JP2019059967A - 金属微粒子含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的低い温度による加熱処理条件で、水の生成を伴わずに、金属微粒子が不可避的に含有する酸素を除去し、緻密性および導電性に優れた焼結膜を形成することができ、被着体と他の被着体との間に形成される接合部の接合強度を高めることができる、金属微粒子含有組成物を提供する。【解決手段】バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、不可避的に酸素を含有し、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)と、水の生成を伴わずに酸素原子と結合可能なリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)と、を含有する、金属微粒子含有組成物。【選択図】図2

Description

本発明は、被着体(例えば、銅基板)と他の被着体(例えば、半導体シリコンチップ)とを接合するために用いる金属微粒子含有組成物に関する。
従来から、ナノメートルサイズ(1μm未満のサイズをいう。以下同じ)の金属微粒子は、融点の低下、触媒活性、磁気特性、比熱特性、光学特性の変化等を発現することから、電子材料、触媒材料、蛍光体材料、発光体材料等の分野で広く用いられている。特に、電子材料用の導電性ペーストのような配線形成材料として、プリント配線、半導体の内部配線、プリント配線板と電子部品との接続等に利用されている。
このようなナノメートルサイズの金属微粒子を製造する方法としては、大きく「気相合成法」と「液相合成法」の2種類の製法が知られている。
ここで「気相合成法」とは、気相中に導入した金属蒸気から固体の金属微粒子を形成する方法である。
他方、「液相合成法」とは、溶液中に分散させた金属イオンを還元することにより金属微粒子を析出させる方法である。また、「液相合成法」においては、一般にその金属イオンを還元するための還元剤を使用する方法と、電気化学的にカソード電極上で還元を行う方法とが知られている。
近年では、金属微粒子を含有するインクを用いて、配線パターンをインクジェットプリンタにより印刷し、焼成して配線を形成する技術が注目されている。しかし、インクジェットプリンタ用インクとして、金属微粒子を含有するインクを用いる場合、長期間分散した状態を保つことが求められ、開発が進められている。
例えば、特許文献1には、銅微粒子を得る方法として、核生成のためのパラジウムイオンを添加すると共に、分散剤としてポリエチレンイミンを添加してポリエチレングリコール又はエチレングリコール溶液中でパラジウムを含有する粒子径50nm以下の銅微粒子を形成し、ついでこの銅微粒子分散溶液を用いて、基板上にパターン印刷を行うために、4%H−N気流中において250℃で3時間の熱処理を行うことによって、微細な銅の導電膜を形成したことが開示されている。
また、特許文献2には、1次粒子径が100nm以下である金属酸化物微粒子を含むインクジェット用インクをインクジェット法により基板上に塗布した後、水素ガス雰囲気下で350℃で1時間の熱処理を施して、酸化第一銅の還元を行い、金属配線のパターンを得たことが開示されている。
また、特許文献3には、金属の周りに分散剤として有機金属化合物が付着している金属ナノ粒子をスピンコート法により、基板(ガラス)上に塗布し、100℃で乾燥し、250℃での焼成により銀の薄膜を作製したことが開示されている。
また、特許文献4には、ジエチレングリコール中に懸濁された、2次粒子の平均粒子径500nmの酢酸銅を濃度が30重量%になるように濃縮し、さらに超音波処理を施して、導電性インクとした後、スライドガラス上に塗布して、還元雰囲気で350℃で1時間加熱して銅薄膜を得たことが記載されている。
また、特許文献5には、銅合金微粒子が(i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒5〜90体積%含む有機溶媒、(ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒5〜95体積%含む有機溶媒、又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上のヒドロキシル基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒、に分散された銅微粒子分散溶液が開示されている。
また、特許文献6には、低分子量ビニルピロリドン存在下に還元剤を用いて、低分子量ビニルプロリドンで被覆された金属微粒子を分子中に1つ以上のヒドロキシル基を有する有機化合物を含む有機溶媒に分散させた金属微粒子分散溶液が開示され、該分散溶液を不活性ガス雰囲気中190℃以上の温度で、熱処理して導電性の焼結膜を得たことが開示されている。
また、特許文献7には、コア部が銅であり、シェル部が酸化銅であるコア/シェル構造を有する粒子を還元性の分散媒に分散させてなる分散溶液を基板上に塗布し、塗膜を形成する工程と、前記塗膜を加熱し、該塗膜中の粒子の酸化銅を銅に還元するとともに、還元されて得られた銅粒子同士を焼結する工程と、を含む導電性基板の製造方法が開示されている。
また、特許文献8には、表面酸化膜層を有する銅微粒子または酸化銅微粒子の分散溶液を利用して超ファインなパターン描画、あるいは薄膜塗布層形成後、還元処理、焼成して、低インピーダンスでかつ微細な焼結体銅系配線パターン、あるいは極薄い膜厚の銅薄膜層を形成する方法が開示されている。
特開2005−330552号公報 特開2004−277627号公報 特開2005−081501号公報 特開2004−323568号公報 特開2009−030084号公報 特開2008−121043号公報 特開2009−218497号公報 特許第3939735号公報
しかしながら、特許文献1、2、3、4に開示された製造方法では、水素ガス等の還元剤を使用して、250〜300℃程度で焼結をしなければ、導電性の焼結金属を得ることができないという問題点もあった。
また、特許文献5では、前記3種類の分散溶液を用いて、窒素ガス雰囲気中180〜300℃で焼結して焼結膜を得たことが開示されているが、金属微粒子を比較的低温で焼成しても導電性の高い焼結体を得られることが望ましい。また、従来の金属又は合金微粒子に使用する還元性有機溶媒として、ヒドロキシル基を2以上有する、高い沸点を有する多価アルコールを多く含む分散溶媒を使用する必要があった。
また、特許文献6では、還元剤を用いる非電解還元により銅微粒子を生成する際に、分散剤として低分子分散剤を用いると銅微粒子への分散剤の被覆量が減少して分散性が低下するおそれがある。
特許文献7には、コア部が銅であり、シェル部が酸化銅であるコア/シェル構造を有する粒子を還元性の分散媒に分散させた分散溶液を加熱・焼結する際に該酸化銅の作用により焼結が促進されることが開示されているが、この酸化銅がすべて還元されるとその後の焼結の促進効果は消滅する。
特許文献8には、表面酸化膜層を有する銅ナノ粒子または酸化銅ナノ粒子を含有する分散溶液を基板上にパターン化後に、焼成することが開示されているが、焼成温度は、少なくとも250〜350℃程度の温度で処理する必要がある。
