第1の従来技術では、開口部19Aの直径が前ブレードの外径の1/2程度と大きくなく、単位時間当たりの空気の吸込み量が多くなかった。吸込み量を増加させるためには、開口部19Aの開口面積を大きくする必要があるが、開口部19Aの開口面積を大きくすると、ファンブレード18Aが小さくなるため、放出する風量が減少してしまうという問題があった。また、熱風ファン13A全体の大きさを大きくすれば、ファンブレード18Aの大きさを小さくすることなく開口部19Aを大きくすることが可能であるが、熱風ファン13Aを収納するケースの大きさに制限があることから、熱風ファン13Aの大きさを大きくすることが困難なことがあった。
そこで、本発明は、熱風ファンの外形の大きさを変えずに開口部の開口面積を大きく確保しても熱風ファンから吹き出す風量が減少しない加熱調理器を提供することを目的とする。
第2の従来技術では、熱風ファンの回転数及び回転方向だけでは、調理室内に流入させる熱風の方向を完全には制御することができず、被加熱体に加熱ムラが生じる虞があった。
そこで、本発明はヒータを備えた加熱ユニットに熱風の流れを制御する風向制御フィンを設け、調理室に流入させる熱風の流れを制御可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
第3の従来技術では、特許文献2に記載の加熱調理器のように、熱風ファンを正逆回転させるために、正逆回転可能なモータを用いるか、特許文献2に記載の加熱調理器のように熱風ファンを正回転させるモータと逆回転させるモータの2つを使用する必要がある。しかしながら、熱風ファンを正逆回転させる交流モータは高価であり、また、モータを2つ使用する場合も加熱調理機の製造原価が上昇してしまうという問題があった。
そこで、本発明は安価な整風板により熱風の流れを制御可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
第4の従来技術では、加熱調理器において熱風ファンを駆動させるために用いられる交流モータは、環境温度や電源周波数への依存性があり、立ち上がり時に交流モータが回転しないという現象が生じる虞があった。
そこで、本発明は交流モータを位相制御して、回転数を断続的に上げることにより、交流モータが立ち上がり時に回転しないという現象を解消した加熱調理器を提供することを目的とする。
第5の従来技術のような加熱調理器には空気を加熱するヒータが備えられており、このヒータから生じる熱により、加熱調理器の内部は高温になることがある。加熱調理器の内部には様々な電装部品が設けられているが、この電装部品が高温下に置かれると故障の原因となる虞があった。そのため、電装部品が配設された電装部品収納空間を覆う壁部には、内部の熱を外部へ逃がす通気口が設けられている。しかしながら、加熱調理器の周囲に物や壁等があり、通気口が塞がれてしまった場合には、電装部品収納空間内の熱が外部に放出されず、電装部品収納空間内の温度が高温となってしまい、電装部品が高温下にさらされるという問題があった。
そこで、本発明は電装部品収納空間内の温度に基づいてヒータや熱風ファンの駆動を制御し、電装部品収納空間内の温度が一定以上の高温とならないようにした加熱調理器を提供することを目的とする。
第6の従来技術のような加熱調理器においては、熱風により加熱調理を行うオーブン加熱機能と、電波を当てて被加熱物を加熱調理するレンジ加熱機能を備えているが、オーブン加熱を行う場合にはインバータ基板が発熱し、レンジ加熱を行う場合にはアンテナモータが発熱する。そのため、オーブン加熱を行う場合と、レンジ加熱を行う場合のいずれであっても常に一定の経路を冷却風が流動し、インバータ基板とアンテナモータを常に一定の順番で冷却すると冷却効率が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、オーブン加熱を行う場合にはインバータ基板を集中的に冷却し、レンジ加熱を行う場合にはアンテナモータを集中的に冷却することにより、インバータ基板及びアンテナモータを効率的に冷却可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
第7の従来技術の加熱調理器においては、アンテナと被加熱物を載置するセラミックトレイとの間に間隙があり、加熱調理器の組み立て工程や出荷等の運送時に加熱調理器が天地逆転するとアンテナ及びアンテナシャフトが回転アンテナ用モータの回転軸から外れたり、傾いたりする虞があった。アンテナ及びアンテナシャフトが外れたり傾いたりすると、アンテナがセラミックトレイに当接し、擦れ音が発生する原因となっていた。
そこで、本発明はアンテナ及びアンテナシャフトが外れたり傾いたりし難い加熱調理器を提供することを目的とする。
請求項1の発明では、被調理物を収納する調理室と、前記調理室に熱風を循環供給する熱風ユニットと、を備え、前記熱風ユニットを構成する熱風ヒータ及び熱風ファンが前記調理室に隣接して設けられたケース内に配設され、前記熱風ファンは開口部を有する前ブレードと、後ブレードと、前記前ブレードと前記後ブレードに挟持されたファンブレードと、を備え、前記ファンブレードは複数の羽板を備え、前記羽板に前記開口部に対向する傾斜部が形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明では、前記調理室と前記ケースとを仕切る前記調理室の奥壁には、前記ケース内に空気を供給する吸込み口が形成され、前記熱風ファンの前記開口部が前記吸込み口に対向していることを特徴とする。
請求項3の発明では、被調理物を収納する調理室と、前記調理室内に熱風を循環供給する熱風ユニットと、を備え、前記熱風ユニットを構成する熱風ヒータ及び熱風ファンが前記調理室に隣接して設けられたケース内に配設され、前記調理室と前記ケースとを仕切る前記調理室の奥壁には、前記調理室に熱風を供給する吹出し口が形成され、前記ケース内であって、前記吹出し口の近傍に風向制御フィンを設けたことを特徴とする。
請求項4の発明では、複数の前記風向制御フィンを連結体により連結したフィンユニットと、前記風向制御フィンを駆動させるフィン駆動モータと、を備えることを特徴とする。
請求項5の発明では、前記フィンユニットが前記吹出し口に対向する位置であって、前記吹出し口の左右両側に設けられていることを特徴とする。
請求項6の発明では、左右の前記フィンユニットの前記フィン駆動モータがそれぞれ独立して駆動する構成としたことを特徴とする。
請求項7の発明では、前記被調理物の調理メニューに対応させて前記風向制御フィンの駆動を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項8の発明では、前記被調理物の調理時間に対応させて前記風向制御フィンの駆動を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項9の発明では、前記被調理物の温度分布を検知し、前記温度分布に対応させて前記風向制御フィンの駆動を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項10の発明では、前記被調理物の色分布を検知し、前記色分布に対応させて前記風向制御フィンの駆動を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項11の発明では、被調理物を収納する調理室と、前記調理室内に熱風を循環供給する熱風ユニットと、を備え、前記熱風ユニットを構成する熱風ヒータ及び熱風ファンが前記調理室に隣接して設けられたケース内に配設され、前記ケースには前記調理室に熱風を供給する吹出し口が形成され、前記ケース内であって、前記吹出し口の近傍に整風板を略垂直に設けたことを特徴とする。
