JP2000257864A - 加熱調理器 - Google Patents

加熱調理器

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JP2000257864A
JP2000257864A JP11063433A JP6343399A JP2000257864A JP 2000257864 A JP2000257864 A JP 2000257864A JP 11063433 A JP11063433 A JP 11063433A JP 6343399 A JP6343399 A JP 6343399A JP 2000257864 A JP2000257864 A JP 2000257864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設置面積が小さくて庫内容積率が大きく、外
観意匠も良好な加熱調理器を得る。 【解決手段】 オーブン庫23と、このオーブン庫23
の側方に隣接され電装部品を配設した機械室24と、前
記オーブン庫23内の被調理物に対し熱風循環によりオ
ーブン調理するための熱風生成ユニット33とを備え、
この熱風生成ユニット33を前記オーブン庫23側方の
機械室24側に配置した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被調理物をマイク
ロ波調理及び熱風循環によるオーブン調理を行う加熱調
理器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波調理及びオーブン調理
可能なこの種加熱調理器の構成は、図11の横断平面図
にて概略構成を示すように、外箱1内に前面が開口する
オーブン庫2と、このオーブン庫2の側方に隣接して区
画形成された機械室3を有し、オーブン庫2の前面開口
にはこれを開閉する扉4を設け、また機械室3の前面に
は操作パネル5を設けている。そして、機械室3にはマ
グネトロン6や冷却ファン7等の電装部品を装備し、ま
た、オーブン庫2の奥壁2c側には庫内に熱風を供給す
るための熱風生成ユニット8を装備している。この熱風
生成ユニット8は環状ヒータ9,送風ファン10,ファ
ンケーシング11,ファンモータ12、及び該モータ1
2の冷却用ファン13を具備してなり、従って、前記外
箱1の後面板1aは熱風生成ユニット8の後方への突出
部分に合わせて後方に大きく突出した構成となしてい
る。
【0003】そして、オーブン庫2内の両側壁2a,2
bには、略正四角形の角皿14を上下複数段に収納設置
すべく棚部15を複数段突設しており、この棚部15に
角皿14が設置された状態では、オーブン庫2の両側壁
2a,2b側は棚部15に角皿14が載置されて上下方
向に対し殆ど塞がれた状態にあり、また熱風生成ユニッ
ト8が配置され熱風の供給側である奥壁2cには角皿1
4周縁部が当接して後述する熱風循環路を確保するため
に塞がれており、ただ前面の扉4内面において上下方向
に連通する隙間16を有する構成としている。
【0004】しかして図12に示すように、オーブン庫
2内に収納設置された各角皿14によって仕切られた庫
内に前記熱風生成ユニット8から供給された熱風が行き
渡るように、オーブン庫2の奥壁2cには3区分の透孔
群からなる上部吹出口17a,吸込口17b及び下部吹
出口17cを形成した構成としている。
【0005】従って、各角皿14に収容した図示しない
被調理物をオーブン調理する場合には、熱風生成ユニッ
ト8から発生した熱風は図12に示す矢視方向に奥壁2
cの上,下部吹出口17a,17cから前方に向ってオ
ーブン庫2内に供給され、その熱風はオーブン庫2前面
たる扉4内面に至り隙間16を介して回り込み、中間位
置の吸込口17bからファンケーシング11内に戻入し
て、ヒータ9で再加熱されて熱風化されるという一方向
性の熱風循環が行われ、被調理物はこの熱風循環路の熱
風雰囲気中にあって加熱調理され所謂オーブン調理が行
われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成によれば、熱
風生成ユニット8は送風ファン10からこれを駆動する
ファンモータ12までの間において、ファンケーシング
