JP2019047884A - 光音響装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の光音響装置では、Limited−view問題の改善が十分ではなかった。【解決手段】 光音響装置は、被検体に光を照射する光照射部と、光が照射されることにより被検体内で発生した音響波を受信し、受信信号を出力する音響波受信部と、受信信号に基づいて、被検体の内部の特性情報を取得する特性情報取得部と、光照射部と対向して設けられた、入射した音響波および光を反射する反射部材と、を有し、特性情報取得部は、音響波受信部と反射部材との間に位置する被検体から発生した音響波のうち、反射部材を介して受信部に入射した成分と、反射部材を介さずに音響波受信部に入射した成分と、を用いて特性情報を取得する動作モードで動作する。【選択図】 図1
Description
本発明は、光音響装置に関する。
レーザなどの光源から生体等の被検体に光を照射し、入射した光に基づいて得られる被検体内の情報を画像化する光イメージングの研究が医療分野で進められている。この光イメージング技術の一つとして、PhotoAcoustic Imaging(PAI:光音響イメージング)がある。光音響イメージングでは、光が被検体に照射されると、被検体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した組織が弾性波を発生する。そして、発生した弾性波を被検体外に設けられたトランスデューサにより受信することで、この受信信号に基づき被検体内の特性情報が画像化される。
光音響イメージングにおいて被検体に光が照射されると、被検部位(生体の腫瘍等)とそれ以外の組織では光エネルギーの吸収率に差があるため、被検部位が光エネルギーを吸収して瞬間的に膨張し、弾性波を発生させる。この弾性波を音響波受信器で受信した信号を解析処理することにより、特性情報が得られる。ここで、特性情報とは、初期音圧分布、光吸収エネルギー密度分布、光吸収係数分布などの光学特性値分布である。また、これらの情報を複数の波長の光で計測することにより、被検体内の特定物質(血液中のヘモグロビン濃度や、血液の酸素飽和度など)の定量的計測にも利用できる。
特許文献1では、これらの光学特性値分布を正確に算出するためには、生体内で三次元的に発生した弾性波を全周囲から検出することが望まれる。しかし、多くの場合、検出器と測定部位の物理的な制約から、生体内で三次元的に発生した弾性波を全周囲から検出することは困難である。その結果、限られた検出条件から光学特性値分布を算出することとなり、画像化した光学特性値分布にはデータの欠落や再構成アーティファクトといったノイズが発生する。これは、Limited−view問題として知られている。
特許文献1は、Limited−view問題に対して、被検体から発生した音響波を反射して超音波トランスデューサアレイに入射させる技術を提案している。特許文献1の図11A、11Bには、被検体を取り囲むように配置されたリング型のトランスデューサアレイと、リングの中心軸方向に光を照射する光学系と、光の経路上に、光を透過するとともに音響波を反射する音響ミラーとが設けられた構成が記載されている。この構成により、被検体から発生した音響波のうち、トランスデューサアレイに直接入射する成分だけでなく、音響ミラーにより反射された成分もトランスデューサアレイに入射するため、音響ミラーの設けられた方向にもトランスデューサがあると見なせる。
特許文献1に記載された構成では、Limited−view問題の改善はなされているが、その改善が十分ではなかった。
そこで、本発明は、情報の欠落やアーティファクトを低減する技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面である光音響装置は、被検体に光を照射する光照射部と、前記光が照射されることにより前記被検体内で発生した音響波を受信し、受信信号を出力する音響波受信部と、前記受信信号に基づいて、前記被検体の内部の特性情報を取得する特性情報取得部と、前記光照射部と対向して設けられた、入射した音響波および光を反射する反射部材と、を有し、前記特性情報取得部は、音響波受信部と前記反射部材との間に位置する前記被検体から発生した前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分と、を用いて前記特性情報を取得する動作モードで動作する。
本発明によれば、音響波受信器情報の欠落やアーティファクトを低減することができる。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本明細書で説明する被検体情報取得装置は、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生し伝播した音響波を受信して、被検体内部の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した光音響装置である。本発明の被検体情報取得装置は、超音波の送信機能と、被検体内からの反射波(エコー波)を受信する機能を有し、反射波の情報から画像データとして特性情報を取得することもできる。
取得される特性情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布を示す。組織を構成する物質とは、例えば、酸素飽和度分布や酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などの血液成分、あるいは脂肪、コラーゲン、水分などである。また、反射波に基づく電気信号に対して既知の情報処理を行うことにより得られる、被検体内部の音響インピーダンスの分布を示す情報のことも、一種の特性情報と捉えてもよい。
明細書で説明する音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。光音響効果により発生した音響波のことを、光音響波または光超音波と呼ぶ。
以下で説明する本発明の各実施形態においては、被検体に光を照射する光照射部と対向する位置に、光および音響波を反射する反射部材を備え、光照射部と反射部材との間に被検体が位置する状態で光音響波の発生および受信が行われる。
(装置構成)
図1のブロック図を参照しながら、本発明の一つの実施形態に係る光音響装置を説明する。装置は、音響波受信器110、光源120、光学・音響反射部130、走査機構140、制御装置150、信号処理装置160、表示装置170を有する。以下、光音響装置の各構成要素ならびに被検体について説明する。
図1のブロック図を参照しながら、本発明の一つの実施形態に係る光音響装置を説明する。装置は、音響波受信器110、光源120、光学・音響反射部130、走査機構140、制御装置150、信号処理装置160、表示装置170を有する。以下、光音響装置の各構成要素ならびに被検体について説明する。
