JP6913365B2 - 急排弁一体型ダイヤフラムポンプ - Google Patents
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Description
急排弁構造体4は、ポンプ本体部3に取付けられた下側筐体11と、この下側筐体11との間にゴム製の隔壁12を挟んだ状態で下側筐体11に取付けられた上側筐体13とを備えている。
隔壁12は、下側筐体11内に形成された入力側空間21と、上側筐体13内に形成された出力側空間22とを仕切っている。入力側空間21は、下側筐体11を貫通する供給通路23を介して供給空間17に接続されているとともに、下側筐体11を貫通する連通路24を介して吸入空間15に接続されている。連通路24の穴径は供給通路23の穴径より小さい。
出力側空間22は、上側筐体13に突設された吐出パイプ28内の吐出通路29と、この吐出パイプ28に接続されたホース(図示せず)などを介して加圧対象物(図示せず)に連通されているととともに、上側筐体13を貫通する排気通路30によって大気中に開放されている。
供給通路23を通る空気の量が相対的に少ない場合は、入力側空間21の空気が連通路24と、吸入空間15と、流入通路18とを通って大気中に排出される。
加圧対象物に空気の供給が終了してモータ2が停止すると、入力側空間21の空気が連通路24と、吸入空間15と、流入通路18とを通って大気中に排出され、入力側空間21の圧力が出力側空間22の圧力より低くなる。この結果、急排弁31が開き、出力側空間22と加圧対象物との間に充満されていた空気が排気通路30を通って大気中に排出される。
また、このダイヤフラムポンプ1では、連通路24に塵埃が入ると性能が低下するために、組立工程で連通路24内に微小な異物が入ることがないように作業しなければならない。すなわち、この種の急排弁一体型ダイヤフラムポンプ1においては、組立性を高くすることが要請されている。
本発明は、前記急排弁一体型ダイヤフラムポンプにおいて、さらに、前記隔壁と協働して前記入力側空間を形成する第1の筐体と、前記第1の筐体に重ねられて前記隔壁と協働して前記出力側空間を形成する第2の筐体とを備え、前記排出通路は、前記第1の筐体における前記第2の筐体との合わせ面に開口する凹溝によって形成されていてもよい。
排出通路の通路断面積は、供給通路の通路断面積以上である。このため、排出通路を簡単に形成することができる。また、組立時に排出通路に微小な塵埃が付着したとしても、ポンプ運転時に排出通路を流れる空気によって排出通路が清掃される。この結果、組立工程で排出通路内に微小な異物が入ることがないように作業する必要がなくなる。
図1に示す急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101は、図1において最も下に位置するモータ102に取付けられ、このモータ102によって駆動されて動作する。この実施の形態による急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101は、空気を吸込んで吐出するポンプである。この実施の形態においては、空気が本発明でいう「気体」に相当する。
この急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101は、モータ102に固定されたポンプ本体部103と、このポンプ本体部103に取付けられた急排弁構造体104とを備えている。
ポンプ本体部103は、モータ102に固定されたハウジング105と、このハウジング105に保持された複数の機能部品とによって構成されている。
ハウジング105は、複数の部材をモータ102の軸線方向(図1においては上下方向)に組み合わせて円柱状に形成されており、モータ102の回転軸106と同一軸線上に位置付けられている。
変形部115の開口部分は、バルブホルダー114によって閉塞されている。また、個々の変形部115の開口部分には、変形部115の内方に向けてバルブホルダー114に沿って突出する板状の吸入用弁体116が一体に形成されている。
カップ状を呈する変形部115の底にはピストン118が設けられているとともに、ポンプ室117とは反対方向に向けて突出する連結片119が設けられている。この連結片119は、後述する駆動機構121の駆動体122に連結されている。
出力通路124は、バルブホルダー114の中心側に設けられている。
駆動軸132は、クランク体131側の一端部がクランク体131における回転軸106とは偏心した部位に固着されてクランク体131に支持され、回転軸106に対して所定の方向に傾斜している。
腕部134は、ダイヤフラム113の変形部115毎に設けられており、軸部133から放射状に径方向の外側へ延びている。腕部134には貫通穴134aが穿設されている。この貫通穴134aには、ダイヤフラム113の連結片119が係入されている。連結片119は、腕部134を貫通した状態で腕部134に固定されている。
この駆動機構121によれば、モータ102の回転軸106とともにクランク体131と駆動軸132とが回転することにより、駆動体122が揺動し、ポンプ室117を拡縮させる。
急排弁構造体104は、バルブホルダー114に取付けられた下側筐体141と、この下側筐体141に重ねて取付けられた上側筐体142と、これらの下側筐体141と上側筐体142との間に挟まれて保持された隔壁143とによって構成されている。この実施の形態においては、下側筐体141が本発明でいう「第1の筐体」に相当し、上側筐体142が本発明でいう「第2の筐体」に相当する。