請求項12の発明では、前記熱風ファンの羽板を回転方向と反対側に傾斜させたことを特徴とする。
請求項13の発明では、前記熱風ファンの前側及び後側の一方又は両方に平面ブレードを設けたことを特徴とする。
請求項14の発明では、前記吹出し口が前記ケースの上部及び下部に形成され、前記上下の吹出し口の近傍にそれぞれ整風板を設けたことを特徴とする。
請求項15の発明では、前記熱風ヒータに放熱フィンを設けたことを特徴とする。
請求項16の発明では、前記熱風ヒータが前記熱風ファンの外周近傍に略円形状に配設されていることを特徴とする。
請求項17の発明では、前記整風板が前記熱風ファンの左右にそれぞれ複数設けられていることを特徴とする。
請求項18の発明では、被調理物を収納する調理室と、熱風ヒータ、熱風ファン及びファンモータを有して構成され、前記調理室内に熱風を循環供給する熱風ユニットと、電源の周波数及び電圧を検知する電源検知部と、前記電源検知部による検知結果に基づいて前記ファンモータへの通電量を制御して前記熱風ファンの回転速度を制御する制御手段と、を備え、前記ファンモータの駆動開始時に前記ファンモータを断続通電し、その後前記制御手段により前記ファンモータの制御を開始する構成としたことを特徴とする。
請求項19の発明では、前記ファンモータの動力を前記熱風ファンに伝達する駆動伝達装置を備え、前記駆動伝達装置がプーリー及びベルトを有して構成されることを特徴とする。
請求項20の発明では、前記ファンモータの回転数を検知する回転数検知手段を備え、前記回転数検知手段による検知結果に基づいて前記ファンモータの回転数を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項21の発明では、被調理物を収納する調理室と、熱風ヒータ、熱風ファン及びファンモータを有して構成され、前記調理室内に熱風を循環供給する熱風ユニットと、前記熱風ヒータ及び前記熱風ファンを収納するケースと、前記調理室及び前記ケースを覆うキャビネットと、を備え、前記調理室及び前記ケースと前記キャビネットとの間には電装部品を収納する電装部品収納空間が設けられ、前記電装部品収納空間内の温度を検知する温度検知手段を備え、前記温度検知手段により検知した前記電装部品収納空間内の温度に対応して前記熱風ヒータへの通電及び前記ファンモータの回転数を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項22の発明では、前記温度検知手段により検知した温度が一定以上の場合に前記熱風ヒータへの通電を停止し、前記ファンモータの回転数を下げる構成としたことを特徴とする。
請求項23の発明では、前記温度検知手段により検知した温度が一定以下の場合に前記熱風ヒータへの通電を開始し、前記ファンモータの回転数を上げる構成としたことを特徴とする。
請求項24の発明では、レンジ加熱機能とオーブン加熱機能を有する加熱調理器であって、冷却ファン装置を配設する第1の部屋と、インバータ基板を配設する第2の部屋と、アンテナモータを配設する第3の部屋と、を備え、前記冷却ファン装置から生じた冷却風が前記第1の部屋から前記第2の部屋、前記第2の部屋から前記第3の部屋へと流動可能であり、前記第2の部屋と前記第3の部屋は隔壁により仕切られて隣接しており、前記隔壁に前記冷却風が通過可能な通気開口部が形成され、前記通気開口部は、開閉扉により開閉可能であることを特徴とする。
請求項25の発明では、前記開閉扉は扉軸部に回動可能に取り付けられ、前記扉軸部は前記開閉扉の中心部よりも前記冷却ファン装置から遠い位置に設けられ、前記開閉扉が前記回転軸を中心に回動することにより前記通気開口部を開閉することを特徴とする。
請求項26の発明では、レンジ加熱時間及びオーブン加熱時間に対応させて前記開閉扉の開き量を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項27の発明では、前記インバータ基板の温度を検知するインバータ温度検知センサと、前記アンテナモータの温度を検知するアンテナモータ温度検知センサと、を備え、前記アンテナモータ温度検知センサ及び前記アンテナモータ温度検知センサにより検知した温度に対応させて前記開閉扉の開き量を制御する構成としたことを特徴とする。
請求項28の発明では、アンテナと、前記アンテナを回転させるアンテナモータに取り付けられるアンテナモータ取付板と、前記アンテナモータ取付板の挿通部を下方から挿通するアンテナシャフトと、前記アンテナシャフトの上部に取り付ける取付部材と、を備えることを特徴とする。
請求項29の発明では、前記アンテナが前記アンテナシャフトと前記取付部材により挟持されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、空気を吸い込む熱風ファンの開口部の開口面積を大きくすることができる。
請求項2の発明によれば、調理室の空気を効率よく熱風ファンに取り込むことができる。
請求項3の発明によれば、熱風ファンから放出される空気の流動方向を風向制御フィンにより整流することができる。
請求項4の発明によれば、風向制御フィンの向きを変更することができる。
請求項5の発明によれば、熱風の整流を広い範囲で行うことができる。
請求項6の発明によれば、左右の風向制御フィンの向きを別々に変更することができる。
請求項7の発明によれば、食品メニューに適した方向に熱風を流動させることができる。
請求項8の発明によれば、調理の進行状況に応じて最適な方向に熱風を流動させることができる。
請求項9の発明によれば、被加熱物の加熱が必要な部分を判断し、その部分に熱風を集中的に当てるように熱風を流動させることができる。
請求項10の発明によれば、被加熱物の加熱が必要な部分を判断し、その部分に熱風を集中的に当てるように熱風を流動させることができる。
請求項11の発明によれば、熱風ファンから放出された空気の流れを上下方向に整流することができる。
請求項12の発明によれば、熱風ファンから上下方向に放出される空気の流れをより上下方向とすることができる。
請求項13の発明によれば、熱風ファン内部での空気の逆流を防止することができる。
請求項14の発明によれば、上下の吹出し口を通る熱風を直線的に整流することができる。
請求項15の発明によれば、熱風ファンから放出された空気を効率的に加熱することができる。
請求項16の発明によれば、熱風ファンから放出された空気を均一に加熱することができる。
請求項17の発明によれば、熱風ファンから放出された空気の整流を広い範囲で行うことができる。
請求項18の発明によれば、ファンモータへの通電量を制御して調理室へ供給する熱風の量を調整することができる。また、ファンモータの駆動の立ち上がりを滑らかにすることができる。
請求項19の発明によれば、ファンモータを設ける位置の自由度を高めることができる。
請求項20の発明によれば、実際のファンモータの回転数に基づいてファンモータの回転数を制御するため、調理室へ供給する熱風の量を正確に調整することができる。
請求項21の発明によれば、電装部品収納空間内の温度が所定の温度以上とならないようにすることができる。
請求項22の発明によれば、電装部品収納空間内の温度が所定の温度以上とならないようにすることができる。
