JP2019048493A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝部材の緩衝性能の低下を抑制することができるステアリング装置を提供する。【解決手段】ステアリング装置1は、ボールジョイント12と接続されるラックバー8と、ラックバー8を取り囲むラックハウジング9と、該ラックハウジング9の筒状本体部23の端部に設けられた緩衝部材13と、を備えている。緩衝部材13は、弾性材料で形成されており、基準軸線Mを包囲するように環状に形成された基部18と、該基部18と一体に形成され、径方向において基部18の内周側に設けられた環状の緩衝部19と、を備える。緩衝部19は、基準軸線Mの方向において緩衝部19の両端部19h,19iよりも内側において、基部18と空隙部20との間に小断面積部19jを備えている。小断面積部19jは、基準軸線Mの方向に直交する断面における面積が、両端部19h,19iにおける端面19c,19dの面積よりも小さくなるように形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリング装置として、例えば以下の特許文献1に記載されたステアリング装置が知られている。
特許文献1に記載のステアリング装置では、弾性材料からなる緩衝部材が、ラックバーを収容するラックハウジングの端部に取り付けられている。この緩衝部材は、ラックバーの軸方向に沿って概ね一様な厚さを有している。
特開2015−182713号公報
特許文献1のステアリング装置では、緩衝部材は、ボールジョイントとの衝突時に圧縮変形し、この圧縮変形により、緩衝部材が過度に圧縮される部分が生じる。この過度に圧縮される部分によって、緩衝部材の塑性変形が生じ、緩衝部材の緩衝性能が低下する虞がある。
本発明は、従来の実情に鑑みて案出されたもので、緩衝部材の緩衝性能の低下を抑制することができるステアリング装置を提供することを目的としている。
本発明によれば、その一つの態様において、緩衝部材の緩衝部が、ラックハウジングの基準軸線の方向において両端部よりも内側に設けられた小断面積部を備えている。
本発明によれば、緩衝部材の緩衝性能の低下が抑制される。
本実施例のステアリング装置の概略図である。 基準軸線に沿って切断したときの本実施例の緩衝部材の断面図である。 基準軸線に沿って切断したときの比較例の緩衝部材の断面図である。 図1のラックハウジングの操舵機構側の端部における拡大断面図である。 (a)は、非圧縮状態における比較例の緩衝部材に掛かる荷重の分布を示した説明図であり、(b)は、圧縮状態における比較例の緩衝部材に掛かる荷重の分布を示した説明図である。 (a)は、非圧縮状態における本実施例の緩衝部材に掛かる荷重の分布を示した説明図であり、(b)は、圧縮状態における本実施例の緩衝部材に掛かる荷重の分布を示した説明図である。 緩衝部材を圧縮する距離と緩衝部材に掛かる荷重との相関関係を示したグラフである。
以下、本発明のステアリング装置の一実施例を図面に基づき説明する。
(ステアリング装置の構成)
図1は、本実施例のステアリング装置1の概略図である。図1では、ステアリング装置1の一部を断面で示してある。
図1に示すように、ステアリング装置1は、運転者からの操舵力を伝達する操舵機構2と、運転者の操舵操作を補助する操舵アシスト機構3と、を備えている。
操舵機構2は、車両の運転室内に配置された図示せぬステアリングホイールと、車両の前輪である図示せぬ2つの転舵輪と、を機械的に連結している。操舵機構2は、ステアリングホイールからの回転力が伝達される入力軸4と、図示せぬトーションバーを介して入力軸4に接続された出力軸5と、を有した操舵軸6、およびこの操舵軸6の回転を転舵輪に伝達する伝達機構7を備えている。伝達機構7は、出力軸5の外周に設けられた図示せぬピニオンと、ラックバー8の外周に設けられた図示せぬラックと、からなるラック&ピニオン機構(ラック&ピニオン・ギヤ)により構成されている。
ラックバー8は、細長い円筒状のラックハウジング9内に、図示せぬラックブッシュを介して移動可能に収容されている。ラックバー8の両端部8a,8aに形成された雌ねじ部がラックエンド10,10の雄ねじ部と噛み合うことにより、ラックエンド10,10は、ラックバー8の両端部8a,8aにそれぞれ固定されている。ラックバー8の両端部8a,8aにおいて、ラックエンド10は、円弧状に窪んだ凹部10aをそれぞれ有しており、この凹部10aに、タイロッド11の球状端部11aが嵌め込まれる。このように、凹部10aと球状端部11aとを組み合わせることによって、ボールジョイント12が構成されており、このボールジョイント12を介して、ラックバー8とタイロッド11が接続されている。タイロッド11は、図示せぬナックルアームを介して対応する転舵輪に連結されている。
