JP2015216982A - 光音響装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】メモリに保存される受信信号のデータ量を低減することのできる光音響装置を提供する。
【解決手段】光音響装置は、光源20と、光源20からの光が被検体8に照射されることにより発生した光音響波を受信して時系列の受信信号を出力する受信素子を備える探触子2と、受信素子から出力された時系列の受信信号に基づいて受信信号データを生成し、保存する信号データ取得部7と、被検体内の注目位置における光量を取得する光量取得部5と、信号データ取得部7に保存された受信信号データに基づいて被検体内の被検体情報を取得する情報取得部9と、を有し、信号データ取得部7は、注目位置における光量が閾値よりも小さいときに、時系列の受信信号のうち注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光音響効果を利用して被検体情報を取得する光音響装置に関する。
レーザなどの光源から生体などの被検体に光を照射し、入射した光に基づいて得られる被検体内の情報を画像化する光イメージング装置の研究が医療分野で積極的に進められている。この光イメージング技術の一つとして、Photoacoustic Imaging(PAI:光音響イメージング)がある。光音響イメージングでは、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、被検体内で伝搬・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した被検体組織から発生した音響波(典型的には超音波)を受信し、その受信信号に基づき被検体情報をイメージング(画像化)する。
すなわち、腫瘍などの対象部位とそれ以外の組織との光エネルギーの吸収率の差を利用し、被検部位が照射された光エネルギーを吸収して瞬間的に膨張する際に発生する弾性波(光音響波)を探触子で受信する。この受信信号を数学的に解析処理することにより、被検体内の情報、特に、初期音圧分布、光エネルギー吸収密度分布あるいは吸収係数分布などを得ることができる。これらの情報は、被検体内の特定物質、例えば、血液中の酸素飽和度などの定量的計測にも利用できる。近年、この光音響イメージングを用いて、小動物の血管像をイメージングする前臨床研究や、この原理を乳がんなどの診断に応用する臨床研究が積極的に進められている(非特許文献1)。
特許文献1には、音響波受信素子が配置された探触子を用いて光音響イメージングを行う光音響装置が記載されている。また、特許文献1には、胸部組織に電磁波が照射され、電磁波の照射により発生した光音響波を探触子が受信して受信信号を出力し、受信信号はメモリに保存されることが記載されている。また、特許文献1には、保存された受信信号のデータを用いて胸部組織の画像を形成することが記載されている。
米国特許第5713356号明細書
"Photoacoustic Tomography: In Vivo Imaging From Organelles to Organs", Lihong V.Wang Song Hu,Science 335,1458(2012)
特許文献1に示されるような光音響装置では、前述したように探触子から出力された受信信号を保存する必要がある。一方、光音響装置においては、保存される受信信号のデータ量を低減することが望まれている。
そこで本発明は、メモリに保存される受信信号のデータ量を低減することのできる光音響装置を提供することを目的とする。
本明細書に開示された光音響装置は、光源と、光源からの光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を受信して時系列の受信信号を出力する受信素子を備える探触子と、受信素子から出力された時系列の受信信号に基づいて受信信号データを生成し、保存する信号データ取得部と、被検体内の注目位置における光量を取得する光量取得部と、信号データ取得部に保存された受信信号データに基づいて被検体内の被検体情報を取得する情報取得部と、を有し、信号データ取得部は、注目位置における光量が閾値よりも小さいときに、時系列の受信信号のうち注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する。
本発明に係る光音響装置によれば、メモリに保存される受信信号のデータ量を低減することができる。
実施形態1に係る光音響装置の構成を表す図。 実施形態1に係る測定フローを表す図。 実施形態1に係る光音響装置の動作を表す図。 実施形態1に係る光音響装置の構成の具体例を表す図。 実施形態1に係る制御信号を表す図。 実施形態1に係る光音響装置の別の動作を表す図。 実施形態2に係る光音響装置を説明するための図。 実施形態3に係る光音響装置を説明するための図。
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状及びそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明において、音響波とは、音波、超音波、光音響波、光超音波と呼ばれる弾性波を含む。本発明の光音響装置とは、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体内の特性情報を取得する光音響効果を利用した装置である。
光音響装置における被検体情報とは、光照射によって生じた音響波の初期音圧や、あるいは、初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や、吸収係数、組織を構成する物質の濃度等を反映した特性情報である。物質の濃度とは、例えば酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの濃度や、酸素飽和度などである。特性情報は、数値データではなく、被検体内の各位置の分布情報であっても良い。つまり、初期音圧分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などを画像データとして生成してもよい。
本発明は、係る光音響装置によって音響波を受信する際の、制御方法として捉えることもできる。以下の実施形態においては、光音響装置の具体例として、光音響装置について説明する。各図面で同一の構成要素については、基本的に同じ符合を付し、説明を省略する。
まず、光音響効果により生じる音響波の音圧と、被検体内の光量の関係について述べる。光音響効果により生じる音響波の音圧p[Pa]は、式(1)で表される。
Figure 2015216982
