JP2019048954A - エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】強化繊維への含浸性と硬化物としての靱性に優れたエポキシ樹脂組成物およびそれを用いた繊維強化複合材料を提供する。【解決手段】少なくとも次の構成要素[A]〜[E]を含み、70℃での粘度が200mPa・s以下であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。[A]25℃で液状のエポキシ樹脂[B]25℃で液状の芳香族ジアミン化合物[C]特定のラジカル重合性モノマー[D]上記[C]と異なる特定のラジカル重合性モノマー[E]熱重合開始剤【選択図】なし
Description
本発明は、低粘度であるために含浸性に優れ、硬化物が高い破壊靱性値を有するエポキシ樹脂組成物、およびエポキシ樹脂組成物と強化繊維よりなる繊維強化複合材料に関する。
従来、炭素繊維、ガラス繊維などの強化繊維と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量でありながら、強度や剛性などの力学特性や耐熱性、また耐食性に優れているため、航空・宇宙、自動車、鉄道車両、船舶、土木建築およびスポーツ用品などの数多くの分野に応用されてきた。特に、高性能が要求される用途では、連続した強化繊維を用いた繊維強化複合材料が用いられ、強化繊維としては比強度、比弾性率に優れた炭素繊維が、そしてマトリックス樹脂としては熱硬化性樹脂、中でも特に炭素繊維との接着性、耐熱性、弾性率および耐薬品性を有し、硬化収縮が最小限であるエポキシ樹脂が多く用いられている。
繊維強化複合材料の製造方法としては、プリプレグ法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM(Resin Transfer Molding)法等の工法が適宜選択される。これらの工法のうち、液状樹脂を用いるフィラメントワインディング法、プルトルージョン法、RTM法は、圧力容器、電線、自動車などの産業用途への適用が特に活発化している。
一般にプリプレグ法により製造された繊維強化複合材料は、強化繊維の配置が精緻に制御されるため、優れた機械特性を示す。一方で近年の環境への関心の高まり、温室効果ガスの排出規制の動きを受け、プリプレグ以外の、液状樹脂を用いた繊維強化複合材料でも、さらなる高強度化が求められている。
特許文献1は、低粘度のエポキシ樹脂と液状芳香族アミン硬化剤に、コアシェルゴム粒子を配合することで、エポキシ樹脂の靱性が向上することが示されている。
特許文献2は、ラジカル重合性のモノマーをエポキシ樹脂に配合し、プリプレグ化工程での含浸時の加熱中にラジカル重合を起こすことで、樹脂を増粘させるプリプレグの製造方法が示されている。
特許文献3は、ベンゾオキサジン化合物とエポキシ樹脂に、ラジカル重合性モノマーとラジカル重合後のポリマーを含むことで、樹脂硬化物の靱性が向上することが示されている。
特許文献4,5および6では、エポキシ樹脂にラジカル重合性の化合物を配合することで、低粘度を維持しつつ、エポキシ樹脂の力学特性が向上することが示されている。
しかし、特許文献1に記載されるコアシェルゴムを用いた場合は、靱性の向上効果は見られたが、弾性率とのバランスが難しく、力学特性の向上効果が十分でない場合があった。また、特許文献2に示される技術では、樹脂の増粘が起きるため、RTM法のような低粘度の樹脂が要求される製造方法には不適であった。特許文献3に示される技術では、樹脂の高靱性化はされるが、ラジカル重合性モノマーを重合させた後にベンゾオキサジン化合物を加え、最終の樹脂組成物とする必要があるため、樹脂組成物の粘度が高く、低粘度の樹脂が要求される製造方法には不適であった。特許文献4、5および6については、用いたラジカル重合性モノマーの靱性が高くないため、硬化物の靱性向上効果は十分ではなかった。
そこで、本発明の目的は、低粘度であるために含浸性に優れ、かつ硬化物が高い靭性を有するエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために次のいずれかの構成を有するものである。すなわち、少なくとも次の構成要素[A]〜[E]を含み、70℃での粘度が200mPa・s以下であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
[A]25℃で液状のエポキシ樹脂
[B]25℃で液状の芳香族ジアミン化合物
[C]化学式(I)〜(IV)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
[D]化学式(V)または(VI)で表されるラジカル重合性モノマー
[E]熱重合開始剤
[A]25℃で液状のエポキシ樹脂
[B]25℃で液状の芳香族ジアミン化合物
[C]化学式(I)〜(IV)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
[D]化学式(V)または(VI)で表されるラジカル重合性モノマー
[E]熱重合開始剤
(式(I)〜(VI)中、R1およびR6は水素原子またはメチル基から選ばれ、R2〜R5およびR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、アリール基、炭素数6以下の脂環式炭化水素基、またはハロゲン原子から選ばれる。また、nは1〜50のいずれかを表す)。
本発明の繊維強化複合材料は、上記のエポキシ樹脂組成物が硬化されてなる樹脂硬化物と強化繊維とを含む。