11及び冷却ファン13等が介在することもあって軸方
向寸法が比較的大きくなるため、斯かるユニット8を奥
側に配置した構成では、当然外箱1の後面板1aにはこ
れを許容する局部的な突出形状が必要となり、結果、加
熱調理器たる製品の奥行き寸法Zが大きくなり、設置面
積が大きくなるのに対しオーブン庫2の容積率を頗る悪
化させていた。また、外箱1の後面板1aの突出した形
状は外観的にも良くないばかりか、製品の外形寸法が大
きくなるだけ材料費が高騰化し、更には、リード線など
の配線するに際してオーブン庫2の奥後方に位置する熱
風生成ユニット8から機械室3の電装部品や更に前面の
操作パネル5までの長い区間の配線処理が必要となり、
材料費が嵩み且つその配線作業も面倒なものであった。
【0007】その他、庫内への熱風の供給から戻入する
までの所謂熱風循環路が一方向性で長いため、しかも途
中で熱が扉4側で伝熱的に外気中に逃げ易いことも相俟
って、循環末路の戻りの吸込口17b付近の熱風には湿
気も多く含み相当の温度低下は避けられず、結果として
加熱むらが生じ易くて必ずしも熱風循環効率が良いとは
言えない不具合も有していた。
【0008】本発明は上述の事情に鑑みてなされ、従っ
てその目的は、外形寸法が小さくできて設置面積を小さ
くすると共に、有効な庫内容積率を大きくできる加熱調
理器を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の加熱調理器は、外箱内に形成され前面開口
部に開閉扉を有するオーブン庫と、このオーブン庫の側
方に隣接され電装部品を配設した機械室と、前記オーブ
ン庫内の被調理物に対しマイクロ波調理するためのマグ
ネトロン及び熱風循環によりオーブン調理するための熱
風生成ユニットとを備え、この熱風生成ユニットを前記
オーブン庫の側方の機械室側に配置したことを特徴とす
る(請求項1の発明)。
【0010】斯かる構成によれば、熱風生成ユニットの
配置場所として機械室の空間を有効活用できると共に、
熱源たる該ユニットに対する冷却作用も機械室の他の電
装部品冷却用の冷却ファンを兼用することが可能で一層
コンパクト化できて、機械室を従来と同等、若しくは少
なくとも大形化するのを最小限に抑えることができ、従
って、加熱調理器たる製品の外形寸法並びに設置面積を
縮小化できて、庫内容積率を大きくでき、しかも製品の
後面部に突出形状がなくなり外観意匠も良好となる。ま
た、熱風生成ユニットを始め殆どの電装部品が機械室側
に集結するので、これら電装部品間並びに操作パネル等
への配線処理が効率良く、しかも材料費も安価に済ませ
ることができる。
【0011】そして、請求項1記載のものにおいて、熱
風生成ユニットとマグネトロンを、オーブン庫側壁の機
械室側に離間して設けたことを特徴とする(請求項2記
載の発明)。
【0012】斯かる構成によれば、熱風生成ユニットと
マグネトロンとを共にオーブン庫側壁に取付けること
で、組立行程が簡素化でき作業効率が良くなる利点があ
る。
【0013】更に、請求項2記載のものにおいて、熱風
生成ユニットを前方の扉寄りに配置し、マグネトロンを
奥側に配置すると共に、熱風生成ユニットからの熱風吹
出し方向をオーブン庫奥側に指向させたことを特徴とす
る(請求項3の発明)。
【0014】斯かる構成によれば、前方の扉寄りの熱風
生成ユニットから熱風がオーブン庫内に供給されるの
で、庫内全域に熱風を循環させるに有効であると共に、
供給された熱風が前面の扉に直接吹き付けることもない
ので、該扉から伝熱的に熱が逃げるのを抑えるにも有効
となる。
【0015】また、請求項1記載のものにおいて、オー
ブン庫内の両側壁に複数段の棚部を形成し、この各棚部
に角皿を収納設置した状態で、熱風生成ユニットと対向
する側のオーブン庫側壁と角皿周縁部との間に上下方向
に連通する熱風通路を形成したことを特徴とする(請求
項4の発明)。
【0016】斯かる構成によれば、熱風供給側と相対す
る側の側壁に熱風通路を形成したので、主たる熱風循環
路を構成して熱風を有効に庫内循環させることができ
る。
【0017】そして、請求項4記載のものにおいて、熱
風通路は、オーブン庫側壁の庫内に上下方向に延びる凹
陥部を形成してなることを特徴とする(請求項5の発