式(1)において、μは被検体内の光吸収体(腫瘍等)の吸収係数[/mm]である。Γはグリュナイゼン係数である。Φは光吸収体の位置の光量[J/mm]である。光量Φのことを光フルエンスとも呼ぶ。グリュナイゼン係数Γは体積膨張係数に音速の2乗をかけた値を定圧比熱で除した値であって、生体では略一定値をとる。
式(1)からわかるように、発生する音圧は光量に比例する。生体のような強い光散乱体が被検体である場合、光量Φは、典型的には光が照射された位置からの距離に応じて指数的に減衰する。そのため、減衰によって光量が低下してしまい、発生する音響波の音圧を検出することが困難な領域が生じる。このような、光量が低い領域由来の音響波は典型的にSN比が低く、被検体内の被検体情報を高精度に取得するのに大きく寄与しない可能性がある。よって、光量が低い領域由来の音響波の受信信号のデータを保存する意義は小さい。
そこで、以下の本実施形態に係る光音響装置は、測定時に照射される光の被検体内における光量分布を推定し、その光量分布のうちある閾値よりも小さい光量となる注目位置を決定する。そして、測定時に探触子により光音響効果により発生した光音響波を受信して出力された時系列の受信信号のうち、ある閾値よりも小さい光量となる注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減する。
このように光量の小さい注目位置で発生した光音響波の受信信号のデータ量を低減することにより、受信信号のデータを保存するためのメモリ容量を抑制することができる。一方、低減された受信信号のデータは被検体情報を高精度に取得するために大きく寄与しないデータであるため、このデータ低減によって被検体情報の精度が低下してしまう可能性は低い。
なお、探触子から出力された時系列の受信信号のうち、光量の小さい注目位置で発生した光音響波の受信信号をメモリに保存しないことにより、メモリに保存される受信信号のデータ量を低減することができる。その他、光量の高い領域で発生した光音響波の受信信号に対するサンプリング周波数よりも低いサンプリング周波数で受信信号をサンプリングすることによりデータ量を低減することができる。このように、光量の小さい注目位置で発生した光音響波の受信信号のデータ量を低減できる限り、いかなる方法でデータ量を低減してもよい。
また、関心領域が2次元領域である場合注目位置はピクセルであり、関心領域が3次元領域である場合注目位置はボクセルである。
[実施形態1]
次に、本実施形態における光音響装置の構成について図1を用いて説明する。
(装置構成)
図1は、本実施形態における光音響装置の概要を示す図である。以下、被検体の情報を取得するための構成を説明する。
本発明の光音響装置は、光源20、照射部1、探触子2、制御部3、入力部4、光量取得部5、光量比較部6、低減データ決定部15、信号データ取得部7、再構成部9、表示部10、移動機構12を含む。
以下に、本発明の光音響装置の構成要素について、詳細に説明を行う。
(光源20)
本発明の光源20は、被検体8に照射する照射光11を生成する。光源20は、コヒーレント、または、インコヒーレントのパルス光源を少なくとも一つは備える。光音響効果を発生させるため、パルス幅は数8ナノ秒以下が好ましい。また、乳がん等を測定する場合は、生体を構成する成分のうち特定の成分(例えばヘモグロビン)に吸収される特定の波長の光を発生する。光源20としては大きな出力が得られるレーザが好ましいが、レーザのかわりに発光ダイオードなどを用いることも可能である。レーザとしては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半導体レーザなど様々なレーザを使用することができる。
(照射部1)
光学系としての照射部1は、光源20が生成した照射光11を、光音響測定に適した方法で被検体8に照射する。受信信号のSN比を高くするために、被検体の一部の面からだけでなく、複数の面から光を照射してもよい。例えば、被検体に対して探触子2と対向する側からも光を照射してもよい。照射部1は、ミラーや、光を集光したり拡大したり形状を変化させるレンズ、又は、光を分散・屈折・反射するプリズムや、光ファイバーを含む。このような光学部品は、上記以外にも光源20が生成した光を被検体に所望の方法(照射方向、形状等)で照射することができればどのようなものを用いてもよい。
(探触子2)
探触子2は、被検体8に光が照射されることで発生した音響波を受信して、受信信号である電気信号に変換する音響波受信素子と筺体とを備える。音響波受信素子には、圧電現象を用いた音響波受信素子、光の共振を用いた音響波受信素子、容量の変化を用いた音響波受信素子などを採用することができる。音響波を受信して電気信号に変換できるものであればどのような音響波受信素子を用いてもよい。本実施形態においては、異なる位置で音響波を受信するために、1つ以上の音響波受信素子が存在し得る。1つ以上の音響波受信素子が様々な形態に配列され、探触子2を形成する。例えば、探触子2はリニア型、1.5D型、2D型、コンベックス型、アーク型、半球型のほか、いかなる形状も取り得る。探触子2は、複数の音響波受信素子により生成された電気信号を信号データ取得部7に出力する。
(制御部3)
制御部3は、各種パラメータを他の構成へ適切なタイミングで供給し、各構成の制御を行う。
制御部3は、典型的にはPC、もしくはCPU、FPGA、ASICなどの回路が搭載された電子基板にて構成されるが、制御部3の構成は必ずしもこれに限定されない。本発明の光音響装置の制御ができる限り、どのような構成を用いてもよい。
(移動機構12)
移動機構12は、照射部1および探触子2を被検体8に対して相対的に移動させる。移動機構12は、モータなどの駆動部とその駆動力を伝達する機械部品から構成され、制御部3からの測定パラメータの情報に従って、照射部1および探触子2を移動させることにより光の照射位置と光音響波の受信位置を移動させる。光の照射位置と光音響波の受信位置を被検体8に対して移動させながら受信信号データの取得を繰返すことで、目的とする広範囲の被検体情報を得るための受信信号データを取得することができる。移動機構12は、探触子2を移動させる探触子移動機構と、光学系としての照射部1を移動させる光学系移動機構としての機能を兼ねることができる。なお、探触子移動機構と光学系移動機構とを異なる機構で構成してもよい。
また移動機構12は、照射部1による1回の光の照射制御に同期して、光照射時、すなわち光音響波の受信時の照射部1および探触子2の位置情報を制御部3へ出力する。
(入力部4)
入力部4は、ユーザが制御部3に所望の情報を入力するために所望の情報を指定できるように構成された部材である。入力部4としては、キーボード、マウス、タッチパネル、ダイヤル、およびボタンなどを用いることができる。入力部4としてタッチパネルを採用する場合、表示部10が入力部4を兼ねるタッチパネルであってもよい。