(被検体100)
被検体100は光音響装置の一部を構成するものではないが、以下に説明する。光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患、糖尿病の予見などの診断などに利用することが期待されている。よって、被検体としては生体であり、より具体的には人体や動物の頭部、腕、足、手などが測定の対象部位となることが想定される。
被検体100は光音響装置の一部を構成するものではないが、以下に説明する。光音響装置は、人や動物の悪性腫瘍や血管疾患、糖尿病の予見などの診断などに利用することが期待されている。よって、被検体としては生体であり、より具体的には人体や動物の頭部、腕、足、手などが測定の対象部位となることが想定される。
また、被検体内部にある光吸収体とは、光音響波を誘起する光の波長の光に対する吸収係数が被検体内部で相対的に高いものを指す。例えば、人体が測定対象であればオキシヘモグロビンあるいはデオキシヘモグロビンや、それらを含む多く含む血管、あるいは新生血管を多く含む悪性腫瘍が光吸収体となる。その他にも、頸動脈壁のプラークなども光吸収体となる。
(光源120)
光源120としては、数ナノから数マイクロ秒オーダーのパルス光122を発生可能なパルス光源が好ましい。10ナノ秒程度のパルス幅の光を用いることで光音響波を効率的に発生させることができる。光源としては、レーザのほか、発光ダイオード、フラッシュランプなども使用できる。レーザとしては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々な種類のレーザを使用できる。パルス光の波長は、被検体内部の深部まで光が伝搬する波長が望ましい。被検体が生体の場合、500nm以上1200nm以下の光は、被検体内における到達距離、すなわち深達長が長い。
光源120としては、数ナノから数マイクロ秒オーダーのパルス光122を発生可能なパルス光源が好ましい。10ナノ秒程度のパルス幅の光を用いることで光音響波を効率的に発生させることができる。光源としては、レーザのほか、発光ダイオード、フラッシュランプなども使用できる。レーザとしては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々な種類のレーザを使用できる。パルス光の波長は、被検体内部の深部まで光が伝搬する波長が望ましい。被検体が生体の場合、500nm以上1200nm以下の光は、被検体内における到達距離、すなわち深達長が長い。
(光学系121)
光源120から出射された光は、光学系121を介して被検体に導かれる。光学系121は、光を伝搬させる光ファイバなどの光導波路や、レンズやミラーなどの、所望の光分布形状に加工する光学部品を含みうる。光学系121は、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズのほか、光を拡散させる拡散板を含んでもよい。これらの光学部品は、光源から発せられた光が被検体に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が、生体への安全性ならびに診断領域を広げられるという観点で好ましい。なお、本明細書において、光照射部は少なくとも光学系121を含むものとする。
光源120から出射された光は、光学系121を介して被検体に導かれる。光学系121は、光を伝搬させる光ファイバなどの光導波路や、レンズやミラーなどの、所望の光分布形状に加工する光学部品を含みうる。光学系121は、光を反射するミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズのほか、光を拡散させる拡散板を含んでもよい。これらの光学部品は、光源から発せられた光が被検体に所望の形状で照射されれば、どのようなものを用いてもかまわない。なお、光はレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が、生体への安全性ならびに診断領域を広げられるという観点で好ましい。なお、本明細書において、光照射部は少なくとも光学系121を含むものとする。
(音響波受信器110)
音響波受信部としての音響波受信器110は、複数のトランスデューサ112を含んで構成され、各トランスデューサ112が音響波(光音響波およびエコー波)を受信すると、受信した音響波に応じて電気信号に変換する。各トランスデューサ112から出力される電気信号は典型的にはアナログ信号である。トランスデューサ112は、圧電現象、光の共振、静電容量の変化等を用いたものなど、どのような素子音響波受信器を用いてもよい。音響波受信器なお、本明細書において音響波受信器を探触子とも呼ぶ。
音響波受信部としての音響波受信器110は、複数のトランスデューサ112を含んで構成され、各トランスデューサ112が音響波(光音響波およびエコー波)を受信すると、受信した音響波に応じて電気信号に変換する。各トランスデューサ112から出力される電気信号は典型的にはアナログ信号である。トランスデューサ112は、圧電現象、光の共振、静電容量の変化等を用いたものなど、どのような素子音響波受信器を用いてもよい。音響波受信器なお、本明細書において音響波受信器を探触子とも呼ぶ。
本実施形態における音響波受信器110は、ボウル状の内面を持つ支持部材111によって複数のトランスデューサ112が支持された構成となっており、ボウルの下部には光学系121から導かれた光を通す開口部113を有する。ボウル状の支持部材111に支持された複数のトランスデューサ112は、その受信面の向く方向、典型的にはトランスデューサ112の指向軸、が集まる領域が形成されるように構成される。この領域から伝搬する音響波は、その他の領域と比較して感度よく受信されるため、被検体の特性情報を高分解能に得ることができる。この領域を、便宜的に高分解能領域と呼ぶことにする。高分解能領域は、一例としては、トランスデューサ112の配置によって定まる、音響波受信器110の最も感度が高い領域に対して、感度が半分以上となる領域として捉えてもよい。複数のトランスデューサ112は、ボウル状の内面において、トランスデューサの受信面が三次元スパイラル状に並ぶように配置されてもよい。また、支持部材111の内面は、曲面であることが好ましく、典型的には球面である。支持部材111の内側に配置された複数の複数のトランスデューサ112の受信面と生体との界面には水や、水に音響インピーダンスが近いゲル状の材質などを配置することで測定対象の形状に依存することなく、自由度の高い走査、測定を行うことができる。一例として、支持部材111をボウル状に構成し、ボウル内に水等の音響マッチング材を満たし、被検体100を音響マッチング材に浸漬させた状態で測定を行うことができる。この際、被検体100を保持する被検体保持部材をさらに設けることで、被検体100が、支持部材内の音響マッチング液に直接接触しないようにしてもよい。被検体保持部材と被検体100との間に、さらに音響マッチング材を介在させてもよい。被検体載置部としての被検体保持部材は、例えば、音響波受信器110と同様に、被検体が挿入可能な開口を持つボウル状の形状としてもよい。また、ボウル以外にも、トレイ状の形状や、その他の形状としてもよい。被検体保持部材は、PET素材のように、光および音響波を透過する材料を用いて形成されることが好ましい。