明)。斯かる構成によれば、凹陥部はオーブン庫が金属
製の場合、絞り成形により簡単に形成できると共に、当
該側壁の棚部は中途部が寸断された形態となり、従って
この棚部に設置された角皿と側壁の凹陥部との間には上
下方向に連通する熱風通路が形成されて熱風循環が確実
にできる。
【0018】そして更に、請求項4記載のものにおい
て、熱風通路は、オーブン庫側壁に上下方向に亘ってパ
ンチング部を形成すると共に、該パンチング部を背面か
ら覆った構成からなることを特徴とする(請求項6の発
明)。
【0019】斯かる構成によれば、熱風通路を構成する
パンチング部は、広い範囲に亘って形成できること、及
びそのパンチング面積を容易に変更できるので、所望の
熱風流量を求めるのも容易にでき、確実な熱風循環が得
られる。
【0020】また、請求項4乃至6の何れかに記載のも
のにおいて、オーブン庫の扉側内面及び奥壁側内面と角
皿周縁部との間に、夫々上下に連通する隙間からなる熱
風通路を形成したことを特徴とする(請求項7の発
明)。
【0021】斯かる構成によれば、熱風生成ユニットを
有する熱風供給側を除く三方に熱風通路が形成され、主
たる対向壁側の熱風循環に対して、扉側及び奥壁側の両
側方からの夫々の上下方向への熱風が流通することによ
り、温度が低下しがちな熱風循環路の戻りの熱風に対し
て、未だ高温の熱風を送り込みその温度低下を抑えると
共に角皿に収容した被調理物を包み込むように熱風を供
給できるので、加熱むらがなく仕上がり良好なオーブン
調理ができる。
【0022】そして、請求項7記載のものにおいて、オ
ーブン庫奥壁側の熱風通路は、オーブン庫奥壁に内方に
突出する突部を形成し、庫内に収納された角皿が前記突
部に当接してその周縁部と奥壁との間に隙間を形成して
なることを特徴とする(請求項8の発明)。
【0023】斯かる構成によれば、角皿をオーブン庫内
に挿入するだけで、突部との当接によって角皿の所定の
収納位置決めと熱風通路としての隙間が確保できる。
【0024】更にまた、請求項1記載のものにおいて、
オーブン庫内に角皿を上下複数段に収納設置するための
複数段の棚部を、オーブン庫の両側壁に一体に絞り成形
し、このうち機械室側の側壁の棚部全域を背面から断熱
性板体で覆った構成としたことを特徴とする(請求項9
の発明)。
【0025】斯かる構成によれば、熱風生成ユニットを
熱源として当該側壁の棚部を経て角皿に熱伝導するのを
抑えることができ、従って当該角皿が高温状態となって
被調理物の仕上がりを阻害したり、高温状態の角皿の取
り扱いに注意を要するなどの煩わしさを解消できる。
【0026】そして、請求項9記載のものにおいて、熱
風生成ユニットは、断熱性板体を介して取着したことを
特徴とする(請求項10の発明)。
【0027】斯かる構成によれば、熱風生成ユニットと
オーブン庫側壁との間における不要な熱伝導を抑えると
共に、該ユニットは側壁と断熱性板体との所謂二重壁構
造に取着保持されるので堅固な構成となし得る。
【0028】更に、請求項1記載のものにおいて、オー
ブン庫の両側壁に角皿を上下複数段に収納設置するため
の複数段の棚部を有し、このうちの少なくとも機械室側
の棚部をがいしやセラミック等の断熱性部材で形成した
ことを特徴とする(請求項11の発明)。
【0029】斯かる構成によれば、当該棚部のみを断熱
性部材で形成するだけの簡単な構成にて、角皿への熱伝
導を有効に抑えることができる。
【0030】そして更に、請求項1記載のものにおい
て、熱風生成ユニットは、ヒータ,送風ファン,これら
ヒータとファンを内蔵するファンケーシング,及びファ
ンモータとを具備し、上記ファンケーシングとファンモ
ータとの間に遮熱用のカバー部材を介在したことを特徴
とする(請求項12の発明)。
【0031】斯かる構成によれば、ヒータ内蔵のファン
ケーシングからの熱によって、近傍のファンモータはも
とより、延いては機械室内の温度が上昇するのを効果的
に抑えることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の加熱調理器を示す第1実施例につき、図1乃至図5
を参照して説明する。まず図2には、加熱調理器21の
開扉状態の外観斜視図を示しており、外箱22内には前