表面に銅酸化物層が適度に形成されているコア/シェル構造を有する銅微粒子が存在すると、微粒子間の焼結を触媒的に促進させる効果を示す結果、酸化銅が存在している段階では焼結は促進される。しかし、該酸化銅が還元されて存在しなくなるとこのような触媒的な効果も消滅する。
一方、従来から、金属微粒子分散液には金属微粒子の酸化物の除去または分散性を高める目的で、カルボン酸系の化合物もしくはポリオール系の化合物などが添加剤として用いられてきた。
しかしながら、カルボン酸系の化合物もしくはポリオール系の化合物は、それらが加熱分解される過程と、金属微粒子から酸素原子を除去する過程で、水素原子が酸素原子と化合して蒸発潜熱の大きい水が生成されてしまう問題が生じてしまった。
水などの蒸発潜熱の大きい生成物は、加熱によって激しい突沸を引き起こし、加熱処理によって形成される焼結膜に空隙が生じ易く、所望の焼結膜が得られないだけでなく、被着体と他の被着体との間に形成される接合部においては十分な接合強度が得られないことが問題になっていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、比較的低い温度による加熱処理条件で、水の生成を伴わずに、金属微粒子が不可避的に含有する酸素を除去し、緻密性および導電性に優れた焼結膜を形成することができ、被着体と他の被着体との間に形成される接合部の接合強度を高めることができる、金属微粒子含有組成物を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る金属微粒子含有組成物は、バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、不可避的に酸素を含有し、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)と、水の生成を伴わずに酸素原子と結合可能なリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)と、を含有する。
本発明に係る金属微粒子含有組成物において、金属元素(M)は、銅、およびニッケルの中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る金属微粒子含有組成物において、活性化剤(A)は、少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機リン化合物(A1)であることが好ましい。
本発明に係る金属微粒子含有組成物において、有機リン化合物(A1)が、ホスフィン類、およびホスファイト類の中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る金属微粒子含有組成物において、活性化剤(A)が、少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機硫黄化合物(A2)であることが好ましい。
本発明に係る金属微粒子含有組成物において、有機硫黄化合物(A2)が、スルフィド類、ジスルフィド類、トリスルフィド類、およびスルホキシド類の中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る金属微粒子含有組成物が、更に、バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、平均一次粒径が0.5〜50μmの範囲にある金属粉(P2)を含有することが好ましい。
本発明に係る金属微粒子含有組成物によれば、比較的低い温度による加熱処理条件で、緻密性および導電性に優れた焼結膜を形成することができ、被着体と他の被着体との間に形成される接合部の接合強度を高めることができる。
平均一次粒径が0.001μm〜0.5μm(1〜500nm)の範囲にある金属微粒子(P1)である銅微粒子が、不可避的に酸素を含有することを示す図である。 実施例3の金属微粒子含有組成物を用いて形成された焼結膜表面のSEM画像である。 比較例1の金属微粒子含有組成物を用いて形成された焼結膜表面のSEM画像である。
本発明に係る金属微粒子含有組成物は、バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、不可避的に酸素を含有し、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)と、水の生成を伴わずに酸素原子と結合可能なリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)と、を含有する。
(1)金属微粒子(P1)
本発明においては、金属微粒子含有組成物に含有される金属微粒子(P)は、バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、不可避的に酸素を含有し、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)を含む。
本発明で用いる金属微粒子(P1)は、バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成される。
これによって、形成された焼結膜、および被着体と他の被着体との間に形成された接合部の融点を、高温に維持することができることから、焼結膜、および接合部の耐熱性を向上させることができる。
ここで「バルク状態」とは、塊状の結晶・固体など、3次元的な拡がりをもった状態のことを指していう。
本発明で用いる金属微粒子(P1)を構成する金属元素(M)は、バルク状態での融点が420℃以上であれば、特に限定されないが、銅(Cu)、およびニッケル(Ni)の中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
なお、その他の金属元素(M)としては、例えば、クロム(Cr)、コバルト(Co)、カドミウム(Cd)、およびインジウム(In)なども用いることができる。
本発明で用いる金属微粒子(P1)は、金属元素(M)のみから構成されてもよいし、金属元素(M)と酸素含有化合物(例えば、酸化物、および水酸化物など)とを混合させて構成されてもよい。
酸素含有化合物としては、例えば、酸化第1銅、酸化第2銅、および酸化ニッケルなどの酸化物;水酸化銅、および水酸化ニッケルなどの水酸化物;などが挙げられる。
本発明で用いる金属微粒子(P1)が、金属元素(M)と酸素含有化合物とを混合させて構成されたとしても、本発明で規定するリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)と共存させることで、比較的低い温度による加熱処理で、金属微粒子(P1)を焼結させる過程で、水の生成を伴わずに、酸素含有化合物を除去することができる。また、本発明で規定するリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)と共存させることで、比較的低い温度による加熱処理で、金属微粒子(P1)を焼結させる過程で、水の生成を伴わずに、酸化膜や水酸化物膜の除去も可能とする。
本発明においては、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)を用いる。
金属微粒子(P1)を構成する金属元素(M)は、バルク状態での融点が420℃以上である一方で、ナノサイズにまで微小化された粒子状態になると、比表面積が増大し、金属微粒子(P1)の溶融温度(融点)が飛躍的に低下する傾向を示す。
