JP2019048635A - 燃料タンクカバー - Google Patents
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Abstract
Description
そして、断熱カバーが車体に直かに取付けられるため、車両走行で衝撃を受け易く、また接合部で異音が発生し易い。さらに、断熱材が配されても、断熱カバーと車体との隙間から空気が流入する虞があり、断熱材のシール性を高めて、断熱性をベストの状態に保つのが難しい問題がある。さらにいえば、断熱カバーと燃料タンクとの隙間に漏れた燃料や雨水が入り込むと、断熱材の劣化を引き起こす問題もある。
一方、断熱カバーと車体とのシール性を確保すべく、そこに別体のパッキンを介在させて取付けることもできるが、部品点数の増加に伴うコスト増と、該パッキンを設置する作業負担増等の新たな問題を招く。
(1)実施形態1
図1〜図8は本発明に係る燃料タンクカバーの一形態で、図1はその分解斜視図、図2は図1のアンダーカバーにプロテクターを載置した斜視図、図3はプロテクターとアンダーカバーとを一体化した燃料タンクカバーの斜視図、図4は図3の燃料タンクカバーを車体に取付けた断面図で、スリットと貫通孔を通る縦断面図である。図5は図2のインテグラルヒンジ周りのアンダーカバーの縦断面図、図6は図4のインテグラルヒンジ周りの断面図、図7は(イ)がクリップ周りの平面図、(ロ)が(イ)の縦断面図、図8はクリップの爪をプロテクターの碗底部上に載せてプロテクターに係止した断面図である。尚、図面を判り易くするため、プロテクター、アンダーカバーの全体形状を簡略化し、且つそれらの厚み、及び係止部,帯状片,クリップを強調して大きめに描く。
プロテクター2は、独立気泡タイプの熱可塑性フォームシートを加熱軟化させて型にセットした後、真空成形や圧空成形で燃料タンク6下側の外面6aに沿う形状に成形される。ここでは、厚みが8mm〜15mmの独立気泡タイプの発泡ポリエチレンシートを加熱軟化させ、該発泡ポリエチレンシートと型との間を真空状態にして成形する真空成形を採用する。
斯かる構成にして、インテグラルヒンジ35で折り曲げ、さらに第三片部37cと第五片部37eとをV字部を保形しようとする弾性に抗して寄せ合うようにして、貫通孔230、透孔30に係止部36を潜らせる。そうして、図5から図6の状態へ変化させて、該係止部36が透孔30周りの被係止部301たる立壁33の外面に係止するようにしている。
前記クリップ39,水抜孔38の構成により、図7(ロ)のようなパーティングラインPLを採用して、図7(ロ)の上下方向を型抜き方向とすることで、アンダーカバー3の成形時にクリップ39,水抜孔38が一緒に一体成形される。アンダーカバー3の碗底部32に水抜孔38が設けられ、且つその近くの碗底部分321に、碗内3uへ向けて一対のリブ392が立設し、さらに両リブ392に外方へ張り出す爪391を有するクリップ39が一体成形される。本実施形態は、橋渡し部分の碗底部分321が矩形板部状にして、その両側縁がそれぞれ水抜孔38の周縁の一部を形成し、該碗底部分321の両脇に水抜孔38が配設される。碗底部32に、一対のリブ392で一組となるクリップ39を複数(二組)設けたが、一組であってもよい。
かくのごとくして、水平スリット210h内に第一片部37aを配設した帯状片37に係る第四片部37dと第三片部37c,第五片部37eの頭部分と、係止部36とを貫通孔230、透孔30に通し、透孔30周りの被係止部301に係止部36を係止させて、アンダーカバー3とプロテクター2とを連結できるようにしている。図3,図6のごとく四方四箇所(複数個所)で、透孔30周りの立壁33の被係止部301に係止部36を係止させると、アンダーカバー3とプロテクター2が一体保持され、逆さにしてもアンダーカバー3からプロテクター2が離れ落ちなくなる。
尚、本実施形態の帯状片37は、第一〜第五片部37eからなる一例であり、この形状に限らない。また、図5はインテグラルヒンジ35から第一片部37aを経由して第二片部37bが水平外方に延在する射出成形時の様子を示したもので、射出成形を終えて取出されたアンダーカバー外周縁311に接続する実際の帯状片37は、その重みで、図1のごとくアンダーカバー3の外周縁311からインテグラルヒンジ35を介して垂れ下がる。
本実施形態は、図9〜図11のごとく、実施形態1のプロテクター2に形成していたスリット210をなしにした燃料タンクカバー1である。図9はアンダーカバー3の碗内3uにプロテクター2を載置し、両者を連結した図3に対応する斜視図、図10は図5に対応する縦断面図、図11は図9のインテグラルヒンジ35周りの断面図を示す。