音響受信器110は、図1で示す構成に限らず、音響波受信部は単素子のトランスデューサ、1Dアレイ、1.5Dアレイ、1.75Dアレイ、2Dアレイなどの平面状に設けられてもよく、さらに、アーク状、円弧状に並ぶように少なくとも一か所のフォーカススポットを形成するように配置されてもよい。複数のトランスデューサ112が、アレイ状に設けられることで、単一のトランスデューサデータのみでは算出できないトモグラフィー画像の算出や、複数のフォーカススポットの信号データの弁別、それぞれの信号別の補正などを行うことができる。
また、音響波受信器110は、被検体に超音波を送信する送信器の機能と、被検体の内部を伝搬したエコー波を受信する受信器の機能を備えることが好ましい。つまり、光音響装置を、光音響波の測定だけでなく超音波エコーの測定も実行可能に構成することが好ましい。これにより、同一領域での信号検知や省スペース化が期待できる。ただし、送信器と受信器を別にしてもよい。また、光音響波とエコー波の受信器を別にしてもよい。
また、本実施形態に係る音響波受信器110は、光照射部としての光学系120と一体的に構成されていてもよい。
また、本実施形態の音響波受信器110は、音響波受信器110を機械的に移動させるタイプだけでなく、ユーザによる手持ちが可能なハンドヘルド型でもよい。ユーザは、音響波受信器110を手で持って測定を行うことができる。この場合には、音響波を受信したときのスキャン座標を取得するために、磁気センサなど既存の座標取得装置を音響波受信器に取り付け、手技による移動の有無を判別する入力センサなどを位置情報取得部として有していることが望ましい。
(光学・音響反射部130)
反射部材としての光学・音響反射部130は、光照射部から照明された光のうち、被検体を透過した成分および、被検体に照明されずに光学・音響反射部130に到達した成分を反射して、被検体に照明する。典型的には、レンズやミラーなどの光学部品により構成される。光学・音響反射部130の反射面の形状は平面でもよいし、曲率を有する曲面状としてもよい。音響的には、音響インピーダンスが空間を占める媒体、典型的には水、に対して大きければ反射するため、光学部材が音響反射部材としても作用する。この際、光学・音響反射部130の反射面が放物面状に形成されることで、その焦点から発生した音響波が反射面に入射すると、その反射波の波面を平面状にすることができる。このとき、トランスデューサ112を平面上に配置していると、この反射波はトランスデューサ112の指向特性のうち感度の良い正面の波のみで伝搬され受信することができるので、情報の欠落を少なく受信することができる。一方で、曲率を有する反射面であった場合、伝搬波の波面を曲面に成形することで、曲率を有する面に沿って配置された複数のトランスデューサ112に対して情報の欠落なく感度の高い信号を伝達することができる。したがって、トランスデューサ112の配置形状に応じて、光学・音響反射部130の反射面の形状を設計することが望ましい。また光学・音響反射部130の反射面の形状は、探触子の感度の高い方向に波面を形成させるためだけに最適化させるのではなく、反射波が、なるべく被検体を伝搬せずに音響波受信器110に伝搬するように光音響波の反射波の波面を伝搬させてもよい。これは、被検体内で音響波が吸収減衰されたり、被検体内部の生体構造に由来する散乱波が発生したりすることを避けるためであり、これにより発生する画像のアーティファクトを抑制し、画像の視認性を向上させる効果が得られる。これらの反射効果を連続的、もしくは広視野で実現するために、光学・音響反射部130は複数配置されてもよい。
反射部材としての光学・音響反射部130は、光照射部から照明された光のうち、被検体を透過した成分および、被検体に照明されずに光学・音響反射部130に到達した成分を反射して、被検体に照明する。典型的には、レンズやミラーなどの光学部品により構成される。光学・音響反射部130の反射面の形状は平面でもよいし、曲率を有する曲面状としてもよい。音響的には、音響インピーダンスが空間を占める媒体、典型的には水、に対して大きければ反射するため、光学部材が音響反射部材としても作用する。この際、光学・音響反射部130の反射面が放物面状に形成されることで、その焦点から発生した音響波が反射面に入射すると、その反射波の波面を平面状にすることができる。このとき、トランスデューサ112を平面上に配置していると、この反射波はトランスデューサ112の指向特性のうち感度の良い正面の波のみで伝搬され受信することができるので、情報の欠落を少なく受信することができる。一方で、曲率を有する反射面であった場合、伝搬波の波面を曲面に成形することで、曲率を有する面に沿って配置された複数のトランスデューサ112に対して情報の欠落なく感度の高い信号を伝達することができる。したがって、トランスデューサ112の配置形状に応じて、光学・音響反射部130の反射面の形状を設計することが望ましい。また光学・音響反射部130の反射面の形状は、探触子の感度の高い方向に波面を形成させるためだけに最適化させるのではなく、反射波が、なるべく被検体を伝搬せずに音響波受信器110に伝搬するように光音響波の反射波の波面を伝搬させてもよい。これは、被検体内で音響波が吸収減衰されたり、被検体内部の生体構造に由来する散乱波が発生したりすることを避けるためであり、これにより発生する画像のアーティファクトを抑制し、画像の視認性を向上させる効果が得られる。これらの反射効果を連続的、もしくは広視野で実現するために、光学・音響反射部130は複数配置されてもよい。
(走査機構140)
本実施形態に係る光音響装置は、音響波受信器110および光学・音響反射部130の被検体に対する各々の相対位置を変化させる走査機構を有しており、既定の三次元空間内で位置を変更することができる。移動部としての走査機構140はステッピングモーターや、ピエゾ素子などのようなアクチュエータを備えた走査機構でもよい。被検体情報取得装置が、作業者に対し、音声や画面表示の形式で揺動のガイド指示を与えることも可能である。
本実施形態に係る光音響装置は、音響波受信器110および光学・音響反射部130の被検体に対する各々の相対位置を変化させる走査機構を有しており、既定の三次元空間内で位置を変更することができる。移動部としての走査機構140はステッピングモーターや、ピエゾ素子などのようなアクチュエータを備えた走査機構でもよい。被検体情報取得装置が、作業者に対し、音声や画面表示の形式で揺動のガイド指示を与えることも可能である。
