JP2019054747A - コロニー検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】培地媒体上のコロニーを効率よく、かつ精度よくカウントする。【解決手段】コロニー検出システムは、培養されたコロニーを顕在化させる培地媒体と、培地媒体の種類及びコロニーのカウント機能を含む情報を選択する選択部と、培地媒体の培養面を撮像する撮像部と、撮像画像に含まれるコード情報を検出する第1情報検出部と、撮像画像に対して、選択部で選択された情報と、第1情報検出部で検出されたコード情報と、に応じた処理を行って、培地媒体で培養されたコロニーの数をカウントする第1コロニーカウント部と、新たなコード情報を生成するコード情報生成部と、撮像画像に含まれるコード情報を新たなコード情報に更新した新たな培地画像を生成する画像更新部と、新たな培地画像に含まれる新たなコード情報を検出する第2情報検出部と、新たな培地画像に基づいて培地媒体で培養されたコロニーの数をカウントする第2コロニーカウント部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、培養された微生物の集合体であるコロニーの数をカウントするコロニー検出システムに関する。
食品に微生物が混入すると、人体に悪影響を及ぼすことがある。微生物は環境条件によって急激に繁殖するおそれがあり、食中毒などの大規模な健康被害を引き起こすこともありうる。食品に混入した微生物を検出するシステムとして、食品から採取した微生物をシャーレやフィルム上で培養し、培養された微生物の集合体であるコロニーの数をカウントする検出システムが提案されている。
特開2011−212013号公報
弁当や総菜などの多数の加工食品に微生物が混入しているか否かを短時間で検査するには、フィルム等の培地媒体を多数用意して、各培地媒体に微生物を培養させた培養面をスキャナ等の撮像装置で高速に読み取って画像解析を行う手法が取られる。しかしながら、培地媒体の種類によって、コロニーの色やサイズが異なるため、コロニーを検出してその数をカウントする処理アルゴリズムを、培地媒体の種類ごとに変えなければならない。したがって、複数種類の培地媒体が入れ混じった大量の培地媒体を効率的に処理するのは容易ではない。
また、培地媒体の種類によっては、複数の微生物がそれぞれ異なる色のコロニーとして検出される場合がある。しかしながら、従来のコロニー検出システムは、単色でのコロニー数のカウントしか行っておらず、一つの培地媒体上に存在する複数の微生物のそれぞれを区別して、別個にコロニー数をカウントすることができなかった。
このように、複数種類の培地媒体が入れ混じった大量の培地媒体についてのコロニー数のカウントを効率的に行う手法や、培地媒体中のコロニーを色別に効率的にカウントする手法が従来は存在しなかった。
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、培地媒体上のコロニーを効率よく、かつ精度よくカウント可能なコロニー検出システムを提供するものである。
上記の課題を解決するために、本開示によれば、検体に含まれる特定の微生物を培養し、培養された前記特定の微生物の集合体であるコロニーを顕在化させる培地媒体と、
前記培地媒体の種類及びコロニーのカウント機能を含む情報を選択する選択部と、
前記培地媒体の培養面を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された画像に含まれる前記培地媒体の種類を示すコード情報を検出する第1情報検出部と、
前記撮像部で撮像された画像に対して、前記選択部で選択された情報と、前記第1情報検出部で検出されたコード情報と、に応じた処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントする第1コロニーカウント部と、
前記選択部で選択された情報と第1情報検出部で検出されたコード情報との少なくとも一方に基づいて、新たなコード情報を生成するコード情報生成部と、
前記撮像部で撮像された画像に含まれるコード情報を前記新たなコード情報に更新した新たな培地画像を生成する画像更新部と、
前記新たな培地画像に含まれる前記新たなコード情報を検出する第2情報検出部と、
前記新たな培地画像に対して、前記選択部で選択された情報と、前記第2情報検出部で検出されたコード情報と、に応じた処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントする第2コロニーカウント部と、を備える、コロニー検出システムが提供される。
前記新たなコード情報と、前記第1情報検出部が検出したコード情報とは、カウント対象のコロニーの種類とコロニーの色との少なくとも一方に関する情報が異なっていてもよい。
前記第1情報検出部が検出したコード情報と前記新たなコード情報との一方は、前記培地媒体上の全コロニーの数をカウントすることを指示する情報であり、他方は、前記培地媒体上の特定の色のコロニーの数をカウントすることを指示する情報であってもよい。
本開示によれば、検体に含まれる特定の微生物を培養し、培養された前記特定の微生物の集合体であるコロニーを顕在化させる複数種類の培地媒体と、
前記培地媒体の培養面を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像した画像を所定の条件で分類して記憶する、複数の記憶部と、
前記複数の記憶部に記憶された画像に対して、各記憶部ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントするコロニーカウント部と、を備える、コロニー検出システムが提供される。
前記複数の記憶部に記憶された画像に対して、各記憶部ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の画像処理を行う画像処理部を備え、
前記コロニーカウント部は、前記画像処理部で画像処理された後の画像に対して、各記憶部ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントしてもよい。
前記コロニーカウント部は、前記複数の記憶部のうち、一つの記憶部に記憶されたすべての画像についての前記コロニーの数のカウントが終わった後、次の記憶部のカウント処理を行い、各記憶部ごとに、各記憶部に固有の条件により前記コロニーの数をカウントしてもよい。
