JP4389226B2 - 搾乳器 - Google Patents

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Description

本発明は、母乳を搾乳するための搾乳器に関する。
搾乳器は、乳当て部およびボトル取付け部を有するヘッド部と、ヘッド部の内部空間に負圧を発生させるための負圧発生手段とを備えたものであり、負圧発生手段として、手動式のポンプや、モータ等を備えた電動式のポンプなどが用いられる場合が多い。
このうち、負圧発生手段としての電動式ポンプは、通常、モータと、モータの駆動軸(偏心軸)に連結されるダイヤフラムと、このダイヤフラムを挟持固定する一対の固定用プレートとを有する。一方の固定用プレートには、乳当て部へと連通する第1の通気路と、外部に連通する第2の通気路とが設けられ、ダイヤフラムには、これら第1、第2の通気路に対応する位置にそれぞれ逆止弁が設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
上記構成の負圧発生手段を備えた搾乳器において、モータの回転駆動に伴いダイヤフラムが振動すると、ダイヤフラムとこれに対向する固定用プレートとの間に区画形成されるポンプ空間が拡縮する。ポンプ空間が拡大すると、第1の通気路側の逆止弁が開き、第1の通気路と連通する乳当て部内の空気がポンプ空間へと流入する。そして、ポンプ空間が縮小すると、今度は第2の通気路側の逆止弁が開き、第2の通気路を介してポンプ空間内の空気が外部へと排出される。上述の動作を繰り返すことにより、乳当て部の内部(負圧発生空間)が負圧状態となり、搾乳が可能となる。
特許第3260231号
このように、電動式ポンプを用いた搾乳器は、手動式ポンプに比べて使用者の肉体的負担が小さいことから、最近では手動式ポンプに代わって好ましく用いられる傾向にある。しかしながら、電動式ポンプを用いた搾乳器では、負圧の発生態様が画一的であり、使用者に合わせた負圧状態を実現することは難しい。
例えば特許文献1に開示の搾乳器には、第1の通気路中に、外気と連通可能な圧力調整手段が介設されており、この圧力調整手段の外部に設けられた操作ノブを回すことにより、第1の通気路内に外気を流入させ、負圧の大きさを調整可能としている。しかしながら、上記の圧力調整手段は、単に乳当て部の内部に発生する負圧の最大値を調整可能としたものに過ぎず、例えば負圧の高まり方を緩やかにして、より痛みの少ない授乳を行おうとする場合には、上記手段だけでは不十分である。
本発明の課題は、使用者に合わせて負圧の高まり方を調節することのできる搾乳器を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、乳房の押し当てにより閉塞される第1の開口部と、ボトルを取付けた状態でボトル内部と連通可能な第2の開口部とを連通する負圧発生空間と、負圧発生空間に負圧を生じる負圧発生手段とを備え、負圧発生手段が、ハウジング内に配置されたダイヤフラムと、ダイヤフラムの振動に伴いその容積が増減するポンプ空間と、ダイヤフラムと共にポンプ空間を区画形成する区画部とを有する搾乳器において、ダイヤフラムに吸気用および排気用の逆止弁を設け、ダイヤフラムのポンプ空間側に、内周に雌ねじ部を有する円筒状の固定側の部材を密着させ、固定側の部材の内周に、前記区画部を有するストローク体を気密に配置し、ストローク体の外周に前記雌ねじ部とねじ嵌合する雄ねじ部を設け、ストローク体を、区画部を含めて回転させることで、ダイヤフラムに対して区画部を相対移動可能としたことを特徴とする搾乳器を提供する。