実施形態1のように、プロテクター2の外周部分21の上面21aから下面21bに向かうスリット210を形成しないので、帯状片37が該スリット210を通ってアンダーカバー外周縁部31の部位31aに載ることはない。
図11に見るように、インテグラルヒンジ35にて屈曲させた帯状片37で、インテグラルヒンジ35近くのプロテクターの一部24を抱き込み、係止部36がプロテクター2の厚み層mを貫通して被係止部301に係止するが、図9のごとく、帯状片37(第一片部37a)がプロテクター外周部分21の上面21aに載る。そのため、インテグラルヒンジ35が在る外周縁部31の部位31aでは、図10のように、その外周縁311から帯状片37の帯幅で第六片部37fが起立延在し、該第六片部37fの先端にインテグラルヒンジ35を介して、実施形態1と同じように第一片部37a〜第五片部37eが延在する。尚、第一片部37aがプロテクター外周部分21の上面21aに載るので、第二片部37bの帯長は、図6に比べ、プロテクター外周部分21の厚み相当分だけ長くなる(図11)。
他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
本実施形態の燃料タンクカバー1は、図12,図13のごとく、実施形態1で、垂直スリット210vが形成されたプロテクター外周部分21の部位と、プロテクター開口縁2cから碗底部22へと向かい、水平スリット210hの箇所までの碗側壁23の部位と、を切除したプロテクター2を用いる。図12は図1に対応する燃料タンクカバーの分解斜視図、図13はアンダーカバー3に図12のプロテクター2を組付けた燃料タンクカバーの斜視図を示す。
図12の状態から、アンダーカバー3へプロテクター2を重ね合わせた後、実施形態1と同様、インテグラルヒンジ35にて屈曲させた帯状片37で、インテグラルヒンジ35近くの凹形段部215下に在るプロテクターの一部24を抱き込み、係止部36がプロテクター2の厚み層mを貫通して被係止部301に係止する。このとき、凹形段部215を形成していることから、帯状片37がスリット210に分け入って、該スリット210を通ってアンダーカバー外周縁部31の前記部位31aに載るようにする作業手間はいらない。図2に相当する状態からインテグラルヒンジ35を支点に折り曲げて、帯状片37をプロテクター碗内2u側へと回動させると、第一片部37aが自動的に凹形段部215の凹み部分に載り、アンダーカバー3の外周縁部31上に重ね合わさる状態が確保される。但し、アンダーカバー3が、プロテクター2を介して燃料タンク6を被い、且つ車体8とでプロテクター外周部分21を圧縮挟着して該車体8に組付けることになるが、段部215がある箇所だけはプロテクター外周部分21の圧縮挟着がない。
他の構成は実施形態1と同様で、その説明を省く。実施形態1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
このように構成した燃料タンクカバー1は、アンダーカバー3の碗底部32にクリップ39を形成し、該クリップ39に対応するプロテクター2の部分に切欠孔29を形成して、アンダーカバー3へのプロテクター2の重ね合わせで、爪391が切欠孔29を貫通して、該切欠孔29周りの碗内面2bに載って係止するようにすると、アンダーカバー3の碗底部32にプロテクター碗底部22を簡単に沿わせることができる。燃料タンクカバー1を逆さにしても、アンダーカバー碗底部32からプロテクター碗底部22が離れない。燃料タンクカバー1を構成するアンダーカバー3の碗状内面3bのほぼ全域で、プロテクター2を確実に沿わせることができるので、これを燃料タンク6に被せる車体8への組付けがスムーズに運ぶ。
また、アンダーカバー3の碗底部32に水抜孔38を設けると、プロテクター2と燃料タンク6との隙間に、万一、漏れた燃料や雨水が入り込んでも、この水抜孔38を利用して円滑排出できるので、プロテクター2の劣化を引き起こさない。
さらに、水抜孔38が一対のリブ392を挟んで両脇に設けられ、該リブ392の基端が該水抜孔38の周縁に接する構成にすると、クリップ39を別部品にすることなく、アンダーカバー3の成形時に一体成形でき、低コスト化が図れる。
さらにいえば、アンダーカバー3へのプロテクター2の重ね合わせで、アンダーカバー外周縁部31に載るプロテクター外周部分21を形成して、アンダーカバー3が、プロテクター2を介して燃料タンク6を被い、且つ車体8とでプロテクター外周部分21を挟着して該車体8に組付け固定されると、弾性スペーサーやパッキンを別途用意しなくても、異音抑制や断熱密閉状態を保ち易くなる。
