JP2019057701A - 太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール、太陽光発電システム及び太陽電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイドギャップ系で変換効率を向上させた太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール、太陽光発電システム及び太陽電池の製造方法を提供する。【解決手段】太陽電池100は、第1電極2と、Cu、In、GaとSeを少なくとも含む光吸収層3と、n型層4と、第2電極5とを備え、光吸収層3は、第1電極2とn型層4の間に存在し、n型層4は、光吸収層3と第2電極5の間に存在し、光吸収層3において、Cu、GaとSeの元素が占める割合が80atom%以上であり、光吸収層3の全体のGa濃度は、光吸収層3の全体のIn濃度よりも高く、光吸収層3のn型層4側の領域のIn濃度は、光吸収層3のn型層4側の領域のGa濃度よりも高い。【選択図】図2
Description
実施形態は、太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール、太陽光発電システム及び太陽電池の製造方法に関する。
現在量産されている太陽電池の1つに、CuInGaSe2(CIGSe)太陽電池がある。CIGSe太陽電池は、光吸収層全体のInとGaの組成比が、概ねIn/(Ga+In)>70%、Ga/(Ga+In)<30%であり、バンドギャップ(Eg)は1.0eV−1.2eVの値を示す。以後、CIGSe太陽電池を含めて、バンドギャップ(Eg)が1.3eV未満の太陽電池を総称してナローギャップ系と呼ぶ。
図1のグラフには、CIGSe太陽電池における、光吸収層の最小バンドギャップに対する、理論効率と実現されている効率とを合わせて示す。ナローギャップ系では、表面に硫黄(S)を含む同じくナローギャップ系のCIGSSe太陽電池を含めて、小型セルで最大22%台の効率が報告されている。この値はナローギャップの理論効率(〜26%)に近く、高特性である。
これに対して、バンドギャップが1.3eV以上のワイドギャップ系になると、バンドギャップが増えるほど、理論効率との差が広がり、実際の効率が小さくなることが知られている。特に単体太陽電池の効率が最大となるEg=1.3eV−1.5eVでは原理的にナローギャップ系を越える高効率(理論効率29%)が期待できるはずだが、現状は最大17%−18%に止まっている。さらに。Egが1.5eVを超えると、現状は1.5eVでは最大16.9%(理論効率25%)、1.7eVでは11%(理論効率22%)まで低下し、理論効率との差が大きい。
・J. Appl. Phys., Vol. 96, No. 7, 1 October 2004 "Determination of the band gap depth profile of the penternary Cu(In(1-X)GaX)(SYSe(1-Y))2 chalcopyrite from its composition gradient"
実施形態は、ワイドギャップ系で変換効率を向上させた太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール及び太陽光発電システムを提供する。
実施形態の太陽電池は、第1電極と、Cu、In、GaとSeを少なくとも含む光吸収層と、n型層と、第2電極とを備え、光吸収層は、第1電極とn型層の間に存在し、n型層は、光吸収層と第2電極の間に存在し、光吸収層において、Cu、GaとSeの元素が占める割合が80atom%以上であり、光吸収層の全体のGa濃度は、光吸収層の全体のIn濃度よりも高く、光吸収層のn型層側の領域のIn濃度は、光吸収層のn型層側の領域のGa濃度よりも高い。
(第1実施形態)
第1実施形態は、太陽電池に関する。図2の概念図に、第1実施形態の太陽電池100の概念図を示す。図2に示すように、本実施形態に係る太陽電池100は、基板1と、基板1上に第1電極2と、第1電極2上に光吸収層3と、光吸収層3上にn型層4と、n型層4上に第2電極5と、を備える。第1電極2と光吸収層3との間やn型層4と第2電極5との間には、図示しない中間層が含まれていてもよい。
第1実施形態は、太陽電池に関する。図2の概念図に、第1実施形態の太陽電池100の概念図を示す。図2に示すように、本実施形態に係る太陽電池100は、基板1と、基板1上に第1電極2と、第1電極2上に光吸収層3と、光吸収層3上にn型層4と、n型層4上に第2電極5と、を備える。第1電極2と光吸収層3との間やn型層4と第2電極5との間には、図示しない中間層が含まれていてもよい。
(第1電極)
実施形態の第1電極2は、基板1と光吸収層3の間に存在する層である。図2では、第1電極2は、基板1と光吸収層3と直接接している。第1電極2としては、透明導電膜、金属膜と透明導電膜と金属膜を積層したものが好ましい。透明導電膜としては、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide: ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(Al-doped Zinc Oxide: AZO)、ボロンドープ酸化亜鉛(Boron-doped Zinc Oxide: BZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(Gallium-doped Zinc Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(Fluorine-doped Tin Oxide: FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(Antimony-doped Tin Oxide: ATO)、チタンドープ酸化インジウム(Titanium-doped Indium Oxide: ITiO)、酸化インジウム酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide: IZO)や酸化インジウムガリウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide: IGZO)などの特に限定されない。透明導電膜は、積層膜であってもよい。金属膜としては、Mo、AuやWの膜など特に限定されない。また、第1電極2は、透明導電膜上にドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属を設けた電極でもよい。このとき、ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、透明導電膜と光吸収層3の間に配置される。ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、透明導電膜に対して開口率が50%以上であることが好ましい。ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、Mo、AuやWなど特に限定されない。
実施形態の第1電極2は、基板1と光吸収層3の間に存在する層である。図2では、第1電極2は、基板1と光吸収層3と直接接している。第1電極2としては、透明導電膜、金属膜と透明導電膜と金属膜を積層したものが好ましい。透明導電膜としては、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide: ITO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(Al-doped Zinc Oxide: AZO)、ボロンドープ酸化亜鉛(Boron-doped Zinc Oxide: BZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(Gallium-doped Zinc Oxide)、フッ素ドープ酸化スズ(Fluorine-doped Tin Oxide: FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(Antimony-doped Tin Oxide: ATO)、チタンドープ酸化インジウム(Titanium-doped Indium Oxide: ITiO)、酸化インジウム酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide: IZO)や酸化インジウムガリウム亜鉛(Indium Gallium Zinc Oxide: IGZO)などの特に限定されない。透明導電膜は、積層膜であってもよい。金属膜としては、Mo、AuやWの膜など特に限定されない。また、第1電極2は、透明導電膜上にドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属を設けた電極でもよい。このとき、ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、透明導電膜と光吸収層3の間に配置される。ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、透明導電膜に対して開口率が50%以上であることが好ましい。ドット状、ライン状もしくはメッシュ状の金属は、Mo、AuやWなど特に限定されない。
(光吸収層)