上述のように、本発明は、ダイヤフラムに対する区画部の相対位置を可変としたことを特徴とするものであり、例えばダイヤフラムから区画部を遠ざける(間隔を空ける)ことで、区画部とダイヤフラム等で区画形成されるポンプ空間の容積が大きくなる。この場合、ダイヤフラムの一度のストローク量(振幅量)は、ポンプ容積に関係なく一定である。そのため、ダイヤフラムの一度の振幅運動で生じるポンプ空間内の圧力の変動割合は比較的小さく、結果として負圧発生空間における負圧の上昇勾配が緩やかになる。逆に、ダイヤフラムに対して区画部を接近させることでポンプ空間の容積が小さくなる。この場合には、ダイヤフラムの一度の振幅運動で生じるポンプ空間内の圧力の変動割合は比較的大きく、結果として負圧発生空間における負圧の上昇勾配が高まる。従って、本発明によれば、ダイヤフラムに対して区画部を相対移動可能とするだけで、負圧発生空間における負圧の高まり方を制御することができ、使用者に合わせた搾乳が可能となる。
また、区画部のダイヤフラムに対する相対位置(ストローク位置)がポンプ空間の容積にある程度比例することになるので、かかるポンプ空間の容積を高精度に制御して、負圧発生空間における負圧状態(負圧の高まり方)の微細な調整が可能となる。また、外部からの操作のみでポンプ空間の容積を制御することができるので、搾乳器の使用中、使用者の感覚に合わせて負圧の高まり方を適宜調整することが可能となる。区画部が設けられるストローク体は、ねじ嵌合により固定側の部材に対してねじ送り方向で位置決めされていることから、例えば負圧発生手段(電動ポンプなど)の作動中、区画部がダイヤフラムに対して位置ずれを生じる恐れがない。そのためポンプ空間の容積を保持して、安定した負圧状態を実現することができる。
また、有底筒状の操作ダイヤルを固定側の部材の開口部外周に嵌合し、かつ操作ダイヤルをストローク体に一体回転可能に固定してもよい。さらに、操作ダイヤルに、ハウジングの内壁面と当接可能の鍔部を設けてもよい。
本発明は、ポンプ容積の増減を利用して負圧発生空間の排気を行うものである限り、種々の構成の搾乳器に適用可能である。例えば、ポンプ空間の吸気側と負圧発生空間とを連通させた構成に対して本発明を適用することもできる。また、ポンプ空間と負圧発生空間との間に伸縮可能な仕切り膜を設けた構成に対して本発明を適用することもできる。この場合、仕切り膜を介して負圧発生空間と仕切られ、かつポンプの吸気側に連通する空間が新たに区画形成される。
上記構成の搾乳器は、例えばヘッド部に対して着脱可能なボトルをさらに備えたものであってもよい。あるいは、ヘッド部に対して着脱可能に母乳保存用の袋を取り付けたものであってもよい。
以上のように、本発明によれば、使用者に合わせて負圧の高まり方を調節することのできる搾乳器を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る搾乳器1の外観図であり、乳当て部2を有するヘッド部3と、ヘッド部3に設けられる負圧発生手段10とを備えている。搾乳器1は、この実施形態では、ヘッド部3に着脱自在に設けられたボトル4をさらに備えている。
負圧発生手段10は、この実施形態では主に電動ポンプにより構成され、図2および図3に示すように、モータ11と、モータ11に偏心軸11aを介して連結され、モータ11の回転駆動により振動する薄膜状のダイヤフラム12と、ダイヤフラム12の振動に伴いその容積を増減させるポンプ空間13と、ダイヤフラム12と共にポンプ空間13を区画形成する区画部14と、ヘッド部3の内部空間(この実施形態では、後述する吸気空間37)の気体をポンプ空間13内に流入させる吸気部15、およびポンプ空間13内の空気を外部に排出する排気部16とを主要な構成要素として構成されている。
負圧発生手段10を構成する電動ポンプには、ダイヤフラム12に対して区画部14を相対移動させるための相対移動手段17が設けられている。この実施形態では、相対移動手段17は、区画部14をストローク移動させるためのストローク機構18と、ストローク機構18を外部から操作可能な操作部19とで構成される。以下、負圧発生手段10の具体的な構成を、相対移動手段17を中心に説明する。