請求項23の発明によれば、電装部品収納空間内の温度が所定の温度以上とならないように調理室内に熱風を供給することができる。
請求項24の発明によれば、第2の部屋と第3の部屋に供給する冷却風の量を調整することができる。
請求項25の発明によれば、回転扉を整風板として使用することができる。
請求項26の発明によれば、レンジ加熱時間及びオーブン加熱時間に基づいて第2の部屋又は第3の部屋のうち冷却が必要な部屋を判断し、その部屋への冷却風の供給量を増やすことができる。
請求項27の発明によれば、インバータ基板及びアンテナモータの温度に基づいて第2の部屋又は第3の部屋のうち冷却が必要な部屋を判断し、その部屋への冷却風の供給量を増やすことができる。
請求項28の発明によれば、アンテナ及びアンテナシャフトの外れや傾きを防止することができる。
請求項29の発明によれば、アンテナをアンテナシャフトに固定することができる。
以下、本発明における好ましい加熱調理器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。また、図中の白抜き矢印は空気の流れを示している。
図1〜図6、図9及び図10は、本発明の第一実施形態における加熱調理器を示している。先ず、図1を参照して加熱調理器の基本的な構成を説明すると、1は加熱調理器の外郭をなすキャビネットであり、キャビネット1の内部には、被調理物9を収納して加熱調理する調理室2が配設される。キャビネット1は略矩形箱状で、調理室2の内部に食品を出し入れするために、キャビネット1の前面には開閉可能な扉3が配設される。調理室2を形成する周壁は、天井壁2aと、底壁2bと、左側壁2cと、右側壁2dと、奥壁2eとからなる。
調理室2の奥壁2eは、調理室2と後述するケース15とを仕切っており、その中央に複数の貫通孔を楕円状に配置した吸込み口4を備え、吸込み口4の上下には複数の貫通孔を横長に配置した吹出し口5,6を備えている。また、左側壁2cと右側壁2dには、角皿7を保持するための左右一対の棚支え8が上下に設けられている。
図2及び図3に示すように、11はキャビネット1の内部において、調理室2の後方に具備される熱風ユニットである。この熱風ユニット11は、空気を加熱する加熱手段としての熱風ヒータ12と、調理室2内に加熱した空気を送り込んで循環させる遠心ファンとしての熱風ファン13と、熱風ファン13を正方向或いは逆方向に回転させるファンモータ14とにより構成されている。
熱風ユニット11内の略中央には、吸込み口4に対向して熱風ファン13を具備し、その周囲に熱風ヒータ12を略円形状に配置しており、ファンモータ14への通電に伴い熱風ファン13が回転駆動すると、調理室2の内部から吸込み口4を通して吸引された空気が熱風ファン13の放射方向に吹き出し、熱風ヒータ12により加熱され、吹出し口5,6を通過して調理室2内に熱風が供給される。これにより、調理室2の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室2内の食品を加熱調理する構成となっている。熱風ユニット11の熱風ヒータ12及び熱風ファン13はケース15に収納されており、ファンモータ14はケース15の後方に配設されている。
図4〜図6に示すように、熱風ファン13は、略円環板状の前ブレード16及び後ブレード17と、前ブレード16及び後ブレード17に挟持されたファンブレード18を有して構成されている。前ブレード16には円形の開口部19が形成されており、この開口部19から空気が熱風ファン13に取り込まれる。後ブレード17にも略円形の開口部20が形成されているが、ファンブレード18を後ブレード17に取り付けると、ファンブレード18のロータ部21によりこの開口部20が閉口される。ファンブレード18は、ファンモータ14の回転軸を中心に取り付けた円形板状をなすロータ部21の外周縁に、外側に突出する8枚の後側取付板部22が形成されている。また、すべての後側取付板部22には、その一端部から直角に起立した羽板23が形成されている。羽板23は、上辺部24と、下辺部25と、傾斜辺部26と、短垂直辺部27と、長垂直辺部28を有している。上辺部24は下辺部25よりも短く形成されている。また、傾斜辺部26は内側から外側に向かって羽板23の幅が広くなるように傾斜しており、短垂直辺部27はロータ部21の外周端から直角に起立している。上辺部24には、ロータ部21及び後側取付板部22と平行な前側取付板部29が形成されている。ファンブレード18の前側取付板部29を前ブレード16に当接させた状態で取り付け、ファンブレード18の後側取付板部22を後ブレード17に当接した状態で取り付けることにより、ファンブレード18が前ブレード16及び後ブレード17に挟持される。
図7及び図8は、従来の熱風ファン13Aを示しており、熱風ファン13Aの前ブレード16Aに形成された開口部19Aの直径は、前ブレード16Aの直径の約1/2程度と大きくはなかった。そのため、単位時間当たりの開口部19Aから吸い込む空気の量が多くなく、熱風ファン13Aから放出される空気の量も多くなかった。これに対して、図4に示す本実施形態の熱風ファン13は、開口部19の直径が前ブレード16の直径の約3/4程度と大きく、開口部19から多くの空気を吸い込むことができる。
図9に示す31は、調理室2の底壁2bの下方に設けられ、調理室2の下方から食品にマイクロ波を照射してレンジ加熱を行なうマイクロ波加熱手段である。マイクロ波加熱手段31は、マイクロ波を発生させる発生源となるマグネトロン32と、マグネトロン32からのマイクロ波を調理室2の内部に導く導波管33と、導波管33から調理室2にマイクロ波を放射するアンテナ34と、直立した軸35を中心にアンテナ34を水平回転させるACモータ等のアンテナモータ36を有して構成されている。
図10は、本実施形態の加熱調理器の電気的構成を示している。同図において、41は加熱調理器の各部を制御する制御部で、これは演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、入力デバイス及び出力デバイス等を備えており、制御部41の入力ポートには、調理室2内の温度を検知するサーミスタ(図示せず)を備えた庫内温度検知手段42や、赤外線センサ(図示せず)にスイング機構を装備して構成され、調理室2内の温度分布を検知することで、そこに収容された被加熱物の温度を検知可能にする庫内温度分布検知手段43の他に、キャビネット1の前面に設けられる操作部44が電気的に接続されている。また制御部41の出力ポートには、熱風ユニット11を構成する熱風ヒータ12及びファンモータ14、マイクロ波加熱手段31を構成するマグネトロン32及びアンテナモータ36の他に、キャビネット1の前面に設けられる表示部45が電気的に接続されている。制御部41は、操作部44からの選択指示によりメモリに内蔵するプログラムを読み出して、加熱手段である熱風ユニット11及びマイクロ波加熱手段31を制御して、調理室2内の食品を調理する加熱制御手段としての機能を処理実行する構成となっている。
制御部41に組み込まれた加熱制御手段は、加熱を行う加熱手段、予熱の有無、調理室2内の設定温度等をあらかじめ操作部44で選択し、その選択した条件に基づいて調理室2内の食品を加熱調理する手動調理制御手段の他に、操作部44で選択された調理メニューに応じて、加熱手段を自動的に制御して、調理時間までに調理室2内の食品を加熱調理する自動メニュー調理制御手段を備えている。