ラックハウジング9の軸方向両端には、ラックエンド10とラックハウジング9との衝突時における衝撃を緩和する後述する緩衝部材13(図2および図4参照)がそれぞれ設けられている。
さらに、ラックハウジング9の軸方向両端には、ボールジョイント12の外周を覆う蛇腹状のブーツ14がそれぞれ設置されている。ブーツ14は、弾性材料例えば合成ゴム材料により所定の可撓性を確保するように形成されており、ラックバー8等への水や埃等の浸入を防止している。
また、ラックハウジング9の軸方向両端部には、このラックハウジング9を車体に取り付けるためのマウントブラケット15がそれぞれ設けられている。マウントブラケット15には、図示せぬゴムブッシュが設置され、このゴムブッシュを介して、ラックハウジング9が車体に取り付けられる。
ここで、以下の説明の便宜上、ラックハウジング9に対するラックバー8の移動方向に直交する断面においてラックハウジング9の内周面によって形成される円の中心を通り、ラックバー8の移動方向と平行な軸線を「基準軸線M」と定義する。また、基準軸線Mと平行な方向を「軸方向」と定義する。さらに、基準軸線Mと直交する方向を基準軸線Mに対する「径方向」と定義する。
操舵アシスト機構3は、操舵機構2に操舵力を付与する電動モータであるモータ16を備えており、このモータ16は、電子制御ユニット(ECU)17と一体に構成されている。
電子制御ユニット17は、各種制御処理を記憶および実行する機能を有し、図示せぬトルクセンサからの操舵トルクの信号等に基づいてモータ16を駆動制御する。
かかるステアリング装置1の構成から、運転者がステアリングホイールを回転操作すると、入力軸4が回転してトーションバーが捩られ、これにより生じるトーションバーの弾性力によって、出力軸5が回転する。そして、出力軸5の回転運動が上記ラック&ピニオン機構によりラックバー8の軸方向に沿う直線運動に変換され、タイロッド11,11を介して図示せぬナックルアームが車幅方向へと押し引きされることによって、対応した方向に転舵輪の向きが変更される。
(本実施例の緩衝部材の構造)
図2は、基準軸線Mに沿って切断したときの本実施例の緩衝部材13の断面図である。なお、緩衝部材13は、環状に形成されているが、説明の都合上、緩衝部材13の一切断面のみを示してある。
緩衝部材13は、弾性材料で形成されており、基準軸線Mを包囲するように環状に形成された基部18と、該基部18と一体に形成され、径方向において基部18の内周側に設けられた環状の緩衝部19と、を備えている。
基部18は、基準軸線Mに沿って切断した断面が概ね長方形に形成されており、図2に示すように、基部18の長辺が径方向に延びる姿勢で配置されている。基部18は、基準軸線Mに沿った軸方向の中間において基部18の外周面18aから外側に突出した環状の突出部18bを備えている。突出部18bは、基準軸線Mに沿って切断した断面が概ね半円状となるように形成されている。
緩衝部19は、基準軸線Mに沿って切断した断面が概ね長方形であり、緩衝部19の長辺が軸方向に延びる姿勢で配置されている。緩衝部19の軸方向に沿った寸法は、基部18の軸方向に沿った寸法よりも大きくなっている。緩衝部19は、基準軸線Mを通る軸方向断面において、基部18のうち軸方向の端面18c(図2に破線で示す)と、緩衝部19のうち径方向外側の面19a,19bとの間の角度のうち劣角αが鈍角となるように形成されている。即ち、緩衝部19の径方向外側の面19a,19bは、基部18を挟んで軸方向に対称となるように基準軸線M側に劣角αで傾斜している。また、緩衝部19の面19aとこの面19a側の端面19cとの間、ならびに面19bとこの面19b側の端面19dとの間は、円弧状に接続されている。
さらに、緩衝部19は、基準軸線Mに沿った軸方向中間位置において、径方向において緩衝部19の内周側に開口する凹部である空隙部20を備えている。空隙部20は、基準軸線Mを通る軸方向断面において、凹部を画定する緩衝部19の外縁の形状が、軸方向において対称な円弧状をなしている。つまり、空隙部20は、軸方向に対称な緩衝部19の2つの円弧面19e,19fによって、内周面19gから基部18側に概ね半円状に窪むように形成されている。ここで、軸方向における空隙部20の寸法は、径方向において緩衝部19の外周側から内周側に向かうほど大きくなっている。空隙部20は、内周面19gから径方向において緩衝部19の厚さTの中央位置よりも内側まで及んでいる。ここで、「緩衝部19の厚さT」は、図2に示すように、基部18の端面18cと内周面19gとの間の線分の長さである。従って、「緩衝部19の厚さTの中央位置」は、径方向における上記線分の長さの二分の一の点P(内周面19gからT/2の位置にある点)を意味する。また、内周面19gと端面19cとの間ならびに内周面19gと端面19dとの間は、円弧状に接続されている。
