JP2015139417A - 培地情報登録システム、コロニー検出装置、衛生管理システム、及び、プログラム - Google Patents

培地情報登録システム、コロニー検出装置、衛生管理システム、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】作業者の負担を軽減し、かつ、簡易なシステムによって簡易にコロニー検出を行うことが可能な培地情報登録システム等を提供すること。【解決手段】衛生管理システムSは、培地画像を取得することに先立って、培地画像に画像化されているコロニーのコロニー検出基準を特定する際に用いられる情報であり、判断基準、閾値及びこれらの処理を行う際の処理方法が規定されたプロファイル情報を、設定カードを読み込むことによって取得し、当該取得した情報に基づいてコロニーピクセルの特定、コロニー検出及びその計数を実行する構成を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、食品用の衛生管理システム等に関する。
近年、ファーストフードその他の外食産業の成長や手軽な加工食品の増加により、他人が調理した食品を食する機会が著しく増加している。その一方で、加工食材や加工食品等の食品に毒物又は微生物等の危険なものが混入すると、人体に直接影響を与えるため、加工食品を取り扱う場合には、原材料の安全性だけでなく、製造工程の衛生面を厳しく管理し、食品の生産加工の全般に渡る食品の安全性が求められている。
特に、各地で発生して問題となっている食中毒事件を発端に、食品の一層の安全性を図ることが命題となっており、食品衛生法を遵守するだけでなく、「HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point) System」や「FSSC(Food Safety System Certification)22000」を導入する企業も増加している。
このような加工食品に混入する微生物を検出するシステムとしては、フィルム型培地を用いるとともに、当該フィルム型培地などの培地において培養された検体に発生するコロニーを画像化し、かつ、当該画像(以下、「培地画像」ともいう。)に対して画像解析を実行することによってカウントするものが知られている(例えば、特許文献1)。特に、当該コロニー画像に基づいてコロニーをカウントするシステム(以下、「カウントシステム」という。)は、培地画像を構成する各ピクセルの輝度に基づいて当該培地画像を解析し、培地を画像化する際の読み取り環境及び菌種などの培養条件のバラツキに基づく誤検出を防止することができるようになっている。
また、このようなカウントシステムにおいては、細菌が培養される培地表面に機械可読式の標識情報を有し、培地画像からコロニーを検出する際に、当該標識情報を取得するとともに、当該取得した標識情報に基づいて、検出基準、閾値又は検出方法を変化させるものも知られている(例えば、特許文献2)。
特開2011−212013号公報 特開2010−227118号公報
しかしながら、上述のような特許文献2のシステムにあっては、標識情報が検査する前に予め培地表面に可読可能に形成されているものの、検体に食品などの残渣の有無を示す情報や培地の培養条件などの培地に検体が載置された以降に動的に変化する情報については、当該可読情報に含ませることができない。
特に、検体に食品などの残渣の有無を示す情報や培地の培養条件など動的に変化する情報は、培地画像の解析を的確に行う場合に、極めて重要な情報であり、例えば、残渣がある培地画像と残渣のない培地画像とにおいて、同一の検出基準や閾値を用いた場合、又は、希釈倍率や希釈液などの培養条件が異なる場合に、同一の検出基準や閾値を用いた場合には、的確にコロニーを検出できない場合も多い。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、培地を使用する際に動的に変化する情報を用いてコロニー検出を実行することによって、コロニーの検出、及び、コロニーの計数を的確に実行することができるとともに、的確に検出されたコロニー及びその数に関する情報を含む培地情報をデータベースに登録することが可能な培地情報登録システム等を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明に係る培地情報登録システム等は、 検体を載置してコロニーを培養する培地が画像化された培地画像のデータを培地画像データとして取得する第1取得手段と、前記検体を前記培地に載置した後に動的に変化する前記培地に関する情報を動的変化情報として取得する第2取得手段と、前記取得された培地画像データの培地画像を構成するピクセルの色に関する色特徴量を抽出する抽出手段と、前記抽出された各ピクセルの色特徴量及び前記取得された動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルを特定する特定手段と、(A)前記動的変化情報を用いて特定されたコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、又は、(C)前記各ピクセルの色特徴量を用いて特定されたコロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、前記培地に培養された前記コロニーを検出し、かつ、当該検出したコロニーを計数する検出手段と、前記検出されたコロニーに関する情報を培地情報としてデータベースに登録する登録手段と、を備える構成を有している。
本発明に係る培地情報登録システム等は、コロニーピクセルを特定する際に、又は、コロニーを検出する際に、検体を載置した後に動的に変化する培地に関する動的変化情報を利用することができるので、当該動的変化情報よってそれぞれに適した判断基準、閾値又は処理方法を変更することができる。
すなわち、本発明に係る培地情報登録システム等は、検体に含まれる残渣の有無、又は、培養中の培養条件の変化など、検体を載置した後に動的に変化する動的変化情報によってそれぞれの状況に応じて適切な判断基準、閾値又は処理方法を用いることができるので、コロニーピクセルの特定又はコロニーの検出を的確に実行することができる。
したがって、本発明に係る培地情報登録システム等は、コロニーピクセルの特定、コロニー検出及びその計数における判断基準その他の設定など、動的変化情報を用いて自動的に設定することができるので、作業者の煩雑さを損なうことなく、コロニーピクセルの特定、コロニーの検出、及び、コロニーの計数を的確に実行することができるとともに、的確に検出されたコロニー及びその数に関する情報を含む培地情報をデータベースに登録することができる。
本発明に係る衛生管理システムの一実施形態の構成を示す構成図である。 一実施形態の衛生管理システムに用いるフィルム型培地の一例である。 一実施形態の衛生管理システムに用いる設定カードの一例である。 一実施形態の衛生管理システムに用いる携帯用通信端末装置の構成を示すブロック図である。 一実施形態の衛生管理システムに用いるサーバ装置の構成を示すブロック図である。 一実施形態の画像読み取り装置における培地セットの各培地情報の登録処理の動作を示すフローチャートである。 一実施形態のサーバ装置における培地セットの各培地情報の登録処理の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、食品の製造ライン又は検査ライン(以下、「作業ライン」という。)におけるフィルム型培地を用いた衛生管理システムに対して、本発明に係る培地情報登録システム及びそのプログラム、コロニー検出装置及びそのプログラム、並びに衛生管理システムを適用した場合の実施形態である。ただし、本発明は、その技術的思想を含む範囲内で以下の実施形態に限定されない。
[1]衛生管理システム
まず、図1を用いて本実施形態の衛生管理システムSについて説明する。なお、図1は、本実施形態の衛生管理システムSの構成を示す構成図である。
本実施形態の衛生管理システムSは、フィルム型の培地(すなわち、フィルム型培地)60を用いるとともに、当該フィルム型培地60に関する情報(以下、「培地情報」という。)をデータ管理することによって、食品の製造上又は検査上の衛生状態を検査するためのシステムである。
特に、本実施形態の衛生管理システムSは、加工中又は加工後の食品を製造する製造工程又は当該食品を検査する検査工程を有する作業ライン80において、加工中又は加工後の食品を検体として抽出し、フィルム型培地60で検体に含まれる一般生菌又は大腸菌等の予め特定した細菌を培養させた際の培養状況をデータ管理するシステムである。
具体的には、本実施形態の衛生管理システムSは、フィルム型培地60の固有の識別情報(以下、「培地ID」という。)66を用いて個々のフィルム型培地60を識別し、食品の衛生状態をデータ上で管理及び判定するために、食品の製造又は検査における作業に関する情報(以下、「作業情報」という。)と、当該抽出した検体に含まれる細菌を培養する(コロニーが形成される)前後において画像読み取り装置10によって取得されるフィルム型培地60の培地情報と、を対応付けてサーバ装置40(具体的には、データベース400)に登録することが可能な構成を有している。
また、本実施形態の衛生管理システムSは、検体をフィルム型培地60に載置した後に動的に変化する当該培地に関する情報(以下、「動的変化情報」という。)を、設定カードその他の作業者の操作によって簡易に入力可能な媒体(以下、「情報提示媒体」という。)を用いて取得する構成を有している。
そして、本実施形態の衛生管理システムSは、取得した動的変化情報に基づいて、
(1)フィルム型培地60が画像化された培地画像のデータ(以下、「培地画像データ」という。)から、コロニーを画像化するために用いられているピクセル(以下、「コロニーピクセル」という。)の特定、
(2)フィルム型培地60に培養されたコロニーの検出、
(3)当該検出したコロニーの計数、又は、
(4)(1)〜(3)の2以上の処理
を実行するようになっている。
すなわち、本実施形態の衛生管理システムSは、コロニーピクセルを特定する際に、コロニーを検出する際に、又は、その双方において、検体を載置した後に動的に変化する培地に関する動的変化情報を利用するようになっており、当該動的変化情報よって変化する状況のそれぞれに応じて適した基準、閾値又は処理方法を変更することができるようになっている。
一般的に、コロニーの検出は、食品等の検体と希釈液を混合したものをフィルム型培地60に滴下して培養することにより行われる。この際、食品などの検体に由来する色の成分(すなわち、残渣)の混入により培地が着色されることがある。そのため、培地本来の色が認識不能になり、または、培地そのものの色が検出すべきコロニーの色と同系色や近似色になることによってコロニーとの画像上における色特徴量の差がなくなり、画像処理を行う際にコロニーカウントその他の精度が低下する場合がある。したがって、検体に残渣が混入された場合には、当該残渣が混入されていない場合と同一な基準や閾値を用いると適切にコロニーの検出を行うことができない場合がある。
一方、例えば、検体に残渣が含まれている場合には、検体の種別、菌種などの培養条件や培養状態が認識できれば、検出に用いる検出基準や閾値及び検出手法によっては適切にコロニー検出を行うことができる。特に、検体に多くの残渣が含まれている場合には、残渣ありの検出基準、閾値及び検出手法を用いることによって残渣とコロニーとを適切に識別し、当該コロニーのみを検出することができるようになる。