また位置の変更方法は、ハンドヘルド探触子であれば作業者の手技によることも可能である。その場合は作業者が走査した距離や探触子の角度を把握するためのセンサを有することで、位置などの情報を取得する機構を有する。センサのデータは音響波受信器110が信号を検出したタイミングや、その他のトリガなどのタイミングから信号を検出したタイミングの情報を補完してデータを推定してもよい。センサは、例えば磁気センサや、赤外線センサ、角度センサ、加速度センサなどである。特にハンドヘルド探触子の場合は作業者の意図をより測定領域に反映しやすくなる観点で好ましい。なお、走査機構140は、音響波受信器110および光学・音響反射部130の両方ではなく、少なくとも一方を移動させるものであってもよい。
(制御装置150)
制御部としての制御装置150は、音響波受信器110より出力されたアナログの電気信号に対して、増幅処理と、デジタル変換処理を施す。制御装置は、典型的には増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ、CPUなどで構成される。ここで、音響波受信器110が複数のトランスデューサからの複数の受信信号を出力する場合、それらの信号を積算して出力することができる。また複数の受信信号を個別に出力するように設定を変更することもできる。
制御部としての制御装置150は、音響波受信器110より出力されたアナログの電気信号に対して、増幅処理と、デジタル変換処理を施す。制御装置は、典型的には増幅器、A/D変換器、FPGA(Field Programmable Gate Array)チップ、CPUなどで構成される。ここで、音響波受信器110が複数のトランスデューサからの複数の受信信号を出力する場合、それらの信号を積算して出力することができる。また複数の受信信号を個別に出力するように設定を変更することもできる。
ここで、本明細書において、光音響波信号とは、音響波受信器110から出力されたアナログの時系列の電気信号も、制御装置150で処理された時系列の信号も含む概念である。また、超音波信号とは、エコー波を受信した音響波受信器110から出力されるアナログの時系列の電気信号と、制御装置150での処理後の時系列の信号を含む概念である。これらを総称して、本明細書では受信信号とも呼ぶ。
また制御装置150は、パルス光の照射と、それに引き続く光音響波の受信のタイミングを制御する。具体的には、パルス光の照射タイミングの制御や、パルス光をトリガ信号とした電気信号の送受信タイミングの制御を行う。
また制御装置150は、移動機構を制御する機能を担ってもよい。具体的には、モーターの動作の開始停止処理、および光音響波信号受信時の位置制御を行う。また測定時の位置情報の信号の指示の設定を行うこともできる。
(信号処理装置160)
特性情報取得部としての信号処理装置160は、受信信号に基づいて被検体内部の情報を取得する。信号処理装置160としては、典型的にはワークステーションなどの情報処理装置が用いられる。後述する補正処理や画像再構成処理などは、あらかじめプログラミングされたソフトウェアに従ってワークステーションが実行する。
特性情報取得部としての信号処理装置160は、受信信号に基づいて被検体内部の情報を取得する。信号処理装置160としては、典型的にはワークステーションなどの情報処理装置が用いられる。後述する補正処理や画像再構成処理などは、あらかじめプログラミングされたソフトウェアに従ってワークステーションが実行する。
ソフトウェアにより、信号処理と画像再構成、画像処理を行うことができる。なお信号処理装置160は2D空間、3D空間のいずれにも信号処理を適用できる。
信号処理アルゴリズムの一例は、既存のバンドパスフィルターによるフィルタリングや既知の探触子応答の応答補正である。
画像再構成アルゴリズムとしては、トモグラフィー技術の分野で既知の手法を用いる。例えば、タイムドメイン再構成法あるいはフーリエドメイン再構成法での逆投影や、整相加算(ディレイ・アンド・サム)、タイムリバーサル再構成法などである。画像再構成は、音響波受信時の、音響波受信器110の配置形状や受信座標だけでなく、光学・音響反射部130の配置形状や受信座標を考慮して再構成を実施する。
画像処理アルゴリズムとしては、既存のスペックル低減処理や、時間方向の画像フレームの平均化などを行うことができる。本実施形態のように、被検体から発生した音響波のうち、光学・音響反射部130を介さずに音響波受信器110に直接入射する直接成分と、光学・音響反射部130を介して音響波受信器110に入射する反射成分とを用いて特性情報を得る場合においては、直接成分と反射成分を時間差として考慮して画像再構成をしてもよい。また、直接成分の信号のみを用いて特性情報を取得する動作モードと、直接成分および反射成分の信号を用いて特性情報を取得する動作モードと、をそれぞれ切り替えて再構成してもよい。信号処理装置160は、これらを含む複数の動作モードで動作可能に構成されている。小さなものが被検体である場合には、光が被検体の反対側にも届けられるので、反射波を使うメリットが大きい。一方で、大きなものが被検体である場合、光が被検体の反対側には届かないので、反射波を使うメリットが少ないと考えられる。そこで、測定対象となる被検体に応じて動作モードを切り替えるようにしてもよい。動作モードの切り替えは、ユーザ入力によって行われてもよいし、カメラ等で被検体形状を測定して装置が自動的に行ってもよい。被検体形状の測定は、音響波受信器110から送信した超音波のエコーを用いて行ってもよい。この場合、カメラや音響波受信器110が被検体形状取得部となる。つまり、被検体形状取得部により取得した被検体の大きさが所定の大きさよりも大きい場合には、反射波を利用しない動作モードとし、被検体の大きさが所定の大きさ未満の場合には、反射波も利用する動作モードとする。
また音響波の反射成分のうち、被検体を通過した成分に対して、被検体を通過していない成分よりも減衰していると考えられるので、両者に対する信号ゲインおよび周波数帯での減衰補正を変えてもよい。これにより、再構成された画像の減衰による視認性の低下を避けることができる。信号ゲインは、制御装置150に設けられた増幅器の増幅率を変更することで変更できる。つまり、増幅器は、反射成分と直接成分とを、互いに異なる増幅率で増幅する。
また、信号処理装置160は、典型的にはCPU、GPUなどの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、信号処理装置160は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、信号処理装置160が行う各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。