本発明によれば、低粘度であるために強化繊維への含浸性に優れ、かつ硬化物が高い靭性を有するエポキシ樹脂組成物を得ることができる。このエポキシ樹脂組成物は、強化繊維束内部への含浸性に優れるため、RTM法、プルトルージョン法およびフィラメントワインディングなどの液状プロセスにて繊維強化複合材料を製造することが可能となる。本発明のエポキシ樹脂は高い靱性を有するため、力学特性に優れた繊維強化複合材料が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、次の構成を有するものである。すなわち、少なくとも次の構成要素[A]〜[E]を含み、70℃の粘度が200mPa・s以下であるエポキシ樹脂組成物である。
[A]25℃で液状のエポキシ樹脂
[B]25℃で液状の芳香族ジアミン化合物
[C]上記の化学式(I)〜(IV)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
[D]上記の化学式(V)または(VI)で表されるラジカル重合性モノマー
[E]熱重合開始剤。
[A]25℃で液状のエポキシ樹脂
[B]25℃で液状の芳香族ジアミン化合物
[C]上記の化学式(I)〜(IV)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
[D]上記の化学式(V)または(VI)で表されるラジカル重合性モノマー
[E]熱重合開始剤。
本発明で用いる構成要素[A]は、1分子中に2個以上のグリシジル基を有する25℃で液状のエポキシ樹脂である。ここで、25℃で液状であるとは、JIS K7121(1987)に基づいて求められる融点またはガラス転移温度が25℃未満であって、25℃で流動性を示すことを意味する。25℃で液状であることで、低粘度のエポキシ樹脂組成物が得られる。1分子中にグリシジル基が2個未満のエポキシ樹脂の場合、後述する硬化剤と混合した混合物を加熱硬化して得られる硬化物のガラス転移温度が低くなるため好ましくない。本発明で用いられる、25℃で液状のエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジンなどのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよいし、適宜含有させて用いてもよい。なかでも、全エポキシ樹脂100質量部に対して、構成要素[A]としてグリシジルアミン型エポキシ樹脂を30質量部以上含むことで、高いガラス転移温度を有する硬化物が得られるため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、耐熱性や機械物性に対して著しい低下を及ぼさない範囲であれば、構成要素[A]以外のエポキシ樹脂、例えば室温で固形のエポキシ樹脂や、1分子中に1個のみのエポキシ基を有するモノエポキシ樹脂などを適宜含有させることができる。
本発明に含まれる構成要素[B]は、25℃で液状の芳香族ジアミン化合物である。25℃で液状の定義は上述のとおりである。25℃で液状であることで、低粘度のエポキシ樹脂組成物が得られる。本発明で用いられる、25℃で液状の芳香族ジアミン化合物としては、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジメチルジフェニルメタン、m−キシリレンジアミンなどが挙げられる。また、他成分との混合時は粉体と液体の芳香族アミン化合物を混合して用いても良い。
本発明における構成要素[C]および構成要素[D]は、上記の式(I)〜(VI)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマーであり、式(I)〜(VI)中、R1およびR6は水素原子またはメチル基から選ばれ、R2〜R5およびR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、アリール基、炭素数6以下の脂環式炭化水素基、またはハロゲン原子から選ばれる。また、nは1〜50のいずれかを表す。構成要素[C]および構成要素[D]は、ラジカル重合によりエポキシ樹脂組成物中で高分子量化する。ラジカル重合により高分子量化した構成要素[C]は、線状ポリマーであるため高い靱性を有し、側鎖が剛直であるため、優れた力学特性と耐熱性を有する。そのため、エポキシ樹脂硬化物の力学特性および耐熱性の低下を抑えつつ、靱性を向上させることができる。ラジカル重合により高分子量化した構成要素[D]は、線状ポリマーであり、かつ柔軟な脂肪族鎖を側鎖に有するため、優れた靱性を示し、エポキシ樹脂硬化物の靱性を向上させる効果を有する。構成要素[D]をエポキシ樹脂組成物に含まない場合は、硬化物中での構成要素[C]の相分離サイズが大きくなり、エポキシ樹脂硬化物の引張または曲げモードでの破壊強度を低下させる傾向にある。構成要素[C]と構成要素[D]を組み合わせて用いることで、エポキシ樹脂との相溶性が改善され、相分離サイズが微細化するため、エポキシ樹脂硬化物の強度の低下を抑制しつつ、靱性を向上させることが可能となる。なかでも、上記の式(V)および式(VI)中で、nが4〜30であることがより好ましい。nが4以上であることで、エポキシ樹脂硬化物の相分離サイズの微細化および靱性向上の効果に優れ、nが30以下であることで、エポキシ樹脂硬化物の強度低下を抑制することができ、バランスの良い特性となるため好ましい。
構成要素[C]の化合物としては、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、4−ヒドロキシベンジルアクリレート、4−ヒドロキシベンジルメタクリレート、4−ヒドロキシフェニルアクリレート、4−ヒドロキシフェニルメタクリレート、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドなどが挙げられる。