そこで、本実施形態の衛生管理システムSは、コロニーピクセルの特定、コロニー検出及びその計数における判断基準その他の設定を、残渣の有無を示す残渣情報に代表される動的変化情報を用いて、自動的に設定することができるようになっており、作業者の煩雑さを損なうことなく、コロニーピクセルの特定、コロニーの検出、及び、コロニーの計数を的確に実行すること、及び、その結果、的確に検出されたコロニー及びその数に関する情報を含む培地情報をデータベースに登録することができるようになっている。
例えば、本実施形態においては、培養させる細菌の種類毎に、かつ、検体に含有される残渣の有無を示す残渣情報毎に、判断基準、閾値、及び処理方法が規定された動的変化情報としてのプロファイル情報を有し、かつ、情報提示媒体の機能を有する設定カード(以下、単に「設定カード」という。)を用いるようになっている。
なお、本実施形態のプロファイル情報は、培地画像を取得することに先立って、培地画像に画像化されているコロニーのコロニー検出基準(すなわち、プロファイル)を特定する際に用いられる情報である。そして、本実施形態の衛生管理システムSは、判断基準、閾値及びこれらの処理を行う際の処理方法が規定されたプロファイル情報を、動的変化情報として設定カードを読み込むことによって取得し、当該取得した情報に基づいてコロニーピクセルの特定、コロニー検出及びその計数を実行するようになっている。
また、本実施形態においては、プロファイル情報を動的変化情報として説明するが、変形例で説明するように、残渣情報又は培養条件などのフィルム型培地60に検体を載置した後に動的に変化する当該フィルム型培地60に関する情報でもよい。
このような構成を実現するために、本実施形態の衛生管理システムSは、図1に示すように、各フィルム型培地60に関する培地情報を登録する際に用いる画像読み取り装置10と、当該衛生管理システムSを管理する管理者端末装置20と、ネットワーク30と、データベース400を有し、かつ、画像読み取り装置10又は管理者端末装置20と連動し、培地情報の登録管理を含む各種の処理を実行するサーバ装置40と、を有している。
特に、本実施形態においては、培地情報は、作業に関する作業情報に対応付けて登録される。そして、各作業情報は、作業毎に、固有の識別情報(以下、「作業ID」という。)を有し、作業IDは、設定カードが読み取られる毎に作業者によって設定されるようになっている。
また、本実施形態の作業情報は、製造工程又は検査工程に係わる各種の情報の他に、検体として製造工程又は検査工程から抽出された食品及び当該検体に含まれる細菌の培養に関する情報を含み、作業IDを用いてデータベース400に登録されるようになっている。
具体的には、各作業情報には、各作業IDに対応付けて、
(1)検体を抽出すべき作業ライン80の識別情報(以下、「ラインID」という。)又は作業ライン80が複数の工程を有している場合には、ラインID及び工程の識別情報(以下、「工程ID」という。)と、
(2)検体としての食品の製品名、ロットの識別情報(以下、「ロットID」という。)及びロット名と、
(3)インキュベータ番号及びインキュベータ内の段数等の位置等の検体の培養場所と、
(4)作業開始時刻及び終了時刻を示す作業日時と、
(5)作業者ID(社員ID)及び作業者名と、
が含まれる。そして、作業情報の各情報は、作業毎にデータベース400に登録されている。
画像読み取り装置10は、フィルム型培地60及び設定カードを取り込むためのADF(オートドキュメントフィーダ)機能を有し、所定の処理を組み合わせたアプリケーションに従って、培地セットをフィルム型培地60及び設定カードをスキャニングして画像化し、画像データを生成するイメージスキャナなどの静止画像化装置である。
具体的には、画像読み取り装置10は、ADFによってフィルム型培地60及び設定カード70を取り込む際に、又は、当該フィルム型培地60及び設定カード70を取り込んで載置台に載置した際に、培地ID66を有するフィルム型培地60及び設定カード70を画像化することが可能な構成を有している。
そして、画像読み取り装置10は、培地画像のデータ(以下、「培地画像データ」という。)及び設定カード70の画像(以下、「設定カード画像」という。)のデータ(以下、「設定カード画像データ」という。)を生成することが可能な構成を有している。
特に、画像読み取り装置10は、図1に示すように、同一のプロファイル情報によって各種の処理が可能な複数のフィルム型培地60とともに特定の設定ガード70を、一のセット(以下、「培地セット」という。)BSとして、読み取って画像化するようになっている。
また、画像読み取り装置10は、動的変化情報の画像も含む設定カード画像データを生成し、培地セットBS毎に、培地画像データ及び設定カード画像データをサーバ装置40に提供する構成を有している。
なお、図1に示す培地セットBSは、工程毎の複数のフィルム型培地60と一の設定カード70とによって構成されているが、複数の工程に属する複数のフィルム型培地60と一の設定カード70、残渣情報の有無などの所定の条件に基づいて分類された複数の工程又は単一の工程に属する複数のフィルム型培地60と一の設定カード、及び、検出すべき細菌の種類などの所定の条件毎に分類された複数の工程又は単一の工程に属する複数のフィルム型培地60と一の設定カードによって構成されていてもよい。
一方、画像読み取り装置10は、培地情報をサーバ装置40に送信する際には、ネットワーク30を介してサーバ装置40に送信する構成を有している。ただし、画像読み取り装置10は、BLUETOOTH(登録商標)、ワイヤレスLAN(WLAN:Wireless Local Area Network)又はワイヤレスPAN(WPAN:Wireless Personal Area Network)等の近距離無線用の通信規格を用いて直接若しくはアクセスポイントを介してサーバ装置40に送信し、又は、図示しない移動基地局を介して公衆電話回線網を用いてサーバ装置40に送信してもよい。
また、画像読み取り装置10は、作業者によって所定の入力操作が実行される操作部(図示しない)を有しており、フィルム型培地60及び設定カード70の読み取り操作の他に、生成した画像データに所定の情報を追記することもできるようになっている。
管理者端末装置20は、例えば、タブレット型情報端末装置、スマートフォン、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報通信端末装置である。そして、管理者端末装置20は、管理者の識別情報(以下、「管理者ID」という。)と管理者のパスワード及び作業者の識別情報(すなわち、「作業者ID」)を管理し、サーバ装置40へのアクセス権限の管理、画像読み取り装置10の端末IDの管理、及び、登録された培地情報の修正その他の管理を行うことができる制御装置として機能する。
また、管理者端末装置20は、XML(eXtensible Markup Language)等のマークアップ言語によって構築されたブラウザ機能を有し、当該ブラウザ機能を用いて作業者の操作入力指示及び操作確認を実行するとともに、当該ブラウザ機能を用いてサーバ装置40とのデータの授受、報告書の閲覧等を実行することができる構成を有している。
さらに、管理者端末装置20は、画像読み取り装置10の遠隔操作を行うことができるリモート機能を有している。
なお、管理者端末装置20は、同一ロット内において、工程を実行する機械の故障その他によって各作業が中断した場合に、又は、作業者における培地情報の登録ミス等が発生した場合に、培地情報その他の情報を修正することができる構成を有している。
ネットワーク30は、例えば、携帯電話網を含む公衆電話回線網(以下、「長距離通信ネットワーク」という。)、近距離無線ネットワーク等のIP(Internet Protocol)ネットワーク、又は、その双方が相互接続されて構成されている。ただし、当該ネットワーク30の構成は、これに限られない。
サーバ装置40は、画像読み取り装置10又は管理者端末装置20と連動し、ロット及び作業ライン80の衛生管理を行うための各データ処理を実行するために用いられるサーバ装置である。
そして、サーバ装置40は、画像読み取り装置10と連動し、データベース400に、培養開始前の各フィルム型培地60における培地情報の登録(以下、「初期登録」という。)、及び、培養開始後の登録(以下、「培養後登録」という。)を行うとともに、画像読み取り装置10から送信された各種のデータを取得し、当該取得したデータからフィルム型培地60におけるコロニーを検出するとともに、当該コロニー関する情報を培地情報として登録する構成を有している。
具体的には、サーバ装置40は、
(1)検体を載置してコロニーを培養するフィルム型培地60が画像化された培地画像データ及び設定カード画像データを取得し、
(2)設定カード画像データから動的変化情報を取得し、
(3)取得した培地画像データの培地画像を構成するピクセルの色に関する色特徴量を抽出し、
(4)抽出した各ピクセルの色特徴量、及び、取得した動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルを特定し、
(5)(A)動的変化情報を用いて特定したコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び取得した動的変化情報に基づいて、又は、(C)各ピクセルの色特徴量を用いて特定したコロニーピクセル及び取得した動的変化情報に基づいて、培地に培養されたコロニーを検出し、かつ、当該検出したコロニーを計数し、
(6)検出したコロニーに関する情報を培地情報としてデータベースに登録する
構成を有している。
特に、サーバ装置40は、上述のように、培地画像データとは異なる別の画像データとして、動的変化情報を有する設定カード画像データを取得し、当該取得した設定カード画像にデータに対して画像解析することによって当該動的変化情報を取得するようになっている。
なお、本実施形態においては、フィルム型培地60毎に動的変化情報を取得してもよいし、異なる複数のフィルム型培地60であって動的変化情報が共通するものについては一の設定カードに形成された動的変化情報を用いてもよい。
そして、サーバ装置40は、取得した動的変化情報に基づいてコロニーピクセルを特定する際の条件(すなわち、判断基準、閾値、及び、特定方法他)、及び、コロニーを検出する際の条件(すなわち、判断基準、閾値、及び、検出方法他)の少なくともいずれか一方の条件を変化させるようになっている。ただし、本実施形態においては、サーバ装置40は、双方の条件を変化させるものとする。
また、上記のサーバ装置40は、抽出した各ピクセルの色特徴量、及び、取得した動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルを特定しているが、以下の実施形態においては、抽出した各ピクセルの色特徴量、及び、取得した動的変化情報(すなわち、プロファイル情報)に基づいてコロニーピクセルを特定するものとして説明する。
