JP2019060809A - 3次元画像の生成方法及び検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査対象における検査面の位置(Z方向位置)を予め特定することなく検査に必要な3次元画像を生成する方法、及び、この3次元画像の生成方法を有する検査装置を提供する。【解決手段】検査装置100は、被検査体(基板)の放射線透過画像及びこの放射線透過画像から生成された3次元画像を記憶する記憶部と、制御部10と、を有し、制御部10は、放射線透過画像において、被検査体の検査位置の透過像の位置を特定するステップと、透過像の位置から、3次元画像における検査位置を特定するステップと、放射線透過画像から、検査位置を含む被検査体の3次元画像を生成するステップとにより、被検査体の3次元画像を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、被検査体を検査する際の3次元画像の生成方法、及び、この3次元画像の生成方法を有する検査装置に関する。
基板表面や裏面のはんだ形状を計測する検査装置として、トモシンセシス方式のX線検査装置がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなX線検査装置では、予めレーザー測長器などでZ方向(X線投射方向若しくは基板表面に対する高さ方向)の基板表面や裏面の位置を特定しておき、その高さでの断面画像を再構成する、または、再構成された断面画像の中で最適なZ方向の画像を抽出する必要があり、検査時間が長くなるという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、被検査対象における検査面の位置(Z方向位置)を予め特定することなく検査に必要な3次元画像を生成して検査を行うことができる3次元画像の生成方法、及び、この3次元画像の生成方法を有する検査装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る3次元画像の生成方法は、被検査体の放射線透過画像から前記被検査体の3次元画像を生成する生成方法であって、放射線透過画像において、被検査体の検査位置の透過像の位置を特定するステップと、透過像の位置から、3次元画像における検査位置を特定するステップと、放射線透過画像から、検査位置を含む被検査体の3次元画像を生成するステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る3次元画像の生成方法において、透過像の位置を特定するステップは、検査位置または検査位置の近傍の特定のパターンやマークの透過像の形状を用いて特定することが好ましい。
また、本発明に係る検査装置は、放射線透過画像及び3次元画像を記憶する記憶部と、記憶部から放射線透過画像を取り出して、上述した3次元画像の生成方法により、被検査体の3次元画像を生成する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明に係る3次元画像の生成方法によれば、被検査対象における検査面の位置(Z方向位置)を予め特定することなく、検査に必要な3次元画像を生成して検査を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る検査装置100は、PC等の処理装置で構成される制御部10、モニタ12、及び、撮像部32を有して構成されている。また、撮像部32は、更に、線質変更部14、放射線発生器駆動部16、基板保持部駆動部18、検出器駆動部20、放射線発生器22、基板保持部24、及び、検出器26を有している。
放射線発生器22は、X線等の放射線を発生させる装置であり、例えば加速させた電子をタングステンやダイアモンド等のターゲットに衝突させることで放射線を発生するものである。
基板保持部24は、被検査体である基板を保持する。基板保持部24に保持された基板に放射線発生器22で発生させた放射線を照射し、基板を透過した放射線を検出器26で画像として撮像する。以下、検出器26で撮像された基板の放射線透過画像を「透過画像」と呼ぶ。なお、後述するように、本実施形態においては、基板を保持した基板保持部24と検出器26とを放射線発生器22に対して相対移動させて複数の透過画像を取得して、再構成画像を生成する。
