JP2017133130A - 床材用裏打紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、発泡塩ビゾルが発泡した後の面の平坦性を改善し、床材としては印刷面が緻密で綺麗な印象を与え、且つ発泡塩ビゾル層との接着性が良く、引裂強度を高めて、発泡塩ビゾル塗工・発泡工程での断紙の心配がなく、製造工程に対する不安の少ない床材用裏打紙を提供することを課題とする。【解決手段】ガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる床材用裏打紙において、第一表面層は木材パルプを含有し、ガラス繊維を含有しない層であり、第二表面層はガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有する層であり、第二表面層が、バインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、第二表面層側に塗工層を有することを特徴とする床材用裏打紙であり、第二表面層の全繊維に対して、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3〜30質量%であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、床材用裏打紙に関する。
発泡ポリ塩化ビニル(発泡塩ビゾル)層を有する床材は、ガラス繊維を含有する床材用裏打紙に、発泡塩ビゾルを塗工し、加熱によりゲル化・印刷し、その上に透明な非発泡塩ビゾルを塗工した後、全体を加熱して発泡塩ビゾルを発泡させて、発泡塩ビゾル層が形成されることによって製造される。
最近、床材の面の平坦性において、高いレベルが求められている。面が平坦であれば、見た目の綺麗さのほか、印刷が鮮明で、ユーザーにとって好ましい印刷を与えるからである。
面の平坦性の高い床材を得るためには、発泡塩ビゾルを塗工してゲル化後発泡させた後の面が平坦である必要がある。しかし、ガラス繊維を含有する床材用裏打紙は、繊維径5〜10μmのガラス繊維を含有するため、ポーラスな構造であり、発泡塩ビゾルの浸透がムラになり易く、発泡塩ビゾルが発泡すると、起泡状態が均一にならず、面が平坦にはなりにくい。そのため、ガラス繊維を含有する床材用裏打紙の目を詰めて、発泡塩ビゾルの浸透を抑えることによって、気泡状態を均一化させ、平坦性を得ようとする工夫がなされてきた。
また、平坦性を得るために、高いテンションを加えて張った状態の床材用裏打紙に発泡塩ビゾルを塗工していることから、発泡塩ビゾルの塗工工程、乾燥工程及び発泡工程において、床材用裏打紙が切れたり破れたりしないことが重要である。
床材用裏打紙の目を詰めることを目的として、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂エマルジョンの凝集物やポリビニルアルコール(PVA)繊維によって目を詰める技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、合成樹脂エマルジョンやPVA繊維では、目を詰める効果が十分ではなかった。
ガラス繊維を含有する床材用裏打紙の表面を、木材パルプのような偏平な繊維で覆う方法も提案されている。ガラス繊維を含有しない、木材パルプを主に含有する層によって、ガラス繊維を含有する層を被覆することによって、床材用裏打紙の裏面の皮膚刺激を低減し、取扱い作業者を保護している(例えば、特許文献2)。しかし、ガラス繊維を含有する層において、木材パルプの配合量を多くすると、ガラス繊維を含有する層側のガラス繊維を被覆でき、面も平坦になるので、発泡塩ビゾル塗工・発泡後の面も平坦になるが、木材パルプは耐水性及び耐熱性が低く、水や熱によって床材裏打紙の寸法安定性が低下する場合があるため、配合量が制限されるので、効果が十分ではなかった。
また、ガラス繊維を含有する層に、固形分でラテックスを1.5g/m以上含む樹脂組成物を5g/m以上塗工し、樹脂組成物を塗工する側とは反対側に、実質的にガラス繊維を含まない層を設けてなる二層構造の床材用裏打紙が提案されているが、さらに発泡塩ビゾルの浸透のムラが少なく、発泡塩ビゾルが均一に起泡し、面が平坦になることが望まれている(例えば、特許文献3参照)。
また、第1層はパルプ繊維と繊維状バインダーとを含み、第2層は、ガラス繊維、捲縮パルプ、パルプ繊維、繊維状バインダーを含む2層構造の床材用裏打紙が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この床材用裏打紙では、捲縮パルプによって、クッション性や断熱性を高めており、繊維状バインダーとして、PVA繊維、芯鞘ポリエステル繊維を用いている。しかし、PVA繊維によって、引張強度は高まるものの、引裂強度が低下する場合があり、発泡塩ビゾル塗工・発泡工程での断紙が発生するという問題が起こる場合があった。また、200℃を超える発泡塩ビゾルの発泡工程において、芯鞘ポリエステル繊維は溶融し、装置内のロールに貼り付き、問題になる場合があった。