さらに、上記のサーバ装置40は、(A)動的変化情報を用いて特定したコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び取得した動的変化情報に基づいて、又は、(C)各ピクセルの色特徴量を用いて特定したコロニーピクセル及び取得した動的変化情報に基づいて、コロニーの検出及びその計数を行うようになっているが、以下の実施形態においては、動的変化情報及び各ピクセルの色特徴量を用いて特定したコロニーピクセルと当該動的変化情報とに基づいて、コロニーの検出及びその計数を行うものとして説明する。
ただし、本実施形態においては、「動的変化情報を用いて特定されたコロニーピクセル」には、動的変化情報のみから特定されたコロニーピクセル、及び、動的変化情報と各ピクセルの色特徴量の双方から特定されたコロニーピクセルを含み、「各ピクセルの色特徴量を用いて特定されたコロニーピクセル」には、各ピクセルの色特徴量のみから特定されたコロニーピクセル、及び、各ピクセルの色特徴量と動的変化情報の双方から特定されたコロニーピクセルを含む。
このような構成により、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、コロニーピクセルを特定する際に、又は、コロニーを検出する際に、検体を載置した後に動的に変化するフィルム型培地60に関する動的変化情報を利用することができるので、当該動的変化情報よってそれぞれに適した判断基準、閾値又は処理方法を変更することができるようになっている。
すなわち、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、検体に含まれる残渣の有無、又は、培養中の培養条件の変化など、検体を載置した後に動的に変化する動的変化情報によってそれぞれの状況に応じて適切な判断基準、閾値又は処理方法を用いることができるので、コロニーピクセルの特定又はコロニーの検出を的確に実行することができるようになっている。
したがって、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、コロニー検出及びその計数における判断基準その他の動的変化情報に基づく判断基準などの設定など、作業者の煩雑さを損なうことなく、コロニーピクセルの特定、コロニーの検出、及び、コロニーの計数を的確に実行することができるとともに、的確に検出されたコロニー及びその数に関する情報を含む培地情報をデータベースに登録することができるようになっている。
また、本実施形態の衛生管理システムSにおいては、紙媒体などの物理的な資源を利用して種々のデータ解析及びその提供を行う場合に比べて省資源化をも図ることができるとともに、培地に関する培地情報をデータベース400に登録させることによって登録ミスが著しく減少し、難しい培地の管理を容易にすることができるので、無駄に培地を消費すること無く省資源化を図ることができるようになっている。
[2]フィルム型培地
次に、図2を用いて本実施形態のフィルム型培地60について説明する。なお、図2は、本実施形態に用いるフィルム型培地60の一例である。
本実施形態に用いるフィルム型培地60は、フィルム又はシ−ト状の乾燥培地によって作業ライン80の各工程から検出した検体としての食品に含まれる細菌を培養するための培地である。フィルム型培地60は、例えば、一般生菌、大腸菌群及び黄色ブドウ球菌等を培養する培地などである。その他、カビや酵母、リステリア菌、水中細菌、乳酸菌等の各種の微生物を培養する培地であってもよい。
また、フィルム型培地60は、例えば、図2に示すように、フィルムによって形成される基材シート61と、基材シート61の中心を基準に当該基材シート61上に形成される円形の枠(以下、「円形枠」という。)62と、該枠内に設けられる細菌を培養する培養層63と、当該培養層63を含む基材シート上を被覆するように形成されたカバーシート64と、基材シート61の右側に形成された培地ID66と、を有している。
例えば、培地ID66は、2次元バーコード等のバーコード又は英数字で形成されており、フィルム型培地60の読み取り時に一緒に画像化され、バーコード認識機能又はOCR(Optical Character Recognition)機能などの画像解析機能を用いて、管理者端末装置20又はサーバ装置40において取得される。
基材シート61は、フィルム状又はシート状の基材であれば特に限定されず、例えば、プラスチックフィルムや紙等を用いることができる。プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを好ましく挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン系の合成紙等が好ましく挙げることができる。なお、ポリプロピレン系合成紙は、ポリプロピレンを主原料とするフィルム合成紙である。
[3]設定カード
次に、図3を用いて本実施形態の設定カード70について説明する。なお、図3は、本実施形態に用いる設定カード70の一例である。
本実施形態の設定カード70には、画像読み取り装置10にて画像解析することによって認識可能な動的変化情報が形成されているとともに、フィルム型培地60に培養する細菌の種類を示す菌種情報及び検体に残渣が含まれているか否かを示す残渣情報など動的変化情報を規定するための情報が形成されている。
また、本実施形態においては、動的変化情報としては、上述のように、フィルム型培地60に培養する細菌の種類及び残渣情報に基づいて定まるプロファイル情報(具体的には、プロファイルID)を用いている。特に、本実施形態の動的変化情報は、画像読み取り装置10によって画像化された設定カード画像を画像解析することによって認識可能な情報によって形成されている。
具体的には、本実施形態の設定カード70には、図3に示すように、中央に印刷その他の方法によって形成されたプロファイル情報を示す2次元バーコード71と、当該2次元バーコード71上に形成された菌種情報72及び残渣情報73と、が形成されている。
[4]画像読み取り装置
次に、図4を用いて本実施形態の画像読み取り装置10の構成について説明する。なお、図4は、本実施形態の画像読み取り装置10の構成を示すブロック図である。
本実施形態の画像読み取り装置10は、各種のプログラムが実行される際に用いられるメモリ機能を有するデータ記憶部100と、スキャニング機能(画像化機能)を有し、フィルム型培地60の画像データその他の画像データを生成する画像データ生成部110と、サーバ装置40と連動して培地情報をサーバ装置40に初期登録及び培養直後を含む培養後登録する処理(以下、「培地情報登録処理」という。)その他の処理を実行するアプリケーション制御部120と、を備えている。
また、画像読み取り装置10は、サーバ装置40及び他の通信装置と通信を行うネットワーク通信部130と、ADFユニット140と、表示部160と、表示部160を制御する表示制御部161と、ユーザの操作を入力するための操作部170と、タイマー180と、装置全体を制御する端末管理制御部190と、を有している。
データ記憶部100は、各種のアプリケーションプログラムが記憶されるアプリケーション記憶部101と、画像データ生成部110によって読み取られて生成された画像データが記憶される画像データ記憶部102と、画像読み取り装置10の管理及び制御に関するプログラム、並びに、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられるとともに、画像読み取り装置10で実行される各処理において用いられるデータが記憶されるROM/RAM103と、を有している。
特に、アプリケーション記憶部101には、画像データ生成部110、操作部170、表示制御部161及び画像データ記憶部102と連動しつつ、アプリケーション制御部120によって実行されるアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)が記録されている。
画像データ記憶部102には、画像化した培地画像データ及び設定カード画像データと、各画像データを管理するための画像IDと、読み取り時刻等の各画像データに対応する各種のメタデータと、作業IDと、各種のフラグ情報と、が対応付けられて記憶される。なお、画像IDとは、画像読み取り装置10において適宜付与される任意の識別情報である。
画像データ生成部110は、光学システムと、当該光学システムから入力された光学画像を電気信号に変換するCCDIセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)と、CCDIセンサにおいて生成された電気信号に基づいて画像データを生成する生成部と、を有する。
特に、画像データ生成部110は、設定カード70を画像化する場合には、イメージスキャニングされた設定カード70を画像化し、設定カード画像データを生成する。また、画像データ生成部110は、検体に発生した菌が培養される、又は、培養されたフィルム型培地60を画像化する場合には、イメージスキャニングされたフィルム型培地60を画像化し、当該フィルム型培地60の培地画像データを培地画像データとして生成する。
アプリケーション制御部120は、所定のアプリによって培地情報登録処理を実現する。特に、アプリケーション制御部120は、アプリケーション記憶部101に記憶された培地登録アプリによって画像読み取り装置10の各部を制御するための各種制御プログラムを実行しつつ、ネットワーク通信部130、表示制御部161及び操作部170と連動して、又は、制御して各種の処理を実行する。
特に、アプリケーション制御部120は、アプリケーション記憶部101に記録された培地登録アプリを実行し、画像データ生成部110を制御して読み取ったフィルム型培地60の培地画像データ及び設定カード画像データを取得し、これらのデータに画像IDを付与しつつ各データのメタデータとともに培地情報として画像データ記憶部102に記憶する。
また、アプリケーション制御部120は、フィルム型培地60を画像化する際に、タイマー180から現在時刻を取得し、当該現在時刻を読み取り時刻として所定の画像IDとともに培地画像データのメタデータとして画像データ記憶部102に記憶する。
他方、アプリケーション制御部120は、培地画像データ及び設定カード画像データの取得後に、又は、所定のタイミングによって、画像データ記憶部102に記憶された培地情報をサーバ装置40に登録する初期登録及び当該検体の培養開始後に培地情報を登録する培養後登録を実行する。特に、アプリケーション制御部120は、作業者の指示に基づいて、初期登録か又は培養後登録かを特定し、いずれかの登録かを示す情報(フラグ情報)を培地情報に含めてサーバ装置40に送信する。
なお、アプリケーション制御部120は、実装上、端末管理制御部190を構成するCPU(中央処理装置)が、アプリを実行した際の機能として実現されるものであってもよい。
ネットワーク通信部130は、アプリケーション制御部120及び端末管理制御部190の制御の下、ネットワーク30に接続されるサーバ装置40との通信回線を構築し、培地画像データ等の種々のデータの授受を行う。
ADFユニット140は、機械構造及び制御回路などのADF機能を実現するための構成を有している。特に、ADFユニット140は、同一の場所に重ねて載置された複数のフィルム型培地60と設定カード70を一枚ずつ、スキャニングを実行するエリア(図示しない)に取り込むための機構であり、アプリケーション制御部120の制御の下に、駆動する。