検体に含まれる特定の微生物を培養し、培養された前記特定の微生物の集合体であるコロニーを顕在化させる複数種類の培地媒体と、
前記培地媒体の培養面を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像した画像のファイル名に、所定の条件に応じた識別子を付加して記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された画像に対して、前記識別子に応じた固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントするコロニーカウント部と、を備える、コロニー検出システム。
前記記憶部に記憶された画像に対して、前記識別子ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の画像処理を行う画像処理部を備え、
前記コロニーカウント部は、前記画像処理部で画像処理された後の画像に対して、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントする、請求項7に記載のコロニー検出システム。
前記コロニーカウント部は、前記記憶部内において、ファイル名に特定の前記識別子が付記されたすべての画像について、対応する前記所定の条件に基づいて前記コロニーの数のカウントが終わった後、ファイル名に別の特定の前記識別子が付記されたすべての画像について、対応する前記所定の条件に基づいて前記コロニー数のカウントを行う処理を繰り返す、請求項7または8に記載のコロニー検出システム。
前記所定の条件は、前記培地媒体の種類を含む、請求項4乃至9のいずれか一項に記載のコロニー検出システム。
前記所定の条件は、前記撮像部で撮像した画像に含まれるコロニーの数をカウント可能か否かを示す情報を含む、請求項4乃至9のいずれか一項に記載のコロニー検出システム。
前記所定の条件は、前記培地媒体の検査条件を含む、請求項4乃至9のいずれか一項に記載のコロニー検出システム。
本開示によれば、培地媒体上のコロニーを効率よく、かつ精度よくカウントすることができる。
第1の実施形態によるコロニー検出システムの概略構成を示す機能ブロック図。 培地シートの平面図。 表示部の画面の表示例を示す図。 本実施形態によるコロニー検出システムの概略の処理動作を示すフローチャート。 EC暫定処理を行うべき培地シートの撮像画像を表示部の画面に表示させた例を示す図。 作業者が「EC暫定」を選択した場合の制御部の処理動作を示すフローチャート。 第1コロニーカウント部の処理動作の一例を示すフローチャート。 第2コロニーカウント部の処理動作の一例を示すフローチャート。 第2の実施形態によるコロニー検出システムの概略構成を示す機能ブロック図。 培地シートの撮像画像を複数の記憶部に分類して記憶する様子を模式的に示す図。 第2の実施形態によるコロニー検出システムの概略的な処理動作を示すフローチャート。 第3の実施形態によるコロニー検出システムの概略的な処理動作を示すフローチャート。 第4の実施形態によるコロニー検出システムの概略的な処理動作を示すフローチャート。 第5の実施形態によるコロニー検出システムの概略的な処理動作を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態によるコロニー検出システム1の概略構成を示す機能ブロック図である。本実施形態によるコロニー検出システム1は、培地媒体上に培養された微生物のコロニーの数をカウントすることができる。ここで、コロニーとは、培地媒体上に培養された特定の微生物の集合体である。微生物の具体的な種類は問わないが、本実施形態では主に、食品に混入する各種の微生物を念頭に置いており、具体的には、大腸菌や黄色ブドウ球菌などである。培地媒体とは、微生物を培養可能な培地であり、フィルム状の培地シート2でもよいし、シャーレなどでもよい。大量の培地媒体の画像を短時間で読み取ってコロニー数のカウントを自動で行う場合には、連続して画像化が可能な培地シート2を用いるのが望ましい。以下では、培地媒体として培地シート2を用いる例を主に説明する。
図2は培地シート2の平面図である。図2の培地シート2は、基材層11と、基材層11の中心部付近の円形枠12内に積層される培養層13と、基材層11及び培養層13の上面全体を覆う透明な保護層14とを有する。
基材層11の材料は、プラスチックフィルムや紙などである。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを用いることができる。基材層11は、樹脂と紙の多層構造であってもよい。
培養層13の材料は、微生物の種類に応じて異なる。基材層11の表面には、培養層13がどの微生物の培養を行うものであるかを示す識別コードが印刷されている。図2の例では、識別コードとしてQRコード(登録商標)15が印刷されている。QRコード15の代わりに、バーコード等の識別コードが印刷されていてもよい。
保護層14は、基材層11の上面全体を覆っており、培養層13への異物の混入を防止する。保護層14は、透明であるため、保護層14を付けたままで、撮像部3にて培養面を撮像することができる。
図1のコロニー検出システム1は、図2に示した培地シート2と、撮像部3と、記憶部4と、ユーザインタフェース部5と、制御部6と、画像認識部7と、コロニーカウント部8と、表示部9とを備えている。
作業者は、培地シート2の培養面に、検体を希釈した希釈液を滴下して、予め定めた培養時間だけ、検体に含まれる微生物を培地シート2にて培養する。培地シート2の具体的な構成材料は前述のものと同様である。検体とは、微生物が混入する可能性のある種々の食品などである。
撮像部3は、予め定めた培養時間が経過した後に、培地シート2の培養面を撮像する。撮像部3は、例えば市販の光学スキャナを適用することができる。特に、ADF(Auto Document Feeder)機能を有する光学スキャナを用いると、複数の培地シート2の培養面を連続的に読み取ることができ、効率的な読取作業が可能となる。撮像部3で撮像された撮像画像は記憶部4に格納される。制御部6は、必要に応じて記憶部4から撮像画像を読み出して、画像認識部7や表示部9に送信する。
