JP2019049149A - 足場板およびその足場板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】足場板としての十分な強度を確保しながらも軽量化が可能で、かつ、効率的な製造を実現し得る足場板およびその足場板の製造方法を提案する。【解決手段】一対の短辺1a、1bおよび一対の長辺1c、1dにて取り囲まれた区画領域を踏面、床面とする足場板本体1と、該足場板本体1の長辺1c、1dでその全長にわたってそれぞれ一体連結する一対の布板2a、2bと、該足場板本体1の短辺側にて該足場板本体1および該布板2a、2bにつながる側板3とを備えた足場板において、該足場板本体1、布板2a、2bおよび側板3は、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金の板材からなるもので構成し、該布板2a、2bを、該板材をロール成形により屈曲させて形成された曲げ加工片とする。【選択図】図4
Description
本発明は、建築工事現場において構築される仮設足場の通路や作業床を形成するのに用いられる足場板およびその足場板の製造方法に関するものである。
建築工事現場の仮設足場の通路や作業床を形成する足場板としては、これまでに、鋼製の足場板が使用されていた。ところで、近年では、軽くて持ち運びが容易な足場板の需要が増加する傾向にあり、それに対応した足場板として、例えば、特許文献1にはアルミニウム製中空足場板が提案されている。
上記特許文献1に開示された中空足場板は、外周と内周が共に偏平な同心長方形の中空断面を有しており、その長手方向中空部に一つ以上の短径方向の隔壁を設け、長方形の長辺外周側面の片面又は両面に滑り止め突起を取り付けた構造からなるものであって、かかる中空足場板によれば、鋼製の足場板に比較して重量の軽減を図ることができるものとされていた。
しかしながら、かかる中空足場板は、アルミニウムを押し出すことにより成形された押し出し成形品であり、その製造工程が煩雑で効率的な製造が行えるとはいい難く、しかも、所望の強度を確保するには厚みを増す必要もあることから重量軽減を図るにも限界があり、未だ改善の余地が残されている。
本発明の課題は、足場板としての十分な強度を確保しながらも軽量化が可能で、かつ、効率的な製造が実現できる足場板およびその足場板の製造方法を提案するところにある。
本発明は、一対の短辺および一対の長辺にて取り囲まれた区画領域を踏面、床面とする足場板本体と、該足場板本体の長辺でその全長にわたってそれぞれ一体連結する一対の布板と、該足場板本体の短辺側にて該足場板本体および該布板につながる側板とを備えた足場板であって、
該足場板本体、布板および側板は、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金の板材からなり、該布板は、該板材をロール成形により屈曲させて形成された曲げ加工片である、ことを特徴とする足場板である。
該足場板本体、布板および側板は、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金の板材からなり、該布板は、該板材をロール成形により屈曲させて形成された曲げ加工片である、ことを特徴とする足場板である。
上記の構成からなる足場板において、汎用性があるAl―Mg系非熱処理アルミニウム合金の板材が、JISA5052Pのアルミニウム合金の板材であること、
足場板本体、布板および側板は、その表面に厚さ0.5〜2.0μm程度のガラスコートまたは、厚さ1.0〜3.0mm程度の樹脂層からなる保護膜を有すること、が望ましい。
足場板本体、布板および側板は、その表面に厚さ0.5〜2.0μm程度のガラスコートまたは、厚さ1.0〜3.0mm程度の樹脂層からなる保護膜を有すること、が望ましい。
また、本発明は、上記の構成からなる足場板を製造するに当たり、
足場板用の素材として、まず、厚さ1.0〜3.0mmの、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金からなる板材を用意して、該板材を、少なくとも一基のロール成形機によりロール成形を行い、塑性加工が厳しい工程(厳しい塑性加工箇所の成形を行う段階)では、一方が非駆動で、もう一方が駆動するロール対を備えたロール成形機を用いることにより、幅方向の端部に一対の布板を有する足場板本体を形成し、次いで、該足場板本体の長手方向の端縁に、該足場板本体および該布板につながる側板を別途に連結、固定したことを特徴とする足場板の製造方法である。
足場板用の素材として、まず、厚さ1.0〜3.0mmの、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金からなる板材を用意して、該板材を、少なくとも一基のロール成形機によりロール成形を行い、塑性加工が厳しい工程(厳しい塑性加工箇所の成形を行う段階)では、一方が非駆動で、もう一方が駆動するロール対を備えたロール成形機を用いることにより、幅方向の端部に一対の布板を有する足場板本体を形成し、次いで、該足場板本体の長手方向の端縁に、該足場板本体および該布板につながる側板を別途に連結、固定したことを特徴とする足場板の製造方法である。