なお、ここで「比表面積」とは、単位質量あたりの表面積、又は単位体積あたりの表面積のことを指していう。
これによって、比較的低い温度による加熱処理条件で、金属微粒子(P1)を焼結させることができ、緻密性および導電性に優れた焼結膜を形成することができ、被着体と他の被着体との間に形成される接合部の接合強度を高めることができる。
平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)の中でも、平均一次粒径が100nm以下の金属微粒子(P1)になると、金属微粒子(P1)の比表面積は相対的に増大し、その溶融温度(融点)の低下傾向は、顕著になる。
特に、平均一次粒径が10〜20nm程度の金属微粒子(P1)になると、その融点は、バルク状態での融点と比較して相当低くなるため、金属微粒子(P1)は比較的低い温度による加熱処理条件で焼結させることができる。
上記金属微粒子(P1)の平均一次粒径が、上記範囲未満(1nm未満)である場合には、高度な粒径制御技術を伴うため、製造コストの上昇を招くおそれがある他に、金属微粒子(P)が金属微粒子含有組成物中で凝集する傾向を示し、均一に分散され難く、保存安定性に劣るおそれがある。
一方、上記金属微粒子(P1)の平均一次粒径が、上記範囲を超える(500nmを超える)場合には、金属微粒子(P1)の比表面積は相対的に減少し、その溶融温度(融点)が上昇するため、比較的低い温度による加熱処理条件では、金属微粒子(P1)を焼結させることができないおそれがある。
ここで「一次粒径」とは、二次粒子を構成する個々の一次粒子の直径のことを指していう。一次粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて測定することができる。
更に「平均一次粒径」とは、測定対象に選定した複数個の一次粒子に対して、その直径を個々に測定し、個々の測定値を個数で除して算出した平均値を指していう。
なお、一次粒子がコア部のみから構成されず、一次粒子の表面に有機添加剤などの被覆物が存在する場合には、被覆物も含め一次粒子の直径を測定し、個々の測定値を個数で除して算出した平均値を平均一次粒径とする。
本発明において、金属微粒子(P1)の含有量は、金属微粒子含有組成物の全量100重量%に対して、5〜95重量%であることが好ましく、50〜80重量%であることがより好ましい。
上記金属微粒子(P1)の含有量が、上記範囲未満(5重量%未満)である場合には、金属微粒子(P1)を焼結させる過程で、焼結膜の膜厚が十分に形成されず、クラックが発生し易くなるおそれがある。
一方、上記金属微粒子(P1)の含有量が、上記範囲を超える(95重量%を超える)場合には、金属微粒子(P1)を焼結させる過程で、水の生成を伴わずに、金属微粒子(P1)が不可避的に含有する酸素を除去する、本発明で規定する活性化剤(A)が有する作用を十分に発揮させることができないおそれがある。
本発明において、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)の製造方法は、特に限定されないが、例えば、電解還元反応法、および無電解還元反応法(液相還元反応法)によって製造することができる。
電解還元反応法による製造例としては、例えば、金属イオンを含む還元反応水溶液を調製し、カソード電極およびアノード電極を設置し、所定の電流密度などで所定時間通電し、電解還元反応を行うことで、カソード電極の外表面付近に金属微粒子(P1)を析出させる。
一方、無電解還元反応法(液相還元反応法)による製造例としては、例えば、金属イオンを含む水溶液に、還元剤を含む水溶液を滴下して、還元反応水溶液を調製し、酸化還元電位を所定値になるよう制御し、無電解還元反応(液相還元反応)を行うことで、金属微粒子(P1)を析出させる。
上述した電解還元反応法または無電解還元反応法によって、析出させた金属微粒子(P1)を回収し、エタノール、水などによる洗浄を繰返し行い、溶媒を揮発させて除去し、乾燥させるなどの比較的容易な操作で、高純度で顆粒状の金属微粒子(P1)を得ることができる。
金属微粒子(P1)を構成する金属元素(M)は、バルク状態に比べて、ナノサイズにまで微小化された粒子状態になると、比表面積が増大し、酸化され易い傾向を示す。
図1は、平均一次粒径が0.001μm〜0.5μm(1〜500nm)の範囲にある金属微粒子(P1)である銅微粒子が、不可避的に酸素を含有することを示す図である。
具体的には、平均一次粒径が1.5μm(1500nm)の銅微粒子が含有する酸素量を測定したところ、銅微粒子の全量100重量%に対して、0.34重量%であった。また、銅微粒子の表面に存在する酸化膜の厚みは、4.78nmであった。
銅微粒子の表面に存在する酸化膜の厚みは、粒径によらず一定で4.78nmであると仮定し、銅微粒子の平均一次粒径が小さくなるに伴い、銅微粒子の比表面積が増大する関係から、平均一次粒径ごとに含有する酸素量を算出した。
その結果、図1に示されるように、平均一次粒径が0.001μm〜0.5μm(1〜500nm)の範囲にある銅微粒子は、銅微粒子の全量100重量%に対して、1〜20重量%程度の酸素を不可避的に含有することが分かった。
(2)活性化剤(A)
上述したように、本発明において用いる、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)は、不可避的に酸素を含有する。
そこで、本発明においては、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)と共に、水の生成を伴わずに酸素原子と結合可能なリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)を共存させる。
これによって、比較的低い温度による加熱処理で、金属微粒子(P1)を焼結させる過程で、水の生成を伴わずに、金属微粒子(P1)が不可避的に含有する酸素を除去する作用を発揮し、緻密性および導電性に優れた焼結膜を形成することができ、更に、被着体と他の被着体とを高い接合強度で接合させることができる。
活性化剤(A)として、具体的には、(i)少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機リン化合物(A1)、又は(ii)少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機硫黄化合物(A2)が好ましく用いられる。
上記(i)少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機リン化合物(A1)のなかでも、ホスフィン類、およびホスファイト類の中から選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。
ホスフィン類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、4−(ジフェニルホスフィノ)スチレン、メチレンビス(ジフェニルホスフィン)、エチレンビス(ジフェニルホスフィン)、トリメチレンビス(ジフェニルホスフィン)、およびテトラメチレンビス(ジフェニルホスフィン)などを用いることができる。
