JP2019053800A - 磁気ディスク装置、および、制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気ディスクの記録密度のさらなる向上が可能な瓦記録方式の磁気ディスク装置を提供する。【解決手段】実施形態の磁気ディスク装置は、SMRによって隣接するトラック同士の一部を重ねてデータを記録する領域であるSMR領域、および、一時的にデータを記録する領域である一時記録領域、を有する磁気ディスクと、前記SMR領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第1の回転速度を、前記一時記録領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第2の回転速度よりも遅くする制御を行う制御部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置、および、制御方法に関する。
コンピュータ装置用の記憶装置として、磁気ディスク装置が多く使用されている。磁気ディスク装置における磁気ディスクに記録するデータの記録密度向上のための技術として、近年、SMR(Shingled Magnetic Recording)と称される技術の開発が進められている。SMRは、データの記録の仕方から、瓦記録方式とも呼ばれる。
磁気ディスクには、同心円状に複数のトラックが設けられる。瓦記録方式では、磁気ディスクへデータをライト(書き込み)する際に、隣接するトラック同士の一部を重ねる。これにより、トラックピッチを狭くし、記録密度を向上することができる。
瓦記録方式では、回転する磁気ディスクのばたつきや回転ムラなどのいわゆるフラッタ等に基づいて決まる磁気ヘッドの位置決め精度によって、磁気ディスクの記録密度向上の限界が決まる。
そこで、本実施形態の課題は、磁気ディスクの記録密度のさらなる向上が可能な瓦記録方式の磁気ディスク装置、および、制御方法を提供することである。
実施形態の磁気ディスク装置は、SMRによって隣接するトラック同士の一部を重ねてデータを記録する領域であるSMR領域、および、一時的にデータを記録する領域である一時記録領域、を有する磁気ディスクと、前記SMR領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第1の回転速度を、前記一時記録領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第2の回転速度よりも遅くする制御を行う制御部と、を備える。
以下、添付の図面を参照して、実施形態の磁気ディスク装置について説明する。なお、各図面において、「RD」は「リード(読み出し)」を表し、「WT」は「ライト(書き込み)」を表し、「R/W」は「リード(読み出し)/ライト(書き込み)」を表す。
まず、図1を参照して、実施形態の磁気ディスク装置200の構成について説明する。図1は、実施形態の磁気ディスク装置200の全体構成図である。本実施形態の磁気ディスク装置200は、コンピュータ装置用の記憶装置であり、瓦記録方式(SMR(Shingled Magnetic Recording))で磁気ディスク1にデータを記録する。磁気ディスク装置200は、磁気ディスク1と、SPM2と、ヘッドアクチュエータ3と、VCM4と、磁気ヘッド10と、SVC20と、ヘッドアンプIC30と、揮発性メモリ70と、不揮発性メモリ80と、バッファメモリ90と、システムコントローラ130と、を備える。
また、磁気ディスク装置200は、ホストシステム300(外部装置)と接続される。ホストシステム300は、例えば、サーバ等であって、磁気ディスク装置200へ所望の動作を行わせるコマンドを発行するコンピュータ装置である。ホストシステム300は、例えば、磁気ディスク装置200に対して、ライト指令やリード指令を送信する。
磁気ディスク1は、円盤状のアルミニウムやガラス基板等の物体に磁性層が形成されている記録媒体である。磁気ディスク1は、データ記録領域として、一時的にデータを記録する領域であるMC(Media Cache)領域100(一時記録領域)と、SMR領域110(瓦記録領域。データ記録領域)と、システム領域102と、を備えている。MC領域100は、SMR領域110のキャッシュである。
MC領域100は、例えば、磁気ディスク1上の外周側に確保される記録領域であり、瓦記録方式ではない通常のライト動作によりデータが書きこまれる低いトラック密度のデータ記録領域である。
SMR領域110は、瓦記録方式によって隣接するトラック同士の一部が重なるようにデータがライトされる高いトラック密度の記録領域である。SMR領域110には、ユーザデータ等が記録される。システム領域102は、管理情報を記憶するための領域である。
SPM(スピンドルモータ)2は、磁気ディスク1を回転駆動させる手段である。ヘッドアクチュエータ3は、先端の磁気ヘッド10を支持するアームである。VCM(ボイスコイルモータ)4は、ヘッドアクチュエータ3を駆動させる手段である。ヘッドアクチュエータ3は、VCM4の駆動によって動き、磁気ヘッド10を磁気ディスク1上の指定の位置まで移動させる。
