JP2019053345A - 端末装置、シンクライアント変換方法およびシンクライアント変換プログラム - Google Patents

端末装置、シンクライアント変換方法およびシンクライアント変換プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】特殊なUSBデバイスを用いることなく、既存のパソコンのシンクライアント化を実現するとともに、ソフトウェアの更新に要する負荷を削減する。【解決手段】端末装置1であって、当該端末装置1のストレージを初期化し、仮想デスクトップサーバに接続するためのオペレーティングシステムを含むソフトウェアを、前記ストレージにインストールするインストール部11と、ネットワークを介して前記ソフトウェアの更新用ソフトウェアをダウンロードし、前記ストレージにインストールされた前記ソフトウェアを更新する管理部13と、前記ストレージから前記ソフトウェアが起動されることで、前記仮想デスクトップサーバに接続するVDI接続部15とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、既存の端末装置を、シンクライアントに変換する技術に関する。
近年、パソコン(端末装置)の利用については、メールやインターネットを通じたウィルス感染により、当該パソコンのハードディスクに記録されている情報の漏洩が問題となっている。また、ウィルス感染したパソコンで、企業のサーバ装置にアクセスすることにより、企業の情報システムへの不正アクセスが問題となっている。
このため、厳重な情報管理が必要とされる事業を行う企業等では、従業員等のユーザが使用するクライアント端末を、仮想デスクトップ環境で動作させるシンクライアント(ゼロクライアント)システムの導入が検討されている。
シンクライアントシステムにおいては、仮想デスクトップ環境でサーバ装置が集中的に各種ソフトウェア及びデータ等の資源を管理することにより、必要最低限の機能のみを有するパソコンがクライアント端末として使用される。このような端末装置であれば、ウィルス感染するリスクはなく、サーバ装置側だけでファイアーウオールなどのセキュリティ措置を講じることでウィルス感染のリスクを大きく低減することができる。
そのため、パソコンをシンクライアント化するニーズがあり、USBブート型シンクライアント技術が開発されている(非特許文献1参照)。
「秘匿領域を持つUSBシンクライアント Resalio Lynx」、インターネット、<URL:https://www.ascentech.co.jp/solution/resaliolynx/resaliolynx.html>
従来のUSBブート型シンクライアント技術は、パソコン本体のハードディスクとは別に、一切読み込み・書き込みが行えない特殊なUSBデバイスに所定のOS(Operating System)等のソフトウェアをインストールし、パソコンに差し込むことで、USBデバイス側のOS等を起動して、ウィルス感染のリスクのあるパソコン本体のハードディスクと切り離すことで、パソコンをシンクライアント化する。
しかし、USBブート型シンクライアント技術では、セキュリティを担保するために特殊なUSBデバイスを用いるため、一部のパソコンでは、USBブート型シンクライアント技術を利用できないという課題がある。すなわち、ある一部のパソコンでは、特殊なUSBデバイスとの相性が悪く、USBデバイス側のOSを起動できない場合がある。
また、従来のUSBブート側シンクライアント技術では、USBデバイスに格納されているソフトウェアをアップデートする際に、USBデバイスを一旦メーカーサイドに返却し、メーカーサイドでソフトウェアの書き換えを行う必要がある。そのため、多くの時間と工数(費用)が必要となるという課題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、特殊なUSBデバイスを用いることなく、既存のパソコンのシンクライアント化を実現するとともに、ソフトウェアの更新に要する負荷を削減することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、端末装置であって、当該端末装置のストレージを初期化し、仮想デスクトップサーバに接続するためのオペレーティングシステムを含むソフトウェアを、前記ストレージにインストールするインストール部と、ネットワークを介して前記ソフトウェアの更新用ソフトウェアをダウンロードし、前記ストレージにインストールされた前記ソフトウェアを更新する管理部と、前記ストレージから前記ソフトウェアが起動されることで、前記仮想デスクトップサーバに接続する接続部と、を備える。