検出器26で撮像された透過画像は、制御部10に送られ、例えば、フィルタ補正逆投影法(Filtered-Backprojection法(FBP法))等の既知の技術を用いて、接合部分のはんだの立体形状を含む画像に再構成される。そして、再構成された画像や透過画像は、制御部10内のストレージや、図示しない外部のストレージに記憶される。以下、透過画像に基づいて接合部分のはんだの立体形状を含む3次元画像に再構成された画像を「再構成画像」と呼ぶ。また、再構成画像から任意の断面を切り出した画像を「断面画像」と呼ぶ。このような再構成画像及び断面画像はモニタ12に出力される。なお、モニタ12には再構成画像や断面画像のみならず、後述するはんだの接合状態の検査結果等も表示される。また、本実施形態における再構成画像は、上述したように、検出器26で撮像された平面画像から再構成されるため「プラナーCT」とも呼ぶ。
線質変更部14は、放射線発生器22で発生される放射線の線質を変更する。放射線の線質は、ターゲットに衝突させる電子を加速するために印加する電圧(以下「管電圧」と呼ぶ)や、電子の数を決定する電流(以下「管電流」と呼ぶ)によって定まる。線質変更部14は、これら管電圧と管電流とを制御する装置である。この線質変更部14は変圧器や整流器等、既知の技術を用いて実現できる。
ここで、放射線の線質は、放射線の輝度と硬さ(放射線のスペクトル分布)とで定まる。管電流を大きくすればターゲットに衝突する電子の数が増え、発生する放射線の光子の数も増える。その結果、放射線の輝度が大きくなる。例えば、コンデンサ等の部品の中には他の部品と比較して厚みがあるものもあり、これらの部品の透過画像を撮像するには輝度の大きな放射線を照射する必要がある。このような場合に管電流を調整することで放射線の輝度を調整する。また、管電圧を高くすると、ターゲットに衝突する電子のエネルギーが大きくなり、発生する放射線のエネルギー(スペクトル)が大きくなる。一般に、放射線のエネルギーが大きいほど物質の貫通力が大きくなり、物質に吸収されにくくなる。そのような放射線を用いて撮像した透過画像はコントラストが低くなる。このため、管電圧は透過画像のコントラストを調整するのに利用できる。
放射線発生器駆動部16は、図示しないモータ等の駆動機構を有しており、放射線発生器22をその焦点を通る軸に沿って上下に移動させることができる。これにより放射線発生器22と基板保持部24に保持される被検査体(基板)との距離を変えて照射野を変更し、検出器26で撮像される透過画像の拡大率を変更することが可能となる。
検出器駆動部20も図示しないモータ等の駆動機構を有しており、検出器回転軌道30に沿って検出器26を回転移動させる。また、基板保持部駆動部18も図示しないモータ等の駆動機構を有しており、基板回転軌道28が設けられた平面上を、基板保持部24を平行移動させる。また、基板保持部24は、検出器26の回転移動と連動して、基板回転軌道28上を回転移動する構成となっている。これにより、基板保持部24が保持する基板と放射線発生器22との相対的な位置関係を変更させながら、投射方向及び投射角度が異なる複数の透過画像を撮像することが可能となる。
ここで、基板回転軌道28と検出器回転軌道30との回転半径は固定ではなく、自由に変更できる構成となっている。これにより、基板に配置される部品に照射する放射線の照射角度を任意に変更することが可能となる。
制御部10は、上述した検査装置100の全動作を制御する。以下、制御部10の諸機能について図2を用いて説明する。なお、図示されていないが、制御部10にはキーボードおよびマウスなどの入力装置が接続されている。
制御部10は、記憶部34、断面画像生成部36、基板検査面検出部38、疑似断面画像生成部40、及び検査部42を含む。なお、図示しないが制御部10は線質変更部14、放射線発生器駆動部16、基板保持部駆動部18、及び検出器駆動部20の作動を制御する撮像制御部も含む。また、これらの各機能ブロックは、各種演算処理を実行するCPU、データの格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAMなどのハードウェア、およびソフトウェアの連携によって実現される。したがって、これらの機能ブロックはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって様々な形で実現することができる。
記憶部34は、基板の透過画像を撮像するための撮像条件や、被検査体である基板の設計等の情報を記憶する。記憶部34はまた、基板の透過画像や再構成画像(断面画像、疑似断面画像)、及び後述する検査部42の検査結果等を記憶する。記憶部34はさらに、放射線発生器駆動部16が放射線発生器22を駆動する速度、基板保持部駆動部18が基板保持部24を駆動する速度および検出器駆動部20が検出器26を駆動する速度も格納されている。