特公昭58−4618号公報 特公昭57−26232号公報 特許3468994号公報 特開2009−228138号公報
本発明は、発泡塩ビゾルが発泡した後の面の平坦性を改善し、床材としては印刷面が緻密で綺麗な印象を与え、且つ発泡塩ビゾル層との接着性が良く、引裂強度を高めて、発泡塩ビゾル塗工・発泡工程での断紙の心配がなく、製造工程に対する不安の少ない床材用裏打紙を提供することを課題とする。
上記課題は、下記手段により解決された。
(1)ガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる床材用裏打紙において、第一表面層は木材パルプを含有し、ガラス繊維を含有しない層であり、第二表面層はガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有する層であり、第二表面層が、バインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、第二表面層側に塗工層を有することを特徴とする床材用裏打紙。
(2)第二表面層の全繊維に対して、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3〜30質量%である(1)記載の床材用裏打紙。
本発明によれば、発泡塩ビゾルが発泡した後の面の平坦性を改善し、床材としては印刷面が緻密で綺麗な印象を与え、且つ発泡塩ビゾル層との接着性が良く、引裂強度を高めて、発泡塩ビゾル塗工・発泡工程での断紙の心配がなく、製造工程に対する不安の少ない床材用裏打紙を提供することができる。
以下、本発明の床材用裏打紙について詳説する。
本発明では、発泡塩ビゾル塗工・発泡後の面の平坦性が大幅に改善された床材用裏打紙を提供するにはどうあるべきか、鋭意取り組んだ。その結果、ガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる床材用裏打紙において、第一表面層は木材パルプを含有し、ガラス繊維を含有しない層であり、第二表面層はガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有する層であり、第二表面層が、バインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、第二表面層側に塗工層を有することを特徴とする床材用裏打紙によって、発泡塩ビゾル層が設けられる面(塗工面)となる第二表面層の表面の平滑性が高まり、平滑な塗工層が得られることから、平坦性の高い発泡塩ビゾル層を得ることができる。また、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有することにより、第二表面層に含有される繊維間の交点を接着することができ、引張強度を高めるとともに、引裂強度を高めて、発泡塩ビゾル塗工・発泡工程での断紙を抑制することができる。また、床材を床面等に貼り付ける際に、ひねりやよじれに対して裂けにくくすることもできる。さらに、第二表面層に含有される繊維間に空隙を生むことができ、発泡塩ビゾルの発泡工程での空気の抜け道を確保でき、発泡不良を抑制することができる。
本発明の床材用裏打紙は、二層以上の多層構造であり、第一表面層及び第二表面層を有する。第一表面層は、木材パルプを含有し、ガラス繊維を含有しない層であり、第二表面層は、ガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有する層である。第一表面層は、床材の裏面となる層であり、第二表面層のガラス繊維を被覆して、皮膚刺激を防止し、取扱い作業者やユーザーの環境を保護している。本発明の床材用裏打紙は、第一表面層及び第二表面層のみの二層構造であっても良いし、第一表面層と第二表面層との間に別の層を設けた三層以上の構造であっても良い。
本発明において、ガラス繊維は、折れ難く、繊維シート形成能力があれば、いずれのガラス繊維でもよい。ガラス繊維の繊維径としては、好ましくは3〜20μmであり、より好ましくは5〜15μmであり、更に好ましくは6〜13μmである。ガラス繊維の繊維長としては、好ましくは3〜25mmであり、より好ましくは5〜20mm、更に好ましくは6〜13mmである。
本発明において、木材パルプは、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、その他いずれの種類のパルプでもよく、特に限定はされない。目詰め、強度の点から、NBKPが好ましい。また、カナダ標準濾水度は、300〜600mlの範囲が好ましい。偏平繊維である木材パルプで目を詰め、面を平坦とすることができる。
