JP2019060287A - パージバルブおよび蒸発燃料処理装置 - Google Patents

パージバルブおよび蒸発燃料処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019060287A
JP2019060287A JP2017185645A JP2017185645A JP2019060287A JP 2019060287 A JP2019060287 A JP 2019060287A JP 2017185645 A JP2017185645 A JP 2017185645A JP 2017185645 A JP2017185645 A JP 2017185645A JP 2019060287 A JP2019060287 A JP 2019060287A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
time
fuel
purge valve
electromagnetic solenoid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017185645A
Other languages
English (en)
Inventor
曄楠 李
ye nan Li
曄楠 李
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hamanakodenso Co Ltd
Original Assignee
Hamanakodenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hamanakodenso Co Ltd filed Critical Hamanakodenso Co Ltd
Priority to JP2017185645A priority Critical patent/JP2019060287A/ja
Publication of JP2019060287A publication Critical patent/JP2019060287A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)

Abstract

【課題】弁動作に伴う圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑制できるパージバルブを提供する。【解決手段】パージバルブは、電磁ソレノイド部に対して電圧を印加する電圧オン時間と電圧を印加しない電圧オフ時間とを交互に繰り返す駆動波形によって通電状態を制御する制御装置を備える。制御装置は、電圧オン時間TONに対する、直前の電圧オフ時間TAと直後の電圧オフ時間TBとを異ならせるように、電磁ソレノイド部への通電状態を制御する。パージバルブは、従来の通電制御に比べて、エネルギが小さい減衰時間が長くなるような圧力変動の波形を実現することにより、圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑えることができる。【選択図】図4

Description

この明細書における開示は、蒸発燃料の流量を制御するパージバルブおよび蒸発燃料処理装置に関する。
特許文献1には、キャニスタ側からエンジンの吸気管側へ流れる蒸発燃料の流量を調整可能な電磁弁であるパージバルブが開示されている。
特開2013−24399号公報
蒸発燃料が流れる配管内には、パージバルブの開弁や閉弁の作動によって圧力変動が発生しうる。この圧力変動が大きくなると、配管の振動、車両ボディ等の振動を引き起こし、車室内への騒音をもたらすことがある。
この明細書における開示の目的は、弁動作に伴う圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑制できるパージバルブおよび蒸発燃料処理装置を提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示されたパージバルブのひとつは、キャニスタ(13)からエンジン(2)へ向けて流出する蒸発燃料が流通する燃料通路(153)を有するハウジング(150)と、弁座(155)から離間して蒸発燃料の流通を許可する開状態と弁座に接触して蒸発燃料の流通を阻止する閉状態とに切り換えるように燃料通路を開閉する弁体(152)と、弁体の開状態と閉状態とを切り換えるために、通電状態に応じて可動コア(1511)を軸方向に駆動する駆動力を発生する電磁ソレノイド部(151)と、電磁ソレノイド部に対して電圧を印加する電圧オン時間と電圧を印加しない電圧オフ時間とを交互に繰り返す駆動波形によって通電状態を制御する制御装置(50)と、を備え、制御装置は、電圧オン時間(TON)に対する、直前の電圧オフ時間(TA)と直後の電圧オフ時間(TB)とを異ならせるように、電磁ソレノイド部への通電状態を制御する。