本発明は、端末装置が行うシンクライアント変換方法であって、当該端末装置のストレージを初期化し、仮想デスクトップサーバに接続するためのオペレーティングシステムを含むソフトウェアを、前記ストレージにインストールするインストールステップと、ネットワークを介して前記ソフトウェアの更新用ソフトウェアをダウンロードし、前記ストレージにインストールされた前記ソフトウェアを更新する管理ステップと、前記ストレージから前記ソフトウェアを起動して、前記仮想デスクトップサーバに接続する接続ステップと、を行う。
本発明は、上記シンクライアント変換方法を、コンピュータに実行させるためのシンクライアント変換プログラムである。
本発明によれば、特殊なUSBデバイスを用いることなく、既存のパソコンのシンクライアント化を実現するとともに、ソフトウェアの更新に要する負荷を削減することができる。
本発明の実施形態に係るシンクライアントシステムの構成を示す図である。 端末装置のソフトウェア構成を示す図である。 端末装置の機能ブロック図である。 インストールの流れを示すフローチャートである。 インストールの流れを示すフローチャートである。 メニューウィンドウの一例を示す図である。 使用許諾確認ウィンドウの一例を示す図である。 ネットワーク設定ウィンドウの一例を示す図である。 タイムゾーン設定ウィンドウの一例を示す図である。 キーボード設定ウィンドウの一例を示す図である。 設定サーバ登録ウィンドウの一例を示す図である。 ライセンスキー登録ウィンドウの一例を示す図である。 インストール確認ウィンドウの一例を示す図である。 インストール完了ウィンドウの一例を示す図である。 端末起動の流れを示すフローチャートである。 端末起動の流れを示すフローチャートである。 設定ファイルの一例を示す図である。 確認ウィンドウの一例を示す図である。 メニューウィンドウの一例を示す図である。 VDI接続の流れを示すフローチャートである。 ユーザ認証ウィンドウの一例を示す図である。 選択ウィンドウの一例を示す図である。 仮想デスクトップ画面の一例を示す図である。 ハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
1.システム構成
図1は、本発明の実施形態に係るシンクライアントシステムのシステム構成例である。図1に示すシンクライアントシステムは、端末装置1と、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)サーバ2と、DHCPサーバ3と、設定サーバ4とを備える。
端末装置1は、例えば、一般的なパソコン(PC:Personal Computer)などである。本実施形態では、FAT-PCなどの既存の端末装置1に所定のソフトウェアをインストールすることで、シンクライアント化する。
VDIサーバ2(仮想デスクトップサーバ)は、仮想デスクトップ環境をシンクライアントに提供する。具体的には、VDIサーバ2は、画面情報をシンクライアントに送信するとともに、シンクライアントからの操作情報を受信することで、仮想デスクトップ環境を提供する。
DHCPサーバ3は、ネットワークに接続する端末装置1に、IPアドレスなどの必要なネットワーク情報を発行する。なお、シンクライアントシステムは、DHCPサーバ3を必ずしも備えなくてもよい。DHCPサーバ3が無い場合、ユーザが、端末装置1に必要なネットワーク情報を入力する。
設定サーバ4は、端末装置1の設定に必要な設定情報を保持し、端末装置1に配信する。また、設定サーバ4は、端末装置1にインストールしたソフトウェアを更新するための更新用ソフトウェアを保持し、端末装置1に配信する。
ここで、図1を用いて、端末装置1をシンクライアントに変換する処理の概要を説明する。既存の端末装置1に、インストールメディア5に格納されたシンクライアント化するためのソフトウェアを、インストールする(S1)。これにより、端末装置1は、DHCPサーバ3からネットワーク情報および設定サーバ4のアドレスを取得する(S2)。
そして、端末装置1は、DHCPサーバ3から取得した設定サーバ4のアドレスを用いて設定サーバ4にアクセスし、各種の設定情報が記憶された設定ファイルをダウンロードする(S3)。また、設定サーバ4にS1でインストールしたソフトウェアの更新用ソフトウェアがある場合、端末装置1は、更新用ソフトウェアをダウンロードし、再インストールする。端末装置1において、S1〜S3が実行されることで、既存の端末装置1が、シンクライアントに変換される。シンクライアント化された端末装置1は、VDIサーバ2に接続し、VDIサーバ2に構築された仮想デスクトップ環境を使用することができる(S4)。
2.ソフトウェア(ファームウェア)構成
図2は、インストールメディア5に格納されたソフトウェア(ファームウェア)の構成の一例を示すものである。図示するソフトウェアが、端末装置1にインストールされる。
