JP2019061431A - 不良率計算装置、不良率計算方法および不良率計算プログラム - Google Patents

不良率計算装置、不良率計算方法および不良率計算プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】仕掛在庫や部品在庫から製品を製造する際に、良品完成見込み数と不良完成見込み数の割合を決める不良率を製造品目毎に精度良く計算し、製品の作り過ぎや完成品の不足を防止し、適正在庫を維持することができる不良率計算装置、不良率計算方法および不良率計算プログラムを提供することを課題とする。【解決手段】記憶部106と制御部102とを備え、製造品目の不良率を計算する不良率計算装置100であって、記憶部106は、製造品目に初期設定した不良率を記憶する初期設定不良率記憶部106aと、製造品目の過去のロット毎の実績不良率を記憶する過去実績不良率記憶部106bとを備え、制御部102は、初期設定不良率記憶部106aに記憶された初期設定不良率に、過去実績不良率記憶部106bに記憶された過去の実績不良率を加味し、それを平均して新たな不良率を計算する不良率計算部102aを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、不良率計算装置、不良率計算方法および不良率計算プログラムに関する。
特許文献1では、製品を生産する上で作業工程、設備および外部調達品納期を含む生産スケジュールを自動生成する工程スケジュラーシステムに関する技術が開示され、外部発注されるキー部品の納入時期を生産での工程管理に組入れて時系列的に円滑な工程管理を行うことで、手入力を必要とする工数を削減し、外注先からの納入コントロールを行うことにより、外注部品の在庫や仕掛在庫の削減を可能にしている。
特開2002−351524号公報
しかしながら、不良率の計算に関しては、長年製造管理者の経験や勘に頼ることが多く、上記特許文献1では、不良率を計算して製造データを管理する場合に、過去の実績等を加味して不良率の計算を行っていなかったため、設定される不良率の値の精度が悪かった。特に、製造管理者は完成品が不足することを恐れて多く作り過ぎる傾向にあるため、在庫管理費用が増大するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、仕掛在庫や部品在庫から製品を製造する際に、良品完成見込み数と不良完成見込み数の割合を決める不良率を製造品目毎に精度良く計算して、製品の作り過ぎや完成品の不足を防止し、適正在庫を維持することができる不良率計算装置、不良率計算方法および不良率計算プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る不良率計算装置は、記憶部と制御部とを備え、製造品目の不良率を計算する不良率計算装置であって、前記記憶部は、前記製造品目に初期設定した不良率を記憶する初期設定不良率記憶手段と、前記製造品目の過去のロット毎の実績不良率を記憶する過去実績不良率記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記初期設定不良率記憶手段に記憶された初期設定不良率に、前記過去実績不良率記憶手段に記憶された過去の実績不良率を加味し、それを平均することで新たな不良率を計算する不良率計算手段を備えたこと、を特徴とする。
また、本発明に係る不良率計算装置は、前記不良率計算手段は、前記初期設定不良率に加味する過去の実績不良率として、直近の一定期間内に2ロット以上製造された実績不良率を用いて不良率を計算すること、を特徴とする。
また、本発明に係る不良率計算装置は、前記不良率計算手段は、前記初期設定不良率に加味する過去の実績不良率の中に、全数不良とされたロットの実績不良率がある場合はこれを除いて計算すること、を特徴とする。
また、本発明に係る不良率計算方法は、記憶部と制御部とを備え、製造品目の不良率を計算する不良率計算装置で実行される不良率計算方法であって、前記記憶部は、前記製造品目に初期設定した不良率を記憶する初期設定不良率記憶手段と、前記製造品目の過去のロット毎の実績不良率を記憶する過去実績不良率記憶手段と、を備え、前記制御部で実行される、前記初期設定不良率記憶手段に記憶された初期設定不良率に、前記過去実績不良率記憶手段に記憶された過去の実績不良率を加味し、それを平均することで新たな不良率を計算する不良率計算ステップを含むこと、を特徴とする。
