JP2019062462A - 表示装置およびその制御装置、ならびにそれらの制御方法 - Google Patents

表示装置およびその制御装置、ならびにそれらの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷物に光学像を投写する場合であっても、光学変調素子の格子パターンが目立ちにくい表示装置およびその制御装置、ならびにそれらの制御方法を提供すること。【解決手段】複数の画素を有し、光源からの光を変調する光学変調素子と、光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系とを有する表示装置である。光学像を印刷物に投写する場合には、光学像を印刷物に投写しない場合よりも光学像の鮮鋭度を低下させ、格子パターンを目立たなくする。【選択図】図3

Description

本発明は表示装置およびその制御装置、ならびにそれらの制御方法に関する。
印刷物に印刷内容と位置合わせした画像を投写することにより、印刷物の輝度ダイナミックレンジや色域を拡大する表示システムが提案されている(特許文献1)。
特開2008−83180号公報
画像を投写する表示装置は、光源と、光源からの光を投写する画像に応じて変調することにより光学像を生成する光学変調素子と、光学像を投写する光学系とを有する。光学変調素子は一般に透過型または反射型の表示デバイスであり、投写する画像を表示することにより、光源からの光の透過率または反射率を変調して光学像を生成する。光学変調素子として行列状に配置された複数の画素を有する表示デバイスが用いられる場合、光学像には画素の境界が例えば格子状のパターン(以下、格子パターンと呼ぶ)として現れる。
表示装置から印刷物(投写面)までの距離(投写距離)が遠ければ光学像の尖鋭度低下に伴って格子パターンは目立たなくなる。しかし、印刷物に画像を投写する場合、投写距離は近いことが想定される。従来、印刷物に投写される光学像における格子パターンを目立たなくする方法は提案されていなかった。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、印刷物に光学像を投写する場合であっても、光学変調素子の格子パターンが目立ちにくい表示装置およびその制御装置、ならびにそれらの制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的は、複数の画素を有し、光源からの光を変調する光学変調素子と、光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系と、制御手段と、を有する表示装置であって、制御手段は、光学像を印刷物に投写する場合、光学像を印刷物に投写しない場合よりも光学像の鮮鋭度を低下させることを特徴とする、表示装置によって達成される。
本発明によれば、印刷物に光学像を投写する場合であっても、光学変調素子の格子パターンが目立ちにくい表示装置およびその制御装置、ならびにそれらの制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る表示装置の使用状態を模式的に示す図 第1実施形態に係るプロジェクタの機能構成例を示すブロック図 第1実施形態に係るプロジェクタの動作に関するフローチャート 第1実施形態における印刷物投写用の焦点制御に関する模式図 第2実施形態に係るプロジェクタの機能構成例を示すブロック図 第2実施形態における画素ずらし処理に関する模式図 第2実施形態に係るプロジェクタの動作に関するフローチャート 第3実施形態に係るプロジェクタの機能構成例を示すブロック図 第4実施形態に係るプロジェクタの機能構成例を示すブロック図 第5実施形態に係るプロジェクタの機能構成例を示すブロック図 第5実施形態に係るプロジェクタの模式的な正面図および側面図 第6実施形態に係るプロジェクタの動作に関する模式図 第6実施形態に係るプロジェクタの動作に関するフローチャート 実施形態に係るプロジェクタの外部の制御装置としてのPCの機能構成例を示すブロック図
以下、添付の図面を参照して、本発明の例示的な実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、スタンドアロンタイプの投写型表示装置(プロジェクタ)に本発明を適用した構成について説明する。しかし、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、デジタル(ビデオ)カメラといった一般的な電子機器が内蔵するプロジェクタにも適用可能である。
●(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る表示装置であるプロジェクタ100の使用時の状態を模式的に示している。プロジェクタ100は光学変調素子として例えば液晶表示パネルを用いている。なお、液晶表示パネルは反射型であっても透過型であっても良く、また単板式であっても3板式であってもよい。
投写面においてプロジェクタ100が画像を投写する範囲が投写領域1001であり、投写領域1001に投写されている光学像を投写画像と呼ぶ。また、図1の例では投写領域1001内に印刷物200が置かれており、投写画像は印刷物200に位置合わせされている。
図2はプロジェクタ100の機能構成例を表すブロック図である。
制御部120は例えば1つ以上のプログラマブルプロセッサと、ROMおよびRAMとを有し、ROMに記憶されたプログラムをRAMに読み込んでプログラマブルプロセッサで実行して各部の動作を制御することにより、プロジェクタ100の機能を実現する。なお、図2では制御部120が一部のブロックとしか接続されていないが、実際には各部と接続されている。
通信部101は外部装置との通信インタフェースであり、サポートする規格に応じた通信回路やコネクタなどが設けられる。プロジェクタ100は投写画像の元となる画像データ(以下、元画像データと呼ぶ)を、通信部101を通じて外部装置から取得する。ここで、外部装置はパーソナルコンピュータ、ファイルサーバ、USBメモリ、クラウドストレージなど、プロジェクタ100が通信可能な任意の機器であってよい。通信部101は複数の有線および/または無線通信規格をサポートすることができる。また、通信部101を通じて外部装置からプロジェクタ100を操作するためのコマンドを受け付けてもよい。
外部装置から取得する元画像データはユーザが選択可能であってもよい。この場合、制御部120が通信部101を通じて外部装置から元画像データの一覧を取得し、選択可能に表示部121に表示するか、投写する。そして、ユーザは操作部110を介して所望のユーザを指定する。また、印刷物に付加されているメタデータを、操作部110から入力したり、情報取得部107が撮影した画像から抽出したりすることによって元画像データを特定してもよい。なお、元画像データは静止画像データであるものとして説明するが、動画像データであってもよい。
画像処理部102は、元画像データに対してノイズ除去、輪郭強調、スケーリング、歪み補正処理(キーストン補正処理)などの画像処理を適用し、液晶制御部103および光源制御部105に出力する。画像処理部102が適用可能な画像処理はここで列挙したものに限定されない。
液晶制御部103は、画像処理部102から供給される元画像データに基づいて、液晶パネル104の透過率または反射率を画素ごとに調整する制御信号を生成する。なお、液晶パネル104が3板式の場合、液晶制御部103は制御信号を色成分ごとに生成する。
液晶パネル104は、行列状に配列された複数の画素を有する透過型もしくは反射型液晶表示パネルである。各画素の透過率または反射率は、液晶制御部103から出力される電圧信号によって制御される。電圧信号は元画像データに基づいているため、液晶パネル104の透過光または反射光は、元画像データが表す画像と同様の光学像を形成する。
