JP2019062259A - セラミックパッケージ及びその製造方法、並びに圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】共有部品を水晶振動子等の販売量に合わせて活用してセラミックパッケージを適宜製造できる技術を提供する。【解決手段】セラミックパッケージ180は、平面視で長方形であり、外部部材に合金により接続され使用される外部電極を形成した第1面と引出電極と接続する接続バンプを形成し且つ第1面とは反対側の第2面とを有する焼成されたセラミック製の下部板130と、下部板の縁領域に対応する枠形状で、第2面に配置される第3面と該第3面の反対側の第4面とを有する焼成されたセラミック製の枠板110と、下部板の第2面と枠板の第3面とを接合していて前記合金の融点より高い融点を持つ第1共晶合金EAと、を備える。【選択図】図5
Description
本発明は、例えば、水晶振動子用パッケージ、水晶発振器用パッケージ、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ用パッケージなどの電子部品を収納するためのセラミックパッケージ及びその製造方法に関するものである。
特許文献1に示されるように、水晶振動子など収容するパッケージとして、セラミックパッケージが使用されている。このセラミックパッケージは、板状のセラミックグリーンシートに枠形状のセラミックグリーンシートを積層させて周縁に壁を形成し、セラミックパッケージ内にキャビティを形成して焼成している。その後、そのキャビティ内に、水晶振動子やICチップを収容して、水晶振動子等を封止できるようにしている。
しかしながら、ある水晶振動子等に使用するパッケージの構成部品のうち、他の水晶振動子等に使用するパッケージの構成部品に使用できるものもあり、それら共有部品を水晶振動子等の販売量に合わせて、うまく活用したい要望があった。
そこで、本発明は、セラミックパッケージを適宜製造できるような技術を提案する。
第1観点のセラミックパッケージは、励振電極と該励振電極から引き出される引出電極とを有する圧電振動片が載置され、別途用意される外部部材に合金で接合されるパッケージである。このパッケージは、平面視で長方形であり、外部部材との接続に使用する外部電極を形成した第1面と引出電極と接続する接続バンプを形成し且つ第1面とは反対側の第2面とを有する焼成されたセラミック製の下部板と、下部板の縁領域に対応する枠形状で、第2面に配置される第3面と該第3面の反対側の第4面とを有する焼成されたセラミック製の枠板と、下部板の第2面と枠板の第3面とを接合する上記合金の融点より高い融点を持つ第1共晶金属と、を備える。
このセラミックパッケージの下部板は長方形の外周から内側に凹んだキャスタレーションを有し、下部板は、第2面に形成され、接続バンプからキャスタレーションまで伸びる配線電極と配線電極の一部を覆う絶縁層とを有し、第2共晶電極は絶縁層に配置される。
そしてキャスタレーションは、下部板の角部又は長方形の短辺に形成される。
配線電極はキャスタレーションに形成されるキャスタレーション電極まで伸びており、絶縁層は、キャスタレーション電極を覆う。
そしてキャスタレーションは、下部板の角部又は長方形の短辺に形成される。
配線電極はキャスタレーションに形成されるキャスタレーション電極まで伸びており、絶縁層は、キャスタレーション電極を覆う。
別の観点の圧電デバイスは、励振電極と該励振電極から引き出される引出電極とを有する圧電振動片と、平面視で長方形であり、外部部材との接続に使用する外部電極を形成した第1面と引出電極と接続する接続バンプを形成し且つ第1面とは反対側の第2面とを有する焼成されたセラミック製の下部板と、下部板の縁領域に対応する枠形状で、第2面に配置される第3面と該第3面の反対側の第4面とを有する焼成されたセラミック製の枠板と、第4面に配置されるキャップと、を備える。さらに、外部電極の接続に使用される合金の融点温度よりも高い第1融点温度で、下部板の第2面と枠板の第3面とを接合する第1共晶金属と、枠板の第4面とキャップとを接合する上記合金の融点温度より高く前記第1融点温度より低い融点温度を持つ第2共晶金属と、を備える。
別の観点の圧電振動片用のパッケージの製造方法は、平面視で長方形であり、外部部材との接続に使用する外部電極を形成した第1面と引出電極と接続する接続バンプを形成し且つ第1面とは反対側の第2面とを有する焼成されたセラミック製の下部板を用意する工程と、下部板の縁領域に対応する枠形状で、第2面に配置される第3面と該第3面の反対側の第4面とを有する焼成されたセラミック製の枠板を用意する工程と、第1融点温度の第1共晶金属を溶かして下部板の第2面と枠板の第3面とを接合する接合工程と、を備える。