また、本発明に係る不良率計算プログラムは、記憶部と制御部とを備え、製造品目の不良率を計算する不良率計算装置で実行させるための不良率計算プログラムであって、前記記憶部は、前記製造品目に初期設定した不良率を記憶する初期設定不良率記憶手段と、前記製造品目の過去のロット毎の実績不良率を記憶する過去実績不良率記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させるための、前記初期設定不良率記憶手段に記憶された初期設定不良率に、前記過去実績不良率記憶手段に記憶された過去の実績不良率を加味し、それを平均することで新たな不良率を計算する不良率計算ステップを含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、仕掛在庫や部品在庫から製品を製造する際に、良品完成見込み数と不良完成見込み数の割合を決める不良率を製造品目毎に精度良く計算して、製品の作り過ぎや完成品の不足を防止し、適正在庫を維持することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係る不良率計算装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、本実施形態に係る不良率計算装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、過去の製造実績から新たな不良率計算を行う帳票出力画面の一例を示す図である。 図4は、図3の帳票出力画面の最終実績工程に表示される工程順の工程CDとこれに対応した工程名称の一例を示す図である。 図5は、新たに計算した不良率を用いて製造指示数の計算を行う一例を示す図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
[1.概要]
従来の製造業界において、不良率の高い精密機械を製造する場合は、製造した製品の中に多数の不良が発生すると、納期に間に合わなくなることがあった。そこで、不良率の計算では、長年製造管理者の経験や勘に頼っており、責任者は足らなくなることを恐れるあまり設定する不良率の値の精度が悪くなってしまい、作り過ぎによる在庫負担や在庫破棄などの原因になっていた。
そこで、本実施形態の不良率計算装置では、受注データから製造データに回るデータに関しては、下記の不良率の計算式例を用いて計算した不良率の値を使用している。
不良率={マスタの初期設定不良率+直近2年の実績不良率(但し、全数不良は除く)}÷(実績ロット数+1)
製造データの管理として、上記の不良率の計算式によって自動計算された値から、常に受注残、製造残、在庫を確認しながら、足りなくなった場合には足りなくなった分を投入する。その際、仕掛中の製造データに関してどれだけ急ぎなのか、いつから作って、今どこの工程に存在するのかを、どの部門からでも確認できる仕組みである。その際には、不良率を加味した製造数となっているため、工程中の良品数も確認することができる。なお、管理者は、工程中の製造状態を確認することで、不良数が予想以上に発生して納品が間に合わないと判断した場合、再度別製造の指示を生産管理部に対して手配することができる。
[2.構成]
本実施形態に係る不良率計算装置の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る不良率計算装置の構成の一例を示すブロック図である。
不良率計算装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、不良率計算装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
不良率計算装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。不良率計算装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、不良率計算装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、不良率計算装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。ここで、記憶部106は、初期設定不良率記憶手段としての初期設定不良率記憶部106a、過去実績不良率記憶手段としての過去実績不良率記憶部106b等を備えている。
初期設定不良率記憶部106aは、製造品目毎の製造に関する情報の中で初期設定を行った不良率を記憶している。本実施形態の特徴は、この初期設定不良率と過去の実績不良率とを用いて新たな不良率を計算する点にある。不良率の計算は、製造開始当初と比べて製造を続けることで製造技術が向上して不良率が低下したり、材料の変更や設計変更等により不良率が上昇したりするなど、時間の経過と共に不良率は様々な要因で変化するため、定期的に見直す必要があるからである。初期設定不良率記憶部106aは、初期設定不良率を記憶するだけでなく、定期的に見直しを行った新たな不良率も順次記憶する。そして、次回の不良率計算時には、直近に計算され初期設定不良率記憶部106aに記憶された不良率と過去の一定期間の実績不良率とを用いて新たな不良率が計算される。この初期設定不良率記憶部106aは、例えば、製造品目毎の製造に関する情報を記憶して管理を行う品目マスタなどに含まれていても良い。