また、制御装置、信号処理装置は一体化される場合もある。この場合、ワークステーションで行うようなソフトウェア処理ではなく、ハードウェア処理により被検体の音響インピーダンスなどの特性情報や、光学特性値分布を生成できる。制御装置および信号処理装置は、本発明の処理手段に相当する。
(表示装置170)
表示部としての表示装置170は、信号処理装置160から出力される光学特性値分布等の特性情報を表示する。表示装置としては例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED、メガネ型ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどを使用できる。なお、表示装置は、被検体情報取得装置の本体とは別に提供されていても良い。例えば、取得した被検体情報を有線または無線で表示装置に表示させてもよい。表示装置は、タッチ入力機能を備えるものとして、先述の入力部としての機能を持たせてもよいし、入力部を構成する入力機器とは独立して設けられていてもよい。
表示部としての表示装置170は、信号処理装置160から出力される光学特性値分布等の特性情報を表示する。表示装置としては例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED、メガネ型ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどを使用できる。なお、表示装置は、被検体情報取得装置の本体とは別に提供されていても良い。例えば、取得した被検体情報を有線または無線で表示装置に表示させてもよい。表示装置は、タッチ入力機能を備えるものとして、先述の入力部としての機能を持たせてもよいし、入力部を構成する入力機器とは独立して設けられていてもよい。
(測定手法)
次に、本実施形態に係る光音響装置を用いた、光音響波の受信の手法について説明する。
次に、本実施形態に係る光音響装置を用いた、光音響波の受信の手法について説明する。
図2は、図1における音響波受信器110、被検体、および光学・音響反射部130を中心に抜き出して示している。
図2(a)は、比較例として示すもので、光学・音響反射部130のない構成となっている。被検体100の下部(z軸負方向)に位置する音響波受信器110の下部中央から開口部113に設けられた光照射部から照明光201が、被検体100に照明されている。この構成によれば、被検体100は光照射部からの直接光が照射されるのみで、光照射部から見て反対側には光がほぼ入射しない。さらに、被検体100から発生した音響波のうち、音響波受信器110から遠ざかる方向に伝搬する音響波は音響波受信器110に受信されない。図2(a)に示す構成では、図3(a)にあるように、被検体の主に下部から等方的に伝搬する光音響波301が音響波受信器で受信される。
これに対して、本実施形態においては、図2(b)に示すように、音響波受信器110と対向する位置に光学・音響反射部130を配置する。このように、音響波受信器110と光学・音響反射部130の間に被検体100が位置するように光音響装置を構成することにより、照明光202のうち、被検体下面に照明されなかった成分が光学・音響反射部130に到達し、反射され、被検体100の上面に照明される。これにより、照明光を上下両方向から被検体を照射するので、図2(a)に示す方法と比べて、被検体に対してより均一なエネルギーを当てることができる。さらに、光学・音響反射部130を光音響波の反射部材として、被検体から等方的に発生する光音響波を反射させて対向位置にある音響波受信器110まで伝達させることが可能になる。
本実施形態に係る構成においては、図3(b)のように、被検体の上部(z軸正方向)に伝搬する光音響波303および下部から等方的に伝搬する光音響波302が主に発生する。被検体の下部から伝搬する光音響波は、音響波受信器110で直接受信される。一方、被検体の上部から伝搬した光音響波303は光学・音響反射部130で反射され、その後、音響波受信器110で受信される(図3(c))。なお、光学・音響反射部130は、被検体100から発生する音響波の直接成分と反射成分とが、異なる期間に音響波受信器110に入射するような配置とすることが好ましい。これにより、直接成分と反射成分とを容易に時間的に分離できる。
これにより、広開口での音響波受信が可能になるため、信号情報の欠落が少ない光音響波を用いて、特性分布の画像データを生成することができる。特に光学・音響反射部材の形状はフォーカスを有するように曲面上の形態にすることで、空間的に限定して多くの情報をとることができるようになる。さらにフォーカススポットから見込み角が大きくなるようにトランスデューサを配置したプローブを併用することで、フォーカススポットの信号を精度よく受信することができる。これにより、トモグラフィーの画像データ推定過程で生じるデータ欠損を低減できるため視認性の低下を改善することができる。
データは複数回、被検体に対する相対位置が異なる場所で受信して、多点で得た受信信号を用いて再構成することが望ましいが、この際、この反射部材も対向位置を保ったまま共に移動しながら光照射および信号受信を行うことが望ましい。また音響波受信器110による光音響波取得の際に、光学・音響反射部材130を複数の箇所に動かして多点の反射信号を取得する工程を、音響波受信器110の被検体に対する相対位置を変えて行ってもよい。これにより、さらに広範囲にわたって信号を受信することができる。ただし、1回のみの受信動作や、音響波受信器がその場で回転するものなど対向位置を変えない場合は、光学・音響反射部材130はその場で静止していてもよい。
(処理フロー)
次に、図4のフロー図を参照して、本実施形態に係る被検体情報取得装置を制御して行われる被検体情報取得方法の手順を説明する。なお、制御装置が、制御装置がアクセス可能な記憶媒体に保存された被検体情報取得方法が記述されたプログラムを読み出し、被検体情報取得装置の各構成の作動を制御することにより以下のフローを実行させる。
次に、図4のフロー図を参照して、本実施形態に係る被検体情報取得装置を制御して行われる被検体情報取得方法の手順を説明する。なお、制御装置が、制御装置がアクセス可能な記憶媒体に保存された被検体情報取得方法が記述されたプログラムを読み出し、被検体情報取得装置の各構成の作動を制御することにより以下のフローを実行させる。
(S100:測定領域を決定する工程)