次に、上記構成の加熱調理器について、その作用を詳しく説明する。予め調理室2内に食品を入れた状態で扉3を閉め、操作部44からの入力により所望の調理メニューや加熱源の設定等、調理条件をセットして運転スタートする。これを受けて制御部41は、選択設定された熱風ユニット11によるオーブン調理又はマイクロ波加熱手段31によるレンジ調理が行なわれるように、内蔵するタイマー手段の計時を利用して各部の制御を実行する。
熱風ユニット11によるオーブン加熱で調理を行なう場合は、調理室2の棚支え8に被調理物9としての食品を収容した角皿7をセットし、熱風によるオーブン調理を選択操作した後に、調理開始を指示すると、制御部41は熱風ファン13が所望の回転数で正方向又は逆方向に回転駆動するように、ファンモータ14への入力を制御すると共に、庫内温度検知手段42からの検知信号を取り込んで、調理室2内が所望の温度となるように熱風ヒータ12への入力を制御する。
この一連の制御で、熱風ファン13が正方向又は逆方向に回転すると、調理室2の内部から吸込み口4を通してケース15の内部空間に吸引された空気が、熱風ファン13の遠心力によって放射方向に吹き出し、発熱した熱風ヒータ12に万遍なく当たって、調理室2と隔離されたケース15の内部空間で熱風が生成される。熱風ヒータ12に当たった熱風は吹出し口5,6を通って、調理室2の内部に送り込まれ、角皿7に収容された食品全体を万遍なく加熱調理することが可能となる。
次に、マイクロ波加熱手段31によるレンジ調理に関する動作を説明すると、予め調理室2の底壁2bに容器等に収容した食品を載置した状態で、レンジによる調理及び調理時間を選択操作した後に、調理開始を指示すると、選択した出力の範囲で設定した時間、アンテナ34からマイクロ波が放射されるような制御信号がマイクロ波加熱手段31に送出され、調理室庫2内の食品を加熱調理する。
以上のように、本実施形態では、被調理物9を収納する調理室2と、調理室2に熱風を循環供給する熱風ユニット11と、を備え、熱風ユニット11を構成する熱風ヒータ12及び熱風ファン13が調理室2に隣接して設けられたケース15内に配設され、熱風ファン13は開口部19を有する前ブレード16と、後ブレード17と、前ブレード16と後ブレード17に挟持されたファンブレード18と、を備え、ファンブレード18は複数の羽板23を備え、羽板23に開口部19に対向する傾斜部としての傾斜辺部26が形成されていることにより、開口部19の開口面積を十分に確保し、開口部19から熱風ファン13内に空気をなめらかに取り込むことができる。
また、本実施形態では、調理室2とケース15とを仕切る調理室2の奥壁2eには、ケース15内に空気を供給する吸込み口4が形成され、熱風ファン13の開口部19が吸込み口4に対向していることにより、吸込み口4を通って調理室2からケース15内に供給された空気を効率よく熱風ファン13に取り込むことができる。
次に、本発明の第二実施形態における加熱調理器について、図11〜図15を参照しながら説明する。本実施形態の加熱調理器は、ケース15内にフィンユニット51を備えている。
図12に示すように、フィンユニット51は、3枚の風向制御フィン52と、それぞれの風向制御フィン52の前側に取り付けられた前側連結棒53と、それぞれの風向制御フィン52の後側に取り付けられた後側連結棒54と、前側連結棒53が回動可能に固定された上フィン取付板55と、後側連結棒54が回動可能に固定された下フィン取付板56と、上フィン取付板55を左右方向に往復動させるフィン駆動モータ57と、フィン駆動モータ57に接続され、上フィン取付板55に形成された作動棒挿通部58に挿通される作動棒59とを有して構成されている。
風向制御フィン52は、上下方向に長い矩形板状に形成されている。3枚の風向制御フィン52は、互いに平行に設けられている。
連結体としての上フィン取付板55及び下フィン取付板56は、左右方向に長い矩形板状に形成されている。上フィン取付板55に形成された作動棒挿通部58は、上フィン取付板55の短手方向(加熱調理器の前後方向)を長手方向とする矩形状の貫通孔であり、作動棒挿通部58の短手方向の幅は、作動棒挿通部58の直径よりもわずかに大きく形成されている。
作動棒59は、フィン駆動モータ57の中心軸60から偏心して設けられており、フィン駆動モータ57を駆動させると、中心軸60の回りを回転するようになっている。また、作動棒59は、作動棒挿通部58内を移動可能となっている。
フィン駆動モータ57を駆動させて作動棒59を回転させると、作動棒59は作動棒挿通部58内を前後方向に移動すると共に、上フィン取付板55を左右方向に移動させる。上フィン取付板55が左右方向に移動すると、前側連結棒53に取り付けられた3枚の風向制御フィン52が平行状態を保って左右方向に揺動する。すなわち、フィン駆動モータ57を駆動させることにより、風向制御フィン52向きを所望の方向に変更することができる。
図11に示すように、フィンユニット51は、ケース15内である奥壁2eと熱風ファン13との間に配置され、吹出し口5,6に対向している。本実施形態では、フィンユニット51が左右両側に吹出し口5,6に対向して設けられている。フィンユニット51は、吹出し口5,6に対向した位置に配置されているため、熱風ファン13から吹き出された空気は、隣り合う風向制御フィン52の間を通過して吹出し口5,6に到達する。そのため、空気が流動する方向は風向制御フィン52の向きにより決定される。
図13に示すように、左右のフィンユニット51の風向制御フィン52を左側に回動させると、吹出し口5,6から調理室2内に吹き出される熱風は調理室2の左側へ流動する。また。図14に示すように、左側のフィンユニット51の風向制御フィン52を左側に回動させ、右側のフィンユニット51の風向制御フィン52を右側に回動させると、吹出し口5,6から調理室2内に吹き出される熱風は調理室2の左右へ流動するため、調理室2の広い範囲に熱風を吹き出すことができる。そのため、被調理物が調理室2に多く収容されている場合であっても全体を均等に加熱することができる。また、図15に示すように、左側のフィンユニット51の風向制御フィン52を右側に回動させ、右側のフィンユニット51の風向制御フィン52を左側に回動させると、吹出し口5,6から調理室2内に吹き出される熱風は調理室2の中央へ流動する。そのため、被調理物が調理室2の中央に収容されている場合に、被調理物を集中的に加熱することができる。
左右のフィンユニット51のフィン駆動モータ57は、それぞれ独立して駆動するため、各フィンユニット51の風向制御フィン52は独立して回動させることができる。また、風向制御フィン52は、加熱調理中に連続して回動させることができ、また、停止させることもできる。そのため、被加熱物である食品に集中的に熱風を当てることや、食品に加熱ムラが生じた際に、食品の特定の位置に熱風を当てて加熱ムラを抑制することができる。
本実施形態の加熱調理器は、操作部44により選択した食品メニューに応じて風向制御フィン52の回動を制御することが可能である。風向制御フィン52の回動の制御は、風向制御フィン52を向ける方向、回動速度、回動及び停止時間等であり、食品メニューに最適な加熱を行うことができる。
また、本実施形態の加熱調理器は、調理進行時間に対応して風向制御フィン52の回動を制御することが可能である。そのため、調理時間の進行と共に風向制御フィン52の向きや回動速度等を変化させ、調理時間の経過に応じた最適な加熱を行うことができる。
さらに、本実施形態の加熱調理器は、庫内温度分布検知手段43により検知した被調理物9としての食品の温度分布に対応して風向制御フィン52の回動を制御することが可能である。そのため、風向制御フィン52を回動させて食品の温度の低い部分に集中的に熱風が当たるように制御することにより、食品の加熱ムラを抑制することができる。