過去実績不良率記憶部106bは、過去の製造実績に基づいて各ロット単位で計算された不良率、あるいは、不良率を計算するのに必要な製造実績を記憶している。製造は、各ロット単位で行われるため、ロット単位で不良率を把握する必要がある。本実施形態における不良率計算は、不良率を定期的に見直すことに意味があるため、直近1年間あるいは直近2年間といった短い期間の製造実績に基づいて計算を行うことが望ましい。本実施形態では、直近2年間の製造実績を用いて計算する例で説明しているが、必ずしもこれに限定されず、製造実績が豊富な製品であれば直近半年間とかそれより短い期間であっても良く、製造実績の少ない製品であれば直近2年以上の製造実績を用いて計算するようにしても良い。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
制御部102は、不良率計算装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。ここで、制御部102は、機能概念的に、不良率計算手段としての不良率計算部102a等を備えている。
不良率計算部102aは、初期設定不良率と過去の実績不良率とを用いて新たな不良率を計算するものである。新たな不良率の計算式例としては、種々のバリエーションが考えられるが、最も基本的な計算式は下記計算式(1)となる。
不良率={初期設定不良率+過去の実績不良率}÷(実績ロット数+1)・・(1)
計算式(1)における“初期設定不良率”は、初期設定不良率記憶部106aに記憶された不良率のことである。これは、上記したように、初期設定時の不良率だけでなく、その後定期的に見直すために計算を行った不良率がある場合は、その直近の不良率を初期設定不良率記憶部106aからリードして用いる。
計算式(1)における“過去の実績不良率”は、過去実績不良率記憶部106bに記憶された不良率のことである。本実施形態では、直近2年間における実績不良率を全てリードして、上記の初期設定不良率に加算する。勿論、状況に応じて“直近2年間”以外の一定期間の実績不良率を採用しても良い。また、“実績不良率”は、ロット単位で計算した実績不良率を採用する。その際、1つのロットで製造された製品が全て不良(以下、全数不良ともいう)とされたロットの不良率(不良率100%)は加算しない。これは、全数不良の不良率を加算すると、不良率が高止まりしてしまい、適正な不良率計算ができないからである。また、加算するロット数についても、本実施形態では、2ロット以上の実績不良率がある場合にのみ計算するようにする。この場合も、不良率計算のサンプル数が少ないと適正な不良率計算ができないからである。
計算式(1)における“実績ロット数+1”は、上記した過去の実績不良率の“実績ロット数”に初期設定不良率の“1”を加えた値で除することにより、加算された不良率の平均値を求めることができる。これにより、当初設定された不良率に直近の一定期間の実績不良率を加算して、平均値を求めることで、最近の不良率傾向を取り込んだ新たな不良率を計算することができる。
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2〜図5を参照して、本実施形態に係る不良率計算装置100の処理の一例について説明する。図2は、本実施形態に係る不良率計算装置の処理の流れを示すフローチャートである。図3は、過去の製造実績から新たな不良率計算を行う帳票出力画面の一例を示す図である。図4は、図3の帳票出力画面の最終実績工程に表示される工程順の工程CDとこれに対応した工程名称の一例を示す図である。図5は、新たに計算した不良率を用いて製造指示数の計算を行う一例を示す図である。
[本実施形態における処理概要]
本実施形態に係る不良率計算装置100の特徴は、図2のフローチャートに示すように、不良率計算部102aは、初期設定不良率記憶部106aから製造品目毎に初期設定を行った不良率、あるいは、順次見直した不良率をリードする(ステップSA−1)。
続いて、不良率計算部102aは、過去実績不良率記憶部106bから過去の製造実績に基づいて各ロット単位で計算された不良率、あるいは、不良率を計算するのに必要な製造実績をリードして(ステップSA−2)、過去のロット単位の不良率を算出する。ここでは、直近2年間の製造実績に基づくロット単位の実績不良率をリードしているが、この場合2ロット以上の実績のある不良率であることが条件となる。この条件を満たす場合のみ、次段で不良率計算が行われる。
不良率計算部102aは、初期設定不良率記憶部106aからリードした初期設定不良率あるいは順次見直した不良率をリードし、これに過去実績不良率記憶部106bからリードした直近2年間の製造実績に基づくロット単位(2ロット以上)の実績不良率をリードして加算する。そして、不良率計算部102aは、加算された不良率に対して“実績ロット数+1”の値で除することで、既存の設定不良率に直近の一定期間における実績不良率の傾向を加味した新たな不良率が計算できる(ステップSA−3)。
[実施例]
本実施形態における実施例では、図3に示すように、納期の異なる複数の受注があった場合に、現在の受注残、現在庫、手配残(計画良品数、計画不良数、現在の仕掛在庫を確認)を行って、このままの製造で足りるのか、不良数が多くなっているため、再手配が必要なのかの判断を図3の帳票出力画面を利用して製造工程を管理すると共に、これらの製造実績に基づいて新たな不良率を計算することができる。
