JP2019052067A - 単結晶育成装置 - Google Patents

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富男 梶ヶ谷
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Abstract

【課題】坩堝の温度分布の軸対称性を維持でき、かつ、坩堝を取り囲んで配置される耐火物筐体の寿命を向上できる単結晶育成装置を提供する。【解決手段】酸化物単結晶を育成する単結晶育成装置10は、単結晶原料18を収容する坩堝12と、先端に種結晶1が取り付けられ、坩堝12内を回転可能な状態で上下に移動する引上げ軸16と、坩堝12の外側に配置され坩堝12の誘導加熱を行うワークコイル15と、坩堝12を取り囲むように配置された耐火物筐体14と、坩堝12と耐火物筐体14との隙間に充填されるジルコニア・バブル19と、を備え、ジルコニア・バブル19の充填密度は1.8g/cm3以上、2.2g/cm3以下である。【選択図】図1

Description

本開示は、高周波誘導加熱炉を用いたチョクラルスキー(以下、Czと略称する)法に代表される引き上げ法による酸化物単結晶の育成に用いられる単結晶育成装置に関する。
強誘電体であるタンタル酸リチウム(LiTaO:以下、LTと略称する)単結晶から加工される酸化物単結晶基板は、主に移動体通信機器において電気信号ノイズを除去する表面弾性波素子(SAWフィルター)の材料として用いられている。
SAWフィルターの材料となるLT単結晶は、産業的には主にCz法によって育成されている。Cz法とは、坩堝内の原料融液表面に種結晶となる単結晶片を接触させ、該種結晶を回転させながら上方に引き上げることにより種結晶と同一方位の円筒状単結晶を育成する方法である。
Cz法に代表される引き上げ法によるLT単結晶の育成では、一般的に高周波誘導加熱式の育成炉が用いられている。LT結晶の融点は1650℃と高温であることと、育成雰囲気に酸素が必要であること等から、育成に際してはイリジウム(Ir)製坩堝が用いられており、このIr製坩堝自体がワークコイルで形成される高周波磁場によって誘導され発熱体となる。Ir製坩堝の周囲には、断熱や温度分布の調整のためにアルミナやジルコニア製の耐火物筐体を配している。
Cz法による単結晶育成では、種結晶を回転させながら引上げることで円筒状の結晶を得るので、原料融液を含めたホットゾーン内の温度分布が、引上軸に対して軸対称であることが重要である。温度分布の軸対称性が悪いと、結晶の回転に伴って、成長界面近傍の融液温度が変化するために結晶成長速度が変動してしまう。極端な場合では、結晶が融解、急成長を繰り返すことになる。このような結晶成長速度の変動が起こると、結晶欠陥が生成し育成成功率が低下する。
成長界面近傍の温度分布の軸対称性に最も影響を与えるのは、内部に単結晶原料融液があり、且つ発熱体であるIr製坩堝の発熱分布である。Ir製坩堝の真円度が高く、且つIr製坩堝の中心軸上に引上軸があることが好ましい。
しかし、Ir製坩堝は、育成を繰り返す毎に変形が進む。坩堝の変形は、非対称に起こるので、坩堝の変形が進行するに従って温度分布の軸対称性が悪化し、育成成功率が低下してしまう。変形が起こる理由は、主に坩堝内部にある単結晶原料融液による荷重とLTとIrの熱膨張率の差である。
単結晶原料融液の荷重による変形とは、LT結晶育成時は、坩堝はLT結晶の融点1650℃以上になっており、低温時と比較すると軟化し、変形し易い状態となっているために、坩堝内部にある単結晶原料融液による外側に向う応力によって、特に坩堝底部付近が膨らむ。この現象は、原料融液量が最も多く、且つ坩堝の温度が最も高い、単結晶原料融解時が最も変形速度が大きい。
それに対して、LTとIrの熱膨張率の差による変形は、結晶育成終了後の冷却時に発生する。これは、育成時は熱膨張でIr製坩堝の直径が室温時よりも大きくなっている。その状態で冷却に入ると、坩堝内に残った単結晶原料融液が融点1650℃以下となり固化する。その後、室温まで冷却されるが、固化したLT原料とIr製坩堝の熱膨張率を比較すると、Ir製坩堝の方が大きいために、Ir製坩堝は、内部で固化した原料の形状に沿うように変形してしまう。