また、本実施形態の加熱調理器は、光電センサ(図示せず)により検知した食品表面の色分布に対応して風向制御フィン52の回動を制御することも可能である。食品表面の焦げや生焼け状態の色等を検知し、加熱が必要な部分に直接的に熱風が当たるよう風向制御フィン52を回動させて焼きムラや加熱ムラを抑制することができる。
以上のように、本実施形態では、被調理物9を収納する調理室2と、調理室2内に熱風を循環供給する熱風ユニット11と、を備え、熱風ユニット11を構成する熱風ヒータ12及び熱風ファン13が調理室2に隣接して設けられたケース15内に配設され、調理室2とケース15とを仕切る調理室2の奥壁2eには、調理室2に熱風を供給する吹出し口5,6が形成され、ケース15内であって、吹出し口5,6の近傍に風向制御フィン52を設けたことにより、吹出し口5,6から調理室2に吹き出す熱風の方向を所望の向きとすることができる。
また、本実施形態では、複数の前記風向制御フィン52を連結体としての上フィン取付板55及び下フィン取付板56により連結したフィンユニット51と、風向制御フィン52を駆動させるフィン駆動モータ57と、を備えることにより、複数の風向制御フィン51を所望の方向に回動させることができ、より多くの熱風の吹出し方向を制御することができる。
また、本実施形態では、フィンユニット51が吹出し口5,6に対向する位置であって、吹出し口5,6の左右両側に設けられていることにより、吹出し口5,6から吹き出される熱風の方向を左右個別に設定することができる。
また、本実施形態では、左右のフィンユニット51のフィン駆動モータ57がそれぞれ独立して駆動する構成としたことにより、左右の風向制御フィン51を個別に回動させることができる。
また、本実施形態では、被調理物9の調理メニューに対応させて風向制御フィン52の駆動を制御するする構成としたことにより、被調理物9及びその調理メニューに最適な加熱を行うことができる。
また、本実施形態では、被調理物9の調理時間に対応させて風向制御フィン52の駆動を制御するする構成としたことにより、被調理物9の調理の進行状況に応じて最適な加熱を行うことができる。
また、本実施形態では、被調理物9の温度分布を検知し、前記温度分布に対応させて風向制御フィン52の駆動を制御するする構成としたことにより、被調理物9の温度の低い部分に集中的に熱風を当てて加熱し、被調理物9の加熱ムラを解消することができる。
また、本実施形態では、被調理物9の色分布を検知し、前記色分布に対応させて風向制御フィン52の駆動を制御するする構成としたことにより、被調理物9の焼き色の薄い部分に集中的に熱風を当てて加熱し、被調理物9の焼きムラ及び加熱ムラを解消することができる。
次に、本発明の第三実施形態における加熱調理器について、図16〜図20を参照しながら説明する。本実施形態のケース15の後壁61には、矩形板状の整風板62が8枚設けられている。整風板62は、上側の吹出し口5の近傍に配置されており、熱風ファン13の左右両側にそれぞれ2枚設けられている。また、同様に整風板62は、下側の吹出し口6の近傍にも配置されており、熱風ファン13の左右両側にそれぞれ2枚設けられている。整風板62は、後壁61から前方に突出して略垂直に設けられており、隣り合う整風板62は並行となっている。
図19及び図20に示すように、本実施形態の熱風ファン13は、平面ブレードとしての前ブレード16及び後ブレード17と、前ブレード16及び後ブレード17に挟持されたファンブレード18を有して構成されている。前ブレード16は円環板状に形成され、中央には円形の開口部19が形成されており、この開口部19から空気が熱風ファン13に取り込まれる。前ブレード16の外径と後ブレード17の外径は略同一である。
ファンブレード18は、ファンモータ14の回転軸を中心に取付けた円形板状をなすロータ部21の外周縁に、外側に突出する8枚の後側取付板部22が形成されている。また、すべての後側取付板部22には、その一端部から直角に起立した羽板23が形成されている。羽板23は、略矩形板状に形成されており、図18に示すように、熱風ファン13の直径を示す直径線63よりも、熱風ファン13の回転方向と反対側に所定の角θ傾いている。なお、熱風ファン13の回転方向は、図17及び図18において反時計回りである。羽板23の上端部には、ロータ部21及び後側取付板部22と平行な前側取付板部29が形成されている。ファンブレード18の前側取付板部29を前ブレード16に当接させた状態で取り付け、ファンブレード18の後側取付板部22を後ブレード17に当接した状態で取り付けることにより、ファンブレード18が前ブレード16及び後ブレード17に挟持される。
図17及び図18に示すように、熱風ファン13の外周近傍に配設された熱風ヒータ12には、複数の放熱フィン64が設けられている。放熱フィン64は熱伝導率が比較的高い金属等により形成されており、熱風ヒータ12の熱が伝わるようになっている。そのため、熱風ファン13から吹き出した空気は、熱風ヒータ12だけでなく、放熱フィン64によっても加熱される。なお、放熱フィン64の枚数は、適宜変更可能である。
図17に示すように、熱風ファン13から吹き出された空気は、熱風ファン13の全周方向に放射状に流動し、熱風ヒータ12により加熱される。熱風ヒータ12よりも外側に流動した熱風は、整風板62に当たり上下方向に流動するように整流される。整風板62により上下方向に直線状に整流された熱風は、吹出し口5,6を通り調理室2に供給される。吹出し口5,6から吹き出す熱風は直線的に流動するため、吹出し口5,6に対向して載置された被加熱物9としての食品に直接的に当たり加熱する。
本実施形態では整風板62を8枚設けているが、その枚数は必要に応じて増減することも可能である。また、本実施形態では整風板62を略垂直に設けているが、整風板62は所望の向きとすることができ、各整風板62をそれぞれ異なる向きに設けてもよい。また、本実施形態において、上記第一実施形態の熱風ファン13を用いてもよい。
以上のように、本実施形態では、被調理物9を収納する調理室2と、調理室2内に熱風を循環供給する熱風ユニット11と、を備え、熱風ユニット11を構成する熱風ヒータ12及び熱風ファン13が調理室2に隣接して設けられたケース15内に配設され、ケース15には調理室2に熱風を供給する吹出し口5,6が形成され、ケース15内であって、吹出し口5,6の近傍に整風板62を略垂直に設けたことにより、熱風ファン13から吹き出され、熱風ヒータ12により加熱された空気を整風板62により上下方向に直線的に流動させ、吹出し口5,6を通って調理室2内に直線的に供給することができる。
また、本実施形態では、熱風ファン13の羽板23を熱風ファン13の回転方向と反対側に傾斜させたことにより、熱風ファン13から吹き出される空気に角度を付け、整風板62により熱風を整流し易くすることができる。
また、本実施形態では、熱風ファン13の前側及び後側の一方又は両方に平面ブレードとしての前ブレード16及び後ブレード17を設けたことにより、空気が熱風ファン13内で逆流することを防止できる。
また、本実施形態では、吹出し口5,6がケース15の上部及び下部に形成され、上下の吹出し口5,6の近傍にそれぞれ整風板62を設けたことにより、吹出し口5を通る熱風及び吹出し口6を通る熱風を直線的に流動するように整流することができる。