図示するソフトウェア構成は、変換ソフトウェア10(シンクライアント変換プログラム)と、VDIソフトウェア20とを備える。変換ソフトウェア10は、端末装置1をシンクライアント化するためのソフトウェアである。VDIソフトウェア20は、VDIサーバ2に接続するためのOSを含むソフトウェアである。
VDIソフトウェア20は、OSとしてLinuxカーネル21と、Linuxディストリビューション22〜26とを含む。ここでは、LinuxディストリビューションとしてUbuntu系のディスプレイマネージャ22と、ネットワークマネージャ23と、デバイスマネージャ24と、RDPクライアント25と、Firefoxブラウザ26とを用いる。RDPクライアント25はRDP(Remote Desktop Protocol)を用いてVDIサーバ2との間で画面転送するためのソフトウェアである。Firefoxブラウザ26は、各種ポータルサイトへの接続、認証等を行うためのソフトウェアである。
また、本実施形態のソフトウェア構成では、RDPクライアント25以外にも、複数の画面転送ソフトウェア27、28を備える。画面転送ソフトウェア27、28としては、例えば、Citrix Receiver (HDX:High Definition eXperienceプロトコル)、VMware Horizon Client(PCoIP:PC over IPプロトコル)など用いることができる。
変換ソフトウェア10は、VDIソフトウェア20を端末装置1にインストールし、既存の端末装置(Fat Client、FAT PC)を、シンクライアント化するためのソフトウェアである。変換ソフトウェア10によりシンクライアント化された端末装置1は、ソフトウェア・デファインド・シンクライアント(Software Defined Thin Client)となる。
3.端末装置1の構成
図3は、シンクライアント化された端末装置1の機能ブロック図の一例を示す図である。図示する端末装置1は、インストール部11と、設定部12と、管理部13と、メニュー生成部14と、VDI接続部15とを備える。これらは、図2の変換ソフトウェア10を実行することで実現される機能である。
インストール部11は、端末装置1のストレージを初期化し、インストールメディア5に格納されたソフトウェアをストレージにインストールする。設定部12は、設定サーバ4から当該端末装置1用の設定情報を取得し、前記設定情報を用いて端末装置1の各種設定を行う。管理部13は、ソフトウェアを更新するか否かを判別し、更新する場合はネットワーク(ここでは、設定サーバ4)を介してソフトウェアの更新用ソフトウェアをダウンロードし、ストレージにインストールされたソフトウェアを更新する。また、管理部13は、変換ソフトウェア10のライセンスキーを管理する。
メニュー生成部14は、設定情報に含まれるアプリケーション情報に基づいて、メニューウィンドウを生成する。VDI接続部15は、ストレージにインストールされたソフトウェアが起動されることで、VDIサーバ2に接続する。
また、端末装置1は、インストールされたソフトウェアを記憶するソフトウェア記憶部16と、各種の設定情報を記憶する設定情報記憶部17とを備える。なお、これらの記憶部16、17は、ストレージに構成される。
4.端末装置の動作
次に、本実施形態の端末装置の動作例を、説明する。ここでは、「インストール」、「端末起動」および「VDIサーバ接続」の各動作について説明する。
4.1 インストール
図4Aおよび図4Bは、インストールの流れを示すフローチャートである。
ユーザは、図2に示すソフトウェアが格納されたインストールメディア5を端末装置1にセットし、端末装置1の電源をオンする(S11)。インストールメディア5は、例えば、CD-ROM、DVD、USBメモリなどである。なお、ここで使用するUSBメモリは、一般的なUSBメモリである。
これにより、端末装置1は、図2に示すLinuxカーネルを当該端末装置1のメモリ(RAM)上に読み込んで初期化し、使用可能な状態にする。これにより、Linuxカーネルが、図2に示すLinuxカーネル以外のソフトウェア(ファイルシステムイメージ)をメモリ上に読み込む(S12)。そして、Linuxカーネルが、デスクトップ環境(図2のディスプレイマネージャ、ネットワークマネージャ)を初期化して使用可能な状態にし(S13)、変換ソフトウェア10を起動する(S14)。
これにより、変換ソフトウェア10が実行され、当該変換ソフトウェア10により実現されるインストール部11は、メニューウィンドウを端末装置1のディスプレイに表示する(S15)。
図5は、メニューウィンドウの一例を示す図である。インストール部11は、ユーザがメニューウィンドウのインストールボタンをクリックすることで、インストール開始指示を受け付けると(S16:YES)、端末装置1の仕様が、シンクライアントとして機能するためのハードウェアの所定の要件(条件)を満たしているか否かを判別する(S17)。具体的には、インストール部11は、端末装置1のハードウェア仕様を収集し、所定の要件を満たしているか否かを判別する。ハードウェア仕様は、例えば、CPU性能、メモリ容量、ストレージ(HDD/SDD)容量、LAN、ディスプレイの解像度、入出力装置などである。