育成結晶のサイズ、及び用いる坩堝のサイズも小さく、坩堝内に充填する原料の量が少ない場合は、LTとIrの熱膨張率の差による変形が主であったが、近年、育成結晶のサイズ、用いる坩堝のサイズが大型化し、坩堝内に充填する単結晶原料量が多くなると、原料融液の荷重による変形が顕著となってきた。単結晶原料融解時に起こる単結晶原料融液の荷重による変形が起こると、その変形した形状に対応して融液が固化するので、その後の冷却時に起こる膨張率差による変形を助長させることになる。
一般的な高周波誘導加熱式のLT結晶育成においては、Ir製坩堝の変形は避けられないことなので、Ir製坩堝が変形しても、坩堝周りの保温性が大きく変化しないように、Ir製坩堝の外周部には流動性があるジルコニア・バブルと呼ばれるφ1〜3mm程度の顆粒状の耐火材を設置するのが一般的となっている(例えば特許文献1参照)。
特開2009−7203号公報
単結晶原料融液の荷重による変形を抑制するためには、ジルコニア・バブルの充填密度を高くすることが考えられる。しかし、ジルコニア・バブルの充填密度を高くすると、坩堝の形状変化をバブル層で吸収することが出来なくなり、バブル層の更に外側にある耐火物筐体に応力が加わり、耐火物筐体にクラックが発生し易くなる。耐火物筐体にクラックが発生すると、そのクラック部からジルコニア・バブルが漏れてしまい、保温性、及び温度分布の軸対称性が大きく劣化してしまう。それに対して、ジルコニア・バブルの充填密度を低くすると、坩堝の変形速度が大きくなり、温度分布の軸対称性が急速に悪化し、育成成功率が下がってしまう。
本開示は、坩堝の温度分布の軸対称性を維持でき、かつ、坩堝を取り囲んで配置される耐火物筐体の寿命を向上できる単結晶育成装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態の一観点に係る単結晶育成装置は、酸化物単結晶を育成する単結晶育成装置であって、単結晶原料を収容する坩堝と、先端に種結晶が取り付けられ、前記坩堝内を回転可能な状態で上下に移動する引上げ軸と、前記坩堝の外側に配置され前記坩堝の誘導加熱を行うワークコイルと、前記坩堝を取り囲むように配置された耐火物筐体と、前記坩堝と前記耐火物筐体との隙間に充填されるジルコニア・バブルと、を備え、前記ジルコニア・バブルの充填密度は1.8g/cm以上、2.2g/cm以下である。
本開示によれば、坩堝の温度分布の軸対称性を維持でき、かつ、坩堝を取り囲んで配置される耐火物筐体の寿命を向上できる単結晶育成装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る単結晶育成装置の概略構成を模式的に示す断面図である。 温度分布の軸対称性と育成成功率の関係を示す図である。 軸対称性ズレ量の測定手法の一例を示す模式図である。 ジルコニア・バブルの充填密度と坩堝の変形速度の関係を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
[単結晶育成手法の概要]
まずはじめに、図1を参照して、Cz法に代表される引き上げ法による単結晶育成装置10の構成例について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る単結晶育成装置10の概略構成を模式的に示す断面図である。
本実施形態の単結晶育成装置10は、高周波誘導加熱式の育成炉である。図1に示すように、単結晶育成装置10は、チャンバー11内に坩堝12を配置する。坩堝12は、坩堝台13上に載置される。チャンバー11内には、坩堝12を囲むように、耐火物筐体14が配置されている。耐火物筐体14は、アルミナやジルコニア製の耐火物で形成され、内部に坩堝12や坩堝台13を収容する。
耐火物筐体14の周囲には、坩堝12を囲むようにワークコイル15が坩堝12の外側に配置されている。ワークコイル15が形成する高周波磁場によって、坩堝12の壁に渦電流が流れ、坩堝12自体が発熱体となる。
チャンバー11の上部には引上げ軸16が回転可能かつ上下方向に移動可能に設けられている。引上げ軸16の下端の先端部には、種結晶1を保持するためのシードホルダ17が取り付けられている。
坩堝12と耐火物筐体との隙間にはジルコニア・バブル19が充填されている。ジルコニア・バブル19は、流動性のある直径1〜3mm程度の顆粒状の耐火材である。坩堝12の周囲にジルコニア・バブル19を設置することにより、坩堝12が変形しても坩堝12周りの保温性が大きく変化しないようにでき、坩堝12の温度分布の軸対称性の維持を図ることができる。このような目的を満たすためには、ジルコニア・バブル19の充填密度は1.8g/cm以上、2.2g/cm以下であるのが好ましい。