なお、空隙部20は、径方向中央の点Pよりも内側において、空隙部20の一部が存在していれば良く、点Pよりも外側まで及んでいても良い。
また、空隙部20は、緩衝部19内に残された環状の中空部分として形成されていても良い。
このように構成された緩衝部19は、軸方向において緩衝部19の両端部19h,19iよりも内側において、基部18と空隙部20との間に小断面積部19jを備えている。小断面積部19jは、基準軸線Mの方向に直交する断面における面積が、両端部19h,19iにおける端面19c,19dの面積よりも小さくなるように形成されている。
(比較例の緩衝部材の構造)
図3は、従来の緩衝部材に相当する比較例の緩衝部材21を示し、基準軸線Mに沿って切断したときの比較例の緩衝部材21の断面図である。なお、緩衝部材21は、環状に形成されているが、緩衝部材21の一切断面のみを示してある。
図3に示すように、比較例の緩衝部材21は、基部18が、上記本実施例の緩衝部材13の基部18と同様に構成されている。一方、緩衝部22は、本実施例の緩衝部19の空隙部20を有しておらず、該空隙部20が弾性材料で埋められた概ね長方形の形状に形成されている。換言すれば、緩衝部22の内周面22aは、緩衝部22の両端面22b,22cの間で基準軸線Mに沿って延びる平坦状に形成されている。
図4は、図1のラックハウジング9の操舵機構2側の端部における拡大断面図である。
ラックハウジング9は、金属材料によって鋳造で形成されており、ラックバー8が内部を通って移動する筒状本体部23と、該筒状本体部23と一体に形成された緩衝部材収容部24と、同じく筒状本体部23と一体に形成されたストローク規制部25と、を備えている。
筒状本体部23は、細長い筒状をなしており、図示せぬラックブッシュを介してラックバー8を移動可能に支持する。
緩衝部材収容部24は、筒状本体部23の外周側に位置し、筒状本体部23の端部23aからラックエンド10(図1参照)側に筒状に突出することで、ラックエンド10側に開口している。緩衝部材収容部24の内周面には、筒状本体部23の端部23aに寄った位置に、ラックバー8側に開口した環状溝である緩衝部材保持部24aが形成されている。緩衝部材保持部24aは、緩衝部材13の基部18の環状の突出部18bよりも大きい外径を有している。緩衝部材収容部24内に緩衝部材13が非圧縮状態で収容された状態では、基部18の突出部18bは、図4に示すように、突出部18bと緩衝部材保持部24aとの間ならびに外周面18aと内周面24bとの間に多少の隙間が残存するかたちで、緩衝部材保持部24aに保持されている。また、この状態では、緩衝部19の端面19dが筒状本体部23に当接しており、緩衝部19の内周面19gがストローク規制部25から径方向に離間している。
一方、ラックエンド10(図1参照)が緩衝部19の端面19cに衝突しているときには、緩衝部19は、軸方向においてラックエンド10と筒状本体部23との間で圧縮変形し、緩衝部材保持部24aに対し圧縮した状態で当接する。つまり、緩衝部材13の圧縮変形時に、突出部18bと緩衝部材保持部24aとが密着し、さらに、外周面18aと内周面24bとが密着した状態となる(図6(b)参照)。
ストローク規制部25は、筒状本体部23の内周側に位置し、筒状本体部23の端部23aからラックエンド10側に環状に突出している。ストローク規制部25の突出長さは、緩衝部材収容部24の突出長さよりも短くなっている。ストローク規制部25は、径方向から見て緩衝部材収容部24とオーバラップしている。ストローク規制部25は、ラックエンド10との衝突時に、ラックエンド10の筒状本体部23側へ向かう移動を規制する。
図5(a)は、非圧縮状態における比較例の緩衝部材21に掛かる荷重分布をシミュレーションにより示した説明図である。
図5(a)では、図示省略するラックエンドが比較例の緩衝部材21の緩衝部22の端面22bに衝突していない状態をシミュレーションにより示している。この状態では、緩衝部材21に荷重が全く掛かっておらず、基部18の環状の突出部18bが、環状溝である緩衝部材保持部24aと接触していない。
