JP2019060030A - 発泡樹脂系断熱面材用基布 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、発泡樹脂系断熱材製造時に、発泡樹脂の接する面(面材用基布の表面)における発泡樹脂の食い付きに優れ、引裂強さを高めて、発泡樹脂の発泡工程での断紙や、運搬や施行時に割れや折れの心配がない発泡樹脂系断熱面材用基布を提供することを目的とする。【解決手段】ガラス繊維、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる裏面層と、表面層側に塗抹されている、顔料とバインダーを含有してなる樹脂組成物とから構成され、表面層がバインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、表面層の全繊維に対して、該融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3質量%以上30質量%未満である発泡樹脂系断熱面材用基布。【選択図】なし

Description

本発明は、発泡樹脂系断熱面材用基布に関するものである。
地球規模の環境対策として、近年では住宅の省エネルギー対策にも重点が置かれ、エコ住宅やエコリフォームと言った取り組みが積極的に行われている。住宅の省エネルギー対策としては、無駄なく冷暖房の冷気や暖気を漏れ出ないように工夫する方法が取られている。この方法には、外壁、屋根・天井または床の断熱改修工事があり、具体的には、外壁、屋根・天井または床に部位毎に断熱性能が確認された断熱材を一定量用いることにより達成される。
一般に住宅で使用されている断熱材は、大きくは発泡樹脂系断熱材と天然素材系断熱材(セルロースファイバー、羊毛繊維、炭化発泡コルク)、無機繊維系断熱材(グラスウール、ロックウール)とに分類される。天然素材系及び無機繊維系断熱材が細い繊維の間に空気を閉じ込めているのに対し、発泡樹脂系断熱材は、独立した小さな気泡の中にガスを閉じ込めることが可能であり、これにより高い断熱性能を発揮している。
発泡樹脂系断熱材に使用される発泡樹脂としては、ビーズ法ポリスチレンフォーム(ビーズ法発泡ポリスチレン)、押出法ポリスチレンフォーム(押出法発泡ポリスチレン)、硬質ウレタンフォーム(硬質発泡ウレタン)、フェノールフォーム(発泡フェノール樹脂)、ポリエチレンフォーム(発泡ポリエチレン)等が挙げられるが、いずれも軽量で高い断熱効果を持つ反面、そのままの形状では耐衝撃性と言った強度面に不安があるといった欠点を持っている。そこで、発泡樹脂系断熱材では、強度付与や施工性の良化等の目的で、発泡樹脂系断熱材の片面もしくは両面に、発泡樹脂系断熱面材用基布(以下、「面材用基布」又は「基布」と略記する場合がある)として、不織布、ガラスペーパー、クラフトパルプ、炭酸カルシウム内添紙、水酸化アルミニウム内添紙等が適時選択されて貼り合わされている。
さらに、発泡樹脂系断熱材に求められる特性としては、断熱性能、防火性能、環境を配慮したノンフロン性等が要求されている。また、シックハウス症候群対策として建築基準法が改正されたことで、ホルムアルデヒドの規制が強化されている。内装材として使用される発泡樹脂系断熱材においては、使用制限に影響を及ぼさないように、国土交通大臣認定のF☆☆☆☆の取得を含め、特徴のある製品を手掛けるメーカーも多い。
また、一般的な発泡樹脂系断熱材の製造方法をフェノールフォームにて説明すると、フェノール樹脂、界面活性剤、可塑剤及び硬化剤の混合液を、面材用基布と面材用基布の間に吐出させ、熱による発泡と硬化の処理を行い、両面に面材用基布を有する発泡フェノール樹脂からなる発泡樹脂系断熱材を製造することができる。
発泡樹脂系断熱面材用基布において、発泡樹脂系断熱材の接する面(面材用基布の表面)には、発泡樹脂の食い込みを考慮した設計が必要である。食い込みが浅過ぎると、製品化した折に面材用基布が剥れる危険性があり、食い込みが深過ぎると、発泡樹脂が裏抜けし、マシン汚れの原因とも成り得る。さらに、施工時の外装となる発泡樹脂系断熱材が接触しない反対面(面材用基布の裏面)は、ホルムアルデヒド対策であるホルマリンキャッチャー等の表面処理や印刷による意匠性の付与等が施される場合がある。
また、発泡樹脂系断熱材を製造する際の発泡樹脂の発泡処理において、面材用基布の断紙が発生しないようにするため、また、発泡樹脂系断熱材を運搬する際や壁や床面に施工する際に、ひねりやたわみの力が加わった際に発泡樹脂系断熱材が割れや折れが発生しないようにするためには、発泡樹脂系断熱面材用基布の引裂強さが高いことが重要である。