所定の要件を満たしていない場合(S17:NO)、エラーメッセージをディスプレイに出力し(S18)、S15に戻る。一方、所定の要件を満たしている場合(S17:YES)、インストール部11は、使用許諾確認ウィンドウをディスプレイに表示し、使用許諾契約書(EULA:End-User License Agreement)に同意するか否かをユーザに確認する(S19)。
図6は、使用許諾確認ウィンドウの一例を示す図である。ユーザが使用許諾確認ウィンドウの「ソフトウェア使用許諾に同意する」をクリックすることで、同意の指示を入力する(S19:YES)。
これにより、インストール部11は、ネットワーク情報を設定する(S20)。具体的には、インストール部11は、ネットワーク設定ウィンドウをディスプレイに表示し、ユーザが入力したネットワーク情報を用いて、端末装置1のネットワークを設定する。
図7は、ネットワーク設定ウィンドウの一例を示す図である。ユーザは、当該ウィンドウにホストネームなどのネットワーク情報を入力する。なお、DHCPサーバ3を備える場合は、ホストネーム以外のネットワーク情報はDHCPサーバ3から取得可能であるため、ユーザは、自動設定のボタンをクリックすることとしてもよい。
そして、インストール部11は、タイムゾーンを設定する(S21)。具体的には、インストール部11は、タイムゾーン設定ウィンドウをディスプレイに表示し、ユーザが入力したタイムゾーンを用いて、端末装置1のタイムゾーンを設定する。
図8は、タイムゾーン設定ウィンドウの一例を示す図である。ユーザは、当該端末装置1を使用する地域(国、都市など)を選択する。
そして、インストール部11は、キーボードの配列を設定する(S22)。具体的には、インストール部11は、キーボード設定ウィンドウをディスプレイに表示し、ユーザが入力したキーボードの配列で端末装置1のキーボードを設定する。
図9は、キーボード設定ウィンドウの一例を示す図である。ユーザは、当該端末装置1で使用するキーボードの配列(例えば、OADG 109Aキーボードなど)を選択する。
そして、インストール部11は、設定サーバを登録する(S23)。具体的には、インストール部11は、設定サーバ登録ウィンドウをディスプレイに表示し、ユーザが入力した設定情報のアドレスで、端末装置1の設定サーバを設定する。
図10は、設定サーバ登録ウィンドウの一例を示す図である。ユーザは、設定サーバのアドレス(URL)を当該ウィンドウに入力する。なお、DHCPサーバ3を備える場合は、設定サーバのアドレスはDHCPサーバ3から取得可能であるため、ユーザは、自動設定のボタンをクリックすることとしてもよい。
そして、インストール部11は、変換ソフトウェア10のライセンスキーの入力を受け付ける(S24)。具体的には、端末装置1は、ライセンスキー登録ウィンドウをディスプレイに表示し、ユーザの入力を受け付ける。
図11は、ライセンスキー登録ウィンドウの一例を示す図である。ユーザは、あらかじめ取得したライセンスキーを当該ウィンドウに入力する。変換ソフトウェ端末装置1の管理部13は、ユーザが入力したライセンスキーが有効・正当であるか否かを判別し、有効な場合は以降の処理を続行し、無効の場合は処理を終了する。
そして、図4Bに進み、インストール部11は、インストールメディア5に格納されたソフトウェアを、当該端末装置1が内蔵するストレージにインストールするか否かを、ユーザに確認する(S25)。インストール部11は、インストール確認ウィンドウをディスプレイに表示する。
図12は、インストール確認ウィンドウの一例を示す図である。ユーザが当該ウィンドウの「はい」のボタンをクリックすることで、ストレージへのインストール開始指示を入力されると(S25:YES)、インストール部11は、ストレージを初期化する(S26)。すなわち、端末装置1のハードウェアに今までインストールされていたOS(例えば、Windows(登録商標))、データ、ファイルなどが全て消去される。これにより、端末装置1のFat Client/FAT PCとしての機能が失われる。
そして、インストール部11は、S11と同様に、インストールメディア5に格納されたソフトウェアをストレージにインストールする。具体的には、インストール部11は、インストールメディア5のLinuxカーネルを当該端末装置1のストレージ(ソフトウェア記憶部16)に書き込み、インストール用メディアのLinuxカーネル以外のソフトウェアをストレージ(ソフトウェア記憶部16)に書き込む(S27)。そして、インストール部11は、S20からS24で収集・設定した各種の設定情報をストレージ(設定情報記憶部17)に書き込む(S28)。