面開口する金属製のオーブン庫23、及びオーブン庫2
3の右側方に隣接する機械室24(図1参照)を区画形
成しており、オーブン庫23の前面開口には透視窓25
aを有する扉25が開閉自在に設けられ、また機械室2
4に対応する前面には操作パネル26が設けられてい
る。
【0033】そして図1は、加熱調理器21の概略横断
面構造を示したもので、先の図2と併せ説明するに、オ
ーブン庫23の左右側壁23a,23bには上下方向に
複数段の例えば2段の棚部27が内方に突出するよう絞
り成形されていて、特に左側の側壁23aについては図
4に拡大して示すように、略中央部位に上下方向に延び
る凹陥部28を絞り成形しており、従って該側壁23a
に形成された棚部27は中央部分が寸断された形状とし
ている。
【0034】このように両側壁23a,23bに形成さ
れた2段の棚部27上面には、オーブン調理時に図1及
び図5に示すように略正方形の金属製の角皿29がオー
ブン庫23の前面開口よりスライド収納されて設置され
る。この収納設置状態において、オーブン庫23の奥壁
23cに角皿29が当接することで位置決めされるが、
この角皿29の周縁部と奥壁23c内面との間には、上
下方向に連通する熱風通路としての隙間30が形成され
ていて、本実施例では奥壁23cの左右端部に角皿29
と当接する一部を残して略全面を凹陥部状に絞り成形し
てあり、一方、この奥壁23cと対向する扉25側の内
面と角皿29周縁部との間にも熱風通路としての隙間3
1を有しており、該隙間31は開閉動作する扉25との
衝突を避ける作用も併せ有する。従って、前記した左側
の側壁23aに形成した凹陥部28も角皿29が設置さ
れた状態で上下方向に連通する熱風通路として機能し、
以って図1からも理解できるようにオーブン庫23の右
側の側壁23bを除く三つの内面において、角皿29と
の間に上下に連通する熱風通路が形成された構成を得
る。
【0035】ところで、機械室24に隣接するオーブン
庫23の右側の側壁23bには、図5に示すように2段
に設置された角皿29を境に上下方向に3区分された透
孔群からなる、上段から上部吹出口32a,吸込口32
b及び下部吹出口32cを扉25寄りの前方に形成して
いる。そして、これら透孔群に対応して熱風生成ユニッ
ト33が機械室24側の空間を利用して装備されてい
る。即ち、該ユニット33は、環状のシーズヒータから
なるヒータ34と、このヒータ34の内側に配された遠
心形の送風ファン35と、このファン35を回転駆動す
るファンモータ36を具備し、ヒータ34と送風ファン
35は前記透孔群を囲繞するファンケーシング37で覆
われ、このケーシング37に設けられたモータ取付板3
8に上記ファンモータ36が取着された構成としてい
る。
【0036】従って、斯かる熱風生成ユニット33が通
電駆動されると、送風ファン35の回転駆動により、そ
の略中心部位に対応する吸込口32bから吸気しつつ径
方向外方に遠心送風され、これがヒータ34により加熱
されて熱風として上,下部吹出口32a,32cからオ
ーブン庫23内に供給される構成としている。尚、吹出
口32a,32cから供給される熱風は、図1中に矢印
で示すように本実施例ではオーブン庫23のやや奥側に
指向して流れるよう設定してあり、これは例えば送風フ
ァン41の回転方向、或いは吹出口32a,32cやフ
ァンケーシング37の形状によって流れに指向性を持た
せることは容易にできる。
【0037】また、前記機械室24内には、特に図3に
示すように熱風生成ユニット33の奥側に位置してマグ
ネトロン39が側壁23bに取着されていて、図示しな
いがオーブン庫23内に連通する励振口を経てマイクロ
波を発信する構成にある。そしてこのマグネトロン39
の下方にはインバータ制御用のプリント基板40が配設
されていて、このプリント基板40及び上記マグネトロ
ン39の後方に夫々冷却ファン41,42を設けてお
り、マグネトロン39側の冷却ファン42による送風の
一部はオーブン庫23内に連通する吸気ダクト43に送
り込まれる。また冷却ファン41による送風は、プリン
ト基板40を冷却した後、ファンケーシング37に立設
されたガイド部材44により分岐され、一方は熱風生成
ユニット33の特にファンモータ36の冷却用に使用し