入力部4は、操作者による被検体8の光学特性値(吸収係数と等価散乱係数)や、光音響装置の制御に必要な情報などの入力を受け付けることができる。
(光量取得部5)
光量取得部5は、被検体8に照射される光の被検体8内部の光量分布を取得する。光量分布の計算方法として、輸送方程式の数値解法、拡散近似方程式の数値解法、モンテカルロ法による数値解法などを用いることができる。光量分布の計算には、照射光11の強度分布パターンを反映させることが望ましい。これにより光量分布の計算精度を向上させることができる。例えば、照射部1で照射光11の強度分布パターンをモニターできるようにしておき、強度分布パターンを光量取得部5に入力するとよい。
なお、光量取得部5は、照射光11を被検体8に照射する前に設定された照射条件(照射領域、光強度、照射角度など)から被検体8に照射されることとなっている照射光11の被検体8内での光量分布を取得することができる。また、光量取得部5は、実際に被検体8に照射された照射光11の照射条件から実際に照射された光の被検体8内での光量分布を求めることもできる。この場合、光量取得部5は、実際に被検体8に照射された光の照射条件の測定結果を被検体8内の光量分布の取得に反映させることができる。
また、光量取得部5は、被検体8の形状の情報を用いて、境界条件を設定することや被検体8の表面における光強度分布などを設定することにより被検体8内の光量分布を取得してもよい。このように被検体8の形状の情報を用いることにより、被検体8内の光量分布をより精度よく取得することができる。
(光量比較部6)
光量比較部6は、光量取得部5により取得された被検体8内部の光量分布を参照し、各注目位置において光量が設定された閾値よりも小さいか否かを判定する。そして、光量比較部6は、判定結果を低減データ決定部15や再構成部9などの他の構成に出力する。
(低減データ決定部15)
低減データ決定部15は、探触子2から出力される時系列の受信信号のうち、データ量を低減する受信信号とデータ量を低減しない受信信号とを決定する。すなわち、低減データ決定部15は、探触子2から出力される時系列の受信信号のうち、データ量を低減する期間を決定する。そして、低減データ決定部15は、探触子2から出力される時系列の受信信号の各受信タイミングにおける受信信号のデータ量を低減するか否かを表す保存制御信号を出力する。
(信号データ取得部7)
信号データ取得部7は、探触子2が出力する音響波由来の電気信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号を信号データ取得部7内のメモリに保存する。信号データ取得部7は、低減データ決定部15から出力された保存制御信号を受け付け、光量が閾値以上の領域に対応する受信期間を特定し、この期間に出力された受信信号をサンプリングし、受信信号データとして保存するする。そして、信号データ取得部7は、保存された受信信号データを再構成部9に転送する。
本明細書において、探触子2が光音響波を受信して出力した電気信号のうち、信号データ取得部7の最後段のメモリに保存されるまでの信号を「受信信号」とし、信号データ取得部の最後段のメモリに記憶された後の信号データを「受信信号データ」とする。
なお、信号データ取得部7は、探触子2から出力された受信信号に対して探触子2の音響波受信素子の感度ばらつきなどの補正や、物理的または電気的に欠損した音響波受信素子の補完処理などの処理を行ってもよい。信号データ取得部7は、探触子2が生成したアナログ信号を増幅する信号増幅部やアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部などから構成される。
(再構成部9)
情報取得部としての再構成部9は、信号データ取得部7に保存された受信信号データを用いて、被検体8内部における各注目位置の被検体情報を取得する。すなわち、再構成部9は、時系列のデータである受信信号データを2次元または3次元の空間的なデータである被検体情報に変換する。
また、再構成部9は、取得した各注目位置における被検体情報に基づいて任意の断層画像などの表示画像を生成する。また、再構成部9は、取得した被検体情報に対して、輝度の補正や歪補正、関心領域の識別提示や切り出しなどの各種補正処理を適用して、より診断に好ましい表示画像を生成してもよい。また入力部4を介したユーザの操作に従って、被検体情報の取得に用いるパラメータの入力や表示画像の調整などが行われてもよい。
なお、各注目位置における被検体情報は、信号データ取得部7に保存された受信信号データに対して再構成処理を行うことで得られる。再構成処理としては、例えば、トモグラフィー技術で一般に用いられるタイムドメインあるいはフーリエドメインでの逆投影、または整相加算処理などが用いられる。時間制約が厳しくない場合には繰り返し処理による逆問題解析法などの画像再構成手法を用いることもできる。なお、音響レンズなどで受信フォーカス機能を備えた探触子を用いることで、再構成処理を行わずに被検体情報を取得することもできる。
再構成部9は、生成した表示画像のデータを表示部10へ転送する。
(表示部10)
表示部10は、再構成部9から転送された表示画像のデータを用いて、操作者に対して被検体8内部の被検体情報の分布や特定の関心領域の数値データなどを表示する。なお、被検体情報の分布は、被検体8内部の注目位置における被検体情報を1次元、2次元、もしくは3次元に並べたものとして構成される。
表示部10としては、典型的には液晶ディスプレイなどが利用されるがプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ、FEDなど他の方式のディスプレイでもよい。なお、表示部10は、本発明の光音響装置とは別に提供されていても良い。
なお、光量取得部5、光量比較部6、低減データ決定部15、信号データ取得部7、再構成部9の備える機能を、CPU、GPUなどの演算素子を備えるコンピュータに実行されるプログラムにより実現してもよい。また、これらの構成の機能をFPGAやASICなどの回路により実現してもよい。また、これらの構成の機能を、コンピュータに実行されるプログラムとハードウェアの組み合わせにより実現してもよい。
(光音響装置の動作)
次に、本実施形態に係る光音響装置の動作を図2に示すフローを用いて説明する。また、図2に示すフローを説明するために、図3に示す光音響装置の動作を示す概念図を用いる。
