JP2019060290A - 急排弁一体型ダイヤフラムポンプ - Google Patents
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Abstract
Description
急排弁構造体4は、ポンプ本体部3に取付けられた下側筐体11と、この下側筐体11との間にゴム製の隔壁12を挟んだ状態で下側筐体11に取付けられた上側筐体13とを備えている。
隔壁12は、下側筐体11内に形成された入力側空間21と、上側筐体13内に形成された出力側空間22とを仕切っている。入力側空間21は、下側筐体11を貫通する供給通路23を介して供給空間17に接続されているとともに、下側筐体11を貫通する連通路24を介して吸入空間15に接続されている。連通路24の穴径は供給通路23の穴径より小さい。
出力側空間22は、上側筐体13に突設された吐出パイプ28内の吐出通路29と、この吐出パイプ28に接続されたホース(図示せず)などを介して加圧対象物(図示せず)に連通されているととともに、上側筐体13を貫通する排気通路30によって大気中に開放されている。
供給通路23を通る空気の量が相対的に少ない場合は、入力側空間21の空気が連通路24と、吸入空間15と、流入通路18とを通って大気中に排出される。
加圧対象物に空気の供給が終了してモータ2が停止すると、入力側空間21の空気が連通路24と、吸入空間15と、流入通路18とを通って大気中に排出され、入力側空間21の圧力が出力側空間22の圧力より低くなる。この結果、急排弁31が開き、出力側空間22と加圧対象物との間に充満されていた空気が排気通路30を通って大気中に排出される。
図1に示す急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101は、図1において最も下に位置するモータ102に取付けられ、このモータ102によって駆動されて動作する。この実施の形態による急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101は、空気を吸込んで吐出するポンプである。この実施の形態においては、空気が本発明でいう「気体」に相当する。
この急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101は、モータ102に固定されたポンプ本体部103と、このポンプ本体部103に取付けられた急排弁構造体104とを備えている。
ポンプ本体部103は、モータ102に固定されたハウジング105と、このハウジング105に保持された複数の機能部品とによって構成されている。
ハウジング105は、複数の部材をモータ102の軸線方向(図1においては上下方向)に組み合わせて円柱状に形成されており、モータ102の回転軸106と同一軸線上に位置付けられている。
変形部115の開口部分は、バルブホルダー114によって閉塞されている。また、個々の変形部115の開口部分には、変形部115の内方に向けてバルブホルダー114に沿って突出する板状の吸入用弁体116が一体に形成されている。
カップ状を呈する変形部115の底にはピストン118が設けられているとともに、ポンプ室117とは反対方向に向けて突出する連結片119が設けられている。この連結片119は、後述する駆動機構121の駆動体122に連結されている。
出力通路124は、バルブホルダー114の中心側に設けられている。
駆動軸132は、クランク体131側の一端部がクランク体131における回転軸106とは偏心した部位に固着されてクランク体131に支持され、回転軸106に対して所定の方向に傾斜している。
腕部134は、ダイヤフラム113の変形部115毎に設けられており、軸部133から放射状に径方向の外側へ延びている。腕部134には貫通穴134aが穿設されている。この貫通穴134aには、ダイヤフラム113の連結片119が係入されている。連結片119は、腕部134を貫通した状態で腕部134に固定されている。
この駆動機構121によれば、モータ102の回転軸106とともにクランク体131と駆動軸132とが回転することにより、駆動体122が揺動し、ポンプ室117を拡縮させる。
急排弁構造体104は、バルブホルダー114に取付けられた下側筐体141と、この下側筐体141に重ねて取付けられた上側筐体142と、これらの下側筐体141と上側筐体142との間に挟まれて保持された隔壁143とによって構成されている。この実施の形態においては、下側筐体141が本発明でいう「第1の筐体」に相当し、上側筐体142が本発明でいう「第2の筐体」に相当する。
外側筒状体144は、下側筐体141の外縁部に設けられている。内側筒状体145は、外側筒状体144の内方に設けられている。これらの外側筒状体144と内側筒状体145の突出端は、気密となるようにバルブホルダー114に固定されている。