表示部160は、所定のサイズ(例えば、5インチ、W480×H960ピクセル)の画像表示領域を有し、液晶素子又はEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部161において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。特に、本実施形態では、表示部160は、培地登録アプリが実行されている際に、操作部170と連動しつつ、各種の表示及び画像化された設定カード70とフィルム型培地60との画像を表示する。
表示制御部161は、アプリケーション制御部120又は端末管理制御部190の制御の下、表示部160に所定の画像を描画させるために必要な描画データを生成し、生成した描画データを当該表示部160に出力するようになっている。
操作部170は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキー等の多数のキー及び表示部160上に設けられたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。具体的には、操作部170は、培地登録アプリの起動時に上述の各種の処理を実行するための操作を行う際に用いられるようになっている。
なお、本実施形態においては、操作部170は、作業IDなどを直接手入力する際に用いる。
タイマー180は、画像データ生成部110がフィルム型培地を読み取りするときの日付及び時刻をアプリケーション制御部120に提供する。
端末管理制御部190は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、画像読み取り装置10の全般的な機能及び情報提供プログラムを実行するための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。
[5]サーバ装置
[5.1]構成
次に、図5を用いて本実施形態のサーバ装置40の構成について説明する。なお、図5は、本実施形態のサーバ装置40の構成を示す構成図である。
本実施形態のサーバ装置40は、図5に示すように、作業情報及び培地情報等の各種の情報が記憶されるデータベース400と、画像読み取り装置10及び管理者端末装置20と通信を行う通信制御部410と、培地情報登録処理等の各種の処理を実行するデータ処理部420と、サーバ装置40の各部を制御するサーバ管理制御部430と、各部の制御に用いるROM/RAM440と、時刻管理を行うために用いるタイマー450と、を有する。なお、上述の各部は、バス41によって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。
通信制御部410は、所定のネットワークインターフェースであり、画像読み取り装置10又は管理者端末装置20と通信回線を構築し、画像読み取り装置10又は管理者端末装置20と種々のデータの授受を行う。
データベース400は、HDDにより構成され、培地情報データベース(以下、「培地情報DB」と略す。)401、ライン情報データベース(以下、「ライン情報DB」と略す。)402、ロット情報データベース(以下、「ロット情報DB」と略す。)403、作業管理データベース(以下、「作業管理DB」と略す。)404及びプロファイル情報データベース(以下、「プロファイル情報DB」という。)405を有する。
培地情報DB401は、各作業ライン80の工程毎に抽出され、かつ、画像読み取り装置10によってスキャニングされて取得した検体のフィルム型培地60に関する培地情報が作業ID毎及び培地ID66毎に格納されるデータベースである。例えば、培地情報DB401には、
(1)培地ID66
(2)作業ID
(3)培地画像データ
(4)スキャニングした時刻
(5)フラグ情報を含むその他の情報
(6)残渣情報
(7)菌種情報
(8)コロニー数
(9)培地判定結果
(10)サイズ(ピクセル数)、重心位置、各ピクセルの特徴量など検出された各コロニーに関する情報(以下、「コロニー情報」という。)
(11)コロニー検出時に用いたプロファイル情報の種別(プロファイルID)
の11つデータが対応付けて記録される。
なお、各培地情報における、コロニー情報、コロニー数及び培地判定としては、データ処理部420によって判定された結果が記憶される。また、各培地情報におけるコロニー情報、コロニー数及び培地判定は、培地情報が登録される際に登録されてもよいし、当該培地情報の登録タイミングと異なる所定のタイミングで登録されてもよい。
また、抽出すべき検体が、同一のロットにおいて、常に同一の作業ライン80の同一の工程から抽出する場合には、作業IDは、ロットIDであればよく、抽出すべき検体が、同一のロットであっても異なる作業ライン80又は異なる工程から抽出する場合には、ラインID又は工程IDとなる。
さらに、同一のフィルム型培地60の培地情報の読み取り時刻が複数登録される場合には(すなわち、培養検査時刻が複数の場合には)、同一の培地ID66において、培養検査時刻毎に培地画像、読み取り時刻、コロニー数、培地判定の各培地情報が記憶される。
ライン情報DB402は、各作業ライン80に関するライン情報がラインID毎に格納されるデータベースである。例えば、ライン情報DB402には、
(1)ラインID
(2)作業ライン80が有する工程の工程ID及びその種別
の2つデータが対応付けて記録される。なお、工程種別としては、材料投入、調合、充填、ボイル、包装、及び、梱包等の各工程を特定する名称が用いられる。
ロット情報DB403は、各ロットに関するロット情報がロットID毎に格納されるデータベースである。例えば、ロット情報DB403には、
(1)ロットID
(2)ロットの製造又は検査に用いる作業ラインのラインID
(3)ロットの作業開始時刻
(4)ロットの作業終了時刻
(5)ロットの作業を実行する作業者の作業班
(6)ロットによって製造される各商品に用いられる原材料
(7)原材料の納入業者又は原産地
の7つデータが対応付けて記録される。
作業管理DB404は、作業内容に関する各種の情報が格納されるデータベースである。例えば、作業管理DB404には、
(1)作業ID
(2)検体を抽出すべき作業ラインのラインID(又はラインID及び工程ID)
(3)検体(食品)の種別(製品名、ロットID及び/又はロット名)
(4)検査種別(一般性菌又は大腸菌など検出する菌種)及びフィルム型培地60上に発生する際の色(発色)情報(RGB階調値又はその範囲)
(5)培養開始時刻
(6)培養開始から所定の時間経過後までの培養時間
(7)培養場所(例えば、インキュベータ番号及びインキュベータ内の段数等の位置)
(8)作業日時(作業開始時刻及び終了時刻)
(9)作業者ID(及び/又は作業者名)
の9つデータが対応付けて記録される。
なお、培養検査時刻には、単一の時刻(すなわち、検体における菌の培養を終了させる終了時刻)だけが設定されてもよいし、培養開始時刻から法定された又は所定の時間経過後、例えば、培養開始時刻から24時間経過後、48時間経過後又は72時間経過後等の複数の時刻が設定されてもよい。
プロファイル情報DB405は、複数のプロファイル情報が格納されるデータベースである。例えば、プロファイル情報DB405には、
(1)プロファイル情報(プロファイルID)
(2)培地画像からコロニーピクセルを検出する際の色に関する特徴量の種別
(3)(2)の種別に基づいてコロニーを検出するための検出手法及び当該検出を実行するためのパラメータ、及び、
(4)培地判定を行う際の合否における閾値、
の4つのデータが対応付けて記録される。
なお、例えば、(2)〜(4)の各情報は、プロファイル基準データであり、フィルム型培地60に滴下した検体に由来する色の成分(すなわち、残渣)の有無、検体の種別、培養される細菌の菌種などの培養条件や培養状態によって異なっている。また、各プロファイルIDに対応付けて、上述のプロファイル基準データとともに、残渣の有無を示す残渣情報、検体の種別情報、培養される細菌の菌種及びその培養条件などの培養中に動的に変化する情報が記憶されていてもよい。
データ処理部420は、ROM/RAM440に記録されているアプリケーションに応じて各種のデータ処理を実行する。特に、データ処理部420は、所定のプログラムを実行することによって、
(1)通信制御部410の動作管理と、
(2)画像読み取り装置10と連動して設定カードからプロファイル情報を取得するプロファイル取得処理と、
(3)画像読み取り装置10と連動して複数のフィルム型培地60における培地情報の登録を一度に実行する培地情報登録処理と、
(4)画像読み取り装置10から送信された培地情報に基づいて作業情報を取得するとともに、取得した作業情報と取得したプロファイル情報と、に基づいて、各フィルム型培地60における培地画像毎に、該当する培地画像に画像化されたコロニーを検出しつつ、検出したコロニー数の計数及び当該コロニー数に基づく培地判定を実行するコロニー検出判定処理と、
(5)登録した各培地情報に基づいてロットの判定を行うロット判定処理と、
(6)各判定結果を所定の報告書形式で出力する報告処理と、
(7)データベース400の管理及び制御と、
を行う。
具体的には、データ処理部420は、培地情報登録処理を実行する登録処理部421、コロニー検出処理を実行するコロニー検出判定部422、ロット判定処理を実行するロット判定処理部424、及び、報告処理を実行する報告処理部425を含む。
なお、例えば、本実施形態の登録処理部421は、本発明に係る第1取得手段、第2取得手段及び登録手段を構成し、コロニー検出判定部422は、本発明に係る抽出手段及び特定手段を構成する。また、本実施形態の登録処理部421、コロニー検出判定部422、ロット判定処理部424及び報告処理部425の詳細については後述する。
サーバ管理制御部430は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、サーバ装置40の各部を統合制御する。具体的には、サーバ管理制御部430は、画像読み取り装置10とのデータの授受に関する各種の制御を行う。
ROM/RAM440には、サーバ装置40の駆動に必要な各種のプログラムが記録されている。また、ROM/RAM440は、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられる。
タイマー450は、培地情報の登録処理及びロット判定処理を実行する際に必要な時刻を管理するために用いられる。
[5.2]登録処理部
次に、本実施形態のサーバ装置40における登録処理部421の詳細について説明する。
本実施形態の登録処理部421は、画像読み取り装置10と連動し、作業者の指示に基づいて、各フィルム型培地60における培地情報について初期登録を行う処理(以下、「初期登録処理」という。)、又は、設定カード70を用いてフィルム型培地60に培養されたコロニーを検出してその情報を登録する情報登録処理(以下、「培養後登録」という。)を実行する。
特に、登録処理部421は、培養後登録においては、一度に処理する複数のフィルム型培地60をスキャニングする直前など、該当する設定カード画像データを予め取得し、当該取得した設定カード画像データに対して画像解析を実行してプロファイル情報を取得する。そして、登録処理部421は、取得したプロファイル情報を、コロニー検出判定処理を実行するためのプロファイル情報に設定するとともに、設定したプロファイル情報に基づいて培地情報を登録する。
(初期登録)
登録処理部421は、初期登録を実行する旨の作業者の指示を受信した場合には、当該指示に含まれる作業IDを特定するとともに、特定した作業IDに基づいて、作業管理DB404を検索して該当する作業情報を特定し、特定した作業情報とともに受信した培地セットBSの各培地情報について初期登録を実行する。
