安定化剤を添加する。又は、図1Bに示す本実施形態の海水淡水化系1bは、安定化剤添加設備7bから海水電解処理工程後に安定化剤を添加する。
この海水電解処理工程の前又は後で安定化剤を添加することにより、より好適に、海水電解で生成するハロゲン系酸化物と安定化剤とを反応させ、安定化ハロゲンを含む反応液を生成することができる。
当該反応液が海水取水設備(取水口)2付近に注入することによって、安定化ハロゲン生成後に海水希釈され、安定化ハロゲンを含む海水を生成することができる。当該安定化ハロゲンを含む海水は、凝集設備(凝集処理工程)3、濾過処理設備(濾過処理工程)5及び逆浸透膜処理設備(逆浸透膜処理工程)5を経て、淡水にすることができる。
本実施形態の海水を大量に使用する系の膜処理に用いる膜は、特に限定されず、濾過膜(例えば、MF(精密濾過)膜、UF(限外濾過)膜、カートリッジフィルタ等)、逆浸透膜等が挙げられるが、逆浸透膜が好ましい。さらに、好ましくは、海水淡水化用逆浸透膜である。さらに、ポリアミド系の逆浸透膜は、次亜塩素酸によって酸化劣化し易いので、本実施形態では安定化ハロゲンとなっているので、膜劣化を低減させつつ、バイオファウリングを抑制できるので、本実施形態に適している。
以下の実施例及び比較例を挙げて、本発明の実施形態について説明をする。なお、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〜3:海水電解(スルファミン酸)〕
安定化剤としてスルファミン酸を電解前後に添加した際の、ビーカーでのバッチ電解試験のデータを示す。海水の試料として、茨城県大洗港の海水を使用した。
試験例1:
500mLビーカーに海水500mLを用意した。白金めっきチタン電極を用いて電流密度が50mA/cmとなるよう海水に直流電流を15分間かけて、海水電解を行い、海水電解液(試験例1)を得た。このとき生成された海水電解液中の残留塩素濃度の結果を表1に示す。
試験例2:
電解前の海水にスルファミン酸を添加し、スルファミン酸含有の海水にした以外は、試験例1と同様にして海水電解を行い、スルファミン酸を反応させた海水電解液(試験例2)を得た。このとき生成された海水電解液中の残留塩素濃度の結果を表1に示す。このとき残留塩素1mg−Cl/mLに対して、スルファミン酸3mg/mLになるように添加した。
試験例3:
試験例1と同様に電解した後、この海水電解液にスルファミン酸を添加し、スルファミン酸を反応させた海水電解液(試験例3)を得た。このとき生成された海水電解液中の残留塩素濃度の結果を表1に示す。このとき残留塩素1mg−Cl/mLに対して、スルファミン酸3mg/mLになるように添加した。
〔残留塩素濃度の測定方法〕
試料中の「残留塩素濃度(遊離塩素濃度、遊離臭素濃度、安定化結合塩素濃度、活性化結合塩素濃度)」は、以下の方法で測定される塩素(臭素)濃度であり、全塩素濃度と呼ばれることもある。
なお、「残留塩素」とは、試料中の、遊離塩素、遊離臭素、活性化結合塩素、及び安定化結合塩素の合わせたものでとある。
・残留塩素濃度=遊離臭素濃度+遊離塩素濃度+活性化結合塩素濃度+安定化結合塩素濃度。
・遊離臭素濃度:グリシンを用いたDPD法による遊離塩素濃度。
・遊離塩素濃度:通常のDPD法による遊離塩素濃度から上記の遊離臭素濃度を減じたもの[ここで、DPD法による遊離塩素濃度は、遊離塩素測定用試薬であるDPD(Free)試薬による5〜30秒後の塩素濃度測定結果(mg−Cl/L)]。
・活性化結合塩素濃度:遊離塩素測定用試薬であるDPD(Free)試薬による300秒後の塩素濃度測定結果(mg−Cl/L)から、上記遊離塩素濃度(mg−Cl/L)の測定結果を差し引いた値。
・安定化結合塩素濃度:全塩素測定用試薬であるDPD(Total)試薬による180秒後の塩素濃度測定結果(mg−Cl/L)から、遊離塩素測定用試薬であるDPD(Free)試薬による300秒後の塩素濃度測定結果(mg−Cl/L)を差し引いた値。
〔試験例4〜6:海水電解液(スルファミン酸)の500倍海水希釈〕
試験例4:
試験例1の海水電解液1容量に対して海水で500倍希釈し、海水電解液を含む海水(試験例4)を得た。このときの海水中の残留塩素濃度の結果を表2に示す。
試験例5:
試験例2のスルファミン酸を反応させた海水電解液1容量に対して海水で500倍希釈し、試験例2の海水電解液が含まれた海水(試験例5)を得た。このときの海水中の残留塩素濃度の結果を表2に示す。
試験例6:
試験例3のスルファミン酸を反応させた海水電解液1容量に対して海水で500倍希釈し、試験例3の海水電解液が含まれた海水(試験例6)を得た。このときの海水中の残留塩素濃度の結果を表2に示す。
〔試験例7:海水電解液(スルファミン酸)の1000倍海水希釈〕
試験例7:
試験例3のスルファミン酸を反応させた海水電解液1容量に対して海水で1000倍希釈し、試験例2の海水電解液が含まれた海水(試験例7)を得た。このときの海水中の残留塩素濃度の結果を表3に示す。
Figure 2019063726
Figure 2019063726