まず、図3に示す帳票出力画面の1段目の品目情報項目欄400の品目CD400aを入力すると製造品目が特定され、品目テキスト、Stor、表面処理、製品サイズ、面付数などの詳細情報を表示される。この品目CD400aのデータが無い場合は、“データ無し”と表示される。
そして、受注入力があると、その受注データに基づいて図3の帳票出力画面の2段目の受注データ項目欄402の受注伝票番号/行番号402aが採番され、それに紐付く指示書番号、優先順位、出荷先、希望納期、回答着日、出荷予定日、受注残数量402b、受注数量402c、出荷予定数402d、得意先注文番号、専伝等のデータが表示される。この受注データ項目欄402の各行は、希望納期の早い順に並べられ、納期順に引当処理や製造指示数の計算処理が行われる。
また、図3に示す帳票出力画面の3段目の在庫データ項目欄404には、ロット番号404a、製造日付、在庫数量404bが表示される。
続いて、図3に示す帳票出力画面の4段目の製造指示・実績欄406には、製造指示番号406a、ロット番号406b、計画開始日406c、計画終了日406d、実績開始日406e、製造指示数量406f、計画良品数406g、計画不良数406h、実績数量406i、最終実績工程406jが表示されている。
この製造指示・実績欄406は、3段目の在庫データ項目欄404の在庫数量404bと、2段目の受注データ項目欄402の受注残数量402b、受注数量402c、出荷予定数402dを参照しながら在庫引当を行い、4段目の製造指示・実績欄406の製造指示数量406f、計画良品数406g、計画不良数406h、実績数量406iと照合して、納期に間に合うように製造指示数量を計算して製造を行っている。
具体的には、3段目の在庫データ項目欄404の在庫数量404bの「36PC」と、2段目の受注データ項目欄402の受注伝票番号/行番号402aが「1602002962/001」である出荷予定数402dの「21PC」を参照し、
36PC−21PC=15PC
となり、受注伝票番号/行番号402aが「1602002962/001」については、全て現在庫により引当てられ、引当てされていない在庫残が「15PC」存在することになる。このように、引当てが既にされているものに関しては、引当てられたロット番号404aの「16020104」が図3の2段目の受注データ項目欄402の受注残数量402bと受注数量402cに表示される。
また、図3に示す帳票出力画面の4段目の製造指示・実績欄406には、計画終了日406dが2016/03/17になっている完成予定の仕掛在庫が、完成見込数としての計画良品数406gが「7PC」存在し、計画不良数406hが「29PC」存在する可能性がある。このため、上記した「15PC」の在庫残に「7PC」の見込み完成数(03/17に完成予定)を加えることにより、
15PC+7PC=22PC
となり、2016/03/17に出荷予定日の受注伝票番号/行番号402aが「1602003638/001」の受注数量402cの「21PC」を、出荷予定数402dの「21PC」として引当てることで、「1PC」が引当残になる。
更に、4段目の製造指示・実績欄406の計画終了日406dが2016/03/25となっている計画良品数406gの「21PC」が完成見込み在庫として存在しているため、上記の「1PC」の引当残と合わせて
21PC+1PC=22PC
となり、2段目の受注データ項目欄402の受注伝票番号/行番号402aが「1603000500/001」の出荷予定日が2016/03/25の出荷予定数402dの「21PC」に引当てることができる。この場合も「1PC」が引当残となる。
また、4段目の製造指示・実績欄406の計画終了日406dが2016/04/07となっている計画良品数406gの「20PC」が完成見込み在庫である(実績開始日406eが空欄で、実績数量406iが「0PC」のため製造にはまだ取り掛かっていない状態にある)が、上記の「1PC」の引当残と合わせて
20PC+1PC=21PC
となり、実際に製造に取り掛かれば、2段目の受注データ項目欄402の受注伝票番号/行番号402aが「1603001395/001」の出荷予定日が2016/04/07の出荷予定数402dの「21PC」に引当てることができ、その場合の引当残は「0PC」となる。
このように、製造管理者は、図3に示すような製造工程の状況が逐次表示される帳票出力画面を見ながら、製品の製造が当初想定していた良品数よりも多く出来た場合は、4段目の製造指示・実績欄406の計画終了日406dが2016/04/07となっている計画良品数406gの「20PC」の製造開始を中止したとしても、2段目の受注データ項目欄402の出荷予定数402dの「21PC」を確保することができる。逆に、製品の製造が当初想定していた良品数よりも少くなりそうな場合は、別の製造指示を出す必要がある。
例えば、図3に示す帳票出力画面の5段目の製造指示・実績欄408は、製造管理者が初期設定不良率を使って計算した計画良品数と計画不良数に対して、実際に製造された良品数と不良数との差が大きくなった場合に、別の製造指示を出すことによって製造完成見込み数の調整を行うものである。但し、計画良品数と計画不良数を計算する不良率の値自体が適正でない場合は、製造管理者の出す製造指示数だけで調整することはできない。