実施形態の光吸収層3は、第1電極2とn層4の間に存在するp型の層である。図2では、光吸収層3は、第1電極1とn層4と直接接している。実施形態で説明する太陽電池100の光吸収層3は、I−III−VI化合物を含む。実施形態の光吸収層3のI族元素は、Cuである。実施形態の光吸収層3のIII族元素は、InとGaの両方を含む。VI族元素としては、Se、又は、Se及びSである。I−III−VI化合物はカルコパイライト構造を有する。光吸収層3の厚さは、電子顕微鏡による断面観察によって求められ、1000nm以上3000nm以下が好ましい。
実施形態の光吸収層3は、第1電極2とn層4の間に存在するp型の層である。図2では、光吸収層3は、第1電極1とn層4と直接接している。実施形態で説明する太陽電池100の光吸収層3は、I−III−VI化合物を含む。実施形態の光吸収層3のI族元素は、Cuである。実施形態の光吸収層3のIII族元素は、InとGaの両方を含む。VI族元素としては、Se、又は、Se及びSである。I−III−VI化合物はカルコパイライト構造を有する。光吸収層3の厚さは、電子顕微鏡による断面観察によって求められ、1000nm以上3000nm以下が好ましい。
光吸収層3は、ワイドギャップ系であって、光吸収層3の主成分は、Cu、GaとSeである。そこで、光吸収層3の全体において、Cu、GaとSeの元素が占める割合は80atom%以上であることが好ましい。光吸収層3に含まれる具体的な化合物は、ワイドギャップ系のCu(In、Ga)Se2(CIGSe)とCu(In、Ga)(Se、S)2(CIGSSe)である。以下、比較形態のナローギャップ系で高効率な光吸収層と実施形態のワイドギャップ系の光吸収層3の違いについて説明する。光吸収層3のn型層4側の表面から第1電極2方向に10nmまでの深さの領域では、バルクに比べて、Cu濃度が10%程度低下した、Cu欠損領域が含まれていてもよい。
図3は、実施形態の太陽電池と比較形態の太陽電池の光吸収層の組成の深さ方向分布を示す。図の左側の欄は典型的な変換効率の高い光吸収層組成を表したもので、純セレン組成のCIGSe、セレンと硫黄を両方含むCIGSSe、純硫黄組成のCIGSの3種類を示す。I−III−VI化合物は様々な組成が可能にもかかわらず、高効率な太陽電の光吸収層として報告されている組成はこれら3種類が知られているのみである。比較形態の組成を見てわかるように、一番の特徴は、表面と層全体のGa組成が、同じIII族のInと比べて少ないことである。Ga/(Ga+In)組成比で表すと30%以下である。なお、Gaの比率が高い光吸収層として報告されているCIGSeやCIGSは、表面側もバルク側もどちらもGa比率が高い。
図3の右側の欄には、実施形態の光吸収層の組成の一例を図示する。VI族元素が純セレン組成のCIGSeと、VI族元素がセレンと硫黄を両方含むCIGSSeの2種類を示す。純硫黄組成のCIGSについては、実施形態に含まれない。これは、実施形態の光吸収層のバルクが、実質的に純セレン組成で且つ高Ga組成のCGSeをベースとするためである。
図2より、比較形態と実施形態を比較すると、光吸収層3の全体のIII族元素の組成比、光吸収層3のn型層4側の領域のIII族元素の組成比と光吸収層3のバルクのIII族元素の組成比の3つの差異がある。
1つ目の差異は、光吸収層3の全体のGa濃度(CGa1 atom%)が光吸収層3の全体のIn濃度(CIn1 atom%)よりも高いことである。光吸収層3の全体の元素濃度は、光吸収層3全体の元素の平均濃度である。比較形態の太陽電池では、光吸収層の全体のGa濃度は、In濃度よりも低い。光吸収層3の全体のGa濃度が高ければ、光吸収層のバンドギャップがよりワイドギャップとなり、多接合型の太陽電池の光入射側であるトップセル側に第1実施形態の太陽電池100を用いると、ボトムセル側の吸収波長の光を透過しやすくなり、多接合型の太陽電池全体での発電量を増やすことができる。そこで、太陽電池100の光吸収層3のバンドギャップは1.6eV以上1.8eV以下が好ましい。かかるバンドギャップとするためには、光吸収層3の全体におけるGa濃度とIn濃度の和に対するGa濃度(CGa1/(CGa1+CIn1))は、50%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。また、ワイドギャップ系とするために光吸収層3の全体において、Cu、GaとSeの元素が占める割合は80atom%以上であることが好ましい。
2つ目の差異は、光吸収層3のn型層4側のIn濃度(CIn2 atom%)が光吸収層3のn型層4側のGa濃度(CGa2 atom%)よりも高いことである。比較形態の太陽電池でもn型層4側のIn濃度が高いが、比較形態の太陽電池は、全体的にIn濃度が高い点で異なる。実施形態の光吸収層3では、純セレン組成のCIGSeの場合、CGSeバルクをInリッチなCISeで表面キャップした構造である。また、VI族元素としてセレンと硫黄を両方含むCIGSSeの場合、同じくCGSeバルクを硫黄系でInリッチなCISで表面キャップした構造である。つまり、VI族元素としてセレンと硫黄を両方含むCIGSSeの場合、光吸収層3の全体のSe濃度(CSe1 atom%)は、光吸収層3の全体のS濃度(CS1 atom%)よりも高く、光吸収層3のn型層4側の領域のS濃度(CS2 atom%)は、光吸収層3のn型層4側の領域Se濃度(CSe2 atom%)よりも高い。光吸収層3のn型層4側の領域とは、光吸収層3のn型層4側の表面(起点)から第1電極2方向に向かって20nmの深さ(終点)までの領域である。光吸収層3のn型層4側をCISe又はCISでキャップすることで、光吸収層3が全体的にGaリッチな組成であってもn型層4側をInリッチな組成とすることができる。pn接合界面における再結合を減らす観点から光吸収層3のn型層4側におけるGa濃度とIn濃度の和に対するGa濃度(CGa2/(CGa2+CIn2))は、1.0%以上が好ましく、50%未満がより好ましい。
3つ目の差異は、光吸収層3のバルクにおけるGa濃度(CGa3 atom%)がIn濃度(CIn3 atom%)よりも高いことである。上述したように、バルクの主な組成はCGSeである。光吸収層3の全体的なGa濃度CGa1 atom%)よりも光吸収層3のバルクのGa濃度CGa3 atom%)が高い。光吸収層3のバルクにおいては、ワイドギャップ系とするために実質的にCGS組成であることが好ましい。そこで、光吸収層3のバルクにおけるGa濃度とIn濃度の和に対するGa濃度(CGa3/(CGa3+CIn3))は、70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。なお、バルクは、光吸収層3の厚さをDとするとき、光吸収層3のn型層4側の表面から0.1Dの深さ(起点)から第1電極2側に向かってDの深さ(終点:第1電極2側表面)までの領域である。
なお、光吸収層3のn型層4側の表面から第1電極2方向に向かって20nmの深さ(起点:光吸収層3のn型層4側の領域の終点)から、光吸収層3のn型層4側の表面から0.1Dの深さ(終点:光吸収層3のバルクの起点)までの領域は、Ga濃度がn型層4側から第1電極2方向に向かって連続的につながるように増加する中間領域である。つまり、中間領域におけるGa濃度をCGa4 atom%とし、In濃度をCIn4 atom%とするとき、この中間領域において、Ga濃度(CGa4/(CGa4+CIn4))は連続的につながるように増加する。第1電極2側に向かってGa濃度が連続的に増加し、In濃度が連続的に減少することで、伝導帯や価電子帯が深さ方向に単調に増減して、キャリアトラップが生じ難いバンドプロファイルになることが好ましい。なお、連続的とは、深さ方向に10nmごとのGa濃度の増加量が正であることである。
光吸収層3中のIII族元素及びVI族元素の原子濃度は以下の方法によって、求められる。3Dアトムプローブを用いて、光吸収層3の元素を膜厚方向に分析する。光吸収層3に含まれる元素は、あらかじめSEM−EDX(Scanning Electron Microscope -Energy Dispersive X-ray Spectroscope:走査電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)で光吸収層3に含まれる元素の候補を絞り、光吸収層3の膜厚方向の中心部を削りとった紛体を酸性溶液に溶解させてICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)で分析することにより、定量して、光吸収層3に含まれる元素を確定しておく。なお、光吸収層3に含まれる元素は、SEM−EDXで候補となる元素を絞り、その候補となった元素をICPで分析した元素のうち1atom%以上となる元素である。
3Dアトムプローブ分析用の試料は先端径が10nmの先鋭な針状試料を用意する。針状試料の長さは、分析する領域より長く、分析に適したものとすればよい。針状試料は、光吸収層3のn型層4側を先端とする。針状試料は、分析する光電変換素子1つに対して5本用意する。5本は、光吸収層3のn型層4側の表面を格子状に4等分割し、その分割した領域の中央の4点と、光吸収層3のn型層4側の表面の中央の1点を含み、かつ、針状試料の長さ方向が、光吸収層3のn型層4側の表面に対して垂直方向となるようにする。