モータ11およびダイヤフラム12は、図2に示すように、負圧発生手段10を構成する電動ポンプのハウジング20内に設けられた基部21にそれぞれ取付けられる。ダイヤフラム12の、一端側に突出した連結部12aはモータ11の回転軸(図2中十字で示す位置)に対して偏心した偏心軸11aに連結されると共に、その鍔部12bは基部21と、中空円盤状の第1のプレート部22とで挟持される。この実施形態では、第1のプレート部22の外側(ダイヤフラム12と反対の側)に、円筒状の雌ねじ部24を有する第2のプレート部23が配設されている。この第2のプレート部23は、基部21と第1のプレート部22とでダイヤフラム12の鍔部12bを挟持した状態で基部21に固定される。雌ねじ部24は、後述する雄ねじ部25と共にストローク機構18を形成する。また、第2のプレート部23と第1のプレート部22との間には、ポンプ空間13からの気体の漏れを防止する目的でOリング等の封止部材9が介設されている。
第1のプレート部22および第2のプレート部23の内周には、雌ねじ部24とねじ嵌合可能な雄ねじ部25を有するストローク体26が配設される。ストローク体26の一端側(ポンプ空間13に近い側)には区画部14が設けられており、主に区画部14の端面14aと、これに対向するダイヤフラム12の内面12cとで、ポンプ空間13が区画形成される。この実施形態では、区画部14の端面14aとダイヤフラム12の内面12cに加えて、第1のプレート部22の側端面22aとによってポンプ空間13が区画形成されている。ストローク体26の外側端面(区画部14と反対の側)には連結孔27が形成されており、後述する操作部19の連結部29と連結されるようになっている。
操作部19は、この実施形態では、有底筒状をなす操作ダイヤル28と、操作ダイヤル28の内底面28aから一端開口側に突出形成される連結部29とからなる。操作ダイヤル28は、その筒部側を第2プレート部23の雌ねじ部24の外周に装着すると共に、底部側をハウジング20から外部に突出させた状態で配設される。そのため、操作ダイヤル28の突出部(滑り防止用の溝28bが全周に亘って設けられた部分)を使用者等が容易に回転操作することが可能となっている。また、操作ダイヤル28を雌ねじ部24の外周に装着することで、操作ダイヤル28の内周に設けられた連結部29がストローク体26の連結孔27に嵌合固定される。連結部29、連結孔27は共に断面多角形状(この図示例では断面十字状)をなす。そのため、操作ダイヤル28の回転操作に伴い、連結部29および連結部29に連結された雄ねじ部25(ストローク体26)とが一体に回転し、雌ねじ部24との間でねじ送り方向にストローク移動を行う。なお、操作ダイヤル28の開口端には鍔部28cが設けられており、操作ダイヤル28のストローク移動時、ハウジング20の内壁面20aと当接することで、操作ダイヤル28の抜け落ちを防止している。
ダイヤフラム12には、図3に示すように、互いに異なる方向に開閉可能な逆止弁30、31が設けられる。ダイヤフラム12を基部21と第1のプレート部22との間に挟持固定した状態では、逆止弁30、31は、第1のプレート部22に設けられた2本の細溝32、33(それぞれ図3中1点鎖線で示す位置に形成されている。)とそれぞれ対向した状態にある。第1の細溝32は、第1の逆止弁30を介して基部21に設けられた吸気路34とその一端側で連通し、ポンプ空間13とその他端側で連通している。そのため、第1の逆止弁30を開いた状態では、吸気路34を介して、ポンプ空間13とヘッド部3の内部空間とが連通状態となる。また、第2の細溝33は、第2の逆止弁31、さらには図示しない排気路を介して外気と連通している。そのため、第2の逆止弁31を開いた状態では、ポンプ空間13と外気とが連通状態となる。従って、この実施形態では、第1の細溝32と第1の逆止弁30、および吸気路34とで吸気部15が構成され、第2の細溝33と第2の逆止弁31、および図示しない排気路とで排気部16が構成されている。