ユーザインタフェース部5は、作業者が種々の入力や選択を行う指示部材を有する。指示部材は、マウスやキーボード等の選択機器や入力機器でもよいし、表示部9の画面に内蔵されたタッチセンサでもよい。ユーザインタフェース部5は、培地シート2の種類及びコロニー数のカウントの条件を含む情報を選択する選択部5aを有する。例えば、作業者は、選択部5aにより、培地シート2の種類を選択するとともに、選択した種類の培地シート2中のコロニー数のカウントの条件を選択する。ここで、培地シート2の種類とは、培地シート2で培養する微生物の種類である。また、カウントの条件とは、培地シート2中のどのコロニーについてカウントを行うのかを指定する条件である。より具体的には、培地シート2中の特定色のコロニーのみについてカウントするとか、全色のコロニーのカウントをする等である。
制御部6は、コロニー検出システム1内の各部を制御するとともに、コロニーカウント部8でカウントしたコロニーの数を表示部9に表示する制御を行う。
画像認識部7は、撮像部3で撮像された培地シート2の撮像画像に対して画像認識を行って、コロニーの検出を行う。また、画像認識部7は、必要に応じて、撮像画像から検体の識別コード等を自動認識する処理を行ってもよい。
コロニーカウント部8は、培地シート2の撮像画像に含まれるコロニーの数をカウントする。コロニーカウント部8は、第1情報検出部8aと、第1コロニーカウント部8bと、コード情報生成部8cと、画像更新部8dと、第2情報検出部8eと、第2コロニーカウント部8fとを有する。
第1情報検出部8aは、撮像部3で撮像された画像に含まれる培地シート2の種類を示すコード情報を検出する。コード情報は、後述するように、例えばQRコード(登録商標)である。
第1及び第2コロニーカウント部8b、8fは、撮像部3で撮像された画像に対して、選択部5aで選択された培地シート2の種類に応じた処理を行って、培地シート2で培養されたコロニーの数をカウントする。
第1コロニーカウント部8bは、撮像部3で撮像された画像に対して、選択部5aで選択された情報と、第1情報検出部8aで検出されたコード情報と、に応じた処理を行って、培地シート2で培養されたコロニーの数をカウントする。
コード情報生成部8cは、選択部5aで選択された情報と第1情報検出部8aで検出されたコード情報との少なくとも一方に基づいて、新たなコード情報を生成する。新たなコード情報は例えばQRコード(登録商標)である。新たなコード情報は、元々培地シート2に設けられていたコード情報とは、カウント対象のコロニーの種類とコロニーの色との少なくとも一方に関する情報が異なっている。具体的な一例としては、元々培地シート2に設けられていたコード情報と新たなコード情報とのいずれか一方は、培地シート2上の全コロニーの数をカウントすることを指示する情報であり、他方は、培地シート2上の特定の色のコロニーの数をカウントすることを指示する情報である。
画像更新部8dは、撮像部3で撮像された画像に含まれるコード情報を新たなコード情報に更新した新たな培地画像を生成する。
第2情報検出部8eは、新たな培地画像に含まれる新たなコード情報を検出する。第2コロニーカウント部8fは、新たな培地画像に対して、選択部5aで選択された情報と、第2情報検出部8eで検出されたコード情報と、に応じた処理を行って、培地シート2で培養されたコロニーの数をカウントする。
図3は表示部9の画面の表示例を示す図である。図3の画面には、第1表示領域31と、第2表示領域32と、第3表示領域33とが設けられている。
第1表示領域31には、撮像部3で撮像された画像に関する種々の情報が表示されている。例えば、第1表示領域31には、撮像部3で撮像を行った読取日時を入力する欄31aと、培地シート2で培養を開始した日である検査日を入力する欄31bと、培地シート2の種類(培地)を入力する欄31cと、培地シート2のシリアル番号(S/N)を入力する欄31dと、中間処理データのファイル名(設定ファイル)を入力する欄31eと、カウントされたコロニー数を入力する欄31fと、コメント欄31gと、登録ボタン31hなどが設けられている。第1表示領域31に表示される各種の情報は、図3に限定されない。
図3の培地シート2には、その基材層11に培地シート2のシリアル番号を表すQRコード15が印刷されている。したがって、撮像部3で撮像された画像からQRコード15を抽出して画像認識を行うことで、QRコード15に対応するシリアル番号を第1表示領域31内のS/Nの欄に自動入力することができる。
コメント欄31gには、培地シート2に滴下した検体の情報などが入力される。コメント欄31gには、キーボードのユーザインタフェース部5を介して、作業者が直接、種々の情報を入力することができる。また、培地シート2に、検体を特定するバーコード2aなどの識別コードが設けられている場合は、撮像画像から識別コードを抽出して画像認識により、コメント欄31gに検体の識別コードを自動入力し、また培地シート2に識別コードの代わりに文字情報が設けられている場合は、OCR(Optical Character Recognition)機能を利用して自動読み取りを行った文字情報をコメント欄31gに自動入力してもよい。ここで、検体の識別コードとは、例えば、ある食品の製品コードである。以下では、検体の識別コードを製品コードと呼ぶこともある。
第2表示領域32には、撮像部3で撮像された画像そのものが表示される。第3表示領域33には、第2表示領域32の撮像画像からコロニーを自動検出して、検出されたコロニーを枠で囲んだ画像が表示される。図3の例では、第3表示領域33内に8個の枠があるため、第1表示領域31内のコロニー数は8となる。
図1に示したコロニー検出システム1は、一つ以上のハードウェア機器により構成可能である。具体的な一例としては、撮像部3と画像認識部7は光学スキャナで構成し、第1及び第2コロニーカウント部8b、8f、制御部6、及びユーザインタフェース部5はパーソナルコンピュータ(以下、PC)またはサーバ装置で構成してもよい。一台のPCまたはサーバ装置で構成する代わりに、ネットワーク接続された複数のPCまたはサーバ装置で構成してもよい。
図4は本実施形態によるコロニー検出システム1の概略の処理動作を示すフローチャートである。まず、検査作業者は、微生物の混入を検査する対象となる検体を所定の希釈液を用いて所定の希釈倍率で希釈する(ステップS1)。次に、検査作業者は、検査したい微生物の種類に応じた培地シート2上に、希釈した検体を含む液体を滴下して、予め定めた培養時間だけ微生物の培養を行う(ステップS2)。同一の検体について、異なる複数種類の微生物の混入を検査したい場合は、複数種類の培地シート2を用意して、上述したステップS1とS2の処理を繰り返す。