3Dアトムプローブには、AMETEK製のLEAP4000X Siを用い、測定モードをLaser pulseとし、レーザーパワーを35pJ、針状試料の温度を70Kにして分析した。なお、光吸収層3とn型層4との界面を光吸収層3のn型層4側の表面とする。光吸収層3のn型層4側の表面は、n型層4には含まれる元素であるが光吸収層3には含まれない元素のシグナル強度が光吸収層3のIb族元素のシグナル強度を初めて超える点とする。ここで、シグナル強度とは、検出された元素をatom%に直した状態とする。分析の目的に応じて、光吸収層3のn型層4側の表面から、任意の深さまで分析を行う。
3Dアトムプローブの結果は、5本の針状試料の結果の平均値を分析値とする。光吸収層3の領域で測定した結果には、ノイズ等の成分が含まれる。そこで、光吸収層3とn型層4との界面から第1電極2側へ50nmの点において、ICPで光吸収層3に含まれることを確認した元素の原子量が100atom%になるように、光吸収層3には含まれないシグナルを除去して、Ib族元素、IIIb族元素とVIb族元素のatom%を求めた。なお、バルクにおける元素濃度は、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry; SIMS)による分析を行うことによっても確認できる。
以下、上記の条件が好ましい理由について説明する。
以下、上記の条件が好ましい理由について説明する。
発明者らは、そもそも、なぜ、GaリッチなCIGSe光吸収層で効率が向上しないか研究したところ以下の事実を突き止めた。Gaリッチな光吸収層を普通に作製すると、光吸収層のn型層側にCuSeやCuSといった異相が生成し、再結合欠陥が形成されるために変換効率が上がらないというものであった。
純セレン組成のCIGSeやセレンと硫黄を両方含むCIGSSeを薄膜形成して光吸収層に適用する場合、CuSe、CuSの生成を防ぐために、従来から、成膜プロセスにおいて、Cu/(Ga+In)組成比を80%から90%程度のCu欠損状態に調整して成膜することが行われている。Cuを少なくすることで、CuSeやCuSの生成を防ぐことを意図した訳である。Cu欠損は常に表面で生じるため、CIGSe表面はCu空孔を含むCIGSeが形成され、CIGSSe表面はCu空孔を含むCIGSSeが形成される。Cu欠損は、Inリッチで高効率なナローギャップ系を作製するための、確立された手法である。
ところが、発明者らの調査によれば、光吸収層をワイドギャップ化するためにGa濃度を高めた場合、先のInリッチの場合と異なり、Cu欠損状態においても、CuSeやCuSが生成することが明らかになった。これは次のような理由による。純Ga組成のCGSeを例にとって説明する。
(CGSe系での検証)
図4は、各種分析から求めたCGSe表面の断面構造の概念図を示す。CGSe表面は、InリッチなCIGSeに従えば、Cu空孔を含むCGSeが形成されるはずだが、実際の最表層(5−10nm厚)には、層状物質のGaSeと半金属物質のCuSeが相分離して存在することが判明した。
図4は、各種分析から求めたCGSe表面の断面構造の概念図を示す。CGSe表面は、InリッチなCIGSeに従えば、Cu空孔を含むCGSeが形成されるはずだが、実際の最表層(5−10nm厚)には、層状物質のGaSeと半金属物質のCuSeが相分離して存在することが判明した。
CGSeはシリコン結晶やガリウムヒ素結晶などと同類の正四面体構造をとるのに対して、Ga−Se化合物は、2:3組成のGa2Se3正四面体構造と、1:1組成のGaSe層状構造の2種類の構造が存在する。このため、CGSe表面では、正四面体構造のGa2Se3とCuSeが反応してCu欠損CGSe(正四面体構造)が生成される反応(反応ルート1)と、層状構造のGaSeとCuSeに相分離する反応(反応ルート2)がエネルギー的に拮抗して、図4に示す特徴的な表面構造をとり、Cu欠損状態でありながら、異相のCuSeが生成することが明らかになった。図4の断面概念図では、厚さ1.5μmのCGSe上にCu欠損のCGSeが50nmから100nmある。そして、Cu欠損のCGSe上の最表層5nmから10nmの厚さの領域に層状のGaSeと相分離したCuSe相が存在している。
成膜プロセス中のCu欠損CGSeの表面反応
反応ルート1:Ga2Se3(正四面体構造)+CuSe → Cu欠損CGSe(正四面体構造)
反応ルート2:GaSe(層状構造)+CuSe
反応ルート1:Ga2Se3(正四面体構造)+CuSe → Cu欠損CGSe(正四面体構造)
反応ルート2:GaSe(層状構造)+CuSe
CGSeでCu欠損にも関わらず異相CuSeが生成する理由は、光吸収層表面での層状GaSeの生成し易さが関係することが分った。
異相形成のメカニズムが分かったため、次に、CGSeの理由に基づいて、CIGSSe組成の光吸収層について、表面で層状物質が相分離して異相が生成し易い系と、表面で層状物質が形成され難く、従って異相が生成し難い系が存在することを説明する。
(CIGSSe系での検証)
表1は、CIGSSe(Te)の代表的な組成である6つの系(純硫黄組成のCISとCGS、純セレン組成のCISeとCGSe、純テルル組成のCITeとCGTe)について、表面におけるIII−VI化合物(III=In,Ga、VI=S,Se,Te)の層状構造のでき易さとともに、半金属相の異相(CuS、CuSe、CuTe)の生成し易さをまとめた結果を示す。
表1は、CIGSSe(Te)の代表的な組成である6つの系(純硫黄組成のCISとCGS、純セレン組成のCISeとCGSe、純テルル組成のCITeとCGTe)について、表面におけるIII−VI化合物(III=In,Ga、VI=S,Se,Te)の層状構造のでき易さとともに、半金属相の異相(CuS、CuSe、CuTe)の生成し易さをまとめた結果を示す。
表1より、CIS、CGS、CISeの3つの系については、表面にInS、GaS、InSeの各層状物質が生成し難く、異相CuSe、CuSが生成され難いのに対して、CGSe、CITe、CGTeの3つの系についてはGaSe、InTe、GaTe各層状物質が生成し易く、異相CuSe、CuTeが生成し易い。
発明者らの調査によれば、III−VI化合物が光吸収層表面で層状構造になるか、正四面体構造になるかは、層状構造と正四面体構造各々の融点の差と強く関係する。表1の融点の欄を見ると、異相が生成し難い光吸収層のIII−VI化合物(CISのInS、CGSのGaS、CISeのInSe)は正四面体構造の融点が高い。一方、異相が生成し易い光吸収層のIII−VI化合物(CGSeのGaSe、CITeのInTe、CGTeのGaTe)は層状構造の融点が高い。表から、VI族元素にTeを含むものは好ましくないことがわかる。
(ナローギャップ系での検証)
以上の結果を、Inリッチなナローギャップ系の高効率太陽電池に適用して、説明可能か検証する。まずInリッチなCIGSe太陽電池は表のCISe(正確にはCISeに少量のGaが添加された系)に対応すると考えられる。CIGSe太陽電池は、Cu欠損状態では異相CuSeが生成しないことが知られているが、表1によれば、表面に層状InSeではなく、正四面体構造のIn2Se3が生成されやすいため、異相が生成し難く、再結合欠陥の少ないpn界面が形成される訳である。
以上の結果を、Inリッチなナローギャップ系の高効率太陽電池に適用して、説明可能か検証する。まずInリッチなCIGSe太陽電池は表のCISe(正確にはCISeに少量のGaが添加された系)に対応すると考えられる。CIGSe太陽電池は、Cu欠損状態では異相CuSeが生成しないことが知られているが、表1によれば、表面に層状InSeではなく、正四面体構造のIn2Se3が生成されやすいため、異相が生成し難く、再結合欠陥の少ないpn界面が形成される訳である。
次にInリッチでセレンと硫黄を含むCIGSSe太陽電池は表1のCISeとCISの混合物(正確にはやはり少量のGaが添加された系)に対応すると考えられる。CIGSSe太陽電池もCu欠損状態では異相CuSe、CuSが生成しないことが知られており、やはり表面に層状InSeやInSではなく、正四面体構造のIn2Se3やIn2S3が生成されやすいため、異相が生成し難く、再結合欠陥の少ないpn界面が形成されると考えられる。
これらナローギャップ系以外の太陽電池については、例えばGaリッチでワイドギャップなCGSeや、TeリッチでよりナローギャップなCITeやCGTeの場合、効率が低いことは知られていたが、これまでその理由が分らなかった。これらの太陽電池の低特性の理由についても、原因は光吸収層表面のIII−VI層状物質形成と、それによる異相(Cu−VI化合物)の生成にあることが分かった。
なお、これまでの説明によれば、純硫黄組成でワイドギャップ系のCGS太陽電池では、正四面体構造のGa2S3が層状構造のGaSに優先して形成されやすいことから、異相CuSが生成し難いと予想される。だが、発明者らの調査によれば、実際には、CGSでは、CuSが生成することが確かめられている。これは表面で層状構造のGaSが生成し難い代わりに、表面のGaが酸化してGa酸化物を形成しやすく、これによりCuSが相分離して生成するためである。ここで、Ga元素について補足説明すると、本実施形態のI−III−VI太陽電池の光吸収層の構成元素(Cu、In、Ga、S、Se)の中では、Ga元素が最も酸化されやすい元素である。前述の純セレン組成でワイドギャップ系のCGSe太陽電池においても同様な酸化現象が生じ、表面で層状構造のGaSeに加えて、Ga酸化物が形成されるために、CuSeが生成することが確かめられた。以上より、GaリッチなCGSやCGSe太陽電池の低特性の理由として、光吸収層表面のGa酸化物形成と、それによる異相(Cu−VI化合物)の生成もあることが分かった。