特に、登録処理部421は、通信制御部410を介して培地セットBSの各培地情報を取得すると、各培地情報に含まれる培地ID66をそれぞれ特定する。そして、登録処理部421は、特定した作業情報及び特定した培地ID66に対応付けて、各培地情報に含まれる培地画像データ及び読み取り時刻をそれぞれ培地情報DB401に登録する。
具体的には、登録処理部421は、取得した作業IDに基づいて検体を抽出した作業ライン80が含まれるロットID、当該作業ライン80のラインID、当該検体を抽出した工程IDを特定するとともに、当該特定したロットID、ラインID及び工程IDと培地ID66とに対応付けて、培地セットBSの各培地情報に含まれる培地画像データ及び読み取り時刻を培地情報DB401に登録する。
なお、登録処理部421は、読み取り時刻を培養開始時刻として培地情報DB401に登録する。また、培養開始時刻は、当該時刻に培地情報の登録処理を実行することを前提に読み取り時刻に代えて予め設定された時刻を用いてもよい。
(培養後登録)
登録処理部421は、培養後登録を実行する旨の作業者の指示を受信した場合には、当該指示とともに画像読み取り装置10から送信された設定カード画像データを取得し、当該設定カードに対して画像解析を実行してプロファイル情報を取得する。例えば、登録処理部421は、設定カード画像データの画像内に画像化されている2次元バーコード71を解析して残渣情報又は培養条件の条件情報などのプロファイル情報(プロファイルID)を取得する。
そして、登録処理部421は、取得したプロファイル情報に基づいてプロファイル情報DB405を検索し、同一のプロファイル情報(すなわち、プロファイルID)に基づいて記録されているコロニーピクセルを特定するための特徴量の種別、コロニーの検出手法とそのパラメータ及びコロニーを計数する際の閾値(以下、「プロファイル基準データ」という。)などの各データを抽出する。
また、登録処理部421は、初期登録と同様に、通信制御部410を介して培地セットBSの各培地情報を取得すると、当該各培地情報に含まれる培地ID66を特定する。そして、登録処理部421は、特定した作業ID及び培地ID66に対応付けて、プロファイル情報、培地画像データ及び読み取り時刻をそれぞれ培地情報DB401に登録する。
そして、登録処理部421は、特定したプロファイル情報に基づいて抽出したプロファイル基準データに基づいて、培地セットBS毎に、コロニー検出判定部422にコロニー検出処理、及び、当該コロニー検出処理の各処理によって検出されたコロニー数に基づく培地判定を実行させるとともに、当該コロニー検出処理及び培地判定処理によって得られたコロニー情報、コロニー数及び判定結果を、それぞれ、培地情報として該当する作業ID及び培地ID66に対応付けて培地情報DB401に登録する。
なお、登録処理部421は、次の設定カード画像データを取得して新たなプロファイル情報に更新されるまで最新のプロファイル情報(直前に設定したプロファイル情報)を用いて、コロニー検出判定部422に各種の処理を実行させる。
また、培地情報における培養検査時刻は、培養開始時刻と同様に、当該時刻に培地情報の登録処理を実行することを前提に読み取り時刻に代えて予め設定された時刻を用いてもよい。
さらに、登録処理部421は、上述のように、プロファイル情報とともに記憶された残渣情報や培養条件などのプロファイル基準データを特定(規定)するための情報を、当該プファイル情報に基づいてプロファイル情報DB405から検出し、検出した情報を培地情報として培地情報DB401に登録してもよい。
[5.3]コロニー検出判定部
コロニー検出判定部422は、コロニー検出判定処理として、設定された最新のプロファイル情報に基づいて特定されたプロファイル基準データを取得すると、当該プロファイル基準データに基づいて、培地セットBS毎に、各種の閾値又はパラメータを設定しつつ、コロニーピクセルの検出手法、コロニー候補の検出手法、及び、コロニーの特定手法を定めつつ、各培地画像データに対してコロニーを検出する処理(以下、「コロニー検出処理」という。)を実行し、その結果をそれぞれ登録処理部421に提供する。
具体的には、コロニー検出判定部422は、取得したプロファイル基準データに基づいて、培地画像データ毎に、
(1)培地画像から、画像化されたコロニーを構成すると想定されるピクセルを検出するために、当該培地画像を構成する各ピクセルの中から、所定の条件を有する色に関する特徴量を有するピクセル(以下、「コロニーピクセル」という。)を検出し、
(2)コロニーピクセルを連結してラベリングを実行してIDを付与し、連結したコロニーピクセル群における一のオブジェクトをコロニー候補として検出し、
(3)所定の条件を有するコロニー候補をコロニーとして特定しつつ、その数を計数し、
(4)計数したコロニー数に基づいて培地判定を実行する。
特に、コロニー検出判定部422は、特徴量の種別が輝度又は彩度の場合には、各ピクセルのRGBの個々のサブピクセルの階調値に基づいて所定の演算を実行して得られた値とプロファイル基準データに規定されるパラメータに基づいて、コロニーピクセルを検出し、検出したコロニーピクセルに基づいてコロニー候補を特定しつつ、当該特定したコロニー候補の中からコロニーを検出してその数を計数する。
また、コロニー検出判定部422は、画像フィルタノイズを低減させるための膨張処理及び縮小処理を含む画像フィルタ処理を実行しつつ、隣接するコロニーピクセルを連結してラベリングを実行してIDを付与する際の連結方法とそのパラメータに基づいて、コロニー候補を検出する。
すなわち、コロニー検出判定部422は、コロニーピクセルの連結に関しては、プロファイルによって特定された各コロニーピクセルの色に関する特徴量と同一と判定されるべき範囲に基づいて、隣接するコロニーピクセルについて同一のコロニー候補であると判定したものを連結する。
さらに、コロニー検出判定部422は、隣接するコロニーピクセルを連結してコロニーピクセル群を形成させ、コロニーピクセル群毎の色特性又は培地画像上の重心位置を用いて同一のコロニーピクセルを構成するピクセル群同士を連結させる。
そして、コロニー検出判定部422は、検出した各コロニー候補について、色特性、真円度、形状及びサイズなどの特徴量に基づいて、コロニーらしさを示す尤度を算出し、当該尤度が閾値以上など所定の条件を有するコロニー候補をコロニーとして特定し、その計数を実行する。
例えば、RGBの各色成分を用いてコロニーピクセルを特定する場合であって、「残渣あり」の残渣情報を有するプロファイル情報の場合には、コロニー検出判定部422は、当該プロファイル情報に該当するプロファイル基準データに基づいて、所定の条件を具備する色成分を有するコロニーをコロニーピクセルとして特定する。また、同様にRGBの各色成分を用いてコロニーピクセルを特定する場合であって、「残渣なし」の残渣情報を有するプロファイル情報の場合には、コロニー検出判定部422は、当該プロファイル情報に該当するプロファイル基準データに基づいて、非コロニーピクセルを特定するとともに、非コロニーピクセルに基づいて、バタチャリア距離、ユークリッド距離又はマンハッタン距離などによって非コロニーピクセルと所定の色差を有するピクセルをコロニーピクセルとして特定する。
また、コロニー検出判定部422は、プロファイル基準データに基づいて、画像フィルタノイズを低減させるための膨張処理及び縮小処理を実行するとともに、隣接するコロニーピクセルを連結してラベリングを実行してコロニー候補を検出する。
そして、コロニー検出判定部422は、検出した各コロニー候補について、特定されたプロファイルに規定される特徴量によって、色特性、真円度、形状及びサイズなどの特徴量を設定しつつ、当該設定した特徴量に基づいて、コロニーらしさを示す尤度を算出する。
さらに、コロニー検出判定部422は、算出した尤度が閾値以上など所定の条件を有するコロニー候補をコロニーとして特定し、その数をコロニー数として計数する。
例えば、コロニーの色と残渣の色が同系色の場合であって、「残渣あり」の残渣情報を有するプロファイル情報の場合には、コロニー検出判定部422は、当該プロファイル情報によって特定されたコロニーか非コロニーかを判定する検出基準、パラメータ又は検出手法などが規定されたプロファイル基準データに基づいて、「残渣なし」の残渣情報を有するプロファイル情報に基づくコロニー検出処理よりコロニーの検出感度を低くし、すなわち、上記の閾値を高くし、尤度の高いコロニー候補のみをコロニーとして検出する。
また、例えば、チョコレートなどの検体に基づく残渣の色と検出すべきコロニーの色が同系色の場合であって、「残渣あり」の残渣情報を有するプロファイル情報の場合には、コロニー検出判定部422は、当該プロファイル情報によって特定されたコロニーか非コロニーかを判定する検出基準、パラメータ又は検出手法などが規定されたプロファイル基準データに基づいて、予め登録された検体の色(すなわち、残渣となり得る色(チョコレートの色))とRGBの階調値などの予め定められた範囲内の色を有するコロニー候補の尤度を減算する処理を実行し、その結果が閾値以上であるコロニー候補をコロニーとして特定し、その数をコロニー数として計数する。
なお、コロニー検出判定部422は、検出したコロニーピクセル(例えば培地画像上の位置及び自ピクセルが属するコロニー候補のID)、検出したコロニー候補(例えばコロニーピクセルの培地画像上の配置位置、色特性又は重心位置などの所定の情報)、特定したコロニー(例えばコロニーピクセルの培地画像上の配置位置、色特性又は重心位置などの所定の情報)、計数したコロニー数を培地情報として登録処理部421を介して培地情報DB401に記憶する。
また、膨張処理とは、画像フィルタ処理の一つであって、各コロニーピクセルに隣接して他のコロニーピクセルが存在する場合に、コロニーピクセルに隣接する全てのピクセルをコロニーピクセルに置き換える処理である。
さらに、収縮処理とは、コロニーピクセルに隣接して非検出したピクセル(以下、「非コロニーピクセル」という。)が存在する場合に当該コロニーピクセルに隣接するピクセルを全て非コロニーピクセルに置き換える処理である。
一方、本実施形態のコロニー検出判定部422は、コロニー検出判定処理として、コロニー検出処理によって計数されたコロニー数に基づいて、培地判定の処理(以下、「培地判定処理」という。)を実行する。
特に、コロニー検出判定部422は、培地判定処理としては、コロニー検出処理において取得したプロファイル基準データに基づいて、予め設定された閾値と検出したコロニー数を比較しつつ、当該検出したコロニー数が閾値以上の場合には、異常と判定し、また、当該閾値より小さい場合には、正常であると判定し、各フィルム型培地60の検体が異常であるか正常であるかの培地判定(すなわち、検体の合否判定)を実行する。
[5.4]ロット判定処理部
次に、本実施形態のサーバ装置40におけるロット判定処理部424の詳細について説明する。
本実施形態のロット判定処理部424は、管理者端末装置20に入力された管理者の指示に基づいて、指定されたロット、作業ライン80又は工程における衛生管理に関するデータ解析(すなわち、合否判定)を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、各ロットについて、該当するロットに用いられる作業ライン80のライン情報と、該当する作業ライン80に対応付けられて登録された培地情報(少なくともコロニー数)と、に基づいて、同一条件によって製造又は検査された食品群が所定の条件を具備しているか否かを判定する。