構成要素[D]の化合物としては、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ドデシルアクリレート、イコシルアクリレート、ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ウンデシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、イコシルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルメタクリレートなどが挙げられる。
構成要素[D]の配合量は、構成要素[C]と構成要素[D]の配合量の合計に対して10〜50質量%であることが好ましい。10質量%以上であることで、相分離サイズの微細化によりエポキシ樹脂硬化物の強度低下が抑制され、50質量%以下であることで、靱性と強度、弾性率、耐熱性のバランスに優れたエポキシ硬化物が得られる。
本発明に含まれる構成要素[E]は、加熱によってラジカルを発生させる熱重合開始剤である。構成要素[E]の化合物としては、ジベンゾイルペルオキシド、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド等が挙げられる。
ここで、構成要素[E]の一時間半減期温度は80℃以上であることが好ましい。一時間半減期温度とは、熱重合開始剤の濃度が一時間で半分となる温度のことをさす。ベンゼンを溶媒として、0.1mol/L濃度の重合開始剤溶液を調製し、窒素置換を行ったガラス管中に密封した後、これを所定温度にセットした恒温槽に浸し、重合開始剤の濃度変化を計測することで、一時間半減期温度が算出される。一時間半減期温度が80℃以上であることで、エポキシ樹脂組成物を70℃を超える高温で保持した際、構成要素[C]と構成要素[D]高分子量化を抑制できるため、粘度の上昇が起こりにくく、含浸性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、70℃での粘度が200mPa・s以下であることを満たすものである。本発明における粘度は、動的粘弾性測定装置ARESレオメーター(TAインスツルメント社製)を使用し、70℃にて、ねじりモード(測定周波数:0.5Hz)で測定される。70℃における粘度が200mPa・s以下であることで、強化繊維束内部への含浸性に優れ、プルトルージョン法やフィラメントワインディングおよびRTM法などの液状プロセスにて繊維強化複合材料を製造することが可能となる。70℃での粘度は、100mPa・s以下であることがより好ましい。粘度をこの範囲とすることで、エポキシ樹脂組成物の強化繊維束への含浸性をより向上することが出来る。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、さらに構成要素[F]として、式(VII)〜(IX)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマーを含有させることが好ましい。構成要素[F]のラジカル重合性モノマーは、ビニル基が2つあるため、構成要素[C]と構成要素[D]の架橋剤として作用する。架橋により、エポキシ樹脂硬化物中での構成要素[C]と構成要素[D]の凝集が抑制されるため、相分離サイズが細かくなり、エポキシ樹脂硬化物の強度の低下が抑制される。要素[F]の化合物としては、エチレングリコールジメタクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレートなどが挙げられる。
構成要素[C]と構成要素[D]と構成要素[F]の総配合量が、全エポキシ樹脂組成物に対して10〜30質量%であることが好ましい。10質量%以上であることで、エポキシ樹脂硬化物としての優れた靱性が得られ、30質量%以下であることで、靱性と強度、弾性率、ガラス転移温度のバランスに優れたエポキシ硬化物が得られる。
本発明において、エポキシ樹脂組成物の耐熱性と熱安定性を損ねない範囲で硬化促進剤を使用しても良い。硬化促進剤としては、例えば、三級アミン、イミダゾール化合物、スルホン酸エステル、ルイス酸アミン錯体、ポリフェノール、尿素化合物、ヒドラジド化合物などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を失わない範囲において、熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂や、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子等を含有することがでる。
エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂としては、例えばポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドン、ポリスルホンを挙げることができる。
ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子を挙げることができる。