このパージバルブによれば、制御装置は、電圧オン時間に対する、直前の電圧オフ時間と直後の電圧オフ時間とを異ならせる駆動波形によって、電磁ソレノイド部への通電状態を制御する。この通電制御によれば、直前の電圧オフ時間か直後の電圧オフ時間のいずれか短い方と電圧オン時間とによって、蒸発燃料の圧力変動が連続した大きな波形を示すようになる。さらにこの通電制御によれば、直前の電圧オフ時間か直後の電圧オフ時間のいずれか長い方において、蒸発燃料の圧力変動が連続的な大きな波形の後に減衰する時間を長くすることができる。このように従来に比べて、エネルギが小さい減衰時間が長くなるような圧力変動の波形を実現することにより、圧力変動に伴う圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑えることができる。このようにパージバルブは、弁動作に伴う振動、騒音等を抑制することができる。
開示された蒸発燃料処理装置のひとつは、燃料を貯留する燃料タンク(10)と、燃料タンク内で発生する蒸発燃料が取り込まれると蒸発燃料を吸着し、当該吸着した蒸発燃料を脱離可能なキャニスタ(13)と、蒸発燃料の流量を制御する前述のパージバルブ(15)と、パージバルブとキャニスタとを連結する配管(14)と、を備える。
この蒸発燃料処理装置によれば、前述のように従来に比べて、エネルギが小さい減衰時間が長くなるような圧力変動の波形を実現することにより、圧力変動に伴う圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑えることができる。圧力変動の減衰時間が長くなるような波形をもたらすことにより、配管の振動を抑制できるので、車両部材への振動伝播が抑えられ、車室の騒音を小さくすることができる蒸発燃料処理装置を提供できる。
第1実施形態のパージバルブを備えた蒸発燃料処理装置を示した図である。 パージバルブの作動時に配管内で発生する圧力変動と車室への騒音伝播との関係を説明するための概要図である。 比較例として従来のパージバルブにおける、通電制御と流路における圧力変動との関係を示したタイムチャートである。 第1実施形態のパージバルブにおける、通電制御と流路における圧力変動との関係を示したタイムチャートである。 第1実施形態のパージバルブにおける、オーバーオール値低減効果を説明するための実験結果である。
(第1実施形態)
第1実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。流量調整装置は、車両に搭載される蒸発燃料パージシステムである蒸発燃料処理装置1に用いられる。蒸発燃料処理装置1は、図1に示すように、キャニスタ13に吸着した燃料中のHCガス等をエンジン2の吸気通路に供給し、燃料タンク10からの蒸発燃料が大気に放出されることを防止する。蒸発燃料処理装置1は、内燃機関であるエンジン2の吸気通路を構成するエンジン2の吸気系と、蒸発燃料をエンジン2の吸気系に供給する蒸発燃料パージ系とを備えている。
エンジン2の吸気圧によって吸気通路に導入された蒸発燃料は、インジェクタ等からエンジン2に供給される燃焼用燃料と混合されて、エンジン2の燃焼室で燃焼される。エンジン2は少なくともキャニスタ13から脱離された蒸発燃料と燃焼用燃料とを混合して燃焼する。エンジン2の吸気系は、吸気通路を構成する吸気管21が吸気マニホールド20に接続され、さらに吸気管21の途中にスロットルバルブ25、エアフィルタ24等が設けられて構成されている。
蒸発燃料パージ系は、燃料タンク10とキャニスタ13がベーパ通路を構成する配管11で接続され、キャニスタ13と吸気管21がパージ通路を構成する配管14とパージバルブ15とを介して接続されている。配管14は、パージバルブ15とキャニスタ13とを連結する通路を構成する。配管14は、車室30を形成する車両部材3に複数の連結部材31によってつながっており、車両部材3に支持されている。車両部材3は、車両の一部を構成し、例えば車室30を形成する車両ボディや車両フレームである。
パージ通路の途中には、パージポンプを設けるようにしてもよい。エアフィルタ24は、吸気管21の上流部に設けられ、吸気中の塵や埃等を捕捉する。スロットルバルブ25は、吸気マニホールド20の入口部の開度を調節して、吸気マニホールド20内に流入する吸気量を調節する吸気量調節弁である。吸気は、吸気通路を通過して吸気マニホールド20内に流入し、インジェクタ等から噴射される燃焼用燃料と所定の空燃比となるように混合されて燃焼室で燃焼される。