また、ロット判定処理部424は、ロット判定が指示されると、該当するロットに含まれる作業ライン80及び当該作業ライン80に属する工程が衛生管理上において異常であるか正常であるかの作業ライン80のライン判定(すなわち、衛生管理上の合否の判定)及び各工程の工程判定(すなわち、衛生管理上の合否の判定)を実行し、工程判定及びライン判定を用いてロット判定を実行する。
特に、ロット判定処理部424は、ロット判定が指示された際に、例えば、培養開始後から24時間、48時間等の所定の培養検査時刻を経過した培地情報におけるフィルム型培地60のコロニー数や検体の合否判定の培地情報に基づいて当該工程の衛生管理上の合否を判定し、該当する作業ライン80に含まれる工程の合否判定に基づいて当該作業ライン80の衛生管理上の合否を判定し、該当するロットに含まれる作業ライン80の合否判定に基づいて当該ロットの衛生管理上の合否を判定する。
なお、本実施形態のロット判定処理部424は、ロット判定だけでなく、工程判定又はライン判定のみをデータ解析として実行してもよい。
(工程判定)
ロット判定処理部424は、同一タイミングの培養開始時刻、同一タイミングの培養検査時刻、予め設定された第1時刻から第2時刻までの時間内の時刻を有する培養開始時刻又は、予め設定された第1時刻から第2時刻までの時間内の時刻を有する培養検査時刻を有するなど、培養開始時刻又は培養検査時刻が所定の条件を有し、かつ、同一のロットの同一の工程に対応付けて登録された複数のフィルム型培地60の培地情報に基づいて、各工程判定を実行する。すなわち、ロット判定処理部424は、複数のフィルム型培地60の各培地判定の結果に基づく、総合判定によって各工程判定を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、該当するフィルム型培地60の培地判定結果(すなわち、工程判定を実行すべき工程の工程IDを有する培地情報に登録されたすべての培地判定結果)を取得するとともに、判定結果の合否の数が所定の条件を具備している場合には、判定すべき工程の工程判定を合格と判定し、当該条件を具備していない場合には、判定すべき工程の工程判定を不合格と判定する。
例えば、ロット判定処理部424は、該当する工程における個々のフィルム型培地60において、合格のフィルム型培地60が所定の割合(60%)以上の場合、全てのフィルム型培地60が該当する条件(コロニー数が一定数以下)を具備している場合、又は、各フィルム型培地60のコロニー数が該当する条件(単一のフィルム型培地60の平均コロニー数が一定数以下)を具備している場合に、該当する工程を合格と判定する。
なお、本実施形態のロット判定処理部424は、検体の種別、検出する菌種等によって条件を変更することが可能となっており、管理者によって設定可能、又は、プログラムの一部として提供される。
(ライン判定)
ロット判定処理部424は、所定のタイミングで判定され、かつ、該当するライン情報に対応付けて登録された複数の工程の衛生管理上の合否判定に基づいて、各作業ライン80のライン判定を実行する。すなわち、ロット判定処理部424は、所定のタイミングで判定された同一ロットの複数の工程の各判定結果に基づく、総合判定によってライン判定を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、同タイミング又は所定の条件を具備するタイミングに判定され、かつ、上述のように、ライン判定を実行すべき作業ライン80のラインIDを有する工程の工程判定の判定結果を取得するとともに、判定結果の合否の数が所定の条件を具備している場合には、判定すべき作業ライン80のライン判定を合格と判定し、当該条件を不具備の場合には、判定すべき作業ライン80のライン判定を不合格と判定する。
例えば、3つの工程が判定すべき作業ライン80のラインIDを有している場合であって、第1工程が「合格」、第2工程が「合格」及び第3工程が「不合格」で、所定の条件が「60%」の合格した工程から作業ライン80が構成されている場合には、ロット判定処理部424は、判定すべき作業ライン80のライン判定を合格と判定する。
(ロット判定)
ロット判定処理部424は、所定のタイミングで判定され、かつ、該当するロット情報に対応付けて登録された複数の作業ライン80の衛生管理上の合否判定に基づいて、各ロットのロット判定を実行する。すなわち、ロット判定処理部424は、複数の作業ライン80の各判定結果に基づく総合判定によってロット判定を実行する。
具体的には、ロット判定処理部424は、ロット判定を実行すべきロットのロットIDを有する作業ライン80における合否判定に基づいて、ロット判定を実行する。
例えば、ロット判定処理部424は、ロットIDを有する作業ライン80の60%においてライン判定が合格の場合に、判定すべきロットのロット判定を合格とし、3つの作業ライン80が判定すべきロットのロットIDを有している場合を想定する。この場合において、第1作業ライン80が「合格」、第2作業ライン80が「合格」及び第3作業ライン80が「不合格」の場合には、ロット判定処理部424は、判定すべきロットのロット判定を合格と判定する。
なお、ロットの作業時間が長時間に及ぶ場合には、所定の時間(例えば8時間又は12時間)毎に時間を区切ってロットの判定を実行してもよい。この場合には、作業が中断している間のロット判定を実行する場合には、ダミーの結果を用いてもよいし、作業中断中として判定してもよい。
(その他)
ロット判定処理部424は、培地情報、ライン情報、ロット情報及び作業管理DB404を用いて、上述以外の判定及びデータ解析を行うことができるとともに、報告処理部425を介して当該判定結果又はデータ解析結果を管理者が閲覧可能に管理者端末装置20に提供することができるようになっている。
具体的には、ロット判定処理部424は、各フィルム型培地60に培養された検体の信頼性を確認するために、すなわち、検査ミスが発生していない否かを確認するために、一の培地ID66における培地情報を培養開始時刻から培養の終了まで、時系列に培地情報又は培地画像データの所定の解析を実行する。
例えば、ロット判定処理部424は、管理者端末装置20を介して受信した管理者の指示に基づいて、特定の培地ID66(同一の培地ID66)を有し、培養開始時刻から所定の時刻までの複数の培地情報を、培地画像データとともに抽出する。そして、ロット判定処理部424は、各培地情報及び各画像データについて所定の時系列に沿って所定の解析を実行し、又は、各培地情報及び各画像データを時系列に沿って集約する。また、ロット判定処理部424は、報告処理部425に、解析結果又は集約結果を所定のデータ形式を有する閲覧データに生成させ、当該生成させた閲覧データを管理者に閲覧可能に管理者端末装置20に提供させる。
なお、ロット判定処理部424は、報告処理部425と連動して、このとき、管理者端末装置20の指示に基づいて、法定された衛生管理の報告用に、一の培地ID66における各培地情報を個々に閲覧可能にさせてもよい。
また、ロット判定処理部424は、培地情報、ライン情報、ロット情報又は作業管理情報の検索機能を有していてもよい。具体的には、ロット判定処理部424は、ロットID(指示書ID)、作業ラインID、工程ID、作業ID、培養開始時刻、ロットの作業日時、培地ID66、検体の種別などを検索キーとしてデータベース400を検索し、報告処理部425と連動し、該当する培地情報や各種の情報を管理者に閲覧可能なデータを生成してもよい。
[5.5]報告処理部
なお、報告処理部425は、管理者端末装置20を介して受信した管理者の指示に基づいて、検索によって特定された培地情報(培地画像データ、コロニー数及び培地判定結果)、工程情報、ライン情報、又は、ロットに関する情報を所定の報告形式で提供することも可能である。すなわち、報告処理部425は、法定の検査報告その他の場合においてその証拠又は報告書として種々の情報を提供することができるように構成されている。
[6]衛生管理システムの動作処理
[6.1]培地情報登録処理(画像読み取り装置)
次に、図6を用いて本実施形態の画像読み取り装置10における培地セットBS毎の培地情報登録処理の動作について説明する。なお、図6は、本実施形態の画像読み取り装置10における培地情報の登録処理動作を示すフローチャートである。
本動作においては、ライン情報DB402及びロット情報DB403には、既に設定カード70に対応付けられた該当するロット情報及びライン情報が記憶されているものとし、作業IDは、作業者によって操作部170を介して入力されるものとする。
また、本動作においては、培地セットBSを構成する登録すべき複数のフィルム型培地60及び該当する設定カード70は、例えば、ADFユニット140の所定の場所に既に載置されているものとする。
さらに、本動作においては、各フィルム型培地60におけるコロニー数の検出は、培地情報のデータベース400への登録時に実行されるものとし、画像読み取り装置10においては培地画像を読み取りするためのRGBの階調値又は輝度値に対するキャリブレーションが実行されているものとする。
まず、画像読み取り装置10において、アプリケーション制御部120は、操作部170を介して培地登録アプリの起動指示を検出すると(ステップS101)、アプリケーション記憶部101から培地登録アプリを読み出して起動する(ステップS102)。このとき、アプリケーション制御部120は、表示制御部161と連動して表示部160に登録すべき複数のフィルム型培地60を含む培地セットBSがADFユニット140に既に載置されているかを確認するための表示を実行するとともに、端末管理制御部190の制御下、ワークメモリの初期化その他の必要な処理を実行する。
次いで、アプリケーション制御部120は、表示制御部161と連動し、フィルム型培地60の初期登録であるか、又は、培養開始から所定の時間経過した培養後登録であるかを選択させるための画像を表示部160に表示させてその入力を待機する(ステップS103)。
次いで、アプリケーション制御部120は、操作部170による選択指示の入力を検出すると(ステップS104)、初期登録か培養後登録かを判断し、フラグ情報にその結果を設定する(ステップS105)。
次いで、アプリケーション制御部120は、培地セットBSにおける各フィルム型培地60の読み取り開始を促す画面(以下、「読み取り開始確認画面」ともいう。)を表示部160に表示させるとともに、操作部170と連動し、画像データ生成部110による読み取りを待機する(ステップS106)。
次いで、アプリケーション制御部120は、画像データ生成部110、表示制御部161と連動しつつ、操作部170によるフィルム型培地60の読み取り開始を検出すると(ステップS107)、ADFユニット140を制御して当該ADFユニット140にセットされた設定カード70及び複数のフィルム型培地60を順次スキャニング領域に移動させるとともに、画像データ生成部110は、設定カード70及び複数のフィルム型培地60をスキャニングして画像化し、生成した各画像データを各画像データ記憶部102に所定の画像IDを付与しつつ記憶する(ステップS108)。