このときの緩衝部材21内の荷重を、図5(a)に間隔の広いドットで示すように無荷重領域Aとする。
なお、図5(a)に仮想線で示す衝突開始線Sは、緩衝部22の端面22bに沿った線であり、図示省略するラックエンドが緩衝部材21に衝突するときの衝突の開始となる位置を示している。
図5(b)は、圧縮状態における比較例の緩衝部材21に掛かる荷重の分布をシミュレーションにより示した説明図である。
図5(b)では、図示省略するラックエンドが比較例の緩衝部材21の緩衝部22の端面22bに衝突している状態をシミュレーションにより示している。この状態では、ラックエンドが端面22bに衝突して、衝突開始線Sから筒状本体部23側に距離Djだけ移動することで、緩衝部材21が圧縮変形する。このとき、基部18の環状の突出部18bは、環状溝である緩衝部材保持部24aに対し圧縮した状態で緩衝部材保持部24aに当接しており、さらに、基部18の外周面18aは、緩衝部材収容部24の内周面24bに対し圧縮した状態で内周面24bに当接している。
このときの緩衝部材21内の荷重分布を、図5(a)と同様の無荷重領域A、該無荷重領域よりも密なドットで示された小荷重領域B、該小荷重領域Bよりも密なドットで示された中荷重領域C、および該中荷重領域Cよりも密なドットで示された大荷重領域Dで示す。
図5(b)に示すように、圧縮状態における比較例の緩衝部材21の緩衝部22において、中央部が、比較的広い範囲で中荷重領域Cとなっており、中央部の軸方向両側が、荷重がさらに大きい大荷重領域Dとなっている。
図6(a)は、非圧縮状態における本実施例の緩衝部材13に掛かる荷重の分布をシミュレーションにより示した説明図である。
図6(a)では、図示省略するラックエンドが本実施例の緩衝部材13の緩衝部19の端面19cに衝突していない状態をシミュレーションにより示している。この状態では、緩衝部材13に荷重が全く掛かっておらず、基部18の環状の突出部18bが、環状溝である緩衝部材保持部24aと接触していない。従って、このときの緩衝部材13内の荷重分布は、全く荷重が掛かっていない状態を示す無荷重領域Aのみとなる。
図6(b)は、圧縮状態における本実施例の緩衝部材13に掛かる荷重の分布をシミュレーションにより示した説明図である。
図6(b)では、図示省略するラックエンドが本実施例の緩衝部材13の緩衝部19の端面19cに衝突している状態をシミュレーションにより示している。この状態では、ラックエンドが端面19cに衝突して、衝突開始線Sから筒状本体部23側に距離Djだけ移動することで、緩衝部材13が圧縮変形する。ここで、緩衝部19は、空隙部20を形成する2つの円弧面19e,19fが互いに密着するようなかたちで圧縮される。このとき、緩衝部19内の荷重分布は、緩衝部19の中心部に向かって小荷重領域Bから中荷重領域Cへと移行しているものの、荷重が最も大きい大荷重領域Dは、筒状本体部23側のごく一部のみとなる。
図7は、比較例および本実施例における緩衝部材21,13を圧縮する距離Djと緩衝部材21,13に掛かる荷重との相関関係を示したグラフである。
図7では、実線Eは、衝突開始線Sからのラックエンド10の移動距離である距離Dj(図5(a),図5(b),図6(a),図6(b)参照)に対する比較例の緩衝部材21に掛かる荷重の変化を示している。また、実線Fは、距離Djに対する本実施例の緩衝部材13に掛かる荷重の変化を示している。
図7に示すように、距離Djが長くなるほど、つまり緩衝部22,19の端面22b,19cへのラックエンドの衝突が進行するほど、比較例の緩衝部材21に掛かる荷重が、本実施例における緩衝部材13に掛かる荷重よりも大きくなっている。
[本実施例の効果]
特許文献1のステアリング装置では、弾性材料からなる緩衝部材が、ラックバーの軸方向に沿って概ね一様な厚さを有しているので、ボールジョイントの衝突時に、緩衝部材に過度に荷重が掛かり圧縮される部分、つまり緩衝部材の圧縮率が過度に高い部分が生じる。この圧縮率が過度に高い部分によって、緩衝部材が塑性変形し、これにより、緩衝部材の緩衝性能が抑制される虞がある。
具体的には図5(b)に示す比較例の緩衝部材21のように、空隙部20を有しない従来の緩衝部材21では、図示省略したラックエンドの衝突時に、緩衝部材21の緩衝部22に、大荷重領域Dで示すような荷重が過度に高い部分、つまり緩衝部22の圧縮率が過度に高い部分が生じる。このため、比較例の緩衝部材21では、この圧縮率が過度に高い部分によって、緩衝部22が塑性変形し、これにより、緩衝部材21の緩衝部材の緩衝性能が抑制される虞がある。