ステップ100では、制御部3が発光タイミング、照射光の照射位置、光音響波の受信位置、被検体8内の光学特性値(例えば、被検体8の吸収係数または等価散乱係数)、保持部の種類などの測定パラメータを設定する。すなわち、制御部3は、光源20の発光タイミング、各発光タイミングにおける照射部1の位置、各発光タイミングにおける探触子2の位置を設定することができる。そして、制御部3は、設定された測定パラメータの情報を光源20、移動機構12、光量取得部5、低減データ決定部15、信号データ取得部7などの各構成に出力する。なお、制御部3は、予め格納されている測定パラメータを読み出し、読み出された測定パラメータを設定してもよい。
また、ユーザが入力部4を用いて測定パラメータを入力し、制御部3が入力部4から出力された測定パラメータの情報を受け取ることにより取得してもよい。なお、吸収係数と等価散乱係数については、それらの値自体が入力部4により入力されてもよいし、被検体8の年齢や国籍などの被検体8の特徴情報が入力部4により入力され、制御部3が入力された特徴情報に応じた既知の統計値を設定してもよい。また、別の装置で取得した測定パラメータを、制御部3が取得するようにしてもよい。
ステップ200では、光量取得部5が、ステップ100で制御部3により設定された測定パラメータに基づいて、各発光タイミングで被検体8に照射されることとなっている光の被検体8内での光量分布を取得する。
例えば、ステップ100で図3(a)に示す測定状態となるように測定パラメータが設定された場合で説明する。光量取得部5は、光拡散方程式などの光伝播を表す式に基づいて、点線で示した被検体8内の光量分布50を計算して取得する。あるいは、光量取得部5は、ステップ100で設定される測定パラメータの各値に対応する複数の光量分布を格納しておき、制御部3から出力された測定パラメータの情報に対応する光量分布を読み出して光量分布50を取得してもよい。
図3(a)において、光量分布50を示す点線は光量の等値線を表し、照射部1からの照射光11が被検体8に当たった領域の光量を最大として、照射領域から離れるに従って光量が小さくなる場合を示している。
なお、光量分布の推定に用いることのできる測定パラメータ(照射条件)としては、被検体8内の光学特性値(例えば、被検体8内の吸収係数や等価散乱係数)などが挙げられる。その他、照射光11の照射密度分布、被検体8の形状(表面座標)、照射光11の波長、照射光11の総光量、被検体8と接している物質の特性に依存する境界条件なども光量分布の推定に用いることのできる測定パラメータとすることができる。また、被検体8の形状を保持する保持部を用いる場合、用いられる保持部の形状(表面座標)についても光量分布の推定に用いることのできる測定パラメータとすることができる。
また、ユーザが入力部4を用いて照射光11のスポット径や照射領域の形状を入力し、光量取得部5はこれらの入力情報に基づいて被検体8内の光量分布を取得することができる。例えば、光量取得部5は、ユーザにより入力されたサイズの領域を照射方向に延長した領域内部の光量を1、それ以外の領域を0とすることができる。この場合、注目位置における光量を取得するための演算量を減らすことができる。
ステップ300では、光量比較部6は、ステップ200で光量取得部5により取得された各発光タイミングにおける被検体8内の光量分布に基づいて、被検体8内の各注目位置における光量よりも小さいか否かを判定する。そして、光量比較部6は、各注目位置における判定結果を低減データ決定部15に出力する。
以下、光量比較部6における被検体8内の各注目位置における光量よりも小さいか否かの判定方法を述べる。
まず、光量比較部6は、注目位置毎に閾値を設定する。光量比較部6は、予め格納された値を閾値として設定することやユーザが入力部4を用いて指定した値を閾値として設定することができる。また、光量比較部6は、音響波受信素子が検出することのできる最小の音圧を発生せしめる光量に基づいて閾値を計算し、設定してもよい。なお、光量比較部6は、各注目位置に同一の閾値を設定してもよい。
以下、音響波受信素子が検出することのできる最小の音圧を発生せしめる光量に基づいて閾値を計算する方法の例を説明する。
式(2)は、後述する減衰補償雑音等価音圧値pNEP_c(r)を表す。位置ベクトルrの注目位置における光量の閾値Φth(r)は、式(1)から変形された式(3)で表わされる。
Figure 2015216982
Figure 2015216982
NEPは、受信信号に含まれる雑音強度を音響波受信素子が音圧を電気信号に変換する変換効率で除算した、雑音等価音圧である。変換効率の単位は、電気信号が電圧である場合、[V/Pa]である。A(α,|d−r|)は、位置ベクトルdの音響波受信素子と位置ベクトルrの注目位置との間を音響波が伝播する際の、音圧の減衰比である。Aは、被検体8の減衰係数[/mm]と、音響波受信素子と注目位置との距離|d−r|とによって決まる。音圧の減衰は、距離依存の減衰係数αに基づく減衰や、球面波伝播、円筒波伝播等によるエネルギー散逸による距離依存の減衰などの減衰を含む。
NEP_c(r)は、雑音等価音圧pNEPを減衰比Aで割って補正した、減衰補償雑音等価音圧値である。位置ベクトルrの注目位置でpNEP_c(r)の音圧の音響波が発生した場合に、その音響波は音響波受信素子で検出することのできる最小音圧の音響波となる。
μa_BGは、被検体8の平均的な吸収係数である。ところで、典型的に光音響イメージングでは1000nm以下の波長の光を用いることが好ましい。この波長帯域では、生体などの被検体の主成分である水や脂肪などの吸収係数よりも血管の主成分であるヘモグロビンの吸収係数の方が大きい。そのため、被検体8の平均的な吸収係数であるμa_BGに対し、血管の吸収係数は、より大きい値を持つと考えられる。また、式(1)より、吸収係数が小さい場合、発生する音響波の音圧も比例して小さくなる。
よって、pNEP_c(r)とμa_BGを用いて求めたΦth(r)を閾値とすれば、画像化したい対象が血管である場合、血管によって生じた音響波については受信することができる。式(3)のΓはグリュナイゼン係数であり、例えば被検体8が生体である場合、ユーザが入力部4を用いて生体の典型的な値を入力するとよい。
次に、光量比較部6では、設定した注目位置ごとの光量の閾値を用いて、各注目位置における光量が閾値よりも小さいか否かを判定する。すなわち、光量比較部6は、光量が閾値以上の注目位置と、光量が閾値よりも小さい注目位置とを決定する。図3(b)に記された一点鎖線に囲まれた領域は、光量比較部6により決定された光量が閾値以上の領域60を示す。すなわち、領域60以外の領域は光量が閾値よりも小さい注目位置を示す。また、光量比較部6は、各注目位置において光量が閾値より小さいか否かを判定した結果を低減データ決定部15に出力する。