磁気ヘッド10は、磁気ディスク1へのデータのライトや、磁気ディスク1に記録されているデータのリードを行う手段である。磁気ヘッド10は、スライダを本体として、当該スライダに実装されているライト磁気ヘッド10W、および、リード磁気ヘッド10Rを備える。ライト磁気ヘッド10Wは、磁気ディスク1上にデータを書き込む。リード磁気ヘッド10Rは、磁気ディスク1上に記録されているデータを読み出す。
SVC(サーボコントローラ)20は、サーボ制御部21とスピンドルモータ制御部22とを備えている。サーボ制御部21は、VCM4の駆動を制御する。スピンドルモータ制御部22は、SPM2の駆動を制御する。
スピンドルモータ制御部22は、MPU60のR/W制御部61からの指令に基づき、SMR領域110に対してデータのリード/ライトを行う場合の磁気ディスク1の回転速度である第1の回転速度(低速)を、MC領域100に対してデータのリード/ライトを行う場合の磁気ディスク1の回転速度である第2の回転速度(定速)よりも遅くする制御を行う。
また、スピンドルモータ制御部22は、SMR領域110に対してデータのリード/ライトを行う場合に磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にした後は、MC領域100に対してデータのリード/ライトを行う場合もその第1の回転速度(低速)を維持させてもよい(詳細は後述)。
また、第1の回転速度は、複数種類設定されていてもよい。そうすれば、例えば、磁気ディスク1の素材、サイズ、積層枚数等によってフラッタ成分の大きさが変わってくることに柔軟に対応できる。
また、スピンドルモータ制御部22は、R/W制御部61からの指令に基づき、MC領域100からデータのリードを行う場合であって、リードしたデータを、SMR領域110からリードしたデータとマージするときは、磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度にしてMC領域100からデータのリードを行う。
また、第1の回転速度と第2の回転速度のそれぞれに対応して、磁気ディスク1の回転に関係する各種パラメータが別々に設定されている。各種パラメータは、例えば、磁気ディスク1と磁気ヘッド10のクリアランス、磁気ヘッド10に流す電流の値等である。各種パラメータを別々に設定することで、それぞれの回転速度を適切に実現できる。
また、第1の回転速度(低速)を適用するSMR領域110の範囲は、すべてであってもよいし、あるいは、一部であってもよい。この範囲は、例えば、事前に磁気ディスク1を動作させてSMR領域110の領域ごとのフラッタ成分を測定すること等によって決定しておけばよい。その場合、スピンドルモータ制御部22は、R/W制御部61からの指令に基づき、SMR領域110における予め設定された所定の領域(例えば、外側の所定の領域)に対してデータのリード/ライトを行う場合に磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度とする制御を行う。これにより、磁気ディスク1の回転速度の低下にともなうパフォーマンスの低下を小さく抑えることができる。
ヘッドアンプIC30は、リードアンプおよびライトドライバを有する。リードアンプは、リード磁気ヘッド10Rにより読み出されたリード信号を増幅して、R/Wチャンネル40に伝送する。一方、ライトドライバは、R/Wチャンネル40から出力されるライトデータに応じたライト電流をライト磁気ヘッド10Wに伝送する。
揮発性メモリ70は、電源供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置200の各部での処理に必要なデータ等を格納する。揮発性メモリ70は、例えば、RAM(Random Access Memory)等である。
不揮発性メモリ80は、電源供給が断たれても保存しているデータを保持する半導体メモリである。不揮発性メモリ80は、例えば、フラッシュROM(Read Only Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等である。
バッファメモリ90は、送受信されるデータを一時的に格納する半導体メモリである。バッファメモリ90は、磁気ディスク1とホストシステム300との間で送受信されるデータ等を一時的に格納する。なお、バッファメモリ90は、揮発性メモリ70と一体に構成されていてもよい。
システムコントローラ130は、R/Wチャンネル40と、HDC(ハードディスクコントローラ)50と、MPU(Micro-Processing Unit)60と、を含む。R/Wチャンネル40は、リードデータおよびライトデータの信号処理を実行する。
HDC50は、ホストシステム300とR/Wチャンネル40との間のデータ転送を制御する。HDC50は、ディスク制御部51と、インタフェース制御部52と、コマンド制御部53と、バッファ制御部54とを備える。これらは、HDC50においてbus(バス)等を介して互いに接続されている。