また別の圧電デバイスの製造方法は、上記観点のパッケージの製造方法で製造されたパッケージを用意する工程と、圧電振動片を用意する工程と、パッケージに接合されるキャップを用意する工程と、接続バンプに引出電極を接続する接続工程と、第1融点温度よりも低く外部電極が接合される合金例えばハンダ融点温度よりも高い第2融点温度の第2共晶金属を溶かして、枠板の第4面とキャップとを接合する工程と、を備える。
本発明は、適宜セラミックパッケージを製造することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、説明に用いる各図はこれら発明を理解できる程度に概略的に示してあり、大きさ、角度又は厚み等は誇張して描いている。また説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の実施形態中で述べる形状、寸法、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。
[第1実施形態]
<セラミックパッケージの構成>
まず、第1実施形態のセラミックパッケージについて説明する。図1はセラミックパッケージ80を理解のため、複数の層に分けて描いた図である。図1に示されるように、本実施形態のセラミックパッケージ80は、例えば圧電振動子の容器(圧電振動子パッケージ)として用いられるものであり、この圧電振動子は、セラミックパッケージ80の凹部(キャビティ)内に、圧電振動片を収容し、金属キャップCA(不図示)にて密閉したものである。
<セラミックパッケージの構成>
まず、第1実施形態のセラミックパッケージについて説明する。図1はセラミックパッケージ80を理解のため、複数の層に分けて描いた図である。図1に示されるように、本実施形態のセラミックパッケージ80は、例えば圧電振動子の容器(圧電振動子パッケージ)として用いられるものであり、この圧電振動子は、セラミックパッケージ80の凹部(キャビティ)内に、圧電振動片を収容し、金属キャップCA(不図示)にて密閉したものである。
セラミックパッケージ80は、例えばアルミナからなり、図1に示されるように、セラミックパッケージ80の底部を構成する長方形の下部セラミック板30と、下部セラミック板30上に形成された枠状の中間セラミック板20と、中間セラミック板20上に形成された枠状の上部セラミック板10とが積層されて形成される。上部セラミック板10及び中間セラミック板20は、キャビティの周囲を囲む壁となる枠部が形成されている。
上部セラミック板10は、短辺と長辺とからなる長方形の枠体であり上面11とその反対の下面12とを有する。また長方形の上部セラミック板10の角部には、外周から内側に凹んだ上部キャスタレーション13が形成されている。セラミックパッケージ80の表面となる上面11には、表面導体層17が形成されている。この表面導体層17は、例えばタングステン(W)からなるメタライズ層の上に、ニッケルメッキ層が形成され、更にニッケルメッキ層の上に金メッキ層が形成されたものである。この金メッキ層の上に、コバール等の金属キャップが取り付けられる。
中間セラミック板20は、短辺と長辺とからなる長方形の枠体であり上面21とその反対の下面22とを有する。また長方形の中間セラミック板20の角部には、外周から内側に凹んだ中間キャスタレーション23が形成されている。中間セラミック板20の一方の短辺側に、キャビティ内にて段差を形成するように一対の張出部26が形成されており、この張出部26の上面には、接続バンプ25が形成されている。従って、この接続バンプ25は、表面側から見た場合、上部セラミック板10の内壁より内側に張り出している。接続バンプ25は、例えばタングステン(W)からなるメタライズ層の上に、ニッケルメッキ層が形成され、更にニッケルメッキ層の上に金メッキ層が形成されたものである。また張出部26には、接続バンプ25を電気的に下部セラミック板30の配線電極35(35a、35b)に接続するため、上面21から下面22へ貫通するビア24が形成されている。なお、圧電振動片は、導電性接着により接続バンプ25に接合される。