光源制御部105は、画像処理部102から出力された元画像データの画素値や、操作部110を介したユーザ指定などに基づいて、光源106のオン/オフや光量を制御する。
光源106は、光源制御部105の制御に従い、液晶パネル104を照射する光を出力する。光源106は例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧水銀ランプなどであってよい。液晶パネル104が3板式の場合、光源106は、液晶パネルが対応する色成分に等しい色の光でそれぞれの液晶パネルを照射する。特定色の光は、例えば通常光源とカラーフィルターとの組み合わせによって生成することができる。
情報取得部107は、投写領域内に配置された印刷物200の情報を取得するセンサであり、例えば投写面方向の画像を撮影する撮像装置(カメラ)であってよい。情報取得部107は、例えば投写領域内での印刷物の有無および大きさ、プロジェクタ100と投写面までの距離(投写距離)などを印刷物情報として検出することができる。投写距離は例えば合焦距離として検出することができる。また、印刷物の有無は、例えば印刷物が配置されていない状態で撮影した画像と、検出処理時に撮影した画像との比較によって検出することができる。また、印刷物の大きさは撮影画像内で検出された矩形物体の領域に基づいて検出することができる。情報取得部107は、検出結果を光学制御部108および制御部120に通知する。
なお、情報取得部107は投写距離の検出を行い、印刷物の有無や大きさについては画像処理部102が検出してもよい。この場合、情報取得部107は撮像画像を画像処理部102に出力し、画像処理部102が検出結果を制御部120に通知すればよい。
光学制御部108は、情報取得部107から供給される印刷物情報や、制御部120からの制御に従って、投写光学系109の焦点距離(倍率)や合焦距離を変更する。
投写光学系109は、変倍レンズやフォーカスレンズを含む複数のレンズを有し、液晶パネル104の透過光または反射光による光学像を投写する。光学制御部108は変倍レンズやフォーカスレンズを光軸に沿って移動させる駆動機構を有し、光学制御部108や制御部120の制御に従って変倍レンズやフォーカスレンズを駆動する。
操作部110は、例えば筐体上に設けられたボタン、スイッチ、ダイヤルといった入力デバイスの総称である。表示部121がタッチディスプレイの場合、表示部121のタッチパネル部分は操作部110を構成する。ユーザは、操作部110を介して、印刷物200に投写する元画像データの指定、光源106のオン/オフや光量の制御、投写光学系109の倍率やフォーカスの制御、プロジェクタ100の投写モードの指定などを行うことができる。投写モードについては、後述する。
なお、操作部110から指示できる事項の少なくとも一部は、通信部101を通じて外部装置から遠隔的に指示可能であってよい。制御部120は外部装置から指示が与えられた場合も、操作部110からの指示と同様に取り扱う。
表示部121は例えば液晶表示パネルであり、制御部120の制御に従い、プロジェクタ100の情報や外部装置から取得した情報、メニュー画面などを表示することができる。
図3はプロジェクタ100の表示動作に関するフローチャートである。
本実施形態のプロジェクタ100は、投写モードとして、「印刷物投写モード」と「通常投写モード」とが選択可能であり、制御部120は投写モードに応じた投写動作を実行する。
「印刷物投写モード」は、印刷物上に投写することにより印刷物のダイナミックレンジや色域を拡大するためのモードである。
「通常投写モード」は、印刷物のダイナミックレンジや色域を拡大することを目的としない、一般的な投写を行うモードである。
図3に示す動作は、例えば、プロジェクタ100の電源が投入され、初期処理が終了した後に実行されるが、投写モードの設定がなされた際など、他の予め定められたタイミングで実行されてもよい。
S301で制御部120は、投写モードが印刷物投写モードに設定されているか否かを判定し、印刷物投写モードに設定されていると判定された場合はS302へ、設定されていないと判定された場合はS304へ、それぞれ処理を進める。
S302で制御部120は、印刷物が投写領域内に存在するか否かを判定し、存在すると判定されればS303へ、存在しないと判定されればS304へ、処理を進める。具体的には、まず、制御部120が情報取得部107に印刷物情報を要求する。情報取得部107は、要求に応じて撮像を行い、検出した印刷物情報を制御部120に通知する。なお、ここでは印刷物の有無に関する情報があれば足りるため、制御部120は例えばメニュー画面を投写もしくは表示部121に表示して、ユーザに印刷物の有無を問い合わせてもよい。そして、制御部120は、操作部110を介してユーザから入力された印刷物の有無に従ってS302の判定を実行する。
S303で制御部120は、投写光学系が投写面に合焦しているか否かを判定し、合焦していると判定されればS305へ、合焦していないと判定されればS306へ処理を進める。例えば、制御部120は、投写面が投写光学系の焦点深度内に位置する(もしくは投写面における錯乱円径が許容錯乱円径以下)と判定されれば投写光学系が投写面に合焦していると判定することができる。合焦距離と焦点深度は、許容錯乱円径、印刷物情報に含まれる投写距離、投写光学系のF値、焦点距離などのパラメータとから求めることができる。あるいは、制御部120は、投写面に合焦させた情報取得部107による撮像画像に基づくコントラスト法による既知のオートフォーカス制御を実行し、投写光学系を投写面に合焦させ、投写光学系が投写面に合焦していると判定してもよい。なお、投写光学系がある距離に合焦するとは、その距離における投写画像のボケ量が許容錯乱円以下であることを意味する。
S305で制御部120は、光学制御部108を通じて、投写面が投写光学系の焦点深度外に位置する(もしくは投写面における錯乱円径が許容錯乱円径を超える)ように投写光学系109のフォーカスレンズを駆動する。つまり、投写画像の鮮鋭度を、最も良い状態から低下させる(投写画像のボケ量を増加させる)。これにより、画素境界の格子パターンを目立たなくすることができる。
なお、投写面を焦点深度からどの程度外すか(投写画像のボケ量をどの程度増加させるか)に関しては、例えば画素境界の格子パターンが目立たなくなることと、投写画像の鮮鋭度の低下とのバランスをとるように予め定めることができる。具体的には、例えば投写距離と投写光学系のF値との複数の組み合わせに応じて、予め合焦位置からのフォーカスレンズ移動量(ずらし量)を定めておき、制御部120内のROMに記憶しておくことができる。そして、制御部120は現在の投写距離とF値との組み合わせに基づいてROMを参照し、最も近い組み合わせに対応するずらし量を取得し、光学制御部108にずらし量とともにフォーカスレンズの駆動を指示することができる。なお、現在の組み合わせに合致する組み合わせが記憶されていない場合、最も近い2つの組み合わせに対応するずらし量を補間してずらし量を求めてもよい。なお、ずらし量は光量など他の条件を考慮して定めてもよい。また、投写光学系のF値が固定であればF値は考慮しなくてもよい。フォーカスレンズの移動方向は例えば移動方向によるボケの状態に応じて予め定めておくことができる(後述)。
一方、S304で制御部120は、光学制御部108を通じて、投写光学系109が投写面に合焦するようにフォーカスレンズを駆動し、S306へ処理を進める。なお、オートフォーカスの設定がなされていない場合、制御部120はS304でフォーカスレンズを駆動しなくてもよい。
操作部110を通じてユーザから合焦距離の変更指示(マニュアルフォーカス操作)が入力された場合、制御部120はS304およびS305による制御よりもユーザ指示を優先してもよい。
図4は、S303およびS304における投写光学系の制御(焦点制御)後の合焦位置を模式的に示す図である。