S26〜S28のインストールが正常に完了した場合(S29:YES)、インストール部11は、インストール完了ウィンドウをディスプレイに出力する(S30)。これにより、インストールが終了する。一方、インストールが正常に完了しない場合(S29:NO)、インストール部11は、エラーメッセージを出力し(S31)、図4AのS15に戻る。
図13は、インストール完了ウィンドウの一例を示す図である。これにより、ユーザは、当該ウィンドウに記載されたメッセージに従って、端末装置1にセットされたインストールメディア5を取り外し、再起動ボタンをクリックする。これにより、端末装置1が再起動され、後述する端末起動が開示される。
4.2 端末起動
図14Aおよび図14Bは、端末起動の流れを示すフローチャートである。図示する端末起動の操作は、インストールの直後だけでなく、シンクライアント化された端末装置1を起動する度に行われる。
ユーザが、図13に示すインストール完了ウィンドウの再起動ボタンをクリックすることで、端末装置1の電源がオンされ、端末装置1が再起動される(S41)。これにより、端末装置1は、ストレージにインストールされたLinuxカーネルを、メモリに読み込み、初期化して使用可能な状態にする。そして、Linuxカーネルは、ストレージにインストールされたLinuxカーネル以外のソフトウェアをメモリに読み込む(S42)。そして、Linuxカーネルは、デスクトップ環境(図2のディスプレイマネージャ、ネットワークマネー)を初期化して使用可能な状態にし(S43)、変換ソフトウェア10を起動する(S44)。
これにより、変換ソフトウェア10が実行され、当該変換ソフトウェア10により端末装置1で実現される設定部12は、図4AのS20で入力され、ストレージに格納されたネットワーク情報に基づいて、当該端末装置1のネットワークの設定を行う(S45)。そして、設定部12は、当該端末装置1が接続されたネットワーク上(例えば、LAN)に、DHCPサーバ3が存在するか否かを判別し(S46)、DHCPサーバ3が存在する場合(S46:YES)、DHCPサーバ3からDHCP設定情報(ネットワーク情報)を取得する(S47)。そして、設定部12は、DHCP設定情報に基づいて端末装置1のセットワーク情報の設定を行う。また、設定部12は、DHCP設定情報に設定サーバ4のアドレスが含まれている場合(S48:YES)、当該設定サーバ4のアドレスを、ストレージの設定情報記憶部17に記憶する(S49)。
一方、DHCPサーバ3が存在しない場合(S46:NO)、設定部12は、図4AのS23で入力され、ストレージに格納されたネットワーク情報を用いて端末装置1のネットワークの設定を行うとともに、ストレージから設定サーバ4のアドレスを取得する(S53)。また、DHCP設定情報に設定サーバのアドレスが含まれてない場合(S48:NO)、設定部12は、図4AのS23で入力され、ストレージに格納された設定サーバ4のアドレスを取得する(S53)。
設定部12は、S49またはS53で取得した設定サーバ4のアドレスを用いて、設定サーバ4にアクセスし、設定ファイルをダウンロードする(S50)。ダウンロードに成功した場合(S51:YES)、設定部12は、当該設定ファイルを基づいて変換ソフトウェア10における端末装置1の設定を行う(S52)。一方、設定サーバから設定ファイルがダウンロードできない場合(S51:NO)、設定部12は、あらかじめ設定されたデフォルトの設定ファイルの情報を基づいて変換ソフトウェア10における端末装置1の設定を行う(S54)。
設定ファイルには、当該端末装置1が使用可能なアプリケーション、アプリケーション毎の設定情報、更新用ソフトウェアの適用ポリシーなど、変換ソフトウェア10に対する当該端末装置1の各種の設定情報が設定されている。ここでいうアプリケーションは、図2に示すソフトウェア構成のRDPクライアント25、Firefoxブラウザ26、Citrix Receiver27、VMware Horizon Client28などである。設定サーバ4は、端末装置1毎に、これらの設定情報が設定された設定ファイルを生成し、端末装置1からの要求に応じて設定ファイルを配信する。
図15は、設定ファイルの一例を示す図である。図示する設定ファイルには、共通設定パラメータとして、例えば、更新ソフトウェアの更新ポリシーが含まれる。具体的には、設定サーバ4に格納された更新用ソフトウェアを、「1:アップグレードおよびダウングレートともに許可しない」、「2:アップグレードおよびダウングレートともに許可する」、「3:アップグレードのみ許可する」および「4:ダウングレートのみ許可する」のいずれかが設定されている。また、アプリケーション毎のパラメータとして、当該アプリケーションを使用するか否か、使用する場合は当該アプリケーションで必要なパラメータが設定されている。