下部セラミック板30は、短辺と長辺とからなる長方形の平板であり上面31とその反対の下面32とを有する。また長方形の下部セラミック板30の角部には、外周から内側に凹んだ下部キャスタレーション33が形成されている。下部セラミック板30の上面31には、ビア配線24に対応する位置から中間セラミック板20の枠部と重ならないように長辺に沿って伸び、さらに一方の下部キャスタレーション33まで伸びる配線電極35aと、ビア配線24に対応する位置から他方の下部キャスタレーション33まで伸びる配線電極35bとが形成されている。
配線電極35(35a、35b)は、その表面の一部がアルミナからなる絶縁層36で覆われている。つまり、セラミックパッケージ80を表側から見た場合、配線電極35が、ビア配線24に対応する位置のみが露出するように、中間セラミック板20の長辺に沿って下部キャスタレーション33まで絶縁層36が形成されている。この絶縁層36は、配線電極35が他の不要な導電体と接触しないために設けられている。図1では、絶縁層36と配線電極35との位置関係が理解できるように絶縁層36が半透明に描かれている。配線電極35(35a、35b)は、例えばタングステン(W)からなるメタライズ層の上に、ニッケルメッキ層が形成され、更にニッケルメッキ層の上に金メッキ層が形成されたものである。また、配線電極35の絶縁層36で覆われた部分には、ニッケルメッキ層及び金メッキ層が形成されている必要はない。
下部セラミック板30の下面32の外周部には、タングステン等のような高融点金属のメタライズ層からなる外部電極34が複数個設けられている。これらの外部電極34は、セラミックパッケージ80を図示しない他の基板上に実装する際に対して接合される。また、このメタライズ層は下部キャスタレーション33にもキャスタレーション電極38として形成される。キャスタレーション電極38は配線電極35に接続して、配線電極35と外部電極34とを導通させている。また、絶縁層36はキャスタレーション33まで伸びていてもよい。
本実施形態では説明しないが、最終製品が圧電発振器の場合には、ICチップ等が、下部セラミック板30の表面31に配置される。すなわち、張出部26の接続バンプ25に接続される圧電振動片40の下側で、ICチップが下部セラミック板30の中央部分に形成されたパターン(図示せず)に接続される。
第1実施形態では、上部セラミック板10と中間セラミック板20とが共晶金属EAで接合され、中間セラミック板20と下部セラミック板30とが共晶金属EAで接合される。図1では、枠形状の共晶金属EAが独立体として描かれているが、上部セラミック板10の下面12又は中間セラミック板20の上面21の少なくとも一方に共晶金属EAがスクリーン印刷の手法によって印刷され、また中間セラミック板20の下面22又は下部セラミック板30の上面31の少なくとも一方に共晶金属EAがスクリーン印刷の手法によって印刷されて形成される。
上部セラミック板10と中間セラミック板20との接合に用いる共晶金属EA、および中間セラミック板20と下部セラミック板30との接合に用いる共晶合金EA各々は、以下の条件を満たすものである。すなわち、共晶合金EAは、外部電極34を外部電子機器等の外部部材に接続する際に用いる合金(具体的には鉛フリーハンダ等の融点より高く、かつ、キャップCAと上部セラミック板10とを接合する共晶合金(具体的には金錫合金等)の融点より高い融点を持つものであり、この発明で言う第1共晶合金である。この共晶合金EAは、上記条件を満たすものであれば特に限定されない。例えば、亜鉛−アルミニウム系ハンダ(例えばソルダーコート社製商品名LLS385.融点385°)、銅−錫系(融点300℃。合金化後は融点が400℃を越えるもの)等を挙げることができる。圧電デバイスを得るための封止工程でキャップCAと上部セラミック板10との接合用合金を溶融させる温度、高くても300℃程度であり、また、完成した圧電デバイスの外部電極34を外部電子機器等の外部部材に接続するためのハンダリフロー炉の温度は、一般に250℃〜280℃程度であるから、共晶金属EAとして上記条件を満たすものを用いておけば、上部セラミック板10、中間セラミック板20及び下部セラミック板30がそれぞれの接合が溶けることはない。
次に図2を使ってセラミックパッケージ80をさらに詳述する。図2(a)は上からキャビティを見たセラミックパッケージ80の平面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B断面図である。特に、図2(a)では、絶縁層36及び配線電極35の位置が理解できるように、上部セラミック板10、表面導体層17、中間セラミック板20及び共晶金属EAが半透明に描かれている。また図2(b)では、金属キャップCA及び圧電振動片40を点線で描いている。なお図2(b)では中間セラミック板20の下面22が宙に浮いて描かれているが、配線電極35及び絶縁層36の厚さを強調して描いてあるためである。