通常投写モードの場合と、印刷物投写モードであっても印刷物が存在しないと判定された場合(S304)には、投写面が焦点深度内に含まれるように投写光学系の合焦距離を制御する。したがって、例えば図4の位置a(投写面)に合焦するように投写光学系109のフォーカスレンズが駆動される。
一方、印刷物投写モードかつ投写領域内に印刷物が存在すると判定された場合(S303)には、印刷物200(投写面)が焦点深度から外れるように投写光学系の合焦距離を制御する。したがって、例えば印刷物200に合焦する位置b’ではなく、位置bに合焦するように投写光学系109のフォーカスレンズが駆動される。このように、印刷物に画像を投写する場合には、印刷物のない投写面に画像を投写する場合よりも投写画像の鮮鋭度を下げる(ボケ量を増やす)ような、印刷物投写用の焦点制御を投写光学系に対して行う。
なお、図4において位置bはプロジェクタ100から見て位置b’の手前に位置するように表記しているが、位置b’よりもの奥の位置であってもよい。例えば投写光学系のレンズの球面収差の補正が不十分である場合、合焦位置をずらす方向によっては投写画像中の線が2重になって見える所謂「2線ボケ」が発生することがある。そのため、予め、位置b’に対して位置bを手前(至近側)もしくは奥(無限遠側)のどちら側に移動させると2線ボケが出にくいのかを測定しておき、その測定値に基づいて合焦距離をずらす(フォーカスレンズを移動する)方向を決定してもよい。
最後に、S306で制御部120は、通信部101を通じて取得した元画像データに基づく画像を投写するように、画像処理部102、液晶制御部103および光源制御部105を制御する。これにより、光源106からの光が元画像データに従って液晶パネル104で変調され、透過光または反射光による光学像が投写面に投写される。
以上説明したように本実施形態によれば、印刷物に画像を投写する場合には、印刷物のない投写面に画像を投写する場合よりも投写画像の鮮鋭度を下げる(ボケ量を増やす)ように投写光学系の焦点制御を行う。そのため、複数の画素が2次元配列された光学変調素子を用いた投写型表示装置によって至近距離に存在する印刷物に画像を投写する場合であっても、画素境界のパターンを目立ちにくくすることができる。
本実施形態では、印刷物投写モードが設定され、かつ印刷物が存在すると判定された場合に、通常投写モードが設定されている場合や印刷物が存在しないと判定された場合よりも投写画像の鮮鋭度を下げる(ボケ量を増やす)焦点制御を実行する構成を説明した。しかし、印刷物投写モードが設定されていれば印刷物の存在を確認せずに、投写画像の鮮鋭度を下げる(ボケ量を増やす)印刷物投写用の焦点制御を実行する構成であってもよい。
また、投写モード(印刷物投写モードや通常投写モード)を設けず、投写領域内に印刷物が存在すると判定されれば印刷物投写用の焦点制御を実行してもよい。
観察距離(ユーザと投写面との距離)が長くなれば投写画像の格子パターンが目立ちにくくなる。また、投写距離(プロジェクタと投写面との距離)が長ければ観察距離も長いと考えられる。そのため、情報取得部107によって取得された投写距離が予め設定されている第1の所定値以上の場合は、印刷物投写用の焦点制御は行わず、投写距離が第2の所定値未満の場合に印刷物投写用の焦点制御を行うようにしてもよい。なお、第1の所定値と第2の所定値は同じであっても、異なってもよい(ただし第1の所定値>第2の所定値)。第1の所定値と第2の所定値とが異なる場合、第1の所定値未満、第2の所定値以上の範囲について、上述したように投写モードと印刷物有無の判定結果との1つ以上を用いて印刷物投写用の焦点制御を行うかどうかを決定してもよい。
なお、プロジェクタ100が距離情報を取得可能なリモートコントローラを備えている場合、情報取得部107はリモートコントローラから取得した、リモートコントローラと投写面との距離(観察距離)を用いて上述の動作を実行してもよい。
なお、例えば投写画像の位置合わせ処理中には、印刷物投写用の焦点制御を行わないように動作にすることで、印刷物投写用の焦点制御による投写画像の鮮鋭度低下の影響を受けずに位置合わせが可能となる。位置合わせ処理の終了後は、ユーザから明示的な指示があるまで印刷物投写用の焦点制御を実行しなくてもよいし、自動的に印刷物投写用の焦点制御を実行するようにしてもよい。なお、位置合わせ処理中か否かは、例えば、プロジェクタ500が位置合わせ投写モードに設定されているか否か、メニュー操作によって位置合わせ処理の実行が指示されたか否かによって判定可能である。
なお、印刷物投写用の焦点制御を行った後に、マニュアルフォーカス操作やオートフォーカス操作が行われた場合には、格子パターンが目立つ状態になりうる。そのため、印刷物投写用の焦点制御を行った後は投写光学系の合焦状態を監視し、投写面が焦点深度内にあると判定された場合にはユーザに印刷物投写用の焦点制御を再度実行するかどうかを問い合わせてもよい。あるいは、問い合わせを行わずに自動的に再度印刷物投写用の焦点制御を実行するように構成してもよい。なお、印刷物投写用の焦点制御は、メニュー操作や専用のボタン操作を通じたユーザ指示に応じて実行してもよい。
また、操作部110の操作の代わりに、通信部101を通じて通信可能に接続された外部装置から操作部110の操作に相当するコマンドを送信し、遠隔的にプロジェクタ100を操作してもよい。
●(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では投写光学系の合焦位置を調整することにより、投写画像の鮮鋭度を下げて(またはボケ量を増やして)格子パターンを目立たなくする構成であった。それに対し、本実施形態では、画素位置をずらして画像を投写することで、画素格子を目立たなくさせる構成を有する。
図5は、本実施形態のプロジェクタ500の機能構成例を示すブロック図である。なお、図5において、第1実施形態のプロジェクタ100と同じ機能ブロックには図2と同じ参照数字を付してある。以下では、第1実施形態との差異に注目して説明する。
画素ずらし制御部501は、印刷物投写用の焦点制御を実行すると制御部120が決定した場合に、画素ずらし部502のアクチュエータを駆動して、投写画像の画素をずらすことにより、投写画像中の格子パターンを目立たなくする。
画素ずらし部502は、液晶パネル104を透過または反射した光の光路に垂直に配置された平行平板ガラスと、平行平板ガラスを光路に垂直な面内で移動させるアクチュエータからなる。平行平板ガラスを移動させることにより、光の屈折で光路がシフトし、投写画像の投写位置が移動する。経時的に投写位置を変化させることにより、投写画像がいわば手振れ画像のように鮮鋭度が低下した画像として観察される。アクチュエータによる光路シフトの制御機構は、例えばセンサによるフィードバック制御等の既知の技術を適用することによって実現可能である。平行平板ガラスは光路を偏向させる光路シフト素子の一例である。なお、強誘電性液晶パネルを光路シフト素子として用い、印加する電界によって光路をシフトするなど、他の構成によって光路シフトを実現してもよい。なお、図5では、画素ずらし制御部501と画素ずらし部502とを独立した機能ブロックとして表現しているが、実際には両者が一体の構成であってもよい。以下、光路シフトを用いて投写画像位置を変化させる処理を、第2の画素ずらし処理と呼ぶ。
図6は、画素ずらし処理の効果を模式的に示した図である。図6(a)は、画素ずらし処理によって1/2フレーム周期で光路シフトした投写画像の3×3画素領域を重ね合わせて模式的に示している。画素境界(ギャップ領域)に起因する格子パターンが経時的にオーバーラップして交互に表示されることで、人間の視覚には時分割拡散作用が働き、格子パターンが目立たなくなる。なお、図6(a)の場合、元のフレームの表示周波数が60Hz(60fps)であるなら、サブフレームの表示周波数は120Hz(120fps)となる。ここで、サブフレームとは1フレーム周期内に生成される、投写位置が異なる投写画像を意味する。