そして、設定部12は、設定サーバに更新用ソフトウェア(更新用イメージファイル)が登録されているか否かを判別する(S55)。更新用ソフトウェアは、インストールメディア5に格納され、ストレージにインストールされた複数のソフトウェア(図2参照)をアップグレード(バージョンアップ)またはダウングレード(バージョンダウン)するためのソフトウェアであって、図2に示す複数のソフトウェアを1つのイメージファイルとしてまとめたものである。更新用ソフトウェアは、本システムのサービス提供サーバ(メーカーサイド)からネットワークを介して提供され、設定サーバ4に格納される。
更新用ソフトウェアが登録されている場合(S56:YES)、設定部12は、当該更新用ソフトウェアをダウンロードするか否かを判定する(S57)。具体的には、設定部12は、更新用ソフトウェアのバージョンを設定サーバ4から取得し、更新用ソフトウェアのバージョンと、自身の端末装置1にインストールされたソフトウェアのバージョンと、設定ファイルの設定情報(更新ソフトウェアの更新ポリシー)とを用いて、更新用ソフトウェアをダウンロードするか否かを判定する(S57)。例えば、設定情報に「3:アップグレードのみ許可する」と設定されている場合は、自身の端末装置1にインストールされたソフトウェアのバージョンより、更新用ソフトウェアのバージョンの方が大きい場合にダウンロードすると判定する。
ダウンロードすると判定した場合(S57:YES)、設定部12は、設定サーバから更新用ソフトウェアをダウンロードする(S58)。この場合(S57:YES)、設定部12は、ダウンロードの可否を問い合わせる確認ウィンドウをディスプレイに表示し、ユーザに問い合わせることとしてもよい。
図16は、確認ウィンドウの一例を示す図である。ユーザが確認ウィンドウのOKボタンをクリックすることで、設定部12は、更新用ソフトウェアのダウンロードを行うこととしてもよい(S58)。
そして、設定部12は、ダウンロードした更新用ソフトウェアをストレージにインストールして、ストレージのソフトウェアを更新する(S59)。すなわち、設定部12は、ストレージに格納されたソフトウェアをアップグレードまたはダウングレードする。なお、バージョンダウンする場合の例としては、現在のソフトウェアにバグなどの不具合があるため、元の古いバージョンに戻すことなどが考えらえる。
更新用ソフトウェアのインストールが正常に完了した場合(S60:YES)、設定部12は、例えば図13に示すようなインストール完了ウィンドウをディスプレイに出力し、ユーザが再起動ボタンをクリックすることで、端末装置1を再起動し、図14AのS41に戻る。一方、インストールが正常に完了しない場合(S60:NO)、設定部12は、エラーメッセージを出力し(S62)、S63に進む。
更新用ソフトウェアが登録されていない場合(S56:NO)、メニュー生成部14は、設定ファイルの設定情報(設定値)に基づいてメニューウィンドウを生成し(S63)、ディスプレイに64する(S64)。
図17は、メニューウィンドウの一例を示す図である。図示する例では、第1のアプリケーション(例えば、RDPクライアント)を起動するためのボタン161と、第2のアプリケーション(例えば、Citrix Receiver)を起動するためのボタン162と、第3のアプリケーション(例えば、Firefoxブラウザ)を起動するためのボタン163と、電源オフするための電源ボタン164と、コントロールパネルを呼び出すためのボタン165とを備える。なお、コントロールパネル165は、図43AのS20〜S23を変更するためのウィンドウである。設定部12は、ユーザの指示(メニューウィンドウのいずれかのボタンのクリック)を受け付けるまで待機する。
4.3 VDI接続
図18は、VDI接続の流れを示すフローチャートである。図示する例では、ユーザが図17に示すメニューウィンドウの第2のアプリケーションを起動するためのボタン162(VDI接続ボタン)をクリックして、VDIサーバ2に接続する動作を示すものである。
ユーザがメニューウィンドウのボタン162をクリックすることで(S71)、VDI接続部15は、対応するVDIサーバ2に接続要求を送信して接続する(S72)。そして、VDI接続部15は、VDIサーバ2から送信されたユーザ認証ウィンドウをディスプレイに表示し、ユーザが入力した認証情報をVDIサーバ2に送信する(S73)。
図19は、ユーザ認証ウィンドウの一例を示す図である。VDIサーバ2は、端末装置1から送信された認証情報が正当な認証情報か否かを認証(判別)し、認証処理に成功した場合(S74:YES)、当該端末装置1で使用可能なVDI環境(仮想デスクトップ環境)のアイコンが設定されたウィンドウを端末装置1に送信する。VDI接続部15は、VDIサーバ2から送信されたVDI環境のアイコンが設定された選択ウィンドウをディスプレイに表示する(S75)。