図2(a)及び(b)に描かれているように、張出部26に接続バンプ25が形成されているが、接続バンプ25は、上部セラミック板10の枠体の短辺又は中間セラミック板20の枠体の短辺から距離W1離れており、また上部セラミック板10の枠体の長辺又は中間セラミック板20の枠体の長辺から距離W2離れている。これは、上部セラミック板10と中間セラミック板20とを結合する共晶金属EAが漏れ出たりスクリーン印刷等でずれて印刷されたりして、共晶金属EAと接続バンプ25とがショート(短絡)しないためである。図示しないが、接続バンプ25の短辺側(+Y軸側)及び長辺側(−X軸側)に絶縁層を形成して、さらに共晶金属EAと接続バンプ25とがショートしないように構成してもよい。
次に、キャスタレーション33の付近の配線電極35、絶縁層36及びキャスタレーション電極38について図2(b)を使って詳述する。キャスタレーション電極38はタングステン等のメタライズによって外部電極34とともに形成される。その後、配線電極35がスクリーン印刷等によって形成され、キャスタレーション電極38の上に被さり、配線電極35からキャスタレーション電極38を介して外部電極34まで導通する。逆に配線電極35を形成した後にキャスタレーション電極38及び外部電極34が形成され、配線電極35からキャスタレーション電極38を介して外部電極34まで導通してもよい。その後、絶縁層36が配線電極35とキャスタレーション33を覆うように形成される。その後中間セラミック板20の下面22又は下部セラミック板30の上面31の少なくとも一方に共晶金属EAがスクリーン印刷の手法によって印刷されて形成される。そして中間セラミック板20と下部セラミック板30とが重ねられる。両者が重ねられた際に、共晶金属EAが広がって中間セラミック板20の枠体からはみ出しても、絶縁層36があるために共晶金属EAが配線電極35又はキャスタレーション電極38にショートすることはない。
<圧電振動片の構成>
図3(a)は、第1実施形態の圧電振動片40の平面図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B断面図である。圧電振動片40は励振電極41と引出電極43とを有している。圧電振動片40は長辺がY軸方向に伸び、短辺がX軸方向に伸びる長方形の平板状に形成されている。
図3(a)は、第1実施形態の圧電振動片40の平面図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B断面図である。圧電振動片40は励振電極41と引出電極43とを有している。圧電振動片40は長辺がY軸方向に伸び、短辺がX軸方向に伸びる長方形の平板状に形成されている。
圧電振動片40の主面表裏(+Z軸側の各面)にはそれぞれ励振電極41が形成されている。各励振電極41は同形状でありZ軸方向に互いに重なるように形成されている。励振電極41は長軸がY軸方向に伸び、短軸がX軸方向に伸びる四角形状又は図示しない楕円形状に形成されており、各励振電極41からは、圧電振動片40のY軸側の辺の両端にそれぞれ引出電極43が引き出されている。引出電極43は接続バンプ25に導電性接着剤などで接着される。
図3(b)は、圧電振動片がATカット又はSCカット等の水晶振動片である場合、電位が加えられて振動する振動周波数は水晶片の厚さに反比例するため、その厚さは圧電振動片40の振動周波数に応じて決められる。主振動を閉じ込めるため、振動片はY軸方向の一端側及び他端側は薄く形成されている。圧電振動片40は、ATカット圧電振動片以外にも、音叉型の圧電振動片等の他の振動モードの振動片であっても良い。
<セラミックパッケージの製造方法>
次に、第1実施形態のセラミックパッケージ80の製造方法について図4を使って説明する。なお、このフローチャートは1つのパッケージを製造する製造方法として説明するが、本来の製造方法は何百ものパッケージを同時に製造する。
次に、第1実施形態のセラミックパッケージ80の製造方法について図4を使って説明する。なお、このフローチャートは1つのパッケージを製造する製造方法として説明するが、本来の製造方法は何百ものパッケージを同時に製造する。