本実施形態では、各注目位置にある同じ閾値を設定し、ある等値線に囲まれた領域を光量が閾値以上の領域60として決定した。このように決定された領域60内で発生する光音響波の受信信号は被検体情報を高精度に取得するのに大きく寄与する受信信号となる。一方、領域60外で発生する光音響波の受信信号は被検体情報を高精度に取得するのに大きく寄与しない受信信号となるため、データ量を低減することが好ましい。
なお、光量比較部6は、複数の照射条件に対する各注目領域における光量が閾値より小さいか否かの判定結果を格納しておき、ステップ100で設定された照射条件に対応する判定結果を読み出してもよい。そして、光量比較部6は、読み出された判定結果を低減データ決定部15に出力することができる。なお、照射条件を決定する測定パラメータは、ステップ200の説明で上述した光量分布の推定に用いることのできる測定パラメータである。
ステップ400では、低減データ決定部15が、ステップ300で決定された閾値よりも小さい光量の注目位置の情報に基づいて、後述するステップ600で出力される時系列の受信信号のうち、後述するステップ700で保存しない受信信号を決定する。すなわち、低減データ決定部15は、ステップ700で受信信号のデータ量を低減する期間、すなわちステップ700で受信信号を保存しない期間を決定する。そして、低減データ決定部15は、時系列の受信信号の各サンプリングタイミングにおける受信信号を保存するか否かを制御する保存制御信号を生成し、信号データ取得部7に出力する。以下、受信信号データのデータ量を低減する期間を「データ量低減期間」とし、この期間に対応する空間的な領域を「データ量低減領域」とする。
例えば、低減データ決定部15は、図3(c)に示すように領域60と各音響波受信素子30−1〜8の受信面の法線ベクトル46との交点を求める。
続いて、低減データ決定部15は、音響波受信素子30−1に着目すると、音響波受信素子30−1と交点A1との距離を算出する。また、低減データ決定部15は、交点A1と交点A2との距離を算出する。なお、各音響波受信素子30−1〜8の配置は予め分かっているため、各音響波受信素子30−1〜8の位置の情報については、予め格納しておくことができる。そして、低減データ決定部15は、予め格納された各音響波受信素子30−1〜8の位置の情報を読み出し、上記距離の算出に用いることができる。
続いて、低減データ決定部15は、音響波受信素子30−1と交点A1との間の領域に対応する期間に出力される受信信号を保存しないことを表す保存制御信号を生成する。また、低減データ決定部15は、交点A1と交点A2との間の領域に対応する期間に出力される受信信号を保存することを表す保存制御信号を生成する。例えば、低減データ決定部15は、音響波受信素子30−1と交点A1との距離を被検体8内の音速で除することにより受信信号を保存しない期間を算出することができる。また、低減データ決定部15は、交点A1と交点A2の距離を被検体8内の音速で除した期間を算出する。そして、低減データ決定部15は、音響波受信素子30−1と交点A1との間の領域に対応する受信信号を保存しない期間の後に、交点A1と交点A2の距離に対応する受信信号を保存する期間を設定する。さらに、低減データ決定部15は、交点A1と交点A2との間の領域に対応する受信信号を保存する期間の後については、受信信号を保存しないように保存制御信号を生成する。
なお、被検体8の音速については、ユーザが入力部4を用いて指定してもよいし、予め格納された音速を読み出すことにより用いてもよい。また、音響波受信素子と被検体との間に音響マッチング材などの別の部材を介している場合、この部材内の音速も考慮して保存制御信号を生成することが好ましい。
また、低減データ決定部15は、その他の音響波受信素子に対しても同様に保存制御信号を生成する。
ステップ500では、移動機構12が、照射部1および探触子2をステップ100で制御部3により設定された位置に移動させる。続いて、光源20が制御部3により設定された発光タイミングで光を発生する。そして照射部1が光源20から発生した光を被検体8へ導き、被検体8に光が照射される。なお、光源20から光が出射したことを表す同期信号を出力することが好ましい。また、照射部1が光を出射されたことを検知する検知部を備え、この検知部から光の検知結果を出力してもよい。例えば、検知部としてはフォトディテクターなどを採用することができる。
ステップ600では、探触子2に配置された音響波受信素子30が、ステップ500の光照射により被検体8内で発生した光音響波を受信して時系列の受信信号を出力する。
ステップ700では、信号データ取得部7が、ステップ600で音響波受信素子30から出力された時系列の受信信号を、ステップ400で生成された保存制御信号にしたがって保存する。
すなわち、信号データ取得部7は、音響波受信素子30−1と交点A1との距離に対応する期間に出力される受信信号を保存せずに、交点A1と交点A2の距離に対応する期間に出力される受信信号を保存する。また、信号データ取得部7は、交点A1と交点A2の距離に対応する期間の後に出力される受信信号については保存しない。なお、受信信号の保存の開始は、ステップ500における光照射タイミングを基準にして行われることが好ましい。
ステップ800では、再構成部9が、ステップ700で信号データ取得部7に保存された受信信号データに基づいて、被検体8内の各注目位置における被検体情報を取得する。なお、再構成部9は、ステップ300で決定された光量が閾値以上の領域60内の注目位置についてのみ被検体情報を取得することが好ましい。これにより光量が高く、発生音圧が高いと推定される領域について選択的に被検体情報を取得することができる。そのため、被検体情報を取得するための処理量を低減することができる。一方、被検体情報が取得される領域は、発生音圧が高いと推定される領域であるため、精度の高い被検体情報が取得されることとなる。
ステップ900では、再構成部9が、ステップ800で取得した被検体情報に基づいて被検体情報の表示画像データを生成し、表示部10に被検体情報の表示画像を表示させる。
以上説明したように、本実施形態に係る光音響装置は、各音響波受信素子30から出力される時系列の受信信号のうち、各注目位置における光量に応じてデータ量を低減する期間を変更することができる。これにより、光量が閾値よりも小さい領域で発生した光音響波の受信信号のデータ量を選択的に低減することができる。すなわち、光量が閾値以上の領域で発生した光音響波の受信信号のデータを選択的に取得することができる。よって、被検体情報を高精度に取得するのに大きく寄与しない光量が低い領域で発生した光音響波の受信信号のデータ量を低減してメモリ容量を抑えることができ、かつ光量が高い領域の被検体情報を精度良く取得することができる。
