JP2019062757A - トマト用耐塩性改善用組成物及びトマトの生育方法 - Google Patents

トマト用耐塩性改善用組成物及びトマトの生育方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高塩濃度環境下でのトマトの生育を可能とする組成物、及び前記組成物を付着させた状態で、高塩濃度環境下でトマトを生育させる方法を提供する。【解決手段】Bacillus cereus MSO-1株、Bacillus thuringiensis MSO-2株、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-3株、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-4株、Enterobacter sp. MSO-5株、Uncultured bacterium MSO-6株、Uncultured bacterium MSO-7株、及びPseudomonas sp. MSO-8株を含有し、高塩濃度環境下でのトマトの生育を可能とする、トマト用耐塩性改善用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、微生物を有効成分とし、高塩濃度環境下でのトマト(Solanum lycopersicum)の生育を可能とする組成物に関する。
微生物の中には、植物と共生し、その生育を助ける働きをするものがある。例えば、マメ科植物の根に共生する根粒菌は、大気中の窒素を植物が利用可能な窒素化合物に変換する。この根粒菌による窒素固定により、マメ科植物は肥料分の少ない土壌でも生育が可能となる。近年、植物体の免疫を高めたり、生育を促進したり、栄養素の欠乏を補ったり、様々な環境ストレスに対する耐性を高めたりする作用を有する共生微生物があることがわかってきた。そこで、このような共生微生物を利用し、必須栄養素が欠乏している土壌や塩濃度の高い土壌等の厳しい環境下でも植物の生育を可能にしようという試みがなされている。
例えば、水不足の解決方法として、植物の耐塩性を高めて海水を農業用水に利用することが試みられている。植物の耐塩性を高める方法としては、遺伝子組換え技術を用いて、塩耐性機構に関与する遺伝子を導入する方法が挙げられるが、農作物の場合、遺伝子組換え技術を利用せずに耐塩性を高められる方法が好まれる傾向にある。そこで、遺伝子組換え技術を使用せずに植物の耐塩性を高める方法として、植物体への耐塩性付与効果を有する薬剤や微生物を植物体に投与する方法が検討されてきている。耐塩性付与効果を有する微生物としては、例えば、パエニバチルス・フクイネンシス(Paenibacillus fukuinensis)(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
特開2013−75881号公報
本発明は、微生物を有効成分とし、環境ストレス下、特に高塩濃度環境下でのトマトの植物体の生育を可能とする組成物、及び前記組成物を付着させた状態で、高塩濃度環境下で生育させる、トマトの生育方法を提供することを目的とする。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物及びトマトの生育方法は、下記[1]〜[8]である。
[1] 配列番号1で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するBacillus cereus MSO-1株、配列番号2で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するBacillus thuringiensis MSO-2株、配列番号3で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter cloacae complex sp. MSO-3株、配列番号4で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter cloacae complex sp. MSO-4株、配列番号5で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter sp. MSO-5株、配列番号6で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するUncultured bacterium MSO-6株、配列番号7で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するUncultured bacterium MSO-7株、及び配列番号8で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するPseudomonas sp. MSO-8株を含有し、高塩濃度環境下でのトマトの生育を可能とする、トマト用耐塩性改善用組成物。
[2] 含有する微生物全量に対する存在比率が、Bacillus cereus MSO-1株が2.0〜4.0%であり、Bacillus thuringiensis MSO-2株が28〜40%であり、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-3株が1.0〜3.0%であり、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-4株が24〜38%であり、Enterobacter sp. MSO-5株が18〜30%であり、Uncultured bacterium MSO-6株が1.0〜3.0%であり、Uncultured bacterium MSO-7株が1.0〜3.0%であり、Pseudomonas sp. MSO-8株が0.5〜2.0%である、前記[1]のトマト用耐塩性改善用組成物。