まず上部セラミック板10の製造について説明する。アルミナを主成分とするスラリーを用いて、上部セラミック板10となる上部用の長方形のグリーンシート(図示せず)を作成する(ステップS411)。 次に、グリーンシートの表面の所定位置(枠状となる部分)に、タングステンペーストを用いた印刷により、表面導体層17となるタングステンパターンを形成する(ステップS412)。次に、枠状の上部セラミック板10に対応するように、このグリーンシートの中央を打ち抜いて上部用グリーンシートを作成する(ステップS413)。そして上部用グリーンシートを焼成し(ステップS414)、露出したタングステンに対して、最初に電解ニッケルメッキを施し、更にそのニッケルメッキの上に電解金メッキを施す(ステップ315)。これにより、上部セラミック板10が完成する。
次に中間セラミック板20の製造について説明する。アルミナを主成分とするスラリーを用いて、中間セラミック板20となる中間用の長方形のグリーンシートを作成する(ステップS421)。次に、グリーンシートにビア24用のビア孔を空けて、タングステンペーストを充填する(ステップS422)。次に、このグリーンシートの表面の接続バンプ25に対応する位置に、タングステンペーストをスクリーン印刷により、接続バンプ25となるタングステンパターンを形成する(ステップS423)。図2で説明したように、このタングステンパターンは、枠体から距離W1及びW2離れて印刷されている。
次に、中間セラミック板20に対応するように、このグリーンシートの中央を打ち抜いて中間用グリーンシートを作成する(ステップS424)。そして中間用グリーンシートを焼成し(ステップS425)、露出したタングステンに対して、最初に電解ニッケルメッキを施し、更にそのニッケルメッキの上に電解金メッキを施す(ステップ326)。これにより、中間セラミック板20が完成する。
最後に下部セラミック板30の製造について説明する。アルミナを主成分とするスラリーを用いて、下部セラミック板30となる下部用グリーンシートを作成する(ステップS431)。次に、下部用グリーンシートの表面に、タングステンペーストをスクリーン印刷して、配線電極35、外部電極34及びキャスタレーション電極38となる第1導電層パターンを形成する(ステップS432)。
次に、配線電極35(接続バンプ25に対応する部分を除く)及びキャスタレーション電極38(外部電極34に近い部分を除く)を覆うように、アルミナペーストをスクリーン印刷して、絶縁層36を形成する(ステップS433)。なお、キャスタレーション33へはアルミナペーストを直接印刷することはできないが、キャスタレーション用に余分の長さを印刷すれば自重によりキャスタレーション33の一部を覆うことができ、絶縁層36となる。そして下部用グリーンシートを焼成し(ステップS434)、タングステンが露出した部分に対して、最初に電解ニッケルメッキを施し、更にそのニッケルメッキの上に、電解金メッキを施す(ステップ335)。これにより、下部セラミック板30が完成する。
そして、上部セラミック板10の下面12又は中間セラミック板20の上面21の少なくとも一方に共晶金属EAがスクリーン印刷で印刷され、また中間セラミック板20の下面22又は下部セラミック板30の上面31の少なくとも一方に共晶金属EAがスクリーン印刷で印刷される(ステップS441)。そして上部セラミック板10と中間セラミック板20と下部セラミック板30とが積層され、この共晶合金EAの融点以上の温度が加わるリフロー炉に入れられてそれら3枚が共晶金属EAで接合される(ステップS442)。これにより、セラミックパッケージ80が完成する。
セラミックパッケージ80の接続バンプ25に導電性接着剤が塗布される。そして導電性接着剤の塗布が済んだ接続バンプ25に圧電振動片40の引出電極43が重なるように置かれ、導電性接着剤の硬化がされて、圧電振動片40はセラミックパッケージ80のキャビティ内に固定される(ステップS443)。
次に、圧電振動片40を接着し終えたセラミックパッケージ80の表面導体層17に、銀−錫合金等のろう材が形成された金属キャップCAがろう材側を下にして載置される(ステップS444)。その金属キャップCAを載置した状態で、セラミックパッケージ80は窒素ガス雰囲気又は真空中に運ばれて、不図示のシーム溶接機のローラ電極間に電気を流すことで、金属キャップCAが封止される(ステップS445)。このようにして、圧電デバイスが製造される。第1実施形態では、上部セラミック板10に表面導体層17を形成したが、必ずしも表面導体層17を形成する必要はない。例えば上部セラミック板10、中間セラミック板20及び下部セラミック板30を接合する共晶金属EAよりも融点が低い別の共晶金属を使ってセラミックパッケージ80と金属キャップCA(ろう材無し)とを接合することも可能である。