バインダー繊維としては、芯鞘繊維(コアシェルタイプ)、並列繊維(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割繊維等の複合繊維;未延伸繊維等が挙げられる。より具体的には、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、高融点ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ等の芯鞘繊維、ポリエステル等の未延伸繊維が挙げられる。また、ポリエチレンやポリプロピレン等の低融点樹脂のみで構成される単繊維(全融タイプ)、ポリビニルアルコール系のような熱水可溶性バインダー繊維等も挙げられる。
本発明において、第二表面層は、バインダー繊維として、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維を含有する。第二表面層において、木材パルプ同士の間、木材パルプとガラス繊維との間に、融点が200℃以上の未延伸PET繊維を存在させることによって、空隙部を増すため、発泡塩ビゾルの発泡時における空気の抜け道を確保することができ、面を平坦とすることができる。また、耐水性に乏しい木材パルプ同士を接着させることによって、湿潤状態においても強度を維持することができ、木材パルプを含有させた場合に低下し易い引裂強度を高めることができる。融点が200℃以上の未延伸PET繊維の断面形状については特に限定されず、円形だけでなく、T型、Y型、三角等の異形断面形状でも良い。
バインダー繊維の繊度は、好ましくは0.1dtex〜5.6dtexであり、より好ましくは0.6dtex〜3.3dtexであり、更に好ましくは1.1dtex〜2.2dtexである。0.1dtex未満の場合、密度が高まり、空隙確保が困難になる場合がある。一方、5.6dtexを超えた場合、繊維間の接点が少なくなり過ぎて、強度維持が困難になる場合がある。また、均一な地合いが取れない場合がある。
融点が200℃以上の未延伸PET繊維の繊維長は、好ましくは1〜20mmであり、より好ましくは2〜15mmであり、更に好ましくは3〜10mmである。1mm未満の場合、抄造時に抄紙ワイヤーから抜け落ちる場合があり、十分な強度が得られない場合がある。一方、20mmを超えた場合、水に分散する際にもつれ等を起こす場合があり、均一な地合いが得られない場合がある。
本発明において、未延伸PET繊維の融点は、200℃以上であり、より好ましくは210℃以上であり、更に好ましくは220℃以上である。未延伸PET繊維の融点が200℃未満の場合、塗工層用塗液の塗工工程、発泡塩ビゾル塗工工程及び発泡塩ビゾルの発泡工程で、未延伸PET繊維の溶融が起こり、装置内のロールに貼り付き、欠点が発生する場合がある。
本発明において、融点は、PERKIN ELMER社製示差走査熱分析装置DSC7を用いて、25〜300℃まで、毎分10℃の昇温条件で測定した時の最大点の温度である。
第二表面層において、ガラス繊維、木材パルプ、バインダー繊維としての融点が200℃以上の未延伸PET繊維の配合比(質量基準)は、好ましくは、それぞれ20〜60:30〜70:3〜30である。より好ましくは、25〜55:35〜65:5〜25である。ガラス繊維の含有比率が20質量%未満の場合、発泡塩ビゾル塗工製品の気温の高低差による収縮や伸びが大きくなり、寸法安定性が得られにくくなり、床面に隙間が空く場合や、フクレが生じる場合がある。また、ガラス繊維の含有比率が60質量%を超えても、寸法安定性に変化がなく、効果は変わらない。木材パルプの含有比率が30質量%未満の場合、目詰効果が少なく、塗液の第二表面層内への浸透量が多くなり、平坦な塗工面を形成できない場合がある。一方、木材パルプの含有量が70質量%を超えた場合、ガラス繊維の割合が少なくなり、寸法安定性が得られ難くなる場合がある。バインダー繊維の割合が3質量%未満の場合、引裂強度が得られ難くなる場合がある。一方、バインダー繊維の割合が30質量%を超えた場合、第二表面層内の空隙は確保でき、引裂強度は高まるもの、目詰めが低下する恐れがある。
第二表面層において、融点が200℃以上の未延伸PET繊維の含有比率は、全バインダー繊維に対して、好ましくは20〜100質量%であり、より好ましくは30〜100質量%であり、更に好ましくは50〜100質量%である。融点が200℃以上の未延伸PET繊維の含有比率が20質量%未満の場合、木材パルプ同士の間、木材パルプとガラス繊維との間の空隙部が不足し、発泡塩ビゾルの発泡時における空気の抜け道を確保できない場合がある。
