JP2019048284A - シリカ系スケール抑制剤およびシリカ系スケールの抑制方法 - Google Patents

シリカ系スケール抑制剤およびシリカ系スケールの抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水系のシリカ含有量が高濃度でも、シリカ系スケールの発生を抑制できるスケール抑制剤、及び該抑制剤を用いるシリカ系スケール抑制方法の提供。【解決手段】下記式(I)と特定式で表されるジアリルアミン類の単量体単位を含む重合体を含有する、シリカ系スケール抑制剤。(R1はH又はC1〜3のアルキル基)【選択図】なし

Description

本発明は、水系におけるシリカ系スケールの発生を抑制するためのシリカ系スケール抑制剤、およびそのシリカ系スケール抑制剤を用いるシリカ系スケールの抑制方法に関する。
冷却水系や膜分離装置等の水系において、熱交換器の伝熱面や膜分離装置の分離膜表面等でスケールが発生すると、障害を引き起こすことがある。スケールが付着すると、例えば、熱交換器の伝熱面においては伝熱効率が悪化し、分離膜表面においては透水性が悪化することがある。これらの障害は設備の運転効率の悪化につながるため、これらのスケール発生を抑制することは、設備の安定運転上、非常に重要である。
各種スケールのうち、シリカ系のスケールは特に発生を抑制することが難しい。これは、シリカが他のイオン成分によってスケール化を促進されることや、シリカに対する分散剤等のスケール抑制剤の効果が低いこと等が挙げられる。シリカ系スケールの対策には、一般的に種々の分散剤が使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、特許文献1〜3に記載のような分散剤は比較的低濃度でのシリカに対しては効果がある程度あるものの、高濃度条件(例えば、シリカの含有量が200mg/L以上)では、十分な抑制効果を発揮できない。
特許第3055815号公報 特開2006−088036号公報 特開2008−239764号公報
本発明の目的は、シリカの含有量が高濃度であっても、水系におけるシリカ系スケールの発生を抑制することができるシリカ系スケール抑制剤、およびそのシリカ系スケール抑制剤を用いるシリカ系スケールの抑制方法を提供することにある。
本発明は、下記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位を含む重合体を含有する、シリカ系スケール抑制剤である。
Figure 2019048284
(一般式(I)において、Rは、水素、または炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
Figure 2019048284
(一般式(II)において、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、対イオンを表す。)
Figure 2019048284
(一般式(III)において、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Yは、対イオンを表す。)
前記シリカ系スケール抑制剤は、前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、下記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位および下記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位のうち少なくとも1つとを含む共重合体を含有することが好ましい。
Figure 2019048284
Figure 2019048284
(一般式(V)において、Z、Zは、それぞれ独立して水素またはアルカリ金属を表す。)
前記シリカ系スケール抑制剤は、前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、前記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位と、前記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位とを含む共重合体を含有することが好ましい。
前記シリカ系スケール抑制剤において、前記ジアリルアミン類の単量体単位が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)であることが好ましい。
また、本発明は、前記シリカ系スケール抑制剤を水系に存在させる、シリカ系スケールの抑制方法である。
前記シリカ系スケールの抑制方法において、前記水系のシリカ濃度が、150〜400mg/Lの範囲であることが好ましい。
本発明により、シリカの含有量が高濃度であっても、水系におけるシリカ系スケールの発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<シリカ系スケール抑制剤>
本実施形態に係るシリカ系スケール抑制剤は、下記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位を含む重合体を含有する。
Figure 2019048284
一般式(I)において、Rは、水素、または、炭素数1〜3のアルキル基を表す。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。Rは、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基が好ましい。一般式(I)の単量体単位において、アミン部分は、塩酸塩、臭化水素塩、ヨウ化水素塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等の塩の形態であってもよい。
Figure 2019048284
一般式(II)において、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、対イオンを表す。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。R、Rは、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基が好ましい。対イオンとしては、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)等のハロゲン化物イオン、ヒドロキシイオン(OH)等が挙げられる。対イオンとしては、塩化物イオン(Cl)が好ましい。
Figure 2019048284