この工程では、走査機構140が音響波受信器110を走査する領域が指定される。走査領域は、走査機構140が走査できる絶対座標を基準にした領域が指定されてもよいし、測定の対象である被検体100を事前に他の画像診断装置などで取得した情報や、走査領域内にある被検体の形状や内部情報が観察できる情報をもとに指定してもよい。例えば、被検体の形状を取得する手段としてはデジタルカメラ、ビデオなどによる画像情報が利用できるほか、内部情報を提示する手段として光音響画像、超音波画像、X線CT画像、MRI画像、PET画像などの被検体情報が利用できる。特に光音響画像と超音波画像は、前述のように超音波エコーの撮像機能を統合した光音響装置として構成することにより、装置部品の共通化ができるという利点がある。
この工程では、走査機構140が音響波受信器110を走査する領域が指定される。走査領域は、走査機構140が走査できる絶対座標を基準にした領域が指定されてもよいし、測定の対象である被検体100を事前に他の画像診断装置などで取得した情報や、走査領域内にある被検体の形状や内部情報が観察できる情報をもとに指定してもよい。例えば、被検体の形状を取得する手段としてはデジタルカメラ、ビデオなどによる画像情報が利用できるほか、内部情報を提示する手段として光音響画像、超音波画像、X線CT画像、MRI画像、PET画像などの被検体情報が利用できる。特に光音響画像と超音波画像は、前述のように超音波エコーの撮像機能を統合した光音響装置として構成することにより、装置部品の共通化ができるという利点がある。
また、被検体情報画像を表示装置170に表示し、作業者が注目領域(Region Of Interest;ROI)を任意に設定できることが好ましい。例えば表示装置170に事前にデジタルカメラで取得して走査領域範囲にある被検体の表面画像を表示させたとき、マウスやタッチパネル等の入力機器を用いて、走査領域選択アイコンを設定して、操作者が領域をマウスで囲む操作や、タッチパネル上を指先などで囲む操作で走査範囲を設定できる。
また、音響波受信器110の原点位置は、装置の校正表や外部装置によって校正されることが望ましいが、測定開始時に指定した点を原点として、測定後算出される特性画像の座標が変更されるようにしてもよい。
(S200:光音響波信号を取得する工程)
この工程では、音響波受信器110が、被検体100から発生した光音響波を受信し、光音響波信号(受信信号)を生成する。
この工程では、音響波受信器110が、被検体100から発生した光音響波を受信し、光音響波信号(受信信号)を生成する。
まず、光源120から出射されたパルス光122が光学系121を介して被検体100に照射される。パルス光122のうち、光学・音響反射部130まで到達したパルス光は反射され、被検体に100に照明される。この時の反射したパルス光は、光学系121とは異なる方向から照明されることで、被検体内の光吸収体に一様に照明光を伝達することができる効果をもつ。パルス光122は、被検体100内の光吸収体に吸収され、光エネルギーを吸収した光吸収体から光音響波が発生する。光音響波のうち、音響波受信器110とは異なる方向に伝搬した成分の一部は、光学・音響反射部130まで到達すると、反射され、音響波受信器110に向かって伝搬される。音響波受信器110に向かって発生した光音響波は、そのまま音響波受信器110に向かって伝搬される。特に反射波の成分は、光学・音響反射部130の曲率、または受信位置、向きなどを変更させることで、反射波面の形成を探触子の特性に最適化したり、途中の伝搬経路を被検体よりも減衰や散乱の少ない経路となるようにしたりすることで最適化することができる。
(S300:受信信号をメモリに保存する工程)
制御装置150はパルス光の出射を検知して、音響波受信器110にある複数のトランスデューサ112で光音響波の受信を開始させる。音響波受信器110から出力された光音響波信号は、制御装置150での処理を経て、メモリに格納される。このとき光音響波を受信した時刻における音響波受信器110の座標および光学・音響反射部130の座標がデータに関連付くように同様にメモリに格納される。
制御装置150はパルス光の出射を検知して、音響波受信器110にある複数のトランスデューサ112で光音響波の受信を開始させる。音響波受信器110から出力された光音響波信号は、制御装置150での処理を経て、メモリに格納される。このとき光音響波を受信した時刻における音響波受信器110の座標および光学・音響反射部130の座標がデータに関連付くように同様にメモリに格納される。
(S400:反射部材の移動終了を判定する工程)
この工程では、事前に設定された反射部材の移動動作に基づいて、次動作での光学・音響反射部130の移動の有無を判断する。光学・音響反射部130の移動の行路は、事前にファイルとしてメモリに記憶されており、制御装置150はそのファイルの読み出しに基づき、既定の動作を完了しているかを判定する。動作が完了している場合はS500の工程へ進み、動作が継続される場合はS410へ進む。
この工程では、事前に設定された反射部材の移動動作に基づいて、次動作での光学・音響反射部130の移動の有無を判断する。光学・音響反射部130の移動の行路は、事前にファイルとしてメモリに記憶されており、制御装置150はそのファイルの読み出しに基づき、既定の動作を完了しているかを判定する。動作が完了している場合はS500の工程へ進み、動作が継続される場合はS410へ進む。
(S410:反射部材を次の測定位置に移動する工程)
この工程では、走査機構140が光学・音響反射部130を次の測定位置に移動する。移動動作を終了し、光学・音響反射部130が静止したのちにS200からの工程を再度実行してもよいし、光学・音響反射部130の移動量および加速度が小さい場合には、光学・音響反射部130を移動させながら、S200からの工程を実行してもよい。
この工程では、走査機構140が光学・音響反射部130を次の測定位置に移動する。移動動作を終了し、光学・音響反射部130が静止したのちにS200からの工程を再度実行してもよいし、光学・音響反射部130の移動量および加速度が小さい場合には、光学・音響反射部130を移動させながら、S200からの工程を実行してもよい。
(S500:取得終了を判定する工程)
この工程では、事前に設定された音響波受信器110の移動動作に基づいて、次動作での音響波受信器110の移動の有無を判断する。制御装置150は、事前に設定された移動動作が、所定数に達しているかどうかが判定される。所定数に達していなければS600の工程へ進み、所定数に達して工程を終了する場合はS700へ進む。
この工程では、事前に設定された音響波受信器110の移動動作に基づいて、次動作での音響波受信器110の移動の有無を判断する。制御装置150は、事前に設定された移動動作が、所定数に達しているかどうかが判定される。所定数に達していなければS600の工程へ進み、所定数に達して工程を終了する場合はS700へ進む。