以上の発明者らの調査により、I−III−VI太陽電池においては、光吸収層の組成に依存して表面での異相生成量の多少が決まり、結果として、高効率になったり、抵抗率になったりすることが初めて明らかになった。次に、図3の右側に示した、実施形態のワイドギャップ高効率太陽電池を実現するための光吸収層について、図に示すように、何故CGSeバルクをCISeやCISで表面キャップする構造にすればよいかを説明する。
(ワイドギャップ系光吸収層のキャップ構造の理由)
ワイドギャップ太陽電池の光吸収層として、また多接合型の太陽電池のトップセルとして、高効率な光吸収層に求められる条件を4つ挙げる。表2にその4条件(バンドギャップ、成膜温度、バルクのキャリア寿命、pn界面(表面)のキャリア再結合速度)と、本発明のベースとなるCGSeの星取表を示す。
ワイドギャップ太陽電池の光吸収層として、また多接合型の太陽電池のトップセルとして、高効率な光吸収層に求められる条件を4つ挙げる。表2にその4条件(バンドギャップ、成膜温度、バルクのキャリア寿命、pn界面(表面)のキャリア再結合速度)と、本発明のベースとなるCGSeの星取表を示す。
1番目の条件はバンドギャップであり、1.6−1.8eVが好適と考えられる。2番目の成膜温度は裏面電極(トップセルの場合は高温で反応しやすい透明電極)を壊さずに、良好な電気的コンタクトを形成する温度(概ね550℃以下で望ましくは500℃以下)で成膜可能なことが求められる。3番目はバルクでのキャリア再結合を抑えるために、キャリア寿命が長いことで、100ナノ秒以上が理想である。最後の4番目はpn界面を形成する光吸収層表面のキャリア再結合速度で、1,000cm/s以下が必要で、望ましくは100cm/s以下が理想である。
CGSeは、バンドギャップ、成膜温度、バルクキャリア寿命の3点については条件を満たしているが、4番目のpn界面(表面)のキャリア再結合速度が10,000−1,000,000cm/sと速かった。これまでは、何故CGSeのpn界面(表面)のキャリア再結合速度が速いのか、その理由が不明であったため、改善方法も不明で、特性改善が進まず、理論効率は最大22%のポテンシャルがあるにも拘らず、実際の効率は最大11%と低い値に止まっていた。
ところが、CGSeのpn界面(表面)のキャリア再結合速度が速い理由は、表面で層状GaSeが形成されて、異相CuSeが相分離して生成し、再結合欠陥を形成することに起因することが、発明者らの調査研究によって初めて明らかになった。
CGSeは、表面(pn界面)を除けば、あとは理想的なワイドギャップ系の光吸収層の条件を満たしている。このため、CGSe表面を、異相を形成し難いワイドギャップ系の材料でキャップすることで、CGSeの長所と表面キャップ層の長所を兼ね備えた、新規な構造の光吸収層を実現することが可能になると考えた訳である。
表面キャップ層としては、図3に示す、InリッチなCISeやCISが適している。光吸収層3全体のGa/(Ga+In)組成比は、表面にCuSeやCuSが析出しない限界値である50%未満を上限に、キャップ層に添加して構わない。CGSeをこれらInリッチなキャップ層で被覆した新規光吸収層の表面を分析した結果、異相CuSeはラマン分光測定の限界以下までシグナルが減少して、理想的な表面が形成できていることが確かめられた。
(光吸収層の製法)
次に、実施形態の光吸収層3の製膜方法について説明する。大きく分けて2種類の光吸収層3の製法がある。蒸着法(+硫化法)とセレン化法(+硫化法)である。順に説明する。実施形態のCISeキャップ、CISキャップが可能であれば、下記製法に限定されるものではない。
次に、実施形態の光吸収層3の製膜方法について説明する。大きく分けて2種類の光吸収層3の製法がある。蒸着法(+硫化法)とセレン化法(+硫化法)である。順に説明する。実施形態のCISeキャップ、CISキャップが可能であれば、下記製法に限定されるものではない。
(蒸着法:CISeキャップ)
図5は、CISeキャップしたCGSe層の蒸着法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)の例を示す。まず裏面側の第1電極2上にGaとSeを供給してGa2+αSe3を形成し(1段目(b))、次にCuとSeを供給してCGSeを形成する(2段目(c))。この時、組成がCGSeの化学量論比(Cu:Ga:Se=1:1:2)に達しても供給を続け、CGSe表面に意図的にCuSe層を形成する。次に今度はInとSeを供給してCuSeを反応させてCISeキャップ層を形成する(3段目(d))。かかる工程おいて、2段目最後のCuSeの生成量と、3段目の加熱温度を調整することで、好適なCISeキャップで修飾された光吸収層3が製膜される。CuSeの生成量でCISeキャップ層の厚みを制御することができ、さらに3段目の温度調整で、CISeキャップ中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
図5は、CISeキャップしたCGSe層の蒸着法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)の例を示す。まず裏面側の第1電極2上にGaとSeを供給してGa2+αSe3を形成し(1段目(b))、次にCuとSeを供給してCGSeを形成する(2段目(c))。この時、組成がCGSeの化学量論比(Cu:Ga:Se=1:1:2)に達しても供給を続け、CGSe表面に意図的にCuSe層を形成する。次に今度はInとSeを供給してCuSeを反応させてCISeキャップ層を形成する(3段目(d))。かかる工程おいて、2段目最後のCuSeの生成量と、3段目の加熱温度を調整することで、好適なCISeキャップで修飾された光吸収層3が製膜される。CuSeの生成量でCISeキャップ層の厚みを制御することができ、さらに3段目の温度調整で、CISeキャップ中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
(蒸着法+硫化法:CISキャップ)
図6は、CISキャップしたCGSe層の蒸着法と硫化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)の例を示す。一旦CISeキャップを作製する点まで(3段目まで、(b)、(c)、(d))は、先の図6のプロセスと同じである。異なるのは、CISeキャップ形成後に、硫化水素ガス(H2S)中で加熱処理して、CISeキャップのセレンを硫黄で置換する4段目のプロセスが追加される点(e)である。硫化の際の加熱温度、加熱時間、H2S濃度を調整することで、CISeキャップ中のセレンを硫黄で置換する量、ならびにキャップ層中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、硫黄とInの深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
図6は、CISキャップしたCGSe層の蒸着法と硫化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)の例を示す。一旦CISeキャップを作製する点まで(3段目まで、(b)、(c)、(d))は、先の図6のプロセスと同じである。異なるのは、CISeキャップ形成後に、硫化水素ガス(H2S)中で加熱処理して、CISeキャップのセレンを硫黄で置換する4段目のプロセスが追加される点(e)である。硫化の際の加熱温度、加熱時間、H2S濃度を調整することで、CISeキャップ中のセレンを硫黄で置換する量、ならびにキャップ層中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、硫黄とInの深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
(蒸着法+In層+硫化法:CISキャップ)
図7に示す製造方法は、第1電極2上に、Cu、Ga及びSeを含む第1化合物層を形成する工程と、第1化合物層上に金属In層を形成して第2化合物層を形成する工程と、第2化合物層を硫黄を含む雰囲気中で加熱してCu、In、Ga、SeとSを少なくとも含む光吸収層3を得る工程とを有する。かかる製造方法は、太陽電池の製造方法に採用することができる。
図7に示す製造方法は、第1電極2上に、Cu、Ga及びSeを含む第1化合物層を形成する工程と、第1化合物層上に金属In層を形成して第2化合物層を形成する工程と、第2化合物層を硫黄を含む雰囲気中で加熱してCu、In、Ga、SeとSを少なくとも含む光吸収層3を得る工程とを有する。かかる製造方法は、太陽電池の製造方法に採用することができる。
図7に、CISキャップしたCGSe層の蒸着法とIn層形成及び硫化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の例を示す。CuSe層を作製する工程まで(2段目まで、(b)、(c))は、先の図6と同一であるが、その先は図6とは異なる。CuSe形成後に、今度はGaとSeを供給してCuSeを反応させてCGSeバルク(第1化合物層)を形成し(3段目(d))、さらにInを蒸着してIn層を形成(第2化合物層)し(4段目(e))、最後に硫化水素ガス(H2S)中で加熱処理して、Inと硫黄を反応させると同時に、下層から拡散するCuを取り込むことでCISキャップを形成する(5段目(f))。先の図6のプロセスにおけるCISeと硫黄の反応と比較して、本プロセスのInと硫黄の反応の方がより低温で生じるため、硫化の際の加熱温度を下げられる点が特徴である。硫化の際の加熱温度、加熱時間、H2S濃度を調整することで、CISキャップの硫黄とInがCGSeに拡散する量、すなわち、硫黄とInの深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