上記本実施形態では、光量が閾値よりも小さい領域で発生した光音響波の受信信号を保存しないことにより信号データ取得部7に保存される受信信号データのデータ量を低減した。なお、信号データ取得部7は、データ量低減期間における受信信号に対するサンプリング周波数を他の受信信号に対するサンプリング周波数よりも低くしてサンプリングしてもよい。この場合も光量が閾値よりも小さい領域で発生した光音響波の受信信号のデータ量を相対的に低減することができる。サンプリング周波数を下げることによりデータ量を低減する方法を採用しても、受信信号データから光量が閾値よりも小さい領域についても分解能は低下するが被検体情報を取得することができる。そのため、メモリに保存されるデータ量を低減しながら光量が閾値よりも小さい領域の様子を確認することができる。
なお、データ量低減期間に受信した光音響波の受信信号のデータ量を低減できる限り、あらゆる低減方法を用いることができる。
また、ステップ100において複数のタイミングで照射光11を照射するように測定パラメータを設定した場合、それぞれのタイミングに対応するステップ200〜700の工程を繰り返す。
例えば、図3(d)に示すように図3(c)に示す場合とは音響波受信素子30の位置が異なる場合においても、ステップ200〜700の工程を繰り返す。なお、図3(c)と図3(d)との場合のように複数のタイミング間で同じ照射条件で照射光11を照射する場合、ステップ200300の工程を省略してもよい。すなわち、先のタイミングでステップ300において得られた各注目位置における光量が閾値より小さいか否かの判定結果を、後のタイミングにおけるステップ400〜700に利用することができる。
一方、図6(a)に示すように図3(a)に示す場合とは異なる照射条件の照射光11を被検体8に照射するには、ステップ200〜400の工程を行う必要がある。ステップ300において、光量取得部5は、図6(a)に示す被検体8内の光量分布50を取得する。続いて、ステップ400において、光量比較部6は、図6(a)に示す光量分布50に基づいて、図6(b)に示すような光量が閾値以上の領域60を求める。そして、光量比較部6は、図6(c)に示す場合において各注目位置における光量が閾値より小さいか否かの判定結果を低減データ決定部15に出力する。図3(b)と図6(b)とを比較して理解されるように、照射光11の照射条件が異なる場合、各注目位置における光量が閾値より小さいか否かの判定結果は異なる。
また、各タイミングに対応する受信信号データを取得する度にステップ800において被検体情報を取得して、各タイミングに対応する被検体情報の取得が完了したところでそれぞれの被検体情報を合成して最終的な被検体情報を取得することができる。あるいは、各タイミングに対応する受信信号データをすべて取得完了した後に、ステップ800において全受信信号データに基づいて被検体情報を取得してもよい。
また、各タイミングで測定パラメータを変更する例を説明したが、複数のタイミングで同一の測定パラメータで受信信号データを取得してもよい。これにより、S/Nを高めた受信信号データを取得することができ、被検体情報を精度良く取得することができる。
また、本実施形態では、光を照射する前に測定パラメータに基づいて光量分布を取得し、その光量分布に基づいて保存制御信号を生成したが、光を照射した後に保存制御信号を生成してもよい。すなわち、ステップ500の後にステップ200〜400を行い、ステップ400の後にステップ600をおこなってもよい。この場合、ステップ500で光検出器が被検体8を通過して被検体8から出射した照射光11を検出し、光量取得部5が照射光11の検出信号から光拡散トモグラフィー技術などを利用して被検体8内の光量分布を取得することが好ましい。この方法によれば、実際に被検体8に照射された照射光11を反映した光量分布を取得することができる。
(データ量を低減する具体例)
以下、ステップ400で低減データ決定部15により生成された保存制御信号に基づいて、ステップ700において信号データ取得部7がデータ量を低減する方法の具体例を、図4に示す信号データ取得部7を用いて説明する。
複数の音響波受信素子30−1〜30−8は、光音響波を受信して電気信号に変換し、ADC(AD変換器)717−1〜717−8へ出力する。ADC717−1〜717−8は、システムCLK713が出力するクロックに従ってある周波数で電気信号をサンプリングし、電気信号をデジタル信号に変換してFIFO(先入れ先出しメモリ、以下FIFO)716−1〜716−8へ出力する。FIFO716−1〜716−8は、システムCLK713が出力するクロックと、FIFO制御部712が出力する書き込みイネーブルに従って、ADC717−1〜717−8が出力したデジタル信号を記憶する。
このとき、FIFO制御部712は、低減データ決定部15から出力された複数の音響波受信素子30−1〜30−8のそれぞれに関するデータ量を低減する期間の情報を基に、書き込みイネーブルの出力タイミングを調整する。例えば図5に示されるように、FIFO716−1〜716−8に対する書き込みイネーブル[1]〜[8]の出力タイミングを調整する。図5においては、書き込みイネーブルがLのときはFIFO716−1〜716−8に対する書き込みは行われず、書き込みイネーブルのレベルがHのときはFIFO716−1〜716−8に対する書き込みが行われることを示す。なお、図5において光が照射されたタイミングをt0としている。
音響波受信素子30−1に対応するFIFO716−1においては、t4からt7までの期間がデータ量を低減しない期間に相当する。このt4からt7までの期間は、図3(c)における交点A1と交点A2との間の領域に対応する期間に相当する。t4からt7までの期間は、光量が閾値以上の領域60で発生した光音響波を受信しているので、書き込みイネーブル[1]をHにし、FIFO716−1へのデジタル信号の記憶を行う。
一方、t0からt4までの期間およびt7以降の期間は、データ量を低減する期間に相当する。すなわち、図3(c)における音響波受信素子30−1と交点A1との間の領域および交点A2よりも音響波受信素子30−1から遠い領域に対応する期間がデータ量を低減する期間に相当する。これらの期間では、図3(c)における領域60以外の光量が閾値よりも小さい領域で発生した光音響波を受信しているので書き込みイネーブル[1]をLにし、FIFO716−1へのデジタル信号の記憶を行わない。
同様に、その他のFIFO716−2〜716−8に対しても、同様に個別に書き込みイネーブルを与える。すると、FIFO716−1〜716−8で個別にデータ量低減期間に対応する受信信号を低減したデジタル信号を取得することが可能となる。