ヘッド部3は、筒部5と、筒部5の外周から外径側に延びた乳当て部2と、筒部5の上開口端を覆う上蓋部6とを備えている。乳当て部2の一端開口側には、乳房を押し当てることにより閉塞される第1の開口部2aが形成されている。筒部5の下端には第2の開口部5aが形成されており、例えばボトル4をねじ嵌合により筒部5に固定した状態では、第2の開口部5aを介して、ヘッド部3の内部に形成される負圧発生空間36とボトル4内部とが連通するようになっている。なお、この実施形態では、ボトル4とヘッド部3との間に仕切り部材7が介装され、この仕切り部材7に設けられた逆止弁8を介して、負圧発生空間36の側からボトル4内部の側に流体が流れるようになっている。また、仕切り部材7の鍔部下面には半径方向溝(図示は省略)が形成されている。
この実施形態では、上蓋部6と筒部5との間に、有底円筒状をなす薄膜状の仕切り膜35が設けられる。これにより、ヘッド部3の内部空間は、第1の開口部2aおよび第2の開口部5aとを有する負圧発生空間36と、負圧発生空間36と仕切り膜35を介して仕切られ、吸気部15の吸気路34と連通する吸気空間37とに区画される。
負圧発生手段10としての電動ポンプ内には、吸気空間37を、外部空間に対して開放あるいは閉鎖する開閉機構38が設けられる。開閉機構38は、この実施形態では、例えば図3に示すように、基部21と一体に設けられ、吸気路34から分岐した分岐路39を構成する分岐部40と、分岐部40の先端に設けられた筒部41と、筒部41の外径側に装着される筒状のラバー部42と、筒部41およびラバー部42の内周に挿入される押しボタン43と、押しボタン43と筒部41との間に介装され、押しボタン43を常時外部側に附勢するばね部44とで構成される。従って、押しボタン43を操作していない状態では、押しボタン43はラバー部42に押し付けられた状態となり、例えば押しボタン43の外周面43aと、これに対向するラバー部42の内周面42aとが密着状態にある。これに対して、押しボタン43を内部側に向けて押した状態では、ラバー部42の内周面42aとこれに対向する押しボタン43の外周面43aとの間の密着状態が解消され、これにより形成された両部材42、43間のすき間を介して、吸気空間37が外部空間に開放される。そのため、吸気空間37内の気圧が外気圧より小さい場合には、吸気空間37内に外気が流入する。
次に、この搾乳器1の動作を説明する。
まず、図示しない切換スイッチを操作してモータ11を駆動させる。このモータ11の駆動に伴い、モータ11の偏心軸11aに連結されたダイヤフラム12が振動し、ダイヤフラム12と区画部14との間に形成されるポンプ空間13を拡縮させる。ポンプ空間13を膨張させることで隣接する空間との圧力差によりダイヤフラム12に設けられた第1の逆止弁30が開き、吸気路34および第1の細溝32を介して吸気空間37からポンプ空間13に空気が引き込まれる。また、ポンプ空間13を収縮させることでダイヤフラム12に設けられた第2の逆止弁31が開き、第2の細溝33および排気路(図示は省略)を介して、ポンプ空間13内の空気が外部に放出される。このようにして、吸気空間37内の空気がポンプ空間13を介して連続的に外部空間に放出されることで、吸気空間37内が負圧状態になるとともに、仕切り膜35が吸気空間37側に(図3中1点鎖線で示す位置まで)移動して吸気空間37が収縮する。これにより、吸気空間37と仕切り膜35を介して隣接する負圧発生空間36が、吸気空間37が収縮した分だけ膨張し、負圧状態に変化する。そのため、予め乳当て部2に押し当てた乳房が乳頭と共に負圧発生空間36内に吸引され、母乳が搾乳される。