燃料タンク10は、例えばガソリン等の燃料を貯留する容器である。燃料タンク10は、ベーパ通路を形成する配管11によってキャニスタ13の流入部に接続されている。キャニスタ13は、内部に活性炭等の吸着材が封入された容器であり、燃料タンク10内で発生する蒸発燃料を、ベーパ通路を介して取り入れて吸着材に一時的に吸着する。
キャニスタ13には、バルブモジュール12が一体に設けられている。バルブモジュール12は、外部の新鮮な空気を吸入するための吸入部を開閉するキャニスタクローズバルブと、大気に対してガスを放出したり、大気を吸入したりすることが可能な内部ポンプと、が内蔵されている。キャニスタ13がキャニスタクローズバルブを備えることにより、キャニスタ13内に大気圧を作用させることができる。キャニスタ13は、吸入された新鮮な空気によって吸着材に吸着した蒸発燃料を容易に脱離可能、すなわちパージすることができる。
パージバルブ15は、パージ通路、すなわち、ハウジング150の内部に設けられた燃料通路153を開閉する弁体152を有する開閉装置であり、キャニスタ13からの蒸発燃料をエンジン2へ供給することを許可および阻止できる。例えば、パージバルブ15は、電圧が供給されていない通常時に燃料通路153を閉じた状態を維持する弁装置である。パージバルブ15は、電圧が印加されていないときに燃料通路153を閉じる閉状態であり、電圧が印加されたときに燃料通路153を開く開状態に制御されるノーマルクローズ式の弁装置である。パージバルブ15は、このように通電制御によって開状態と閉状態とが切り換わり、蒸発燃料処理装置1における蒸発燃料のパージ量を調整することができる。
図2は、パージバルブ15の構成とパージバルブ15の作動時に配管14内で発生する圧力変動と車室30への騒音伝播との関係を示している。図2に示すように、パージバルブ15は、弁座155、弁体152、電磁ソレノイド部151等を備えている。電磁ソレノイド部151は、ヨーク、ボビン、コイル1510、固定コア、可動コア1511、電源供給用のコネクタ等を備えて構成されている。ヨーク、固定コア、可動コア1511等は、磁性材料によって形成されている。制御装置50は、パージバルブ15の電源供給部157に供給する供給電圧を制御することができる。電磁ソレノイド部151は、コネクタによってターミナル端子を、電源供給部157を介して制御装置50に電気的に接続されていることにより、制御装置50はコイル1510に通電する電流を制御できる。電源供給部157は、それ自体に蓄電されているバッテリ等の蓄電装置であってもよいし、外部から供給される電力を変換してまたは無変換の形態で電磁ソレノイド部151に供給する機能を有する装置でもよい。
電磁ソレノイド部151は、弁体152が弁座155から離間して流体の流通を許可する開状態と弁座155に接触して流体の流通を阻止する閉状態とを切り換えるために、弁体152と一体に変位する可動コア1511を軸方向に駆動する駆動力を発生する。閉状態で電磁ソレノイド部151のコイル1510に通電すると、ヨーク、可動コア1511、固定コア等により形成された磁気回路に磁束が発生する。この磁束に伴う磁力により、可動コア1511は固定コア側に向かって軸方向に吸引されることでスプリングの付勢力に抗して固定コア側に移動して、弁体152が弁座155から離間し、燃料通路153を開く開状態となる。
制御装置50は、電磁ソレノイド部151のコイル1510に印加する電圧を制御する。制御装置50は、例えば、印加電圧のオン時間とオフ時間とによって形成される1周期の時間に対するオン時間の比率、すなわちデューティ比を制御してコイル1510に対する通電状態を制御する。パージバルブ15は、デューティコントロールバルブともいう。パージバルブ15は、デューティ信号によって制御されるデューティ比を変更することにより、開弁量を連続的に制御することができる。この制御により、パージバルブ15は燃料通路153を流通する蒸発燃料の流量(パージ量)を調節することができる。
パージバルブ15のハウジング150には、キャニスタ13側からの流体の供給を受ける入力ポート154と、エンジン2側への流体が流出する出力ポート156と、が設けられている。ハウジング150は、電磁ソレノイド部151、弁体152等を収容している。入力ポート154の内部に設けられた流入側通路は、キャニスタ13に接続されている配管14を介してキャニスタ13に連通している。流入側通路は、燃料通路153や弁体152よりもキャニスタ13側に位置する通路である。
制御装置50は、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置とを有する。制御装置50は、例えばコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御装置50は、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御装置50によって実行されることによって、制御装置50をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御装置50を機能させる。