上述した発泡樹脂系断熱面材用基布として、強度、寸法安定性、反りなどの形状安定性の観点から、ガラスペーパーが、近年、多く使用されるようになってきた。しかしながら、ガラス繊維と有機バインダーから構成されるガラスペーパーでは、空隙率が多いため、そのままでは発泡樹脂を面材用基布に塗工した際には裏抜けするなどの課題があり、これを防止するために、色々な方法が提案されている。ガラス繊維とパルプおよび/またはその他の有機繊維を特定の範囲で混合し、さらには無機質充填材と有機系合成樹脂を付与したシート材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。塗抹により、シート材料の内部に充填材と有機系合成樹脂を充填する手法では、発泡樹脂を塗抹する表面と表面処理が行われる裏面の各要求品質を満足することができないという問題があった。
また、無機繊維と有機繊維などから構成されたガラスペーパーの片面または両面に塗抹層を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。これらの塗抹においては、単に表面の平滑性と発泡樹脂塗工時の面質向上等の目止め効果を発現するために塗抹を行っており、発泡樹脂の浸透性を考慮した取り組みは行われていなかった。
また、特定の繊維径のガラス繊維とセルロース繊維を用いた面材用不織布シートが提案されている(例えば、特許文献4参照)。この場合、フッ素系撥水撥油剤を使用して適度な目止めの効果と、特定の繊維径繊維との組み合わせにて通気性やその他の特性を確保しているが、発泡樹脂塗工時の塗工面のみの目止めとなっており、断熱材裏面への表面処理に対する考慮がなされていなかった。また、ガラス繊維を含有する不織布の少なくとも片面に防水性合成樹脂フィルムを積層してなる被覆材を用いた建築材料用パネルが提案されている(例えば、特許文献5参照)。この場合、フィルムによる被覆であり、目止め効果はあるものの、後加工で表面処理を行う液の浸透を阻害し、目標とする品質が得られないという問題があった。
また、ガラス繊維、セルロース繊維及び繊維状バインダーを含有してなる表面層、セルロース繊維及び繊維状バインダーを含有してなる裏面層とからなる基材に、顔料とバインダーからなる樹脂組成物を表面層側に塗抹して、裏面層側のコッブサイズ度及び断熱面材用基布全体の吸水量を最適化した断熱面材用基布が提案されている(例えば、特許文献6参照)。この場合、断熱面材用基布の平滑性、発泡プラスティック樹脂の食い込み(浸透性)とホルマリンキャッチャー付与及び印刷適性等の表面加工への適性に優れているが、引裂強さに関しては考慮されていなかった。
実公昭61−21240号公報 特開平11−222793号公報 特開平1−198336号公報 特開平9−310284号公報 実開昭56−165822号公報 特開2014−037652号公報
本発明は、発泡樹脂系断熱材製造時に、発泡樹脂の接する面(面材用基布の表面)における発泡樹脂の食い付きに優れ、引裂強さを高めて、発泡樹脂の発泡工程での断紙や、運搬や施工時に割れや折れの心配がない発泡樹脂系断熱面材用基布を提供することを目的とする。
上記課題は、下記手段により解決された。
(1)ガラス繊維、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる裏面層と、表面層側に塗抹されている、顔料とバインダーを含有してなる樹脂組成物とから構成され、表面層がバインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、表面層の全繊維に対して、該融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3質量%以上30質量%未満である発泡樹脂系断熱面材用基布。
(2)表面層が、バインダー繊維としてポリビニルアルコール繊維を含有する上記(1)に記載の発泡樹脂系断熱面材用基布。
(3)表面層の全繊維に対して、ポリビニルアルコール繊維の含有比率が1質量%以上10質量%未満である上記(2)に記載の発泡樹脂系断熱面材用基布。
本発明によれば、発泡樹脂の加工面となる表面層側には、塗抹された樹脂組成物があり、平滑性、発泡樹脂の食い込み(浸透性)を考慮した対応がなされており、表面層の融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維により、基布の引裂強さを高めて、発泡樹脂塗工工程や発泡樹脂系断熱面材の施工時のよじれ等による割れを防止できる。また、樹脂組成物が塗抹されていない面(非塗抹面)である裏面層は、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有しているため、ホルマリンキャッチャー付与及び印刷適性等の表面加工への適性に優れているという効果が達成された発泡樹脂系断熱面材用基布を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の発泡樹脂系断熱面材用基布は、ガラス繊維、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる表面層、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる裏面層と、表面層側に塗抹されている、顔料とバインダーを含有してなる樹脂組成物とから構成され、表面層が、バインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、表面層の全繊維に対して、該融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3質量%以上30質量%未満であることを特徴とする発泡樹脂系断熱面材用基布によって、発泡樹脂層が設けられる面(面材用基布の表面)となる表面層の引裂強さが高まり、扁平なセルロース繊維との交点を強固に固着し、発泡樹脂塗工時にセルロース繊維の動きを抑制することにより、セルロース繊維特有の平坦性を維持したまま、平滑な塗工層が得られる。