ホスファイト類として、例えば、亜りん酸トリメチル、亜りん酸トリエチル、亜りん酸トリイソプロピル、亜りん酸トリブチル、亜りん酸トリオクチル、亜りん酸トリス(2−エチルヘキシル)、亜りん酸トリイソデシル、亜りん酸トリオレイル、亜りん酸トリフェニル、亜りん酸トリ−p−トリル、亜りん酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、亜りん酸トリステアリル、亜りん酸トリス(ノニルフェニル)、およびトリチオ亜りん酸トリラウリルなどを用いることができる。
また、上記(ii)少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機硫黄化合物(A2)のなかでも、スルフィド類、ジスルフィド類、トリスルフィド類、およびスルホキシド類の中から選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。
スルフィド類として、例えば、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、2−メチルチオフェノチアジン、ジアリルスルフィド、エチル2−ヒドロキシエチルスルフィド、ジアミルスルフィド、ヘキシルスルフィド、ジヘキシルスルフィド、n−オクチルスルフィド、フェニルスルフィド、4−(フェニルチオ)トルエン、フェニル p−トリルスルフィド、4−tert−ブチルジフェニルスルフィド、ジ−tert−ブチルスルフィド、ジフェニレンスルフィド、フルフリルスルフィド、およびビス(2−メルカプトエチル)スルフィドなどを用いることができる。
ジスルフィド類として、例えば、ジエチルジスルフィド、ジプロピルジスルフィド、ジブチルジスルフィド、アミルジスルフィド、ヘプチルジスルフィド、シクロヘキシルジスルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、ジフェニルジスルフィド、およびベンジルジスルフィドなどを用いることができる。
トリスルフィド類として、例えば、ジメチルトリスルフィド、およびジイソプロピルトリスルフィドを用いることができる。
スルホキシド類として、例えば、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、ジ−n−オクチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、およびp−トリルスルホキシドなどを用いることができる。
ここで、比較的低い温度による加熱処理条件で、金属微粒子(P1)を焼結させる過程で、水の生成を伴わずに、金属微粒子(P1)が不可避的に含有する酸素を除去する効果を発揮する、活性化剤(A)の作用について説明する。
下記化学式(1)は、アルコール系の活性化剤を用いて、金属酸化物(MeO)から酸素原子(O)を除去する作用を表している。
また、下記化学式(2)は、カルボキシル系の活性化剤を用いて、金属酸化物(MeO)から酸素原子(O)を除去する作用を表している。
下記化学式(3)は、有機リン化合物の活性化剤(A1)を用いて、金属酸化物(MeO)から酸素原子(O)を除去する作用を表している。
また、下記化学式(4)は、有機硫黄化合物の活性化剤(A2)を用いて、金属酸化物(MeO)から酸素原子(O)を除去する作用を表している。
下記化学式(1)および化学式(2)から明らかなように、アルコール系の活性化剤およびカルボキシル系の活性化剤を用いた場合には、水(HO)の生成を伴って金属酸化物(MeO)から酸素原子(O)が除去される。
一方、下記化学式(3)および化学式(4)から明らかなように、有機リン化合物の活性化剤(A1)および有機硫黄化合物の活性化剤(A2)を用いた場合には、水(HO)の生成を伴わず金属酸化物(MeO)から酸素原子(O)が除去される。
更に、酸素原子と化合物を形成した、有機リン化合物の活性化剤(A1)および有機硫黄化合物の活性化剤(A2)は、金属微粒子の触媒作用によって、揮発され易い低分子化合物へと分解されることから、空隙の発生を抑制しつつ、残渣を少なくすることができる。
なお、上記化学式(1)〜(4)中、Rはそれぞれ独立して有機基を表し、Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。Meは金属元素を表す。
本発明で用いる活性化剤(A)の沸点または分解点(T)は、加熱処理による焼結温度(Ts)と同等かそれ以上(T≧Ts)であることが好ましい。
これによって、本発明で用いる活性化剤(A)を金属微粒子含有組成物中で枯渇させることなく、金属微粒子(P1)の焼結を完了させることができることから、緻密性および導電性に優れた焼結膜を形成することができ、更に、被着体と他の被着体とを高い接合強度で接合させることができる。
(3)金属粉(P2)
本発明においては、上述した平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)、および上述したリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)に加えて、平均一次粒径が0.5〜50μmの範囲にある金属粉(P2)を用いることが好ましい。
このように粒径範囲が異なる金属微粒子(P1)と金属粉(P2)とを共存させることで、ミクロンサイズ(0.5〜50μm)の金属粉(P2)同士の間に、ナノサイズ(1〜500nm)の金属微粒子(P1)を好適に介在させることができる。
これによって、ナノサイズ(1〜500nm)の金属微粒子(P1)の自由な流動を効果的に制限し、金属微粒子含有組成物中において、適度な分散状態で金属微粒子(P1)を安定して混合させることができる。
上記金属粉(P2)の平均一次粒径が、上記範囲未満(0.5μm未満)である場合には、金属微粒子含有組成物中において、ナノサイズ(1〜500nm)の金属微粒子(P1)の自由な流動を制限する効果を十分に発揮できないおそれがある。
一方、上記金属粉(P2)の平均一次粒径が、上記範囲を超える(50μmを超える)場合には、金属粉(P2)の比表面積は相対的に減少し、その溶融温度が上昇するため、比較的低い温度による加熱処理条件では、金属微粒子含有組成物を好適に焼結させることができないおそれがある。
ここで「平均一次粒径」とは、レーザー回折式粒度分布計で測定し、累積頻度が50%の粒径のことを指していう。
本発明で用いる金属粉(P2)を構成する金属元素(M)は、バルク状態での融点が420℃以上であれば、特に限定されないが、銅(Cu)、およびニッケル(Ni)の中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これによって、形成された焼結膜、および被着体と他の被着体との間に形成された接合部の融点を、高温に維持することができることから、焼結膜、および接合部の耐熱性を向上させることができる。
なお、その他の金属元素(M)としては、例えば、クロム(Cr)、コバルト(Co)、カドミウム(Cd)、およびインジウム(In)なども用いることができる。
(4)有機添加物(D)
本発明においては、上述した平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)、および上述したリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)に加えて、金属微粒子(P1)の表面を被覆することができる有機添加物(D)を用いることが好ましい。