予め定めた培養時間が経過するまで待機し(ステップS3)、培養時間が経過すると、取込作業者は、培養済の培地シート2を撮像部3にて撮像する(ステップS4)。制御部6は、撮像画像を表示部9に表示し、画像認識部7は、撮像画像に製品コードのバーコード等がある場合には、画像認識により検体の製品コードを特定して、コメント欄31gに自動入力する(ステップS5)。培地シート2に検体の製品コードがない場合は、取込作業者がユーザインタフェース部5を介して、製品コード等を入力してもよい。また、製品コード以外の任意の情報を、取込作業者がユーザインタフェース部5を介してコメント欄31gに入力してもよい。
培養時間は、必ずしもすべての種類の培地シート2で同じとは限らない。同一の検体について、複数種類の培地シート2で培養を行う場合、各培地シート2ごとに定められた培養時間が経過した後に、上述したステップS4とS5の処理を行う必要がある。
次に、画像認識部7は、培地シート2の撮像画像に含まれるコロニーを自動認識して、図3の第3表示領域33のように、各コロニーに枠33aを配置する(ステップS6)。次に、第1及び第2コロニーカウント部8b、8fは、枠33aの数をカウントしてコロニー数をカウントする(ステップS7)。
本実施形態による第1及び第2コロニーカウント部8b、8fがコロニー数のカウントを行うことができる培地シート2の種類は、例えば、AC、CC、EC、SA、YM、EB、LB、SL、LSM、ACR、HET、VPなどである。ACは一般生菌測定用培地、CCは大腸菌群測定用培地、ECは大腸菌及び大腸菌群測定用培地、SAは黄色ブドウ球菌測定用培地、YMはカビ・酵母測定用培地、EBは腸内細菌科菌群測定用培地、LBは乳酸菌測定用培地、SLはサルモネラ測定用培地、LSMはリステリアモノサイトゲネス測定用培地、ACRは一般生菌測定用迅速培地、HETは従属栄養細菌測定用培地、VPは腸炎ビブリオ測定用培地である。
一部の培地シート2は、複数種類の微生物の培養を行うことができ、各微生物のコロニーが同一の培地シート2内でそれぞれ異なる色を呈することがある。この場合、コロニーの各色ごとに微生物の種類が異なるため、各色ごとにコロニーの数をカウントすれば、複数種類の微生物のコロニー数を個別に検出できる。
そこで、本実施形態によるコロニー検出システム1は、同一の培地シート2内で培養されたコロニーの色を判別して、各色ごとにコロニーの数をカウントできるようにしている。以下では、ECについて、培地シート2内のコロニーの色を識別して、色別にコロニー数をカウントする処理手順を説明する。
従前のコロニー検出システム1では、培地シート2内のコロニーを単色として扱ってコロニー数を検出していた。従前の処理に近い処理手順にて、ECの培地シート2内のコロニーを色別にカウントする処理を、以下では、EC暫定処理と呼ぶ。
作業者は、PCにて、コロニー検出システム1を起動させて、EC暫定処理を行うべき培地シート2を撮像部3で撮像して、撮像画像を表示部9に表示させる。図5はEC暫定処理を行うべき培地シート2の撮像画像を表示部9の画面に表示させた例を示している。ここで、作業者は、図5の画面内の培地種類を選択する欄34で、「EC暫定」を選択する。EC暫定処理では、培地シート2内の全てのコロニー数をカウントするEC処理と、培地シート2内の青系統のコロニー数のみをカウントするCC処理とを行う。
本実施形態によるコロニー検出システム1では、作業者が図5の欄34で「EC暫定」を選択すると、その選択情報は、選択部5aを介して制御部6に送られる。図6は作業者が「EC暫定」を選択した場合の制御部6の処理動作を示すフローチャートである。
まず、制御部6は、第1コロニーカウント部8bに対してEC処理を行うよう指示する(ステップS11)。ステップS11の処理に前後して、制御部6は、コード情報生成部8cに対して新たなコード情報の生成を指示する(ステップS12)。EC暫定処理を行うべき培地シート2上のQRコードには、培地シート2の種類を識別する情報が含まれており、この情報は具体的には、大腸菌及び大腸菌群測定用培地を示すECである。このため、このままでは、培地シート2内の全てのコロニーのカウントを行うことになる。そこで、コード情報生成部8cは、大腸菌測定用培地を示すCCの情報を含むQRコードを新たに生成する。
次に、制御部6は、画像更新部8dに対して、新たなQRコードを含む新たな培地シート2の画像(以下、培地画像)を生成するよう指示する(ステップS13)。画像更新部8dは、撮像画像中のQRコードを、コード生成部が生成した新たなQRコードに置換する画像処理を行う。
次に、制御部6は、画像更新部8dが生成した培地画像を第2コロニーカウント部8fに送信して、CC処理を行うよう指示する(ステップS14)。
図7は第1コロニーカウント部8bの処理動作の一例を示すフローチャートである。まず、培地シート2の撮像画像中のQRコードが「EC」であるか否かを判定し(ステップS21)、「EC」でなければエラー処理を行う(ステップS22)。この場合、コロニーカウントを行わずに図7の処理を終了する。エラー処理の具体的内容は問わないが、例えば、表示部9の画面に培地種類が一致しない旨の表示を行う。
ステップS21で「EC」であると判定されると、マスク処理を行う(ステップS23)。ここでは、培地シート2の撮像画像に含まれる培地エリア以外の画像を除去して、培地エリア内の画像を抽出する。
次に、検出難易度判定処理を行う(ステップS24)。ここでは、培地エリア内の画像からコロニーを検出する難易度を判定し、難易度が所定の値を超えていれば、所定の警告処理を行う。ここでは、青系統及び赤系統のコロニーを検出する難易度を判定する。
次に、コロニー検出処理を行う(ステップS25)。ここでは、培地シート2の背景色との相違度合いが所定の値以上のコロニーを検出する。より具体的には、青系統及び赤系統のコロニーを中心的に検出する。EC用の培地シート2では、大腸菌のコロニーは青系統であり、大腸菌群のコロニーは赤系統である。EC処理では、大腸菌と大腸菌群の両方のコロニー数をカウントすることを意図しているため、コロニー検出処理では、青系統及び赤系統のコロニーを検出する。
次に、ノイズ除去を行う(ステップS26)。ここでは、コロニー検出処理にて検出されたコロニーのうち、異物や着色等のノイズと考えられるコロニーを除去する。より詳細には、ステップS14のノイズ除去では、主に緑系統のコロニーをノイズとして除去する。