このように、第1実施形態では、上部セラミック板10と中間セラミック板20と下部セラミック板30とが別々に形成され、必要に応じてそれぞれの板が使われるため、圧電振動子及び圧電発振器(圧電デバイス)の出荷数量に対して適宜対応できる。また、中間セラミック板20を不要とするセラミックパッケージもある。この場合には上部セラミック板10と下部セラミック板30とを共晶金属EAで接合される。
[第2実施形態]
<セラミックパッケージの構成>
第2実施形態のセラミックパッケージについて説明する。図5(a)は上からキャビティを見たセラミックパッケージ180の平面図であり、図5(b)は図5(a)のB−B断面図である。第2実施形態のセラミックパッケージ80も、第1実施形態と同様に、圧電振動子又は圧電発振器に使用されるものである。図5(a)では、絶縁層136及び配線電極135の位置が理解できるように、上部セラミック板10、表面導体層17及び共晶金属EAが半透明に描かれている。また図2(b)では、金属キャップCAを点線で描いている。
<セラミックパッケージの構成>
第2実施形態のセラミックパッケージについて説明する。図5(a)は上からキャビティを見たセラミックパッケージ180の平面図であり、図5(b)は図5(a)のB−B断面図である。第2実施形態のセラミックパッケージ80も、第1実施形態と同様に、圧電振動子又は圧電発振器に使用されるものである。図5(a)では、絶縁層136及び配線電極135の位置が理解できるように、上部セラミック板10、表面導体層17及び共晶金属EAが半透明に描かれている。また図2(b)では、金属キャップCAを点線で描いている。
セラミックパッケージ180は、セラミックパッケージ180の底部を構成する長方形の下部セラミック板130と、下部セラミック板130上に形成された枠状の上部セラミック板110とが積層されて形成される。上部セラミック板110は、キャビティの周囲を囲む壁となる枠部が形成されている。
上部セラミック板110は、短辺と長辺とからなる長方形の枠体であり上面111とその反対の下面112とを有する。また長方形の上部セラミック板110の短辺の中央には、外周から内側に凹んだ上部キャスタレーション113が形成されている。セラミックパッケージ80の表面となる上面111には、表面導体層117が形成されている。この表面導体層117は、第1実施形態の表面導体層17と同じである。
下部セラミック板130は、短辺と長辺とからなる長方形の平板であり上面131とその反対の下面132とを有する。また長方形の下部セラミック板130の短辺の中央には、外周から内側に凹んだ下部キャスタレーション133が形成されている。下部セラミック板130の上面131には、接続バンプ139aから長辺に沿って伸び、さらに一方の下部キャスタレーション133まで伸びる配線電極135aと、他方の接続バンプ139bから他方の下部キャスタレーション133まで伸びる配線電極135bとが形成されている。
接続バンプ139(139a、139b)を除く配線電極135(135a、135b)は、その表面がアルミナからなる絶縁層136で覆われている。つまり、セラミックパッケージ180を表側から見た場合、接続バンプ139(139a、139b)のみが露出している。配線電極135は、第1実施形態の配線電極25と同じメタライズ層等からなる。
下部セラミック板130の下面132の外周部には、外部電極34が2個設けられている。これらの外部電極34は、セラミックパッケージ180を図示しない他の基板上に実装する際に対して接合される。また、このメタライズ層は下部キャスタレーション133にもキャスタレーション電極138として形成される。キャスタレーション電極138は配線電極135に接続して、配線電極135と外部電極134とを導通させている。また、絶縁層136はキャスタレーション133まで伸びていてもよい。