た後に機外に排出され、他方は操作パネル26等の冷却
用に使用して機外に排出され、総じて機械室24内を冷
却する機能を構成している。
【0038】上記のように構成された本実施例の加熱調
理器21において、例えばクッキーやロールパン等のオ
ーブン調理する場合につき述べるに、2個の角皿29に
被調理物(生地)を収容載置し、これをオーブン庫23
内に上下2段に設けた各棚部27上にスライドさせるよ
うにして奥壁23cの両端部に当接する位置まで収納し
て設置する。そして扉25を閉じた後、操作パネル26
によりメニュー選択などの設定操作を行いスタート操作
する。
【0039】これによって、熱風生成ユニット33のヒ
ータ34及びファンモータ36に通電され、送風ファン
35の回転駆動により生成された熱風は、図1及び図5
の矢視方向に流れる。即ち、オーブン庫23内の空気が
側壁23bの吸込口32bよりファンケーシング37内
に取り込まれ、該ケーシング37内でヒータ34により
加熱されて熱風となり、側壁23bの上,下部吹出口3
2a,32cよりオーブン庫23内に供給される。この
うち、上部吹出口32aからの熱風は、庫内奥方に若干
指向しながらも上段の角皿29の上部空間を対向壁であ
る側壁23a側に向って流れ、該側壁23aに至って熱
風通路としての凹陥部28より下方に流れて上下2段の
角皿29間に回り込み、そして再び側壁23bの吸込口
32bよりファンケーシング37内に吸い込まれ、ヒー
タ34により加熱されて熱風化され、この繰り返しによ
る所謂熱風循環が行われる。一方、下部吹出口32cか
らの熱風は、下段の角皿29の下部空間を流れて凹陥部
28に至り、上方に回り込み上記同様にして熱風循環が
行われる。
【0040】ところが、本実施例では、角皿29を収納
設置した状態でオーブン庫23内面の奥側には隙間30
を有し、また前側の扉25内面にも隙間31を有する、
所謂熱風通路を構成しているので、一部の熱風はこれら
隙間30,31からも流れることとなり、上段の角皿2
9上面の熱風は下方に流れ込み、また下段の角皿29下
面の熱風は上方に流れ込み、この結果、上下段の角皿2
9間には、熱風生成ユニット33を有する側壁23bと
対向する側壁23a側と、奥壁23c側及び前方の扉2
5側の三方から熱風の供給を受けることになり、熱風の
戻入側末路における温度低下現象を是正して加熱むらの
ない熱風循環作用を得る。
【0041】このようにして、オーブン庫23内に供給
された熱風により角皿29に収容された被調理物が満遍
なく加熱されオーブン調理される。そしてこのオーブン
調理している間、少なくとも冷却ファン41が駆動され
て、その冷却風によりプリント基板40、及びガイド部
材44により分流されて熱風生成ユニット33と操作パ
ネル26側の冷却を主体に機械室24内の冷却作用が行
われる。
【0042】このように本実施例によれば、オーブン調
理を行うための熱風生成ユニット33をマグネトロン3
9等の電装部品を収容配備した機械室24に装備したこ
とによって、機械室24の空間を有効活用できると共
に、機械室24内に各種電装部品を冷却するために設け
てある冷却ファン41を利用して、熱風生成ユニット3
3のファンモータ36の冷却も兼用できるので、従来必
要としていたファンモータ専用の冷却ファンを削減でき
て安価に提供でき、しかも、その分軸方向の寸法を縮小
化できるので、該機械室24は従来と同等の大きさ、或
いは少なくとも大形化するのを最小限に抑えることがで
きる。のみならず、従来の如き加熱調理器21たる製品
の後面部の突出形状がなくなり、外観的に良くなると共
に従来に比して奥行き寸法Z1 が大幅に小さくなって製
品の外形寸法及び設置面積を大いに縮小できるので、オ
ーブン庫23が占める庫内容積率が大きな加熱調理器2
1を提供できる。
【0043】また、熱風生成ユニット33はオーブン庫
23に対し側方に配置し、且つ機械室24内の前方たる
扉25寄りに設け、そしてマグネトロン39を後方たる
奥側に離間配置して機械室24内の空間を巧みに活用す
ると共に、熱風生成ユニット33からの熱風吹出し方向
を庫内奥側に指向させたので、扉25側からの熱の逃げ
を防ぐのに有効である。その上、庫内の熱風循環路とし
ては従来の一方向性に対し、オーブン庫23内への熱風