航空宇宙用途や車両などの構造材料に適用する場合、エポキシ樹脂硬化物が高い耐熱性を有する必要がある。耐熱性は動的粘弾性測定によりガラス転移温度を測定することで評価できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、ガラス転移温度が150℃以上であることが好ましく、より好ましくは160℃以上である。エポキシ樹脂組成物のガラス転移温度が高いほど、より高い耐熱性が求められる部材への適用が可能となるため好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、カップリング剤、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子、あるいはシリカゲル、カーボンブラック、クレー、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボン粒子、金属粉体といった無機フィラー等を含有させることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、上述したエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とし、この樹脂組成物を強化繊維と複合させたものである。強化繊維は、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を好ましく挙げることができるが、中でも炭素繊維が特に好ましい。
炭素繊維の市販品としては、“トレカ(登録商標)”T800G−24K、“トレカ(登録商標)”T800S−24K、“トレカ(登録商標)”T700G−24K、“トレカ(登録商標)”T300−3K、および“トレカ(登録商標)”T700S−12K(以上、東レ(株)製)などが挙げられる。
炭素繊維の形態や配列については、一方向に引き揃えた長繊維や織物等から適宜選択できるが、軽量で力学特性がより高い水準にある炭素繊維強化複合材料を得るためには、炭素繊維が、一方向に引き揃えた長繊維(繊維束)や織物等連続繊維の形態であることが好ましい。
本発明の繊維強化複合材料の繊維質量含有率は、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは35〜85質量%であり、更に好ましくは40〜80質量%である。繊維質量含有率が30質量%未満では、樹脂の量が多すぎて、比強度と比弾性率に優れる繊維強化複合材料の利点が得られず、また、繊維強化複合材料の成形の際、硬化時の発熱量が高くなりすぎることがある。また、繊維質量含有率が90質量%を超えると、樹脂の含浸不良が生じ、得られる複合材料はボイドの多いものとなる恐れがある。
本発明の繊維強化複合材料は、様々な公知の方法で製造することができる。例えば、ハンド・レイアップ法、フィラメント・ワインディング法、プルトルージョン法、レジン・インジェクション・モールディング法、RTM法などの成形法を適用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、組成比の単位「部」は、特に注釈のない限り質量部を意味する。また、各種特性の測定は、特に注釈のない限り温度23℃、相対湿度50%の環境下で行った。
<実施例および比較例で用いた材料>
(1)構成要素[A]:25℃で液状のエポキシ樹脂
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”828、三菱化学(株)製)エポキシ当量:189(g/eq.)
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“EPICLON(登録商標)”830、DIC(株)製)エポキシ当量:172(g/eq.)
・テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)エポキシ当量:113(g/eq.)
・トリグリシジル−m−アミノフェノール(“アラルダイト(登録商標)”MY0600、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)エポキシ当量:106(g/eq.)
・トリグリシジル−p−アミノフェノール(“アラルダイト(登録商標)”MY0500、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)エポキシ当量:106(g/eq.)。
(1)構成要素[A]:25℃で液状のエポキシ樹脂
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”828、三菱化学(株)製)エポキシ当量:189(g/eq.)
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“EPICLON(登録商標)”830、DIC(株)製)エポキシ当量:172(g/eq.)
・テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)エポキシ当量:113(g/eq.)
・トリグリシジル−m−アミノフェノール(“アラルダイト(登録商標)”MY0600、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)エポキシ当量:106(g/eq.)
・トリグリシジル−p−アミノフェノール(“アラルダイト(登録商標)”MY0500、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)エポキシ当量:106(g/eq.)。
(2)構成要素[B]:25℃で液状の芳香族ジアミン化合物
・ジエチルトルエンジアミン(“Aradur(登録商標)”5200、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)、活性水素当量:45(g/eq.)