制御装置50が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置50がハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
パージバルブ15の開閉動作は、エンジン2に供給する蒸発燃料の流量を調整するために重要な役割を果たしているが、配管14内における圧力変動を大きくする起因になることがある。また、パージバルブ15の開閉動作に伴って生じる圧力変動は、パージバルブ15における調整可能な最大流量が大きいほど大きくなることもわかっている。したがって、パージバルブ15の調整可能な流量値が大きいほど、パージバルブ15とキャニスタ13との間における圧力変動が大きくなり、この現象が車両における騒音の要因になっている。パージバルブ15とキャニスタ13とを接続する配管14は、例えば連結部材31によって車室30の床下に連結されているので、配管14の振動が連結部材31を介して車両部材3に伝わりやすく、車室30の騒音の要因になる。
図3は、比較例としての従来のパージバルブによる通電制御と流路における圧力変動との関係を示している。従来の通電制御は、電磁ソレノイド部に対して電圧を印加する電圧オン時間と電圧を印加しない電圧オフ時間とを交互に繰り返す駆動波形を形成するデューティ信号制御によって実行されている。この駆動波形は、一定の電圧オン時間TONと一定の電圧オフ時間TOFFとが交互に繰り返される波形である。つまり、電圧オン時間TONに対する、直前の電圧オフ時間TOFFと直後の電圧オフ時間TOFFとは、同じ時間である。なお、図3に示す圧力変動の生波形は、実際の弁の動作が遅れるため、駆動波形に対して遅れるようにずれることになる。
このように規則的に電圧オン時間TONと電圧オフ時間TOFFとを繰り返す駆動波形によれば、配管内の圧力は、図3に示すように電圧オン時間TONに伴って大きく変動し、その後の短い電圧オフ時間TOFFの間に次第に減衰する。配管内の圧力は、次の電圧オン時間TONに伴って再び大きく変動し、その後の短い電圧オフ時間TOFFの間に次第に減衰することを繰り返すように変動する。このように、大きな圧力変動と短期間の変動減衰時間とが周期的に繰り返されるため、従来のパージバルブでは、圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値が大きくなる。また、従来のパージバルブでは、電圧オン時間TONと電圧オフ時間TOFFの一周期における圧力変動量が大きくなり、車室30等の騒音を引き起こしている。オーバーオール値は、全ての周波数帯域を含んだ音圧レベルの値である。周波数帯域毎の値は、配管、車両等のさまざまな部材等の影響を受けるため、オーバーオール値を用いて評価することが適切である。
このような点を鑑みて、この実施形態のパージバルブ15は、開閉動作に関わる通電状態を図4に示す駆動波形のように制御することによって、圧力変動を抑制する機能を発揮する。図4は、この実施形態のパージバルブ15が実施する通電制御と流路における圧力変動との関係を示している。パージバルブ15による通電制御は、電磁ソレノイド部に対して電圧を印加する電圧オン時間と電圧を印加しない電圧オフ時間とを交互に繰り返す駆動波形を形成するデューティ信号制御によって実行されている。この駆動波形は、電圧オン時間TONに対する、直前の電圧オフ時間TAと直後の電圧オフ時間TBとを異ならせるように制御した波形である。つまり、直前の電圧オフ時間TOFFと直後の電圧オフ時間TOFFとは、一方が他方に比べて長い時間となり、電圧オン時間TONと次の電圧オン時間TONとの間隔は、短い時間である場合と長い時間である場合とが交互に繰り返されることになる。
図4に示す例では、電圧オフ時間TBが電圧オフ時間TAに対して非常に長い時間に設定されている。なお、図4に示す圧力変動の生波形は、実際の弁の動作が遅れるため、駆動波形に対して遅れるようにずれることになる。
このように短い電圧オフ時間TAと電圧オン時間TONと長い電圧オフ時間TBと電圧オン時間TONとを繰り返す駆動波形によれば、配管内の圧力は、図4に示すように電圧オン時間TONに伴って大きく変動し、その後の電圧オフ時間の間に減衰する。配管内の圧力は、短い電圧オフ時間TAに対して前後する電圧オン時間TONの両方で大きく変動し、その後の長い電圧オフ時間TBの間に次第に減衰し変動ゼロに近づいていく。配管内の圧力は、次の電圧オン時間TONで大きく変動し、短い電圧オフ時間TAを挟んだ次の電圧オン時間TONでも大きく変動し、その後の長い電圧オフ時間TBの間に次第に減衰し変動ゼロに近づいていく。このように大きな圧力変動と長期間の変動減衰時間とが繰り返されるため、パージバルブ15では、長い減衰期間の間に圧力変動のエネルギが小さい期間が長くなり、圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を下げることができる。