(セレン化法:CISeキャップ)
図8は、CISeキャップしたCGSe層のセレン化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)の例を示す。まず裏面側の第1電極2上にCuGa合金をスパッタ成膜し(1段目(b))、次に水素化セレン(H2Se)ガス中で加熱処理して、CGSe層を形成する(2段目(c))。この際、CuGa合金の組成をCu>Gaとすることで、CGSe上にCuSeを生成しても構わない。次にInをスパッタし(3段目(d))、その次に再度H2Seガス中で加熱処理して、CGSe上にCISeキャップ層を形成する(4段目(e))。ポイントは2段目最後のCuSeの生成量と、4段目の加熱温度、加熱時間、H2Se濃度を調整することで、好適なCISeキャップで修飾された光吸収層3が製膜される。CuSeの生成量でCISeキャップ層の厚みを制御することができ、さらに4段目の調整で、CISeキャップ中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
図8は、CISeキャップしたCGSe層のセレン化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)の例を示す。まず裏面側の第1電極2上にCuGa合金をスパッタ成膜し(1段目(b))、次に水素化セレン(H2Se)ガス中で加熱処理して、CGSe層を形成する(2段目(c))。この際、CuGa合金の組成をCu>Gaとすることで、CGSe上にCuSeを生成しても構わない。次にInをスパッタし(3段目(d))、その次に再度H2Seガス中で加熱処理して、CGSe上にCISeキャップ層を形成する(4段目(e))。ポイントは2段目最後のCuSeの生成量と、4段目の加熱温度、加熱時間、H2Se濃度を調整することで、好適なCISeキャップで修飾された光吸収層3が製膜される。CuSeの生成量でCISeキャップ層の厚みを制御することができ、さらに4段目の調整で、CISeキャップ中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
(セレン化法+硫化法:CISキャップ)
図9は、CISキャップしたCGSe層のセレン化法と硫化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の例を示す。一旦CISeキャップを作製する点((b)、(c)、(d)、(e))までは、先の図8のプロセスと同じである。異なるのは、CISeキャップ形成後に、硫化水素ガス(H2S)中で加熱処理して、CISeキャップのセレンを硫黄で置換する5段目のプロセスが追加される点(5段目(f))である。硫化の際の加熱温度、加熱時間、H2S濃度を調整することで、CISeキャップ中のセレンを硫黄で置換する量、ならびにキャップ層中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、硫黄とInの深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
図9は、CISキャップしたCGSe層のセレン化法と硫化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の例を示す。一旦CISeキャップを作製する点((b)、(c)、(d)、(e))までは、先の図8のプロセスと同じである。異なるのは、CISeキャップ形成後に、硫化水素ガス(H2S)中で加熱処理して、CISeキャップのセレンを硫黄で置換する5段目のプロセスが追加される点(5段目(f))である。硫化の際の加熱温度、加熱時間、H2S濃度を調整することで、CISeキャップ中のセレンを硫黄で置換する量、ならびにキャップ層中のInがCGSeに拡散する量、すなわち、硫黄とInの深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
(セレン化法+In層+硫化法:CISキャップ)
図10に示す製造方法は、第1電極2上に、Cu、Ga及びSeを含む第1化合物層を形成する工程と、第1化合物層上に金属In層を形成して第2化合物層を形成する工程と、第2化合物層を硫黄を含む雰囲気中で加熱してCu、In、Ga、SeとSを少なくとも含む光吸収層3を得る工程とを有する。かかる製造方法は、太陽電池の製造方法に採用することができる。
図10に示す製造方法は、第1電極2上に、Cu、Ga及びSeを含む第1化合物層を形成する工程と、第1化合物層上に金属In層を形成して第2化合物層を形成する工程と、第2化合物層を硫黄を含む雰囲気中で加熱してCu、In、Ga、SeとSを少なくとも含む光吸収層3を得る工程とを有する。かかる製造方法は、太陽電池の製造方法に採用することができる。
図10にCISキャップしたCGSe層のセレン化法とIn層形成及び硫化法によるプロセスフロー(a)と工程概念図(b)、(c)、(d)、(e)の例を示す。最初にCuGa合金をスパッタ成膜(1段目(b))する点は同じだが、組成はCuをGaよりも少なくする。次にセレン化処理でCGSe層を形成(第1化合物層)し(2段目(c))、さらにInをスパッタ成膜してIn層を形成(第2化合物層)し(3段目(d))、最後に硫化水素ガス(H2S)中で加熱処理して、Inと硫黄を反応させると同時に、下層から拡散するCuを取り込むことでCISキャップを形成する(4段目(e))。先の図9のプロセスにおけるCISeと硫黄の反応と比較して、本プロセスのInと硫黄の反応の方がより低温で生じるため、硫化の際の加熱温度を下げられる点が特徴である。硫化の際の加熱温度、加熱時間、H2S濃度を調整することで、CISキャップの硫黄とInがCGSeに拡散する量、すなわち、硫黄とInの深さ方向の組成分布を精密に制御することができる。
(n型層)
実施形態のn型層4は、n型の半導体層であって、光吸収層3と第2電極5との間に存在する。図2では、n型層4は、光吸収層3と第2電極5と直接接している。n型層4は、光吸収層3とヘテロ接合する層である。n型層4は、高い開放電圧の光電変換素子を得ることのできるようにフェルミ準位が制御されたn型半導体が好ましい。n型層5は、例えば、Zn1−yMyO1−xSx、Zn1−y−zMgzMyO、ZnO1−xSx、Zn1−zMgzO(MはB、Al、In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)や、CdSなどを用いることができる。n型層4の厚さは、2nm以上800nm以下であることが好ましい。
実施形態のn型層4は、n型の半導体層であって、光吸収層3と第2電極5との間に存在する。図2では、n型層4は、光吸収層3と第2電極5と直接接している。n型層4は、光吸収層3とヘテロ接合する層である。n型層4は、高い開放電圧の光電変換素子を得ることのできるようにフェルミ準位が制御されたn型半導体が好ましい。n型層5は、例えば、Zn1−yMyO1−xSx、Zn1−y−zMgzMyO、ZnO1−xSx、Zn1−zMgzO(MはB、Al、In及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)や、CdSなどを用いることができる。n型層4の厚さは、2nm以上800nm以下であることが好ましい。
(第2電極)
実施形態の第2電極5は、n型層4上に存在する電極である。図2では、第2電極5は、n型層4と直接接している。第2電極5としては、透明導電膜が好ましい。透明導電膜は、第1電極2と同様の材料を用いることが好ましい。第2電極5には、取り出し電極を設けてもよい。n型層4と第2電極5の間には、ZnMgOやZnOSなどの高抵抗層、i−ZnOなどの半絶縁層を設けてもよい。
実施形態の第2電極5は、n型層4上に存在する電極である。図2では、第2電極5は、n型層4と直接接している。第2電極5としては、透明導電膜が好ましい。透明導電膜は、第1電極2と同様の材料を用いることが好ましい。第2電極5には、取り出し電極を設けてもよい。n型層4と第2電極5の間には、ZnMgOやZnOSなどの高抵抗層、i−ZnOなどの半絶縁層を設けてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、多接合型太陽電池に関する。図11に第2実施形態の多接合型太陽電池200の断面概念図を示す。図11の多接合型太陽電池200は、光入射側に第1実施形態の太陽電池(第1太陽電池)100、101と、第2太陽電池201を有する。第2太陽電池101の光吸収層のバンドギャップは、第1実施形態の太陽電池100の光吸収層3よりも小さいバンドギャップを有する。なお、実施形態の多接合型太陽電池200は、3以上の太陽電池を接合させた太陽電池も含まれる。
第2実施形態は、多接合型太陽電池に関する。図11に第2実施形態の多接合型太陽電池200の断面概念図を示す。図11の多接合型太陽電池200は、光入射側に第1実施形態の太陽電池(第1太陽電池)100、101と、第2太陽電池201を有する。第2太陽電池101の光吸収層のバンドギャップは、第1実施形態の太陽電池100の光吸収層3よりも小さいバンドギャップを有する。なお、実施形態の多接合型太陽電池200は、3以上の太陽電池を接合させた太陽電池も含まれる。