・4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(“カヤハード(登録商標)”A−A、日本化薬(株)製)、活性水素当量:64(g/eq.)。
・ジエチルトルエンジアミン(“Aradur(登録商標)”5200、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)、活性水素当量:45(g/eq.)
・4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(“カヤハード(登録商標)”A−A、日本化薬(株)製)、活性水素当量:64(g/eq.)。
(3)構成要素[C]:化学式(I)〜(IV)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
・ベンジルメタクリレート(和光純薬工業(株)社製)(化学式(I)に該当)
・N−フェニルメタクリルアミド(東京化成工業(株)社製)(化学式(IV)に該当)。
・ベンジルメタクリレート(和光純薬工業(株)社製)(化学式(I)に該当)
・N−フェニルメタクリルアミド(東京化成工業(株)社製)(化学式(IV)に該当)。
(4)構成要素[D]:化学式(V)または(VI)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(Sigma Aldrich社製)(化学式(VI)に該当)
・ドデシルメタクリレート(EM315、長興化学社製)(化学式(V)に該当)。
・ポリエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレート(Sigma Aldrich社製)(化学式(VI)に該当)
・ドデシルメタクリレート(EM315、長興化学社製)(化学式(V)に該当)。
(5)構成要素[E]:熱重合開始剤
・ジクミルペルオキシド(東京化成工業(株)社製)、一時間半減期温度(測定方法は上述の方法のとおり):136℃。
・ジクミルペルオキシド(東京化成工業(株)社製)、一時間半減期温度(測定方法は上述の方法のとおり):136℃。
(6)構成要素[F]:化学式(VII)〜(IX)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
・エチレングリコールジメタクリレート(東京化成工業(株)社製)(化学式(VII)に該当)
・N,N’−メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業(株)社製)(化学式(VIII)に該当)
・4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート(東京化成工業(株)社製)(化学式(IX)に該当)。
・エチレングリコールジメタクリレート(東京化成工業(株)社製)(化学式(VII)に該当)
・N,N’−メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業(株)社製)(化学式(VIII)に該当)
・4,4’−イソプロピリデンジフェノールジメタクリレート(東京化成工業(株)社製)(化学式(IX)に該当)。
<エポキシ樹脂組成物の作製方法および評価方法>
以下の方法にて各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を測定した。
以下の方法にて各実施例および比較例のエポキシ樹脂組成物を測定した。
(1)エポキシ樹脂組成物の作製
混練装置中に、表1〜6に記載の構成要素[A]に該当するエポキシ樹脂に、構成要素[C]、[D]、[E]および構成要素[F]に該当する成分を投入し、加熱混練により全ての成分を溶解させた。室温まで冷却した後、表1〜6に記載の構成要素[B]を加えて撹拌し、エポキシ樹脂組成物を得た。
混練装置中に、表1〜6に記載の構成要素[A]に該当するエポキシ樹脂に、構成要素[C]、[D]、[E]および構成要素[F]に該当する成分を投入し、加熱混練により全ての成分を溶解させた。室温まで冷却した後、表1〜6に記載の構成要素[B]を加えて撹拌し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(2)70℃でのエポキシ樹脂組成物の粘度の測定方法
エポキシ樹脂組成物の粘度は、動的粘弾性測定装置ARESレオメーター(TAインスツルメント社製)を使用した。下部測定治具に直径42mmのコーンプレート、上部測定冶具に直径40mmの平板のパラレルプレートを用い、上部と下部の冶具間距離が1mmとなるように該エポキシ樹脂組成物をセット後、ねじりモード(測定周波数:0.5Hz)で測定した。70℃で1分間保持した時の粘度η*を、70℃でのエポキシ樹脂組成物の粘度とした。