これに対し、本実施例では、ステアリング装置1は、ボールジョイント12と接続されるラックバー8と、ラックハウジング9であって、筒状本体部23と、緩衝部材保持部24aと、を備え、筒状本体部23は、金属材料で形成され、ラックバー8を移動可能に支持する、ラックハウジング9と、緩衝部材13であって、基部18と、緩衝部19と、を備え、弾性材料で形成されており、ラックハウジング9に対するラックバー8の移動方向に直交する断面においてラックハウジング9の内周面によって形成される円の中心を通り、ラックバー8の移動方向と平行な軸線を基準軸線Mとしたとき、基部18は、基準軸線Mを包囲するように環状に形成されており、緩衝部材保持部24aに保持されており、緩衝部19は、基準軸線Mに対する径方向において基部18の内側に設けられ、環状であって、かつ基準軸線Mの方向の寸法が基部18よりも大きく形成されており、小断面積部19jを備え、基準軸線Mの方向においてボールジョイント12と筒状本体部23との間で挟まれるとき圧縮変形し、小断面積部19jは、基準軸線Mの方向において緩衝部19の両端部19h,19iよりも内側に設けられており、基準軸線Mの方向に直交する断面における面積が、両端部19h,19iにおける端面19c,19dの面積よりも小さく形成されている、緩衝部材13と、を有している。
このように小断面積部19jを設けることで、図6(b)に示すように、図示省略したラックエンドの衝突時に、緩衝部19に、大荷重領域Dで示すような荷重が過度に高い部分が、図5(b)に示す比較例の緩衝部材21と比較して狭くなっている。従って、緩衝部19の圧縮率が低減され、緩衝部19の塑性変形が緩和されるので、緩衝部材13の緩衝性能の低下を抑制することができる。
また、両端部19h,19iよりも内側に小断面積部19jが設けられているので、緩衝部19の軸方向長さが変わらない。従って、ラックエンド10の衝突時の吸収エネルギー量の低下が抑制される。
また、本実施例では、緩衝部19は、空隙部20を備え、空隙部20は、基準軸線Mに対する径方向において、緩衝部19の内周面19gから緩衝部19の厚さTの中央位置よりも内側に及んでいる。
このような位置に空隙部20を設けることで、図6(b)に示すように空隙部20の輪郭となる2つの円弧面19e,19fが互いに密着し、緩衝部19に掛かる荷重が分散し易くなる。よって、ラックエンド10の衝突によって過度に圧縮される部分、つまり大荷重領域Dを狭くすることができる。
さらに、本実施例では、空隙部20は、基準軸線Mに対する径方向において緩衝部19の内周側に開口する凹部である。
このように空隙部20を緩衝部19の内周側に開口する凹部としたことで、仮に空隙部20の周囲に弾性材料を配置するような、空隙部20を中空に形成する場合と比較して、緩衝部材13の製造を容易にすることができる。
また、本実施例では、緩衝部19は、基準軸線Mを通る軸方向断面において、凹部を画定する緩衝部19の外縁の形状が、円弧状である。
仮に角部を含むように緩衝部19の凹部を形成した場合には、角部に応力集中が生じ、緩衝部19の耐久性を低下させる虞がある。
しかし、本実施例のように緩衝部19を円弧状に形成することで、角部を含むように緩衝部19の凹部を形成した場合と比較して、前記応力集中による緩衝部19の損傷を緩和し、緩衝部19の耐久性の低下を抑制することができる。
さらに、本実施例では、緩衝部19は、基準軸線Mを通る軸方向断面において、凹部を画定する緩衝部19の外縁の形状が、基準軸線Mの方向において対称である。
このように基準軸線Mの方向において対称となるように緩衝部19を形成することで、緩衝部材13の組付け方向に拘わらず、緩衝部材13の同様の緩衝性能を得ることができる。換言すれば、緩衝部材13の組付け方向が限定されないので、緩衝部材13の誤組付が防止され、緩衝部材13の組付性が向上する。
また、本実施例では、緩衝部19は、基準軸線Mを通る軸方向断面において、基準軸線Mの方向における凹部の寸法が、基準軸線Mに対する径方向において外側から内側に向かうほど大きい。
仮に、緩衝部19が空隙部20を有していない場合、つまり比較例の緩衝部材21の場合には、ラックエンド10の衝突時に、緩衝部22の圧縮率が径方向内側ほど高くなる。
そこで、本実施例のように、緩衝部19の径方向内側に向かうほど空隙部20の空間を広く確保することで、緩衝部19の過度の圧縮を抑制することができる。一方、緩衝部19の圧縮率が高くならない径方向外側における空隙部20の空間を狭くすることで、適度な緩衝特性を維持することができる。