次に上記の単結晶育成装置10を用いた単結晶育成方法の概要について説明する。Cz法に代表される引き上げ法では、坩堝12内の単結晶原料18の融液表面に種結晶1となる単結晶片を接触させ、この種結晶1を引上げ軸16により回転させながら上方に引き上げることにより、種結晶1と同一方位の円筒状単結晶を育成する。
種結晶1の回転速度や引上速度は、育成する結晶の種類、育成時の温度環境に依存し、これ等の条件に応じて適切に選定する必要がある。また、結晶育成に際しては、成長界面で融液の結晶化によって生じる固化潜熱を、種結晶を通して上方に逃がす必要があるために、成長界面から上方に向って温度が低下する温度勾配下で行う必要がある。加えて、育成結晶の形状が曲がったり、捩れたりしないようにするために、原料融液内においても、成長界面から坩堝壁に向って水平方向に、且つ成長界面から坩堝底に向って垂直方向に温度が高くなる温度勾配下で行う必要がある。
例えば、LT単結晶育成の場合は、LT結晶の融点が1650℃と高温であり、育成雰囲気に酸素が必要であることから、高融点金属であるイリジウム(Ir)製の坩堝12が用いられる。また、この場合、引上げ軸16及びシードホルダ17もIr製であるのが好ましい。育成時の引上速度は、一般的には数mm/H程度、回転速度は数rpm程度で行われる。また、育成時の炉内は、酸素濃度数%程度の窒素−酸素の混合ガス雰囲気とするのが一般的である。このような条件下で、所望の大きさまで結晶を育成した後は、引上速度の変更や融液温度を徐々に高くする等の操作を行うことで、育成結晶を融液から切り離し、その後、育成炉のパワーを所定の速度で低下させることで徐冷し、炉内温度が室温近傍となった後に育成炉内から結晶を取り出す。
このような方法で結晶育成を行う場合、育成される結晶の品質は、主に育成環境の温度勾配と結晶成長速度に依存する。温度勾配が大きい環境下では、結晶形状の制御は容易となるが、結晶内の温度差が大きくなるために、結晶内に大きな応力が生じ、転位等の結晶欠陥密度が高くなる。それに対して、温度勾配が小さい環境下では、結晶形状の制御は難しくなるが、結晶内の温度差が小さくなるために、結晶内に生じる応力も小さくなり、欠陥密度の低い高品質結晶が得られる。同様に、結晶成長速度を速くすると短時間で結晶を得ることが出来るが、結晶成長界面で融液中の原子が安定位置に到達する前に結晶相に組み込まれてしまう確率が高くなるために、欠陥密度が高い結晶となる。それに対して、成長速度を遅くすると、所望の大きさのサイズまで結晶を成長させるのに時間が掛かり、生産性は低くなるが、欠陥密度が低い高品質結晶を得ることができる。
[結晶成長速度の変動]
ところで、Cz法に代表される引き上げ法で結晶育成を行う際に、回転軸でもある引上げ軸16に対する温度分布の軸対称性が悪いと、回転に伴って、結晶成長界面の温度が変動してしまう。結晶成長界面は、固相である結晶と液相である融液が共存している面なので、その温度は、ほぼLTの融点と考えられる。従って、結晶成長界面の温度の変動は、結晶の成長速度の変動を招く。結晶成長速度の変動は上述のように育成される結晶の品質に大きく影響する。更に、温度分布の軸対称性が悪い場合は、結晶回転に伴う成長界面の温度変動幅が大きくなるので、成長界面は回転によって融解、急成長を繰り返すこととなり、育成成功率に大きな影響がでる。
図2は温度分布の軸対称性と育成成功率の関係を示す図である。図2の横軸は、坩堝12の温度分布の軸対称性ズレ量(mm)を示し、図2の縦軸は、育成成功率(%)を示す。図3は、軸対称性ズレ量の測定手法の一例を示す模式図である。図3に示すように、軸対称性ズレ量は、例えば、シーディング時の炉内モニター画面を用いて、スポーク・パターン(融液表面対流)の沈み込み位置P1と、種結晶1が溶融表面と接触する位置P2との距離を測定することで求めることができる。図2に示すように、温度分布の軸対称性が悪化するほど、育成成功率が低下することが判る。
次に図4を参照して本実施形態に係る単結晶育成装置10の効果を説明する。本実施形態では、ジルコニア・バブル19の充填密度を1.8g/cm以上、2.2g/cm以下として、ジルコニア・バブル19の充填密度を最適化する。