また、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有することにより、溶融して表面層に含有される繊維との交点を接着して、引張強度を高めるとともに、引裂強さも高めて、発泡樹脂塗工・発泡工程における断紙を抑制することができる。また、発泡樹脂系断熱面材を壁面や床面に貼り付ける際に、ひねりやよじれに対して裂けにくくすることもできる。
本発明の発泡樹脂系断熱面材用基布は、セルロース繊維を含むことで、親水性に調整されている。また、セルロース繊維として適度に叩解されたパルプ繊維を用いることにより、繊維間に一定の空隙部を有し、吸水性が調整されている。パルプ繊維の叩解度は、300mlCSF以上が好ましく、400mlCSF以上がより好ましい。叩解度が300mlCSF未満の場合には、空隙部分が少なくなって吸水量が低下することがあり、目標とする吸水量が維持できなくなる。また、叩解度が600mlCSF超の場合は、繊維長が長くなり過ぎ、地合の形成が難しくなり、基布の均一性が欠如する場合があるので、叩解度が600mlCSF以下であることが好ましい。
セルロース繊維は、植物繊維として、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、藁パルプ、竹パルプ、リンターパルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類のパルプ等が挙げられる。これらの繊維は、本発明の性能を阻害しない範囲であれば、フィブリル化されていてもなんら差し支えない。さらに、古紙、損紙などから得られるパルプ繊維等を使用してもよい。
本発明に用いるガラス繊維としては、チョップドストランド、グラスウール、グラスフレークが挙げられ、折れ難く繊維シート形成能があればいずれのガラス繊維でも良い。本発明におけるガラス繊維の繊維径は1〜18μmであることが好ましく、2〜13μmがより好ましく、3〜10μmが更に好ましい。繊維径が1μm未満の場合、細すぎて抄造時に断熱面材基布から脱落し、強度、厚みが不十分となる場合がある。繊維径が18μmを超えた場合、太くなり過ぎて隙間が大きくなり、加工性が劣り、さらに皮膚への刺激性がある等、作業性に支障を来たして利用し難くなる場合がある。また、本発明におけるガラス繊維の繊維長は、1〜30mmであることが好ましく、2〜15mmがより好ましく、3〜12mmが更に好ましい。繊維長が1mm未満では、強度が不十分となる場合があり、繊維長が30mmを超えた場合、シートの地合が悪くなり、品質にバラツキが生じる場合がある。
バインダー繊維としては、芯鞘型繊維(コアシェルタイプ)、並列型繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割型繊維等の複合繊維;未延伸繊維等が挙げられる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ等の芯鞘型繊維、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダー繊維等も挙げられる。バインダー繊維の断面形状については特に限定されず、円形だけでなく、T型、Y型、三角等の異形断面形状でも良い。
本発明において、表面層は、バインダー繊維として、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含有する。表面層において、セルロース繊維同士の間、セルロース繊維とガラス繊維との間に、融点が200℃以上の未延伸PET繊維を存在させることによって、空隙部が増すため、発泡樹脂の食い込み(浸透性)を高めることができる。また、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を介して耐水性に乏しいセルロース繊維同士を接着させることによって、湿潤状態においても強度を維持することができ、セルロース繊維を含有させた場合に低下し易い引裂強さを高めることができる。融点が200℃以上の未延伸PET繊維の断面形状については特に限定されず、円形だけでなく、T型、Y型、三角等の異形断面形状でも良い。
バインダー繊維の繊度は、好ましくは0.1デシテックス(dtex)〜5.6dtexであり、より好ましくは0.6dtex〜3.3dtexであり、更に好ましくは1.1dtex〜2.2dtexである。0.1dtex未満の場合、密度が高まり、空隙確保が困難になる場合がある。一方、5.6dtexを超えた場合、繊維間の接点が少なくなり過ぎて、強度維持が困難になる場合がある。また、均一な地合が取れない場合がある。