次に、FIFO716−1〜716−8は、システムCLK713が出力するクロックと、FIFO制御部712が出力する読み出しイネーブルに従って、記憶されたデジタル信号を最後段の記憶部に相当するDRAM718へ転送する。セレクトスイッチ714が、FIFO716−1〜716−8のうち、1つを選択してDRAM718へ接続し、デジタル信号をDRAM718へ転送する。このようにDRAM718は、データ量低減期間に対応する受信信号が低減されたデジタル信号を受信信号データとして保存する。DRAM718に保存されるデータは、データ量低減期間に対応する受信信号が低減されているため、データ量が低減されている。そのため、本実施形態によれば、DRAM718は時系列の受信信号のすべてを保存することのできるメモリ容量を必要としないため、DRAM718のメモリ容量を抑制することができる。なお、DRAM718、722は、SRAМ、フラッシュメモリなど、別種の記憶媒体であってよい。これらの記憶媒体は、システム動作に問題のない容量、書き込み速度、読み出し速度が保証される限り、どのような記憶媒体を用いてもよい。
なお、本明細書において受信信号データとは、後述する再構成部9で被検体情報の取得に使用される直前の時系列の信号データのことを指す。すなわち、信号データ取得部7の最後段の記憶部に保存される時系列の信号データのことを指す。そのため、本実施形態によれば、信号データ取得部7の最後段の記憶部に保存されるデータ量を低減することができればよい。
例えば、最前段の記憶部に保存される段階でデータ量を低減せずに、前段の記憶部から後段の記憶部に転送する際にデータ量低減期間に対応する受信信号のデータ量を低減することにより、最後段の記憶部に保存されるデータのデータ量を低減してもよい。
なお、信号データ取得部7内の各記憶部のメモリ容量を低減するために、できるだけ前段の記憶部に保存されるデータ量を低減することが好ましい。特に、本実施形態のように信号データ取得部7の最前段の記憶部、すなわちFIFO716に保存されるデータ量を低減することが好ましい。このように前段の記憶部においてデータ量を低減することにより、その記憶部以降に転送されるデータ量を抑制することができるため、データ転送に要する時間を短くすることができる。その結果、光音響波の受信から被検体情報を取得するまでの処理を高速化できる。
なお、最前段の記憶部が取得したデジタル信号の転送先は後段の記憶部に限らない。すなわち、最前段の記憶部が取得したデジタル信号を演算部に出力し、演算部にてノイズ処理等の前処理をおこなった後に後段の記憶部に転送してもよい。
また、受信信号データは支持体の位置情報や光の照射回数等の情報と関連付けされて保存されることが好ましい。例えば、FIFO716−1〜716−8からDRAM718へデジタル信号を転送する際に、デジタル信号群の先頭もしくは最後尾にヘッダ、トレイラを付与してもよい。ヘッダ、トレイラに含まれる情報は、そのデジタル信号群が取得された受信素子の番号、支持体の位置情報、光の照射回数、データ量低減期間、といったものである。ヘッダ、トレイラは両方設けてもよいし、片方だけ設けてもよい。両方設ける場合に、どちらにどの情報を割り振るかは、適宜決定すればよい。
なお、本実施形態においては、FIFOの書き込みイネーブルによってデータ量低減領域由来の光音響波のデータの低減を行ったが、必ずしもこの手法に限定されない。被検体由来の光音響波の受信時のみ、ADC717−1〜717−8にシステムCLK713を供給するようにしてもよい。その場合、FIFO716−1〜716−8にシステムCLK713は常時供給されるものとする。もしくは、領域60由来の光音響波の受信時のみ、FIFO716−1〜716−8にシステムCLK713を供給してもよい。その場合、ADC717−1〜717−8にシステムCLK713は常時供給されるものとする。もしくは、領域60由来の光音響波の受信時のみ、ADC717−1〜717−8とFIFO716−1〜716−8にシステムCLK713を供給するようにしてもよい。
また、データ量低減期間におけるサンプリング周波数を低くする場合には、ADC717−NとFIFO716−N(N=1〜8)に対して、システムCLK713から個別にクロックを供給し、サンプリングクロック、書き込みクロックとする(図示せず)。そして、光照射タイミングを基準にして全てのFIFO716の書き込みイネーブルを同時にHにする。そして、データ量低減期間にあたる音響波を受信している音響波受信素子30に接続されたADC717とFIFO716に対しては、システムCLK713から供給するクロックの周波数を下げる。そして、音響波受信素子30がデータ量低減期間にあたらない音響波を受信している場合には、接続されたADC717とFIFO716に対してシステムCLK713から供給するクロックの周波数を上げる、といった処理をすればよい。
また、システムCLK713から供給するクロックは全てのADC717とFIFO716に対して同じであっても、異なる方法でデータ量低減期間におけるサンプリング周波数を下げることができる。例えば、全てのADC717とFIFO716に対して、所定の周波数fのサンプリングクロックを供給する。そして、データ量低減期間にあたる音響波を受信している音響波受信素子30に接続されたFIFO716に対しては、書き込みイネーブルをKクロックサイクル毎に1サイクル分Hにすれば、実質的にサンプリング周波数をf/Kと設定できる。こうして、全てのFIFO716に対して、データ量低減期間においてサンプリング周波数を低下させるための設定を個別に行うことができる。
その他、光量が閾値よりも小さい領域で発生した光音響波の受信信号のデータ量を選択的に低減できる方法であれば、どのような手法を採用してもよい。
[実施形態2]
実施形態1では音響波受信素子の法線ベクトルを基準にデータ量を低減する受信信号を決定する例を説明したが、本実施形態では音響波受信素子の指向角を基準にデータ量を低減する受信信号を決定する例を説明する。本実施形態において実施形態1で説明した構成および工程と同様の構成および工程については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図7は、一点鎖線で表わされた光量が閾値以上の領域60と、破線で表わされた音響波受信素子30の指向角αの範囲内の領域44を示す。典型的に音響波受信素子30の受信面の法線方向から入射する場合の受信感度が最も高く、入射角度が大きくなるほど受信感度が低くなる。本明細書においては、受信感度の最大値をSに対して最大値の半分S/2になるときの入射角度を指向角αとしている。
すなわち、音響波受信素子30は、指向角αの範囲内の領域44内で発生した光音響波については高感度に受信することができる。そのため、指向角αの範囲内の領域44内で発生した光音響波の受信信号については保存することに意義がある。