本発明の床材用裏打紙は、第二表面層側に塗工層を有する。そして、塗工層の上に、発泡塩ビゾル層が設けられ、床材となる。塗工層が設けられている側と反対の面において、ガラス繊維が露出している場合、床材に加工する工程や実際に床貼りをする作業において、作業者に刺激を与え、衛生上好ましくない。そこで、塗工層が設けられる側とは反対側にガラス繊維を含まない、第一表面層を設ける。第一表面層は、木材パルプを含有するが、木材パルプ以外に、バインダー繊維を含有しても良い。バインダー繊維の含有比率は、第一表面層の全繊維に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。バインダー繊維の比率が30質量%を超えた場合、第一表面層と第二表面層の層間強度が過剰に高まり、張り替えの際に第一表面層と第二表面層の層間で剥がれにくくなり、第二表面層間で剥離する場合や、床面と第一表面層の層間で剥離する場合があり、剥離後の床面が平坦にならず、新しい床材をきれいに貼れない場合がある。
第一表面層の坪量は、第二表面層のガラス繊維を覆う量があれば十分であるが、好ましくは3〜30g/mである。第二表面層の坪量は、好ましくは40〜130g/mである。
本発明の床材用裏打紙は、湿式抄造法によりシート化された湿紙を乾燥させて製造することができる。
湿式抄造法によるシート化に使用する抄紙方式としては、例えば、長網式、円網式、傾斜ワイヤー式等が挙げられる。これらの抄紙方式から選ばれる一つの抄紙方式を有する抄紙機を使用しても良いし、これらの抄紙方式から選ばれる同種又は異種の抄紙方式を2種以上有するコンビネーション抄紙機を使用しても良い。
多層構造の床材用裏打紙を製造する方法としては、各々の抄紙方式で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法、先に形成した一層上に繊維を分散したスラリーを流延して、他の層を形成して積層していく流延法等が挙げられる。流延法において、先に形成した一層は湿紙状態であっても良いし、乾燥状態であっても良い。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造とすることもできる。
湿式抄紙機で製造された湿紙の乾燥方法としては、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより乾燥したシートを得る。中でも湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることをいう。熱ロールの表面温度は、100〜180℃が好ましく、100〜170℃がより好ましく、110〜160℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cm、より好ましくは100〜800N/cmである。
本発明において、塗工層は、顔料とバインダーを含む塗液を塗工することによって形成することができる。顔料としては、バインダーとの親和性があり、塗工後の顔料脱落が少なく、第二表面層の表面にバインダーを留める作用があればよく、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン等を使用できる。また、自己消火性を持たせるために、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等も使用できる。第一表面層と第二表面層の計を100質量%とした場合、付与する顔料の割合は、好ましくは3〜50質量%であり、より好ましくは5〜45質量%であり、更に好ましくは7〜40質量%である。顔料の付与割合が3質量%未満の場合、第二表面層の平坦性向上効果が得られない場合がある。また、顔料の付与割合が50質量%超の場合、第二表面層の平坦性の更なる向上は見られず、床材としての重量が増すために作業性が低下する場合がある。
塗工層に用いるバインダーは、発泡塩ビゾルの浸透抑制が高く、発泡塩ビゾルとの接着性が良いこと、かつ、床材用裏打紙表面の目止め効果も有することが望まれる。バインダーとしては、ポリ塩化ビニル系、スチレンブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系、スチレンアクリル系等が挙げられる。発泡塩ビゾルとの接着性が良いことから、バインダーとしては、水分散系バインダー(ラテックス系バインダー)を好ましく用いることができる。塗工層に含まれるバインダーの含有比率は、好ましくは10〜40質量%であり、より好ましくは20〜35質量%である。バインダーの含有比率が10質量%未満の場合、顔料を十分に第二表面層に留められずに、顔料の脱落が起こる場合がある。バインダーの含有比率が40質量%超の場合、塗工層の通気性が悪化し、発泡塩ビゾルの発泡時における空気の抜け道を確保できない場合がある。