バインダー繊維の繊維長は、好ましくは1〜20mmであり、より好ましくは2〜15mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。1mm未満の場合、抄造時に抄紙ワイヤーから抜け落ちる場合があり、十分な強度が得られない場合がある。一方、20mmを超えた場合、水に分散する際にもつれ等を起こす場合があり、均一な地合が得られない場合がある。
本発明において、未延伸PET繊維の融点は、200℃以上であり、より好ましくは210℃以上であり、更に好ましくは220℃以上260℃以下である。未延伸PET繊維の融点が200℃未満の場合、塗工層用塗抹液の塗工工程で、未延伸PET繊維の溶融が起こり、装置内のロールに貼り付き、欠点が発生する場合がある。また、260℃を超えた場合、抄紙工程のヤンキードライヤーで未延伸PET繊維の溶融が不十分となり、強度を発現できない場合がある。融点は、PERKIN ELMER社製示差走査熱分析装置DSC7を用いて、25〜300℃まで、毎分10℃の昇温条件で測定した時の最大点の温度である。
表面層において、ガラス繊維:セルロース繊維:バインダー繊維としての融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の配合比(質量基準)は、好ましくは、それぞれ20〜50:20〜50:3〜30質量%未満である。より好ましくは、25〜45:25〜45:5〜25である。ガラス繊維の含有比率が20質量%未満の場合、発泡樹脂塗工製品の気温の高低差による収縮や伸びが大きくなり、寸法安定性が得られにくくなり、断熱材間に隙間が空く場合や、フクレが生じる場合がある。また、ガラス繊維の含有比率が50質量%を超えても、寸法安定性に変化が無く効果は変わらない。セルロース繊維の割合が20質量%未満の場合、樹脂組成物の表面層内への浸透量が多くなり、平坦な塗工面を形成できない場合や、発泡樹脂が断熱面材基布への浸透が過剰となり、規定の発泡樹脂層の厚みが得られない場合がある。また、繊維同士の絡みが少なくなり、引裂強さが低くなる場合がある。一方、セルロース繊維の含有比率が50質量%を超えた場合、ガラス繊維の割合が少なくなり、寸法安定性が得られ難くなる場合がある。バインダー繊維としての融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3質量%未満の場合、十分な引裂強さが得られ難くなる場合がある。一方、30質量%以上の場合、表面層内の空隙は確保でき、引裂強さは高まるもの、発泡樹脂の断熱面材基布への浸透が過剰となり、規定の発泡樹脂層の厚みが得られない場合がある。
表面層は、バインダー繊維としての融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維以外に、第二のバインダー繊維として、ポリビニルアルコール(PVA)繊維を含有しても良い。PVA繊維は水酸基を含有するバインダー繊維である。PVA繊維は、適当な原料PVAを用いて適当な条件で製造した繊維であり、常温の水ではほとんど溶解しないで繊維形態を保っているが、抄紙後の水分のある湿紙状態で加熱されると、容易に溶解し始め、湿紙が加圧されることによって、PVA繊維が繊維間にまたがってバインダー繊維となり、その後の脱水乾燥によって再凝固する。これによって、バインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維のみを含有した場合よりも、毛羽立ちの少ない平滑な面が得られる。
表面層がPVA繊維を更に含有する場合、ガラス繊維:セルロース繊維:バインダー繊維としての融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維:バインダー繊維としてのPVA繊維の配合比(質量基準)は、好ましくは、それぞれ20〜50:20〜50:3〜30質量%未満:1〜10質量%未満である。より好ましくは、25〜45:25〜40:5〜25:2〜8である。バインダー繊維としてのPVA繊維の含有比率が10質量%以上の場合でも、更なる平滑性の向上が望めず、通気性が低下する場合がある。
本発明の発泡樹脂系断熱面材用基布は、表面層側に塗抹されている樹脂組成物(塗工層)を有する。そして、塗工層の上に、発泡樹脂層が設けられ、発泡樹脂系断熱面材となる。塗工層が設けられている側と反対の面(裏面)において、ガラス繊維が露出している場合、発泡樹脂系断熱材に加工する工程や実際に壁面等への設置を行う作業において、作業者に刺激を与え、衛生上好ましくない。そこで、裏面側に、ガラス繊維を含まない、裏面層を設ける。裏面層は、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有する。バインダー繊維の含有比率は、裏面層の全繊維に対して、好ましくは1〜30質量%以下であり、より好ましくは3〜20質量%以下である。バインダー繊維の含有比率が30質量%を超えた場合、基布の通気性が低下し、発泡樹脂の発泡工程で発泡不良を起こす場合がある。バインダー繊維の含有比率が1質量%未満の場合、裏面層に印刷した際にセルロース繊維が離脱して印刷後の見栄えが悪くなる場合がある。