有機添加物(D)を特性づける原子団(官能基)が、非共有電子対を有する原子を含むことが好ましい。官能基に含まれる原子が有する非共有電子対の作用によって、有機添加物(D)が、金属微粒子(P1)の表面に吸着して分子層を形成することで、金属微粒子(P1)の表面を被覆する。
これによって、金属微粒子含有組成物中において、金属微粒子(P1)同士の凝集を防止し、更に、比較的低い温度による加熱処理条件で、金属微粒子(P1)を焼結させる過程で、金属微粒子(P1)同士の間に存在することで、焼結を好適に進行させることができる。
ここで「被覆」とは、金属微粒子(P1)の表面の少なくとも一部を覆うことを指していい、金属微粒子(P1)の表面の全体を覆うものであってもよい。
有機添加物(D)としては、原子団(官能基)が非共有電子対を有し、金属微粒子(P1)の表面に吸着して分子層を形成することで、金属微粒子(P1)の表面を被覆することができる有機化合物であれば、特に限定されないが、官能基としてアミド基(−CON=)を有する化合物が好ましく用いられる。
官能基としてアミド基(−CON=)を有する化合物としては、例えば、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリドン、アルキル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、およびN−ビニル−2−ピロリドンの中から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
これらの中でも、N−ビニル−2−ピロリドン、およびポリビニルピロリドンが特に好ましく用いられる。
本発明において、金属微粒子(P1)の表面を有機添加物(D)によって被覆する方法は、特に限定されないが、電解還元反応法、および無電解還元反応法(液相還元反応法)によって金属微粒子(P1)を製造する工程で、還元反応水溶液中に有機添加物(D)を配合させることが好ましい。
これによって、金属イオンが還元されて結晶核が顆粒状に生成するのを助長する一方で、結晶核がめっき膜状またはデンドライト状に成長するのを抑制することができる。更に、析出する金属微粒子(P1)の表面を被覆して、金属微粒子(P1)の分散性を向上させることができる。
(5)粘度調整剤
本発明においては、上述した平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)、および上述したリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)に加えて、金属微粒子含有組成物の粘度を調整するために粘度調整剤を用いることもできる。
本発明で用いる粘度調整剤は、金属微粒子含有組成物の粘度を調整することができる溶媒であれば、特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、シクロペンタノン、フェノール、ノニルフェノール等が挙げられる。
(6)金属微粒子含有組成物の製造方法
本発明に係る金属微粒子含有組成物は、バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、不可避的に酸素を含有し、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)と、水の生成を伴わずに酸素原子と結合可能なリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)と、を含有するように製造する。
本発明に係る金属微粒子含有組成物の製造方法は、特に限定されないが、本発明で規定する金属微粒子(P1)と、本発明で規定する活性化剤(A)とを、遠心混練機を用いて窒素ガス雰囲気下で混錬処理し、更に、乳鉢と乳棒による混錬処理を行うことによって金属微粒子含有組成物を製造する方法が一例として挙げられる。
なお、混錬処理は、遠心混練機または乳鉢と乳棒による混錬処理のどちらか一方のみによっても行うことができるが、併用することが分散性を向上させる観点から好ましい。また、混錬時間は、分散性を向上させる観点から、適宜選択することができる。
金属微粒子含有組成物の製造方法は、粘度を調整する観点から、上述した粘度調整剤を適宜加えることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これらの実施例のみに限定されるものではない。
本実施例及び比較例において行った試験方法は、以下のとおりである。
(1)金属微粒子(P1)の平均一次粒径
走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(日本電子株式会社製、製品名:JSM−6330F)を用い、加速電圧5kV、倍率10万倍の条件下で観察し、測定対象となる金属微粒子(P1)のSEM画像を取得した。
取得したSEM画像の中から、任意に100個の金属微粒子(P1)を選定し、選定した金属微粒子(P1)の一次粒子の直径をそれぞれ測定し、各測定値の平均を算出して平均一次粒径を求めた。
(2)金属微粒子(P1)の成分分析
走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(日本電子株式会社製、製品名:JSM−6330F)に付属する、エネルギ−分散型X線分光装置(日本電子株式会社製、製品名:SEM−EDX)を用い、金属微粒子(P1)を構成する金属成分の分析を行った。
必要に応じて、X線回折測定装置((株)リガク社製、製品名:Geigerflex RAD−A)を用い、X線源CuKαによる金属微粒子(P1)の結晶構造分析を行った。
(3)金属微粒子(P1)の表面を被覆する有機添加物(D)
(3−1)有機添加物(D)の成分分析
顕微ラマン分光装置((株)東京インスツルメンツ社製、製品名:Nanofinder@30)、およびフ−リエ変換赤外分光光度計(日本分光(株)社製、製品名:FT/IR−4100)を用いて、金属微粒子(P1)の表面に被覆された有機添加物(D)を構成する有機化合物の成分分析を行った。
なお、顕微ラマン分光装置では、必要に応じて、局在表面プラズモン共鳴によってラマン散乱強度を高めることが可能なナノサイズの凹凸構造体を用いて成分分析を行った。
(3−2)有機添加物(D)の被覆量
炭素・硫黄分析計((株)堀場製作所製、製品名:EMIA−920V2)を用いて、金属微粒子(P1)の表面を被覆する有機添加物(D)の割合、すなわち金属微粒子(P1)の全量100重量%に対する有機添加物(D)の被覆量([有機添加物(D)/金属微粒子(P1)]×100(重量%))を算出した。
但し、測定結果から作成した検量線や装置の検出限界を下回る場合には、原則的に測定対象の物質は未検出とした。
(4)焼結導電体の評価
(4−1)空隙率(体積%)
焼結膜を形成する工程において得られた、金属基板上に形成された焼結膜の表面に対して、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)(株式会社日立製作所、製品名:SEMEDX TypeN)を用い、加速電圧20kV、倍率500〜10000倍の条件下で観察し、測定対象となる焼結膜断面のSEM画像を取得した。
取得した焼結膜断面のSEM画像に対して、空隙部分のピクセルを黒色、それ以外の部分のピクセルを白色に2階調化し、画像処理ソフトを用いて、焼結膜断面に発生した空隙部分の面積を数値化し、焼結膜断面の全面積に対する空隙の発生割合、すなわち空隙率(体積%)を算出した。