[3] 前記[1]又は[2]のトマト用耐塩性改善用組成物を根に付着させた状態で、高塩濃度環境下でトマトの植物体を生育させる、トマトの生育方法。
[4] 無菌状態で水耕栽培したトマトの植物体の根に、前記トマト用耐塩性改善用組成物を付着させた後に土壌へ移植し、高塩濃度環境下で生育させる、又は、
無菌状態で水耕栽培したトマトの植物体の根に、前記トマト用耐塩性改善用組成物を付着させた状態で、高塩濃度環境下で水耕栽培を行う、
前記[3]のトマトの生育方法。
[5] 前記高塩濃度環境下が、塩化ナトリウム濃度が1.0質量%以上の環境である、前記[3]又は[4]のトマトの生育方法。
[6] 前記水耕栽培を、海水を用いて行う、前記[4]のトマトの生育方法。
[7] 前記トマトが、トマト品種マグネットである、前記[3]〜[6]のいずれかのトマトの生育方法。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、植物体の表面に付着することによって当該植物体の耐塩性を向上させることができるため、当該組成物をトマトの植物体に接種させて共生させることにより、トマトの高塩濃度環境下における生育性を高めることができる。
<トマト用耐塩性改善用組成物>
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、植物体の表面に付着して共生することにより、当該植物体の耐塩性を改善する効果を有する微生物を有効成分とする。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物が有効成分とする微生物は、後記実施例に示す通り、元々土壌に含まれている多種多様な微生物の中から、トマト、特にトマト品種マグネットの植物体の根の表面に共生することによって当該植物体が高塩濃度の栽培用溶液を用いた水耕栽培における生育を可能とする共生微生物群として得られたものである。
具体的には、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、8種の微生物、すなわち、配列番号1で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するBacillus cereus MSO-1株、配列番号2で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するBacillus thuringiensis MSO-2株、配列番号3で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter cloacae complex sp. MSO-3株、配列番号4で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter cloacae complex sp. MSO-4株、配列番号5で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter sp. MSO-5株、配列番号6で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するUncultured bacterium MSO-6株、配列番号7で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するUncultured bacterium MSO-7株、及び配列番号8で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するPseudomonas sp. MSO-8株を有効成分とする。以降において、これらの特定の8種の微生物は、「耐塩性改善共生菌」ということがある。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物における前記8種の微生物のそれぞれの存在比(菌数比)としては、特に限定されるものではない。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるBacillus cereus MSO-1株の微生物全量に対する存在比率は、2.0〜4.0%が好ましく、2.5〜3.5%がより好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるBacillus thuringiensis MSO-2株の微生物全量に対する存在比率は、28〜40%が好ましく、30〜38%がより好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるEnterobacter cloacae complex sp. MSO-3株の微生物全量に対する存在比率は、1.0〜3.0%が好ましく、1.5〜2.5%がより好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるEnterobacter cloacae complex sp. MSO-4株の微生物全量に対する存在比率は、24〜38%が好ましく、28〜35%がより好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるEnterobacter sp. MSO-5株の微生物全量に対する存在比率は、18〜30%が好ましく、21〜27%がより好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるUncultured bacterium MSO-6株の微生物全量に対する存在比率は、1.0〜3.0%が好ましく、1.5〜2.5%がより好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるUncultured bacterium MSO-7株の微生物全量に対する存在比率は、1.0〜3.0%が好ましく、1.5〜2.5%がより好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物におけるPseudomonas sp. MSO-8株の微生物全量に対する存在比率は、0.5〜2.0%が好ましく、0.8〜1.5%がより好ましい。