なお、画素ずらし処理はプロジェクタにおいてライトバルブよりも高解像度の投影画像を得るために用いられることもあるが、その場合には水平垂直それぞれ0.5画素分のずらし量とする必要がある。しかしながら、本実施形態の画素ずらし処理において画素ずらし量にそのような制約はない。例えば、液晶パネル104の開口率やブラックマトリクス(ギャップ領域)の幅によって定まる、画素領域とギャップ領域とがオーバーラップするための最小のずらし量以上とすればよい。画素ずらし量の上限値は、投写画像の鮮鋭度の低下が許容可能な範囲で予め定めておくことができる。以下では、投写画像の高解像度化のための画素ずらし処理を第1の画素ずらし処理と呼ぶ。また、投写画像中の格子パターンを目立たなくするための画素ずらし処理を第2の画素ずらし処理と呼ぶ。
図6(b)は、光路シフトの周期を1/4フレームにした場合の投写画像の3×3画素領域を重ね合わせて模式的に示している。図6(b)の場合、元のフレームの表示周波数が60Hz(60fps)であるなら、サブフレームの表示周波数は240Hz(240fps)となる。この場合、格子パターンが同じ場所に表示される時間が図6(a)の場合の半分になるため、格子パターンが一層目立たなくなる。このように、第2の画素ずらし処理における1つの光路シフトの周期を短くする(サブフレームの表示周波数を上げる)ことにより、格子パターンをより目立たなくすることができる。
本実施形態では1フレーム周期を複数のサブフレーム周期に分割し、サブフレーム周期ごとに光路をシフトする。1フレーム周期あたりのサブフレーム周期の数や、光路のシフト量および方向(本実施形態では光路シフト素子の駆動位置)は、予め複数のパターンを制御部120ないのROMなどに記憶しておくことができる。制御部120は、ユーザ設定や投写距離などに応じて複数のパターンの1つを選択して画素ずらし制御部501を制御する。例えば、投写距離や観察距離が閾値以上である場合は、閾値未満の場合よりも格子パターンが目立ちにくいため、サブフレーム周期を長く(1フレーム周期あたりのサブフレーム周期の数を少なく)することができる。
図7は、本実施形態のプロジェクタ500の表示動作に関するフローチャートである。
本実施形態でも、投写モードとして、「印刷物投写モード」と「通常投写モード」とが選択可能であるものとするが、第1実施形態と同様、本実施形態においても投写モードは必須でない。また、第1実施形態と同様の処理を行うステップについては図3と同じ参照数字を付してある。
本実施形態ではまずS304を実行し、投写光学系を投写面(印刷物があれば印刷物上)に合焦させる。
その後、S301、S302で投写モードが印刷物投写モードであるか否かの判定、および印刷物の有無の判定を実行する。
制御部120は、印刷物投写モードかつ印刷物が存在すると判定された場合(第2の画素ずらし処理を実行すると判定された場合)にはS703へ、それ以外の場合はS306へ処理を進める。
S703で制御部120は、画素ずらし制御部501および画素ずらし部502に、光路シフトのパターンを指定して第2の画素ずらし処理を開始させる。なお、第1の画素ずらし処理を実行中の場合、制御部120は第2の画素ずらし処理に切り替える。
このように、印刷物への投写では画素境界に起因する投写画像中の格子パターンを目立たなくするための第2の画素ずらし処理を実行し、印刷物に投写しない場合には投写画像の鮮鋭度を優先して第2の画素ずらし処理は行わない。
S306で制御部120は、第1実施形態で説明したように、通信部101を通じて取得した元画像データに基づく画像を投写するように、画像処理部102、液晶制御部103および光源制御部105を制御する。
本実施形態によれば、印刷物に画像を投写する場合には、投写画像の鮮鋭度を下げる(ボケ量を増やす)ための画素ずらし処理を実行するようにした。そのため、第1実施形態と同様、複数の画素が2次元配列された光学変調素子を用いた投写型表示装置によって至近距離に存在する印刷物に画像を投写する場合であっても、画素境界のパターンを目立ちにくくすることができる。
本実施形態では、印刷物投写モードが設定され、かつ印刷物が存在すると判定された場合に、投写画像の鮮鋭度を低下させる動作を実行する構成を説明した。しかし、印刷物投写モードが設定されていれば印刷物の存在を確認せずに投写画像の鮮鋭度を低下させる動作を実行する構成であってもよい。また、投写モード(印刷物投写モードや通常投写モード)を設けず、投写領域内に印刷物が存在すると判定されれば投写画像の鮮鋭度を低下させる動作を実行する構成であってもよい。
観察距離(ユーザと投写面との距離)が長くなれば投写画像の格子パターンが目立ちにくくなる。また、投写距離(プロジェクタと投写面との距離)が長ければ観察距離も長いと考えられる。そのため、情報取得部107によって取得された投写距離が予め設定されている第1の所定値以上の場合は、投写画像の鮮鋭度を低下させる動作を実行せず、投写距離が第2の所定値未満の場合に投写画像の鮮鋭度を低下させる動作を実行するようにしてもよい。なお、第1の所定値と第2の所定値は同じであっても、異なってもよい(ただし第1の所定値>第2の所定値)。第1の所定値と第2の所定値とが異なる場合、第1の所定値未満、第2の所定値以上の範囲について、上述したように投写モードと印刷物有無の判定結果との1つ以上を用いて投写画像の鮮鋭度を低下させる動作を実行するかどうかを決定してもよい。
なお、プロジェクタ100が距離情報を取得可能なリモートコントローラを備えている場合、情報取得部107はリモートコントローラから取得した、リモートコントローラと投写面との距離(観察距離)を用いて上述の動作を実行してもよい。
なお、例えば投写画像の位置合わせ処理中には、第2の画素ずらし処理を行わないように動作にすることで、画素ずらし処理による投写画像の鮮鋭度低下の影響を受けずに位置合わせが可能となる。位置合わせ処理の終了後は、ユーザから明示的な指示があるまで第2の画素ずらし処理を実行しなくてもよいし、自動的に第2の画素ずらし処理を再開するようにしてもよい。なお、位置合わせ処理中か否かは、例えば、プロジェクタ500が位置合わせ投写モードに設定されているか否か、メニュー操作によって位置合わせ処理の実行が指示されたか否かによって判定可能である。
また、操作部110の操作の代わりに、通信部101を通じて通信可能に接続された外部装置から操作部110の操作に相当するコマンドを送信し、遠隔的にプロジェクタ100を操作してもよい。
●(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、投写画像の内容に応じて第1実施形態や第2実施形態で説明した投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するか否かを動的に決定する構成である。
図8は、本実施形態のプロジェクタ800の機能構成例を示すブロック図である。なお、図8において、第1および第2実施形態のプロジェクタ100および500と同じ機能ブロックには図2および図5と同じ参照数字を付してある。プロジェクタ800は第1実施形態と第2実施形態とで説明した投写画像の鮮鋭度低下動作をいずれも実行可能である。
画像処理部801は、通信部101を通じて外部装置から受信した元画像データや、情報取得部107が取得した撮像画像中の印刷物の画像の特徴量として、例えば空間周波数特性(例えば空間周波数スペクトル)を算出する。そして、算出した画像特徴量を制御部120に出力する。
本実施形態において制御部120は、予め定められた高周波成分の割合もしくは量が閾値を超える場合、投影画像中の格子パターンが目立ちにくいと判定し、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行しない。一方、制御部120は、予め定められた高周波成分の割合もしくは量が閾値以下の場合、投影画像中の格子パターンが目立ちやすいと判定し、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行する。