図20は、選択ウィンドウの一例を示す図である。図示する例では、当該端末装置1では、3つのVDI環境を使用可能であることを示している。ユーザは、所望のVDI環境のアイコンをクリックして選択する(S76)。これにより、VDI接続部15は、VDIサーバ2の選択されたDVI環境にアクセスし、当該端末装置1用のデスクトップ画面を当該端末装置1のディスプレイに表示する。
図21は、端末装置1のディスプレイに表示された、VDIサーバ2から転送された仮想デスクトップ画面の一例を示す図である。そして、ユーザは、仮想デスクトップ画面を使用して所望の操作を行う。
なお、端末装置1が初めてVDIサーバ2に接続する場合、VDIサーバ2は、デスクトップ画面を転送する前に、図6に示すような使用許諾確認ウィンドウを端末装置1に送信し、使用許諾契約書に同意するか否かをユーザに確認し、ユーザが使用許諾に同意する場合に、仮想デスクトップ画面を端末装置1に送信することとしてもよい。
以上説明した本実施形態では、端末装置1は、当該端末装置1のストレージを初期化し、仮想デスクトップサーバに接続するためのオペレーティングシステムを含むソフトウェアを、前記ストレージにインストールするインストール部と、ネットワークを介して前記ソフトウェアの更新用ソフトウェアをダウンロードし、前記ストレージにインストールされた前記ソフトウェアを更新する管理部と、前記ストレージから前記ソフトウェアが起動されることで、前記仮想デスクトップサーバに接続する接続部とを備える。
このように本実施形態では、特殊なUSBデバイスを用いることなく、端末装置1本体のストレージからソフトウェアを起動することで、特殊なUSBデバイスからソフトウェアを起動できない端末装置1であっても、シンクライアント化することができる。
また、本実施形態では、ストレージにインストールされたソフトウェアを、ネットワークを介してダウンロードした更新用ソフトウェアを用いて更新するため、ソフトウェアの更新に要する負荷を削減することができる。また、これにより、最新のPCハードウェアへの対応、および、セキュリティ脆弱性への対応が容易となる。
本実施形態では、設定サーバ4から端末装置1毎の設定情報を取得し、当該設定情報を用いて端末装置1の設定を行う。これにより、本実施形態では、管理者が手動で各端末装置1の設定作業を行うことなく、設定サーバ4に各端末装置1の設定ファイルを作成しておくだけで、容易に端末装置1の設定を行うことができる。また、設定サーバ4からの設定ファイルのダウンロードは、端末装置1の起動時(図14A、14B)に必ず行われるため、設定変更の際にも、最新の設定情報を端末装置1に容易に反映することができる。
本実施形態では、設定情報には、端末装置1が使用可能なアプリケーションを示すアプリケーション情報が含まれ、アプリケーション情報に基づいて、メニューウィンドウを生成する。これにより、端末装置1で使用可能なメニューウィンドウを容易に生成することができる。
本実施形態では、設定情報には、ソフトウェアの更新ポリシーが含まれ、設定サーバ4に更新用ソフトウェアが存在する場合、更新ポリシーを用いて更新用ソフトウェアをダウンロードするか否かを判定する。これにより、端末装置毎の更新ポリシーに基づいてソフトウェアのダウンロードおよび更新を行うことで、端末装置1毎(または企業・部署毎)の運用に合わせて柔軟にソフトウェアの更新を行うことができる。また、本実施形態では、ソフトウェアのバージョン管理に要する管理者の負荷を大幅に削減することができる。また、設定サーバ4に更新用ソフトウェアが登録されているか否かの判定は、端末装置1の起動時(図14A、14B)に必ず行われるため、最新のバージョンのソフトウェアを容易に反映することができる。また、本実施形態では、図2に示す複数のソフトウェアを1つにまとめた更新用ソフトウェア(更新用イメージファイル)を用いて、ソフトウェアのバージョン管理を行う。これにより、各ソフトウェアのバージョン管理が容易になる。
また、本実施形態では、設定サーバ4のアドレスをDHCPサーバから取得する。これにより、ユーザの設定サーバ4の入力負荷を削減し、ユーザの利便性を向上することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、インストールメディア5(USBメモリ、DVDなど)を用いて、図2に示すソフトウェアを端末装置1にインストールすることとしたが、インストールメディアを用いることなく、ネットワークからソフトウェアをダウンロードし、端末装置1にインストールすることとしてもよい。