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、植物体に対する耐塩性改善効果を損なわない限り、前記の8種の耐塩性改善共生菌以外の微生物を含有していてもよい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物が含有する微生物全体に占める前記8種の耐塩性改善共生菌の総量の存在比率は、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がよりさらに好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物としては、植物体の根の表面に付着した際により安定して共生できることから、前記の8種の耐塩性改善共生菌以外の微生物を含有していないものが特に好ましい。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、有効成分とする耐塩性改善共生菌をそれぞれ混合することにより調製できる。例えば、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、各耐塩性改善共生菌を生存した状態で維持可能な溶媒中に分散させた液状組成物であってもよく、当該溶媒を寒天等で固体状としたものに各耐塩性改善共生菌を付着させた固体状組成物であってもよい。その他、各耐塩性改善共生菌を生存した状態で乾燥粉末としたものをそれぞれ混合した粉末状組成物であってもよい。各耐塩性改善共生菌を生存した状態で維持可能な溶媒としては、例えば、水、リン酸生理食塩水(PBS)、トリスバッファーやリン酸バッファー等の各種バッファー、微生物培養用培地、植物の水耕栽培に用いられる液肥等が挙げられる。
例えば、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、耐塩性改善共生菌の種類ごとにそれぞれ独立して培養し、得られた培養物を混合することによって調製することができる。各耐塩性改善共生菌の培養は、それぞれの栄養特性に応じた適切な培養培地を用いて、各菌種の標準株(Type strain)の培養と同様にして行うことができる。例えば、前記の8種の耐塩性改善共生菌は、それぞれ、LB培地、TSB培地、R2A培地(日本ベクトン・ディッキンソン)等で150rpmの振とう速度、温度が25℃で16時間培養することにより、培養することができる。また、栄養特性が類似しており、同じ培養培地で培養可能な微生物ごとに分けてそれぞれ培養し、得られた培養物を混合することによって調製することもできる。
各耐塩性改善共生菌の培養に用いられる培養培地は、一般的に微生物の培養に用いられる微生物培養用培地の中から適宜選択して用いることができる。当該微生物培養用培地としては、例えば、LB(Luria-Bertani)培地、TBS(Tryptic Soy Broth)培地、麦芽エキス培地、オートミール培地、YM(Yeast Malt peptone)培地、YPD(Yeast Peptone D-Glucose)培地、NB(nutrient broth)培地、R2A培地、PGY培地、GYMP培地(グルコース 1%、酵母エキス 0.5%、麦芽エキス 0.3%、ペプトン 0.5%、pH6.0)、MRS(de Man-Rogosa-Sharpe)培地、PSA(Potato Sucrose Agar)培地、SWS(Seawater Starch Agar)培地等が挙げられる。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を植物体の表面に付着させ、有効成分である耐塩性改善共生菌を当該植物体と共生させることにより、植物体の耐塩性が改善され、高塩濃度環境下でも生育が可能となる。ここで、「高塩濃度環境下」とは、根等の植物体の表面から植物体内に取り込まれる水分のナトリウム濃度が、無菌状態では同じ生物種の植物体の生育率が75%以下となる濃度である環境下を意味する。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物としては、耐塩性向上前の植物体の70%以下しか生育できない程度のナトリウム濃度の環境下でも生育可能な程度にまで耐塩性を向上させられるものが好ましく、60%以下しか生育できない程度のナトリウム濃度の環境下でも生育可能な程度にまで耐塩性を向上させられるものがより好ましく、50%以下しか生育できない程度のナトリウム濃度の環境下でも生育可能な程度にまで耐塩性を向上させられるものがさらに好ましい。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物としては、なかでも、耐塩性向上前の植物体の40%以下しか生育できない程度のナトリウム濃度の環境下でも生育可能な程度にまで耐塩性を向上させられるものが好ましく、30%以下しか生育できない程度のナトリウム濃度の環境下でも生育可能な程度にまで耐塩性を向上させられるものがより好ましく、20%以下しか生育できない程度のナトリウム濃度の環境下でも生育可能な程度にまで耐塩性を向上させられるものがさらに好ましく、耐塩性向上前の植物体の10%以下しか生育できない程度のナトリウム濃度の環境下でも生育可能な程度にまで耐塩性を向上させられるものがさらに好ましい。