ここで、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理は投写光学系の合焦距離をずらす第1実施形態の焦点制御であってもよいし、第2実施形態の第2の画素ずらし処理であってもよい。
本実施形態は例えば、図3や図7のS302の直前または直後に、元画像データもしくは撮像画像中の印刷物の画像に関する特徴量を算出し、高周波成分の割合または量が閾値を超えるか否かを判定するステップを付加することに相当する。そして、制御部120は高周波成分の割合または量が閾値を超えると判定されればS304(図3)やS306(図7)に処理を移行させる。一方、制御部120は、高周波成分の割合または量が閾値以下と判定されれば、S302もしくはS303/S703に処理を進める。
高周波成分の割合または量が閾値を超えるか否かを判定するステップは、第1実施形態や第2実施形態における印刷物投影モードの設定有無の判定ステップ(S301)や印刷物の有無の判定ステップ(S302)少なくとも一方の代わりに用いてもよい。
なお、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するか否かの判定に用いる特徴量は、画素の輝度分布であってもよい。例えば、輝度値の分散が小さい場合や、狭い輝度範囲に多くの画素が集中している場合などは、平坦な画像(高周波成分の割合または量が少ない画像)である可能性が高い。この場合には格子パターンが目立ちやすいため、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するように決定することができる。
本実施形態によれば、投映する画像や、画像が投映される印刷物が、格子パターンの目立ちやすい内容であるか否かに基づいて、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するか否かを決定する。そのため、不必要に投影画像の鮮鋭度を低下させることを抑制することができる。
●(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
プロジェクタにおいては、操作メニューやメッセージをオンスクリーンディスプレイ(OSD)として投写することがある。この場合、OSDの画像を元画像に重畳した画像を投写するため、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行中の場合、OSDの鮮鋭度も下がってしまう。
第3実施形態においては、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するか否かを、投写画像の内容に応じて判定する構成について説明した。これと同様に、本実施形態では、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するか否かを、OSDの表示中か否かによって制御する構成である。
図9は、本実施形態のプロジェクタ900の機能構成例を示すブロック図である。なお、図9において、第1および第2実施形態のプロジェクタ100および500と同じ機能ブロックには図2および図5と同じ参照数字を付してある。プロジェクタ809は第1実施形態と第2実施形態とで説明した投写画像の鮮鋭度低下動作をいずれも実行可能である。
制御部120は予め定められた、OSDの生成に関するイベントの発生を検出する。OSDの生成に関するイベントとは、例えば警告や確認などを目的としたメッセージを表示するイベントや、メニュー画面や各種設定画面などと、その操作を視覚的にフィードバックするための表示を行うイベントなどである。イベントの内容と対応するOSDの内容に関しては例えば制御部120内のROMに記憶されている。制御部120は、OSDの生成に関するイベントの発生を検出すると、検出したイベントに対応するOSDの画像を生成するようOSD生成部903に指示する。
OSD生成部903は、制御部120の指示に応じたOSDの画像を生成し、画像処理部901へ出力する。また、OSD生成部903は、OSDの画像を出力すると、OSD表示中であるか否かを示すOSDステータス信号を、OSD表示中を示すHighレベル(以降、「’H’」と表記)に設定する。OSDステータス信号は制御部120および画像処理部901に入力される。OSD生成部903は、OSDが表示されていない場合、OSDステータス信号は、Lowレベル(以降、「’L’」と表記)に設定する。
画像処理部901は、OSD生成部903で生成されたOSDの画像を、通信部101を通じて外部装置から受信した元画像データの画像(元画像)の所定位置(例えば中央)に重畳して出力する。なお、上述したOSDステータス信号は画像処理部901が生成してもよい。この場合、画像処理部901はOSDの画像を元画像に重畳している間はHの、重畳していない間はLのOSDステータス信号を出力する。
そして、制御部120は、OSDステータス信号がHの間は、投写画像の鮮鋭度低下動作を実行しないように光学制御部108や画素ずらし制御部501を制御する。つまり、制御部120は、投写光学系109の合焦位置をずらしている場合(第1実施形態)には、例えばオートフォーカス動作を実行し、投写面が投写光学系109の焦点深度内に位置するようにする。また、制御部120は、第2の画素ずらし処理を実行している場合(第2実施形態)は中断するように画素ずらし制御部501に指示する。これにより、OSD表示が見づらくなることを抑制することができる。
本実施形態は例えば第3の実施形態と同様に、図3や図7のS302の直前または直後に、OSDを表示中か否か(OSDステータス信号がHか否か)を判定するステップを付加することに相当する。そして、制御部120はOSDを表示中(OSDステータス信号がH)と判定されればS304(図3)やS306(図7)に処理を移行させる。一方、制御部120は、OSDを表示中でない(OSDステータス信号がL)と判定されれば、S302もしくはS303/S703に処理を進める。
なお、本実施形態は第3実施形態と組み合わせることも可能である。この場合、投写画像の鮮鋭度低下動作は、
(1)印刷物投写モードが設定されている場合
(2)(1)に加え、投写領域内に印刷物が存在すると判定される場合
(3)(1)に関わらず、投写領域内に印刷物が存在すると判定される場合
のいずれか1つにおいて、
(4)画像を投写する印刷物の面または元画像データの高周波成分の量または割合が閾値以下と判定される場合
に実行され、それ以外の場合には実行されない。
なお、本実施形態では、OSD表示中は常に投写画像の鮮鋭度低下動作を停止する構成について説明した。しかし、予め定められた特定のOSDの表示中だけ投写画像の鮮鋭度低下動作を停止するように構成してもよい。例えば、OSDの種類ごとに予め表示優先度を設定しておき、所定の基準値より高い表示優先度が設定されたOSDの表示中だけ投写画像の鮮鋭度低下動作を停止するように構成することができる。
本実施形態によれば、OSDの表示中か否かに基づいて、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するか否かを決定する。そのため、第3実施形態と同様に、不必要に投影画像の鮮鋭度を低下させることを抑制することができる。
●(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
第4実施形態は、投写画像の鮮鋭度を下げる(またはボケ量を増やす)処理を実行するか否かを、OSDの表示中か否かによって制御する構成であった。本実施形態は、投影画像内の鮮鋭度の差を利用し、格子パターンを目立たなくするここと、OSDの視認性低下抑制とを両立させる。