このとき、アプリケーション制御部120は、最初にスキャニングした設定カードを画像化したデータを設定カード画像データとして画像データ記憶部102に記憶するとともに、その後にスキャニングして画像化した各フィルム型培地60を培地画像データとして画像データ記憶部102に記憶する。
なお、アプリケーション制御部120は、初期登録の場合には、設定カード70の有無を作業者に選択させ、「設定カード70有り」と選択された場合には、ステップS108のように、設定カード70及び複数のフィルム型培地60を画像化し、「設定カード70無し」と選択された場合には、設定カード70がないものとして最初の画像データをも培地画像データとして生成及び登録する。
ただし、アプリケーション制御部120は、初期登録か培養後登録かを示すフラグ情報に基づいて自動的に設定カードの有無を判断してもよく、この場合に、作業者は、状況に応じてADFユニット140に設定カード70を含む又は含まない培地セットBSを載置する。
次いで、アプリケーション制御部120は、タイマー180より、現在時刻を各フィルム型培地60における培地画像データの読み取り時刻として取得し、当該各培地画像データに対応付けてメタデータとして画像データ記憶部102に記憶する(ステップS109)。
次いで、アプリケーション制御部120は、画像データ生成部110、表示制御部161及び操作部170と連動しつつ、作業IDの入力を作業者に促して当該作業IDを取得し、各培地画像データに対応付けて画像データ記憶部102に記憶する(ステップS115)。
次いで、アプリケーション制御部120は、作業者の指示に基づいて、取得した作業ID、設定カード画像データ、取得した複数の培地画像データとそのメタデータ、及び、初期登録か培養後登録かを示すフラグ情報を培地セットBSの培地情報として、ネットワーク通信部130を介してサーバ装置40に送信し(ステップS118)、画像読み取り装置10の培地情報登録処理を終了する。
なお、このとき、ネットワーク通信部130は、培地情報を送信する際に、端末IDや入力されたID及びパスワードに基づいてサーバ装置40へのアクセスをするためのログインを実行し、ログイン完了後にサーバ装置40との通信回線を確立し、培地情報を送信する。
[6.2]培地情報登録処理(サーバ装置)
次に、図7を用いて本実施形態のサーバ装置40における培地セットBS毎の各フィルム型培地60における培地情報の登録処理動作について説明する。なお、図7は、本実施形態のサーバ装置40における培地情報の登録処理動作を示すフローチャートである。
本動作は、画像読み取り装置10によって実行された培地情報登録処理と連動して実行される処理であり、サーバ装置40は、画像読み取り装置10から送信された培地セットBSにおける複数の培地画像データ及び設定カード画像データを含む培地情報に基づいて、培地画像データ毎に該当する情報を培地情報として培地情報DB401に登録するための処理である。
なお、本動作においては、初期登録であっても予め培地セットBSの培地情報には設定カード画像データが含まれているものとする。
まず、サーバ装置40においては、通信制御部410が画像読み取り装置10から送信された培地セットBSの培地情報を受信すると(ステップS300)、登録処理部421は、受信した培地情報に含まれるフラグ情報に基づいて、初期登録か培養後登録であるかを判定する(ステップS301)。
このとき、登録処理部421は、初期登録と判定した場合には、ステップS302の処理に移行し、初期登録でないと判定した場合には、すなわち、培養後登録と判定した場合には、ステップS304の処理に移行する。
次いで、登録処理部421は、培地セットBSの培地情報から作業IDを抽出して特定するとともに、初期登録と判定した場合には、各培地画像データについて画像解析を実行し、培地画像データ毎の各培地ID66を特定する(ステップS302)。
次いで、登録処理部421は、特定した作業ID及び各培地ID66に基づいて画像データ毎に培地情報を培地情報DB401にそれぞれ登録し(ステップS303)、本動作を終了する。なお、培養開始時刻は作業管理DB404に予め記憶されているが、登録処理部421は、ステップS303の処理において、受信した培地情報に含まれる読み取り時刻を培養開始時刻として作業管理DB404に登録してもよい。
一方、登録処理部421は、培養後登録と判定した場合には、培地セットBSの培地情報から作業IDを抽出して特定するとともに、各培地画像データについて画像解析を実行し、培地画像データ毎の各培地ID66を特定する(ステップS304)。
次いで、登録処理部421は、培地セットBSの培地情報に含まれる読み取り時刻に基づいて各培地画像データにおける培地情報を登録する際の培養検査時刻を特定する(ステップS305)。
なお、このとき、登録処理部421は、画像読み取り装置10と連動して各培地画像データにおける培地情報を登録する培養検査時刻を指定させて登録してもよいし、受信した培地情報に含まれる読み取り時刻を当該培養検査時刻としてそのまま登録してもよい。また、登録処理部421は、既に実行された培養検査時刻における培地登録を管理し、培地セットBSの培地情報を受信したタイミングを培養検査時刻として特定してもよい。
次いで、登録処理部421は、設定カード画像データの設定カード画像に対して画像解析を実行し、プロファイル情報を取得する(ステップS306)。具体的には、登録処理部421は、設定カード画像上の予め定められた探索範囲を探索し、2次元バーコード71の画像を検出するとともに、当該2次元バーコード71にコード化されたプロファイル情報(具体的にはプロファイルID)を取得する。
次いで、登録処理部421は、取得したプロファイル情報、すなわち、プロファイルIDに基づいてプロファイル情報DB405を検索し、該当するプロファイル基準データを取得してコロニー検出判定部422に提供する(ステップS308)。なお、このとき、登録処理部421は、プロフファイルIDに基づいて、プロファイル情報DB405から残渣情報その他のプロファイル基準データを特定するための情報を取得してもよい。
次いで、コロニー検出判定部422は、作業IDに基づいて、工程や作業ライン80に関する情報又は培養条件などの必要な作業情報を特定する(ステップS309)。
次いで、コロニー検出判定部422は、提供されたプロファイル基準データに基づいて、登録処理部421によって取得した各培地画像データについて画像処理を実行し、各培地画像データのそれぞれの培地画像における各ピクセルの色特徴量(輝度値)を抽出する(ステップS310)。
次いで、コロニー検出判定部422は、提供されたプロファイル基準データに基づいて、各培地画像におけるコロニーピクセルを特定するとともに、各培地画像それぞれに対するコロニーの検出及びその計数を実行するコロニー検出処理を実行する(ステップS321)。
次いで、コロニー検出判定部422は、提供されたプロファイル基準データに基づいて、各培地画像データに対して培地判定処理(合否判定)をそれぞれ実行する(ステップS322)。
なお、コロニー検出判定部422は、ステップS321及びステップS322の処理においては、画像読み取り装置10と連動し、各培地画像データにおいて検出したコロニー数及び合否判定の結果を当該画像読み取り装置10の表示部160に表示させ、ユーザに閲覧及び確認させるようにしてもよい。
また、コロニー検出判定部422は、ステップS322の各培地画像データにおける培地判定処理においては、所定の条件を具備する場合には、合格(正常)と判定し、所定の条件を不具備な場合には、不合格(異常)と判定する。
次いで、登録処理部421は、培地画像データ毎に、培地ID66、判定された合否、検出されたコロニー数及び培地情報に含まれる読み取り時刻を培養開始時刻とした培養開始時刻情報を、必要な作業情報に対応付けて培地情報DB401に登録し(ステップS323)、本動作を終了する。
なお、登録処理部421は、ライン情報及び登録すべき情報を画像読み取り装置10の表示部160に表示させ、当該画像読み取り装置10を介して入力されたユーザ指示に基づいて、培地情報等の登録をするようにしてもよい。
また、上述の動作は、画像読み取り装置10によって培地情報を取得した際に実行しているが、画像読み取り装置10によって取得した培地情報が培地情報DB401に記録され、その後に実行されてもよい。
[7]変形例
[7.1]変形例1
本実施形態において、イメージスキャナ等の画像読み取り装置10単体を用いて培地情報の登録処理を実行している点に代えて、ラップトップ型又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータ及びイメージスキャナの画像読み取り装置、又は、パーソナルコンピュータ及びタブレット型情報端末装置、デジタルカメラ若しくはスマートフォン等の画像入力装置と、によって当該培地情報の登録処理を実現してもよい。
この場合には、パーソナルコンピュータと画像入力装置とを所定の通信規格によって接続し、パーソナルコンピュータと画像入力装置とを一体的に用いて当該培地情報の登録処理を実現してもよいし、メモリカードその他の物理的なメモリに画像入力装置によって先に取得した培地画像データ及び設定カード画像データを記憶させ、当該記憶させた各画像データをパーソナルコンピュータによって取り込みつつ、当該培地情報の登録処理を実現してもよい。
また、この場合には、サーバ装置40の機能をパーソナルコンピュータに持たせて上記の各種の処理を実行してもよい。
[7.2]変形例2
本実施形態においては、画像読み取り装置10、管理者端末装置20、サーバ装置40が同一敷地内で設置又は使用されてもよいし、それぞれが国外などの遠隔地に設置され、又は、遠隔地にて使用されて上述の各処理が実行されてもよい。
また、サーバ装置40は、ネットワークを介して接続されるデータベースを用いて培地情報その他の情報の読み出し及び記録を行ってもよいし、一又は複数の装置によって形成されていてもよい。
[7.3]変形例3
本実施形態においては、動的変化情報として、プロファイル情報を用いて説明しているが、残渣の有無を示す残渣情報、検体の色などの検体に関する検体情報やフィルム型培地60の培養条件など作業情報その他のプロファイル基準データを決定する際に用いる各種の情報が動的変化情報であってもよく、これらの情報が、直接、設定カード70に規定されていてもよい。
[7.4]変形例4
本実施形態においては、培地セットBS毎に一の設定カード70を用いて動的変化情報として2次元バーコード71にコード化された一のプロファイル情報を用いているが、動的変化情報をそれぞれ有する複数の設定カードを用いてもよいし、複数の動的変化情報を有する一の設定カード70を用いてもよい。この場合には、例えば、変形例2に示すような各種のプロファイル基準データ直接規定する情報が複数ある場合に、利用することができる。
[7.5]変形例5
本実施形態のコロニー検出判定部422は、プロファイル情報に基づいて、プロファイル基準データとして、コロニーピクセルを特定するための色特徴量、検査手法とそのパラメータ及び閾値などを決定しているが、最初のコロニー検出判定処理において、コロニーが検出されなかったなどの所定の条件の下に、さらにコロニーピクセルやコロニーそのものを検出するための感度を高めて再度コロニー検出を実行する再検出処理を追加するようにしてもよい。
例えば、大腸菌や大腸菌群などの1つのコロニーでも検出された場合に培地判定の合否判定が不合格となる特定の細菌の場合に、プロファイル情報に当該再検出処理の実行が規定されていてもよい。