一般式(III)において、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Yは、対イオンを表す。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。R、Rは、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基が好ましい。対イオンとしては、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)等のハロゲン化物イオン、ヒドロキシイオン(OH)等が挙げられる。対イオンとしては、塩化物イオン(Cl)が好ましい。
本実施形態に係るシリカ系スケール抑制剤は、シリカ系スケールの発生抑制効果に優れる等の点から、前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、下記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位および下記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位のうち少なくとも1つとを含む共重合体を含有することが好ましい。
Figure 2019048284
Figure 2019048284
一般式(V)において、Z、Zは、それぞれ独立して水素またはアルカリ金属イオンを表す。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)等が挙げられる。Z、Zは、水素が好ましい。
本実施形態に係るシリカ系スケール抑制剤は、シリカ系スケールの発生抑制効果により優れる等の点から、前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、前記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位と、前記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位とを含む共重合体を含有することが好ましい。
本発明者が検討した結果、前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位を含む重合体、好ましくは、前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、前記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位および前記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位のうち少なくとも1つとを含む共重合体、より好ましくは、前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、前記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位と、前記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位とを含む共重合体を含有するシリカ系スケール抑制剤は、シリカ分散に効果が高く、シリカの含有量が高濃度であっても、水系におけるシリカ系スケールの発生を抑制することができることを見出した。
本実施形態に係るシリカ系スケール抑制剤における重合体に含まれる、ジアリルアミン類の単量体単位のアミノ基部分は、2級アミンでも、3級アミンでも、4級アミンでもよいが、シリカ系スケールの発生抑制効果に優れる等の点から、3級アミンまたは4級アミンであることが好ましく、4級アミンであることがより好ましい。
上記共重合体の重量平均分子量としては、300〜500,000の範囲であることが好ましく、500〜300,000の範囲であることがより好ましい。上記共重合体の重量平均分子量が300未満である場合、十分なスケール抑制効果が得られない場合があり、500,000を超えると、スケール抑制剤の粘度が大きくなり、ポンプ等での注入がし難くなり、取り扱い上の問題が大きくなる場合がある。
前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、下記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位および下記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位のうち少なくとも1つとを含む共重合体において、単量体単位のモル比、すなわち[前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位]:[下記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位および下記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位のうち少なくとも1つ]は、モル比で1:99〜99:1である。
前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、前記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位と、前記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位とを含む共重合体において、単量体単位のモル比、すなわち[前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位]:[下記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位]:[下記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位]は、モル比で98:1:1〜1:98:1〜1:1:98であることが好ましい。
本実施形態に係るシリカ系スケール抑制剤において、前記ジアリルアミン類の単量体単位が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)であることが好ましい。ジアリルジメチルアンモニウムクロライドを単量体単位として含むと、水系におけるシリカ系スケールの抑制効果が高い。
Figure 2019048284
<シリカ系スケールの抑制方法>
本実施形態に係るシリカ系スケールの抑制方法は、前記シリカ系スケール抑制剤を水系に存在させる方法である。これにより、シリカの含有量が高濃度であっても、水系におけるシリカ系スケールの発生を抑制することができる。
処理対象となる水系は、特に制限はないが、例えば、冷却水系や、逆浸透膜(RO膜)、ナノろ過膜(NF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、精密ろ過膜(MF膜)等の分離膜を用いる膜分離装置等の水系であり、本実施形態に係るシリカ系スケールの抑制方法によって、熱交換器の伝熱面や膜分離装置の分離膜表面等におけるスケール発生を抑制することができる。