例えば投写光学系の焦点距離が短く、投写距離が短い場合や、投写面と光軸との角度が垂直でない場合など、投写光学系の光学特性や光路長などの影響により、投写画像内で鮮鋭度(またはボケ量)に差が生じる。このような場合、他の位置よりも鮮鋭度が高い位置(またはボケ量が少ない位置)にOSDを表示するように制御することで、第2の合焦ずらし処理を実行しつつ、OSD表示の視認性低下を抑制させる。
図10は、本実施形態のプロジェクタ1100の機能構成例を示すブロック図である。なお、図10において、第1および第4実施形態で説明した構成に関しては図2および図9と同様の参照数字を付してある。
光学制御部1102は、第1実施形態で説明した光学制御部108と同様に、制御部120の制御に従って投写光学系109のズームレンズやフォーカスレンズを駆動する。光学制御部1102はまた、投写光学系109の焦点距離や合焦距離に関する情報を、制御部120に通知する。
制御部120は、光学制御部1102から得られる投写光学系109の情報と、予め記憶されている投写光学系109の光学特性に関する情報や投写面の位置情報などに基づいて、OSDの重畳位置を決定し、画像処理部1101に通知する。
画像処理部1101は、OSD生成部903から受信した画像を制御部120が決定した重畳位置に従って元画像に重畳して出力する。
次に、制御部120がOSD表示位置を決定する方法に関して図11を参照して説明する。図11(a)はプロジェクタ1100が印刷物に画像を投写している状態を投写面の正面から見ている模式図である。プロジェクタ1100にはフォトフレーム1203に挟まれた印刷物1202を固定する印刷物保持部1201が設けられている。図11(b)は図11(a)の状態を右側面から見た図である。プロジェクタ1100の投写光学系109が、印刷物1202に光学像を投写しており、1204は光学像を形成する光束の光路を模式的に示している。
このように、投写光学系109の光軸と投写面とが直交しない構成において、投影画像の位置による鮮鋭度(またはボケ量)の差について検討する。プロジェクタ1100からみて、投写画像上の位置aは位置bよりも遠いため、位置aにおける投写画像の鮮鋭度は位置bよりも低くなる。あるいは、位置aにおけるボケ量は位置bにおけるボケ量より大きい。
本実施形態において制御部120は、第1実施形態と同様に、印刷物へ画像を投写する場合には投写光学系109の焦点深度内に投写面(印刷物の上面)が位置しないように投写光学系109の合焦距離を制御する、印刷物投写用の焦点制御を実行する。そして、印刷物投写用の焦点制御を実行中にOSDを表示する場合、制御部120は投写画像内で鮮鋭度が他の位置よりも高い位置(ボケ量が他の位置よりも少ない位置)にOSDが表示されるように表示位置を決定する。
制御部120は、投写光学系109の焦点距離や光学特性、投写距離などに基づいて投写画像を例えば水平方向および垂直方向に分割した複数の領域のそれぞれにおけるボケ量(デフォーカス量)を算出する。そして、デフォーカス量が最も小さい領域を含むようにOSDの表示位置を決定し、画像処理部1101に通知する。
なお、図11に示すように、投写光学系109と投影面(フォトフレーム1203)との位置関係が既知の場合、投写光学系109が取り得る複数の焦点距離について、OSDの表示位置を関連づけて制御部120ないのROMなどに記憶しておいてもよい。あるいは、光路長が短い領域の方が投写画像の鮮鋭度は高くなるため、投写距離が短くなる領域にOSDを表示するように決定してもよい。つまり、投写光学系109と投影面との位置関係が固定であれば、制御部120は常に同じ位置(図11の例では一番下の領域)をOSDの表示位置として画像処理部1101に指示する。
あるいは、投写光学系109から投写領域内の距離を公知の測距方法に基づいて測定し、最も至近に位置する領域をOSDの表示位置として決定してもよい。例えば、情報取得部107で投写面を撮像した画像におけるボケ量の分布から、最も至近に位置する領域を特定することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、例えば投写面と投写光学系との位置関係により、投影画像内の鮮鋭度に差が生じる場合には、鮮鋭度がよい位置にOSDを表示するようにした。そのため、例えば印刷物投写用の焦点制御が実行されている場合であっても、OSD表示の鮮鋭度低下を抑制することができる。
●(第6実施形態)
第5実施形態では、投写画像の鮮鋭度(またはボケ量)が不均一となる投写条件で印刷物投写用の焦点制御を実行中にOSD表示する場合、投写画像の鮮鋭度の低下が少ない位置にOSDを表示する構成であった。本実施形態は、第5実施形態の構成に対してレンズシフトを組み合わせることにより、OSD非表示時の投写画像における格子パターン抑制効果を高める構成である。
本実施形態は第5実施形態で説明したプロジェクタ1100で実施可能であるため、以下ではプロジェクタ1100の構成を用いて説明する。
図12は、投写光学系109と投写面との角度が投写画像のデフォーカス状態に与える影響を模式的に示した図である。投写面1301、合焦面(破線で図示)1302、空間変調素子(液晶パネル)1303、投写レンズ1304で構成される。
光学変調素子である液晶パネル104の表示面、投写光学系109のレンズ主平面、および合焦面1302は、シャインプルーフの定理により同一の点Sまたは点S’で交わる。図12では投写光学系109のチルト角をrまたはr’で表記し、投写面1301と合焦面1302との距離(デフォーカス量)をDと表記している。投写光学系109のチルト角とは、液晶パネル104の表示面と投写光学系109のレンズ主面とがなす角度とする。
図12(a)は、通常投写用の焦点制御により、投写光学系109が投写面1301に合焦した状態を示し、この状態で投写画像の鮮鋭度が最も高くなる。
一方、図12(b)は、印刷物投写用の焦点制御により、投写面1301が投写光学系109の焦点深度外になるように投写光学系109の合焦距離が制御された状態を示している。ここでは、投写光学系109のチルト角rに変更はない。この場合、第5実施形態と同様に、合焦面1302と投写面1301との距離は一定でないため、投影画像のボケ(または鮮鋭度)は均一ではない。合焦面1302との距離が位置bより大きい位置aにおけるボケ量は、位置bでのボケ量よりも大きくなる。
図12(c)は、図12(a)の状態から投写光学系109のフォーカスレンズの位置は変更せず、投写光学系109のチルト角rをr’に変更した状態を示している。チルト角がrからr’になることで、点Sは点S’に移動し、合焦面1302が投写面1301と平行を維持しながら距離Dの位置に移動している。つまり、フォーカスレンズの位置を変更する代わりに投写光学系109のチルト角を変更することで、投影画像の鮮鋭度を均一に低下させることができる。
ここで、印刷物投写用の焦点制御を実行中の場合のOSD表示について考える。
図12(b)において、例えば、位置aにおいては格子パターンを目立たせなくするのに十分なボケ量が得られているが、位置aよりボケ量の少ない位置bではボケ量が不十分であるとする。この場合、第5実施形態で説明したように、位置bにOSDを表示することで、OSDの鮮鋭度低下を抑制できる。しかし、OSDを表示していない場合に位置bで格子パターンが視認できることは印刷物投写用の焦点制御の観点からは望ましくない。
本実施形態では、OSD表示時には印刷物投写用の焦点制御を実行し、OSD非表示時には投写光学系109をチルトする。これにより、第5実施形態の構成におけるOSD非表示時の投写画像の格子パターン抑制効果を高めることができる。
図13は、本実施形態におけるOSD表示動作に関するフローチャートである。ここでは一例として、第1実施形態においてS305で印刷物投写用の焦点制御が実行されたのちにS306に移行して画像表示が行われた後におけるOSD表示を想定している。なお、投写光学系109のレンズ主面(または光軸)はチルト可能であり、チルト角は光学制御部108を通じて制御部120から変更可能であるものとする。