(4−2)電気抵抗率(Ω・cm)
焼結膜を形成する工程において得られた、金属基板上に形成された焼結膜に対して、抵抗率計(三菱化学社製、製品名:ロレスタ−GP)を用い、直流四端子法による四端子電気抵抗測定モ−ドで、焼結膜の電気抵抗率(Ω・cm)を測定した。
(5)接合構造体の接合部の評価
接合構造体を形成する工程において得られた、銅基板と半導体シリコンチップとの間に形成された接合部に対して、ダイシェア強度測定装置(テイジ・ジャパン株式会社製、製品名:万能型ボンドテスター、シリーズ4000)を用い、米国MIL−STD−883に準拠し、25℃の条件下で、ダイシェア強度(剥離強度)(N/mm)を測定した。
(実施例1)
(金属微粒子(P1)の生成工程)
金属元素(M)である銅の供給源として酢酸銅(II)の1水和物((CHCOO)Cu・1HO)200gと、アルカリ金属イオンとして酢酸ナトリウムの3水和物(CHCOONa・3HO)13.6gとを用い、還元反応水溶液10Lを調製した。
ここで、上記のようにして調製した還元反応水溶液のpHを測定したところ、約5.5であった。
上記のようにして調製した還元反応水溶液中に、SUS304製棒陰極(カソ−ド電極)と白金板陽極(アノ−ド電極)とを設置した。
次いで、浴温を25℃として、陰極(カソ−ド電極)と陽極(アノ−ド電極)との間を電流密度15A/dm,15分間の条件で通電し、電解還元反応を行い、陰極(カソ−ド電極)の外表面付近に金属微粒子(P1)を析出させた。
上記のようにして電解還元反応を行い、析出させた金属微粒子(P1)を含む水溶液を、カ−ボン支持膜を取付けたアルミメッシュ上に流し、金属微粒子(P1)を採取した。
次いで、採取した金属微粒子(P1)に対して、エタノ−ル洗浄と水洗浄とを数回繰返し行い、溶媒を揮発させて除去し、乾燥状態の金属微粒子(P1)5gを得た。
ここで、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、任意に選定した100個の金属微粒子(P1)の一次粒径の直径をそれぞれ測定したところ、その粒径範囲は20〜400nmで、平均一次粒径を算出したところ、55nmであった。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、金属微粒子(P1)を構成する金属成分の分析を行ったところ、銅の含有率が100重量%であった。
(金属微粒子含有組成物の調製工程)
上記のようにして得られた金属微粒子(P1)4gと、活性化剤(A)として亜りん酸トリオクチル1gとを、遠心混練機を用いて窒素ガス雰囲気下で混錬処理し、更に、乳鉢と乳棒による混錬処理を行うことによって、金属微粒子含有組成物を調製した。
(焼結膜を形成する工程)
上記のようにして調製された金属微粒子含有組成物を、金属基板(基板サイズ:2cm×10cm)上に、塗布サイズ:2cm×2cm,厚み:3μm程度となるように塗布し、ガス雰囲気制御型の熱処理炉内に静置した。
次いで、窒素ガス雰囲気下で、5℃/分の速度で昇温させ200℃の温度で60分間、加熱処理による焼結を行い、熱処理炉内で室温にまで炉冷し、金属基板上に焼結膜が形成された実施例1の焼結導電体を得た。
ここで、金属基板上に形成された焼結膜の表面に対して、空隙率を算出したところ、20%であった。
また、金属基板上に形成された焼結膜に対して、電気抵抗率を測定したところ、55μΩ・cmであった。
(接合構造体を形成する工程)
一方、上記のようにして調製された金属微粒子含有組成物を、銅基板(基板サイズ:2cm×2cm)上に、塗布サイズ:0.5cm×0.5cm,厚み:20〜300μm程度となるように塗布し、塗布面上に半導体シリコンチップ(サイズ:4mm×4mm)を配置し、4MPaの圧力で半導体シリコンチップを銅基板の塗布面に押し当て、ガス雰囲気制御型の熱処理炉内に静置した。
次いで、窒素ガス雰囲気下で、10℃/分の速度で昇温させ200℃の温度で60分間、加熱処理による焼結を行い、銅基板と半導体シリコンチップとを接合させ、熱処理炉内で室温にまで炉冷し、金属基板とシリコンチップとの間に接合部を有する実施例1の接合構造体を得た。
(実施例2)
実施例1の金属微粒子(P1)の生成工程において、電解還元反応の条件で、浴温を25℃から40℃に変更し、電流密度を15A/dmから10A/dmに変更したこと以外は、実施例1と同様に実施例2の乾燥状態の金属微粒子(P1)5gを得た。
ここで、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、任意に選定した100個の金属微粒子(P1)の一次粒径の直径をそれぞれ測定したところ、その粒径範囲は80〜500nmで、平均一次粒径を算出したところ、200nmであった。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、金属微粒子(P1)を構成する金属成分の分析を行ったところ、銅の含有率が100重量%であった。
実施例1の金属微粒子含有組成物の調製工程において、活性化剤(A)を亜りん酸トリオクチルから亜りん酸トリフェニルに変更し、実施例1の焼結膜を形成する工程において、加熱処理による温度を200℃から250℃に変更し、実施例1の接合構造体を形成する工程において、加熱処理による温度を200℃から250℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(実施例3)
金属元素(M)である銅の供給源として酢酸銅(II)の1水和物((CHCOO)Cu・1HO)200gと、有機添加物(D)としてN−ビニル−2−ピロリドン300gと、アルカリ金属イオンとして酢酸ナトリウムの3水和物(CHCOONa・3HO)16gとを用い、還元反応水溶液10Lを調製した。
ここで、上記のようにして調製した還元反応水溶液のpHを測定したところ、約5.8であった。
実施例1の金属微粒子(P1)の生成工程において、電解還元反応の条件で、通電時間を15分間から10分間に変更したこと以外は、実施例1と同様に実施例3の乾燥状態の金属微粒子(P1)4.5gを得た。
ここで、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、任意に選定した100個の金属微粒子(P1)の一次粒径の直径をそれぞれ測定したところ、その粒径範囲は1〜80nmで、平均一次粒径を算出したところ、15nmであった。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、金属微粒子(P1)を構成する金属成分の分析を行ったところ、銅の含有率が100重量%であった。
更に、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の成分分析を行ったところ、N−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(CNO)に帰属するピークが検出された。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の被覆量を算出したところ、2重量%であった。