さらに、本実施例では、緩衝部19は、基準軸線Mを通る軸方向断面において、基部18のうち基準軸線方向の端面18cと、緩衝部19のうち基準軸線Mに対する径方向外側の面との間の角度のうち劣角αが鈍角となるように形成されている。
これにより、ラックエンド10の衝突時に、基部18と緩衝部19の間の境界部分が屈曲したときの応力集中を緩和し、緩衝部材13の耐久性を向上させることができる。
また、本実施例では、基部18は、ラックエンド10が緩衝部19に接触しているとき、緩衝部材保持部24aに対し圧縮した状態で当接する。
従って、ラックエンド10の衝突時に、緩衝部材13の基部18と緩衝部材収容部24の緩衝部材保持部24aとの間の摩擦力が増加し、これにより、緩衝部材保持部24aに対する緩衝部材13の保持性が向上する。
さらに、本実施例では、基部18は、ラックエンド10が緩衝部19に接触していないとき、非圧縮状態で緩衝部材保持部24aに保持されている。
従って、ラックエンド10が緩衝部19に接触していないときは、基部18を自然長の状態とすることで、緩衝部材13の内部応力の発生が抑制される。これにより、緩衝部材13の耐久性が向上する。
以上説明した実施例に基づくステアリング装置としては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
ステアリング装置は、その一つの態様において、ボールジョイントと接続されるラックバーと、ラックハウジングであって、筒状本体部と、緩衝部材保持部と、を備え、前記筒状本体部は、金属材料で形成され、前記ラックバーを移動可能に支持する、
ラックハウジングと、緩衝部材であって、基部と、緩衝部と、を備え、弾性材料で形成されており、前記ラックハウジングに対する前記ラックバーの移動方向に直交する断面において前記ラックハウジングの内周面によって形成される円の中心を通り、前記ラックバーの移動方向と平行な軸線を基準軸線としたとき、前記基部は、前記基準軸線を包囲するように環状に形成されており、前記緩衝部材保持部に保持されており、前記緩衝部は、前記基準軸線に対する径方向において前記基部の内側に設けられ、環状であって、かつ前記基準軸線の方向の寸法が前記基部よりも大きく形成されており、小断面積部を備え、前記基準軸線の方向において前記ボールジョイントと前記筒状本体部との間で挟まれるとき圧縮変形し、前記小断面積部は、前記基準軸線の方向において前記緩衝部の両端部よりも内側に設けられており、前記基準軸線の方向に直交する断面における面積が、前記両端部における端面の面積よりも小さく形成されている、緩衝部材と、を有している。
前記ステアリング装置の好ましい態様において、前記緩衝部は、空隙部を備え、前記空隙部は、前記基準軸線に対する径方向において、前記緩衝部の内周面から前記緩衝部の厚さの中央位置よりも内側に及んでいる。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記空隙部は、前記基準軸線に対する径方向において前記緩衝部の内周側に開口する凹部である。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記凹部を画定する前記緩衝部の外縁の形状が、円弧状である。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記凹部を画定する前記緩衝部の外縁の形状が、前記基準軸線の方向において対称である。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記基準軸線の方向における前記凹部の寸法が、前記基準軸線に対する径方向において外側から内側に向かうほど大きい。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記基部のうち前記基準軸線方向の端面と、前記緩衝部のうち前記基準軸線に対する径方向外側の面との間の角度のうち劣角が鈍角となるように形成されている。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記基部は、前記ボールジョイントが前記緩衝部に接触しているとき、前記緩衝部材保持部に対し圧縮した状態で当接する。
別の好ましい態様では、前記ステアリング装置の態様のいずれかにおいて、前記基部は、前記ボールジョイントが前記緩衝部に接触していないとき、非圧縮状態で前記緩衝部材保持部に保持されている。