塗工層の塗工方法は、エアーナイフ、ブレード塗工、グラビア塗工、キスコーター、オフセット塗工等各種塗工方法により、塗工量、及び塗液の粘度に応じて選択して用いればよい。グラビア塗工方法は、ポーラスな床材用裏打紙に、少ない塗工量で、効率良く、第二表面層内部に塗工層が浸透し過ぎることなく塗工できるため、好ましい。グラビア塗工方法によれば、塗液の濃度・粘度のほか、グラビアロール(刻印ロール)のセルの深さとメッシュを調節することで、塗工量の調節が可能である。さらに、オフセット塗工と組み合わせることにより、塗工時の線圧を弱くすることができることから、塗工層を第二表面層の表面に付着させ、効果的に目詰めができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における部や百分率は断りのない限り、すべて質量によるものである。
<評価>
実施例及び比較例で得られた、床材用裏打紙について、下記の評価を行い、表面平坦性、剥離強度、引裂強度の評価結果を表1に示した。
[表面平坦性]
床材用裏打紙を、幅25cm、長さ30cmに断裁し、110℃の恒温熱風乾燥器で30秒プレヒートした後、ガラス板の上に、第一表面層が上になるように乗せ、床材用の発泡塩ビゾル(粘度5000〜8000mPa・s、B型粘度計)をギャップ0.4mmのアプリケーターバーで塗工し、200℃の恒温熱風乾燥器で20秒加熱し、ゲル化させた。取り出して冷却させたゲル化後の発泡塩ビゾル上に非発泡の透明塩ビゾルをギャップ0.6mmのアプリケーターバーで塗工した後、サンプル下敷き上に載せて、200℃恒温熱風乾燥器で150秒加熱し、発泡塩ビゾルを発泡させ、非発泡塩ビゾルをゲル化させて、床材を作製した。
作製した床材の塩ビ表面の凹凸を目視で観察し、最も凹凸の少ないものをグレード1とし、最も凹凸の大きいものをグレード5として1〜5にランク分けした。グレード3以下が得られた場合に、「平坦性が改良されている」と判断した。
[剥離強度]
床材用裏打紙と発泡塩ビゾル層との接着性を評価した。上記で作製した床材を幅50mm、長さ200mmに断裁し、床材用裏打紙と発泡塩ビゾル層の層間にカッターナイフで裂け目を入れた後、手で3cm引き剥がして剥がれた状態を観察した。
「○」3cm引き剥がしたうち、2cm以上が発泡塩ビゾル層内で剥離した。
「△」3cm引き剥がしたうち、2cm以上が床材用裏打紙内で剥離した。
「×」3cm引き剥がしたうち、2cm以上が発泡塩ビゾル層と床材用裏打紙との間で剥離した。
[引裂強度]
JIS P8116 2000 エルメンドルフ形引裂試験機法にて測定し、タテ方向(MD)とヨコ方向(CD)の平均値(単位:mN)を算出した。
比較例1
ガラス繊維(9μm×6mm、旭ファイバー製)の分散を次のように行った。パルパーに、水及び初期分散剤としてノニオン界面活性剤(商品名:ノニオンNS−206、日本油脂製、対ガラス繊維3質量%)を入れて攪拌した後、ガラス繊維を投入し、15分間攪拌した。その後、分散安定剤として(商品名:SNディスパーサント5034、サンノプコ製)を対ガラス4質量%添加した後、高分子ポリアクリルアミド(商品名:アクリパーズPNS、三菱レイヨン製)水溶液を対ガラス繊維1.4質量%(固形)添加し、往復回転式攪拌機(島崎製作所製)で攪拌した状態で貯蔵した。
別のパルパーに叩解後のNBKPカムループス(カナダ標準濾水度470ml)とPVA繊維(バインダー繊維、クラレ製、商品名:VPB107−1×3)とを水中に50/10の割合で混合分散し、貯蔵した。
第二表面層として、ガラス繊維/NBKP/PVA繊維が40/50/10の割合となるように、一次スクリーンの入口で混合し、長網に送り、固形分70g/mの湿紙を構成した。
第一表面層として、叩解後のNBKPカムループス(カナダ標準濾水度470ml)とPVA繊維(バインダー繊維、商品名:VPB107−1×3、クラレ製)を水中に90/10の割合で混合分散したのち、貯蔵し、円網へ送り、固形分10g/mの湿紙を構成した。
長網上で構成した湿紙と円網上で構成した湿紙を重ね合わせて表面温度135℃のヤンキードライヤーで乾燥して、合計坪量80g/mの紙を作製した。
デラミクレー(Nuクレー、エンゲルハート製)を水に混合し、分散剤(ヘキサメタリン酸ソーダ)を0.1質量%添加し、30分間攪拌後、濃度65質量%の分散クレーを調製し、貯蔵タンクに攪拌しながら貯蔵した。上記分散クレーと濃度48質量%のスチレン−アクリル共重合体をそれぞれの固形分で66.7/33.3の割合となるように混合し、濃度50質量%の塗液を調製した。
上記紙の第二表面層に、上記塗液をグラビアコーターオフセット塗工により固形分で25g/m塗工し、乾燥して、合計坪量105g/mの床材用裏打紙を作製した。