S1401において制御部120は、例えばOSDステータス信号に基づいて、OSD表示が開始されたか否かを判定し、開始されたと判定されればS1403に、開始されたと判定されなければS1411に処理を進める。
S1403で制御部120は、投写光学系109を現在チルト中か否かを判定し、チルト中と判定されればS1405へ、判定されなければS1407へ処理を進める。ここで、チルト中とは図12においてチルト角がrからr’になっている状態を示す。投写光学系109のチルト角は光学制御部108を通じて取得することができる。
S1405で制御部120は、投写光学系109のチルトを解除する。具体的には、制御部120は、投写光学系109のチルト角をr’からrにするように光学制御部108に指示する。チルトの解除により、図12(c)から図12(a)の状態になる。
S1407で制御部120は、印刷物投写用の焦点制御を実行する。投写光学系109のチルト解除により、合焦面1302と投写面1301とが合致した状態(図12(a))になる。そのため、制御部120は第1実施形態のS305と同様にして投写光学系109のフォーカスレンズを駆動し、投写画像の鮮鋭度を低下させる。印刷物投写用の焦点制御を行うと、合焦面1302と投写面1301との関係は図12(b)の状態になる。
S1409で制御部120は、第5実施形態で説明したように、投写画像にOSDの画像を重畳する位置として、印刷物投写用の焦点制御に起因する鮮鋭度の低下が少ない位置を決定し、OSDの表示を制御する。その後、制御部120は処理をS1401に戻す。
一方、S1411で制御部120は、例えばOSDステータス信号に基づいて、OSD表示が終了したか否かを判定し、終了したと判定されればS1413に処理を進め、終了したと判定されなければS1401に処理を戻す。
S1413で制御部120は、印刷物投写用の焦点制御を解除する。すなわち、投写光学系109の合焦面1302が投写面1301と一致するようにフォーカスレンズを駆動する。印刷物投写用の焦点制御の解除は、実質的にはオートフォーカス動作と同様であってよい。
そして、S1415で制御部120は、投写光学系109をあらかじめ定めた角度だけチルトさせる。具体的には、制御部120は、投写光学系109のチルト角をrからr’にするように光学制御部108に指示する。チルト角は例えば投写面1301が投写光学系109の焦点深度から外れる最小限の角度であってよい。投写光学系109のチルトにより、図12(a)から図12(c)の状態になる。その後、制御部120は処理をS1401に戻す。
このように、本実施形態によれば、投影画像の鮮鋭度を低下させる方法として投写光学系をシフトさせることと、投写光学系の合焦距離を変更することとを選択的に実行可能にした。そして、OSD非表示時には投写光学系のシフトを、OSD表示時には投写光学系の合焦距離の変更を、それぞれ実行するようにした。そのため、格子パターンの視認性を低下させつつ、OSDの鮮鋭度低下を抑制することが可能である。
なお、投写光学系のチルトによって投写画像の鮮鋭度を低下させる手法は、第1実施形態における印刷物投写用の焦点制御や第2実施形態における第2の画素ずらし処理と同様、単独で実施することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では投写画像の鮮鋭度を低下させるか否かをプロジェクタの制御部が判定し、投写画像の鮮鋭度を低下させるように光学制御部や画素ずらし制御部などを制御する構成について説明した。しかし、例えば情報処理装置や撮像装置といった、外部の制御装置からの指示によってプロジェクタの制御部が投写画像の鮮鋭度を低下させるように光学制御部や画素ずらし制御部などを制御する構成であってもよい。例えば、制御部は、外部の制御装置の出力部または通信部を通じて受信した印刷物投写モードの設定要求に応答して、プロジェクタの投写モードを印刷物投写モードに設定する。あるいは、制御部は、外部の制御装置の出力部または通信部を通じて格子パターン抑制指示を受信すると、上述した投写画像の鮮鋭度を低下させる処理のいずれかを実行することができる。
さらには、外部の制御装置は、プロジェクタに出力する投影用の画像信号を切り替えることで上述の実施形態と同様の処理を実現してもよい。
具体的には、外部の制御装置は、光学像を印刷物に投写しない場合よりも鮮鋭度を低下させた画像信号を、出力部または通信部を通じてプロジェクタに送信するようにしてもよい。つまり、外部の制御装置は、プロジェクタもしくは外部の制御装置で印刷物投写モードが設定されたことを検出した場合、鮮鋭度を低下させる画像処理を適用してから画像信号を出力部または通信部を通じてプロジェクタに送信するようにしてもよい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
図14はプロジェクタ100の外部の制御装置として利用可能な電子機器の一例である汎用コンピュータ装置(PC201)の機能構成例を模式的に示すブロック図である。
CPU210は1つ以上のプログラマブルプロセッサであり、ROM212や記憶装置213に記憶されているOSやアプリケーションなどのプログラムをRAM211にロードして実行することにより、PC201の機能を実現する。CPU210にはディスプレイコントローラやGPUなどが内蔵されていてもよい。なお、PC201が主体として記載されている動作は、実際にはCPU210がプログラムを実行することにより実現する。
RAM211はCPU210が実行するプログラムをロードしたり、プログラムの一時的な情報を記憶したり、データを一時的にバッファしたりするために用いられる。一部が表示装置215のビデオメモリとして用いられてもよい。
ROM212はCPU210が実行するプログラム、各種の設定値およびパラメータ、GUIデータなどを記憶する。ROM212は書き換え可能であってよい。
記憶装置213はOS、アプリケーションプログラム、データファイルなどを記憶する。記憶装置213はハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブなどであってよい。
I/F214は、外部機器との通信インタフェースであり、一般には複数の規格に準拠したインタフェース群からなる。例えば、USBやイーサネット(登録商標)などの規格に準拠した有線通信インタフェース、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、携帯電話網(3G、4Gなど)などの規格に準拠した無線通信インタフェースが含まれてよい。また、HDMI(登録商標)やDisplayPortなどの規格に準拠した外部ディスプレイ用のインタフェースもI/F214に含まれる。上述のプロジェクタ100もI/F214を介してPC201と通信を行う。
表示装置215は例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、OSやアプリケーションプログラムが様々な表示を行う。表示装置215の表示はCPU210が制御する。
入力装置216はキーボードやポインティングデバイスなど、ユーザがPC201に入力するための1つ以上の入力デバイスである。
CPU210は、例えば入力装置216の操作により印刷物投写モードの設定が指示されると、I/F214を通じてプロジェクタ100に印刷物投写モードの設定要求を送信する。
また、CPU210は、プロジェクタ100が印刷物投写モードに設定されているか否かを、プロジェクタ100から状態情報を取得したり、プロジェクタ100からの通知を受信することによって検出することができる。そして、CPU210は、プロジェクタ100が印刷物投写モードに設定されていることを検出すると、プロジェクタ100に送信する画像に対して鮮鋭度を低下させる画像処理を適用する。そして、CPU210は、鮮鋭度を低下させた画像を、I/F214を通じてプロジェクタ100に送信する。また、CPU210は、印刷物投写モードの設定要求を送信した後、あるいは印刷物投写モードの設定完了の通知をプロジェクタ100から受信した後は、鮮鋭度を低下させてから画像をプロジェクタ100に送信する。