また、本実施形態では、熱風ヒータ12に放熱フィン64を設けたことにより、熱風ファン13から吹き出される空気を効率良く加熱することができる。
また、本実施形態では、熱風ヒータ12が熱風ファン13の外周近傍に略円形状に配設されていることにより、熱風ファン13から放射状に吹き出された空気を均等に加熱することができる。
また、本実施形態では、整風板62が熱風ファン13の左右にそれぞれ複数設けられていることにより、熱風ファン13から左右方向に吹き出された空気を上下方向に直線的に流動させるように整流することができる。
次に、本発明の第四実施形態における加熱調理器について、図21〜図23を参照しながら説明する。図21は、ケース15の後方部分を示している。熱風ファン13を回転させる駆動源であるファンモータ14は、熱風ヒータ12による熱の影響を受け難いように、熱風ヒータ12から離れたケース15の下方に配置されている。熱風ファン13とファンモータ14は、駆動伝達装置71により接続されており、駆動伝達装置71によりファンモータ14の駆動力が熱風ファン13に伝達される。
駆動伝達装置71は、ファンモータ14の回転軸72に取り付けられたプーリー73と、このプーリー73と熱風ファン13の軸部74とを連結するベルト75を有して構成されており、ファンモータ14の回転が熱風ファン13に伝達される。
ファンモータ14の近傍には、ファンモータ14の回転数を検知する回転数検知手段としての回転数検知センサ76が設けられている。
図23に示すように、本実施形態の制御部41は、電源77の周波数及び電圧を検知する電源検知部78を備えており、加熱調理器の電源プラグ(図示せず)をコンセント(図示せず)に挿し込んで電源77に接続すると、電源77の周波数と電圧を検知する。また、制御部41は、ファンモータ14への供給電圧を制御する位相制御部79を備えている。
加熱調理器を電源77に接続すると、電源検知部78が電源の周波数及び電圧を検知し、その検知結果に基づいて位相制御部79がスイッチ80を用いて位相制御を行い、ファンモータ14への供給電圧、すなわち、通電量を制御する。位相制御は、スイッチ80のオン、オフにより行うため、ファンモータ14は断続通電される。
また、回転数検知センサ76によりファンモータ14の回転数を検知し、ファンモータ14が回転していない場合や、ファンモータ14の回転数が所定値未満である場合には、位相制御部78による位相制御値を小さくし、ファンモータ14へ供給する電圧を上げる。再度回転数検知センサ76によりファンモータ14の回転数を検知し、ファンモータ14の回転数が所定値となるまで繰り返し位相制御を行い、ファンモータ14へ供給する電圧を上げていく。
以上のように、本実施形態では、被調理物9を収納する調理室2と、熱風ヒータ12、熱風ファン13及びファンモータ14を有して構成され、調理室2内に熱風を循環供給する熱風ユニット11と、電源77の周波数及び電圧を検知する電源検知部78と、電源検知部78による検知結果に基づいてファンモータ14への通電量を制御して熱風ファン13の回転速度を制御する制御部41と、を備え、ファンモータ14の駆動開始時にファンモータ14を断続通電し、その後制御部41によりファンモータ14の制御を開始する構成としたことにより、ファンモータ14への通電量を制御することで調理室2内に供給する熱風の量を調節することができる。また、ファンモータ14の駆動開始時の立ち上がりをスムーズにすることができる。
また、本実施形態では、ファンモータ14の動力を熱風ファン13に伝達する駆動伝達装置71を備え、駆動伝達装置71がプーリー73及びベルト75を有して構成されることにより、ファンモータ14を設ける位置の自由度が高くなる。
また、本実施形態では、ファンモータ14の回転数を検知する回転数検知手段としての回転数検知センサ76を備え、回転数検知センサ76による検知結果に基づいてファンモータ14の回転数を制御する構成としたことにより、ファンモータ14の回転数を正確に設定することができるため、調理室2内に供給する熱風の量を正確に制御することができる。
次に、本発明の第五実施形態における加熱調理器について、図24を参照しながら説明する。本実施形態の加熱調理器は、電装部品収納空間81内の温度を検知する温度検知手段としての空間温度検知センサ82を備えたものである。図24は、加熱調理器のキャビネット1を取り外した状態を示している。
電装部品収納空間81は、キャビネット1の内側であって、調理室2及びケース15の外側の空間であり、調理室2及びケース15の上方、下方、左方、右方及び後方の空間をいう。この電装部品収納空間81には、電源回路(図示せず)や制御基板84等のいわゆる電装部品が配設されている。ここでいう電源回路とは、加熱調理器の各部に動作電圧を供給するものであり、制御基板84に搭載される制御回路は、熱風ユニット11や、マグネトロン32(図9参照)や、アンテナモータ36(図9参照)等の動作を制御するものである。
また、電装部品収納空間81には、調理室2内の温度分布を検知する赤外線センサ(図示せず)にスイング機構を装備した庫内温度分布検知手段43が右側壁2dに設けられている。この庫内温度分布検知手段43には、サーミスタ(図示せず)等を備える空間温度検知センサ82が設けられている。この空間温度検知センサ82により電装部品収納空間81内の温度を検知することができる。
オーブン加熱調理を行うことにより、熱風ヒータ12から生じる熱で電装部品収納空間81内の温度が上昇し、空間温度検知センサ82が電装部品収納空間81内の温度が所定温度以上となったことを検知すると、電装部品の温度が定格を超えないように熱風ヒータ12による加熱を制御する。所定温度は、実装する電装部品により決定される。
熱風ヒータ12(図2参照)による加熱の制御は、制御部41(図10参照)により熱風ヒータ12への通電を停止し熱風ヒータ12の発熱を停止する。また、制御部41により熱風ファン13(図2参照)の回転数を下げ、単位時間当たりの調理室2内へ供給される熱風の量を減らし調理室2内に供給される熱の量を減らす。
以上のように、本実施形態では、被調理物9を収納する調理室2と、熱風ヒータ12、熱風ファン13及びファンモータ14を有して構成され、調理室2内に熱風を循環供給する熱風ユニット11と、熱風ヒータ12及び熱風ファン13を収納するケース15と、調理室2及びケース15を覆うキャビネット1と、を備え、調理室2及びケース15とキャビネット1との間には電装部品を収納する電装部品収納空間81が設けられ、電装部品収納空間81内の温度を検知する温度検知手段として空間温度検知センサ82のを備え、空間温度検知センサ82により検知した電装部品収納空間81内の温度に対応して熱風ヒータ12への通電及びファンモータ14の回転数を制御する構成としたことにより、熱風ヒータ12から生じる熱により電装部品の温度が定格を超えないようにすることができる。
また、本実施形態では、空間温度検知センサ82により検知した温度が一定以上の場合に熱風ヒータ12への通電を停止し、ファンモータ14の回転数を下げる構成としたことにより、熱風ヒータ12による発熱を停止し又は発熱量を低減し、電装部品の温度が定格を超えないようにすることができる。
また、本実施形態では、空間温度検知センサ82により検知した温度が一定以下の場合に熱風ヒータ12への通電を開始し、ファンモータ14の回転数を上げる構成としたことにより、電装部品の温度が定格を超えないように熱風ヒータ12による加熱を行うことができる。