エポキシ樹脂組成物の粘度は、動的粘弾性測定装置ARESレオメーター(TAインスツルメント社製)を使用した。下部測定治具に直径42mmのコーンプレート、上部測定冶具に直径40mmの平板のパラレルプレートを用い、上部と下部の冶具間距離が1mmとなるように該エポキシ樹脂組成物をセット後、ねじりモード(測定周波数:0.5Hz)で測定した。70℃で1分間保持した時の粘度η*を、70℃でのエポキシ樹脂組成物の粘度とした。
(3)エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度の測定方法
エポキシ樹脂組成物をモールドに注入した後、熱風乾燥機中で30℃から速度1.5℃/分で昇温し、120で5時間加熱硬化した後、さらに速度1.5℃/分で180℃まで昇温し、180℃で2時間加熱硬化した。その後、30℃まで速度2.5℃/分で降温し、厚さ2mmの樹脂硬化板を作製した。作製した樹脂硬化板から幅12.7mm、長さ45mmの試験片を切り出し、JIS 7244−1(1997)に従い、DMA法によりガラス転移温度を求めた。貯蔵弾性率E’曲線において、ガラス状態での接線と転移状態での接線との交点温度値をガラス転移温度とした。ここでは、昇温速度5℃/分、周波数1Hzで測定した。
エポキシ樹脂組成物をモールドに注入した後、熱風乾燥機中で30℃から速度1.5℃/分で昇温し、120で5時間加熱硬化した後、さらに速度1.5℃/分で180℃まで昇温し、180℃で2時間加熱硬化した。その後、30℃まで速度2.5℃/分で降温し、厚さ2mmの樹脂硬化板を作製した。作製した樹脂硬化板から幅12.7mm、長さ45mmの試験片を切り出し、JIS 7244−1(1997)に従い、DMA法によりガラス転移温度を求めた。貯蔵弾性率E’曲線において、ガラス状態での接線と転移状態での接線との交点温度値をガラス転移温度とした。ここでは、昇温速度5℃/分、周波数1Hzで測定した。
(4)エポキシ樹脂硬化物の破壊靱性値(KIC)の測定方法
上記(3)と同様の方法で厚さ6mmの樹脂硬化板を作製し、長さ60mm、幅12.7mmの試験片を切り出した。材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン(登録商標)”5565型P8564)を用い、試験速度10mm/分、支点間距離50.8mmで3点曲げ試験を行い、ASTM D5049−99に従いKICを求めた。
上記(3)と同様の方法で厚さ6mmの樹脂硬化板を作製し、長さ60mm、幅12.7mmの試験片を切り出した。材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン(登録商標)”5565型P8564)を用い、試験速度10mm/分、支点間距離50.8mmで3点曲げ試験を行い、ASTM D5049−99に従いKICを求めた。
(5)エポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率および曲げ強度の測定方法
上記(3)の方法で得た厚さ2mmの樹脂硬化板から、長さ60mm、幅10mmの試験片を切り出し、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン(登録商標)”5565型P8564)を用い、試験速度2.5mm/分、支点間距離32mmで3点曲げ試験を行い、JIS K7171(1994)に従い曲げ弾性率および曲げ強度を求めた。
上記(3)の方法で得た厚さ2mmの樹脂硬化板から、長さ60mm、幅10mmの試験片を切り出し、材料万能試験機(インストロン・ジャパン(株)製、“インストロン(登録商標)”5565型P8564)を用い、試験速度2.5mm/分、支点間距離32mmで3点曲げ試験を行い、JIS K7171(1994)に従い曲げ弾性率および曲げ強度を求めた。
<実施例1〜4および比較例1>
実施例1〜4では、構成要素[C]および構成要素[D]として、表1に記載のラジカル重合性モノマーを用いた結果、表3に記載の比較例1(構成要素[C]、構成要素[D])と比べ、大幅にKICの値が向上した。実施例1と2を比較すると、構成要素[C]と構成要素[D]の配合量増加に伴い、KICの値が向上する傾向が見られた。一方、実施例1〜4において、構成要素[C]と構成要素[D]の配合量が増加するにつれ、ガラス転移温度、曲げ弾性率および曲げ強度が、比較例1対比若干低下する傾向が見られたが、全て問題のない高い値であった。
実施例1〜4では、構成要素[C]および構成要素[D]として、表1に記載のラジカル重合性モノマーを用いた結果、表3に記載の比較例1(構成要素[C]、構成要素[D])と比べ、大幅にKICの値が向上した。実施例1と2を比較すると、構成要素[C]と構成要素[D]の配合量増加に伴い、KICの値が向上する傾向が見られた。一方、実施例1〜4において、構成要素[C]と構成要素[D]の配合量が増加するにつれ、ガラス転移温度、曲げ弾性率および曲げ強度が、比較例1対比若干低下する傾向が見られたが、全て問題のない高い値であった。