第2実施形態では、上部セラミック板110と下部セラミック板130とが共晶金属EAで接合される。図5(a)及び(b)に描かれているように、接続バンプ139は、上部セラミック板110の枠体の短辺から距離W1離れており、また上部セラミック板110の枠体の長辺から距離W2離れている。そして接続バンプ139aの方には、X軸方向及びY軸方向に伸びるL型の絶縁層136が形成されていてもよい。接続バンプ139bの方には、またY軸方向に伸びる絶縁層136が形成されていてもよい。これは、上部セラミック板10と中間セラミック板20とを結合する共晶金属EAが漏れ出たりスクリーン印刷等でずれて印刷されたりして、共晶金属EAと接続バンプ25とがショート(短絡)しないためである。
キャスタレーション133の付近の配線電極135、絶縁層136及びキャスタレーション電極138は、第1実施形態の配線電極35、絶縁層36及びキャスタレーション電極38と同様に形成される。またバンプ電極139に関しては、スクリーン印刷の手法によってタングステン等が同じ領域に数回メタライズされて厚み(Z軸方向)が厚くなるようにしている。
[第1実施形態の変形例]
上記した第1実施形態では、キャスタレーション33を設けた例を説明したが、キャスタレーション33を設けなくても良い。図6(a)、(b)はそれらの実施形態の説明図であり、図2(b)や図5(b)と同様な断面位置でのパッケージ断面を示したものである。
上記した第1実施形態では、キャスタレーション33を設けた例を説明したが、キャスタレーション33を設けなくても良い。図6(a)、(b)はそれらの実施形態の説明図であり、図2(b)や図5(b)と同様な断面位置でのパッケージ断面を示したものである。
図6(a)の例の場合では、下部セラミック板30と枠状である上部セラミック板10とは、共晶合金EAで接合してある。そして、下部セラミック板30の適所にビア配線90を設けて、このビア配線90によって、接続バンプ39と外部電極34とを接続してある。共晶合金EAは、下部セラミック板30の縁部分はビアの無い部分に設ければ良い。ビア配線を有する構造の場合でも、この発明は適用でき、かつ、キャスタレーションが無い分、構造も簡易なものとできる。
図6(b)の例の場合では、下部セラミック板30を、第1板30aと第2板30bとの2枚で構成してある。そして、第1板30aと第2板30bとの互いは異なる位置にそれぞれビア配線90a及び90bを設け、かつ、これらビア配線90aと90bと間を接続するための連絡配線90cを、第1板30aと第2板30bとの間に設けている。そして、接続バンプ39と外部電極34とを接続するビア配線90が構成されている。第1板30aと枠状である上部セラミック板10とは共晶合金EAにより接続してあり、第1板30aと第2板30bとの間も共晶合金EAにより接続してある。この図6(b)の構造の場合、図6(a)の構造に比べ、ビア配線の箇所での気密性をより高めることができる。
10,110: 上部セラミック板
11,111:上面 12,112:下面 13,113:キャスタレーション
17,117:表面導体層
20:中間セラミック板
21:上面 22:下面 23:キャスタレーション
24:ビア配線、139:接続バンプ 26:張出部
30:下部セラミック板
31,131:上面 32,132:下面 33,133:キャスタレーション
34、134外部電極
35(35a、35b)、135(135a、135b):配線電極
36、136:絶縁層 38,138:キャスタレーション電極
40:圧電振動片 41:励振電極 43:引出電極
80、180:セラミックパッケージ 90 ビア配線
CA:金属キャップ EA:合晶金属
11,111:上面 12,112:下面 13,113:キャスタレーション
17,117:表面導体層
20:中間セラミック板
21:上面 22:下面 23:キャスタレーション
24:ビア配線、139:接続バンプ 26:張出部
30:下部セラミック板
31,131:上面 32,132:下面 33,133:キャスタレーション
34、134外部電極
35(35a、35b)、135(135a、135b):配線電極
36、136:絶縁層 38,138:キャスタレーション電極
40:圧電振動片 41:励振電極 43:引出電極
80、180:セラミックパッケージ 90 ビア配線
CA:金属キャップ EA:合晶金属
Claims (4)
- 励振電極と該励振電極から引き出される引出電極とを有する圧電振動片が載置され、別途用意される外部部材に合金で接合されるパッケージであって、
平面視で長方形であり、前記外部部材との接続に使用する外部電極を形成した第1面と前記引出電極と接続する配線電極を形成し且つ前記第1面とは反対側の第2面とを有する焼成されたセラミック製の下部板と、