図4は、ジルコニア・バブルの充填密度と坩堝の変形速度の関係を示す図である。図4の横軸はジルコニア・バブル19の充填密度(g/cm)を示す。図4の縦軸は、シーディング時(育成開始時に種結晶1を融液表面に接触させる時)の坩堝12の変形速度(mm/run)を示す。
本実施形態では、シーディング時に計測できる育成1run毎の融液表面位置の降下速度を、坩堝の変形速度として代用した。坩堝12の変形は、直径が大きくなる方向に進行するために、坩堝12が変形すると、坩堝12の内容積は大きくなる。従って、坩堝12内にチャージする原料の量を一定として育成を繰り返すと、坩堝内容積の増加によって、育成開始時の融液表面位置はrun毎に降下していく。従って、シーディング時の融液表面位置の育成run毎の降下速度で、坩堝12の変形速度を示すことができる。
図4に示すように、ジルコニア・バブル19の充填密度が1.8g/cmよりも低い場合は、密度が低下するほど坩堝12の変形速度が大きくなっていく。それに対して、ジルコニア・バブル19の充填密度が1.8g/cm以上の場合は、充填密度が大きくなるに従って坩堝12の変形速度は小さくなるが、充填密度に対する変形速度の依存性は小さい。
ジルコニア・バブル19の充填密度を1.8g/cm以上にすることにより、坩堝12の変形速度を小さくできるので、図3に示した融液表面対流の沈み込み位置P1と、シーディング時に種結晶1が融液表面と接触する位置P2との距離Lの初期条件が30mm以下となるように炉内を構築すれば、育成を繰り返してもP1―P2間距離Lが30mm以上に広がることを抑制できる。この結果、坩堝12の温度分布の軸対称性を維持することが可能となり、図2のグラフに基づけば、育成成功率を適正範囲に維持できる。
また、ジルコニア・バブル19の充填密度に対する耐火物筐体14の寿命依存性を調べたところ、充填密度が2.2g/cm以下では充填密度に対する寿命依存性は低く、50run程度の育成ができたが、充填密度が2.2g/cmよりも大きくなると、耐火物筐体14は10run程度の使用で割れてしまうことが判った。
つまり、ジルコニア・バブル19の充填密度を2.2g/cm以下にすることにより、耐火物筐体14の寿命を向上でき、耐火物筐体14のクラック発生を抑制できる。これにより、ジルコニア・バブル19が坩堝12の周囲から漏れ出ることが無いので、坩堝12の温度分布の軸対称性を維持でき、育成成功率の低下を防止できる。
これらのことから、高周波誘導加熱式の育成炉(単結晶育成装置10)を用いたCz法などの引き上げ法によるLT単結晶育成においては、Ir製などの坩堝12の外周部に充填するジルコニア・バブル19の充填密度を1.8g/cm以上、2.2g/cm以下とすることが好ましいという結論に至った。
このように、本実施形態の単結晶育成装置10は、ジルコニア・バブル19の充填密度を1.8g/cm以上、2.2g/cm以下とすることにより、坩堝12の温度分布の軸対称性を維持できると共に、坩堝12を取り囲んで配置される耐火物筐体14の寿命を向上できる。この結果、単結晶育成における育成成功率を適正範囲に維持できる。
次に、本発明の実施例について具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示す高周波誘導加熱炉10の構成において、Cz法によるLT結晶育成を行った。ホットゾーン構築にあたり、Ir製坩堝12の外周部に充填するジルコニア・バブル19の充填密度は1.8g/cmとした。耐火物筐体14としてアルミナ容器を用いた。
Ir製坩堝12内に単結晶原料18としてLT原料をチャージし、原料18の融解後に、種結晶1の先端部を坩堝12内の原料融液に浸し、回転させながら引上げることで、直径6インチ、直胴部長さ120mmのLT単結晶育成を得た。種結晶1の方位は38°RYとした。得られた単結晶の重量は約20kgであった。
同様の条件で繰り返し育成を50run(回)行った。50run中、46runで単結晶を得ることができ、育成成功率は92%であった。50runの育成を実施する中で、シーディング時の融液表面位置をrun毎に計測し、run当りの融液表面位置の降下速度を求めたところ、約0.8mm/runであった。また、温度分布の軸対称性の指標として、図3に示した融液表面対流の沈み込み位置P1と、種結晶の先端が融液表面と接触した位置P2の距離Lを計測したところ、50run目の育成においても30mmであり、温度分布の軸対称性は良好に保持されていた。また、50runの育成実施後においても耐火物筐体14にクラックは生じていなかった。