処理対象となる水系において、含有するシリカの濃度には特に制限はないが、シリカ濃度が10〜500mg/Lの範囲の高濃度、好ましくは150〜400mg/Lの範囲の高濃度でも、十分なスケール抑制効果が発揮される。処理対象となる水系は、例えば、0.1〜5000mg/Lの範囲の硬度成分を含んでいてもよい。硬度成分としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。
シリカ系スケール抑制剤の水系への添加濃度としては、前記共重合体の固形分濃度として0.1〜1000mg/Lの範囲が好ましく、1〜100mg/Lの範囲がより好ましい。シリカ系スケール抑制剤の水系への添加濃度が前記共重合体の固形分濃度として0.1mg/L未満の場合、十分なスケール抑制効果が得られない場合があり、1000mg/Lを超えると、薬剤の添加量が膨大になり、経済的な問題が大きくなる場合があり、現実的でない。冷却水系におけるスケール抑制のためには、シリカ系スケール抑制剤の添加濃度は、例えば、10〜100mg/Lの範囲とし、膜分離装置におけるスケール抑制のためには、シリカ系スケール抑制剤の添加濃度は、例えば、1〜10mg/Lの範囲とすればよい。
処理の際の水系のpHは、特に制限はないが、pH3〜11の範囲であることが好ましく、pH5〜9の範囲であることがより好ましい。pH3未満であると、スケール抑制剤の効果が低下する場合があり、pH11を超えると、イオン成分のスケール化が促進され、スケール抑制剤がスケール化を十分に抑制できない場合がある。
本実施形態に係るシリカ系スケールの抑制方法において、前記シリカ系スケール抑制剤は、その他の「スケール抑制剤」、「殺菌剤」、「防食剤」、「pH調整剤」等と併用してもよい。
その他のスケール抑制剤としては、高分子電解質やホスホン酸化合物等が挙げられる。
高分子電解質としては、例えばアニオン性高分子、両性高分子、カチオン性高分子等が挙げられる。
アニオン性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ホスフィン酸重合物、アクリル酸と2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸との共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合物、アクリル酸とイソプレンスルホン酸との共重合物、アクリル酸とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとの共重合物、アクリル酸とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとイソプロピレンスルホン酸との共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と置換アクリルアミドとの共重合物、マレイン酸とペンテンとの共重合物、これらアニオン性高分子のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらのアニオン性高分子およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
両性高分子としては、例えば、ジアリルアミン塩酸塩とマレイン酸の共重合物、ジアリルアミンアミド硫酸塩とマレイン酸の共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとマレイン酸の共重合物等が挙げられる。これらの両性高分子およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性高分子としては、ポリジアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。これらのカチオン性高分子およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホスホン酸化合物としては、例えば、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、または前記ホスホン酸の塩等が挙げられる。ホスホン酸化合物は遊離の酸として用いてもよいし、塩として用いてもよい。ホスホン酸の塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。ホスホン酸の塩は正塩、酸性塩どちらであってもよい。これらのホスホン酸およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
殺菌剤としては、次亜塩素酸塩、クロラミン、クロロスルファミン酸、次亜臭素酸、安定化次亜臭素酸組成物等のハロゲン系化合物、イソチアゾロン系化合物、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2,2−ジブロモ−2−ニトリエタノール(DBNE)等の有機窒素系化合物、4級アンモニウム化合物等が挙げられる。安定化次亜臭素酸組成物としては、「臭素系酸化剤」と「スルファミン酸化合物」との混合物を含む安定化次亜臭素酸組成物や、「臭素系酸化剤とスルファミン酸化合物との反応生成物」を含む安定化次亜臭素酸組成物等が挙げられる。
防食剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール等のアゾール化合物、リン酸塩、モリブデン酸塩、亜鉛塩、亜硝酸塩等が挙げられる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリが挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜8、比較例1,2>
[試験方法]
純水に無水メタケイ酸ナトリウム(関東化学)をシリカ濃度として400mg/Lとなるように添加し、それらを分取し、そこに、スケール抑制剤として以下に示す各重合体を固形分濃度として50mg/Lとなるようにそれぞれ添加したものを試験水とした。各重合体を添加した直後の試験水の外観を目視にて観察した。各試験水に塩酸または水酸化ナトリウムを添加して、pHが7.5となるように調整した後、24時間後の試験水を採取し、孔径0.45μmのフィルタでろ過したろ液のイオン状シリカ濃度を測定し、イオン状シリカ保持率を下記式により求めた。イオン状シリカ濃度は、Hach社製吸光光度計DR3900を使用し、珪モリブデン酸法で測定した。結果を表1に示す。
イオン状シリカ保持率(%)=(24時間後のイオン状シリカ濃度/初期(0時間)イオン状シリカ濃度)×100
[重合体]
実施例1〜7、比較例1で用いた重合体は、以下の通りである。
(実施例1)
メチルジアリルアミン(3級アミン)の重合体(nは繰り返し単位を表す。):重量平均分子量5,000