本発明において、セルロース繊維、ガラス繊維及びバインダー繊維に加えて、必要に応じて、性能を阻害しない範囲で、バインダー性能を有しない繊維を配合することができる。その結果、さらに空隙部を増すことができる。このような繊維としては、レーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系などの繊維等の合成繊維、金属繊維、岩石繊維等の無機繊維を加えることができる。
本発明において、樹脂組成物は、顔料とバインダーを含有してなる。この樹脂組成物が表面層側に塗抹されていることによって、発泡樹脂の目止めの効果が得られる。顔料としては、クレー、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン等の水分散性の良い無機顔料が使用できる。しかしながら、後工程の加工を考えた本発明の場合には、板状カオリンが有用となる。また、樹脂組成物における顔料の含有比率は、45〜70質量%が好ましく、50〜65質量%がより好ましく、55〜60質量%がさらに好ましい。45質量%未満だと、基材の目止め効果が薄くなるばかりか、発泡樹脂を塗抹する後工程における発泡樹脂の食い込みが阻害される場合がある。また、70質量%超だと、顔料の分散が難しく、基布からの顔料の脱落が多くなり、品質上の問題を発生させる恐れがある。
また、樹脂組成物に含有されるバインダーには、塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、アクリル、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)、メタクリレート・ブタジエン・ラバー等の高分子をバインダーとして使用できる。該基布に発泡樹脂の加工を施した後で乾燥時に熱がかかるため、耐熱性の高いアクリルの使用が有効である。樹脂組成物におけるバインダーの配合比率は、15〜30質量%が好ましく、18〜28質量%がより好ましく、20〜25質量%が更に好ましい。15質量%未満だと、顔料の粉落ちを招く場合があり、30質量%超だと、顔料の含有比率が下がり、発泡樹脂加工時の樹脂の食い込みが十分得られなくなる場合がある。
また、LOI値が21%以上である基布とするには、樹脂組成物に難燃剤を含有させることが好ましい。難燃剤の固形付着量は、0.8〜1.9g/mが好ましく、1.0〜1.7g/mがより好ましく、1.2〜1.5g/mがさらに好ましい。0.8g/m未満だと、LOI値が21%未満となる場合があり、難燃性を維持できない場合がある。また、1.9g/m超だと、LOI値は21%以上となるものの、塗抹液の液性が不安定になる場合や基布の吸水性が悪化する場合がある。
さらに、樹脂組成物の塗抹液の液安定性を増すため、保水剤、増粘剤等の助剤を添加しても問題なく、塗抹液にポリビニルアルコール(PVA)樹脂を添加し、増粘、保水効果を持たせてもよい。樹脂組成物における助剤の配合比率は、2〜10質量%が好ましく、4〜8質量%がより好ましく、5〜7質量%が更に好ましい。2質量%未満だと、助剤の効果が得られない場合があり、10質量%超だと、液濃度が薄くなり、目標の付着量が得られない場合がある。
樹脂組成物の付着量は、固形分付着量が7〜14g/mであることが好ましい。固形分付着量が7g/m未満だと、表面のカバーリングができず、発泡樹脂の浸透ムラが目立つ傾向になり、安定した製品ができにくくなる。14g/m超だと、表面のカバーリングが良過ぎて、発泡樹脂の浸透性が抑制され過ぎてしまい、剥離等のトラブルを招く恐れがある。
樹脂組成物を塗抹する方法としては、顔料及びバインダーを含有してなる塗抹液を調製し、表面層側に塗抹する。抄紙工程の途中に設置された2ロールサイズプレス、ゲートロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、コンマコーター、バーコーター、グラビアコーター、キスコーター等の含浸または塗工装置による処理が可能であるが、これに限定されるものではない。また、抄紙後にオフマシン装置での含浸または塗工処理も可能である。
本発明の基布の坪量は、特に限定しないが、30g/m以上が好ましく、60g/m以上がより好ましい。30g/m未満では、引張強度、硬さに問題があり、塗抹工程や印刷の際にカールの発生や断紙を起こす恐れがある。一方、カールや断紙の抑制効果は、坪量が200g/mを超えた領域ではほとんど変わらないため、坪量は200g/m以下とすることが好ましく、150g/m以下としてもよい。