断面画像生成部36は、記憶部34から取得した複数の透過画像に基づいて、断面画像を生成する。これは、例えばFBP法や最尤推定法等、既知の技術を用いて実現できる。再構成アルゴリズムが異なると、得られる再構成画像の性質や再構成に要する時間も異なる。そこで、あらかじめ複数の再構成アルゴリズムやアルゴリズムに用いられるパラメータを用意しておき、ユーザに選択させる構成としてもよい。これにより、再構成に要する時間が短くなることを優先したり、時間はかかっても画質の良さを優先したりするなどの選択の自由度をユーザに提供することができる。生成した断面画像は記憶部34に出力し、この記憶部34に記録される。
基板検査面検出部38は、断面画像生成部36が生成した複数の断面画像の中から、基板上の検査の対象となる面(例えば、基板の表面)を映し出している位置(断面画像)を特定する。以後、基板の検査面を映し出している断面画像を「検査面画像」という。検査面画像の検出方法についての詳細は後述する。
疑似断面画像生成部40は、断面画像生成部36が生成した断面画像について、連続する所定枚数の断面画像を積み上げることにより、断面画像よりも厚い基板の領域を画像化する。積み上げる断面画像の枚数は、断面画像が映し出す基板の領域の厚さ(以後、「スライス厚」という。)と、疑似断面画像のスライス厚とによって定める。例えば、断面画像のスライス厚が50μmで、疑似断面画像としてBGAのはんだボール(以後単に「はんだ」という。)の高さ(例えば500μm)をスライス厚としようとするならば、500/50=10枚の断面画像を積み上げればよい。この際、はんだの位置を特定するために、基板検査面検出部38が特定した検査面画像が用いられる。
検査部42は、断面画像生成部36が生成した断面画像、基板検査面検出部38が特定した検査面画像、及び疑似断面画像生成部40が生成した疑似断面画像に基づいて、はんだの接合状態を検査する。基板と部品とを接合するはんだは基板検査面付近にあるので、検査面画像及び検査面画像に対して放射線発生器22側の領域を映し出している断面画像を検査することで、はんだが基板と部品とを適切に接合しているか否かが判断できる。
ここで、「はんだの接合状態」とは、基板と部品とがはんだにより接合し、適切な導電経路が生成されているか否かのことをいう。はんだの接合状態の検査には、ブリッジ検査、溶融状態検査、及びボイド検査が含まれる。「ブリッジ(bridge)」とは、はんだが接合することにより生じた導体間の好ましくない導電経路のことをいう。また、「溶融状態」とは、はんだの溶融不足により、基板と部品との間の接合が不足しているか否かの状態、いわゆる「浮き」か否かの状態をいう。「ボイド(void)」とは、はんだ接合部内の気泡によるはんだ接合の不具合のことをいう。したがって検査部42は、ブリッジ検査部44、溶融状態検査部46、及びボイド検査部48を含む。
ブリッジ検査部44、溶融状態検査部46、及びボイド検査部48の動作の詳細は後述するが、ブリッジ検査部44およびボイド検査部48は、疑似断面画像生成部40が生成した疑似断面画像に基づいてそれぞれブリッジおよびボイドの検査をし、溶融状態検査部46は基板検査面検出部38が特定した検査面画像に基づいてはんだの溶融状態を検査する。なお、ブリッジ検査部44、溶融状態検査部46、及びボイド検査部48における検査結果は記憶部34に記録される。
図3は透過画像の撮像及び再構成画像の生成、及び、検査面画像の特定から、はんだの接合状態を検査するまでの流れを示したフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば、制御部10が図示しない入力装置から検査開始の指示を受け付けたときに開始する。
制御部10は、上述したように、放射線発生器駆動部16により放射線発生器22により放射される放射線の照射野を設定し、基板保持部駆動部18により基板保持部24を移動させるとともに、検出器駆動部20により検出器26を移動させて撮像位置を変更しながら、線質変更部14により放射線発生器22の線質を設定して放射線を基板に照射して透過画像を撮像し、さらに、このようにして撮像された複数枚の透過画像から、断面画像生成部36及び疑似断面画像生成部40により再構成画像を生成する(ステップS10)。