走査機構140を使用せずに、ハンドヘルドタイプのように操作者が走査する場合は、ハンドヘルド型探触子の筐体の外部に設置した押しボタンを押し込んでいる間は測定を繰返すように設定するなど、測定をしながら繰り返し回数の判断をしてもよい。また、ハンドヘルド探触子に接触センサを設けておき、作業者がハンドヘルド探触子を被検体に当てている間は測定が行われるようにしてもよい。
(S600:次の測定位置に音響波受信器を移動する工程)
この工程では、走査機構140が音響波受信器110を事前に設定された測定エリア内の次測定位置に移動する。移動動作を終了したのちS200からの工程を繰り返してもよいし、音響波受信器110の移動量および加速度が小さい場合は移動しながらS200からの工程を実行してもよい。
この工程では、走査機構140が音響波受信器110を事前に設定された測定エリア内の次測定位置に移動する。移動動作を終了したのちS200からの工程を繰り返してもよいし、音響波受信器110の移動量および加速度が小さい場合は移動しながらS200からの工程を実行してもよい。
(S700:音響波受信器を初期位置に移動する工程)
この工程では、走査機構140が音響波受信器110および光学・音響反射部130、を既定の原点位置に移動させる。
この工程では、走査機構140が音響波受信器110および光学・音響反射部130、を既定の原点位置に移動させる。
(S800:光音響画像情報を表示する工程)
この工程では、信号処理装置160が、メモリに保存された光音響波のデータを再構成することで、特性情報としての光音響画像情報を表示装置170に画像として表示する。データが三次元データである場合はレンダリングして3次的に表示してもよいし、各2次元断面のMIP(Maximum Intensity Projection)画像を表示してもよい。
この工程では、信号処理装置160が、メモリに保存された光音響波のデータを再構成することで、特性情報としての光音響画像情報を表示装置170に画像として表示する。データが三次元データである場合はレンダリングして3次的に表示してもよいし、各2次元断面のMIP(Maximum Intensity Projection)画像を表示してもよい。
<実施例>
本実施例では、曲率を有する面に沿って複数のトランスデューサ112が設けられ、と、平面形状の光学・音響反射部材130を用いた場合の画像生成方法を説明する。
本実施例では、曲率を有する面に沿って複数のトランスデューサ112が設けられ、と、平面形状の光学・音響反射部材130を用いた場合の画像生成方法を説明する。
音響波受信器110には、256素子のトランスデューサ(大きさはΦ3mmの円形で平板)を、曲率半径5cmのボウル状の支持体に配置したものを使用した。音響波受信器110によるスキャンピッチは0.1mmとし、走査領域は水平の2次元領域の100mm区画と設定し、音響波受信器110を水平に走査した際のフォーカスポイントが水平に走査されるように配置した。フォーカスポイントは、先述の高分解能領域に対応する。光学・音響反射部材はトランスデューサに対して同様に動きを設定し、トランスデューサと光学・音響反射部材は一対で移動動作を実行した。また、装置構成として、探触子を走査してデータを取得している最中は探触子走査中に関する表示を画面上に表示し、既定のシーケンス終了後はデータ取得完了のメッセージを表示させるようにした。測定対象は半径0.5mmのワイヤーからなる半径2.5mmのリング状の光吸収体を散乱体ファントム内に配置したものを使用した。またリング状の光吸収体はトランスデューサの走査方向に対して垂直に配置した。
測定シーケンス開始後、まず、S200において光音響波信号を取得する。光源120から出射されたパルス光122が光学系121を介して被検体100に照射される。パルス光122は被検体100内の光吸収体に吸収され、光音響波が発生する。このとき光音響波は、直接音響波受信器110に伝搬する成分と、光学・音響反射部130によって反射され音響波受信器に伝搬する成分が発生する。制御装置150はパルス光の出射を光学センサ等により検知して、音響波受信器110にある複数のトランスデューサ112で光音響波の受信を開始させる。音響波受信器110から出力された光音響波信号は、制御装置150での処理を経て、それぞれS300でメモリに格納される。S400においては反射部材の移動は行わず、S500の判定に遷移させた。水平方向は各方向において1000か所のスキャンポイントを設定しているため、次点での計測への移動をS600で実行する。この際、走査機構140は走査を実行しながらS200を実施することで加減速によるタイムロスを生じることなく光のパルスレートである10Hzで計測を継続する。
全スキャンポイントでの計測を終了したのち、初期位置への移動動作を実行し(S700)、S800で再構成を実施する。このときのS800で表示された画面を図5に示す。メモリに保管された信号情報のうち、被検体から光学・音響反射部130を介さずに音響波受信器に入射する直接成分のみで再構成した画像を図5(a)に示す。被検体から光学・音響反射部130を介さずに音響波受信器に入射する直接成分に加えて、光学・音響反射部130による反射成分を含む時間領域の信号を使用して再構成した画像を図5(b)に示す。図5(b)に示す画像では、図5(a)に示す画像と比べて、円環が明確に表現されて画像化されていることが確認できる。これはLimited−view問題として課題となる、探触子から離れる方向の光吸収体の描出能が向上している結果を示している。なお再構成はUBP(Universal Back Projection)法を使用した。すなわち本手法により、従来の光音響画像に比べ、光吸収体の形状をより正確に再現できることが分かる。
110 音響波受信器
130 光学・音響反射部
160 信号処理装置
130 光学・音響反射部
160 信号処理装置
Claims (24)
- 被検体に光を照射する光照射部と、
前記光が照射されることにより前記被検体内で発生した音響波を受信し、受信信号を出力する音響波受信部と、
前記受信信号に基づいて、前記被検体の内部の特性情報を取得する特性情報取得部と、
前記光照射部と対向して設けられた、入射した音響波および光を反射する反射部材と、
を有し、
前記特性情報取得部は、音響波受信部と前記反射部材との間に位置する前記被検体から発生した前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分と、を用いて前記特性情報を取得する動作モードで動作すること
を特徴とする光音響装置。 - 前記音響波受信部は、前記音響波を受信する複数のトランスデューサを含んでなり、
前記複数のトランスデューサの指向軸が集まる領域が形成されるように前記複数のトランスデューサを支持する支持部材を有すること
を特徴とする請求項1に記載の光音響装置。 - 前記支持部材は、前記複数のトランスデューサを平面または曲面に沿って支持することを特徴とする請求項2に記載の光音響装置。