ディスク制御部51は、R/Wチャンネル40と接続されており、磁気ディスク1の制御を行う。インタフェース制御部52は、ホストシステム300とR/Wチャンネル40との間のデータ転送の制御を行う。
コマンド制御部53は、ホストシステム300から受信するライトコマンド(ライト指令)またはリードコマンド(リード指令)に関する制御を行う。バッファ制御部54は、バッファメモリ90と接続されており、バッファメモリ90へのデータの送受信を制御する。バッファ制御部54は、例えば、磁気ディスク1から読み出したデータ、磁気ディスク1に書き込むデータ等をバッファメモリ90に一時的に格納する。
MPU60は、磁気ディスク装置200の各部を制御するメインコントローラである。MPU60は、例えば、SVC20のサーボ制御部21を介してVCM4を制御し、磁気ヘッド10の位置決めを行うサーボ制御を実行する。
MPU60は、R/W制御部61と、位置検出部62とを含む。なお、MPU60は、例えば、これら各部の処理をファームウェア上で実行する。
R/W制御部61は、ホストシステム300からのコマンドに従って、データの読み取り(リード)、および、書き込み(ライト)を制御する。R/W制御部61は、ライト磁気ヘッド10Wを制御して、磁気ディスク1上にデータを書き込むことにより、ライトトラックを構成する。瓦記録方式では、R/W制御部61は、隣り合うライトトラックを重ね書きする。また、R/W制御部61は、リード磁気ヘッド10Rを制御して、リードトラックからデータを読み込む。
位置検出部62は、磁気ディスク1上の検出領域の所定の位置から読み込んだデータの再生波形等を用いて、トラックの位置を検出する。
また、R/W制御部61は、例えば、SVC20のスピンドルモータ制御部22を介してスピンドルモータ制御部22を制御し、磁気ディスク1(SPM2)の回転速度を制御する。
次に、図2を参照して、SMR領域に瓦記録方式でデータを書き込む場合に関し、比較例(従来技術)におけるトラックピッチと実施形態におけるトラックピッチについて説明する。図2(1)は、比較例におけるトラックピッチを示す図である。図2(2)は、実施形態におけるトラックピッチを示す図である。
図2(1)に示す比較例における複数のトラック(Track0〜TrackN)と、図2(2)に示す実施形態における複数のトラック(Track0〜TrackN)のそれぞれにおいて、トラックピッチ(Tp)は、磁気ヘッド10の位置決め精度のバラツキ幅(Sw)、フリンジの影響幅(Fw)、および、リード磁気ヘッド10Rのコア幅(RHw)を加算したものである。なお、ライト磁気ヘッド10Wのコア幅(WHw)は図示の通りである。
ここで、両者を比較すると、フリンジの影響幅(Fw)、および、リード磁気ヘッド10Rのコア幅(RHw)は同等であるが、磁気ヘッド10の位置決め精度のバラツキ幅(Sw)は図2(2)に示す実施形態の場合のほうが小さい。これは、本実施形態においてSMR領域110に対してデータのリード/ライトを行う場合の磁気ディスク1の回転速度である第1の回転速度(低速)が、比較例の場合(第2の回転速度(定速))よりも遅く、本実施形態のほうが磁気ヘッド10の位置決め精度が高いためである。
このようにして、本実施形態の磁気ディスク装置200では、トラック密度を向上させることができる。
次に、実施形態の磁気ディスク装置200によるライト処理の理解を助けるために、図7を参照して、比較例の磁気ディスク装置によるライト処理について説明する。図7は、比較例の磁気ディスク装置によるライト処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、磁気ディスク装置は、ホストシステムからWT指令を受信する。
次に、ステップS2において、磁気ディスク装置は、WT指令の種類を判定し、ランダムWT(ホストシステムが指定する論理アドレスが連続しない書き込み)の場合はステップS3に進み、シーケンシャルWT(ホストシステムが指定する論理アドレスが連続する書き込み)の場合はステップS11に進む。
ステップS3において、磁気ディスク装置は、ホストシステムから受信したデータを磁気ディスクのMC領域にライトする。
次に、ステップS4において、MCが所定条件を満たしているか否かを判定し、Yesの場合はステップS5に進み、Noの場合はステップS12に進む。所定条件は、MC領域のデータをSMR領域に移動させるべきか否かを判定するための条件であり、例えば、「MC領域の使用率が70%以上」である。
ステップS5において、磁気ディスク装置は、MC領域のデータの中から、SMR領域に移動するデータを選択する。
次に、ステップS6において、磁気ディスク装置は、移動させるMC領域のデータをリードする。
次に、ステップS7において、磁気ディスク装置は、移動先のSMR領域のデータをリードする。
次に、ステップS8において、磁気ディスク装置は、ステップS6でリードしたMC領域のデータと、ステップS7でリードしたSMR領域のデータをマージする。