外側筒状体144は、下側筐体141の外縁部に設けられている。内側筒状体145は、外側筒状体144の内方に設けられている。これらの外側筒状体144と内側筒状体145の突出端は、気密となるようにバルブホルダー114に固定されている。
下側筐体141の他側部であって、バルブホルダー114とは反対側の端面には、排出通路153が形成されている。この排出通路153は、図3に示すように、下側筐体141における上側筐体142との合わせ面141aに開口する凹溝によって形成されている。排出通路153の通路断面積は、供給通路151の通路断面積以上である。また、排出通路153の通路長は、供給通路151の通路長より長く、予め定めた流路抵抗が生じる通路長である。この流路抵抗の説明は後述する。
吐出用円筒部154は、下側筐体141の円筒146と対向する位置に設けられている。
隔壁143の一側部(図1においては左側部)には、上側筐体142に向けて突出する筒状弁体165が設けられている。この筒状弁体165は、下側筐体141の円筒146と協働して逆止弁166を構成するものである。
弁体172は、相対的に薄く形成された環状の支持部172aと、この支持部172aの中央に位置する板状部172bとによって構成されている。この弁体172の板状部172bは、入力側空間152の圧力と出力側空間161の圧力とに応じて移動し、弁座173に対して接離する。
モータ102の回転軸106が回転すると、クランク体131と駆動軸132とが回転軸106を中心にして回転し、駆動体122の腕部134がダイヤフラム113のピストン118を押したり引いたりする。ピストン118が腕部134によって引かれることにより、ポンプ室117が拡張するとともに吸入用弁体116が開き、大気が流入通路148から吸入空間147と吸入通路123とを通ってポンプ室117に吸入される。一方、ピストン118が腕部134によって押されることにより、ポンプ室117が収縮するとともに吐出用弁体125が開き、ポンプ室117内の空気が出力通路124と、供給空間149と、供給通路151とを通って入力側空間152に流入する。
この実施の形態による急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101において、排出通路153の通路断面積は、供給通路151の通路断面積以上である。このため、排出通路153を簡単に形成することができる。また、組立時に排出通路153に微小な塵埃が付着したとしても、ポンプ運転時に排出通路153を流れる空気によって排出通路153が清掃される。このため、組立工程で排出通路153内に微小な異物が入るようなことがあったとしても不具合が生じることはないから、組立作業が容易になる。
したがって、この実施の形態によれば、入力側空間152の空気を排出する構造が簡易になって製造コストが低くなるとともに、組立性が高くなる急排弁一体型ダイヤフラムポンプを提供することができる。
このため、下側筐体141を成型する型を使用して排出通路153を形成することができるから、製造コストがより一層低くなる急排弁一体型ダイヤフラムポンプを提供することができる。
上述した実施の形態ではポンプ室117を2つ有する急排弁一体型ダイヤフラムポンプ101について説明した。しかし、本発明は、ポンプ室が1つあるいは3つ以上ある急排弁一体型ダイヤフラムポンプにも適用することができる。
Claims (2)
- ポンプ室を形成するダイヤフラムおよび前記ポンプ室を拡縮させる駆動機構を備えたポンプ本体部と、
前記ポンプ室から気体が供給される供給通路および加圧対象物に接続される吐出通路を有し、前記ポンプ本体部に取付けられた急排弁構造体とを備え、
前記急排弁構造体は、
前記供給通路に接続された入力側空間と、
一端が前記入力側空間に接続されるとともに他端がこの急排弁構造体の外面に開口する排出通路と、
前記入力側空間とは隔壁によって仕切られるとともに前記吐出通路に連通された出力側空間と、
前記入力側空間の気体を前記出力側空間に流す逆止弁と、
一端が前記出力側空間に接続されるとともに他端がこの急排弁構造体の外面に開口する排気通路と、
前記排気通路の前記一端からなる排気口を開閉する弁体を有し、前記入力側空間の圧力が前記出力側空間の圧力より高い状態で前記排気口を閉じ、かつ前記入力側空間の圧力が前記出力側空間の圧力以下の状態で前記排気口を開く急排弁とを備え、
前記排出通路は、通路断面積が前記供給通路の通路断面積以上となるように形成されているとともに、予め定めた流路抵抗が生じる通路長に形成され、
前記予め定めた流路抵抗は、
前記供給通路を通る気体の流量が所定の流量以下の場合、前記入力側空間に供給された気体が前記排出通路を通って大気中に排出され、
前記供給通路を通る気体の流量が前記所定の流量を越えた場合、前記急排弁が前記排気口を閉塞するとともに、前記入力側空間の気体が前記逆止弁を通って前記出力側空間に流出する流路抵抗であることを特徴とする急排弁一体型ダイヤフラムポンプ。 - 請求項1記載の急排弁一体型ダイヤフラムポンプにおいて、
さらに、
前記隔壁と協働して前記入力側空間を形成する第1の筐体と、
前記第1の筐体に重ねられて前記隔壁と協働して前記出力側空間を形成する第2の筐体とを備え、
前記排出通路は、前記第1の筐体における前記第2の筐体との合わせ面に開口する凹溝によって形成されていることを特徴とする急排弁一体型ダイヤフラムポンプ。
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JP2017185738A JP6913365B2 (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 急排弁一体型ダイヤフラムポンプ |
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