供給側である右側壁23bを除く他の三方に上下方向に
連通する熱風通路としての隙間30,31及び凹陥部2
8を設けたので、これら隙間30,31を通じて熱風戻
入側の温度低下区域に未だ高温の熱風を送り込むことが
できて、庫内熱風循環路全体における温度むらをなく
し、従って被調理物に対し包み込むように熱風を供給で
きて加熱むらがなくなり、仕上がり良好なオーブン調理
ができる。
【0044】上記の構成に対し、図6乃至図10は本発
明の第2乃至第5実施例を示すもので、夫々上記第1実
施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略
し、異なる部分についてのみ述べる。
【0045】(第2の実施の形態)図6は本発明の第2
実施例を示すもので、上記第1実施例における熱風通路
として熱風生成ユニット33と対向する側壁23aに形
成した凹陥部28に代えて、本実施例では側壁23aの
上下方向に亘ってにパンチング部45を穿設してなる構
成にある。即ち、パンチング部45は、オーブン庫23
内に上下2段に収納設置される角皿29により、三つに
仕切られる庫内区分に対応して形成された複数の透孔群
からなる連通孔45a, 45b,45cからなり、この
側壁23aを背面から外側板46にて覆い、内部に各連
通孔45a,45b,45c間が連通する内部空間47
を形成した構成にある。従って、このうち上,下部の連
通孔45a,45cは熱風供給側の側壁23bの上,下
部吹出口32a,32cに夫々対向し、また中間位置の
連通孔45bは吸込口32bと対向する位置関係にあ
る。
【0046】上記構成の第2実施例において、オーブン
調理する場合、熱風生成ユニット33にて加熱された熱
風は、側壁23bの上,下部吹出口32a,32cから
庫内に供給され、対向する側壁23aの連通孔45a,
45cから空間47内に流入した後、中間位置の連通孔
45bから庫内に戻り吸込口32bを経てファンケーシ
ング37内にて加熱されるという熱風循環が行われ、上
記第1実施例と実質的に同じ熱風循環路が形成される。
従って、本実施例においてもパンチング部45を設けて
なる側壁23a側の熱風通路と、他の奥壁23c側及び
扉25側の各隙間30,31からなる熱風通路による熱
風循環も付加されて、熱風は庫内全般に速やかに行き渡
り、角皿29に収容された被調理物に対し包み込むよう
に熱風を供給して加熱むらのないオーブン調理ができ
る。
【0047】このように本実施例においても、上記第1
実施例と同様の作用効果を奏すると共に、本実施例では
パンチング部45は側壁23aの広い範囲にて形成でき
るので、その流通面積たる透孔数或いは孔径を変えるこ
とで所望の熱風流量を容易に設定できる点で有利であ
る。
【0048】(第3の実施の形態)図7に示す第3実施
例においては、上記第1実施例における熱風通路として
の奥壁23c側に隙間30を絞り成形した構成に対し、
本実施例では該奥壁23cに内方に突出する突部48を
適数個形成した点で異なり、即ち、庫内に収納される角
皿29の設置高さに対応して局部的に突部48を形成す
ることによって、該突部48に角皿29が当接すること
で、角皿29の収納位置が決められ、同時にその周縁部
と奥壁23cとの間に上下に連通する所定の隙間49を
確保し、以って熱風通路として機能するようにしたもの
である。このような本実施例においても、上記第1実施
例と同様の作用効果を奏するものである。
【0049】(第4の実施の形態)図8及び図9は本発
明の第4の実施例を示し、特に熱風生成ユニット33が
有するヒータ34に対する遮熱構造に関するもので、熱
風生成ユニット33を取着する側壁23bに対し、絞り
成形した上下2段の棚部27背面の全域を含む矩形の断
熱性板体50を背面から宛がい、これをファンケーシン
グ37で挟持するようにネジ51で締付け固定してな
り、例えば図9にその固定部位の一部を示したように棚
部27背面の凹所内にネジ51の突出先端が収まるよう
にしている。勿論、該板体50には、各熱風吹出口32
a,32c及び吸込口32bに対応する位置に、夫々こ
れらを包含する大きさの開口部50a,50c及び50
bを形成していて、熱風の流通を妨げないようにしてい
る。更には、ファンケーシング37とファンモータ36