次に、ステップS9において、磁気ディスク装置は、ステップS8でマージしたデータをSMR領域にライトする。
次に、ステップS10において、磁気ディスク装置は、MCが終了条件を満たしているか否かを判定し、Yesの場合はステップS12に進み、Noの場合はステップS6に戻る。なお、ステップS4で用いた所定条件が「MC領域の使用率が70%以上」である場合、終了条件は、例えば、「MC領域の使用率が20%以下」である。
一方、ステップS11において、磁気ディスク装置は、ホストシステムから受信したデータを磁気ディスクのSMR領域にライトし、ステップS4に進む。
ステップS12において、磁気ディスク装置は、MC領域の管理情報を更新する。次に、ステップS13において、磁気ディスク装置は、ホストシステムに応答を送信する。
このようにして、比較例の磁気ディスク装置によるライト処理が実行されるが、磁気ディスクが回転するときの回転速度は常に一定である。
次に、図3を参照して、実施形態の磁気ディスク装置200による第1のライト処理について説明する。図3は、実施形態の磁気ディスク装置200による第1のライト処理を示すフローチャートである。この第1のライト処理では、SMR領域110にアクセス(リードまたはライト)する場合だけでなく、SMR領域110にアクセスする直前からホストシステム300に応答送信する直前まで、MC領域100にアクセスする場合も含めて、磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にする。また、スピンドルモータ制御部22は、MPU60のR/W制御部61からの指令に基づき、磁気ディスク1の回転速度を制御する。
まず、ステップS101において、インタフェース制御部52は、ホストシステム300からWT指令を受信する。
次に、ステップS102において、R/W制御部61は、WT指令の種類を判定し、ランダムWTの場合はステップS103に進み、シーケンシャルWTの場合はステップS115に進む。
ステップS103において、R/W制御部61は、ホストシステム300から受信したデータを磁気ディスク1のMC領域100にライトする。このとき、R/W制御部61は、磁気ディスク1の回転速度が第2の回転速度(定速)になるように制御する。
次に、ステップS104において、R/W制御部61は、MCが所定条件を満たしているか否かを判定し、Yesの場合はステップS105に進み、Noの場合はステップS112に進む。所定条件は、MC領域のデータをSMR領域に移動させるべきか否かを判定するための条件である。しかし、ここでの所定条件は、比較例の場合と異なり、例えば、「MC領域100の使用率が70%以上」(条件1)に加えて、「MC領域100の使用率が20%以上で、かつ、ホストシステム300からの指令を現時点で受信していないこと」(条件2)の2つである。この条件1、条件2のいずれかを満たせば、所定条件を満たしたことになる。条件2を設けた理由は、磁気ディスク1の回転速度を低下させることによるパフォーマンスの低下を補うためである。なお、70%や20%という数値は例であって、これらに限定されない。
ステップS112において、R/W制御部61は、MC領域100の管理情報(システム領域102に格納される管理情報)を更新し、ステップS124に進む。
ステップS105において、R/W制御部61は、MC領域100のデータの中から、SMR領域110に移動するデータを選択する。
次に、ステップS106において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第2の回転速度(定速)から第1の回転速度(低速)に変更する。
次に、ステップS107において、R/W制御部61は、移動させるMC領域100のデータをリードする。
次に、ステップS108において、R/W制御部61は、移動先のSMR領域110のデータをリードする。
次に、ステップS109において、R/W制御部61は、ステップS107でリードしたMC領域100のデータと、ステップS108でリードしたSMR領域110のデータをマージする。
次に、ステップS110において、R/W制御部61は、ステップS109でマージしたデータをSMR領域110にライトする。
次に、ステップS111において、R/W制御部61は、MCが終了条件を満たしているか否かを判定し、Yesの場合はステップS113に進み、Noの場合はステップS107に戻る。なお、ステップS104で用いた所定条件が「MC領域100の使用率が70%以上」(条件1)である場合、終了条件は、例えば、「MC領域100の使用率が20%以下」である。また、ステップS104で用いた所定条件が「MC領域100の使用率が20%以上で、かつ、ホストシステム300からの指令を現時点で受信していないこと」(条件2)である場合、終了条件は、例えば、「MC領域100の使用率が20%以下」、および、「ホストシステム300からの指令を新たに受信したこと」の少なくともいずれかを満たすことである。