さらにパージバルブ15では、長い減衰期間の間に圧力変動がゼロ近くにまで減衰するので、圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値のさらなる抑制効果を奏するようになる。またパージバルブ15では、圧力変動の長い減衰期間があるため、圧力脈動による騒音が不均一のリズムになることが図れ、車室30の乗員に気づかれにくい騒音になるという効果を奏する。
図5には、パージバルブ15によって得られるオーバーオール値低減効果を説明するために、発明者が実施した、パージバルブ15による通電制御に関する実験結果を示している。図5に示す実験結果は、直後の電圧オフ時間TBと直前の電圧オフ時間TAの比(TB/TA)を1から171を超える値に含まれる複数の条件にした場合のそれぞれについてTB/TA=1である場合のオーバーオール値に対してどれだけ変動するかを調べたものである。つまり、図5において、TB/TA=1でのオーバーオール値に対して、縦軸の値が1未満である条件は、配管14内の圧力脈動を抑制する効果が確認できた条件である。
図5に示す実験結果によると、TB/TAが1より大きく35より小さい範囲に含まれる条件の中には、縦軸の値が1未満である実験結果を確認できた。これにより、電圧オン時間TONに対する、直前の電圧オフ時間TAと直後の電圧オフ時間TBとを異ならせるような通電制御について、圧力脈動低減効果を確認することができる。
さらにTB/TAが35以上である条件は、すべて縦軸の値が1未満である実験結果を確認できた。TB/TAが35よりも大きい条件では、TB/TAが大きくなるにつれて縦軸の値がさらに小さくなっていく実験結果を確認できた。TB/TAが80以上になる条件では、TB/TAが大きくなるにつれて縦軸の値が一定値に近づいていってほとんど変化しない実験結果を確認できた。
図4に示す通電制御の例では、TBとTAの比は59(TB/TA=59)に設定されている。パージバルブ15は開閉動作に関わる通電状態をTB/TA=59になるように制御することによって、図4に示す圧力変動を発生させている。図4に示す圧力変動は、まず電圧オン時間TONによって圧力がゼロ付近から負のP1値に大きく変化した後、正のP2値に大きく変動する。そして、非常に短い電圧オフ時間TAの後、次の電圧オン時間TONによって圧力が正のP2値から負のP3値に大きく変動することになる。このとき電圧オフ時間TAは非常に短いため、圧力は正のP2値からゼロに近づくように減衰することはなく、直後の電圧オン時間TONによって再び負のP3値から正の値に大きく変動する。次の電圧オフ時間TBはTAに対して非常に長いため、圧力はTBの間に徐々に変動幅が小さくなるように減衰してゼロに近づいていく。
制御装置50は、パージバルブ15内とキャニスタ13との間の通路における圧力脈動等のオーバーオール値を下げるために、図4に示すような圧力変動波形が発生するように、コイル1510に対する通電状態を制御する。つまり、制御装置50は、短い方の電圧オフ時間TAの前後において燃料通路153を含む通路における圧力変動が減衰しないで連続して変動するような圧力変動波形を発生させるように、コイル1510に対する通電状態を制御する。
第1実施形態のパージバルブ15がもたらす作用効果について説明する。パージバルブ15は、キャニスタ13からエンジン2へ向けて流出する蒸発燃料が流通する燃料通路153を有するハウジング150と、弁体152と、電磁ソレノイド部151とを備える。弁体152は、弁座155から離間して蒸発燃料の流通を許可する開状態と弁座155に接触して蒸発燃料の流通を阻止する閉状態とに切り換えるように燃料通路153を開閉する。電磁ソレノイド部151は、弁体152の開状態と閉状態とを切り換えるために、通電状態に応じて可動コア1511を軸方向に駆動する駆動力を発生する。パージバルブ15は、電磁ソレノイド部151に対して電圧を印加する電圧オン時間と電圧を印加しない電圧オフ時間とを交互に繰り返す駆動波形によって通電状態を制御する制御装置50を備える。制御装置50は、電圧オン時間TONに対する、直前の電圧オフ時間TAと直後の電圧オフ時間TBとを異ならせるように、電磁ソレノイド部151への通電状態を制御する。