比較例2
第二表面層と第一表面層のPVA繊維全量を芯鞘PET繊維(繊維径:2.2dt、繊維長:5mm、商品名:メルティー(登録商標)4080、ユニチカ社製)に変えた以外は、比較例1と同様にして床材用裏打紙を作製した。
実施例1
第二表面層のPVA繊維の半量を融点230℃の未延伸PET繊維(繊維径:1.2dt、繊維長:5mm、商品名:TR07N、帝人社製)に変えた以外は、比較例1と同様にして床材用裏打紙を作製した。
実施例2
第二表面層のPVA繊維の全量を融点230℃の未延伸PET繊維(繊維径:1.2dt、繊維長:5mm、商品名:TR07N、帝人社製)に変えた以外は、比較例1と同様にして床材用裏打紙を作製した。
実施例3
第二表面層のNBKPの一部を融点230℃の未延伸PET繊維(繊維径:1.2dt、繊維長:5mm、商品名:TR07N、帝人社製)に変えた以外は、実施例2と同様にして床材用裏打紙を作製した。
実施例4
第一表面層のPVA繊維の一部を融点230℃の未延伸PET繊維(繊維径:1.2dt、繊維長:5mm、商品名:TR07N、帝人社製)に変えた以外は、実施例2と同様にして床材用裏打紙を作製した。
実施例5
第二表面層の融点230℃の未延伸PET繊維(繊維径:1.2dt、繊維長:5mm、商品名:TR07N、帝人社製)の一部を芯鞘PET繊維(繊維径:2.2dt、繊維長:5mm、商品名:メルティー(登録商標)4080、ユニチカ社製)に変えた以外は、実施例4と同様にして床材用裏打紙を作製した。
実施例6
第二表面層と第一表面層のPVA繊維の半分の量を融点260℃未延伸PET繊維(繊維径:1.2dt、繊維長:5mm、商品名:TA07N、帝人社製)に変えた以外は、比較例1と同様にして床材用裏打紙を作製した。
実施例7
第二表面層のNBKPの一部を融点230℃の未延伸PET繊維(繊維径:1.2dt、繊維長:5mm、商品名:TR07N、帝人社製)に変えた以外は、実施例3と同様にして床材用裏打紙を作製した。
表1に、各実施例及び比較例における床材用裏打紙の第二表面層及び第一表面層の繊維含有比率を示した。
表2に表面平坦性、剥離強度、引裂強さの結果を示した。
Figure 2017133130
Figure 2017133130
比較例1の床材用裏打紙における表面平坦性が4であり、平坦性が悪かった。また、発泡塩ビゾル塗工工程で、高いテンションが加わった場合や捻じれ等に対応するためには、引裂強度は3000mN以上が好ましいが、比較例1の床材用裏打紙では3000mN未満であった。
比較例2の引裂強度は3000mNを超えており、良好であったが、バインダー繊維である芯鞘PET繊維が乾燥器内での塩ビ発泡工程で軟化溶融したため、発泡塩ビが塗布されていない面である第一表面層が乾燥器内のサンプル下敷きに部分的に貼り付いていた。
実施例1〜5の床材用裏打紙は、いずれも引裂強度が3000mNを超えており、発泡塩ビゾル塗工工程での断紙の心配がなかった。また、乾燥器内での発泡塩ビゾルの発泡工程での乾燥器内のサンプル下敷きへの貼り付きも見られず良好であった。実施例2〜4の床材用裏打紙では、第二表面層における融点230℃の未延伸PET繊維の含有比率が10%及び25%であったため、床材用裏打紙内の空隙部を増すことができ、発泡塩ビゾルの発泡工程での空気の抜け道を確保でき、表面平坦性が良好であった。実施例3と実施例7を比較すると、実施例7の床材用裏打紙では、第二表面層における融点230℃の未延伸PET繊維の含有比率が35質量%で、30質量%を超えていてり、パルプの含有比率が少ないために、融点230℃の未延伸PET繊維の含有比率が25質量%で、30質量%以下である実施例3の床材用裏打紙における表面平坦性の方が優れていた。
本発明の床材用裏打紙は、発泡ポリ塩化ビニル層を有する床材の裏打ち材として好適に使用できる。

Claims (2)

  1. ガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる床材用裏打紙において、第一表面層は木材パルプを含有し、ガラス繊維を含有しない層であり、第二表面層はガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有する層であり、第二表面層が、バインダー繊維として融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維を含有し、第二表面層側に塗工層を有することを特徴とする床材用裏打紙。
  2. 第二表面層の全繊維に対して、融点が200℃以上の未延伸ポリエチレンテレフタレート繊維の含有比率が3〜30質量%である請求項1記載の床材用裏打紙。
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