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を植物体の表面に付着させる方法としては、特に限定されるものではない。例えば、植物体の少なくとも一部分を、当該トマト用耐塩性改善用組成物を含む浸漬用溶液に浸漬させることによって、当該トマト用耐塩性改善用組成物中の耐塩性改善共生菌を当該植物体の表面に付着させることができる。浸漬用溶液に浸漬させる植物体の部分は、浸漬させた状態の植物体が、通常の塩濃度環境下であれば生育可能な部分であればよく、例えば、根、茎、葉、地下茎等のいずれの部分であってもよい。本発明の耐塩性改善共生菌は元々土壌に含まれていた微生物であるため、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、植物体の根に付着させることが好ましい。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させる植物体は、無菌的に栽培されたものであることが好ましい。例えば、滅菌処理した種子を無菌的な環境下で栽培された植物体を用いることにより、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物以外の微生物の付着を防止し、本発明のトマト用耐塩性改善共生菌による共生効果をより効率よく得ることができる。種子の滅菌処理は、次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸漬させる方法や、塩素ガスを用いる方法等の常法により行うことができる。
生育の初期段階の植物体は、充分に生育した植物体よりもストレスに対する耐性が低く、環境ストレスの影響を受けやすい。特に、発根や発芽の工程は、塩濃度に非常に敏感である。このため、種子や球根の段階から高塩濃度環境下で生育させた場合には、高い塩ストレスにより、耐塩性処理を施しても耐塩性を獲得できずに枯死してしまう植物体が多い。このため、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させる植物体は、少なくとも発根及び発芽が完了するまで正常に生育可能な塩濃度以下で栽培したものが好ましい。なお、「正常に生育可能な塩濃度」とは、複数の植物体を生育させた場合の生育率が80%以上であるナトリウム濃度を意味する。植物体の発根及び発芽、及びその後の生育は、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させること以外は、常法により行うことができる。
発芽・発根後に直ちに本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させる処理を行ってもよいが、生育するほど塩ストレスに対する耐性も高くなる。このため、幼苗を、発芽後少なくとも1週間、好ましくは3週間程度生育させた後に当該トマト用耐塩性改善用組成物を付着させる処理を行うことが好ましい。
植物体の生育に対する影響が比較的少ないことから、植物体の根のみを、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を含む溶液(以下、「耐塩性改善処理用溶液」ということがある。)に浸漬させることが好ましい。この場合、耐塩性改善処理用溶液は、根から摂取させる各種栄養分を含有する液肥に本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を含有させた溶液であることが好ましい。例えば、植物体の根の付け根部分を、ロックウール、寒天培地、土壌等の固体支持体で支持させ、根の下の部分を液肥に浸漬させる水耕栽培容器を使用し、液肥に本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を含有させることにより、根の部分のみを耐塩性改善共生菌を含む耐塩性改善処理用溶液に浸漬させた状態で植物体を生育させることができる。使用する液肥の組成は、生育させる植物体の生物種に応じて適宜調節することができる。例えば、MS(Murashige-Skoog)培地、B5(Gamborg's B5)培地、White培地、又はこれらの改変培地等を用いることができる。
耐塩性改善処理用溶液の塩化ナトリウム濃度は、特に限定されるものではなく、耐塩性付与効率が充分となるように、使用するトマト用耐塩性改善用組成物に含まれる耐塩性改善共生菌の種類や植物体の種類に応じて適宜調節することができる。例えば、初期生育時に用いた溶液(初期生育用溶液)に本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を混合させたものを耐塩性改善処理用溶液としてもよく、栽培工程で用いる栽培用溶液にトマト用耐塩性改善用組成物を混合させたものを耐塩性改善処理用溶液としてもよく、塩類組成が初期生育用溶液と栽培用溶液のいずれとも異なる溶液を耐塩性改善処理用溶液としてもよい。耐塩性改善処理用溶液の塩化ナトリウム濃度としては、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、栽培用溶液の塩化ナトリウム濃度と同じ濃度がさらに好ましい。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を根等の表面に付着させた植物体は、高塩濃度環境下で生育させることができる。具体的には、ナトリウム濃度の高い栽培用溶液を用いて栽培することができる。