パージバルブ15に対する通電制御によれば、直前の電圧オフ時間TAか直後の電圧オフ時間TBのいずれか短い方と電圧オン時間TONとによって、蒸発燃料の圧力変動が連続した大きな波形を示すようになる。さらにこの通電制御によれば、直前の電圧オフ時間TAか直後の電圧オフ時間TBのいずれか長い方において、蒸発燃料の圧力変動が連続的な大きな波形の後に長く減衰するようになる。これによれば、従来に比べて、エネルギが小さい減衰時間が長くなるような圧力変動の波形(圧力脈動ともいう)を実現することができるので、電圧オン時間と電圧オフ時間とを合わせた一周期全体としての圧力変動量の抑制も可能にする。この圧力変動量の抑制効果により、圧力変動に伴う圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑えることができる。パージバルブ15は圧力変動量の低減を図ることができ、車室30、車両部材3への振動伝播を抑える効果を奏する。
制御装置50は、直前の電圧オフ時間TAと直後の電圧オフ時間TBのうち短い方の電圧オフ時間TAの前後において、燃料通路153における圧力変動が減衰しないで連続して変動する圧力変動波形を発生させるように通電状態を制御することが好ましい。これによれば、長い方の電圧オフ時間TBにおいて、エネルギが小さい減衰時間を十分に長く実施することができる。さらに図3に示すような圧力変動の短い減衰時間を発生させないようにして、その分長い減衰時間を発生させることにより、圧力変動に伴う圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑えることができる。
制御装置50は、直後の電圧オフ時間TBと直前の電圧オフ時間TAの比(TB/TA)が35以上になるように、電磁ソレノイド部151への通電を制御することが好ましい。これによれば、エネルギが小さい減衰時間が十分に長くなる圧力変動の波形を実現することができるので、電圧オン時間と電圧オフ時間とを合わせた一周期全体としての圧力変動量の抑制効果を十分に得ることができる。
制御装置50は、直後の電圧オフ時間TBと直前の電圧オフ時間TAの比(TB/TA)が80以上になるように、電磁ソレノイド部151への通電を制御することが好ましい。これによれば、エネルギが小さい減衰時間が十分に長くなる圧力変動の波形を実現することができるので、圧力変動がほぼゼロになる時間を長くできる。これにより、電圧オン時間と電圧オフ時間とを合わせた一周期全体としての圧力変動量の抑制効果を最大限に得ることができる。
蒸発燃料処理装置1は、燃料タンク10と、吸着した蒸発燃料を脱離可能なキャニスタ13と、パージバルブ15とキャニスタ13とを連結する配管14と、配管14内をエンジン2へ向けて流出する蒸発燃料の流量を制御する前述のパージバルブ15とを備える。
この蒸発燃料処理装置1によれば、前述のように従来に比べて、エネルギが小さい減衰時間が長くなるような圧力変動の波形を実現できるので、圧力変動に伴う圧力脈動、振動、騒音等のオーバーオール値を抑えることができる。
配管14が連結部材31を介して車室30を形成する車両部材3に連結されている。この場合には、蒸発燃料処理装置1は、配管14の振動を抑制できるので、車両部材3への振動伝播が抑えられ、車室30における騒音を小さくすることに寄与する。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
前述の実施形態において、制御装置50は、通電の電圧オン時間と電圧オフ時間とによって形成される1周期の時間に対する電圧オン時間の比率、すなわちデューティ比を制御してパージバルブ15に対して電力供給しているが、このような電力供給に限定されない。例えば、パージバルブ15は、所定の電圧値が供給されているオン状態と電力が供給されていないオフ状態とのいずれかを計測値に応じて選定するオンオフ制御によって制御される構成でもよい。
明細書の開示の目的を達成可能なパージバルブは、ノーマルクローズ式の弁装置に限定されず、電圧が印加されたときに閉状態になり、電圧が印加されていないときに開状態に制御されるノーマルオープン式の弁装置であってもよい。
前述の実施形態において、制御装置50は、電圧オン時間に対する、直前の電圧オフ時間と直後の電圧オフ時間とを異ならせるように、電磁ソレノイド部151への通電を制御しているが、このような波形に伴う通電制御に限定されない。制御装置50は、電圧オフ時間に対する、直前の電圧オン時間と直後の電圧オン時間とを異ならせるように、電磁ソレノイド部151への通電を制御する構成でもよい。
2…エンジン、 3…車両部材、 10…燃料タンク、 13…キャニスタ
14…配管、 15…パージバルブ、 21…吸気管(吸気通路)
30…車室、 31…連結部材、 50…制御装置、 150…ハウジング
151…電磁ソレノイド部、 152…弁体、 153…燃料通路
