JP2019062798A - 脂肪酸の含有比率が異なる食用油の連続生産方法及びシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、切替工程等による生産の中断及びハイオレイック等の高付加価値な食用油の無駄を低減し、規格の異なる食用油等のグリセリドを構成する所定の脂肪酸の含有比率が異なる食用油を連続的に生産できるようにした、食用油の連続生産方法及びシステムを提供することである。【解決手段】原料脂肪酸含有比率と、処理ペースと、切替時目標脂肪酸比率とから、切替時間差Tを算出して、原料タンク側の切替弁と原油タンク側の切替弁との切替タイミングを、切替時間差Tに基づいて調整する。【選択図】図3

Description

本発明は、脂肪酸の含有比率が異なる食用油の連続生産方法及びシステムに関する。詳しくは、採油原料の切り替えの際に、脂肪酸の含有比率が異なる食用油を連続的に生産できる食用油の連続生産方法及びシステムに関する。
近年、消費者の健康志向が高まるにつれ、食品についてはおいしさや安全性だけでなく、種々の栄養素への要求を満たすことも重要になっている。食用油についていえば、油脂の成分である各種脂肪酸の健康に及ぼす影響に注目が集まってきている。例えば、オレイン酸は、余分なコレステロールを運び出す善玉コレステロール(HDL)は減らさずに、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロール(LDL)を減らすといわれている。また、αリノレン酸は、血中の中性脂肪を下げる作用、血栓ができるのを防止する作用、高血圧を予防する作用があるといわれている。消費者の健康志向が高まるにつれて、オレイン酸やαリノレン酸の含量の高い食用油、すなわち、高付加価値な食用油、に対する需要も高まってきているといえる。
また、例えば、オレイン酸含量が多い食用油は簡便に「ハイオレイック」と称されるが、「ハイオレイック」の表示をするためには、日本農林規格(JAS規格)で定められた条件を満たす必要がある。例えば、食用サフラワー油では、脂肪酸に占めるオレイン酸の割合が70%以上である場合には、「ハイオレイック」と表示することが許される。
これまでハイオレイックな食用油を生産する方法は、交配、突然変異等でオレイン酸の含量が高くなるように品種改良された採油原料を用いて行われていた。しかし、ハイオレイックな食用油を生産する特別なラインを設けることは稀であり、ハイオレイックでない普通の食用油を生産するラインと同一のラインで生産されることが一般的であった。そして、この際、日本農林規格に定められた条件を満たすためには、一旦、生産ラインを止めて、圧搾機や輸送パイプ等の生産ラインに残るハイオレイックでない食用油を排出してから、ハイオレイックな食用油の生産が行われていた。このことは、ハイオレイックな食用油からノンハイオレイックな食用油に切り替えるときも同様であった。すなわち、従前の方法では、このような切替工程が必要不可欠であると考えられていたため、ハイオレイックな生産の切り替えに時間や手間がかかっていた。さらに、このような切替工程を行ったとしても、ハイオレイックでない食用油を完全に排出することは困難であった。そのため、切替工程直後の所定量のハイオレイックな食用油をノンハイオレイックな食用油として取り扱わなければならないという問題もあった。そこで、切替工程を省き、生産効率を上げ、高付加価値なハイオレイックな原油の無駄使いをせずに、規格の異なる食用油のような脂肪酸の含有比率が異なる食用油を連続的に生産する方法が求められていた。
このような連続生産に関する従来技術をみると、例えば、連続生産運転中の樹脂又は色を替える射出成形機の樹脂替え及び色替え方法において、樹脂又は色の供給を切り替えて、製品に樹脂又は色交じりが発生する生産ショット数を予め定めておき、前記定めた生産ショット数を成型後、樹脂替え及び色替え運転モードに移行し、予め設定した回数を繰り返して、前記樹脂替え及び色替え運転モードを終了し、次いで、前記連続生産運転に移行する、射出成形機の樹脂替え及び色替え方法が知られているが(特許文献1)、これは樹脂分野の技術であり、食用油の分野では、連続生産運転を中断することなく効率よく、規格の異なる食用油を連続的に生産する方法はこれまで知られていない。
特開2012−143960号公報
本発明の課題は、切替工程等による生産の中断及びハイオレイック等の高付加価値な食用油の無駄を低減し、所定の脂肪酸の含有比率が異なる食用油を連続的に生産できるようにした、食用油の連続生産方法及びシステムを提供することである。
本発明の一態様によれば、
グリセリドを構成する所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1及び第2の採油原料を切替て、グリセリドを構成する当該所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1及び第2の食用油を連続的に生産する方法において、