表面層の坪量は、20g/m以上が好ましく、35g/m以上がより好ましく、45g/m以上が更に好ましい。20g/m未満の場合、均一な地合を得ることが困難となり、乾燥後の表面毛羽立ちが発生する恐れがある。湿式2層抄きの場合、表面層の坪量が重過ぎると、抄造時の安定性が損なわれるため、坪量は130g/m以下とすることが好ましい。
裏面層の坪量は、5〜30g/mが好ましく、7〜25g/mがより好ましい。5g/m未満の場合、均一な地合を得ることが困難となり、毛羽立ちが発生する恐れがある。一方、30g/mを超えた領域では、基布自体のセルロース繊維比率がアップし、基布としての寸法安定性が維持できなくなる場合がある。
本発明の発泡樹脂系断熱面材用基布には、表面層及び裏面層にサイズ剤を配合することで、サイズ剤がセルロース繊維に吸着し、表面層及び裏面層それぞれコッブサイズ度(すなわち、サイズ性)をコントロールすることができる。サイズ剤としては、強化ロジンサイズ剤、ロジンエマルジョンサイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、合成サイズ剤、中性ロジンサイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)など公知のサイズ剤のいずれも用いることができるが、AKDを用いるのが一般的である。また、裏面層側のコッブサイズ度をコントロールするために、セルロース繊維の固形分に対し、0.35〜0.55質量%のサイズ剤を添加することが好ましい。
この他に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、基布には、各種アニオン性、ノニオン性、カチオン性、あるいは両性の歩留り向上剤、濾水剤、分散剤、紙力向上剤や粘剤を、必要に応じて適宜選択して含有させることができる。なお、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤を目的に応じて適宜添加することも可能である。また、必要に応じて、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の填料や、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の自己消火性を有する填料等も含有させることができる。
本発明の基布は、円網、長網、短網、傾斜ワイヤー等の抄き網を有する抄紙機で、これらの抄き網から同種又は異種の複数の抄き網を組み合わせるコンビネーション抄紙機や、複数のヘッドボックスを有し、ワイヤー上で湿紙を重ね合わせる抄紙機にて製造することができる。原料スラリーには、繊維原料の他に、必要に応じて、分散剤、紙力増強剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤などを適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度で原料スラリーを調製する。この原料スラリーを、さらに所定濃度に希釈して抄造する。次いで、抄造されたウェブは、プレスロールなどでニップされ、次いで、ヤンキードライヤーを使用し、バインダー繊維を溶融させて、強度を発現させる。ヤンキードライヤーにて乾燥することにより、乾燥された表面は鏡面となり、表面の凹凸が少ない面を形成できる特徴がある。その他補助乾燥として、熱風乾燥機、加熱ロール、赤外線ヒーターなどの加熱装置を併用しても問題はない。この時の乾燥温度としては、湿紙ウェブの水分が十分に除去でき、バインダー繊維により強度を発現できる温度とすることが好ましい。また、円網、長網、短網、傾斜ワイヤー等の抄き網を有する抄紙機にて単層ずつ抄紙し、後加工で熱により重ね合わせる多層品として製造することも可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
<評価>
実施例及び比較例で得られた、発泡樹脂系断熱面材用基布について、下記の評価を行い、表面平坦性、剥離強度、引裂強さの評価結果を表2に示した。
[寸法安定性]
基布を温度20℃、湿度65%RHの環境下で24時間以上調湿し、サンプルの横方向の長さ(原寸)を正確に測定する。このサンプルを温度23℃の水中へ10分間浸漬した後、速やかにサンプルの長さを測定し、原寸に対する伸び率を求めた。0に近い程、寸法安定性がよい。従来の経験則より、伸び率は0.18%以内が必要であり、望ましくは0.1%以内である。
[発泡樹脂食い込み試験]
基布表面上に、樹脂、発泡剤及び硬化剤の混合物を流し、別の基布を表面が発泡樹脂に接する状態で重ね合わせて熱発泡させ、熱硬化処理を行った発泡樹脂系断熱材において、発泡樹脂と基布との界面で浮き等の接着不良が見られるものを「×」、手により容易に界面から剥離するものを「△」、界面剥離の見られないものを「○」として評価した。
[表面平坦性]
基布表面上に、樹脂、発泡剤及び硬化剤の混合物を流し、別の基布を表面が発泡樹脂に接する状態で重ね合わせて熱発泡させ、熱硬化処理を行った発泡樹脂系断熱材の表裏面の凹凸を目視で観察し、最も凹凸の少ないものをグレード1とし、最も凹凸の大きいものをグレード5として1〜5にランク分けした。グレード3以下が得られた場合に、「平坦性が改良されている」と判断した。