次に、押しボタン43を押して(開閉機構38を操作して)吸気空間37と外部とを連通させることで、常圧の外気が負圧状態の吸気空間37に流れ込み、仕切り膜35を負圧発生空間36側に移動させる。これにより、圧縮された負圧発生空間36内の空気が、搾乳された母乳とともにヘッド部3の第2の開口部5aを介して、この実施形態ではさらにヘッド部3とボトル4との間に介装された仕切り部材7の逆止弁8を押し開いてボトル4に流れ込む。上記の動作を繰り返し行うことで搾乳が行われ、搾乳された母乳がボトル4内に溜められていく。
この際、負圧発生空間36内部の圧力状態(負圧の上昇勾配)は、相対移動手段17により制御することが可能である。すなわち、操作部19の操作ダイヤル28を回転操作して、区画部14をダイヤフラム12側(図2でいえば左側)に接近させることで、例えば図2に示すように、ダイヤフラム12の内面12cと、第1のプレート部22の側端面22a、および区画部14の端面14aとで区画形成されるポンプ空間13の容積が縮小される。この場合、ダイヤフラム12の一度のストローク量(振幅量)は、ポンプ空間13の容積に比べて大きくなるため、ダイヤフラム12の一度の振幅運動で生じるポンプ空間13内の圧力の変動割合が増加する。これにより、ダイヤフラム12の振幅運動に伴う逆止弁30、31の開き方が比較的大きくなり、この結果、一度の振幅運動につき、ヘッド部3内の吸気空間37から吸気部15(吸気路34)を介してポンプ空間13に流れ込む空気の流量が多くなる。これにより、負圧発生空間36の容積増加割合を大きくし、負圧発生空間36内部における負圧の上昇勾配を高めることができる。
これに対して、例えば操作ダイヤル28を上記とは逆向きに回転操作し、図4に示すように、ダイヤフラム12に対して区画部14を遠ざけることで、区画部14とダイヤフラム12等で区画形成されるポンプ空間13の容積が大きくなる(この場合、区画部14の端面14aとダイヤフラム12の内面12cに加えて、第1のプレート部22の側端面22a、内側面22bとによってポンプ空間13が区画形成されている。)。そのため、ダイヤフラム12の一度の振幅運動で生じるポンプ空間13内の圧力の変動割合が減少する。これにより、ダイヤフラム12の振幅運動に伴う逆止弁30、31の開き方が比較的小さくなり、結果として一振動当りのポンプ空間13への空気の流入量が少なくなる。これにより、負圧発生空間36の容積増加割合を小さくし、負圧発生空間36の内部における負圧の上昇勾配を緩やかにすることができる。従って、かかる構成によれば、予め操作ダイヤル28を回転操作してポンプ空間13の容積を調整しておくだけで、乳房を吸引する空間(負圧発生空間36)における負圧の高まり方を、使用者自身がコントロールすることができる。
また、この実施形態では、区画部14をストローク移動させるためのストローク機構18を、区画部14を一体に設けた雄ねじ部25と、雄ねじ部25とねじ嵌合する雌ねじ部24とで構成すると共に、ストローク機構18を外部から操作する操作部19を、雄ねじ部25の側に連結される連結部29と、連結部29と一体に設けられる操作ダイヤル28とで構成した。かかる構成によれば、操作ダイヤル28を回転操作した分だけ、正確に区画部14を有する雄ねじ部25(ストローク体26)が雌ねじ部24に対してねじ送り方向にストローク移動するので、使用者のダイヤル操作量(回転量)に対応して、負圧状態(負圧の高まり方)を繊細かつ高精度に調節することができる。
また、この実施形態では、ヘッド部3内に仕切り膜35を設けて、言い換えると、ポンプ空間13と負圧発生空間36との間に伸縮可能な仕切り膜35を設けて、ヘッド部3の内部空間を、第1の開口部2aおよび第2の開口部5aとを有する負圧発生空間36と、吸気部15を介してポンプ空間13と連通する吸気空間37とに区画したので、母乳の流路となる負圧発生空間36と電動ポンプ(負圧発生手段10)内の空間とが分離される。そのため、搾乳された母乳がポンプ側に流れ込むのを防止して、あるいはポンプ内の空気や外気を、搾乳された母乳に触れさせないようにして、より清潔な状態で搾乳を行うことができる。