第1実施形態の太陽電池100の光吸収層3のバンドギャップが1.6eV以上1.8eV以下であるため、第2太陽電池101の光吸収層のバンドギャップは、1.0eV以上1.5eV以下であることが好ましい。第2太陽電池101の光吸収層としては、Inの含有比率が高いCIGS系、CIT系及びCdTe系からなる群から選ばれる1種以上の化合物半導体層、結晶シリコンとペロブスカイト型化合物からなる群から選ばれる1種であることが好ましい。
(第3実施形態)
第3実施形態は、太陽電池モジュールに関する。図12に第3実施形態の太陽電池モジュール300の斜視概念図を示す。図12の太陽電池モジュール300は、第1太陽電池モジュール301と第2太陽電池モジュール302を積層した太陽電池モジュールである。第1太陽電池モジュール301は、光入射側であり、第1実施形態の太陽電池100、101を用いている。第2太陽電池モジュール302は、第2実施形態の第2太陽電池201を用いている。
第3実施形態は、太陽電池モジュールに関する。図12に第3実施形態の太陽電池モジュール300の斜視概念図を示す。図12の太陽電池モジュール300は、第1太陽電池モジュール301と第2太陽電池モジュール302を積層した太陽電池モジュールである。第1太陽電池モジュール301は、光入射側であり、第1実施形態の太陽電池100、101を用いている。第2太陽電池モジュール302は、第2実施形態の第2太陽電池201を用いている。
図13に太陽電池モジュール300の断面概念図を示す。図13では、第1太陽電池モジュール301の構造を詳細に示し。第2太陽電池モジュール302の構造は示していない。第2太陽電池モジュール301では、用いる太陽電池の光吸収層などに応じて適宜、太陽電池モジュールの構造を選択する。図13の太陽電池モジュールは、複数の太陽電池100(太陽電池セル)が横方向に並んで電気的に直列に接続した破線で囲われたサブモジュール303が複数含まれ、複数のサブモジュール303が電気的に並列もしくは直列に接続している。隣り合うサブモジュール303は、バスバー304で電気的に接続している。
太陽電池100は、スクライブP1、P2、P3されていて、隣り合う太陽電池100は、上部側と第2電極5と下部側の第1電極2が接続している。第3実施形態の太陽電池100も第1実施形態の太陽電池100と同様に、基板1、第1電極2、光吸収層3、n型層4と第2電極5を有する。サブモジュール303中の太陽電池100の両端は、バスバー304と接続し、バスバー304が複数のサブモジュール303を電気的に並列もしくは直列に接続し、第2太陽電池モジュール302との出力電圧を調整するように構成されていることが好ましい。
(第4実施形態)
第4実施形態は太陽光発電システムに関する。第3実施形態の太陽電池モジュール300は、第4実施形態の太陽光発電システムにおいて、発電を行う発電機として用いることができる。実施形態の太陽光発電システムは、太陽電池モジュールを用いて発電を行うものであって、具体的には、発電を行う太陽電池モジュールと、発電した電気を電力変換する手段と、発電した電気をためる蓄電手段又は発電した電気を消費する負荷とを有する。図14に実施形態の太陽光発電システム400の構成概念図を示す。図14の太陽光発電システムは、太陽電池モジュール401(300)と、コンバーター402と、蓄電池403と、負荷404とを有する。蓄電池403と負荷404は、どちらか一方を省略しても良い。負荷404は、蓄電池403に蓄えられた電気エネルギーを利用することもできる構成にしてもよい。コンバーター402は、DC−DCコンバーター、DC−ACコンバーター、AC−ACコンバーターなど変圧や直流交流変換などの電力変換を行う回路又は素子を含む装置である。コンバーター402の構成は、発電電圧、蓄電池403や負荷404の構成に応じて好適な構成を採用すればよい。
第4実施形態は太陽光発電システムに関する。第3実施形態の太陽電池モジュール300は、第4実施形態の太陽光発電システムにおいて、発電を行う発電機として用いることができる。実施形態の太陽光発電システムは、太陽電池モジュールを用いて発電を行うものであって、具体的には、発電を行う太陽電池モジュールと、発電した電気を電力変換する手段と、発電した電気をためる蓄電手段又は発電した電気を消費する負荷とを有する。図14に実施形態の太陽光発電システム400の構成概念図を示す。図14の太陽光発電システムは、太陽電池モジュール401(300)と、コンバーター402と、蓄電池403と、負荷404とを有する。蓄電池403と負荷404は、どちらか一方を省略しても良い。負荷404は、蓄電池403に蓄えられた電気エネルギーを利用することもできる構成にしてもよい。コンバーター402は、DC−DCコンバーター、DC−ACコンバーター、AC−ACコンバーターなど変圧や直流交流変換などの電力変換を行う回路又は素子を含む装置である。コンバーター402の構成は、発電電圧、蓄電池403や負荷404の構成に応じて好適な構成を採用すればよい。
太陽電池モジュール300に含まれる受光したサブモジュール303に含まれる太陽電池セルが発電し、その電気エネルギーは、コンバーター402で変換され、蓄電池403で蓄えられるか、負荷404で消費される。太陽電池モジュール401には、太陽電池モジュール401を常に太陽に向けるための太陽光追尾駆動装置を設けたり、太陽光を集光する集光体を設けたり、発電効率を向上させるための装置等を付加することが好ましい。
太陽光発電システム400は、住居、商業施設や工場などの不動産に用いられたり、車両、航空機や電子機器などの動産に用いられたりすることが好ましい。実施形態の変換効率に優れた光電変換素子を太陽電池モジュール401に用いることで、発電量の増加が期待される。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ワイドギャップ光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInを添加してCIGSe組成とした実施例である。光吸収層の厚さは1.6μmであり、図8に示すセレン化法で作製した。図15は、実施例1の光吸収層中のInの深さ方向分布を示す。Inは表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はおよそ50nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は98%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は2%で、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.31eVである。光吸収層をラマン分光測定で調べた結果、CGSe単体では270cm−1付近に現れるCuSeのピークが確認されなかった。
ワイドギャップ光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInを添加してCIGSe組成とした実施例である。光吸収層の厚さは1.6μmであり、図8に示すセレン化法で作製した。図15は、実施例1の光吸収層中のInの深さ方向分布を示す。Inは表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はおよそ50nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は98%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は2%で、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.31eVである。光吸収層をラマン分光測定で調べた結果、CGSe単体では270cm−1付近に現れるCuSeのピークが確認されなかった。
実施例1の裏面側の第1電極は金属モリブデンMo、上部側の第2電極には酸化亜鉛ZnO透明電極、n層には硫化亜鉛を含有するZn(S,O,OH)層を用いた。
太陽電池特性を調べた結果、1sunの擬似太陽光を照射することで、効率18%、開放電圧0.95V、短絡電流24.3mA/cm2、フィルファクタ0.78の高い特性が得られた。
実施例1では、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
太陽電池特性を調べた結果、1sunの擬似太陽光を照射することで、効率18%、開放電圧0.95V、短絡電流24.3mA/cm2、フィルファクタ0.78の高い特性が得られた。
実施例1では、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
(実施例2)
実施例2の光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInとSを添加してCIGSSe組成とした例である。光吸収層の厚さは1.7μmであり、図9に示すセレン化法と硫化法で作製した。図16は、実施例2の光吸収層中のIn(実線)と硫黄(破線)の深さ方向分布を示す。Inと硫黄は、ともに表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はInがおよそ170nm、硫黄がおよそ100nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は88%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は12%であり、さらに光吸収層全体のSe/(Se+S)組成比は93%、すなわち表面キャップ層領域に添加したS/(Se+S)組成比は7%であり、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.53eVである。光吸収層をラマン分光測定で調べた結果、CuSeやCuSのピークは確認されなかった。