栽培用溶液の塩化ナトリウム濃度は、正常に生育可能なナトリウム濃度より高ければよく、栽培する植物体の種類やその耐塩性に応じて適宜決定することができる。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させた植物体の栽培用溶液の塩化ナトリウム濃度としては、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.0〜4.0質量%であることがさらに好ましく、1.5〜3.8質量%であることがよりさらに好ましく、2.0〜3.5質量%あることが特に好ましい。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させた植物体の栽培用溶液としては、塩化ナトリウムに加えて塩化マグネシウムを含むことが好ましく、0.5質量%以下の塩化マグネシウムを含有することがより好ましく、0.1〜0.5質量%の塩化マグネシウムを含有することがさらに好ましい。
当該栽培用溶液は、塩化ナトリウムや塩化マグネシウム以外にも、植物体の生育に必要な各種栄養成分を含有していることが好ましい。当該栄養成分は、栽培する植物体の種類に応じて適宜調整することができる。特に、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、銅、モリブデン、ホウ素等の植物体の生育に必要な元素を塩類として含有していることが好ましい。その他、植物体の種類によっては、アルミニウムや珪素等の元素を塩類として含有する場合もある。また、植物体の生育段階に応じて栽培用溶液の組成を変更してもよい。
当該栽培用溶液としては、例えば、市販されている液肥に塩化ナトリウムをはじめとする不足の塩類を添加した溶液や、市販されている濃縮された液肥を、水に代えて海水で希釈した溶液を用いることができる。また、海水そのものや、海水にリン等の不足の塩類を適宜添加した溶液を用いることもできる。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させた後の植物体のその後の栽培は、水耕栽培で行ってもよく、土壌等で栽培してもよい。例えば、無菌状態で水耕栽培した植物体の根に、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させた状態で、高塩濃度環境下で水耕栽培を行うことができる。当該水耕栽培は、栽培用溶液の塩化ナトリウム濃度を正常に生育可能なナトリウム濃度より高くする以外は、一般的な水耕栽培方法によって行うことができる。例えば、比較的多量の栽培用溶液を栽培用槽にためる湛液型水耕法で行ってもよく、緩やかな傾斜を持つ平面上に培養液を少量ずつ流下させる薄膜水耕法で行ってもよい。また、無菌状態で水耕栽培した植物体の根に、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物を付着させた後に土壌へ移植し、高塩濃度環境下で生育させてもよい。具体的には、土壌へ散布する水の塩化ナトリウム濃度を正常に生育可能なナトリウム濃度より高くする。
前記8種類の耐塩性改善共生菌は、トマト品種マグネットの植物体の耐塩性を向上させられることを指標として選抜された微生物群である。このため、前記8種類の耐塩性改善共生菌を有効成分とする本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、トマトの耐塩性を向上させるために用いることができる。本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物により耐塩性を改善するトマトは、いずれの品種のトマトであってもよく、例えば、トマト品種マグネット、トマト品種甘福、トマト品種桃太郎、トマト品種アイコ、トマト品種千果、トマト品種フルティカ、トマト品種レッドオーレ、トマト品種シンディースイート、トマト品種ラブリー40、トマト品種バックアタック、トマト品種新カップルT、トマト品種ホワイトベース等が挙げられる。中でも、本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物により耐塩性を改善するトマトとしては、トマト品種マグネットの植物体が好ましい。
本発明に係るトマト用耐塩性改善用組成物は、トマト以外の植物種の耐塩性を改善するために使用されてもよい。トマト以外の植物種としては、被子植物であってもよく、裸子植物であってもよく、シダ類やコケ類であってもよい。また、単子葉植物であってもよく、双子葉植物であってもよい。具体的には、イネ、トウモロコシ、モロコシ、コムギ、オオムギ、ライムギ、ヒエ、アワ等のイネ科の植物;ナス、パプリカ、ピーマン、ジャガイモ、タバコ等のナス科の植物;シロイヌナズナ、セイヨウアブラナ、ナズナ、ダイコン、キャベツ、紫キャベツ、メキャベツ(プチヴェール)、ハクサイ、チンゲンサイ、ケール、クレソン、小松菜、ブロッコリー、カリフラワー、カブ、ワサビ、マスタード等のアブラナ科の植物;キュウリ、ニガウリ、カボチャ、メロン、スイカ、等のウリ科の植物;ブドウ等のブドウ科の植物;レモン、オレンジ、ネーブルオレンジ、グレープフルーツ、ミカン、ライム、スダチ、ユズ、シイクワシャー、タンカン等のミカン科の植物;リンゴ、サクラ、ウメ、モモ、イチゴ、ビワ、アンズ、プラム(スモモ)、プルーン、アーモンド、ナシ、洋ナシ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、カシス、クランベリー、ブルーベリー等のバラ科の植物;ダイズ、インゲンマメ、エンドウマメ、ソラマメ、エダマメ、リョクトウ、ヒヨコマメ等のマメ科の植物;ハス(レンコン)等のハス科の植物;ゴマ等のゴマ科の植物;ホウレンソウ、ビート、テンサイ、キヌア、ヒユ、アマランサス、ケイトウ等のアカザ科の植物;ナツメヤシ、アブラヤシ、ココヤシ、アサイー等のヤシ科の植物;バナナ、バショウ、マニラアサ等のバショウ科の植物;ワタ、オクラ等のアオイ科の植物;ユーカリ等のフトモモ科の植物;フウチョウソウ、セイヨウフウチョウソウ等のフウチョウソウ科の植物等が挙げられる。これらのなかでも、ナス科の植物が好ましい。