1・・・ステアリング装置、8・・・ラックバー、9・・・ラックハウジング、10・・・ラックエンド、11・・・タイロッド、12・・・ボールジョイント、13・・・緩衝部材、M・・・基準軸線、18・・・基部、18b・・・突出部、19・・・緩衝部、19c・・・端面、19j・・・小断面積部、20・・・空隙部、21・・・緩衝部材、22・・・緩衝部、22b・・・端面、23・・・筒状本体部、24a・・・緩衝部材保持部

Claims (9)

  1. ステアリング装置であって、
    ボールジョイントと接続されるラックバーと、
    ラックハウジングであって、筒状本体部と、緩衝部材保持部と、を備え、
    前記筒状本体部は、金属材料で形成され、前記ラックバーを移動可能に支持する、
    ラックハウジングと、
    緩衝部材であって、基部と、緩衝部と、を備え、弾性材料で形成されており、
    前記ラックハウジングに対する前記ラックバーの移動方向に直交する断面において前記ラックハウジングの内周面によって形成される円の中心を通り、前記ラックバーの移動方向と平行な軸線を基準軸線としたとき、
    前記基部は、前記基準軸線を包囲するように環状に形成されており、前記緩衝部材保持部に保持されており、
    前記緩衝部は、前記基準軸線に対する径方向において前記基部の内側に設けられ、環状であって、かつ前記基準軸線の方向の寸法が前記基部よりも大きく形成されており、小断面積部を備え、前記基準軸線の方向において前記ボールジョイントと前記筒状本体部との間で挟まれるとき圧縮変形し、
    前記小断面積部は、前記基準軸線の方向において前記緩衝部の両端部よりも内側に設けられており、前記基準軸線の方向に直交する断面における面積が、前記両端部における端面の面積よりも小さく形成されている、
    緩衝部材と、
    を有することを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、前記緩衝部は、空隙部を備え、
    前記空隙部は、前記基準軸線に対する径方向において、前記緩衝部の内周面から前記緩衝部の厚さの中央位置よりも内側に及んでいることを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項2に記載のステアリング装置において、前記空隙部は、前記基準軸線に対する径方向において前記緩衝部の内周側に開口する凹部であることを特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項3に記載のステアリング装置において、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記凹部を画定する前記緩衝部の外縁の形状が、円弧状であることを特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項3に記載のステアリング装置において、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記凹部を画定する前記緩衝部の外縁の形状が、前記基準軸線の方向において対称であることを特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項3に記載のステアリング装置において、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記基準軸線の方向における前記凹部の寸法が、前記基準軸線に対する径方向において外側から内側に向かうほど大きいことを特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項1に記載のステアリング装置において、前記緩衝部は、前記基準軸線を通る軸方向断面において、前記基部のうち前記基準軸線方向の端面と、前記緩衝部のうち前記基準軸線に対する径方向外側の面との間の角度のうち劣角が鈍角となるように形成されていることを特徴とするステアリング装置。
  8. 請求項1に記載のステアリング装置において、前記基部は、前記ボールジョイントが前記緩衝部に接触しているとき、前記緩衝部材保持部に対し圧縮した状態で当接することを特徴とするステアリング装置。
  9. 請求項8に記載のステアリング装置において、前記基部は、前記ボールジョイントが前記緩衝部に接触していないとき、非圧縮状態で前記緩衝部材保持部に保持されていることを特徴とするステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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