上記説明した、端末装置1には、例えば、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)901と、メモリ902と、ストレージ903(HDD:Hard Disk Drive、SSD:Solid State Drive)と、通信装置904と、入力装置905と、出力装置906とを備える汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPU901がメモリ902上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、端末装置1の各機能が実現される。また、発信端末1用のプログラムは、HDD、SSD、USBメモリ、CD-ROM、DVD-ROM、MOなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
1 :端末装置
11:インストール部
12:設定部
13:管理部
14:メニュー生成部
15:VDI接続部
16:ソフトウェア記憶部
17:設定情報記憶部
2 :VDIサーバ
3 :DHCPサーバ
4 :設定サーバ
5 :インストールメディア
10:変換ソフトウェア

Claims (11)

  1. 端末装置であって、
    当該端末装置のストレージを初期化し、仮想デスクトップサーバに接続するためのオペレーティングシステムを含むソフトウェアを、前記ストレージにインストールするインストール部と、
    ネットワークを介して前記ソフトウェアの更新用ソフトウェアをダウンロードし、前記ストレージにインストールされた前記ソフトウェアを更新する管理部と、
    前記ストレージから前記ソフトウェアが起動されることで、前記仮想デスクトップサーバに接続する接続部と、を備えること
    を特徴とする端末装置。
  2. 請求項1記載の端末装置であって、
    設定サーバから当該端末装置用の設定情報を取得し、前記設定情報を用いて前記端末装置の設定を行う設定部を備えること
    を特徴とする端末装置。
  3. 請求項2記載の端末装置であって、
    前記設定情報には、前記端末装置が使用可能なアプリケーションを示すアプリケーション情報が含まれ、
    前記アプリケーション情報に基づいて、メニューウィンドウを生成するメニュー生成部を備えること
    を特徴とする端末装置。
  4. 請求項2または3記載の端末装置であって、
    前記設定情報には、前記ソフトウェアの更新ポリシーが含まれ、
    前記管理部は、前記設定サーバに前記更新用ソフトウェアが存在する場合、前記更新ポリシーを用いて前記更新用ソフトウェアをダウンロードするか否かを判定すること
    を特徴とする端末装置。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載の端末装置であって、
    前記設定部は、前記設定サーバのアドレスをDHCPサーバから取得すること
    を特徴とする端末装置。
  6. 端末装置が行うシンクライアント変換方法であって、
    当該端末装置のストレージを初期化し、仮想デスクトップサーバに接続するためのオペレーティングシステムを含むソフトウェアを、前記ストレージにインストールするインストールステップと、
    ネットワークを介して前記ソフトウェアの更新用ソフトウェアをダウンロードし、前記ストレージにインストールされた前記ソフトウェアを更新する管理ステップと、
    前記ストレージから前記ソフトウェアを起動して、前記仮想デスクトップサーバに接続する接続ステップと、を行うこと
    を特徴とするシンクライアント変換方法。
  7. 請求項6記載のシンクライアント変換方法であって、
    設定サーバから当該端末装置用の設定情報を取得し、前記設定情報を用いて前記端末装置の設定を行う設定ステップを行うこと
    を特徴とするシンクライアント変換方法。
  8. 請求項7記載のシンクライアント変換方法であって、
    前記設定情報には、前記端末装置が使用可能なアプリケーションを示すアプリケーション情報が含まれ、
    前記アプリケーション情報に基づいて、メニューウィンドウを生成する生成ステップを行うこと
    を特徴とするシンクライアント変換方法。
  9. 請求項7または8記載のシンクライアント変換方法であって、
    前記設定情報には、前記ソフトウェアの更新ポリシーが含まれ、
    前記管理ステップは、前記設定サーバに前記更新用ソフトウェアが存在する場合、前記更新ポリシーを用いて前記更新用ソフトウェアをダウンロードするか否かを判定すること
    を特徴とするシンクライアント変換方法。
  10. 請求項7から9のいずれか1項に記載のシンクライアント変換方法であって、
    前記設定ステップは、前記設定サーバのアドレスをDHCPサーバから取得すること
    を特徴とするシンクライアント変換方法。
  11. 請求項6から10のいずれか1項に記載のシンクライアント変換方法を、コンピュータに実行させるためのシンクライアント変換プログラム。
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