155…弁座、 1511…可動コア
TON…電圧オン時間、 TA…直前の電圧オフ時間、 TB…直後の電圧オフ時間

Claims (6)

  1. キャニスタ(13)からエンジン(2)へ向けて流出する蒸発燃料が流通する燃料通路(153)を有するハウジング(150)と、
    弁座(155)から離間して前記蒸発燃料の流通を許可する開状態と前記弁座に接触して前記蒸発燃料の流通を阻止する閉状態とに切り換えるように前記燃料通路を開閉する弁体(152)と、
    前記弁体の前記開状態と前記閉状態とを切り換えるために、通電状態に応じて可動コア(1511)を軸方向に駆動する駆動力を発生する電磁ソレノイド部(151)と、
    前記電磁ソレノイド部に対して電圧を印加する電圧オン時間と電圧を印加しない電圧オフ時間とを交互に繰り返す駆動波形によって通電状態を制御する制御装置(50)と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記電圧オン時間(TON)に対する、直前の前記電圧オフ時間(TA)と直後の前記電圧オフ時間(TB)とを異ならせるように、前記電磁ソレノイド部への通電状態を制御するパージバルブ。
  2. 前記制御装置は、直前の前記電圧オフ時間(TA)と直後の前記電圧オフ時間(TB)のうち短い方の前記電圧オフ時間の前後において、前記燃料通路における圧力変動が減衰しないで連続して変動する圧力変動波形を発生させるように、前記電磁ソレノイド部への通電状態を制御する請求項1に記載のパージバルブ。
  3. 前記制御装置は、直後の前記電圧オフ時間と直前の前記電圧オフ時間の比が35以上になるように、前記電磁ソレノイド部への通電を制御する請求項1または請求項2に記載のパージバルブ。
  4. 前記制御装置は、直後の前記電圧オフ時間と直前の前記電圧オフ時間の比が80以上になるように、前記電磁ソレノイド部への通電を制御する請求項3に記載のパージバルブ。
  5. 燃料を貯留する燃料タンク(10)と、
    前記燃料タンク内で発生する蒸発燃料が取り込まれると蒸発燃料を吸着し、当該吸着した蒸発燃料を脱離可能なキャニスタ(13)と、
    蒸発燃料の流量を制御する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパージバルブ(15)と、
    前記パージバルブと前記キャニスタとを連結する配管(14)と、
    を備える蒸発燃料処理装置。
  6. 前記配管は、連結部材(31)を介して、車室(30)を形成する車両部材(3)に連結されている請求項5に記載の蒸発燃料処理装置。
JP2017185645A 2017-09-27 2017-09-27 パージバルブおよび蒸発燃料処理装置 Pending JP2019060287A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185645A JP2019060287A (ja) 2017-09-27 2017-09-27 パージバルブおよび蒸発燃料処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185645A JP2019060287A (ja) 2017-09-27 2017-09-27 パージバルブおよび蒸発燃料処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019060287A true JP2019060287A (ja) 2019-04-18

Family

ID=66178087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017185645A Pending JP2019060287A (ja) 2017-09-27 2017-09-27 パージバルブおよび蒸発燃料処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019060287A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023095225A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 日産自動車株式会社 蒸発燃料処理装置のパージバルブ制御方法および制御装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0597026A (ja) * 1991-10-04 1993-04-20 Toyota Motor Corp 圧力制御装置
JPH06264834A (ja) * 1993-03-12 1994-09-20 Nippondenso Co Ltd 燃料蒸発ガス排出抑止装置