図5は、相対移動手段17によりポンプ空間13の容積を変化させた場合の、負圧発生空間36内部における圧力状態の時間変動を示す図である。図5(a)は、ポンプ空間13の容積を小さくした場合(図2を参照)の圧力状態の時間変動を示しており、図5(b)は、ポンプ空間13の容積を大きくした場合(図4を参照)の圧力状態の時間変動を示している。これらの図より、何れの場合もほぼ同じ値まで負圧が高まっていることが分かる。その一方で、かかる値(最大負圧値)に達するのに要した時間については、ポンプ空間13の容積を比較的小さくした場合(図5(a)を参照)と、かかる容積を比較的大きくした場合(図5(b)を参照)とで大きく異なっている。すなわち、ポンプ容積を小さくした場合の所要時間は、ポンプ容積を大きくした場合のそれに比べて短い。このことから、本発明に係る搾乳器1が特に圧力調整(負圧上昇勾配の調整)に有効であることが明らかとなった。
以上、本発明の一実施形態に係る搾乳器1について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限らず、他の形態に係る搾乳器についても適用可能である。
上記実施形態では、ヘッド部3の内部空間を仕切り膜35で二つの空間(負圧発生空間36と吸気空間37)に区画分割した場合を説明したが、例えば仕切り膜35を取り払って、ポンプ空間13と第1の開口部2aとが負圧発生空間36を介して連通するように構成した搾乳器に対しても本発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、ダイヤフラム12の振動手段としてモータ11を使用する場合を例示したが、例えばモータ11に代えて、すなわち、励磁力により生じる回転駆動力に代えて、励磁力により往復直線運動力(ストローク力)を生じさせ、かかるストローク力で直接的にダイヤフラム12を振動させる構成(例えば、特開平06−299970号を参照)をとることも可能である。もちろん、ダイヤフラム12を振動可能である限り、上記以外にも種々の駆動手段を使用することが可能である。
また、上記実施形態では、ストローク機構18を、互いにねじ嵌合する雌ねじ部24と雄ねじ部25とで構成した場合を説明したが、区画部14をダイヤフラム12に対してストローク移動させるものである限り、ストローク機構18として上記以外の機構(構成)を採ることも可能である。また、操作部19についても、ストローク機構18を外部から操作可能である限り、操作ダイヤル28等に限ることなく、他の操作手段を用いることもできる。また、以上の説明では、相対移動手段17としてストローク機構18および操作部19とで構成されるものを例示したが、ダイヤフラム12に対して区画部14が相対移動可能である限り、ストローク機構18以外の機構で相対移動手段17を構成することも可能である。
また、上記実施形態では、負圧発生手段10を構成する電動ポンプのハウジング20に開閉機構38を設けた場合を例示しているが、かかる開閉機構38は、吸気空間37を外部空間に対して開閉可能である限り、例えばヘッド部3の上蓋部6など、ハウジング20に限ることなく他の箇所にも設けることが可能である。
また、上記実施形態では、開閉機構38の操作により、吸気空間37内部を負圧から常圧に復帰させることで、これに仕切り膜35を介して隣接する負圧発生空間36内部も負圧状態を解消する場合を説明したが、何らかの理由で、極端に負圧発生空間36内の負圧が高まった場合には、緊急回避手段として、例えば開閉機構38と同様の機構をヘッド部3の筒部5(負圧発生空間36と連通する箇所)にさらに設けることも可能である。