[引裂強さ]
JIS P8116 2000 エルメンドルフ形引裂試験機法にて測定し、タテ方向(MD)とヨコ方向(CD)の平均値(単位:mN)を算出した。
比較例1
パルパー分散タンク中の水にガラス繊維(商品名:ECS06I−33G、日本電気硝子製、繊維径10μm×繊維長6mm)、500mlCSFに叩解したNBKP(セルロース繊維)、PVA繊維(バインダー繊維、商品名:VPB107、クラレ製、1.0デシテックス×3mm)を40:50:10の比率で投入して10分間混合分散した後、サイズ剤(商品名:AD−1602、星光PMC製)をセルロース繊維の固形分に対し0.47質量%添加し、貯蔵タンクに送り、抄紙ヘッドタンクから坪量80g/mとなるような抄造条件で、表面層の湿紙を構成した。
別のパルパー分散タンク中の水に500mlCSFに叩解したNBKP(セルロース繊維)、PVA繊維(バインダー繊維、商品名:VPB107、クラレ製、1.0デシテックス×3mm)を90:10の比率で投入して10分間混合分散した後、AKD(商品名:AD−1602、星光PMC製)をセルロース繊維の固形分に対し0.47質量%添加し、貯蔵タンクに送り、抄紙ヘッドタンクから坪量10g/mとなるような抄造条件で裏面層の湿紙を構成し、表面層に抄合わせを行い、湿紙状態の2層構造の紙を抄造した。湿紙状態でプレスを行い、表面層がヤンキードライヤーに当たるようにして乾燥し、坪量90g/mの2層構造の紙を作製した。
無機顔料として、カオリン(商品名:NUクレー、BASF CORPORATION製)、高分子エマルジョンとして、アクリルエマルジョン(商品名:ポリトロン(登録商標)Z431、旭化成ケミカル製)及びポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ製)、難燃剤(商品名:ニッカファイン(登録商標)900、日華化学製)をそれぞれ60:23:5:12の比率で水に分散、混合して塗抹液を作製した。本塗抹液をグラビア塗工装置にて上記2層構造の紙の表面層側に、付着量が乾燥質量12g/mになるように塗抹した後乾燥して、表面層側に樹脂組成物(塗工層)を設け、坪量102g/mの基布を得た。
比較例2
パルパー分散タンク中の水にガラス繊維(商品名:ECS06I−33G、日本電気硝子製、繊維径10μm×繊維長6mm)、500mlCSFに叩解したNBKP(セルロース繊維)、芯鞘型ポリエステル複合繊維(芯鞘型PET繊維、バインダー繊維、帝人製、商品名:TJ04CN、1.1デシテックス×5mm)を40:50:10の比率で投入して10分間混合分散した後、サイズ剤(商品名:AD−1602、星光PMC製)をセルロース繊維の固形分に対し0.47質量%添加し、貯蔵タンクに送り、抄紙ヘッドタンクから坪量80g/mとなるような抄造条件で、表面層の湿紙を構成した。
別のパルパー分散タンク中の水に500mlCSFに叩解したNBKP(セルロース繊維)、芯鞘型ポリエステル複合繊維(バインダー繊維、帝人製、商品名:TJ04CN、繊度:1.1デシテックス×5mm)を90:10の比率で投入して10分間混合分散した後、AKD(商品名:AD−1602、星光PMC製)をセルロース繊維の固形分に対し0.47質量%添加し、貯蔵タンクに送り、抄紙ヘッドタンクから坪量10g/mとなるような抄造条件で裏面層の湿紙を構成し、表面層に抄合わせを行い、湿紙状態の2層構造の紙を抄造した。湿紙状態でプレスを行い、表面層がヤンキードライヤーに当たるようにして乾燥し、坪量90g/mの2層構造の紙を作製した。
無機顔料として、カオリン(商品名:NUクレー、BASF CORPORATION製)、高分子エマルジョンとして、アクリルエマルジョン(商品名:ポリトロン(登録商標)Z431、旭化成ケミカル製)及びポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ製)、難燃剤(商品名:ニッカファイン(登録商標)900、日華化学製)をそれぞれ60:23:5:12の比率で水に分散、混合して塗抹液を作製した。本塗抹液をグラビア塗工装置にて上記2層構造の紙の表面層側に、付着量が乾燥質量12g/mになるように塗抹した後乾燥して、表面層側に樹脂組成物(塗工層)を設け、坪量102g/mの基布を得た。
実施例1
表面層の繊維配合を、ガラス繊維:セルロース繊維:融点が230℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維1(1.2デシテックス×5mm、商品名:TR07N、帝人製):PVA繊維(バインダー繊維、商品名:VPB107、クラレ製、1.0デシテックス×3mm)=40:50:5:5に変えた以外は、比較例1と同様にして、基布を得た。
実施例2
表面層の繊維配合を、ガラス繊維:セルロース繊維:融点が230℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維1(1.2デシテックス×5mm、商品名:TR07N、帝人製)=40:50:10に変えた以外は、比較例1と同様にして、基布を得た。