下側筐体141の他側部であって、バルブホルダー114とは反対側の端面には、本発明に係る「連通路」を構成する凹溝153が形成されている。この凹溝153は、上側筐体142に向けて開口しており、供給通路151より流路抵抗が大きくなる形状に形成されている。この実施の形態による凹溝153は、図2および図3に示すように、下側筐体141の外縁部における後述する上側筐体142との合わせ面141aから隔壁143の外縁部を越えて筐体内側に延びるように形成されている。
吐出用円筒部156は、下側筐体141の円筒146と対向する位置に設けられている。
凹溝159は、上側筐体142の外縁部の全域に途切れることなく一連に形成されている。
隔壁143の一側部(図1においては左側部)には、上側筐体142に向けて突出する筒状弁体165が設けられている。この筒状弁体165は、下側筐体141の円筒146と協働して逆止弁166を構成するものである。
弁体172は、相対的に薄く形成された環状の支持部172aと、この支持部172aの中央に位置する板状部172bとによって構成されている。この弁体172の板状部172bは、入力側空間152の圧力と出力側空間162の圧力とに応じて移動し、弁座173に対して接離する。
モータ102の回転軸106が回転すると、クランク体131と駆動軸132とが回転軸106を中心にして回転し、駆動体122の腕部134がダイヤフラム113のピストン118を押したり引いたりする。ピストン118が腕部134によって引かれることにより、ポンプ室117が拡張するとともに吸入用弁体116が開き、大気が流入通路148から吸入空間147と吸入通路123とを通ってポンプ室117に吸入される。一方、ピストン118が腕部134によって押されることにより、ポンプ室117が収縮するとともに吐出用弁体125が開き、ポンプ室117内の空気が出力通路124と、供給空間149と、供給通路151とを通って入力側空間152に流入する。
このように入力側空間152の圧力が上昇することにより、急排弁171が排気口163を閉塞する。これに伴って逆止弁166の筒状弁体165が図2に示すように開いて入力側空間152の空気が逆止弁166を通って出力側空間162に流出する。
したがって、この実施の形態によれば、入力側空間152の空気を大気開放することなくポンプ停止後に入力側空間152の圧力を下げることが可能で、流量および圧力の損失がない急排弁一体型ダイヤフラムポンプを提供することができる。
密閉空間164は、下側筐体141一部と、上側筐体142の一部とによって囲まれて形成されている。
このため、密閉空間164をポンプ内に形成することができるから、密閉空間となる容器(図示せず)を急排弁構造体104に取付ける構造を採る場合と較べて、コンパクトな急排弁一体型ダイヤフラムポンプを実現することができる。
Claims (2)
- ポンプ室を形成するダイヤフラムおよび前記ポンプ室を拡縮させる駆動機構を備えたポンプ本体部と、
前記ポンプ室から気体が供給される供給通路および加圧対象物に接続される吐出通路を有し、前記ポンプ本体部に取付けられた急排弁構造体とを備え、
前記急排弁構造体は、
前記供給通路に連通された入力側空間と、
前記入力側空間に前記供給通路より流路抵抗が大きくなる形状の連通路を介して連通された密閉空間と、
前記入力側空間とは隔壁によって仕切られるとともに前記吐出通路に連通された出力側空間と、
前記入力側空間の気体を前記出力側空間に流す逆止弁と、
一端が前記出力側空間に開口するとともに他端がこの急排弁構造体の外面に開口する排気通路と、
前記排気通路の前記一端からなる排気口を開閉する弁体を有し、前記入力側空間の圧力が前記出力側空間の圧力より高い状態で前記排気口を閉じ、かつ前記入力側空間の圧力が前記出力側空間の圧力以下の状態で前記排気口を開く急排弁とを備え、
前記密閉空間の容積は、
前記加圧対象物に気体が供給されている状態で前記密閉空間の圧力が前記入力側空間の圧力より低く、前記加圧対象物への気体の供給が停止された後に前記密閉空間の圧力と前記入力側空間の圧力とが等しくなり、このときの前記入力側空間の圧力が前記出力側空間の圧力以下になるような容積であることを特徴とする急排弁一体型ダイヤフラムポンプ。 - 請求項1記載の急排弁一体型ダイヤフラムポンプにおいて、
さらに、
前記隔壁と協働して前記入力側空間を形成する第1の筐体と、
前記第1の筐体に重ねられて前記隔壁と協働して前記出力側空間を形成する第2の筐体とを備え、
前記連通路は、前記第2の筐体に向けて開口するように前記第1の筐体に形成された凹溝によって構成され、
前記密閉空間は、前記第1の筐体の一部と前記第2の筐体の一部とによって囲まれて形成されていることを特徴とする急排弁一体型ダイヤフラムポンプ。
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