以下、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
トマト(マグネット(台木品種)、カネコ種苗)を用い、土壌から抽出された微生物から、耐塩性を高める共生効果を有する植物共生菌群を選抜した。
<微生物懸濁液の調製>
沖縄にて採取された土壌1gを、緩衝液で懸濁し、十分に撹拌し、微生物懸濁液として用いた。
<ポットの作成>
天面と底面が開口した円柱状のポットに、スクロース含有MS寒天培地(MS培地に0.5%(w/v)スクロースと0.9%(w/v)アガーを加えた培地)を注入して固めることにより、植物体を育成するためのポットを作製した。当該ポットを、スクロース含有MS培地(MS培地に0.5%(w/v)スクロースを加えた液体培地)を入れた8つの容器にそれぞれ複数個ずつ設置した。
<種子の準備>
種子は、1%次亜塩素酸に浸漬させた状態で1分間撹拌をすることによって表面を滅菌した後、遠心分離処理により次亜塩素酸を除いた。次亜塩素酸処理後の種子は、滅菌水にて3回水洗した後、前記ポットの上部に播種して、4℃で24時間暗所にて保存した。
<植物体の水耕栽培>
前記ポットを複数個用意し、スクロース含有MS培地(MS培地に0.5%(w/v)スクロースを加えた液体培地)を入れた1つの容器に全て設置した。各ポットは、底面はスクロース含有MS培地に浸っているが天面は浸っていない状態となるように設置した。これらのポットの上部に種子を播種し、25℃、明期16時間と暗期8時間の長日条件のインキュベーター内で14日間育成した。
<塩ストレス及び微生物の接種(第1選抜工程)>
14日間水耕栽培後に、当該ポットを、底面は天然海水(塩化ナトリウム濃度:3.3質量%)に浸っているが天面は浸っていない状態となるように設置し、この底面を浸した天然海水に100μLの微生物懸濁液を添加した。その後、当該ポットを14日間栽培した。
塩ストレス下での14日間の栽培後、生育している植物体の根と地上部(葉と茎)を切断し、根を回収し、ホモジナイズして微生物回収溶液とした。
<塩ストレス及び微生物の接種(第2選抜工程)>
前記<植物体の水耕栽培>と同様にして、ポットにて14日間水耕栽培した植物体を用意した。当該ポットを、底面は天然海水(塩化ナトリウム濃度:3.3質量%)に浸っているが天面は浸っていない状態となるように設置し、この底面を浸した天然海水に、100μLの第1選抜工程で調製した微生物懸濁液を添加した。その後、当該ポットを14日間栽培した。
前記第1選抜工程と同様にして、生育している植物体から根を回収し、ホモジナイズして微生物回収溶液を調製した。
<塩ストレス及び微生物の接種(第3選抜工程)>
ポットの底面を浸した天然海水に添加する微生物回収液を、第1選抜工程で調製した微生物回収溶液に代えて第2選抜工程で調製した微生物回収溶液を用いた以外は、第2選抜工程と同様にして、ポットにて14日間水耕栽培した植物体を塩ストレス下での14日間の栽培し、生育している植物体から根を回収し、ホモジナイズして微生物回収溶液を調製した。
<耐塩性向上効果の確認−1>
ポットの底面を浸した天然海水に添加する微生物回収液を、第1選抜工程で調製した微生物回収溶液に代えて第3選抜工程で調製した微生物回収溶液を用いた以外は、第3選抜工程と同様にして、ポットにて7日間水耕栽培した植物体を塩ストレス下での18日間栽培した。18日間の栽培後に、生存率(栽培した植物体数に対する、18日栽培後に生存している植物体の割合)(%)を算出した。なお、本葉が緑色又は薄緑色である植物体を生存している植物体とした。さらに、生存している植物体のうち、本葉が緑色の植物体の比率(%)と本葉が薄緑色の植物体の比率(%)をそれぞれ算出した。結果を表1に示す。
Figure 2019062757
表1に示すように、微生物を接種させずに培養したトマトの天然海水中(塩化ナトリウム濃度:3.3質量%)の環境下での生存率は20%程度であったのに対して、選抜された微生物混合物を根に共生させたトマトは、栽培した植物体の50%近くが生育可能であった。これらの結果から、塩ストレス下で生育していた植物体に共生していた微生物混合物又はこれらの分泌物質が、植物の耐塩性を向上させる作用を有していること、すなわち当該微生物混合物は、塩ストレス下での植物体の生育を可能とする植物共生菌群であることがわかった。
<耐塩性向上効果の確認−2>
ポットの底面を浸した天然海水に添加する微生物回収液を、第1選抜工程で調製した微生物回収溶液に代えて第3選抜工程で調製した微生物回収溶液を用いた以外は、第3選抜工程と同様にして、ポットにて11日間水耕栽培した植物体を塩ストレス下での13日間栽培した。13日間の栽培後に、生存率(栽培した植物体数に対する、13日栽培後に生存している植物体の割合)(%)を算出した。なお、本葉が緑色又は薄緑色である植物体を生存している植物体とした。さらに、生存している植物体のうち、本葉が緑色の植物体の比率(%)と本葉が薄緑色の植物体の比率(%)をそれぞれ算出した。結果を表2に示す。
Figure 2019062757
表2に示すように、微生物を接種させずに培養したトマトの天然海水中(塩化ナトリウム濃度:3.3質量%)の環境下での生存率は26%程度であり、生存していた植物体の全てが本葉が薄緑色であった。これに対して、選抜された微生物混合物を根に共生させたトマトは、栽培した植物体の50%以上が生育可能であり、生存していた植物体の大部分が本葉が緑色であった。これらの結果から、塩ストレス下で生育していた植物体に共生していた微生物混合物又はこれらの分泌物質が、植物の耐塩性を向上させる作用を有していること、すなわち当該微生物混合物は、塩ストレス下での植物体の生育を可能とする植物共生菌群であることがわかった。