次に、本発明の第六実施形態における加熱調理器について、図25〜図27を参照しながら説明する。図25及び図26において、図面の下側が加熱調理器の前側である。
図25及び図26に示すように、本実施形態の加熱調理器は、調理室2の下方に第1の部屋91、第2の部屋92、第3の部屋93、第4の部屋94がそれぞれ区画して設けられている。第1の部屋91は、略正方形状に形成され、左側後部に配置されている。第2の部屋92は、横長長方形状に形成され、右側後部に配置されている。第3の部屋93は、横長長方形状に形成され、中央部から右側にかけて配置されている。第4の部屋94は、略L字状に形成され、左側から前側にかけて配置されている。
第1の部屋91にはモータ(図示せず)によりファン(図示せず)を回転駆動させて送風を行なう冷却ファン装置95が配設され、第2の部屋92にはインバータ基板96が配設され、第3の部屋93にはマイクロ波加熱手段31が配設され、第4の部屋94には制御基板84が配設されている。制御基板84はCPUやメモリなどを含む制御回路を搭載しており、冷却を必要とする発熱部品を含んでいる。
第1の部屋91と第2の部屋92とは、第1の隔壁97により仕切られて隣接している。第1の隔壁97には空気が通過可能な第1の通気路98が形成されており、第1の部屋91と第2の部屋92は空気が流動可能に連通している。また、第1の部屋91と第4の部屋94とは、第2の隔壁99により仕切られて隣接している。第2の隔壁99には空気が通過可能な第2の通気路100が形成されており、第1の部屋91と第4の部屋94は空気が流動可能に連通している。
第2の部屋92と第3の部屋93とは、第3の隔壁101及び第4の隔壁102により仕切られて隣接している。第3の隔壁101には空気が通過可能な通気開口部103が形成されており、この通気開口部103が開閉扉104により開閉可能となっている。すなわち、開閉扉104を開くと第2の部屋92と第3の部屋93は空気が流動可能に連通され、開閉扉104を閉じると通気開口部103が閉口される。また、第4の隔壁102には空気が通過可能な第3の通気路105が形成されており、第2の部屋92と第3の部屋93は空気が流動可能に連通している。
第3の部屋93と第4の部屋94とは、第5の隔壁107及び第6の隔壁108により仕切られて隣接している。第5の隔壁107はL字状に形成され、第6の隔壁108には空気が通過可能な第4の通気路109が形成されており、第3の部屋93と第4の部屋94は空気が流動可能に連通している。
図25に示すように、開閉扉104を閉じた状態で冷却ファン装置95を駆動させると、冷却ファン装置95から発生した冷却風は、第1の通気路98及び第2の通気路100を通って第2の部屋92及び第4の部屋94に流動する。第2の部屋92に流入した冷却風は、インバータ基板96を含む第2の部屋92内を冷却する。第4の部屋94に流入した冷却風は制御基板84を含む第4の部屋94内を冷却する。第2の部屋92に流入した冷却風は、第3の通気路105を通って第3の部屋93に流入し、マイクロ波加熱手段31を構成するマグネトロン32や導波管33を含む第3の部屋93内を冷却する。その後、冷却風は第4の通気路109を通って、第4の部屋94に流入する。すなわち、開閉扉104を閉じた状態で冷却ファン装置95を駆動させると、図25の白抜き矢印で示すように冷却風の経路W1と経路W2が形成される。
図26に示すように、開閉扉104を開いた状態で冷却ファン装置95を駆動させると、第2の部屋92に流入した冷却風は、第3の通気路105を通って第3の部屋93に流入する経路W1と、通気開口部103から第3の部屋93に流入する経路W3が形成される。通気開口部103から第3の部屋93に流入した冷却風は、マイクロ波加熱手段31を構成するアンテナモータ36を含む第3の部屋93内を冷却し、第4の通気路109を通って第4の部屋94に流入する。このように、開閉扉104を開いた状態で冷却ファン装置95を駆動させると、図26の白抜き矢印で示すように3つの冷却風の経路W1,W2,W3が形成される。開閉扉104を開いた場合には、インバータ基板96を冷却する冷却風の量が開閉扉104を閉じた状態と比較して減少する。
図27に示すように、開閉扉104は、扉軸部110に回転可能に取り付けられているが、扉軸部110は開閉扉104の中心部111よりも冷却ファン装置95から遠い側に偏って設けられている。そのため、開閉扉104を第2の部屋94側に回動させて開くと、第2の部屋92に流入してきた冷却風が開閉扉104に当たり、開閉扉104自体が風向板として機能し、冷却風を通気開口部103から効率よく第3の部屋93に流入させることができる。
レンジ加熱を行う際はインバータ基板96が発熱するため、開閉扉104を閉じて冷却ファン装置95からの冷却風を第2の部屋92に多く送り込みインバータ基板96を効率よく冷却することができる。一方、オーブン加熱を行う際は調理室2の下方の中央部分に配設されているアンテナモータ36周辺が高温となり易いため、開閉扉104を開いて通気開口部103から第3の部屋93に冷却風を送り込み、アンテナモータ36を冷却することができる。
開閉扉104は、レンジ加熱及びオーブン加熱の加熱時間によって開き量が制御されるように構成されている。そのため、レンジ加熱による加熱時間の経過により第2の部屋92内の温度が上昇した場合には、開閉扉104の開き量を減らすか、開閉扉104を閉じて第2の部屋92内を効率よく冷却し、インバータ基板96の温度が定格を超えないようにすることができる。また、オーブン加熱による加熱時間の経過により第3の部屋93内の温度が上昇した場合には、開閉扉104の開き量を増やして第3の部屋93内を効率よく冷却し、アンテナモータ36の温度が定格を超えないようにすることができる。
インバータ基板96には、インバータ基板96の温度を検知するインバータ温度検知センサ112が設けられている。このインバータ温度検知センサ112により検知された温度に対応して、開閉扉104の開閉が制御される構成となっており、インバータ温度検知センサ112により検知された温度が所定値以上となった場合には、開閉扉104の開き量を減らすか、開閉扉104を閉じて第2の部屋92内を効率よく冷却する。また、アンテナモータ36には、アンテナモータ36の温度を検知するアンテナモータ温度検知センサ113が設けられている。このアンテナモータ温度検知センサ113により検知された温度に対応して、開閉扉104の開閉が制御される構成となっており、アンテナモータ温度検知センサ113により検知された温度が所定値以上となった場合には、開閉扉104の開き量を増やして第3の部屋93内を効率よく冷却する。
以上のように、本実施形態では、レンジ加熱機能とオーブン加熱機能を有する加熱調理器であって、冷却ファン装置95を配設する第1の部屋91と、インバータ基板96を配設する第2の部屋92と、アンテナモータ36を配設する第3の部屋93と、を備え、冷却ファン装置95から生じた冷却風が第1の部屋91から第2の部屋92、第2の部屋92から第3の部屋93へと流動可能であり、第2の部屋92と第3の部屋93は隔壁としての第3の隔壁101により仕切られて隣接しており、第3の隔壁101に前記冷却風が通過可能な通気開口部103が形成され、通気開口部103は、開閉扉104により開閉可能であることにより、開閉扉104を閉じた場合に、第2の部屋92に冷却風を集中的に流入させてインバータ基板96を効率よく冷却することができ、開閉扉104を開いた場合に、第3の平野93に冷却風を流入させてアンテナモータ36を冷却することができる。