そこで、実施例では、図1に示す不良率計算装置100の不良率計算部102aを使って、実際に製造される良品数と不良数の割合を製造完成見込み数として計算可能な新たな不良率を算出する。
まず、不良率計算装置100の不良率計算部102aは、初期設定不良率記憶部106aに記憶されている当該製造品目の初期設定不良率として、「36PC」の製品の製造をした場合に「10PC」の不良数が生じるとして、
初期設定不良率=10PC÷36PC=0.2777・・・≒28%
の値を初期設定不良率記憶部106aからリードする(ステップSA−1)。
続いて、不良率計算部102aは、過去実績不良率記憶部106bに記憶された過去の製造実績に基づく不良率をリードするか(ステップSA−2)、あるいは、不良率の計算に必要な製造実績をリードして、過去のロット単位の不良率を算出する。実施例では、直近2年間の製造実績に基づく2ロット以上の製造実績をリードすることにより、過去実績不良率の計算を行っている。例えば、図3に示す帳票出力画面において、直近2年間の製造実績に基づく2ロット以上の製造実績があるのは、4段目の製造指示・実績欄406の製造指示番号406aの「0000030013」の製造指示数量406fが「36PC」に対し、実績数量406iが「36PC」あって、計画不良数406hが「29PC」の第1の過去実績不良率である。
第1の過去実績不良率=29PC÷36PC=0.8055・・・≒81%
続いて、4段目の製造指示・実績欄406の製造指示番号406aの「0000030486」の製造指示数量406fが「36PC」に対し、実績数量406iが「36PC」あって、計画不良数406hが「15PC」の第2の過去実績不良率である。
第2の過去実績不良率=15PC÷36PC=0.4166・・・≒42%
上記2つの製造指示番号406aの「0000030013」と「0000030486」の最終実績工程406jには、「310 ルータ」と「130 パネルメッキ」が表示されている。これは、製造工程において現在どこまでの作業が完了しているかを確認できる表示であって、今後の工程を考えて、これからどれだけ不良が出るかの判断基準となる。具体的な工程名称とその工程CDを作業順に上から並べた図が図4である。つまり、「310 ルータ」は、16工程中の10番目の工程であるのに対し、「130 パネルメッキ」は、3番目の工程であるので、まだ不良の出る可能性が高いことが予想できる。
また、在庫での引当が可能か否かの判断については、図3に示す帳票出力画面の4段目の製造指示・実績欄406の計画良品数406gと実績数量406i、あるいは、5段目の製造指示・実績欄408の計画良品数408gと実績数量408iの数量を見比べて、少ない方の数量を引当可能数量と判断し、受注時に自動で引当て出来る見込み在庫を判断する。
なお、上記以外の4段目の製造指示・実績欄406の製造指示番号406aの「0000031200」については、製造指示数量406fが「36PC」あるが、実績数量406iが「0PC」であることから、実際に製造していないため、過去実績不良率とは言えない。
また、5段目の製造指示・実績欄408の製造指示番号408aの「0000031506」については、製造指示数量408fが「16PC」あるが、実績数量408iが「1PC」であることから、実際に製造したのが「1PC」だけなので、過去実績不良率とは言えない。
そこで、不良率計算部102aは、上記の初期設定不良率と複数の過去実績不良率とを用いて、新たな不良率の計算を上記(1)式に代入することにより計算すると、
不良率={初期設定不良率+過去の実績不良率}÷(実績ロット数+1)
={28%+81%+42%}÷(2+1)
=151%÷3
=50.33・・(%)
≒50%
となる。
[製造指示数の計算]
上記のように計算して得られた新たな不良率を用いて、図5に示すように、在庫受注数から現在庫数を引当てた残りの良品完成見込み数を良品として製造するために必要な製造指示数を計算する。
まず、図5に示すように、現在庫数500が「11」あるが、そのうち引当可能数502が「2」しかないため、在庫受注数504の「15」に対して、在庫引当数506の「2」を引き当てると、
15PC−2PC=13PC
となり、良品として完成すべき良品完成見込数508が「13」となって、新たに得られた不良率が50%の場合の製造指示数510は、下記式により計算できる。
製造指示数=良品完成見込数÷(100%−50%)
=13PC÷50%
=26PC
つまり、初期設定不良率が28%であったのに対し、直近の2年間の第1の過去実績不良率が81%、第2の過去実績不良率が42%であったことから、それらを加味することで新たな不良率を50%とし、初期設定不良率を最近の製造実績に適合するように見直しが可能になった。このように、不良率計算装置100により不良率の見直しを行い、新たな不良率で製造指示数「26PC」を自動計算し、OKボタン512を押下して製造を開始することで、良品完成見込数「13PC」分に相当する良品を製造することができる。