次に、培地シート2内のコロニー同士の境界を検出する(ステップS27)。ここでは、近接するコロニー同士の境界が曖昧な場合に、別個のコロニーか、一つのコロニーかを判別して、各コロニーの境界を画定する。
次に、コロニー数のカウントを行う(ステップS28)。ステップS25のコロニー検出処理では、青系統及び赤系統のコロニーを検出しているため、ステップS28では、青系統及び赤系統のコロニーを合わせた全てのコロニーの数をカウントすることになる。
図8は第2コロニーカウント部8fの処理動作の一例を示すフローチャートである。まず、画像更新部8dが生成した培地画像中のQRコードが「CC」であるか否かを判定し(ステップS31)、「CC」でなければエラー処理を行って(ステップS32)。図8の処理を終了する。
ステップS31で「CC」であると判定されると、マスク処理を行う(ステップS33)。ここでは、図7のステップS22と同様の処理を行う。次に、検出難易度判定処理を行う(ステップS34)。ここでは、青系統のコロニーの検出難易度を判定する。次に、コロニー検出処理を行う(ステップS35)。ここでは、青系統のみのコロニーを検出する。CC処理では、大腸菌のコロニー数のみをカウントすることを意図しているため、コロニー検出処理では、青系統のみのコロニーを検出する。
次に、ノイズ処理を行う(ステップS36)。ここでは、HSV座標系の色相H成分の値に基づいてノイズ除去を行う。次に行われるコロニー境界検出処理は、図7のステップS26と同様である(ステップS37)。次に行われるコロニーカウント処理は、ステップS34で青系統のみのコロニーを検出しているため、青系統のコロニー数をカウントすることになる(ステップS38)。
図7と図8の処理により、EC用の培地シート2内の全てのコロニー数と、青系統のコロニー数とをカウントできる。EC用の培地シート2では、大腸菌のコロニーが存在するか否かが最も重要であるが、大腸菌と大腸菌群のコロニーの総数を把握したい場合もある。本実施形態によるEC暫定処理では、大腸菌と大腸菌群のコロニーの総数と、大腸菌のコロニー数とをカウントできるため、両者の差分を取ることで、大腸菌群のコロニー数も推測可能となる。
上述した説明では、大腸菌及び大腸菌群測定用培地を用いた例を説明したが、第1の実施形態によるコロニー検出システム1は、大腸菌及び大腸菌群測定用培地以外の培地シート2にも適用可能である。より具体的には、培地シート2内に複数色のコロニーが培養されている場合に、各色ごとに分別してコロニー数をカウントしたい場合に適用できる。
このように、本実施形態では、作業者が「EC暫定」を選択すると、培地シート2上のQRコードに従って、第1コロニーカウント部8bにてEC処理を行うとともに、培地シート2の撮像画像中のQRコードを書き換えた新たな培地画像を生成した上で、第2コロニーカウント部8fにてCC処理を行う。これにより、作業者の手間を患わすことなく、EC処理とCC処理を行うことができ、大腸菌及び大腸菌群を合わせたコロニーの総数と大腸菌のコロニー数とを別々に精度よくカウントできる。
(第2の実施形態)
培地シート2は、微生物の種類ごとに設けられており、食品工場等では、複数種類の微生物の検査を行うため、コロニー検出システム1では、複数種類の培地シート2が混在した大量の培地シート2を効率よく処理することが望まれている。以下に説明する第2〜第5の実施形態によるコロニー検出システム1は、複数種類の培地シート2が混在した大量の培地シート2を効率よく処理することを念頭に置いたものである。より具体的には、第2〜第5の実施形態では、撮像部3で撮像した画像を所定の条件で分類して複数の記憶部4に記憶するか、または撮像部3で撮像した画像のファイル名に、所定の条件に応じた識別子を付加して記憶部4に記憶する。所定の条件は、培地シート2の種類を含んでいてもよい。また、所定の条件は、撮像部3で撮像した画像に含まれるコロニーの数をカウント可能か否かを示す情報を含んでいてもよい。また、所定の条件は、培地シート2の検査条件を含んでいてもよい。
図9は第2の実施形態によるコロニー検出システム1の概略構成を示す機能ブロック図である。図9のコロニー検出システム1は、図2に示した培地シート2と、撮像部3と、複数の記憶部4と、ユーザインタフェース部5と、制御部6と、画像認識部7と、コロニーカウント部8と、表示部9と、画像処理部10とを備えている。
このように、図9のコロニー検出システム1は、複数の記憶部4を備えている点で、図1のコロニー検出システム1とは異なっている。複数の記憶部4は、物理的には一つの記憶装置内に収納されていてもよいし、複数の記憶部4がそれぞれ物理的に別個の記憶装置で構成されていてもよい。各記憶部4は、複数種類の培地シート2の種類ごとに設けられ、対応する培地シート2の撮像画像をそれぞれ記憶する。なお、撮像部3で撮像した画像のファイル名に、所定の条件に応じた識別子を付加して記憶部4に記憶する場合には、記憶部4は一つだけ設けらればよい。すなわち、必ずしも複数の記憶部4を設けなくてもよい。
ユーザインタフェース部5は、作業者が各種の入力及び選択を行うものであり、選択部5aを有する。選択部5aは、培地シート2の種類及びコロニー数のカウントの条件を含む情報を選択する。
コロニーカウント部8は、複数の記憶部4に記憶された画像を、各記憶部4ごとに、対応する培地シート2の種類に応じた処理を行って、培地シート2で培養されたコロニーの数をカウントする。すなわち、コロニーカウント部8は、同一の記憶部4に記憶された画像に対して、選択部5aで選択された情報に応じた共通の処理を行って、コロニーの数をカウントする。より詳細には、コロニーカウント部8は、一つの記憶部4に記憶されたすべての画像についてのコロニーの数のカウントが終わった後、次の記憶部4のカウント処理を行い、各記憶部4ごとに、各記憶部4に固有の条件によりコロニーの数をカウントする。
画像処理部10は、コロニーカウント部がコロニー数のカウント処理を行う前に、記憶部4に記憶された撮像画像に対して、何らかの画像処理を行う。画像処理の具体的な処理内容は任意であるが、例えば、撮像画像中のコロニーのエッジ強調処理やノイズ除去処理などを行ってもよい。なお、画像処理部10はコロニー検出システム1における必須の構成部分ではないため、省略してもよい。