また、本実施形態では、開閉扉104は扉軸部110に回動可能に取り付けられ、扉軸部110は開閉扉104の中心部よりも冷却ファン装置95から遠い位置に設けられ、開閉扉104が扉軸部110を中心に回動することにより通気開口部103が開閉されることにより、開閉扉104を第2の部屋92内に回動させた場合に、開閉扉104が風向版として機能し、第3の部屋93に冷却風を効率よく流入させることができる。
また、本実施形態では、レンジ加熱時間及びオーブン加熱時間に対応させて開閉扉104の開き量を制御する構成としたことにより、レンジ加熱時間の経過と共にインバータ基板96が配設された第2の部屋92内の温度が上昇した場合には、開閉扉104の開き量を減少させて冷却風を第2の部屋92内に多く供給し、効率よく短時間で第2の部屋92を冷却することができる。一方、オーブン加熱時間の経過と共にアンテナモータ36が配設された第3の部屋93内の温度が上昇した場合には、開閉扉104の開き量を増加させて冷却風を第3の部屋93内に多く供給し、効率よく短時間で第3の部屋93を冷却することができる。また、オーブン加熱を行う直前にレンジ加熱を行っていた場合には、オーブン加熱の初期段階では開閉扉104の開き量を少なくし又は開閉扉104を閉じ、オーブン加熱時間の経過と共に徐々に開閉扉104の開き量を多くすることにより、第2の部屋92及び第3の部屋93の温度を効率よく冷却することができる。また、レンジ加熱を行う直前にオーブン加熱を行っていた場合には、レンジ加熱の初期段階では開閉扉104の開き量を多くし、レンジ加熱時間の経過と共に徐々に開閉扉104の開き量を少なくするか開閉扉104を閉じることにより、第2の部屋92及び第3の部屋93の温度を効率よく冷却することができる。
また、本実施形態では、インバータ基板96の温度を検知するインバータ温度検知センサ112と、アンテナモータ36の温度を検知するアンテナモータ温度検知センサ113と、を備え、インバータ温度検知センサ112及びアンテナモータ温度検知センサ113により検知した温度に対応させて開閉扉104の開き量を制御する構成としたことにより、第2の部屋92及び第3の部屋93を的確に冷却し、インバータ基板96及びアンテナモータ36の温度が定格を超えないようにすることができる。
次に、本発明の第七実施形態における加熱調理器について、図28〜図38を参照しながら説明する。
図28に示すように、本実施形態の加熱調理器は、調理室2の底壁2bにレンジ加熱の際に被調理物を載置するフラットトレイ121を備えている。フラットトレイ121は略矩形板状に形成されている。図29は、フラットトレイ121を取り外した状態を示しており、底壁2bには略矩形凹状の凹部122が形成されている。この凹部122には、マイクロ波加熱手段31を構成するアンテナ34が収納されている。図30に示すように、凹部122の底面部123には円形孔124が形成されており、凹部122の下方に配設されたアンテナモータ取付板125にアンテナシャフト126が取り付けられ、そのアンテナシャフト126にアンテナ34が固定されている。
図31に示すように、アンテナ34は略円板上に形成され、その中心部分にはアンテナシャフト126を挿通する中心孔127が形成されている。
図32及び図33に示すように、アンテナシャフト126は略円筒状に形成されており、本体筒部128と、本体筒部128の上端に本体筒部128よりも小径の雌螺子部129から構成されている。図34及び図35に示すように、本体筒部128と雌螺子部129の内部中心部には上下に貫通した孔である挿通孔130が形成されている。また、アンテナシャフト126の内面の上下方向中心部には、アンテナシャフト126の長手方向の軸中心方向に突出した内面突出部131が形成されている。
図34〜図38に示すように、アンテナモータ取付板125は、円板状に形成された基部132と、基部132から上方に突設された挿通部133とを有して構成されている。挿通部133は、円筒状に形成され、基部132から突設された下挿通部134と、円柱状に形成され、下挿通部134の上端から上方に突設された上挿通部135から構成されている。上挿通部135は下挿通部134よりも小径に形成されている。
アンテナモータ取付板125の挿通部133をアンテナシャフト126の挿通孔130に下側から挿通すると、アンテナモータ取付板125の下挿通部134の上端面136がアンテナシャフト126の内面突出部131の下端面137に当接する。一方、アンテナシャフト126の雌螺子部129をアンテナ34の中心孔127に下側から挿通すると、アンテナ34の下面138がアンテナシャフト126の本体筒部128の上面139に当接する。その状態で、アンテナシャフト126の雌螺子部129に袋ナット140の雄螺子部141を螺合させ、袋ナット140とアンテナシャフト126によりアンテナ34を挟持すると、アンテナ34がアンテナシャフト126に固定される。
図39〜図42は、従来のアンテナ34A、アンテナモータ取付板125A及びアンテナシャフト126Aを示している。従来は、アンテナモータ取付板125Aの挿通部133Aをアンテナシャフト126Aの挿通孔130に挿通し、アンテナシャフト126Aの上部にアンテナ34Aをカシメにより固定していた。そして、凹部122をフラットトレイ121により閉塞すると、図42に示すように、アンテナ34Aとフラットトレイ121との間の距離Dが約10mmとなっていた。そのため、加熱調理器を製造する際の組み立て工程等において加熱調理器を天地逆転させた場合に、アンテナ34A及びアンテナシャフト126Aがフラットトレイ121側に移動してしまい、加熱調理器の姿勢を戻しても、アンテナモータ取付板125Aの挿通部133Aがアンテナシャフト126Aの挿通孔130Aに完全に挿通されず、アンテナ34A及びアンテナシャフト126Aが傾いた状態や、フラットトレイ121に接触した状態となってしまう虞があった。
これに対して、本実施形態の加熱調理器は、図35に示すように、袋ナット140を備えているため、袋ナット140とフラットトレイ121との間の距離dが約1mmとなっており、加熱調理器を天地逆転させた場合であっても、アンテナ34、アンテナシャフト126及び袋ナット140は、フラットトレイ121側に約1mmしか移動せず、移動量が少ないため加熱調理器の姿勢を戻せばアンテナモータ取付板125の挿通部133がアンテナシャフト126の挿通孔130に完全に挿通される。
以上のように、本実施形態では、アンテナ34と、アンテナ34を回転させるアンテナモータ36に取り付けられるアンテナモータ取付板125と、アンテナモータ取付板125の挿通部133を下方から挿通するアンテナシャフト126と、アンテナシャフト126の上部に取り付ける取付部材としての袋ナット140と、を備えることにより、アンテナ34及びアンテナシャフト126とフラットトレイ121との間の空間に袋ナット140が配設され、加熱調理器が天地逆転しても袋ナット140がフラットトレイ121の下面に当接するため、アンテナシャフト126がアンテナモータ取付板125から外れることを防止できる。
また、本実施形態では、アンテナ34がアンテナシャフト126と袋ナット140により挟持されていることにより、アンテナ34をアンテナシャフト126に確実に固定することができる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば、加熱調理器は、過熱水蒸気により被加熱物を加熱調理するスチーム加熱機能や、調理室の天井壁に備えたヒータにより被加熱物を加熱調理するグリル加熱機能を備えていてもよい。