実施例1の金属微粒子含有組成物の調製工程において、活性化剤(A)を亜りん酸トリオクチルから亜りん酸トリス(ノニルフェニル)に変更し、実施例1の焼結膜を形成する工程において、加熱処理による温度を200℃から300℃に変更し、実施例1の接合構造体を形成する工程において、加熱処理による温度を200℃から300℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の焼結導電体、および接合構造体を得た。図2に、実施例3で得られた焼結導電体の焼結膜表面のSEM画像を示す。実施例3で形成される焼結膜は、図2に示されるように、空隙が少なく緻密性に優れることが分かった。
(実施例4)
(金属微粒子(P1)の生成工程)
金属元素(M)である銅の供給源として水酸化銅14.6gと、有機添加物(D)としてポリビニルピロリドン(PVP、数平均分子量;約3,500)5gとを、蒸留水960gに添加し、水酸化銅水溶液を調製した。
上記のように調製した水酸化銅水溶液に対して、窒素ガス雰囲気中で攪拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム溶液(12質量%、溶媒として14mol/L水酸化ナトリウム水溶液)を滴下し、還元反応水溶液1Lを調製した。
ここで、上記のようにして調製した還元反応水溶液に対して、酸化還元電位を測定したところ、標準水素電極基準で−400mV以下で、pHを測定したところ、約13であった。
次いで、浴温を20℃として、60分間の条件で、酸化還元電位を−400mV以下となるように制御し、適宜水素化ホウ素ナトリウム水溶液を滴下し、液相還元反応(無電解還元反応)を行い、金属微粒子(P1)を析出させた。
析出させた金属微粒子(P1)を含む水溶液を遠心分離機に投入し、金属微粒子(P1)を得た。
回収した金属微粒子(P1)に対して、エタノ−ル洗浄を2回行い、水洗して溶媒を除去し、乾燥状態の金属微粒子(P1)5gを得た。
ここで、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、任意に選定した100個の金属微粒子(P1)の一次粒径の直径をそれぞれ測定したところ、その粒径範囲は20〜200nmで、平均一次粒径を算出したところ、35nmであった。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、金属微粒子(P1)を構成する金属成分の分析を行ったところ、銅の含有率が100重量%であった。
更に、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の成分分析を行ったところ、ポリビニルピロリドンに由来するピロリドン基(CNO)に帰属するピークが検出された。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の被覆量を算出したところ、0.1重量%であった。
(金属微粒子含有組成物の調製工程)
上記のようにして得られた金属微粒子(P1)2gと、活性化剤(A)として亜りん酸トリス(ノニルフェニル)1gと、金属粉(P2)として平均一次粒径が1μmの銅粉2gとを、遠心混練機を用いて窒素ガス雰囲気下で混錬処理し、更に、乳鉢と乳棒による混錬処理を行うことによって、金属微粒子含有組成物を調製した。
実施例1の焼結膜を形成する工程において、加熱処理による温度を200℃から350℃に変更し、実施例1の接合構造体を形成する工程において、加熱処理による温度を200℃から350℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(実施例5)
実施例4の金属微粒子含有組成物の調製工程において、活性化剤(A)を亜りん酸トリス(ノニルフェニル)からフェニルスルフィドに変更し、金属粉(P2)として平均一次粒径が1μmの銅粉から平均一次粒径が5μmの銅粉に変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施例5の金属微粒子含有組成物を調製した。
実施例4の焼結膜を形成する工程において、加熱処理による温度を350℃から300℃に変更し、実施例4の接合構造体を形成する工程において、加熱処理による温度を350℃から300℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施例5の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(実施例6)
実施例4の金属微粒子(P1)の生成工程において、有機添加物(D)としてポリビニルピロリドンの添加量を5gから70gに変更し、酸化還元電位の制御を−400mV以下から−800mV以下に変更したこと以外は、実施例4と同様に実施例6の乾燥状態の金属微粒子(P1)5gを得た。
ここで、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、任意に選定した100個の金属微粒子(P1)の一次粒径の直径をそれぞれ測定したところ、その粒径範囲は1〜50nmで、平均一次粒径を算出したところ、15nmであった。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、金属微粒子(P1)を構成する金属成分の分析を行ったところ、銅の含有率が100重量%であった。
更に、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の成分分析を行ったところ、ポリビニルピロリドンに由来するピロリドン基(CNO)に帰属するピークが検出された。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の被覆量を算出したところ、10重量%であった。
実施例4の金属微粒子含有組成物の調製工程において、平均一次粒径が35nmの金属微粒子(P1)2gから平均一次粒径が15nmの金属微粒子(P1)3.5gに変更し、活性化剤(A)を亜りん酸トリス(ノニルフェニル)からジヘキシルスルフィドに変更し、金属粉(P2)として平均一次粒径が1μmの銅粉2gから平均一次粒径が50μmの銅粉0.5gに変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施例6の金属微粒子含有組成物を調製した。
実施例4の焼結膜を形成する工程において、加熱処理による温度を350℃から250℃に変更し、実施例4の接合構造体を形成する工程において、加熱処理による温度を350℃から250℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして実施例6の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(実施例7)
金属元素(M)である銅の供給源として酢酸銅(II)の1水和物((CHCOO)Cu・1HO)20gと、金属元素(M)であるニッケルの供給源として酢酸ニッケル(II)の4水和物2.6gと、有機添加物(D)としてN−ビニル−2−ピロリドン300gと、アルカリ金属イオンとして酢酸ナトリウムの3水和物(CHCOONa・3HO)16gとを用い、還元反応水溶液10Lを調製したこと以外は、実施例3と同様に実施例7の乾燥状態の金属微粒子(P1)4.5gを得た。