Figure 2019063726

表1に、海水電解液(試験例1)、電解前のスルファミン酸添加試料(試験例2)及び電解後のスルファミン酸添加試料(試験例3)の各残留塩素濃度を示す。
試験例1に示すように、スルファミン酸を含有しない海水電解液は遊離塩素と遊離臭素によって構成されている。そして、試験例2及び3に示すように、電解前後に関わらず、スルファミン酸を添加することで、安定化結合塩素が生成した。
また、表2に、試験例1〜3のそれぞれの溶液を海水で500倍に希釈した際の各塩素濃度を、それぞれ試験例4〜6として、示す。
試験例4のスルファミン酸を含有しない海水電解液は主に遊離臭素によって構成されている。しかし、試験例5及び6に示すように、電解前後にスルファミン酸を添加した各試料は、海水希釈しても、安定化結合塩素が大部分を占めていた。
この試験例4〜6の3つの500倍希釈サンプルのORPは、それぞれ674mV、470mV、426mVであった。試験例5及び6では、安定化結合塩素を生成することにより、酸化力が小さくなり膜の劣化が起きにくくなることが示された。
なお、試験例4〜6のそれぞれの500倍希釈液を45分間静置したところ、スルファミン酸を含有しない電解液(試験例4)は塩素濃度がはじめの70%程度まで低下したのに対して、スルファミン酸を電解前後で添加した試料(試験例5及び6)は2つとも濃度低下はほぼなかった。電解前後に関わらず、スルファミン酸を添加することにより濃度低下が小さいことが示された。
また、試験例3の試料について、希釈倍率を500倍から変更して1000倍希釈とした時の試験例7の試料の塩素濃度を表3に示す。これにより、試験例7の試料は、主に安定化結合塩素によって構成されていることが分かった。また、ORPは227mVと低下し、酸化力が小さくなっていることが示された。海水希釈によって、ORPを調整することができる。
〔試験例8:海水電解(グリシン)〕
電解前の海水にグリシンを添加し、グリシン含有の海水にした以外は、試験例1と同様にして海水電解を行い、グリシンを反応させた海水電解液(試験例8)を得た(ORP334mV)。このとき生成された海水電解液中の残留塩素濃度の結果を表4に示す。このとき残留塩素1mg−Cl/mLに対して、グリシン5mg/mLになるように添加した。さらに試験例8の海水電解液1容量に対して海水で200倍希釈し、試験例8の海水電解液が含まれた海水を得た。このときの残留塩素濃度は0.6mg−Cl/Lであり、安定化結合塩素は95%程度であった。
〔試験例9:海水電解(オルニチン)〕
電解前の海水にオルニチンを添加し、オルニチン含有の海水にした以外は、試験例1と同様にして海水電解を行い、オルニチンを反応させた海水電解液(試験例9)を得た。このとき生成された海水電解液中の残留塩素濃度の結果を表4に示す。このとき残留塩素1mg−Cl/mLに対して、オルニチン5mg/mLになるように添加した。さらに、試験例9の海水電解液1容量に対して海水で100倍希釈し、試験例9の海水電解液が含まれた海水を得た。このときの残留塩素濃度は0.8mg−Cl/Lであり、安定化結合塩素は92%程度であった。
Figure 2019063726
1a,1b 海水淡水化系;2 海水取水設備(取水口);3 凝集設備(槽)(凝集処理工程);4 濾過処理設備(濾過処理工程);5 逆浸透膜処理設備(逆浸透膜処理工程);6 海水電解装置(海水電解工程);7a,7b 安定化剤添加設備(安定化剤添加工程)

Claims (8)

  1. 海水電解で生成するハロゲン系酸化物と安定化剤とを反応させ、海水希釈する、安定化ハロゲンを含む海水を生成する方法。
  2. 海水電解前に又は海水電解後に、前記安定化剤を添加する、請求項1記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
  3. 前記安定化剤が、アミノ基を有する化合物である、請求項1又は2項記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
  4. 前記安定化剤が、スルホンアミド及び/又はアミノ酸である、請求項3記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
  5. 残留塩素濃度が0.1〜10mg−Cl/Lになるように、海水で希釈する、請求項1〜4の何れか1項記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
  6. 前記安定化ハロゲンを含む海水中の残留塩素濃度を100%としたときに、安定化結合塩素が50%以上である、請求項1〜5の何れか1項記載の安定化ハロゲンを含む海水の生成方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項記載の生成方法にて安定化ハロゲンを含む海水を生成して、当該海水を逆浸透膜にて淡水化する、海水淡水化方法。
  8. 請求項1〜6の何れか1項記載の生成方法にて安定化ハロゲンを含む海水を生成して、当該海水を使用する、逆浸透膜のバイオファウリング抑制方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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