実施例3
表面層の繊維配合を、ガラス繊維:セルロース繊維:融点が230℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維1(1.2デシテックス×5mm、商品名:TR07N、帝人製)=40:35:25に変えた以外は、比較例1と同様にして、基布を得た。
実施例4
裏面層の繊維配合を、セルロース繊維:融点が230℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維1(1.2デシテックス×5mm、商品名:TR07N、帝人製):PVA繊維=90:5:5に変えた以外は、実施例2と同様にして、基布を得た。
実施例5
表面層の繊維配合を、ガラス繊維:セルロース繊維:融点が230℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維1(1.2デシテックス×5mm、商品名:TR07N、帝人製):芯鞘型ポリエステル複合繊維(バインダー繊維、帝人製、商品名:TJ04CN、1.1デシテックス×5mm)=40:50:5:5に変えた以外は、実施例4と同様にして、基布を得た。
実施例6
表面層の繊維配合を、ガラス繊維:セルロース繊維:融点が260℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維2(1.2デシテックス×5mm、商品名:TA07N、帝人製):PVA繊維=40:50:5:5に変えて、裏面層の繊維配合を、セルロース繊維:融点が260℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維2(1.2デシテックス×5mm、商品名:TA07N、帝人製):PVA繊維=90:5:5に変えた以外は、実施例4と同様にして、基布を得た。
比較例3
表面層の繊維配合を、ガラス繊維:セルロース繊維:融点が260℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維2(1.2デシテックス×5mm、商品名:TA07N、帝人製)=40:25:35に変えた以外は、比較例1と同様にして、基布を得た。
表1に、各実施例及び比較例における発泡樹脂系断熱面材用基布の表面層及び裏面層の繊維含有比率を示した。
表2に寸法安定性、発泡樹脂食い込み試験、表面平坦性、引裂強さの結果を示した。
Figure 2019060030
Figure 2019060030
比較例1の発泡樹脂系断熱面材基布は、表面層が、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有していないため、引裂強さは3000mN以上であることが好ましいが、3000mN未満であった。
比較例2の引裂強度は3000mNを超えており、良好であったが、裏面層のバインダー繊維である芯鞘型ポリエステル複合繊維が、[発泡樹脂食い込み試験]及び[表面平坦性]において、樹脂、発泡剤及び硬化剤の混合物を流し、別の基布を表面が発泡樹脂に接する状態で重ね合わせて熱発泡させた際と熱硬化処理時に、乾燥器内で軟化溶融したため、裏面層が乾燥器内のロールに部分的に貼り付いていた。
実施例1〜6の発泡樹脂系断熱面材用基布は、いずれも引裂強さが3000mN以上であり、発泡樹脂塗工工程での断紙の心配が無く、表面平坦性も3以下であり、良好であった。
比較例3の発泡樹脂系断熱面材用基布は、表面層における融点260℃の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が35%であったため、食い込み試験結果が良好であったが、表面平坦性が4であり実用上問題となる。
本発明の活用例として、建築用部材である発泡樹脂系断熱材の面材用基布が好適である。

Claims (3)

  1. ガラス繊維、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、セルロース繊維及びバインダー繊維を含有してなる裏面層と、表面層側に塗抹されている、顔料とバインダーを含有してなる樹脂組成物とから構成され、表面層がバインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、表面層の全繊維に対して、該融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3質量%以上30質量%未満である発泡樹脂系断熱面材用基布。
  2. 表面層が、バインダー繊維としてポリビニルアルコール繊維を含有する請求項1記載の発泡樹脂系断熱面材用基布。
  3. 表面層の全繊維に対して、ポリビニルアルコール繊維の含有比率が1質量%以上10質量%未満である請求項2に記載の発泡樹脂系断熱面材用基布。
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