ここで、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、任意に選定した100個の金属微粒子(P1)の一次粒径の直径をそれぞれ測定したところ、その粒径範囲は30〜150nmで、平均一次粒径を算出したところ、50nmであった。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、金属微粒子(P1)を構成する金属成分の分析を行ったところ、銅の含有率が90重量%、ニッケルの含有率が10重量%であった。
更に、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の成分分析を行ったところ、N−ビニル−2−ピロリドンに由来するピロリドン基(CNO)に帰属するピークが検出された。
また、乾燥状態の金属微粒子(P1)の一部を採取し、有機添加物(D)の被覆量を算出したところ、1重量%であった。
実施例3の焼結膜を形成する工程において、加熱処理による温度を300℃から350℃に変更したこと以外は、実施例3と同様にして実施例7の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(比較例1)
実施例3の金属微粒子含有組成物の調製工程において、活性化剤(A)として亜りん酸トリス(ノニルフェニル)からn−オクタン酸に変更したこと以外は、実施例3と同様にして比較例1の金属微粒子含有組成物を調製し、実施例3と同様にして比較例1の焼結導電体、および接合構造体を得た。
図3に、比較例1で得られた焼結導電体の焼結膜表面のSEM画像を示す。比較例1で形成される焼結膜は、図3に示されるように、空隙が多く発生し、緻密性に劣ることが分かった。
(比較例2)
実施例3の金属微粒子含有組成物の調製工程において、活性化剤(A)として亜りん酸トリス(ノニルフェニル)からジエチレングリコールに変更したこと以外は、実施例3と同様にして比較例2の金属微粒子含有組成物を調製し、実施例3と同様にして比較例2の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(比較例3)
実施例3の金属微粒子含有組成物の調製工程において、平均一次粒径が15nmの金属微粒子(P1)の添加量を4gから3.5gに変更し、活性化剤(A)として亜りん酸トリス(ノニルフェニル)からトリブチルホスフィンオキシドに変更し、粘度調整剤としてヘキサン0.5gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして比較例3の金属微粒子含有組成物を調製し、実施例3と同様にして比較例3の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(比較例4)
実施例3の金属微粒子含有組成物の調製工程において、活性化剤(A)として亜りん酸トリス(ノニルフェニル)からイソプロピルメチルスルホンに変更したこと以外は、実施例3と同様にして比較例2の金属微粒子含有組成物を調製し、実施例3と同様にして比較例4の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(比較例5)
実施例2の金属微粒子含有組成物の調製工程において、金属微粒子(P1)を用いず、活性化剤(A)として亜りん酸トリフェニル1gと、金属粉(P2)として平均一次粒径が1μmの銅粉4gとを、遠心混練機を用いて窒素ガス雰囲気下で混錬処理し、更に、乳鉢と乳棒による混錬処理を行うことによって、金属微粒子含有組成物を調製したこと以外は、実施例2と同様にして比較例5の焼結導電体、および接合構造体を得た。
(結果)
表1および表2には、各実施例および各比較例において得られた、焼結導電体および接合構造体に対して行った評価試験の結果を示した。
(結果のまとめ)
表1および表2に記載されている評価結果から、以下のことが分かる。
比較例1〜4の金属微粒子含有組成物の調製工程では、本発明で規定するリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)を用いなかったことに起因し、比較例1〜4でそれぞれ得られた焼結導電体は、焼結膜内に空隙が多く発生し緻密性に劣り、電気抵抗率が高く導電性に劣ることが分かった。
また、比較例2で得られた接合構造体の接合部では、わずかな接合強度しか得られず、比較例1,3,4でそれぞれ得られた接合構造体の接合部では接合が全く形成されなかった。
また、比較例5の金属微粒子含有組成物の調製工程では、本発明で規定する金属微粒子(P1)を用いなかったことに起因し、比較例5で得られた焼結導電体は、焼結膜内に空隙が多く発生し緻密性に劣り、電気抵抗率が高く導電性に劣ることが分かった。
また、比較例5で得られた接合構造体の接合部では、接合が全く形成されなかった。
これに対して、実施例1〜7の金属微粒子含有組成物の調製工程では、本発明で規定する金属微粒子(P1)および本発明で規定するリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)を用いたことに起因し、実施例1〜7でそれぞれ得られた焼結導電体は、焼結膜内に発生する空隙が少なく、電気抵抗率が低く導電性に優れることが分かった。
また、実施例1〜7で得られた接合構造体の接合部では、接合強度が高いことが分かった。

Claims (7)

  1. バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、不可避的に酸素を含有し、平均一次粒径が1〜500nmの範囲にある金属微粒子(P1)と、
    水の生成を伴わずに酸素原子と結合可能なリン又は硫黄を分子構造中に1つ以上含む活性化剤(A)と、
    を含有する、金属微粒子含有組成物。
  2. 前記金属元素(M)が、銅、およびニッケルの中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の金属微粒子含有組成物。
  3. 前記活性化剤(A)が、少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機リン化合物(A1)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属微粒子含有組成物。
  4. 前記有機リン化合物(A1)が、ホスフィン類、およびホスファイト類の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項3に記載の金属微粒子含有組成物。
  5. 前記活性化剤(A)が、少なくとも1つの炭素原子を分子構造中に含む有機硫黄化合物(A2)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の金属微粒子含有組成物。
  6. 前記有機硫黄化合物(A2)が、スルフィド類、ジスルフィド類、トリスルフィド類、およびスルホキシド類の中から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項5に記載の金属微粒子含有組成物。
  7. 金属微粒子含有組成物が、更に、
    バルク状態での融点が420℃以上である金属元素(M)から構成され、平均一次粒径が0.5〜50μmの範囲にある金属粉(P2)を含有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の金属微粒子含有組成物。
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