本発明によれば、足場板本体、布板および側板を、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金の板材からなるものとし、該布板については、板材をロール成形により屈曲させて形成された曲げ加工片としたため、厚さが比較的薄いものであっても、強度が確保された足場板を効率よく製造することができる。
Al―Mg系非熱処理アルミニウム合金の板材として、JISA5052P等のアルミニウム合金の板材を用いることにより、足場板の軽量化が可能となる。
足場板本体、布板および側板は、その表面に厚さ0.5〜2.0μm程度のガラスコートまたは、厚さ1.0〜3.0mm程度の樹脂層からなる保護膜を設けるようにしたことにより、足場板に生コンクリートやモルタル、塗料等が付着したりても容易に剥離、除去できる。また、足場板が乱雑に扱われた際の損傷等をも防止し得る。
本発明によれば、厚さ1.0〜3.0mmの、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金からなる板材を足場板用の素材として用い、これを、少なくとも一基のロール成形機によりロール成形を行うことにより、幅方向の端部に一対の布板を有する足場板本体を形成し、それに続いて、該足場板本体の長手方向の端縁に、該足場板本体および該布板につながる側板を別途に連結、固定するようにしたため、足場板の効率的な製造が可能となる。
とくに、板材の塑性加工が厳しい工程では一方が非駆動で、もう一方が駆動する一対のロールを備えたロール成形機を用いることにより、ロールの同期回転が可能となりロールとの接触によるすり疵の発生を回避することができる。
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明にしたがう足場板の実施の形態を模式的に示した外観斜視図であり、図2は、図1に示した足場板の底面側を示した外観斜視図であり、図3は、図1に示した足場板の分解状態を示した外観斜視図であり、図4は、図1のA−A断面を示した図である。
図1は、本発明にしたがう足場板の実施の形態を模式的に示した外観斜視図であり、図2は、図1に示した足場板の底面側を示した外観斜視図であり、図3は、図1に示した足場板の分解状態を示した外観斜視図であり、図4は、図1のA−A断面を示した図である。
図1〜4における符号1は、足場板本体である。足場板本体1は、一対の短辺1a、1bおよび一対の長辺1c、1dにて取り囲まれた区画領域を踏面、床面Mとしている。
足場板本体1は、ここでは、幅方向の中央部および端部にそれぞれ該足場板本体1の長手方向に沿って伸延する細溝L1、L2、L3を備えたものを例として示している。
足場板本体1は、ここでは、幅方向の中央部および端部にそれぞれ該足場板本体1の長手方向に沿って伸延する細溝L1、L2、L3を備えたものを例として示している。
また、2a、2bは、端曲げ部を有し、足場板本体1の長辺1c、1dでその全長にわたってそれぞれ一体連結するL字状断面をなす一対の布板、3は、足場板本体1の短辺側にて該足場板本体1および該布板2a、2bにつながる側板(梁部材)、4は、足場板本体1の裏側中央部に設けられ、布板2a、2bの相互間に差し渡された側板(梁部材)である。側板3、側板4は、いずれも足場板への荷重の負荷により布板2a、2bが開放されるのを防止する機能を有するものであって、とくに、側板4は、足場板本体1の長さに応じてその枚数が適宜増加される。
上記足場板は、足場板本体1の短辺1a、1bの幅方向の端部には、仮設足場を構成する横架材に引っ掛けるためのフックが取り付けられるが、ここでは、フックは省略して示している。
また、5は、足場板本体1に設けられた滑り止め用の開孔である。開孔5は、開孔の縁部を隆起させることができるバーリング加工等によって形成される。
本発明にしたがう足場板は、厚さ1.0〜3.0mmの、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金からなる板材として、JISA5052P等のアルミニウム合金からなる板材を用い、該板材を、少なくとも一基のロール成形機により図5に示す如き要領でロール成形を行うことにより(塑性加工が厳しい工程では一方が駆動するロール対を備えたロール成形機を用いる)、幅方向の端部に一対の布板を有する足場板本体1を形成する。そして、該足場板本体1の長手方向の端縁に、足場板本体1および布板2a、2bにつながる側板、フックを別途に連結、固定するとともに、必要に応じて側板3を取り付けることにより製造される。