なお、プロファイル情報には、再検出処理に限定されず、特定の細菌の場合であって培地判定が不合格になるなどの所定の条件の下に、管理者にその旨を告知するための告知処理などの各種の処理の実行が規定されていてもよい。
[7.6]変形例6
本実施形態の設定カード70には、動的変化情報として2次元バーコード化されたプロファイル情報が形成されているが、テキストやマークに代表される文字又は標識などのOCRによって情報を読み取ることが可能な情報が形成されていてもよい。
また、設定カード70が、動的変化情報が記録されるICタグやICチップ、磁気的に記録される磁気化領域、又は、ホログラムなどの光学記録技術によって記録される光学記録可能領域を有していてもよい。この場合には、画像読み取り装置10は、ICタグリーダ、磁気リーダ又は光学読み取り機能を有している。
[7.7]変形例7
本実施形態においては、フィルム型培地60を用いて当該フィルム型培地60に培養された検体における培地情報の登録を実行しているが、寒天培地を用いて当該寒天培地に培養された菌及びその検体における培地情報の登録を実行してもよい。
この場合には、画像読み取り装置10に代えて、デジタルカメラ、スマートフォン又は携帯用電話機などの撮像機能付き携帯用通信端末装置を用いて、設定カード70を撮像するとともに、培地セットBSを構成する各寒天培地を撮像し、設定カード画像データ及び培地画像データを生成する。
S … 衛生管理システム
10 … 画像読み取り装置
20 … 管理者端末装置
30 … ネットワーク
40 … サーバ装置
60 … フィルム型培地
70 … 設定カード
80 … 作業ライン
100 … データ記憶部
101 … アプリケーション記憶部
102 … 画像データ記憶部
110 … 画像データ生成部
120 … アプリケーション制御部
130 … ネットワーク通信部
140 … 近距離無線通信インターフェース
150 … 現在位置検出部
160 … 表示部
170 … 操作部
180 … タイマー
190 … 端末管理制御部
400 … データベース
401 … 培地情報DB
402 … ライン情報DB
403 … ロット情報DB
404 … 作業管理DB
405 … プロファイル情報DB
410 … 通信制御部
420 … データ処理部
421 … 登録処理部
422 … コロニー検出判定部
424 … ロット判定処理部
425 … 報告処理部
430 … サーバ管理制御部

Claims (10)

  1. 検体を載置してコロニーを培養する培地が画像化された培地画像のデータを培地画像データとして取得する第1取得手段と、
    前記検体を前記培地に載置した後に動的に変化する前記培地に関する情報を動的変化情報として取得する第2取得手段と、
    前記取得された培地画像データの培地画像を構成するピクセルの色に関する色特徴量を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された各ピクセルの色特徴量及び前記取得された動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルを特定する特定手段と、
    (A)前記動的変化情報を用いて特定されたコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、又は、(C)前記各ピクセルの色特徴量を用いて特定されたコロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、前記培地に培養された前記コロニーを検出し、かつ、当該検出したコロニーを計数する検出手段と、
    前記検出されたコロニーに関する情報を培地情報としてデータベースに登録する登録手段と、
    を備えることを特徴とする培地情報登録システム。
  2. 請求項1に記載の培地情報登録システムにおいて、
    前記第2取得手段が、前記培地画像データとは異なる別の画像データとして画像化された動的変化情報を取得し、当該取得した動的変化情報の画像に対して画像解析することによって当該動的変化情報を取得する、培地情報登録システム。
  3. 請求項1又は2に記載の培地情報登録システムにおいて、
    前記培地が異なる複数の前記培地画像データに対して同一の動的変化情報を用いる、培地情報登録システム。
  4. 請求項3に記載の培地情報登録システムにおいて、
    前記第2取得手段によって前記動的変化情報を取得する毎に、当該取得する前に既に取得されていた前記コロニーピクセルを特定する際に、又は、前記コロニーの検出及び当該検出したコロニーの計数を実行する際に用いる動的変化情報を設定する設定手段を更に備え、
    前記第1取得手段が、前記複数の異なる培地画像データを連続的に取得し、
    前記特定手段及び前記検出手段の少なくともいずれか一方の手段が、新規の動的変化情報が設定されるまで、連続的に取得された前記培地画像データについて前記動的変化情報を用いて処理を実行する、培地情報登録システム
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の培地情報登録システムにおいて、
    前記特定手段が、前記取得された動的変化情報に基づいて前記コロニーピクセルを特定する際の条件を変化させて当該コロニーピクセルの特定を実行する、培地情報登録システム。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の培地情報登録システムにおいて、
    前記検出手段が、前記取得された動的変化情報に基づいて前記コロニーを検出する際の条件を変化させて当該コロニーの検出を実行する、培地情報登録システム。
  7. コンピュータを、
    検体を載置してコロニーを培養する培地が画像化された培地画像のデータを培地画像データとして取得する第1取得手段、
    前記検体を前記培地に載置した後に動的に変化する前記培地に関する情報を動的変化情報として取得する第2取得手段、
    前記取得された培地画像データの培地画像を構成するピクセルの色に関する色特徴量を抽出する抽出手段、
    前記抽出された各ピクセルの色特徴量及び前記取得された動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルを特定する特定手段、
    (A)前記動的変化情報を用いて特定されたコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、又は、(C)前記各ピクセルの色特徴量を用いて特定されたコロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、前記培地に培養された前記コロニーを検出し、かつ、当該検出したコロニーを計数する検出手段、及び、
    前記検出されたコロニーに関する情報を培地情報としてデータベースに登録する登録手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 検体を載置してコロニーを培養する培地が画像化された培地画像のデータを培地画像データとして取得する第1取得手段と、
    前記検体を前記培地に載置した後に動的に変化する前記培地に関する情報を動的変化情報として取得する第2取得手段と、
    前記取得された培地画像データの培地画像を構成するピクセルの色に関する色特徴量を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された各ピクセルの色特徴量及び前記取得された動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルを特定する特定手段と、
    (A)前記動的変化情報を用いて特定されたコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、又は、(C)前記各ピクセルの色特徴量を用いて特定されたコロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、前記培地に培養された前記コロニーを検出し、かつ、当該検出したコロニーを計数する検出手段と、
    を備えることを特徴とするコロニー検出装置。
  9. コンピュータを、
    検体を載置してコロニーを培養する培地が画像化された培地画像のデータを培地画像データとして取得する第1取得手段、
    前記検体を前記培地に載置した後に動的に変化する前記培地に関する情報を動的変化情報として取得する第2取得手段、
    前記取得された培地画像データの培地画像を構成するピクセルの色に関する色特徴量を抽出する抽出手段、
    前記抽出された各ピクセルの色特徴量及び前記取得された動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルを特定する特定手段、及び、
    (A)前記動的変化情報を用いて特定されたコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、又は、(C)前記各ピクセルの色特徴量を用いて特定されたコロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、前記培地に培養された前記コロニーを検出し、かつ、当該検出したコロニーを計数する検出手段、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  10. コロニーを培養する培地が画像化された培地画像を培地画像データとして生成する通信端末装置と、
    前記培地画像データに基づいて前記培地に発生したコロニー及び当該コロニーの数を検出し、当該検出結果を培地情報としてデータベースに登録するサーバ装置と、
    を備え、
    前記サーバ装置が、
    検体を載置してコロニーを培養する培地が画像化された培地画像のデータを培地画像データとして取得する第1取得手段と、
    前記検体を前記培地に載置した後に動的に変化する前記培地に関する情報を動的変化情報として取得する第2取得手段と、
    前記取得された培地画像データの培地画像を構成するピクセルの色に関する色特徴量を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された各ピクセルの色特徴量及び前記取得された動的変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記コロニーを画像化するために用いられているコロニーピクセルの特定する特定手段と、
    (A)前記動的変化情報を用いて特定されたコロニーピクセルに基づいて、(B)当該コロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、又は、(C)前記各ピクセルの色特徴量を用いて特定されたコロニーピクセル及び前記取得された動的変化情報に基づいて、前記培地に培養された前記コロニーを検出し、かつ、当該検出したコロニーを計数する検出手段と、
    前記検出されたコロニーに関する情報を培地情報としてデータベースに登録する登録手段と、
    を備えることを特徴とする衛生管理システム。
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