<比較例1および比較例6〜9>
比較例6〜9では、構成要素[C]として、表3または4に記載のラジカル重合性モノマーを用いた結果(構成要素[D]非含有)、比較例1(構成要素[C]、構成要素[D]および構成要素[E]非含有)と比べ、KICの値が向上する傾向を示した。しかし、構成要素[C]の配合量が増加するにつれ、曲げ強度が比較例1対比大幅に低下しており、好ましくない特性であった。
比較例6〜9では、構成要素[C]として、表3または4に記載のラジカル重合性モノマーを用いた結果(構成要素[D]非含有)、比較例1(構成要素[C]、構成要素[D]および構成要素[E]非含有)と比べ、KICの値が向上する傾向を示した。しかし、構成要素[C]の配合量が増加するにつれ、曲げ強度が比較例1対比大幅に低下しており、好ましくない特性であった。
<実施例2,5〜8および比較例7>
実施例5では、構成要素[C]および構成要素[D]として、表1に示すラジカル重合性モノマーを用いた結果、表4に記載の比較例7(構成要素[D]非含有)と比べ、曲げ強度が大幅に向上する傾向を示した。また、実施例2,5〜8では、構成要素[D]の配合量増加に伴い、KICおよび曲げ強度は極大値を示し、更に構成要素[D]の配合量を増加させると若干低下する傾向が見られたが、問題のない高い値であった。また、実施例2,5〜8において、構成要素[D]の配合量増加に伴い、ガラス転移温度および曲げ弾性率は若干低下する傾向が見られたが、問題のない優れた特性であった。
実施例5では、構成要素[C]および構成要素[D]として、表1に示すラジカル重合性モノマーを用いた結果、表4に記載の比較例7(構成要素[D]非含有)と比べ、曲げ強度が大幅に向上する傾向を示した。また、実施例2,5〜8では、構成要素[D]の配合量増加に伴い、KICおよび曲げ強度は極大値を示し、更に構成要素[D]の配合量を増加させると若干低下する傾向が見られたが、問題のない高い値であった。また、実施例2,5〜8において、構成要素[D]の配合量増加に伴い、ガラス転移温度および曲げ弾性率は若干低下する傾向が見られたが、問題のない優れた特性であった。
<実施例9,10〜14>
表1に示すように、実施例10では、構成要素[F]を実施例9に加えた結果、実施例9対比曲げ強度が向上し、好ましい傾向が見られた。また、表2に示すように、実施例11,12では、構成要素[F]の配合量が増加することで、曲げ強度が向上し、好ましい傾向を示した。実施例13では、構成要素[F]として、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを用いた結果、高い弾性率を示した。また、実施例14では、構成要素[F]として、4,4’−イソプロピリデンジフェノールメタクリレートを用いた結果、高いガラス転移温度を示し、優れた特性を示した。
表1に示すように、実施例10では、構成要素[F]を実施例9に加えた結果、実施例9対比曲げ強度が向上し、好ましい傾向が見られた。また、表2に示すように、実施例11,12では、構成要素[F]の配合量が増加することで、曲げ強度が向上し、好ましい傾向を示した。実施例13では、構成要素[F]として、N,N’−メチレンビスアクリルアミドを用いた結果、高い弾性率を示した。また、実施例14では、構成要素[F]として、4,4’−イソプロピリデンジフェノールメタクリレートを用いた結果、高いガラス転移温度を示し、優れた特性を示した。
<実施例15,16および比較例10>
実施例15,16では、構成要素[C]および構成要素[D]として、表2に記載のラジカル重合性モノマーを用いた結果、表4に記載の比較例10(構成要素[D]非含有)と比べ、曲げ強度とKICの値が向上しており、優れた特性を示した。
実施例15,16では、構成要素[C]および構成要素[D]として、表2に記載のラジカル重合性モノマーを用いた結果、表4に記載の比較例10(構成要素[D]非含有)と比べ、曲げ強度とKICの値が向上しており、優れた特性を示した。
<実施例17〜20および比較例2〜5>
実施例17〜20では、表2に示すように、実施例2と異なる種類の構成要素[A]を用いた。実施例17〜20では、表2に記載の構成要素[C]と構成要素[D]を用いることで、比較例2〜5(構成要素[C]および構成要素[D]非含有)対比、曲げ強度、曲げ弾性率の低下なく、KICが大きく向上し、優れた特性を示した。
実施例17〜20では、表2に示すように、実施例2と異なる種類の構成要素[A]を用いた。実施例17〜20では、表2に記載の構成要素[C]と構成要素[D]を用いることで、比較例2〜5(構成要素[C]および構成要素[D]非含有)対比、曲げ強度、曲げ弾性率の低下なく、KICが大きく向上し、優れた特性を示した。
<比較例11,12>