前記下部板の縁領域に対応する枠形状で、前記第2面に配置される第3面と該第3面の反対側の第4面とを有する焼成されたセラミック製の枠板と、
前記下部板の前記第2面と前記枠板の前記第3面とを接合する前記合金の融点温度より高い融点温度を持つ第1共晶金属と、
を備えるパッケージ。 - 励振電極と該励振電極から引き出される引出電極とを有する圧電振動片と、
平面視で長方形であり、外部部材に合金により接続され使用される外部電極を形成した第1面と前記引出電極と接続する接続バンプを形成し且つ前記第1面とは反対側の第2面とを有する焼成されたセラミック製の下部板と、
前記下部板の縁領域に対応する枠形状で、前記第2面に配置される第3面と該第3面の反対側の第4面とを有する焼成されたセラミック製の枠板と、
前記外部電極の接続に使用される合金の融点温度よりも高い第1融点温度で前記下部板の前記第2面と前記枠板の前記第3面とを接合する第1共晶金属と、
前記第4面に配置されるキャップと、
前記外部電極の接続に使用される合金の融点温度よりも高く、前記第1融点温度より低い第2融点温度で、前記枠板の前記第4面と前記キャップとを接合する第2共晶金属と、
を備える圧電デバイス。 - 平面視で長方形であり、外部部材との接続に使用する外部電極を形成した第1面と前記引出電極と接続する接続バンプを形成し且つ前記第1面とは反対側の第2面とを有する焼成されたセラミック製の下部板を用意する工程と、
前記前記下部板の縁領域に対応する枠形状で、前記第2面に配置される第3面と該第3面の反対側の第4面とを有する焼成されたセラミック製の枠板を用意する工程と、
第1融点温度の第1共晶金属を溶かして前記下部板の前記第2面と前記枠板の前記第3面とを接合する接合工程と、
を備える圧電振動片用のパッケージの製造方法。 - 圧電デバイスの製造方法であって、
請求項3のパッケージの製造方法で製造されたパッケージを用意する工程と、
前記圧電振動片を用意する工程と、
前記パッケージに接合されるキャップを用意する工程と、
前記接続バンプに前記引出電極を接続する接続工程と、
前記第1融点温度よりも低く前記外部電極が接合されるハンダ融点温度よりも高い第2融点温度の第2共晶金属を溶かして、前記枠板の前記第4面と前記キャップとを接合する工程と、
を備える圧電デバイスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017183219A JP2019062259A (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | セラミックパッケージ及びその製造方法、並びに圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017183219A JP2019062259A (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | セラミックパッケージ及びその製造方法、並びに圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019062259A true JP2019062259A (ja) | 2019-04-18 |
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ID=66177673
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JP2017183219A Pending JP2019062259A (ja) | 2017-09-25 | 2017-09-25 | セラミックパッケージ及びその製造方法、並びに圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019062259A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7454141B2 (ja) | 2021-06-23 | 2024-03-22 | 株式会社村田製作所 | 圧電振動子及び圧電振動子の製造方法 |
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2017
- 2017-09-25 JP JP2017183219A patent/JP2019062259A/ja active Pending
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