前記第1及び第2の採油原料のグリセリドを構成する前記所定の脂肪酸の含有比率と、前記第1の食用油の目標とするグリセリドを構成する当該所定の脂肪酸の含有比率の上限値又は下限値とに応じて切替時累積処理量を計算する工程と、
当該切替累積処理量と採油原料の処理速度から目標切替時間を算出する工程と、
前記第1の採油原料の採油から前記第2の採油原料の採油に切り替えたのち、当該目標切替時間が経過したことに応じて、前記第1の食用油の回収手段から前記第2の食用油の回収手段に切り替える工程とを含む、ことを特徴とする食用油を生産する方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、前記切替時累積処理量が予め定められた検量線から計算される、上記方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、グリセリドを構成する前記脂肪酸が、オレイン酸及びリノレン酸からなる群から選ばれる、上記方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、前記第1の食用油の回収手段から前記第2の食用油の回収手段に切り替える工程が、自動的に行われる、上記方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、前記第1及び第2の食用油が、互いに規格が異なる食用油である、上記方法を提供することができる。
すなわち、本発明の他の一態様によれば、
グリセリドを構成する所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1および第2の採油原料をそれぞれ保持する第1および第2の原料保持部と、
前記第1及び第2の採油原料から食用油を採油する採油部と、
前記第1および第2の原料保持部のいずれか一方と前記採油部との接続を選択的に切り替える第1の切替部と、
グリセリドを構成する前記所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1及び第2の食用油を、それぞれ回収する第1及び第2の回収部と、
前記第1および第2の回収部のいずれか一方と前記採油部との接続を選択的に切り替える第2の切替部と、
前記第1および第2の切替部に接続された制御部と、を備え、
前記制御部が、前記第1及び第2の採油原料のグリセリドを構成する前記所定の脂肪酸の含有比率と、前記第1の食用油の目標とするグリセリドを構成する当該所定の脂肪酸の含有比率の上限値又は下限値と、前記採油部の処理速度とに応じて、目標切替時間を算出し、前記第1の切り替え部を前記第1の保持部から前記第2の保持部に切り替えたのち、前記目標切替時間が経過したことに応じて、自動的に、前記第2の切り替え部を前記第1の回収部から前記第2の回収部に切り替える、システムを提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、前記切替時累積処理量が予め定められた検量線から計算される、上記システムを提供することができる。
また、本発明の好ましい一態様によれば、グリセリドを構成する前記脂肪酸が、オレイン酸及びリノレン酸からなる群から選ばれる、上記システムを提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、前記第1及び第2の食表油が、互いに規格が異なる食用油である、上記システムを提供することができる。
本発明によれば、所定の脂肪酸の含有比率が異なる食用油を連続的に生産することができる。これにより、生産の切り替えにかかる時間や手間を省くことができる。さらに、ハイオレイック等の高付加価値な食用油の無駄を低減することができる。
実施の形態1における食用油の生産工程全体を示すフロー図である。 実施の形態1における採油工程のシステムを示すブロック図である。 図2に記載した制御装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1における検量線のグラフである。 実施の形態1における切替弁の状態の変化を示すフロー図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明するが、以下の説明は本発明の一実施形態を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、改変することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る食用油の連続生産方法および連続生産システムは、構成脂肪酸の含有率が異なる複数の抽出原料から食用油を採油する際に、抽出原料の切り替え時に、生産の中断を要する切替工程を挟み込むことなく、連続的に採油することを可能とするものである。尚、以下の説明において、「脂肪酸」とは、特に断りがない限り、油脂中のグリセリドを構成する脂肪酸を指すものとする。同様に、特定の脂肪酸(オレイン酸、リノレン酸等)の記載も、特に断りがない限り、油脂中のグリセリドを構成するものを指すものとする。