[実施例2]
ジルコニア・バブル19の充填密度を2.2g/cmとした以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行った。
同様の条件で繰り返し育成を50run(回)行った結果、48runで単結晶を得ることができ、育成成功率は96%であった。50runの育成を実施する中で、シーディング時の融液表面位置をrun毎に計測し、run当りの融液表面位置の降下速度を求めたところ、約0.4mm/runであった。また、融液表面対流の沈み込み位置P1と、種結晶1の先端が融液表面と接触した位置P2の距離Lを計測したところ、50run目の育成においても10mmであり、温度分布の軸対称性が保持されていた。また、50runの育成実施後においても耐火物筐体14にクラックは生じていなかった。
[比較例1]
ジルコニア・バブル19の充填密度を1.7g/cmとした以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行った。
同様の条件で繰り返し育成を50run(回)行った結果、36runで単結晶を得ることができ、育成成功率は72%であった。50runの育成を実施する中で、シーディング時の融液表面位置をrun毎に計測し、run当りの融液表面位置の降下速度を求めたところ、約2.1mm/runであった。また、融液表面対流の沈み込み位置P1と、種結晶1の先端が融液表面と接触した位置P2の距離Lを計測したところ、1run目ではほぼ0mmであったが、10run目で20mm、30run目で40mm、50run目で50mmと育成run数が増えるに従って大きくなり、温度分布の軸対称性が悪化していった。また、耐火物筐体14には50runの育成後でもクラックは生じていなかった。
[比較例2]
ジルコニア・バブル19の充填密度を2.3g/cmとした以外は実施例1と同様の条件で結晶育成を行った。
同様の条件で繰り返し育成を行った結果、10run目で耐火物筐体14にクラックが生じ、ジルコニア・バブル19が漏れたためにホットゾーンの再構築が必要となった。ホットゾーン再構築し、更に繰り返し育成を継続したところ、再構築後8run目で再び耐火物筐体14にクラックが生じ、ジルコニア・バブル19の漏れが発生した。単結晶は、最初の10run中9runで、再構築後の8runで7runで得られた。育成成功率は、89%であった。また、融液表面対流の沈み込み位置P1と、種結晶1の先端が融液表面と接触した位置P2の距離Lを計測したところ、ジルコニア・バブル19が漏れたrun以外は全て10mm以下であったが、ジルコニア・バブル19が漏れたrunでは50mm程度あり、温度分布の軸対称性が大幅に悪化した。
実施例1,2及び比較例1,2に示す結果より、本実施形態による、ジルコニア・バブル19の充填密度を1.8g/cm以上、2.2g/cm以下とする手法は、坩堝12の温度分布の軸対称性を維持でき、かつ、坩堝12を取り囲んで配置される耐火物筐体14の寿命を向上できる点で極めて有効であることが示された。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
1 種結晶
10 単結晶育成装置
12 坩堝
14 耐火物筐体
15 ワークコイル
16 引上げ軸
18 単結晶原料
19 ジルコニア・バブル

Claims (2)

  1. 酸化物単結晶を育成する単結晶育成装置であって、
    単結晶原料を収容する坩堝と、
    先端に種結晶が取り付けられ、前記坩堝内を回転可能な状態で上下に移動する引上げ軸と、
    前記坩堝の外側に配置され前記坩堝の誘導加熱を行うワークコイルと、
    前記坩堝を取り囲むように配置された耐火物筐体と、
    前記坩堝と前記耐火物筐体との隙間に充填されるジルコニア・バブルと、
    を備え、
    前記ジルコニア・バブルの充填密度は1.8g/cm以上、2.2g/cm以下である、
    単結晶育成装置。
  2. 前記酸化物単結晶はタンタル酸リチウムである、請求項1に記載に単結晶育成装置。
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