<微生物混合物からゲノムDNAの回収>
第3選抜工程で調製した微生物回収溶液から菌体を回収し、回収した菌体の一部からゲノムDNAを、GenElute Bacterial Genomic DNA kit(Sigma-Aldrich、St. Louis, MO, USA)を用いて得た。
<16S rDNAの同定>
回収されたゲノムDNAを鋳型とし、フォワードプライマー(5’-AGAGTTTGATCATGGCTCAG-3’、配列番号9)とリバースプライマー(5’-TACGGTTACCTTGTTACGACTT-3’、配列番号10)を用いて、16S rDNAをPCRにより増幅した。PCRの温度条件は、95℃、3分間の加熱工程後、95℃、30秒間の変性工程、50℃、30秒間のアニーリング工程、及び72℃、1分30秒間の伸長工程からなるサイクルを30サイクル行った後、最後に72℃、5分間の伸長反応を加える条件で行った。得られたPCR産物を、1.2%のアガロースゲル電気泳動により確認し、QIAquick gel extraction kit (Quiagen, Germantown, MD, USA)を用いてゲルから抽出した。抽出されたPCR産物を、TOPO-TA cloning kit (Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)を用いてプラスミド中に挿入し、大腸菌に形質転換を行った。アンピシリン含有LB平板培地上で一晩培養した大腸菌コロニーをランダムに96個取り、アンピシリン含有LB液体培地に移植して培養した。WizardR SV 96 Plasmid DNA Purification Systems(Promega)を用いて培養された大腸菌からプラスミドを精製した。精製されたプラスミドに対して、BigDye terminator v3.1 Cycle sequence kit (Life Techonologies)を用いたThermalcycle反応を行い、DNAシークエンサー(ABI 3130xL)にて当該プラスミドに組み込まれた16S rDNAの塩基配列を決定した。この結果、8種類の微生物(MSO-1株〜MSO-8株)が同定された。
配列が決定された8種類の微生物の16S rDNAの塩基配列についてそれぞれNCBI BLAST検索を行った。この結果、配列番号1で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-1株は、Bacillus cereus strain M87(アクセッション番号:LN890173.1)と16S rDNAの配列相同性が99.74%であったことから、Bacillus cereusの新規株であると考えられた。配列番号2で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-2株は、Bacillus thuringiensis strain B20(アクセッション番号:LN890196.1)と16S rDNAの配列相同性が99.87%であったことから、Bacillus thuringiensisの新規株であると考えられた。配列番号3で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-3株は、Enterobacter cloacae complex sp. 35734(アクセッション番号:CP012162.1)と16S rDNAの配列相同性が93.27%であったことから、Enterobacter cloacae complex sp.の新規株であると考えられた。配列番号4で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-4株は、Enterobacter cloacae complex sp. ECNIH7(アクセッション番号:CP017990.1)と16S rDNAの配列相同性が99.73%であったことから、Enterobacter cloacae complex sp.の新規株であると考えられた。配列番号5で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-5株は、Enterobacter sp. E3-5(アクセッション番号:KP058389.1)と16S rDNAの配列相同性が99.80%であったことから、Enterobacter sp.の新規株であると考えられた。配列番号6で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-6株は、Uncultured bacterium clone HH_aai33d02(アクセッション番号:EU773842.1)と16S rDNAの配列相同性が96.01%であったことから、Uncultured bacteriumの新規株であると考えられた。配列番号7で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-7株は、Uncultured bacterium clone CE2_c06_2(アクセッション番号:EU775677.1)と16S rDNAの配列相同性が95.65%であったことから、Uncultured bacteriumの新規株であると考えられた。配列番号8で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するMSO-8株は、Pseudomonas sp. 6118(アクセッション番号:JX566654.1)と16S rDNAの配列相同性が95.93%であったことから、Pseudomonas sp. の新規株であると考えられた。