との間に、該ファンケーシング37を空隙を存して覆う
ように断熱性のカバー部材52を適宜の固定手段により
設けており、これは前記ネジ51止め手段を流用するよ
うにしても良い。
【0050】上記構成の第4実施例においては、熱風生
成ユニット33をオーブン庫23側方の機械室24に設
けたことにより危惧される点を解消したもので、即ち、
オーブン調理時には側壁23bは近傍のヒータ34によ
り高温化され、該側壁23bの各棚部27を経て金属板
製の角皿29に熱伝導して、これに収容した被調理物を
必要以上に焦がしたり、或いは調理後における高温状態
の角皿29の取り扱いを煩わしくする憂いが生ずる。し
かるに本実施例によれば、棚部27全域を背面から包含
する大きさの断熱性板体50を設けたので、側壁23b
はもとより当該棚部27への熱伝導を抑制し、角皿29
への熱的影響を軽減できる。
【0051】また、送風ファン35と共に上記ヒータ3
4を内蔵したファンケーシング37も、該ヒータ34に
より高温状態となり、特に近接したファンモータ36へ
の熱的悪影響、並びに機械室24内の温度上昇を助長し
他の電装部品への悪影響も考慮されるが、本実施例で
は、ファンケーシング37を覆うように断熱性のカバー
部材52を被着したので上記した熱的影響も解消でき、
しかもファンモータ36に対し第1実施例で述べたよう
に他の冷却ファン41による冷却作用で対処できて従来
の如き当該モータ36専用の冷却ファンの削減に寄与し
得るものである。従って、本実施例によれば、熱風生成
ユニット33をオーブン庫23側方の機械室24側に配
置した構成に伴うヒータ34による熱的影響に対して
も、何ら問題なく対処できるばかりか、該ユニット33
を機械室24側に装備したことの種々の特徴を生かし得
るものである。更には、断熱性板体50を設けたことに
より、側壁23cと併せて所謂二重壁構造となり、これ
に熱風生成ユニット33を取着保持する構成が堅固に提
供できる。
【0052】(第5の実施の形態)図10は本発明の第
5実施例を示したもので、これは上記第4実施例におい
てオーブン庫23の両側壁23a,23bに設けた棚部
27に対し、本実施例では少なくとも熱風生成ユニット
33を設けた機械室24側の側壁23bが有する棚部5
3を、碍子やセラミック等の断熱性部材で形成して取付
け固定した構成である。
【0053】斯かる構成によれば、上記第4実施例で述
べたところの、ヒータ34からの角皿29への熱伝導を
断熱性部材の棚部53のみの簡単な構成にて効果的に遮
断することができ、上述した如き熱的影響に対し有効に
回避できる。尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実
施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内にて適宜変更して実施できるものである。
【0054】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、オーブン庫
内に熱風を供給する熱風生成ユニットを、オーブン庫側
方の機械室側に配置したことにより、該機械室の空間を
有効活用でき、しかも従来の如き外箱の後面板の一部が
後方に突出することもなくなるので、小さな設置面積に
て庫内容積率を大きくできると共に外観意匠も良好とな
り、更には機械室内にて配線処理を簡易にできるなどの
実用的効果を有する加熱調理器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す横断平面図
【図2】開扉状態の外観斜視図
【図3】外箱を破断して機械室の構成を示す側面図
【図4】オーブン庫の一部を拡大して示す斜視図
【図5】熱風循環路の説明図
【図6】本発明の第2実施例を示す要部の断面図
【図7】本発明の第3実施例を示す概略縦断面図
【図8】本発明の第4実施例を示す要部の断面図
【図9】一部拡大して示す異なる位置における断面図
【図10】本発明の第5実施例を示す図8相当図
【図11】従来例を示す図1相当図
【図12】図5相当図
【符号の説明】
21は加熱調理器、22は外箱、22aは後面板、23
はオーブン庫、23a,23bは側壁、23cは奥壁、
24は機械室、25は扉、26は操作パネル、27,5