図10は、撮像部3で撮像された培地シート2の撮像画像を複数の記憶部4に分類して記憶する様子を模式的に示す図である。制御部6は、培地シート2の撮像画像中のQRコードを画像認識した結果に基づいて、撮像画像を複数の記憶部4のいずれかに格納する。図10の例では、記憶装置(例えば、HDD)内に設けた複数のフォルダが複数の記憶部4に対応する。具体的なフォルダ分けは任意であるが、図10の例では、AC用フォルダ4aと、CC用フォルダ4bと、EC用フォルダ4cと、SA用フォルダ4dを設けている。
制御部6は、培地シート2の撮像画像中のQRコードに従って、各撮像画像をAC用フォルダ4aと、CC用フォルダ4bと、EC用フォルダ4cと、SA用フォルダ4dのいずれかに記憶する。これら4つのフォルダのいずれにも該当しない撮像画像をまとめて記憶する別個のフォルダを設けてもよい。
図11は第2の実施形態によるコロニー検出システム1の概略的な処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、複数種類の培地シート2が混在した大量の培地シート2のコロニーカウントを行う場合の処理動作を示している。
まず、大量の培地シート2を順に撮像部3にて撮像して撮像画像を生成する(ステップS41)。次に、生成された撮像画像の画像認識を順に行って、QRコードに記述された培地種類を検出する(ステップS42)。次に、検出された培地種類に応じたフォルダに撮像画像を記憶する(ステップS43)。次に、全ての培地シート2のフォルダ分けが終了したか否かを判定する(ステップS44)。まだ、フォルダ分けしていない培地シート2が残存していれば、ステップS41に戻り、全ての培地シート2のフォルダ分けが終了した場合は、複数のフォルダ4a〜4dのうちの一つを選択して、そのフォルダ内の撮像画像に対して、そのフォルダに共通の条件にて培地シート2内のコロニーのカウントを行う(ステップS45)。フォルダに共通の条件とは、例えば、培地シート2内の全コロニーのカウントを行うとか、培地シート2内の特定色のコロニーのカウントを行う等の条件である。
次に、全フォルダのコロニーカウントは終了したか否かを判定し(ステップS46)、まだ終了していなければ、各フォルダごとにステップS45以降の処理を繰り返し、全てのフォルダについてコロニー数のカウントが終了すれば、図11の処理を終了する。
フォルダによっては、複数種類のコロニー数のカウント処理を行ってもよい。例えば、EC用フォルダ4cでは、大腸菌と大腸菌群を合わせたコロニー数のカウントと、大腸菌のみのコロニー数のカウントと、大腸菌群のみのコロニー数のカウントとの少なくとも2つを行ってもい。同様に、SA用フォルダ4dでは、黄色ブドウ球菌と偽陽性菌等を合わせたコロニー数のカウントと、黄色ブドウ球菌を表す青系統のみのコロニー数のカウントと、偽陽性菌等を表す赤系統のみのコロニー数のカウントとの少なくとも2つを行ってもよい。
図11では、培地シート2の撮像画像を培地種類ごとに別フォルダに分類して記憶する例を説明したが、培地シート2の撮像画像のファイル名に培地種類を識別可能な識別子を付記してから記憶してもよい。この場合、各撮像画像を一つの記憶部4にまとめて記憶してもよい。これにより、ファイル名で各撮像画像の培地種類を特定できるため、フォルダ分けを行わなくても、各撮像画像ごとに、培地種類に応じたコロニー数のカウントを行うことができる。
このように、第2の実施形態では、撮像部3で撮像した培地シート2の撮像画像を、画像認識したQRコードに含まれる培地種類に従って複数の記憶部4に分類して記憶するか、あるいは各撮像画像のファイル名に培地種類を識別可能な識別子を付記して記憶部4に記憶し、各記憶部4に固有の条件にて、あるいはファイル名に同一の識別子を持つ撮像画像ごとに、コロニー数をカウントする処理を連続的に行う。これにより、撮像部3で培地シート2を撮像する前に、作業者が手作業で培地種類ごとに培地シート2を分類しなくて済むとともに、培地シート2ごとにコロニー数のカウントの条件を作業者が指定しなくてよいため、作業者の手間を省くことができる。したがって、本実施形態によれば、記憶部4に記憶された大量の培地シート2のコロニー数のカウントを短時間で効率よく行うことができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、培地シート2の撮像画像に基づいて、コロニー数の検出難易度を判定するものである。第3の実施形態によるコロニー検出システム1は、図9と同様の機能ブロック図で表すことができるが、記憶部4に記憶される撮像画像の種類が第2の実施形態とは異なる。
第3の実施形態による制御部6は、培地シート2の撮像画像に基づいて、コロニー数の検出難易度が高いか否かを判定し、検出難易度が高いと判定された撮像画像と、検出難易度が高くないと判定された撮像画像とをそれぞれ別個の記憶部4に記憶する。
図12は第3の実施形態によるコロニー検出システム1の概略的な処理動作を示すフローチャートである。培地シート2を順に撮像し(ステップS51)、撮像画像に含まれるコロニーを正しく識別できず、コロニー数のカウントが不可であるか、すなわち検出難易度が高いか否かを判定する(ステップS52)。例えば、コロニーの色が培地媒体の色と類似していて、コロニーを正しく識別できない場合は、ステップS52ではカウント不可、すなわち検出難易度が高いと判定される。検出難易度が高い場合、その撮像画像を専用の記憶部4(例えば、専用のフォルダ)に記憶する(ステップS53)。
ステップS52でカウント可能、すなわち検出難易度が低いと判定された場合、その撮像画像を専用の記憶部4とは異なる別の記憶部4(例えば、通常フォルダ)に記憶する(ステップS54)。
ステップS53またはS54の処理が終わると、図11のステップS44〜S46と同様に、全培地シート2のフォルダ分けが終了した後に、各フォルダごとに各フォルダ固有の条件にて、各フォルダ内の各培地シート2のコロニー数のカウントを行う(ステップS55〜S57)。コロニーの検出難易度の高い培地シート2が記憶される専用フォルダ内の各撮像画像のコロニー数のカウントを行う際には、通常フォルダとは異なるパラメータを設定してコロニー数のカウント処理を行う。ここで、パラメータとは、図8に示したステップS33〜S38の各処理を行う際に用いる閾値などである。