実施例2の光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInとSを添加してCIGSSe組成とした例である。光吸収層の厚さは1.7μmであり、図9に示すセレン化法と硫化法で作製した。図16は、実施例2の光吸収層中のIn(実線)と硫黄(破線)の深さ方向分布を示す。Inと硫黄は、ともに表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はInがおよそ170nm、硫黄がおよそ100nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は88%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は12%であり、さらに光吸収層全体のSe/(Se+S)組成比は93%、すなわち表面キャップ層領域に添加したS/(Se+S)組成比は7%であり、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.53eVである。光吸収層をラマン分光測定で調べた結果、CuSeやCuSのピークは確認されなかった。
裏面側の第1電極は金属モリブデンMo、上部側の第2電極には酸化亜鉛ZnO透明電極、n層には硫化亜鉛を含有するZn(S,O,OH)層を用いた。
太陽電池特性を調べた結果、1sunの擬似太陽光を照射することで、効率18.6%、開放電圧1.05V、短絡電流23mA/cm2、フィルファクタ0.77の高特性が得られた。
実施例2でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
実施例2でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
(実施例3)
実施例3の光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInとSを添加してCIGSSe組成とした例である。光吸収層の厚さは1.6μmであり、図9に示すセレン化法と硫化法で作製した。
図17は、本発明の光吸収層中のIn(実線)と硫黄(破線)の深さ方向分布を示す。Inと硫黄は、ともに表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はInがおよそ100nm、硫黄がおよそ100nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は95%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は5%であり、さらに光吸収層全体のSe/(Se+S)組成比は95%、すなわち表面キャップ層領域に添加したS/(Se+S)組成比は5%であり、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.62eVである。光吸収層をラマン分光測定で調べた結果、CuSeやCuSのピークは確認されなかった。
実施例3の光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInとSを添加してCIGSSe組成とした例である。光吸収層の厚さは1.6μmであり、図9に示すセレン化法と硫化法で作製した。
図17は、本発明の光吸収層中のIn(実線)と硫黄(破線)の深さ方向分布を示す。Inと硫黄は、ともに表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はInがおよそ100nm、硫黄がおよそ100nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は95%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は5%であり、さらに光吸収層全体のSe/(Se+S)組成比は95%、すなわち表面キャップ層領域に添加したS/(Se+S)組成比は5%であり、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.62eVである。光吸収層をラマン分光測定で調べた結果、CuSeやCuSのピークは確認されなかった。
裏面側の第1電極は金属モリブデンMo、上部側の第2電極には酸化亜鉛ZnO透明電極、n層には硫化亜鉛を含有するZn(S,O,OH)層を用いた。
太陽電池特性を調べた結果、1sunの擬似太陽光を照射することで、効率19.7%、開放電圧1.12V、短絡電流22mA/cm2、フィルファクタ0.8の高特性が得られた。
実施例3でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
実施例3でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
(実施例4)
実施例4の光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInとSを添加してCIGSSe組成とした例である。光吸収層の厚さは1.6μmであり、図10に示すセレン化法と硫化法で作製した。
図18は、実施例4の光吸収層中のIn(実線)と硫黄(破線)の深さ方向分布を示す。硫黄(S)は、表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はおよそ50nmである。Inは、図18からおよそ最表面から数nm程度の奥側で最大値を示し、その地点から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はおよそ50nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は97%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は3%であり、さらに光吸収層全体のSe/(Se+S)組成比は97%、すなわち表面キャップ層領域に添加したS/(Se+S)組成比は3%であり、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.65eVである。
実施例4の光吸収層の主たる組成はCGSeであり、表層のキャップ層はInとSを添加してCIGSSe組成とした例である。光吸収層の厚さは1.6μmであり、図10に示すセレン化法と硫化法で作製した。
図18は、実施例4の光吸収層中のIn(実線)と硫黄(破線)の深さ方向分布を示す。硫黄(S)は、表面から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はおよそ50nmである。Inは、図18からおよそ最表面から数nm程度の奥側で最大値を示し、その地点から深さ方向に向かって単調に濃度が減少し、拡散長はおよそ50nmである。光吸収層全体のGa/(Ga+In)組成比は97%、すなわち表面キャップ層領域に添加したIn/(Ga+In)組成比は3%であり、さらに光吸収層全体のSe/(Se+S)組成比は97%、すなわち表面キャップ層領域に添加したS/(Se+S)組成比は3%であり、CGSeバルクのバンドギャップ1.67eVに対して、キャップ層の最小バンドギャップは1.65eVである。
図19は、実施例4のCIGSSe組成の光吸収層をラマン分光で調べたスペクトルの結果を示す。図中には、従来例として、効率の低い、表面に異相CuSeを含むワイドギャップ系のCGSeと、効率の高い、表面に異相CuSeが生じないナローギャップ系のInリッチなCIGSeの結果も合わせて示す。図より、実施例4の光吸収層には、CuSeやCuS(270cm−1)のピークは確認されなかった。実施例4の光吸収層は、CuSeやCuSのピークは確認されず、CISの大きなピークとCGSeの小さなピークが確認される。つまり、光吸収層の表面に悪影響を及ぼす異相の形成が確認されなかった。実施例4では、意図したとおり表面がCISキャップされ、バルクがCGSeの高い変換効率に寄与する高品質な光吸収層が得られた。CISキャップされたCGSSeのCISキャップ側から測定しているため、実施例4のラマンスペクトルの結果において、CGSeのピークは非常に小さくなっている。
裏面側の第1電極は金属モリブデンMo、上部側の第2電極には酸化亜鉛ZnO透明電極、n層には硫化亜鉛を含有するZn(S,O,OH)層を用いた。
太陽電池特性を調べた結果、1sunの擬似太陽光を照射することで、効率21.2%、開放電圧1.2V、短絡電流22mA/cm2、フィルファクタ0.8の高特性が得られた。
図20は、太陽電池特性から求めた、シャント抵抗Rsh−電位ΔV(光吸収層のバンドギャップEgから開放電圧Vocを差し引いた電位)特性を示す。図中には、従来例として、効率の低い、表面に異相CuSeを含むワイドギャップ系のCGSeと、効率の高い、表面に異相CuSeが生じないナローギャップ系のInリッチなCIGSeの結果も合わせて示す。
図21は、RshとΔVを説明するための太陽電池の電流電圧特性の模式図を示す。シャント抵抗Rshは、図中に示すV=0での電流の傾きの逆数であり、この傾きが小さいほど高抵抗になる。電位ΔVは、開放電圧Vocが大きくなるに従い、減少する量である。RshとΔVは、いずれも光吸収層表面の異相に敏感な指標であり、Rshは高いほど、ΔVは小さいほど効率は高い。