加えて、アンダーカバー外周縁部31と車体8とに挟着される発泡体からなるプロテクター外周部分21は、挟着に伴って弾性圧縮するので、アンダーカバー3と車体8との隙間から、空気がアンダーカバー碗内3uへ侵入し難い。別部品のパッキンを用意することなく、発泡体からなるプロテクター2の断熱性をベストに近い状態で維持できる。
ここで、アンダーカバー3の外周縁311から碗底部32へ向かう立壁33途中に被係止部301を設け、またアンダーカバー3の外周縁311からインテグラルヒンジ35を介して延在する係止部36付き帯状片37を設けて、アンダーカバー3とプロテクター2を一体組付けるので、一体組付け用の別部品はいらない。コスト上昇を抑えることができる。
そして、インテグラルヒンジ35にて屈曲させた帯状片37で、インテグラルヒンジ35近くのプロテクターの一部24を抱き込んで、係止部36がプロテクター2の厚み層mを貫通して被係止部301に係止すると、両者の一体化に加え、変形し易いプロテクター2が矯正され、碗外面2aがアンダーカバー碗内面3bに沿うようになるので、燃料タンク6にプロテクター2を良好にセットできる。
発泡体からなるプロテクター2は、特許文献2のグラスウール等の断熱材に比べ、燃料タンク6下側の外面6aに沿う碗状に成形し易い。ただ、燃料タンク下側の外面6aに沿うよう成形されるが、ソリッドの射出成形品と比べると、形状が安定せず精度もさほど良くない。真空成形等による発泡成形品では、アンダーカバー3内に置いたとき、碗側壁23がアンダーカバー3の立壁33から部分的に離れる傾向にある。アンダーカバー立壁33にプロテクター碗側壁23を沿わせてやらないと、燃料タンク6を燃料タンクカバー1で被う際、該碗側壁23が倒れてしまい、プロテクター2の断熱性等の性能に支障をきたす。本発明では、アンダーカバー外周縁311にインテグラルヒンジ35を介して係止部36付き帯状片37を設け、インテグラルヒンジ35近くのプロテクター開口縁2c近くの部分(プロテクターの一部24)を抱き込むので、燃料タンク6をプロテクター2で被う際、碗側壁23が倒れるのを効果的に防止できる。さらに、碗側壁23は上面開口に向け外方へ傾斜させて、上面開口側の口を大きくするので、間口が広くなり、燃料タンク6をプロテクター2で被う際、碗側壁23がより倒れ難くなっている。作業性向上,品質向
上に貢献する。
アンダーカバー外周縁部31に通孔340を有する外鍔34を形成すると、燃料タンク6を覆う本燃料タンクカバー1を簡便に車体8に取着できる。
2 プロテクター
2a 碗外面
2b 碗内面
21 外周部分(プロテクター外周部分)
210 スリット
24 プロテクターの一部
29 切欠孔
3 アンダーカバー
30 透孔
301 被係止部
31 外周縁部(アンダーカバー外周縁部)
311 外周縁(アンダーカバー外周縁)
32 碗底
321 碗底部分
33 縦壁
34 外鍔
35 インテグラルヒンジ
36 係止部
37 帯状片
38 水抜孔
39 クリップ
6 燃料タンク
8 車体
Claims (3)
- 燃料タンク下側の外面に沿って碗状成形された発泡体からなるプロテクターと、該プロテクターの外面に沿って碗状に樹脂成形されたアンダーカバーと、を具備し、
前記アンダーカバーの碗底部に水抜孔を設け、且つその近くの碗底部分に、碗内へ向けて対向する一対のリブを立設させ、さらに両リブに外方へ張り出す爪を有するクリップを一体成形すると共に、該クリップに対応する前記プロテクターの部位に切欠孔を形成して、該アンダーカバーへの該プロテクターの重ね合わせで、前記爪が切欠孔を貫通してプロテクターの碗内側へ突き出し、且つ切欠孔周りの碗内面に前記爪が載って係止するようにしたことを特徴とする燃料タンクカバー。 - 前記一対のリブを挟んだ両脇に前記水抜孔が設けられ、且つ該リブの基端が該水抜孔の周縁に接する請求項1記載の燃料タンクカバー。
- 前記プロテクターには、その上面開口の開口縁から外方へフランジ状に張り出すプロテクター外周部分が設けられる一方、前記アンダーカバーには、その上面開口縁からフランジ状に外方へ張り出す外周縁部が設けられて、
前記アンダーカバーが、前記プロテクターを介して燃料タンクを被って車体に組付けられる際に、前記外周縁部と前記車体とで前記プロテクター外周部分を挟着して組付けられる請求項1又は2に記載の燃料タンクカバー。
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