Figure 2019048284
(実施例2)
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)(4級アミン)の重合体(nは繰り返し単位を表す。):重量平均分子量8,500
Figure 2019048284
(実施例3)
ジアリルアミン(2級アミン)/二酸化硫黄の共重合体(m,nは繰り返し単位を表す。):重量平均分子量5,000
Figure 2019048284
(実施例4)
ジアリルアミン(2級アミン)/マレイン酸の共重合体(m,nは繰り返し単位を表す。):重量平均分子量:測定不能
Figure 2019048284
(実施例5)
メチルジアリルアミン(3級アミン)/マレイン酸の共重合体(m,nは繰り返し単位を表す。):重量平均分子量40,000
Figure 2019048284
(実施例6)
ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)(4級アミン)/二酸化硫黄の共重合体(m,nは繰り返し単位を表す。):重量平均分子量4,000
Figure 2019048284
(実施例7)
マレイン酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)(4級アミン)/二酸化硫黄の共重合体(l,m,nは繰り返し単位を表す。):重量平均分子量18,000
Figure 2019048284
(実施例8)
重合体の添加濃度を固形分濃度として30mg/Lとなるように添加したものを試験水とした以外は、実施例7と同様にして試験を行った。
(比較例1)
アクリル酸(AA)/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)/置換アクリルアミドの共重合体:重量平均分子量5,000
(比較例2)
スケール抑制剤を添加しなかった以外は、実施例1〜8と同様にして試験を行った。
<実施例9>
96時間後のイオン状シリカ濃度保持率を測定した以外は、実施例7と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
<実施例10>
併用するスケール抑制剤として、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC、ランクセス社製)を固形分濃度として500mg/L添加した以外は、実施例9と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
<比較例3>
スケール抑制剤を添加しなかった以外は、実施例9と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019048284
Figure 2019048284
一般的にシリカ分散剤として使用されている比較例1の重合体よりも、ジアリルアミン類の単量体単位を含む実施例1〜7の重合体は、イオン状シリカ保持率が高かった。ジアリルアミン類の単量体単位の重合体である実施例1,2の重合体よりも、二酸化硫黄やマレイン酸構造を含む共重合体である実施例3,4,5,6の重合体の方が、イオン状シリカ保持率が高かった。同じジアリルアミン/二酸化硫黄の共重合体でも、DADMACを含む実施例6の重合体は、DADMACを含まない実施例3の重合体よりも、イオン状シリカ保持率が高かった。DADMAC/二酸化硫黄を含む共重合体でも、マレイン酸を含む実施例7の重合体は、マレイン酸を含まない実施例6の重合体よりもイオン状シリカ保持率が高かった。また、PBTC等の他のスケール抑制剤を併用することで、イオン状シリカ保持率は向上した。
このように、実施例1〜7の重合体により、シリカの含有量が高濃度であっても、水系におけるシリカ系スケールの発生を抑制することができた。

Claims (6)

  1. 下記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位を含む重合体を含有することを特徴とするシリカ系スケール抑制剤。
    Figure 2019048284
    (一般式(I)において、Rは、水素、または炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
    Figure 2019048284
    (一般式(II)において、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは、対イオンを表す。)
    Figure 2019048284
    (一般式(III)において、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3のアルキル基を表し、Yは、対イオンを表す。)
  2. 請求項1に記載のシリカ系スケール抑制剤であって、
    前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、下記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位および下記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位のうち少なくとも1つとを含む共重合体を含有することを特徴とするシリカ系スケール抑制剤。
    Figure 2019048284
    Figure 2019048284
    (一般式(V)において、Z、Zは、それぞれ独立して水素またはアルカリ金属を表す。)
  3. 請求項2に記載のシリカ系スケール抑制剤であって、
    前記一般式(I)、(II)または(III)で表されるジアリルアミン類の単量体単位と、前記一般式(IV)で表される二酸化硫黄の単量体単位と、前記一般式(V)で表されるマレイン酸の単量体単位とを含む共重合体を含有することを特徴とするシリカ系スケール抑制剤。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリカ系スケール抑制剤であって、
    前記ジアリルアミン類の単量体単位が、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(DADMAC)であることを特徴とするシリカ系スケール抑制剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリカ系スケール抑制剤を水系に存在させることを特徴とするシリカ系スケールの抑制方法。
  6. 請求項5に記載のシリカ系スケールの抑制方法であって、
    前記水系のシリカ濃度が、150〜400mg/Lの範囲であることを特徴とするシリカ系スケールの抑制方法。
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