まず初めに、本実施の形態における、食用油の生産工程全体について、図1を参照して、説明する。図1に示す通り、本実施の形態の食用油の生産工程は、採油原料10から原油11を生産する採油工程P1と、原油11から精製油12を生産する精製工程P2とを含む。
本実施の形態において、採油原料10としては、脂肪酸の含有比率が異なる複数の採油原料(第1及び第2の採油原料)を用いることができる。採油原料10としては、特に限定されるものではないが、大豆、パーム、菜種、コーン、綿実、紅花、ヒマワリ、落花生、簿間、アマニ、米ぬか、グレープシードなどを用いることができる。ここで、第1及び第2の採油原料は、互いに同種の採油原料で、所定の脂肪酸の含有比率が異なるものを用いることが好ましい。所定の脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、オレイン酸、αリノレン酸などの健康に良いといわれる脂肪酸が選ばれる。
原油11は、採油原料10を採油して得られたもので、精製工程を経る前のものをいう。また、精製油12は、原油を精製して得られたものをいう。本発明において、特に限定する場合を除いて、食用油とは、原油および精製油の両方を含むものとする。
本実施の形態において、採油工程P1とは、圧搾、または、抽出等の工程を含むものとする。また、精製工程P2とは、脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程、脱ロウ工程、または、脱臭工程等の周知の工程を含むものとする。
次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態の採油工程について説明する。尚、以下の説明では、採油原料として、オレイン酸(所定の脂肪酸)の含有比率が異なる2種類の菜種を採油原料として用いて、オレイン酸の含有比率が所定の値(例えば、70%)よりも高い菜種原油(規格内品、第1の食用油)と、オレイン酸の含有比率が所定の値よりも低い菜種原油(規格外品、第2の食用油)を連続的に生産する方法およびシステムを示す。しかしながら、本発明は、菜種以外のその他の採油原料にも適用できることは、言うまでもない。さらに、本発明は、所定の脂肪酸として、各種脂肪酸を対象とすることができるが、好ましくは、オレイン酸、αリノレン酸などの健康に良いといわれる脂肪酸が選ばれる。
図2は、本発明の実施の形態1における、採油工程に用いるシステム20を示すブロック図である。図2に示すシステムは、原料タンク21a、21b(第1及び第2の原料保持部)、採油部22、原油タンク23a、23b(第1及び第2の回収部)、切替弁24、25(第1及び第2の切替部)、及び、制御装置26(制御部)を含む。また、それぞれは、図2に実線で示したパイプ等の接続手段により、互いに接続されている。
図2において、原料タンク21a、21bは、それぞれ、対応する採油原料(第1および第2の採油原料)を保持するものである。本実施の形態では原料タンク21aが、オレイン酸含有量が高い菜種原料を保持し、原料タンク21bが、オレイン酸含有量が低い菜種原料を保持するものとする。尚、菜種原料は、精選、圧扁等の前処理を経たものであってもよい。
また、原油タンク23a、23bは、それぞれ、対応する原油を回収するためのものである。具体的に、本実施の形態において、原油タンク23aが、オレイン酸の含有比率が高いい菜種原油、原油タンク23bが、オレイン酸の含有比率が低い菜種原油を回収するものとする。
切替弁24は、原料タンク21a、21bのいずれか一方を選択的に採油部22に接続する。これにより、選択された原料タンクから、例えば、ホッパー等を介して、採油部22に採油原料が供給される。一方、切替弁25は、原油タンク23a、23bのいずれか一方を選択的に採油部22に接続する。これにより、採油部22で採油された原油は、選択された原油タンクに回収される。切替弁24、25の切替動作は、制御装置26により制御される。
図2において、採油部22は、圧搾機と抽出機を含む。圧搾機は、投入された採油原料に、圧力等の物理的な力を加えることで、採油原料から原油を絞りだすものである。抽出機は、投入された採油原料に、ヘキサン等の溶媒を接触させて、原油を抽出するものである。本実施の形態における圧搾機としては、例えば、スクリュープレス型の圧搾機などの公知の圧搾機を使用することができる。また、本実施の形態における抽出機としては、還流式連続抽出機などの公知の抽出機を使用することができる。
制御装置26は、切替信号S1及びS2を発生して、切替弁24、25の切替タイミングを制御するものである。制御装置の詳細に関しては、後述する。
図2において、原油タンク23a、23bに回収された原油は、精製工程に送られ、精製プロセスを経て、精製油とすることができる。
次に、図3を参照して、図2に示した制御装置26の詳細を説明する。