以上述べたように、実施例では、新たな不良率を計算するに当たって、初期設定不良率に直近の2ロット以上の実績不良率を加味して、その平均値を算出することで、より実際の製造実績に近い良品と不良の見込み数を計算することができる。
また、実施例では、直近の2ロット以上の実績不良率を加味する際に、全数不良とされたロットの実績不良率がある場合はこれを除いて計算するようにしたため、算出される不良率の値が高止まりするのを防止し、適正な不良率を算出することができる。
更に、実施例では、定期的に不良率の見直しを行う場合は、不良率の計算に用いる初期設定不良率は、最初に設定した不良率に限るものではなく、順次見直しを行った直近の新たな不良率と過去実績不良率とを用いて計算することで、より製造実績に近い不良率を得ることができる。
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、不良率計算装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、不良率計算装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて不良率計算装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、不良率計算装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、不良率計算装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、不良率計算装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
本発明は、パソコン(PC)基板やプリント配線板等の不良率の高い精密機械を製造する業界において特に有用である。
100 不良率計算装置
102 制御部
102a 不良率計算部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 初期設定不良率記憶部
106b 過去実績不良率記憶部
108 入出力インターフェース部
112 入力装置(キーボード)
114 出力装置(モニタ)
200 サーバ
300 ネットワーク

Claims (5)

  1. 記憶部と制御部とを備え、製造品目の不良率を計算する不良率計算装置であって、
    前記記憶部は、
    前記製造品目に初期設定した不良率を記憶する初期設定不良率記憶手段と、
    前記製造品目の過去のロット毎の実績不良率を記憶する過去実績不良率記憶手段と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記初期設定不良率記憶手段に記憶された初期設定不良率に、前記過去実績不良率記憶手段に記憶された過去の実績不良率を加味し、それを平均することで新たな不良率を計算する不良率計算手段
    を備えたこと、
    を特徴とする不良率計算装置。
  2. 前記不良率計算手段は、
    前記初期設定不良率に加味する過去の実績不良率として、直近の一定期間内に2ロット以上製造された実績不良率を用いて不良率を計算すること、
    を特徴とする請求項1に記載の不良率計算装置。
  3. 前記不良率計算手段は、
    前記初期設定不良率に加味する過去の実績不良率の中に、全数不良とされたロットの実績不良率がある場合はこれを除いて計算すること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の不良率計算装置。
  4. 記憶部と制御部とを備え、製造品目の不良率を計算する不良率計算装置で実行される不良率計算方法であって、
    前記記憶部は、
    前記製造品目に初期設定した不良率を記憶する初期設定不良率記憶手段と、
    前記製造品目の過去のロット毎の実績不良率を記憶する過去実績不良率記憶手段と、
    を備え、
    前記制御部で実行される、
    前記初期設定不良率記憶手段に記憶された初期設定不良率に、前記過去実績不良率記憶手段に記憶された過去の実績不良率を加味し、それを平均することで新たな不良率を計算する不良率計算ステップ
    を含むこと、
    を特徴とする不良率計算方法。
  5. 記憶部と制御部とを備え、製造品目の不良率を計算する不良率計算装置で実行させるための不良率計算プログラムであって、
    前記記憶部は、
    前記製造品目に初期設定した不良率を記憶する初期設定不良率記憶手段と、
    前記製造品目の過去のロット毎の実績不良率を記憶する過去実績不良率記憶手段と、
    を備え、
    前記制御部で実行させるための、
    前記初期設定不良率記憶手段に記憶された初期設定不良率に、前記過去実績不良率記憶手段に記憶された過去の実績不良率を加味し、それを平均することで新たな不良率を計算する不良率計算ステップ
    を含むこと、
    を特徴とする不良率計算プログラム。
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