一方、ステップS115において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第2の回転速度(定速)から第1の回転速度(低速)に変更する。
次に、ステップS116において、R/W制御部61は、ホストシステム300から受信したデータを磁気ディスク1のSMR領域110にライトする。
次に、ステップS117において、R/W制御部61は、MCが所定条件(ステップS104で用いた条件と同じ)を満たしているか否かを判定し、Yesの場合はステップS118に進み、Noの場合はステップS113に進む。
ステップS118において、R/W制御部61は、MC領域100のデータの中から、SMR領域110に移動するデータを選択する。
次に、ステップS119において、R/W制御部61は、移動させるMC領域100のデータをリードする。
次に、ステップS120において、R/W制御部61は、移動先のSMR領域110のデータをリードする。
次に、ステップS121において、R/W制御部61は、ステップS119でリードしたMC領域100のデータと、ステップS120でリードしたSMR領域110のデータをマージする。
次に、ステップS122において、R/W制御部61は、ステップS121でマージしたデータをSMR領域110にライトする。
次に、ステップS123において、R/W制御部61は、MCが終了条件(ステップS111で用いた条件と同じ)を満たしているか否かを判定し、Yesの場合はステップS113に進み、Noの場合はステップS119に戻る。
ステップS113において、R/W制御部61は、MC領域100の管理情報(システム領域102に格納される管理情報)を更新する。
次に、ステップS114において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第1の回転速度(低速)から第2の回転速度(定速)に戻す。
次に、ステップS124において、R/W制御部61は、ホストシステム300に応答を送信する。
このようにして、本実施形態の第1のライト処理によれば、SMR領域110にアクセスするときに磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にすることで磁気ヘッド10の位置決め精度を向上させ、トラック密度を向上させることができる。また、SMR領域110にアクセスする直前からホストシステム300に応答送信する直前まで、SMR領域110にアクセスする場合だけでなく、MC領域100にアクセスする場合も含めて磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にすることで、磁気ディスク1の回転速度の変更回数を少なく抑えることができ、制御内容が簡潔となる。
なお、各ステップの処理順序は、上述した順序に限定されない。例えば、ステップS114は、ステップS124の前でなく、ステップS124の後に実行してもよい。
次に、図4を参照して、実施形態の磁気ディスク装置200による第2のライト処理について説明する。図4は、実施形態の磁気ディスク装置200による第2のライト処理を示すフローチャートである。この第2のライト処理では、SMR領域110にアクセスする場合だけ、磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にする。以下、図3の説明と同様の事項については、説明を適宜省略する。
ステップS101〜S105は図3と同様である。ステップS105の後、ステップS131において、R/W制御部61は、移動させるMC領域100のデータをリードする。
次に、ステップS132において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第2の回転速度(定速)から第1の回転速度(低速)に変更する。
その後のステップS108〜S110は図3と同様である。ステップS110の後、ステップS133において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第1の回転速度(低速)から第2の回転速度(定速)に戻す。
次に、ステップS111において、R/W制御部61は、MCが終了条件を満たしているか否かを判定し、Yesの場合はステップS113に進み、Noの場合はステップS131に戻る。
一方、ステップS115、S116は図3と同様である。ステップS116の後、ステップS141において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第1の回転速度(低速)から第2の回転速度(定速)に戻す。
その後のステップS117〜S119は図3と同様である。ステップS119の後、ステップS142において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第2の回転速度(定速)から第1の回転速度(低速)に変更する。