図3に示す通り、本実施の形態の制御装置26は、例えば、自身が保持する検量線データ(検量線)と、入力された原料脂肪酸比率、処理ペースおよび切替時目標脂肪酸比率に基づき、切替時間差Tを算出する。そして、切替信号S1を発生した後、求められた切替時間差Tが経過したのちに切替信号S2を発生することで、切替弁24、25の切替タイミングを制御する。
ここで、本実施の形態において、原料脂肪酸比率は、例えば、オレイン酸含有量が高い菜種原料(第1の採油原料)およびオレイン酸含有量が低い菜種原料(第2の採油原料)の各々のオレイン酸(所定の脂肪酸)の含有比率を含むことができる。原料脂肪酸比率は、例えば、採油原料を圧搾するなどして少量の原油を取りだし、取り出した原油に含まれる脂肪酸比率を、例えば、ガスクロマトグラフ法(AOCS Ce1f−96準拠)を用いて測定することで得られる。切替時目標脂肪酸割合は、例えば、目的とする規格値を用いることができる。本実施の形態においては、所定の脂肪酸として、好ましくは、オレイン酸、αリノレン酸などの健康に良いといわれる脂肪酸が選ばれる。
処理ペースは、例えば、採油部22で単位時間当たりに処理される採油原料の量であり、所望の値に設定することが可能である。
切替時目標脂肪酸比率は、本実施の形態においては、オレイン酸の含有比率が高い菜種原油(規格内品、第1の食用油)が目的とするオレイン酸(所定の脂肪酸)の含有比率の下限値を含むことができ、生産する原油の種類に基づいて設定可能な値である。このような所定の脂肪酸の割合としては、例えば、日本農林規格(JAS規格)より規定されるものがある。具体的には、本実施の形態においては、例えば、オレイン酸を所定の脂肪酸とした場合、全脂肪酸に対して68質量%と設定することができる。他の実施の形態として、αリノレン酸の含有比率が高い菜種原油を生産する場合には、全脂肪酸に対して6質量%と設定することもできる。
次に、検量線データの作成について説明する。
本実施の形態において、検量線データは、例えば、以下の工程で作成することができる。すなわち、図2に示した採油工程のシステムを用いて、2つの採油原料の一方、例えば、オレイン酸含有量が高い菜種原料から、2つの採油原料の他方、例えば、オレイン酸含有量が低い菜種原料に、採油原料の切替を行い得られた原油のサンプリングを行い、得られたサンプルの脂肪酸含有割合を測定する。ここで、採油処理は所定の処理ペースで行い、サンプリングは、所定のインターバルで行う。得られた結果から、2つの原料の混合割合と累積処理量との相関を示す検量線を作成する。ここで、累積処理量は、採油システムの処理ペースから求めることができる。尚、脂肪酸含有割合の測定は、例えば、ガスクロマトグラフィーで測定することができる。このようにして得られた検量線を図4に示す。本実施形態において、検量線は、検量線データとして制御装置26に保持される。
次に、切替時間差Tの算出について説明する。
まず、制御装置26は、原料脂肪酸比率及び切替時目標脂肪酸比率から、切替時における採油原料の混合割合を求める。ここで、原料脂肪酸比率は、上述のとおり、例えば、オレイン酸含有量が高い菜種原料(第1の採油原料)およびオレイン酸含有量が低い菜種原料(第2の採油原料)の各々のオレイン酸(所定の脂肪酸)の含有比率とする。また、切替時目標脂肪酸割合は、上述の通り、例えば、オレイン酸の含有比率が高い菜種原油(規格内品、第1の食用油)が目的とするオレイン酸(所定の脂肪酸)の含有比率の下限値とする。切替時における採油原料の混合割合は、例えば、以下の式1から求めることができる。
Figure 2019062798
次に、制御装置26は、式1を用いて求められた採油原料の混合割合となる、採油原料の累積処理量を、検量線を用いて求める。そして、得られた累積処理量の値を処理ペースで除することで、切替時間差Tを算出する。
制御装置26は、上述の切替時間差Tに基づいて、切替信号S1及び切替信号S2の発生タイミングを制御する。ここで、切替信号S1は、図2の示す切替弁24の切替を制御する信号であり、切替信号S2は、図2に示す切替弁25の切替を制御する信号である。具体的には、制御装置26は、切替信号S1を発生した後、切替時間差Tが経過したことに応じて、自動的に切替信号S2を発生する。ここで、切替信号S1は、外部からの信号入力に直接又は間接的に応じて発生することができる。例えば、外部から入力された信号に応じて、切替信号S1を発生してもよい。また、別の例としては、例えば、採油工程を開始してから所定の時間経過後に切替信号S1を発生するようにあらかじめ設定しておくこともできる。
図5は、本実施の形態の切替弁の制御フローを示すフロー図である。ここで、切替弁状態51(a,a)は、切替弁24が図2の原料タンク21a側を選択しており、切替弁25が図2の原油タンク23a側を選択している状態を示す。切替弁状態52(b,a)は、切替弁24が図2の原料タンク21b側を選択しており、切替弁25が図2の原油タンク23a側を選択している状態を示す。切替弁状態53(b,b)は、切替弁24が図2の原料タンク21b側を選択しており、切替弁25が図2の原油タンク23b側を選択している状態を示す。