- 前記曲面が球面であることを特徴とする請求項3に記載の光音響装置。
- 前記光照射部と前記音響波受信部とが一体的に構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記音響波受信部が、操作者により手持ちが可能なハンドヘルド型装置として構成されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記音響波受信部および前記反射部材の少なくとも一方を移動させることにより、前記音響波受信部の前記反射部材に対する相対位置を変化させる移動部をさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記移動部は、前記音響波受信部および前記反射部材を移動させることにより、前記被検体に対する前記音響波受信部および前記反射部材の相対位置を変化させることを特徴とする請求項7に記載の光音響装置。
- 前記音響波受信部の位置に関する情報を取得する位置情報取得部をさらに有し、
前記特性情報取得部は、前記位置情報取得部によって取得された前記音響波受信部の位置に関する情報を用いて、前記音響波受信部の前記被検体に対する相対位置を取得すること
を特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光音響装置。 - 前記位置情報取得部は、前記光照射部から前記被検体に光を照射する毎に前記位置に関する情報を取得することを特徴とする請求項9に記載の光音響装置。
- 前記反射部材は、前記光および前記音響波を反射する反射面が平面状であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記反射部材は、前記光および前記音響波を反射する反射面が曲面状であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記反射部材は、前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分とが、異なる期間に前記音響波受信部に入射するように構成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記光照射部と前記反射部材との間に設けられた、前記被検体が載置される被検体載置部を有し、
前記被検体載置部は、前記被検体を挿入可能な開口を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光音響装置。 - 前記被検体載置部は、前記被検体を保持する被検体保持部材を有することを特徴とする請求項14に記載の光音響装置。
- 前記被検体保持部材は、前記光および前記音響波を透過する材料からなることを特徴とする請求項15に記載の光音響装置。
- 前記特性情報取得部は、タイムドメイン再構成法、フーリエドメイン再構成法、タイムリバーサル再構成法のいずれかを用いて、前記特性情報を取得することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の光音響装置。
- 前記特性情報取得部は、前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分のいずれか一方を用いて前記特性情報を取得する動作モードで動作可能に構成されたこと
を特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の光音響装置。 - 前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分と、を用いて前記特性情報を取得する動作モードと、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分のいずれか一方を用いて前記特性情報を取得する動作モードのどちらで動作するかを切り替える切り替え部をさらに有することを特徴とする請求項18に記載の光音響装置。
- 操作者からの指示が入力される入力部をさらに有し、
前記特性情報取得部は、前記入力部を介して入力された指示に応じて、前記動作モードを切り替えること
を特徴とする請求項19に記載の光音響装置。 - 前記被検体の形状情報を取得する被検体形状取得部をさらに有し、
前記切り替え部は、前記入力部を介して入力された指示に応じて、前記動作モードを切り替えること
を特徴とする請求項20に記載の光音響装置。 - 前記被検体形状取得部により形状情報を取得された被検体が所定の大きさ未満の場合には、
前記切り替え部は、前記特性情報取得部が、前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分と、を用いて前記特性情報を取得する動作モードで動作するように設定すること
を特徴とする請求項21に記載の光音響装置。 - 前記被検体形状取得部により形状情報を取得された被検体が所定の大きさよりも大きい場合には、
前記特性情報取得部は、前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分を用いずに、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分を用いて前記特性情報を取得すること
を特徴とする請求項21または22に記載の光音響装置。 - 前記受信信号を増幅する増幅器をさらに有し、
前記増幅器は、前記音響波のうち、前記反射部材を介して前記受信部に入射した成分と、前記反射部材を介さずに前記音響波受信部に入射した成分とを、互いに異なる増幅率で増幅すること
を特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の光音響装置。
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CN111505609A (zh) * | 2020-03-26 | 2020-08-07 | 中国船舶重工集团公司第七一五研究所 | 一种超声换能器绝对声压测量方法 |
-
2017
- 2017-09-08 JP JP2017172961A patent/JP2019047884A/ja active Pending
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CN111505609A (zh) * | 2020-03-26 | 2020-08-07 | 中国船舶重工集团公司第七一五研究所 | 一种超声换能器绝对声压测量方法 |
CN111505609B (zh) * | 2020-03-26 | 2023-09-12 | 中国船舶重工集团公司第七一五研究所 | 一种超声换能器绝对声压测量方法 |
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