その後のステップS120〜S122は図3と同様である。ステップS122の後、ステップS143において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第1の回転速度(低速)から第2の回転速度(定速)に戻す。その後のステップS123は図3と同様である。
ステップS113において、R/W制御部61は、MC領域100の管理情報(システム領域102に格納される管理情報)を更新する。
ステップS113の後、ステップS124において、R/W制御部61は、ホストシステム300に応答を送信する。
このようにして、本実施形態の第2のライト処理によれば、SMR領域110にアクセスするときに磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にすることで磁気ヘッド10の位置決め精度を向上させ、トラック密度を向上させることができる。また、SMR領域110にアクセスする場合だけ磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にし、MC領域100にアクセスするときはその都度、第2の回転速度(定速)に戻すことで、磁気ディスク1の回転速度の低下にともなうパフォーマンスの低下を小さく抑えることができる。
次に、実施形態の磁気ディスク装置200によるリード処理の理解を助けるために、図8を参照して、比較例の磁気ディスク装置によるリード処理について説明する。図8は、比較例の磁気ディスク装置によるリード処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS21において、磁気ディスク装置は、ホストシステムからRD指令を受信する。
次に、ステップS22において、磁気ディスク装置は、リード対象領域を判定し、MC領域の場合はステップS23に進み、SMR領域の場合はステップS25に進む。なお、リード対象領域がSMR領域の場合は、リード対象領域がSMR領域だけの場合と、リード対象領域がSMR領域およびMC領域の両方の場合と、2種類ある。
ステップS23において、磁気ディスク装置は、磁気ディスクのMC領域のデータをリードし、ステップS24に進む。
一方、ステップS25において、磁気ディスク装置は、磁気ディスクのSMR領域のデータをリードする。
次に、ステップS26において、磁気ディスク装置は、MC領域もリード対象領域か否かを判定し、Yesの場合はステップS27に進み、Noの場合はステップS24に進む。
ステップS27において、磁気ディスク装置は、MC領域のデータをリードする。次に、ステップS28において、磁気ディスク装置は、ステップS25でリードしたSMR領域のデータと、ステップS27でリードしたMC領域のデータをマージする。
ステップS24において、磁気ディスク装置は、ホストシステムに応答を送信する。つまり、磁気ディスク装置は、リードしたデータをホストシステムに送信する。
このようにして、比較例の磁気ディスク装置によるリード処理が実行されるが、磁気ディスクが回転するときの回転速度は常に一定である。
次に、図5を参照して、実施形態の磁気ディスク装置200による第1のリード処理について説明する。図5は、実施形態の磁気ディスク装置200による第1のリード処理を示すフローチャートである。この第1のリード処理では、SMR領域110からデータをリードする場合だけでなく、SMR領域110からデータをリードする直前からホストシステム300に応答送信する直前まで、MC領域100からデータをリードする場合も含めて、磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にする。また、スピンドルモータ制御部22は、MPU60のR/W制御部61からの指令に基づき、磁気ディスク1の回転速度を制御する。
まず、ステップS201において、インタフェース制御部52は、ホストシステム300からRD指令を受信する。
次に、ステップS202において、R/W制御部61は、リード対象領域を判定し、MC領域100の場合はステップS203に進み、SMR領域110の場合はステップS205に進む。なお、リード対象領域がSMR領域110の場合は、リード対象領域がSMR領域110だけの場合と、リード対象領域がSMR領域110およびMC領域100の両方の場合と、2種類ある。
ステップS203において、R/W制御部61は、磁気ディスク1のMC領域100のデータをリードし、ステップS204に進む。
一方、ステップS205において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第2の回転速度(定速)から第1の回転速度(低速)に変更する。
次に、ステップS206において、R/W制御部61は、磁気ディスク1のSMR領域110のデータをリードする。
次に、ステップS207において、R/W制御部61は、MC領域100もリード対象領域か否かを判定し、Yesの場合はステップS208に進み、Noの場合はステップS210に進む。
ステップS208において、R/W制御部61は、MC領域100のデータをリードする。次に、ステップS209において、R/W制御部61は、ステップS206でリードしたSMR領域110のデータと、ステップS208でリードしたMC領域100のデータをマージする。