図5に示すように、本実施の形態では、制御装置26で発生される切替信号S1に応じて切替弁状態51(a,a)から、切替弁状態52(b,a)に変化し、その後、切替時間差Tが経過した後に発生される切替信号S2に応じて、切替弁状態52(b,a)から切替弁状態53(b,b)に変化する。
以上の実施の形態で示したように、本発明の食用油を生産する方法を用いることで、規格の異なる食用油等の所定の脂肪酸の含有比率が異なる食用油を連続的に生産することができる。
尚、上記実施の形態では、圧抽工程を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、抽出工程や、圧抽工程等にも適用することができる。
また、上記実施の形態では、菜種原料を例として説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、大豆、パーム、菜種、コーン、綿実、紅花、ヒマワリ、落花生、アマニ、米ぬか、グレープシード等の公知の採油原料に適用することができる。
10 採油原料
11 原油
12 精製油
P1 採油工程
P2 精製工程
21a、21b 原料タンク
22 採油部
23a、23b 原油タンク
24、25 切替弁
26 制御装置
S1、S2 切替信号
41 検量線
51、52、53 切替弁状態

Claims (8)

  1. グリセリドを構成する所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1及び第2の採油原料を切替て、グリセリドを構成する当該所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1及び第2の食用油を連続的に生産する方法において、
    前記第1及び第2の採油原料のグリセリドを構成する前記所定の脂肪酸の含有比率と、前記第1の食用油の目標とするグリセリドを構成する当該所定の脂肪酸の含有比率の上限値又は下限値とに応じて切替時累積処理量を計算する工程と、
    当該切替累積処理量と採油原料の処理速度から目標切替時間を算出する工程と、
    前記第1の採油原料の採油から前記第2の採油原料の採油に切り替えたのち、当該目標切替時間が経過したことに応じて、前記第1の食用油の回収手段から前記第2の食用油の回収手段に切り替える工程とを含む、食用油を生産する方法。
  2. 前記切替時累積処理量が予め定められた検量線から計算される、請求項1に記載の方法。
  3. グリセリドを構成する前記所定の脂肪酸が、オレイン酸及びリノレン酸からなる群から選ばれる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1の食用油の回収手段から前記第2の食用油の回収手段に切り替える工程が、自動的に行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1及び第2の食用油が、互いに規格が異なる食用油であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. グリセリドを構成する所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1および第2の採油原料をそれぞれ保持する第1および第2の原料保持部と、
    前記第1及び第2の採油原料から食用油を採油する採油部と、
    前記第1および第2の原料保持部のいずれか一方と前記採油部との接続を選択的に切り替える第1の切替部と、
    グリセリドを構成する前記所定の脂肪酸の含有比率が異なる第1及び第2の食用油を、それぞれ回収する第1及び第2の回収部と、
    前記第1および第2の回収部のいずれか一方と前記採油部との接続を選択的に切り替える第2の切替部と、
    前記第1および第2の切替部に接続された制御部と、を備え、
    前記制御部が、前記第1及び第2の採油原料のグリセリドを構成する前記所定の脂肪酸の含有比率と、前記第1の食用油の目標とするグリセリドを構成する当該所定の脂肪酸の含有比率の上限値又は下限値と、前記採油部の処理速度とに応じて、目標切替時間を算出し、前記第1の切り替え部を前記第1の保持部から前記第2の保持部に切り替えたのち、前記目標切替時間が経過したことに応じて、自動的に、前記第2の切り替え部を前記第1の回収部から前記第2の回収部に切り替える、システム。
  7. 前記制御部が検量線に基づき前記目標切替時間を算出する請求項6に記載のシステム。
  8. グリセリドを構成する前記所定の脂肪酸が、オレイン酸およびリノレン酸からなる群から選ばれる、請求項6又は7に記載のシステム。
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