次に、制御部10の基板検査面検出部38は、断面画像生成部36から透過画像または再構成画像(断面画像)を受け取り、その中から検査面画像を特定する(ステップS12)。ブリッジ検査部44は、疑似断面画像生成部40からはんだボールを映し出しているはんだボールと同程度のスライス厚の疑似断面画像を取得し、ブリッジの有無を検査する(ステップS14)。ブリッジを検出しない場合には(ステップS16の「N」)、溶融状態検査部46は基板検査面検出部38から検査面画像を取得し、はんだが溶融しているか否かを検査する(ステップS18)。はんだが溶融している場合には(ステップS20の「Y」)、ボイド検査部48は疑似断面画像生成部40からはんだボールを部分的に映し出している疑似断面画像を取得し、ボイドが存在するか否かを検査する(ステップS22)。ボイドが見つからない場合には(ステップS24の「N」)、ボイド検査部48は、はんだの接合状態は正常と判断し(ステップS26)、その旨を記憶部34に出力する。また、ブリッジを検出した場合(ステップS16の「Y」)、はんだが溶融していない場合(ステップS20の「N」)、またはボイドが存在する場合には(ステップS24の「Y」)、それぞれブリッジ検査部44、溶融状態検査部46、およびボイド検査部48ははんだの接合状態は異常と判断して(ステップS28)その旨を記憶部34に出力する。はんだの状態が記憶部34に出力されると、本フローチャートにおける処理は終了する。
上述したように、透過画像から再構成された3次元画像である再構成画像(再構成空間)内には、傾き、ずれ、たわみ、回転、伸縮等を起因とする誤差を有した基板の画像データが存在している。そのため、自動検査を行うためには、これらの誤差を考慮した位置補正を行い、この位置補正に基づいて検査面画像を特定する必要がある。以下に、基板検査面検出処理S12における検査位置(基板検査面)の特定方法(誤差の補正方法)について説明する。
(第1の実施形態)
検査位置の特定方法の第1の実施形態は、上述した再構成画像の生成(ステップS10)において、基板の表面と裏面を含む大きな範囲(上述した基板の反り等の誤差を考慮した範囲)でプラナーCT演算を行うことで、基板の反り等の誤差を含む三次元画像(再構成画像)を取得し、基板の設計情報を用いて、この三次元画像(再構成画像)から複数の断面画像に跨がってXYZ方向に、検査位置を特定するための特定のパターンやマークの形状(特定のパターンやマークの像)を検出して、基板検査面(検査面画像)の決定を行う。
検査位置の特定方法の第1の実施形態は、上述した再構成画像の生成(ステップS10)において、基板の表面と裏面を含む大きな範囲(上述した基板の反り等の誤差を考慮した範囲)でプラナーCT演算を行うことで、基板の反り等の誤差を含む三次元画像(再構成画像)を取得し、基板の設計情報を用いて、この三次元画像(再構成画像)から複数の断面画像に跨がってXYZ方向に、検査位置を特定するための特定のパターンやマークの形状(特定のパターンやマークの像)を検出して、基板検査面(検査面画像)の決定を行う。
ここで「基板の設計情報」とは、ガーバーデータ(Gerber data)およびCAD(Computer Aided Design)データのことをいい、上述した記憶部34にあらかじめ記憶しておく。はんだ接合部分の座標を記録した情報をガーバーデータといい、搭載部品の種類および搭載位置の座標を記録した情報をCADデータという。はんだの接合部分および部品の搭載位置の座標は基板上に設定されたXY座標系の座標として記載される。ガーバーデータおよびCADデータを参照することで、再構成画像(断面画像)に対するイメージマッチング(パターンマッチング)等を行うことにより、基板上に存在する部品の種類やその大きさ、部品やはんだ接合部分の位置を得る、すなわち、検査位置(検査面画像)を特定することができる。
具体的には、透過画像のFOV(Field of View:視野)毎、またはFOVを2×2に4分割した領域毎にテンプレートとなる基板表面画像を基板の裏表それぞれで登録する(上述したガーバーデータやCADデータを用いることができる)。そして、撮像する各基板でFOV毎に所定のXYZサーチ範囲において登録したテンプレートとイメージマッチングを行い、最も一致率の高い位置をずれ量として用いる。このようにFOV毎、若しくはFOVを4分割した領域毎にずれ量を検出することにより、1枚のFOVに対して1個または4個のずれ量を有することになり、図4に示すように、このずれ量は、基板全体に対して、三角形の頂点として表現される。そして、それぞれの三角形で囲まれた領域の検査を行う際には三角形の頂点のずれ量から補正量を計算し(基準となる面からのずれ量を計算する)、この補正量に基づいて検査面画像を決定する。三角形の頂点のずれ量を用いることで、XYZ方向のシフト及びXYZ軸に対する回転の補正が可能となる。検査箇所が複数ある場合に、それぞれの検査箇所に応じて上記誤差から断面画像を決定し、それを用いて疑似断面画像を生成して、検査し、次の検査箇所に移って同様の処理を行う。また、更に、高精度な位置補正が必要な検査対象部品に関しては、個別に位置補正を行う。この際には先にイメージマッチングで大まかには基板表面を検出しているので、サーチ範囲は限られ高速に処理を行うことができる。