JPH07125194A (ja) * 1993-06-15 1995-05-16 Ricoh Co Ltd 液体噴射記録ヘッドの駆動方法
WO2007020736A1 (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Mitsubishi Electric Corporation 燃料蒸発ガス処理装置および電磁バルブ装置
JP2013221452A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Denso Corp 蒸発燃料処理装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0597026A (ja) * 1991-10-04 1993-04-20 Toyota Motor Corp 圧力制御装置
JPH06264834A (ja) * 1993-03-12 1994-09-20 Nippondenso Co Ltd 燃料蒸発ガス排出抑止装置
JPH07125194A (ja) * 1993-06-15 1995-05-16 Ricoh Co Ltd 液体噴射記録ヘッドの駆動方法
WO2007020736A1 (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Mitsubishi Electric Corporation 燃料蒸発ガス処理装置および電磁バルブ装置
JP2013221452A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Denso Corp 蒸発燃料処理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023095225A1 (ja) * 2021-11-25 2023-06-01 日産自動車株式会社 蒸発燃料処理装置のパージバルブ制御方法および制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7607420B2 (en) Fuel-evaporated gas processing system and electromagnetic valve device
CN108700003B (zh) 蒸发燃料处理装置
JP4203906B2 (ja) 電磁弁およびそれを用いた蒸発燃料処理システム
US7815165B2 (en) Valve device having barrier for suppressing transmission of pulsating waves
EP0701056B1 (en) A flow regulator for controlling the purging of fuel vapours into an intake of an engine and evaporative emission control system having such a regulator
JP6176215B2 (ja) 二段切替弁
JP2000283315A (ja) 電磁弁
JP6662077B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JP2019060287A (ja) パージバルブおよび蒸発燃料処理装置
JP2000170948A (ja) ソレノイドバルブおよび燃料蒸発ガス排出抑止装置
JP6919459B2 (ja) 流量調整装置
CN112424890A (zh) 包括布置在中间壳体中的蒸气出口导管的电磁装置
JP6930438B2 (ja) 流量調整装置
US11028790B2 (en) Purge control valve device
WO2021059724A1 (ja) パージ制御弁装置
KR100775337B1 (ko) 스토퍼리스 타입 퍼지 컨트롤 솔레노이드 밸브
JP2020133540A (ja) 流量調整装置
JP6977797B2 (ja) パージ制御弁装置
KR20070018523A (ko) 퍼지 컨트롤 솔레노이드 밸브의 작동 소음 저감 구조
JP2020190222A (ja) 流量調整装置
JPH05312113A (ja) 燃料蒸発ガス拡散防止装置
JP2015007455A (ja) 流量制御用電磁弁
JP2010144683A (ja) 蒸発燃料制御装置
JP7006553B2 (ja) パージ制御弁
JP2014047763A (ja) 蒸発燃料処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220531