図12では、培地シート2の撮像画像におけるコロニーの検出難易度が高いか否かでフォルダ分けを行う例を説明したが、検出難易度が高いか否かを示す識別子を、各撮像画像のファイル名に付記してから記憶してもよい。この場合、各撮像画像を一つの記憶部4にまとめて記憶すればよい。これにより、ファイル名で検出難易度を判断できるため、フォルダ分けを行わなくても、各撮像画像ごとに、検出難易度が高いか否かを判断した上で、コロニー数のカウントを行うことができる。
このように、第3の実施形態では、各培地シート2のコロニーの検出難易度の判定結果に基づいて、フォルダ分けを行うか、または検出難易度を判断する識別子を撮像画像のファイル名に付記する。より具体的には、コロニーの検出難易度が高い培地シート2だけ専用のフォルダに記憶するか、または特定の識別子をファイル名に付記し、それ以外の培地シート2は通常フォルダに記憶するか、別の識別子をファイル名に付記し、各フォルダ(または各識別子)ごとに別個のパラメータを設定してコロニー数のカウント処理を行う。これにより、多数の撮像画像の中に、コロニーの検出難易度の高い撮像画像が含まれていても、作業者が事前に手作業で仕分ける作業を行わなくても、高精度にコロニー数をカウントできる。したがって、コロニーの検出難易度が高い撮像画像に対して、パラメータを設定し直してコロニー数の再カウントを行う手間をかけなくて済む。
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、上述した第2及び第3の実施形態の処理を組み合わせたものである。第4の実施形態によるコロニー検出システム1は、図9と同様の機能ブロック図で表すことができる。記憶部4に記憶される撮像画像の種類は、第2及び第3の実施形態で説明したものである。
図13は第4の実施形態によるコロニー検出システム1の概略的な処理動作を示すフローチャートである。ステップS61〜S63では、図12のステップS51〜S53と同様に、コロニー数の検出難易度が高い撮像画像と判定されると、その撮像画像を専用のフォルダに記憶する。このフォルダ内の撮像画像に対しては、特定のパラメータが設定された上で、コロニー数のカウント処理が行われる。
ステップS64〜S68では、図11のステップS42〜S46と同様に、撮像画像のQRコードの培地種類に応じてフォルダ分けを行い、各フォルダごとに各フォルダ固有の条件にて、各フォルダ内の各培地シート2のコロニー数のカウント処理を行う。
図13においても、複数のフォルダに分けて記憶する代わりに、撮像画像のファイル名に付記する識別子を変更してもよい。
このように、第4の実施形態では、培地シート2の撮像画像に基づいて、コロニー数の検出難易度が高いと判定された撮像画像を専用のフォルダに記憶するか、または撮像画像のファイル名に特定の識別子を付記するとともに、その他の撮像画像については各培地種類ごとに別々のフォルダに分類するか、各ファイル名に別個の識別子を付記するため、各フォルダ(または各識別子)ごとに各フォルダ固有のパラメータ等を設定した上でコロニー数のカウント処理を行うことができ、コロニー数のカウントを精度よく行うことができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態は、撮像画像のQRコードから読み取った各種の情報に基づいて、撮像画像のフォルダ分けを行うものである。第5の実施形態によるコロニー検出システム1は、図9と同様の機能ブロック図で表すことができるが、記憶部4に記憶される撮像画像の種類が第2〜第4の実施形態とは異なる。
図14は第5の実施携帯によるコロニー検出システム1の概略的な処理動作を示すフローチャートである。撮像部3にて培地シート2を順に撮像して(ステップS71)、撮像画像を画像認識して、例えばQRコードの情報を検出する(ステップS72)。ここで、情報とは、第2の実施形態で説明した培地種類だけではなく、培地シート2の検査条件(培養条件)などの情報である。情報の具体的な内容は問わないが、培地種類以外の情報が含まれているものとする。
次に、QRコードの情報に応じたフォルダに撮像画像を記憶する(ステップS73)。例えば、情報の中に検査条件が含まれていれば、検査条件ごとに撮像画像をフォルダ分けしてもよい。
その後、図11のステップS42〜S46と同様に、すべての撮像画像についてフォルダ分けを行い、その後に、各フォルダごとに、各フォルダ固有の条件にて各フォルダ内の各培地シートのコロニー数をカウントする(ステップS74〜S76)。
図14では、培地シート2の撮像画像をQRコードの情報ごとに別フォルダに分類して記憶する例を説明したが、培地シート2の撮像画像のファイル名にQRコードの情報を識別可能な識別子を付記してから記憶してもよい。この場合、各撮像画像を一つの記憶部4にまとめて記憶すればよい。これにより、ファイル名で各撮像画像のQRコードの情報を特定できるため、フォルダ分けを行わなくても、各撮像画像ごとに、QRコードの情報に応じたコロニー数のカウントを行うことができる。
このように、第5の実施形態では、培地種類だけでなく、検査条件などの情報を考慮に入れて撮像画像のフォルダ分けを行うか、または各情報を特定する識別子を撮像画像のファイル名に付記するため、各フォルダごとに、または各識別子ごとに、検査条件などの情報を考慮に入れた最適なパラメータを設定して、コロニー数のカウント処理を行うことができる。よって、コロニー数のカウント処理を精度よく行うことができる。
上述した第2〜第5の実施形態において、撮像画像のフォルダ分け(またはファイル名への識別子の付記)を行った段階で、図9に示す画像処理部10にて、各フォルダ(または各識別子)ごとに、各フォルダ(または各識別子)固有の画像処理を行い、画像処理済みの撮像画像について、コロニー数のカウント処理を行ってもよい。画像処理部10は、例えば、撮像画像中のコロニーのエッジ強調処理やノイズ除去処理などを行ってもよい。図7に示すように、コロニー数のカウント処理の中でもノイズ除去処理などが行われるが、図7の処理を開始する前に、何らかの画像処理を行ってもよい。このように、コロニー数のカウント処理の前処理として、種々の画像処理を行うことで、既存のコロニー数のカウント処理を改造しなくて済む。
上述した実施形態で説明したコロニー検出システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、コロニー検出システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