図20より、実施例4の光吸収層を用いた太陽電池は、従来のCGSeと比べてΔVとRshがいずれも改善していることが確認できた。
実施例4でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
実施例4でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率な太陽電池が得られる。
(実施例5)
実施例3の太陽電池をタンデム太陽電池のトップセルに用いた例である。
トップセルの構成は、実施例3の第1電極をSnO/ITO透明電極(光吸収層と接する側がSnO)に変更した以外は同じである。
タンデム太陽電池を構成するために、ボトムセルには単体での変換効率が22%の単結晶Siを用い、トップセルとボトムセルを積層して、電気的に並列に接続した。なお、両者の出力電圧が一致するように、トップセルのセル数mとボトムセルのセル数nを、次式、m×出力V(トップセル)=n×V(ボトムセル)となるように調整している。
太陽電池特性を調べた結果、1sunの擬似太陽光を照射することで、トップセル単体として効率21%、タンデム太陽電池として効率29%の高特性が得られた。
実施例5でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率なトップセル、延いては高効率なタンデム太陽電池が得られる。
明細書中、一部の元素は元素記号のみで表している。
実施例3の太陽電池をタンデム太陽電池のトップセルに用いた例である。
トップセルの構成は、実施例3の第1電極をSnO/ITO透明電極(光吸収層と接する側がSnO)に変更した以外は同じである。
タンデム太陽電池を構成するために、ボトムセルには単体での変換効率が22%の単結晶Siを用い、トップセルとボトムセルを積層して、電気的に並列に接続した。なお、両者の出力電圧が一致するように、トップセルのセル数mとボトムセルのセル数nを、次式、m×出力V(トップセル)=n×V(ボトムセル)となるように調整している。
太陽電池特性を調べた結果、1sunの擬似太陽光を照射することで、トップセル単体として効率21%、タンデム太陽電池として効率29%の高特性が得られた。
実施例5でも、適切な光吸収層を用いることで異相生成が抑えられ、高効率なトップセル、延いては高効率なタンデム太陽電池が得られる。
明細書中、一部の元素は元素記号のみで表している。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定解釈されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、変形例の様に異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
100…太陽電池(第1太陽電池)、1…基板、2…第1電極、3…光吸収層、4…n層、5…第2電極、
200…多接合型太陽電池、201…第2太陽電池、
300…太陽電池モジュール、301第1太陽電池モジュール、302…第2太陽電池モジュール、303…サブモジュール、304…バスバー、
400…太陽光発電システム、401…太陽電池モジュール、402…コンバーター、403…蓄電池、404…負荷
200…多接合型太陽電池、201…第2太陽電池、
300…太陽電池モジュール、301第1太陽電池モジュール、302…第2太陽電池モジュール、303…サブモジュール、304…バスバー、
400…太陽光発電システム、401…太陽電池モジュール、402…コンバーター、403…蓄電池、404…負荷
Claims (11)
- 第1電極と、
Cu、In、GaとSeを少なくとも含む光吸収層と、
n型層と、
第2電極とを備え、
前記光吸収層は、前記第1電極と前記n型層の間に存在し、
前記n型層は、前記光吸収層と前記第2電極の間に存在し、
前記光吸収層において、Cu、GaとSeの元素が占める割合が80atom%以上であり、
前記光吸収層の全体のGa濃度は、前記光吸収層の全体のIn濃度よりも高く、
前記光吸収層の前記n型層側の領域のIn濃度は、前記光吸収層の前記n型層側の領域のGa濃度よりも高い太陽電池。 - 第1電極と、
Cu、In、Ga、SeとSを少なくとも含む光吸収層と、
n型層と、
第2電極とを備え、
前記光吸収層は、前記第1電極と前記n型層の間に存在し、
前記n型層は、前記光吸収層と前記第2電極の間に存在し、
前記光吸収層において、Cu、GaとSeの元素が占める割合が80atom%以上であり、
前記光吸収層の全体のGa濃度は、前記光吸収層の全体のIn濃度よりも高く、
前記光吸収層の前記n型層側の領域のIn濃度は、前記光吸収層の前記n型層側の領域のGa濃度よりも高く、
前記光吸収層の全体のSe濃度は、前記光吸収層の全体のS濃度よりも高く、
前記光吸収層の前記n型層側の領域のS濃度は、前記光吸収層の前記n型層側の領域のSe濃度よりも高い太陽電池。 - 前記光吸収層の前記n型層側の領域は、前記光吸収層の前記n型層側の表面から前記第1電極側に向かって20nmまで深さの領域である請求項1又は2に記載の太陽電池。
- 前記光吸収層の厚さをDとするとき、前記光吸収層の前記n型層側の表面から前記第1電極側に向かって0.1Dの深さからDの深さまでの領域におけるGa濃度とIn濃度の和に対するGa濃度は70%以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 前記光吸収層のn型層側の表面から第1電極方向に向かって20nmの深さから、光吸収層のn型層側の表面から0.1Dの深さまでの領域において、Ga濃度は、n型層側から第1電極方向に向かって連続的に増加する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の太陽電池と、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の太陽電池の光吸収層よりもバンドギャップの小さい光吸収層を有する太陽電池とを有する多接合型太陽電池。 - 前記請求項1ないし5のいずれか1項に記載の太陽電池の光吸収層よりもバンドギャップの小さい光吸収層を有する太陽電池の光吸収層は、化合物半導体又は結晶シリコンである請求項6に記載の多接合型太陽電池。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の太陽電池を用いた太陽電池モジュール。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の太陽電池と、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の太陽電池の光吸収層よりもバンドギャップの小さい光吸収層を有する太陽電池を用いた太陽電池モジュール。
- 請求項8又は9に記載の太陽電池モジュールを用いて太陽光発電を行う太陽光発電システム。
- 第1電極上に、Cu、Ga及びSeを含む第1化合物層を形成する工程と、
前記第1化合物層上に金属In層を形成して第2化合物層を形成する工程と、
前記第2化合物層を硫黄を含む雰囲気中で加熱してCu、In、Ga、SeとSを少なくとも含む光吸収層を得る工程とを有する太陽電池の製造方法。
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PCT/JP2018/010653 WO2019058604A1 (en) | 2017-09-20 | 2018-03-16 | PHOTOPILE, MULTIPURPOSE PHOTOPILE, PHOTOPILE MODULE, PHOTOVOLTAIC POWER GENERATION SYSTEM, AND PHOTOPOLY PRODUCTION METHOD |
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JP2017242523A Pending JP2019057701A (ja) | 2017-09-20 | 2017-12-19 | 太陽電池、多接合型太陽電池、太陽電池モジュール、太陽光発電システム及び太陽電池の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113471310A (zh) * | 2021-06-25 | 2021-10-01 | 华南师范大学 | 一种基于混维体系的高增益光探测器及其制备方法 |
CN114551610A (zh) * | 2022-03-11 | 2022-05-27 | 浙江爱旭太阳能科技有限公司 | 一种太阳能电池、电极结构、电池组件、发电系统及制备方法 |
US11563132B2 (en) | 2018-01-29 | 2023-01-24 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Solar cell, multi-junction solar cell, solar cell module, and photovoltaic system |
JP7457310B1 (ja) | 2023-06-12 | 2024-03-28 | 株式会社Pxp | 薄膜太陽電池及び薄膜太陽電池の製造方法 |
-
2017
- 2017-12-19 JP JP2017242523A patent/JP2019057701A/ja active Pending
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