(第2の実施形態)
図5(a)に示すように、第1の実施形態に係る検査位置(基板検査面)の特定方法は、透過画像から、基板の反り等の誤差を考慮した範囲の3次元画像(再構成画像)を再構成し、この3次元画像を用いて特定していたが、この第2の実施形態に係る検査位置(基板検査面)の特定方法は、図5(b)に示すように、2以上の透過画像において特定のパターンやマークの像の形状(透過像)IA1,IA2を検出し、これらの透過画像の各々における透過像のXYZの位置に基づいて、3次元画像(再構成画像)における特定のパターンやマークの形状(3次元画像における特定のパターンやマークの像)Aの位置を特定して検査面画像を決定する方法である。
図5(a)に示すように、第1の実施形態に係る検査位置(基板検査面)の特定方法は、透過画像から、基板の反り等の誤差を考慮した範囲の3次元画像(再構成画像)を再構成し、この3次元画像を用いて特定していたが、この第2の実施形態に係る検査位置(基板検査面)の特定方法は、図5(b)に示すように、2以上の透過画像において特定のパターンやマークの像の形状(透過像)IA1,IA2を検出し、これらの透過画像の各々における透過像のXYZの位置に基づいて、3次元画像(再構成画像)における特定のパターンやマークの形状(3次元画像における特定のパターンやマークの像)Aの位置を特定して検査面画像を決定する方法である。
図6により、2枚の透過画像において、特定のパターンやマークの透過像(ここでは、点IA1,IA2として説明する)が検出された位置から、再構成画像上の特定のパターンやマークの像Aの位置(再構成空間(再構成画像)において、特定のパターンやマークの3次元像Aがある位置)を特定する方法について説明する。なお、図1に示すように、本実施形態に係る検査装置100においては、固定された放射線源(放射線発生器22)に対して、検査対象の基板(基板保持部24)と検出器26とを相対移動させることにより、基板に対する放射線の投射角を変化させて複数枚の透過画像を撮像しているが、図6(a)においては、検査対象の基板を固定とし、放射線源(放射線発生器22)及び検出器26を移動させた場合について示している。なお、この図6における位置(座標)は、放射線源(放射線発生器22)、基板(基板保持部24)及び検出器26の検査装置100における位置(検査装置100の所定の原点からの位置)を用いて、計算により求めることができる。また、図6において、基準となる位置(基準点)をOとする。
まず、第1の投射角における放射線源の位置(放射線発生器22から放射線が放射される座標)を(SX1,SY1,SZ1)とし、検出器26において特定のパターンやマークの透過像IA1が検出された位置を(DX1,DY1,DZ1)とし、再構成画像内のこの特定のパターンやマークの像Aの位置を(OX,OY,OZ)とする。また、第2の投射角における放射線源の位置を(SX2,SY2,SZ2)とし、検出器26における透過像IA2の位置を(DX2,DY2,DZ2)とする。再構成画像内の特定のパターンやマークの像AのX方向及びY方向の位置であるOX,OYは、図6(b)に示すように、XY平面上で放射線源と検出器上の座標とを結んだ直線を交わる点を求めればよく、以下の連立方程式(1),(2)をOX,OYについて解くことにより求められる。
OY = (SY1−DY1)/(SX1−DX1)・OX
+ (SX1・DY1−SY1・DX1)/(SX1−DX1) (1)
OY = (SY2−DY2)/(SX2−DX2)・OX
+ (SX2・DY2−SY2・DX2)/(SX2−DX2) (2)
+ (SX1・DY1−SY1・DX1)/(SX1−DX1) (1)
OY = (SY2−DY2)/(SX2−DX2)・OX
+ (SX2・DY2−SY2・DX2)/(SX2−DX2) (2)
また、再構成画像内の特定のパターンやマークの像AのZ方向の位置であるOZは、上述した式(1),(2)より求められたOXの値を用いて、次式(3)により求めることができる。
OZ = (SZ1−DZ1)/(SX1−DX1)・(OX−DX1) (3)