本発明にしたがう足場板は、板厚が1.0〜3.0mmのアルミニウム製の板材からなっており、足場板において必要な強度を確保しながらその軽量化が可能であり、しかも、ロール成形により成形されることから効率的な製造が可能になっている。
とくに、ロール成形法を適用して足場板を製造するに当たっては、塑性加工が厳しい工程(段階)では、ロールとの接触によりすり疵が発生することが懸念されるが、本発明では、すり疵の発生が懸念される場合には、一方が非駆動で、もう一方が駆動するロール対を備えたロール成形機を使用するため、非駆動側、駆動側においてロールを同期回転させることが可能であり(回転速度の違いが生じない)、ロールとの接触によりすり疵が発生するのを回避することできる。
側板3、4は、リベットあるいは溶接によって足場板本体1、布板2a、2bに連結、固定する。
足場板本体1、布板2a、2b、側板3、4には、コンクリートやモルタル、塗料等が付着しても容易に剥離、除去することができるように(防汚効果)、また、現場において足場板が乱雑に扱われた場合に発生する傷や破損を防止することができるように、その表面に厚さが0.5〜2.0μm程度のガラスコートあるいは厚さ1.0〜3.0mm程度の樹脂層(ポリウレア塗膜)からなる保護層を設けるが、ガラスコートは、具体的には、空気中の水分と反応してガラス皮膜を形成する網目状多層性ガラスコート剤を用いるのが好ましい。
また、ポリウレア塗膜等の樹脂層は、例えば、2液混合の化学反応により保護層を形成することが望ましい。樹脂層は、ポリウレア塗装膜の他、ポリマーコート等を用いることができる。
ロール成形を行う際の条件としては、板材に対して水溶性潤滑油を塗布し、ロール(フランジロール)のベアリング化等により傷の発生を防止するとともに、曲げ加工の際に割れを防止するためコーナー部におけるR(アール)は、板厚以上を確保するのがよい。
本発明では、ロール成形を行う際に、80%程度の冷間圧延率((圧延前板厚−圧延後板厚)/圧延前板厚)×100%)を上限とする冷間加工(冷間圧延)を行うことが可能で、これにより、機械的性質(引張強度、耐力、伸び等)を制御することができる(加工硬化による強度上昇)。
JISA5052Pのアルミニウム合金に類似するものとしては、JISA5056P、JISA5083Pアルミニウム合金があるが、これらは、棒形状専用材であり、機械的特性、とくに、伸びの値が高いという不具合がる。このため、本発明では、JISA5052Pのアルミニウム合金の板材を用いるものである。
図6は、本発明にしたがう足場板の他の実施の形態をその断面について示した図である。かかる足場板は、足場板本体1の幅方向の中央部に三角断面形状をなすリブ6を設け、足場板本体1の長手方向の強度を高めた構造のものである。
本発明においては、図6に示すような足場板についても効率よく製造することができる。
本発明によれば、足場板としての十分な強度を確保しながらも軽量化が可能で、かつ、効率的な製造を実現し得る足場板およびその足場板の製造方法が提供できる。
1 足場板本体
1a、1b 短辺
1c、1d 長辺
2a、2b 布板
3、4 側板
5 開孔
6 リブ
1a、1b 短辺
1c、1d 長辺
2a、2b 布板
3、4 側板
5 開孔
6 リブ
Claims (4)
- 一対の短辺および一対の長辺にて取り囲まれた区画領域を踏面、床面とする足場板本体と、該足場板本体の長辺でその全長にわたってそれぞれ一体連結する一対の布板と、該足場板本体の短辺側にて該足場板本体および該布板につながる側板とを備えた足場板であって、
該足場板本体、布板および側板は、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金の板材からなり、該布板は、該板材をロール成形により屈曲させて形成された曲げ加工片である、ことを特徴とする足場板。 - 前記Al―Mg系非熱処理アルミニウム合金が、JISA5052Pのアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1に記載した足場板。
- 前記足場板本体、布板および側板は、その表面にガラスコートまたは樹脂層からなる保護膜を有することを特徴とする請求項1または2に記載した足場板。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載した足場板を製造するに当たり、
前記足場板用の素材として、まず、厚さ1.0〜3.0mmの、Al−Mg系非熱処理アルミニウム合金からなる板材を用意して、該板材を、少なくとも一基のロール成形機によりロール成形を行い、塑性加工が厳しい工程では、一方が非駆動で、もう一方が駆動するロール対を備えたロール成形機を用いることにより、幅方向の端部に一対の布板を有する足場板本体を形成し、次いで、該足場板本体の長手方向の端縁に、該足場板本体および該布板につながる側板を別途に連結、固定したことを特徴とする足場板の製造方法。
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