また、上記実施形態では、Oリング等の封止部材9を、固定側となる、第1のプレート部22と第2のプレート部23との間に介設した場合を説明したが、これ(封止部材9)を、双方のプレート部22、23に対してストロークを行うストローク体26の側に取り付けることも可能である。図6はその一例を示すもので、外周面に例えば環状の溝47を形成したストローク体46を配設し、かかる溝47に上述のOリング(封止部材9)を嵌め込むこんだ構成をなしている。この構成によれば、プレート部22、23との摺動により封止部材9がねじれることもない。また、ストローク体46をポンプ空間13から離れる向きに過度にストロークさせた場合であっても、封止部材9が外れるのを防ぐことができる。また、封止部材9をストローク体46の側に設けることで、第1および第2のプレート部22、23を一枚のプレート部45で代替することができ、これにより部品点数の削減が可能となる。
なお、図示は省略するが、ストローク体26、46の操作ダイヤル28と、これと相対的に回転する第2のプレート部23(図6で言えばプレート部45)との間で、両者間の相対回転時、所定の円周方向位置で互いに係合する係合部(突起など)を設けることで、ストローク体26、46の抜け落ちを防ぐことも可能である。
また、上記実施形態では、搾乳器1として、ヘッド部3にボトル4を着脱自在に取り付けたものを例示したが、ヘッド部3に着脱可能な容器であれば、これに限ることなく、他の使用形態を採ることも可能である。例えば図示は省略するが、ボトル4に替えて母乳保存用の袋を取り付けることも可能である。
本発明の一実施形態に係る搾乳器の斜視図である。 ポンプ空間および位置調整手段周辺を示す部分断面図である。 ヘッド部および開閉機構周辺を示す部分断面図である。 ポンプ空間の容積を変化させた場合の搾乳器の部分断面図である。 負圧発生空間内部における圧力状態の時間変動を示す図である。 他の実施形態に係る搾乳器の部分断面図である。
符号の説明
1 搾乳器
2 乳当て部
3 ヘッド部
4 ボトル
9 封止部材
10 負圧発生手段
11 モータ
12 ダイヤフラム
13 ポンプ空間
14 区画部
17 相対移動手段
18 ストローク機構
19 操作部
20 ハウジング
22 第1のプレート部
23 第2のプレート部
24 雌ねじ部
25 雄ねじ部
26 ストローク体
28 操作ダイヤル
35 仕切り膜
36 負圧発生空間
38 開閉機構
45 プレート部
46 ストローク体
47 溝

Claims (4)

  1. 乳房の押し当てにより閉塞される第1の開口部と、ボトルを取付けた状態でボトル内部と連通可能な第2の開口部とを連通する負圧発生空間と、負圧発生空間に負圧を生じる負圧発生手段とを備え、
    負圧発生手段が、ハウジング内に配置されたダイヤフラムと、ダイヤフラムの振動に伴いその容積が増減するポンプ空間と、ダイヤフラムと共にポンプ空間を区画形成する区画部とを有する搾乳器において、
    ダイヤフラムに吸気用および排気用の逆止弁を設け、ダイヤフラムのポンプ空間側に、内周に雌ねじ部を有する円筒状の固定側の部材を密着させ、固定側の部材の内周に、前記区画部を有するストローク体を気密に配置し、ストローク体の外周に前記雌ねじ部とねじ嵌合する雄ねじ部を設け、ストローク体を、区画部を含めて回転させることで、ダイヤフラムに対して区画部を相対移動可能としたことを特徴とする搾乳器。
  2. 有底筒状の操作ダイヤルを固定側の部材の開口部外周に嵌合し、かつ操作ダイヤルをストローク体に一体回転可能に固定した請求項1記載の搾乳器。
  3. 操作ダイヤルに、ハウジングの内壁面と当接可能の鍔部を設けた請求項2記載の搾乳器。
  4. ポンプ空間と負圧発生空間との間に伸縮可能な仕切り膜を設けた請求項1〜3何れか1項記載の搾乳器。
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