次に、ステップS210において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第1の回転速度(低速)から第2の回転速度(定速)に戻し、ステップS204に進む。
ステップS204において、R/W制御部61は、ホストシステム300に応答を送信する。つまり、R/W制御部61は、リードしたデータをホストシステム300に送信する。
なお、各ステップの処理順序は、上述した順序に限定されない。例えば、ステップS210は、ステップS204の前でなく、ステップS204の後に実行してもよい。
このようにして、本実施形態の第1のリード処理によれば、SMR領域110からデータをリードするときに磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にすることで磁気ヘッド10の位置決め精度を向上させ、トラック密度を向上させることができる。また、SMR領域110からデータをリードする直前からホストシステム300に応答送信する直前まで、SMR領域110からデータをリードする場合だけでなく、MC領域100からデータをリードする場合も含めて磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にすることで、磁気ディスク1の回転速度の変更回数を少なく抑えることができ、制御内容が簡潔となる。
次に、図6を参照して、実施形態の磁気ディスク装置200による第2のリード処理について説明する。図6は、実施形態の磁気ディスク装置200による第2のリード処理を示すフローチャートである。この第2のリード処理では、SMR領域110からデータをリードする場合だけ、磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にする。以下、図5の説明と同様の事項については、説明を適宜省略する。
ステップS201〜S206は、図5と同様である。ステップS206の後、ステップS207において、R/W制御部61は、MC領域100もリード対象領域か否かを判定し、Yesの場合はステップS221に進み、Noの場合はステップS222に進む。
ステップS221において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第1の回転速度(低速)から第2の回転速度(定速)に戻す。
その後のステップS208、S209は図5と同様である。ステップS209の後、ステップS204に進む。
ステップS222において、R/W制御部61は、SPM2(磁気ディスク1)の回転速度を第1の回転速度(低速)から第2の回転速度(定速)に戻し、ステップS204に進む。
ステップS204において、R/W制御部61は、ホストシステム300に応答を送信する。つまり、R/W制御部61は、リードしたデータをホストシステム300に送信する。
このようにして、本実施形態の第2のリード処理によれば、SMR領域110からデータをリードするときに磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にすることで磁気ヘッド10の位置決め精度を向上させ、トラック密度を向上させることができる。また、SMR領域110からデータをリードする場合だけ磁気ディスク1の回転速度を第1の回転速度(低速)にし、MC領域100からデータをリードするときは第2の回転速度(定速)とすることで、磁気ディスク1の回転速度の低下にともなうパフォーマンスの低下を小さく抑えることができる。
このようにして、本実施形態によれば、磁気ディスク1の記録密度のさらなる向上が可能な瓦記録方式の磁気ディスク装置200を提供することができる。また、同時に、SMR領域110におけるリード時に磁気ディスク1の回転速度を低下させているのでエラーレートを改善することができる。
また、フラッタ成分の変化等を考慮して、第1の回転速度(低速)の場合のSMR領域110におけるBPI(Bit Per Inch)やTPI(Track Per Inch)を、第2の回転速度(定速)の場合のSMR領域110におけるBPIやTPIから適宜変更した値とすることで、BPIやTPIの最適化を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
上述の実施形態では、SMR領域110に対してデータのリード/ライトを行う場合の磁気ディスク1の回転速度である第1の回転速度を、MC領域100に対してデータのリード/ライトを行う場合の磁気ディスク1の回転速度である第2の回転速度よりも遅くするものとした。しかし、所定の状況下で磁気ディスク1の記録密度のさらなる向上が可能である場合は、第1の回転速度を第2の回転速度よりも速く制御してもよい。