また、コロニー検出システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
1 コロニー検出システム、2 培地シート、3 撮像部、4 記憶部、5 ユーザインタフェース部、6 制御部、7 画像認識部、8 コロニーカウント部、8a 第1情報検出部、8b 第1コロニーカウント部、8c コード情報生成部、8d 画像更新部、8e 第2情報検出部、8f 第2コロニーカウント部、9 表示部、11 基材層、12 円形枠、13 培養層、14 保護層

Claims (12)

  1. 検体に含まれる特定の微生物を培養し、培養された前記特定の微生物の集合体であるコロニーを顕在化させる培地媒体と、
    前記培地媒体の種類及びコロニーのカウント機能を含む情報を選択する選択部と、
    前記培地媒体の培養面を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で撮像された画像に含まれる前記培地媒体の種類を示すコード情報を検出する第1情報検出部と、
    前記撮像部で撮像された画像に対して、前記選択部で選択された情報と、前記第1情報検出部で検出されたコード情報と、に応じた処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントする第1コロニーカウント部と、
    前記選択部で選択された情報と前記第1情報検出部で検出されたコード情報との少なくとも一方に基づいて、新たなコード情報を生成するコード情報生成部と、
    前記撮像部で撮像された画像に含まれるコード情報を前記新たなコード情報に更新した新たな培地画像を生成する画像更新部と、
    前記新たな培地画像に含まれる前記新たなコード情報を検出する第2情報検出部と、
    前記新たな培地画像に対して、前記選択部で選択された情報と、前記第2情報検出部で検出されたコード情報と、に応じた処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントする第2コロニーカウント部と、を備える、コロニー検出システム。
  2. 前記新たなコード情報と、前記第1情報検出部が検出したコード情報とは、カウント対象のコロニーの種類とコロニーの色との少なくとも一方に関する情報が異なっている、請求項1に記載のコロニー検出システム。
  3. 前記第1情報検出部が検出したコード情報と前記新たなコード情報との一方は、前記培地媒体上の全コロニーの数をカウントすることを指示する情報であり、他方は、前記培地媒体上の特定の色のコロニーの数をカウントすることを指示する情報である、請求項2に記載のコロニー検出システム。
  4. 検体に含まれる特定の微生物を培養し、培養された前記特定の微生物の集合体であるコロニーを顕在化させる複数種類の培地媒体と、
    前記培地媒体の培養面を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で撮像した画像を所定の条件で分類して記憶する、複数の記憶部と、
    前記複数の記憶部に記憶された画像に対して、各記憶部ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントするコロニーカウント部と、を備える、コロニー検出システム。
  5. 前記複数の記憶部に記憶された画像に対して、各記憶部ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の画像処理を行う画像処理部を備え、
    前記コロニーカウント部は、前記画像処理部で画像処理された後の画像に対して、各記憶部ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントする、請求項4に記載のコロニー検出システム。
  6. 前記コロニーカウント部は、前記複数の記憶部のうち、一つの記憶部に記憶されたすべての画像についての前記コロニーの数のカウントが終わった後、次の記憶部のカウント処理を行い、各記憶部ごとに、各記憶部に固有の条件により前記コロニーの数をカウントする、請求項4または5に記載のコロニー検出システム。
  7. 検体に含まれる特定の微生物を培養し、培養された前記特定の微生物の集合体であるコロニーを顕在化させる複数種類の培地媒体と、
    前記培地媒体の培養面を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で撮像した画像のファイル名に、所定の条件に応じた識別子を付加して記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された画像に対して、前記識別子に応じた固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントするコロニーカウント部と、を備える、コロニー検出システム。
  8. 前記記憶部に記憶された画像に対して、前記識別子ごとに、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の画像処理を行う画像処理部を備え、
    前記コロニーカウント部は、前記画像処理部で画像処理された後の画像に対して、前記所定の条件に応じた各記憶部固有の処理を行って、前記培地媒体で培養された前記コロニーの数をカウントする、請求項7に記載のコロニー検出システム。
  9. 前記コロニーカウント部は、前記記憶部内において、ファイル名に特定の前記識別子が付記されたすべての画像について、対応する前記所定の条件に基づいて前記コロニーの数のカウントが終わった後、ファイル名に別の特定の前記識別子が付記されたすべての画像について、対応する前記所定の条件に基づいて前記コロニーの数のカウントを行う処理を繰り返す、請求項7または8に記載のコロニー検出システム。
  10. 前記所定の条件は、前記培地媒体の種類を含む、請求項4乃至9のいずれか一項に記載のコロニー検出システム。
  11. 前記所定の条件は、前記撮像部で撮像した画像に含まれるコロニーの数をカウント可能か否かを示す情報を含む、請求項4乃至9のいずれか一項に記載のコロニー検出システム。
  12. 前記所定の条件は、前記培地媒体の検査条件を含む、請求項4乃至9のいずれか一項に記載のコロニー検出システム。
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