100…プロジェクタ、101…通信部、102…画像処理部、103…液晶制御部、104…液晶パネル、105…光源制御部、106…光源、107…情報取得部、108…光学制御部、109…投写光学系、110…操作部、120…制御部

Claims (20)

  1. 複数の画素を有し、光源からの光を変調する光学変調素子と、
    前記光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系と、
    制御手段と、を有する表示装置であって、
    前記制御手段は、前記光学像を印刷物に投写する場合、前記光学像を印刷物に投写しない場合よりも前記光学像の鮮鋭度を低下させることを特徴とする、表示装置。
  2. 前記制御手段は、前記投写光学系の合焦距離を制御することにより、前記光学像の鮮鋭度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記制御手段は、前記投写光学系をチルトさせることにより、前記光学像の鮮鋭度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記光学像の光路をシフトする光路シフト素子をさらに有し、
    前記制御手段は、前記光路シフト素子を駆動することにより、前記光学像の鮮鋭度を低下させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  5. 前記制御手段は、前記表示装置が印刷物投写モードに設定されている場合に、前記光学像を印刷物に投写すると判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記制御手段は、前記光学像の投写面に印刷物が存在すると判定された場合に、前記光学像を印刷物に投写すると判定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
  7. 前記光学変調素子は、画像データに基づいて前記複数の画素の透過率または反射率を制御することによって前記光を変調することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記制御手段は、前記画像データによって表される画像の高周波成分の量または割合があらかじめ定められた閾値を超える場合には、前記光学像を印刷物に投写する場合であっても、前記光学像の鮮鋭度を低下させないことを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記制御手段は、前記光学像の投写距離があらかじめ定められた所定値以上の場合には、前記光学像を印刷物に投写する場合であっても、前記光学像の鮮鋭度を低下させないことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の表示装置。
  10. 前記制御手段は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)の実行中は、前記光学像を印刷物に投写する場合であっても、前記光学像の鮮鋭度を低下させないことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
  11. 投写された前記光学像のボケ量が前記光学像の位置によって異なる場合、前記制御手段は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)の画像の表示位置を、前記ボケ量が他の位置よりも少ない位置に決定することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
  12. 前記制御手段は、
    オンスクリーンディスプレイ(OSD)を実行していない場合には前記投写光学系をチルトして前記光学像の鮮鋭度を低下させ、
    前記OSDの実行中には前記投写光学系の合焦距離を制御することによって前記光学像の鮮鋭度を低下させる、
    ことを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
  13. 前記制御手段は、外部装置からの指示に応じて、前記光学像を印刷物に投写しない場合よりも前記光学像の鮮鋭度を低下させることを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の表示装置。
  14. 複数の画素を有し、光源からの光を変調する光学変調素子と、前記光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系とを有する表示装置を制御する制御装置であって、
    前記表示装置と通信する通信手段と、
    前記光学像を印刷物に投写する場合に、前記光学像を印刷物に投写しない場合よりも前記光学像の鮮鋭度を低下させるための指示を、前記通信手段を用いて前記表示装置に送信するよう制御する制御手段を有することを特徴とする制御装置。
  15. 画像信号に基づき光源からの光を変調する光学変調素子と、前記光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系とを有する表示装置を制御する制御装置であって、
    前記表示装置に画像信号を出力する出力手段と、
    前記光学像を印刷物に投写する場合に、前記光学像を印刷物に投写しない場合よりも鮮鋭度を低下させた前記画像信号を前記出力手段を用いて前記表示装置に送信するよう制御する制御手段を有することを特徴とする制御装置。
  16. 複数の画素を有し、光源からの光を変調する光学変調素子と、前記光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系と、を有する表示装置の制御方法であって、
    前記光学像を印刷物に投写する場合、前記光学像を印刷物に投写しない場合よりも前記光学像の鮮鋭度を低下させる制御工程を有することを特徴とする、表示装置の制御方法。
  17. 複数の画素を有し、光源からの光を変調する光学変調素子と、前記光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系とを有する表示装置を制御する制御装置の制御方法であって、
    前記光学像を印刷物に投写する場合に、前記光学像を印刷物に投写しない場合よりも前記光学像の鮮鋭度を低下させるための指示を、通信手段を用いて前記表示装置に送信するよう制御する制御工程を有することを特徴とする、制御装置の制御方法。
  18. 画像信号に基づき光源からの光を変調する光学変調素子と、前記光学変調素子で変調された光による光学像を投写する投写光学系とを有する表示装置を制御する制御装置の制御方法であって、
    前記光学像を印刷物に投写する場合に、前記光学像を印刷物に投写しない場合よりも鮮鋭度を低下させた前記画像信号を、出力手段を用いて前記表示装置に送信するように制御する制御工程を有することを特徴とする制御装置の制御方法。
  19. 表示装置が有するコンピュータを、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の表示装置の前記制御手段として機能させるためのプログラム。
  20. コンピュータを、請求項14または15に記載の制御装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
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