1…磁気ディスク、2…SPM、3…ヘッドアクチュエータ、4…VCM、10…磁気ヘッド、10W…ライト磁気ヘッド、10R…リード磁気ヘッド、20…SVC、21…サーボ制御部、22…スピンドルモータ制御部、30…ヘッドアンプIC、40…R/Wチャンネル、50…HDC、51…ディスク制御部、52…インタフェース制御部、53…コマンド制御部、54…バッファ制御部、60…MPU、61…R/W制御部、62…位置検出部、70…揮発性メモリ、80…不揮発性メモリ、90…バッファメモリ、100…MC領域、102…システム領域、110…SMR領域、130…システムコントローラ、200…磁気ディスク装置、300…ホストシステム。
Claims (11)
- SMR(Shingled Magnetic Recording)によって隣接するトラック同士の一部を重ねてデータを記録する領域であるSMR領域、および、一時的にデータを記録する領域である一時記録領域、を有する磁気ディスクと、
前記SMR領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第1の回転速度を、前記一時記録領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第2の回転速度よりも遅くする制御を行う制御部と、を備える磁気ディスク装置。 - 前記第1の回転速度は、複数種類設定されている、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御部は、前記一時記録領域からデータのリードを行う場合であって、前記リードしたデータを、前記SMR領域からリードしたデータとマージするときは、前記磁気ディスクの回転速度を前記第1の回転速度にして前記一時記録領域からデータのリードを行う、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
- 前記第1の回転速度と前記第2の回転速度のそれぞれに対応して、前記磁気ディスクの回転に関係する各種パラメータが別々に設定されている、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御部は、前記SMR領域における予め設定された所定の領域に対してデータのリード/ライトを行う場合に前記磁気ディスクの回転速度を前記第1の回転速度に制御する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
- 前記所定の領域は、前記SMR領域において予め設定された外側の所定の領域である、請求項5に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御部は、外部装置からのライト指令の種類を判定し、シーケンシャルライトの指令の場合、前記磁気ディスクの回転速度を前記第1の回転速度に制御して前記SMR領域に対して前記外部装置から受信したデータのライトを行う、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御部は、外部装置からのライト指令の種類を判定し、ランダムライトの指令の場合、前記磁気ディスクの回転速度を前記第2の回転速度に制御して前記一時記録領域に対して前記外部装置から受信したデータのライトを行った後、所定条件を満たしているときは、前記一時記録領域のデータの中から前記SMR領域に移動するデータを選択し、前記磁気ディスクの回転速度を前記第1の回転速度に制御して前記SMR領域に対して前記選択したデータのライトを行う、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
- 前記制御部は、前記SMR領域に対して前記選択したデータのライトを行っている場合に、終了条件を満たしたときは、前記SMR領域に対する前記選択したデータのライトを停止し、前記磁気ディスクの回転速度を前記第1の回転速度から前記第2の回転速度に戻すように制御する、請求項8に記載の磁気ディスク装置。
- データを記録する領域であるデータ記録領域、および、一時的にデータを記録する領域である一時記録領域、を有する磁気ディスクと、
前記データ記録領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第1の回転速度と、前記一時記録領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第2の回転速度と、を異ならせる制御を行う制御部と、を備える磁気ディスク装置。 - SMRによって隣接するトラック同士の一部を重ねてデータを記録する領域であるSMR領域、および、一時的にデータを記録する領域である一時記録領域、を有する磁気ディスクを備える磁気ディスク装置の制御方法であって、
前記SMR領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第1の回転速度を、前記一時記録領域に対してデータのリード/ライトを行う場合の前記磁気ディスクの回転速度である第2の回転速度よりも遅くする制御を行う制御ステップを含む、制御方法。
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