3は棚部、28は凹陥部(熱風通路)、29は角皿、3
0,31,49は隙間(熱風通路)、32a,32cは
上,下部吹出口、32bは吸込口、33は熱風生成ユニ
ット、34はヒータ、35は送風ファン、36はファン
モータ、37はファンケーシング、39はマグネトロ
ン、41,42は冷却ファン、45はパンチング部、4
5a,45b,45cは連通孔、48は突部、50は断
熱性板体、及び52はカバー部材を示す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外箱内に形成され前面開口部に開閉扉を
    有するオーブン庫と、このオーブン庫の側方に隣接され
    電装部品を配設した機械室と、前記オーブン庫内の被調
    理物に対しマイクロ波調理するためのマグネトロン及び
    熱風循環によりオーブン調理するための熱風生成ユニッ
    トとを備え、この熱風生成ユニットを前記オーブン庫の
    側方の機械室側に配置したことを特徴とする加熱調理
    器。
  2. 【請求項2】 熱風生成ユニットとマグネトロンを、オ
    ーブン庫側壁の機械室側に離間して設けたことを特徴と
    する請求項1記載の加熱調理器。
  3. 【請求項3】 熱風生成ユニットを前方の扉寄りに配置
    し、マグネトロンを奥側に配置すると共に、熱風生成ユ
    ニットからの熱風吹出し方向をオーブン庫奥側に指向さ
    せたことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
  4. 【請求項4】 オーブン庫内の両側壁に複数段の棚部を
    形成し、この各棚部に角皿を収納設置した状態で、熱風
    生成ユニットと対向する側のオーブン庫側壁と角皿周縁
    部との間に上下方向に連通する熱風通路を形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  5. 【請求項5】 熱風通路は、オーブン庫側壁の庫内に上
    下方向に延びる凹陥部を形成してなることを特徴とする
    請求項4記載の加熱調理器。
  6. 【請求項6】 熱風通路は、オーブン庫側壁に上下方向
    に亘ってパンチング部を形成すると共に、該パンチング
    部を背面から覆った構成からなることを特徴とする請求
    項4記載の加熱調理器。
  7. 【請求項7】 オーブン庫の扉側内面及び奥壁側内面と
    角皿周縁部との間に、夫々上下に連通する隙間からなる
    熱風通路を形成したことを特徴とする請求項4乃至6の
    何れかに記載の加熱調理器。
  8. 【請求項8】 オーブン庫奥壁側の熱風通路は、オーブ
    ン庫奥壁に内方に突出する突部を形成し、庫内に収納さ
    れた角皿が前記突部に当接してその周縁部と奥壁との間
    に隙間を形成してなることを特徴とする請求項7記載の
    加熱調理器。
  9. 【請求項9】 オーブン庫内に角皿を上下複数段に収納
    設置するための複数段の棚部を、オーブン庫の両側壁に
    一体に絞り成形し、このうち機械室側の側壁の棚部全域
    を背面から断熱性板体で覆った構成としたことを特徴と
    する請求項1記載の加熱調理器。
  10. 【請求項10】 熱風生成ユニットは、断熱性板体を介
    して取着したことを特徴とする請求項9記載の加熱調理
    器。
  11. 【請求項11】 オーブン庫の両側壁に角皿を上下複数
    段に収納設置するための複数段の棚部を有し、このうち
    の少なくとも機械室側の棚部を碍子やセラミック等の断
    熱性部材で形成したことを特徴とする請求項1記載の加
    熱調理器。
  12. 【請求項12】 熱風生成ユニットは、ヒータ,送風フ
    ァン,これらヒータとファンを内蔵するファンケーシン
    グ、及びファンモータとを具備し、上記ファンケーシン
    グとファンモータとの間に遮熱用のカバー部材を介在し
    たことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
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