また、同定した96個の形質転換体に挿入されていた16S rDNAの割合から、これら8種類の微生物の存在比を調べたところ、Bacillus cereus MSO-1株が3.2%であり、Bacillus thuringiensis MSO-2株が34%であり、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-3株が2.1%であり、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-4株が30.9%であり、Enterobacter sp. MSO-5株が24.5%であり、Uncultured bacterium MSO-6株が2.1%であり、Uncultured bacterium MSO-7株が2.1%であり、Pseudomonas sp. MSO-8株が1.1%であった。
当該微生物混合物は、新規に獲得された混合物であり、植物体の耐塩性を顕著に高められる非常に有用な微生物混合物である。そこで、出願人は、微生物として、Bacillus cereus MSO-1株、Bacillus thuringiensis MSO-2株、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-3株、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-4株、Enterobacter sp. MSO-5株、Uncultured bacterium MSO-6株、Uncultured bacterium MSO-7株、及びPseudomonas sp. MSO-8株のみからなる微生物混合物を、独立行政法人製品評価技術基盤機構の特許微生物寄託センター(NITE−IPOD)(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 120号室)に新規微生物混合物として寄託する。

Claims (7)

  1. 配列番号1で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するBacillus cereus MSO-1株、配列番号2で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するBacillus thuringiensis MSO-2株、配列番号3で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter cloacae complex sp. MSO-3株、配列番号4で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter cloacae complex sp. MSO-4株、配列番号5で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するEnterobacter sp. MSO-5株、配列番号6で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するUncultured bacterium MSO-6株、配列番号7で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するUncultured bacterium MSO-7株、及び配列番号8で表される塩基配列を含む16S rDNAを有するPseudomonas sp. MSO-8株を含有し、高塩濃度環境下でのトマトの生育を可能とする、トマト用耐塩性改善用組成物。
  2. 含有する微生物全量に対する存在比率が、Bacillus cereus MSO-1株が2.0〜4.0%であり、Bacillus thuringiensis MSO-2株が28〜40%であり、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-3株が1.0〜3.0%であり、Enterobacter cloacae complex sp. MSO-4株が24〜38%であり、Enterobacter sp. MSO-5株が18〜30%であり、Uncultured bacterium MSO-6株が1.0〜3.0%であり、Uncultured bacterium MSO-7株が1.0〜3.0%であり、Pseudomonas sp. MSO-8株が0.5〜2.0%である、請求項1に記載のトマト用耐塩性改善用組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のトマト用耐塩性改善用組成物を根に付着させた状態で、高塩濃度環境下でトマトの植物体を生育させる、トマトの生育方法。
  4. 無菌状態で水耕栽培したトマトの植物体の根に、前記トマト用耐塩性改善用組成物を付着させた後に土壌へ移植し、高塩濃度環境下で生育させる、又は、
    無菌状態で水耕栽培したトマトの植物体の根に、前記トマト用耐塩性改善用組成物を付着させた状態で、高塩濃度環境下で水耕栽培を行う、
    請求項3に記載のトマトの生育方法。
  5. 前記高塩濃度環境下が、塩化ナトリウム濃度が1.0質量%以上の環境である、請求項3又は4に記載のトマトの生育方法。
  6. 前記水耕栽培を、海水を用いて行う、請求項4に記載のトマトの生育方法。
  7. 前記トマトが、トマト品種マグネットである、請求項3〜6のいずれか一項に記載のトマトの生育方法。
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