比較例11と12では、表4に記載の構成要素[D]を用いた結果(構成要素[C]非含有)、比較例1対比、ガラス転移温度、曲げ弾性率および曲げ強度が大きく低下しており、好ましくない特性であった。
比較例11と12では、表4に記載の構成要素[D]を用いた結果(構成要素[C]非含有)、比較例1対比、ガラス転移温度、曲げ弾性率および曲げ強度が大きく低下しており、好ましくない特性であった。
<比較例13>
比較例13では、表4に記載の通り、構成要素[C]と構成要素[D]を用いているが、構成要素[E]を配合していないため、構成要素[C]と構成要素[D]のラジカル重合が進行せず、比較例1対比、ガラス転移温度、曲げ弾性率および曲げ強度が大きく低下しており、好ましくない特性であった。
比較例13では、表4に記載の通り、構成要素[C]と構成要素[D]を用いているが、構成要素[E]を配合していないため、構成要素[C]と構成要素[D]のラジカル重合が進行せず、比較例1対比、ガラス転移温度、曲げ弾性率および曲げ強度が大きく低下しており、好ましくない特性であった。
<実施例2,18,21,22>
表1〜3に記載の通り、実施例2,18,21,22では、構成要素[A]中のテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)の配合量が増加することで、ガラス転移温度が向上しており、好ましい傾向を示した。
表1〜3に記載の通り、実施例2,18,21,22では、構成要素[A]中のテトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)の配合量が増加することで、ガラス転移温度が向上しており、好ましい傾向を示した。
<実施例23,24および比較例14,15>
実施例23,24では、表3に示すように、実施例2と異なる種類の構成要素[B]を用いた。実施例23,24では、表3に記載の構成要素[C]と構成要素[D]を用いることで、表4に示す比較例14,15(構成要素[C]および構成要素[D]非含有)対比、曲げ強度、曲げ弾性率の低下なく、KICが大きく向上し、優れた特性を示した。
実施例23,24では、表3に示すように、実施例2と異なる種類の構成要素[B]を用いた。実施例23,24では、表3に記載の構成要素[C]と構成要素[D]を用いることで、表4に示す比較例14,15(構成要素[C]および構成要素[D]非含有)対比、曲げ強度、曲げ弾性率の低下なく、KICが大きく向上し、優れた特性を示した。
Claims (7)
- 少なくとも次の構成要素[A]〜[E]を含み、70℃の粘度が200mPa・s以下であるエポキシ樹脂組成物。
[A]25℃で液状のエポキシ樹脂
[B]25℃で液状の芳香族ジアミン化合物
[C]以下の化学式(I)〜(IV)のいずれかで表されるラジカル重合性モノマー
[D]以下の化学式(V)または(VI)で表されるラジカル重合性モノマー
[E]熱重合開始剤
- 構成要素[D]の配合量が、構成要素[C]と構成要素[D]の配合量の合計に対して10〜50質量%である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 構成要素[C]と構成要素[D]と構成要素[F]の総配合量が、全エポキシ樹脂組成物に対して10〜30質量%である、請求項2または3に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 全エポキシ樹脂100質量部に対して、構成要素[A]としてグリシジルアミン型エポキシ樹脂を30質量部以上含む、請求項1から4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 構成要素[E]の一時間半減期温度が80℃以上である、請求項1から5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1から6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物が硬化されてなる樹脂硬化物と強化繊維とを含む繊維強化複合材料。
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JP2017174524A JP2019048954A (ja) | 2017-09-12 | 2017-09-12 | エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料 |
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-
2017
- 2017-09-12 JP JP2017174524A patent/JP2019048954A/ja active Pending
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