このように、この第2の実施形態の基板検査面検出処理S12においては、ステップS10で取得された複数の透過画像から、基板上の検査位置(再構成画像における検査面画像)を特定する、具体的には、透過画像において特定のパターンやマークの透過像の形状をイメージマッチング等で検出し、その位置から上述の式を用いて再構成画像内のパターンやマークの位置を決定して検査面画像を特定することにより、正確な位置の検査面画像(断面画像)を用いて検査を行うことができる。また、検査位置(検査面画像)を3次元画像(再構成画像)全体から特定するのではなく、より少ないデータ量の透過画像から特定しているため、特定のための時間が短くなり、結果として検査時間全体を短くすることができる。なお、検査対象が複数箇所ある場合は、それぞれの検査箇所または検査箇所近傍の特定のパターンやマークの形状(透過像の形状)を登録しておき、それぞれについてイメージマッチングで透過画像における位置を特定することにより、再構成画像における位置(検査面画像)も特定することができる。
なお、3点の特定のパターンやマークの位置を参照することにより、Z方向のみではなく、XY方向の位置およびXYZ軸に対する回転を考慮して擬似断面画像を生成することができる。さらに、4点以上の特定のパターンやマークの位置を参照し、線形補間、放物線補間、キュービック補間などの既知の補間方法を用いることにより、対象物のたわみを考慮した擬似断面画像を生成することができる。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態では、図3に示すように、ステップS10で透過画像を撮影したのち、再構成画像を生成し、ステップS12で、透過画像若しくは再構成画像を用いて基板検査面を特定していたが、第3の実施形態では、図7に示すように、透過画像から再構成空間内における検査位置(基板検査面)を特定し、特定された位置を含む再構成画像(特定のパターンやマークを含む再構成画像)を再構成する構成である。
第1及び第2の実施形態では、図3に示すように、ステップS10で透過画像を撮影したのち、再構成画像を生成し、ステップS12で、透過画像若しくは再構成画像を用いて基板検査面を特定していたが、第3の実施形態では、図7に示すように、透過画像から再構成空間内における検査位置(基板検査面)を特定し、特定された位置を含む再構成画像(特定のパターンやマークを含む再構成画像)を再構成する構成である。
図8は、この第3の実施形態におけるはんだの接合状態を検査するフローチャートを示しており、上述した処理と同じ処理は同じ符号を付すことにより詳細な説明は省略する。制御部10は、検査が開始されると、上述したように、放射線発生器駆動部16により放射線発生器22により放射される放射線の照射野を設定し、基板保持部駆動部18により基板保持部24を移動させるとともに、検出器駆動部20により検出器26を移動させて撮像位置を変更しながら、線質変更部14により放射線発生器22の線質を設定して放射線を基板に照射して透過画像を撮像する(ステップS11)。次に、これらの透過画像を用いて、第2の実施形態で説明したように、これらの透過画像における検査対象の像の位置をイメージマッチング等で特定し、このようにして特定された位置から、再構成空間(再構成画像)における位置を特定する(ステップS12)。そして、ステップS12で特定された位置が含まれる再構成画像(検査面画像または断面画像)を生成する(ステップS13)。この再構成画像によるはんだの接合状態の検査は、上述した通りである(ステップS14〜S28)。
この第3の実施形態によると、再構成画像の生成は、検査対象が含まれる部分に限定されるため、再構成画像のデータ量が小さくなり、これにより再構成画像の生成のための時間が短くなり、結果として検査時間全体を短くすることができる。
10 制御部
34 記憶部
100 検査装置
34 記憶部
100 検査装置
Claims (3)
- 被検査体の放射線透過画像から前記被検査体の3次元画像を生成する生成方法であって、
前記放射線透過画像において、前記被検査体の検査位置の透過像の位置を特定するステップと、
前記透過像の位置から、前記3次元画像における前記検査位置を特定するステップと、
前記放射線透過画像から、前記検査位置を含む前記被検査体の3次元画像を生成するステップと、を有することを特徴とする3次元画像の生成方法。 - 前記透過像の位置を特定するステップは、前記検査位置または前記検査位置の近傍の特定のパターンやマークの透過像の形状を用いて特定することを特徴とする請求項1に記載の検査位置の特定方法。
- 前記放射線透過画像及び前記3次元画像を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記放射線透過画像を取り出して、請求項1または2に記載の3次元画像の生成方法により、前記被検査体の3次元画像を生成する制御部と、を有することを特徴とする検査装置。
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