例えば、音響波受信素子30の受信面の法線ベクトル46上の点Z1は領域60には含まれない。一方、音響波受信素子30と点Z1との距離と等距離な位置を表す円弧47は領域60に重なる。また、円弧47は指向角αの範囲内の領域44に含まれる。すなわち、音響波受信素子30と点Z1との距離に対応する受信信号は、領域60内で発生した光音響波を高感度に受信して出力された受信信号を含む。音響波受信素子30と点Z1との距離に対応する受信信号は、音響波受信素子から出力された時系列の受信信号のうち、音響波受信素子30と点Z1との距離を被検体8内の音速で除した受信タイミングに得られた受信信号のことを指す。
また、同様に音響波受信素子30の受信面の法線ベクトル46上の点Z2は領域60には含まれないが、音響波受信素子30と点Z2との距離と等距離な位置を表す円弧48は領域60に重なる。すなわち、音響波受信素子30と点Z2との距離に対応する受信信号は、領域60内で発生した光音響波を高感度に受信して出力された受信信号を含む。
そこで、低減データ決定部15は、音響波受信素子30と点Z1との間の領域に対応する期間に出力される受信信号を保存しないことを表す保存制御信号を生成する。また、低減データ決定部15は、点Z1と点Z2との間の領域に対応する期間に出力される受信信号を保存することを表す保存制御信号を生成する。また、低減データ決定部15は、点Z1と点Z2との間の領域に対応する受信信号を保存する期間の後については、受信信号を保存しないように保存制御信号を生成する。
以上のようにデータ量を低減する受信信号を決定することにより、指向角の範囲内に含まれる光量が閾値以上の領域から発生する光音響波の受信信号を選択的に保存することができる。
[実施形態3]
以下、本実施形態に係る光音響装置を図8を用いて説明する。図8は本実施形態に係る光音響装置の概略図を示す。なお、実施形態1で説明した構成および工程と同じ構成および工程については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態では、複数の音響波受信素子30が半球状の支持体40の半球面上に配置された図8に示す探触子を用いる。図8は、半球状の支持体40を半球の中心軸で切断した断面図を示している。
ところで、探触子がある位置に存在するときに音響波を受信して得られた受信信号を用いて被検体情報を取得した場合、典型的に音響波受信素子の最も受信感度の高い方向に沿った軸が最も集まる位置における分解能が最も高くなる。本明細書において最も受信感度の高い方向に沿った軸を指向軸と呼ぶ。そして、指向軸が集まる所定の位置から離れるに従って被検体情報の分解能は低下していく。このとき、最も分解能が高い位置から分解能が半分となる領域で発生した光音響波については支持体に配置された各音響波受信素子が高感度に受信することができていると推定される。そこで、本実施形態においては、最も分解能が高い所定位置から分解能が半分となる所定の領域を「高感度領域」と呼ぶ。
一般に、複数の音響波受信素子30のそれぞれはその受信面(表面)の法線方向に最も高い受信感度を有する。本実施形態においては、複数の音響波受信素子30の指向軸を半球面形状の曲率中心点P付近へ集めることで、曲率中心点Pを中心に図8に破線で示す高感度領域1500が形成される。
例えば高感度領域1500は、最高分解能Rを得る曲率中心Pを中心とした、式(4)で示す半径rを有する略球形状の領域として設定することができる。
Figure 2015216982
ただし、Rは高感度領域1500の下限分解能、Rは最高分解能、rは半球形状の支持体40の半径、Φは音響波受信素子30の直径である。Rはたとえば、上述の通り曲率中心Pで得られる最高分解能の半分の分解能とすればよい。
なお、本発明において、複数の音響波受信素子30の配置は図8のような半球形状の例に限定されない。複数の音響波受信素子30の配置は、所定の領域に指向軸が集まり、所定の高感度領域を形成できる配置であればよい。すなわち、所定の高感度領域1500が形成されるように、曲面形状に沿って複数の音響波受信素子が配置されればよい。さらに、本明細書において曲面とは、真球形状や半球面等の開口がある球面を含む。また、球面と見なせる程度の表面上の凹凸がある面や、球面と見なせる程度の楕円体(楕円を三次元へ拡張した形であり、表面が二次曲面からなる形)上の面も含む。
また、球を任意の断面で切った形状の支持体に沿って複数の音響波受信素子を配置する場合、その支持体の形状の曲率中心に指向軸が最も集まる。本実施形態で説明する半球形状の支持体40も、球を任意の断面で切った形状の支持体の一例である。本明細書において、このように球を任意の断面で切った形状のことを球に基づく形状と呼ぶ。また、このように球に基づく形状の支持体に支持される音響波受信素子は、球面上に複数支持されることとなる。
以上説明したように、複数の音響波受信素子30のそれぞれは、曲率中心Pで発生した光音響波については高感度に受信することができる。さらに、複数の音響波受信素子30のそれぞれは、高感度領域1500で発生した光音響波についても高感度に受信することができる。すなわち、音響波受信素子から出力される時系列の受信信号のうち、曲率中心Pまたは高感度領域1500に対応する受信信号は被検体情報を精度良く取得するのに大きく寄与する受信信号である。また、実施形態1で説明したように、光量が閾値以上の領域60で発生した光音響波の受信信号も被検体情報を精度良く取得するのに大きく寄与する受信信号である。
そこで、本実施形態に係る光音響装置は、曲率中心Pまたは高感度領域1500と光量が閾値以上の領域60とが重複する領域で発生した光音響波の受信信号のデータを選択的に取得する。すなわち、本実施形態に係る信号データ取得部7は、光量が閾値よりも小さくかつ曲率中心Pと一致しない注目位置で発生した光音響波の受信信号のデータ量を低減して受信信号データを生成し、保存することが好ましい。また、本実施形態に係る信号データ取得部7は、光量が閾値よりも小さくかつ高感度領域1500に含まれない注目位置で発生した光音響波の受信信号のデータ量を低減して受信信号データを生成し、保存することが好ましい。
本実施形態では、被検体8としては乳房を想定している。また、被検体8の形状を保持する形状保持部1100により被検体8は保持されている。また、形状保持部1100は取り付け部1200に取り付けられている。なお、被検体Eを複数の形状にそれぞれ保持するために複数の形状保持部を用いる場合、取り付け部1200は複数の形状保持部を取り付け可能に構成されていることが好ましい。
また、支持体40の半球の底部(極)に照射光11の出射口としての照射部1が設けられている。そのため、移動機構12が支持体40を移動させると、複数の音響波受信素子30と照射部1が同期して移動する。この場合、移動機構12は、支持体40を移動させる探触子移動機構と、光学系としての照射部1を移動させる光学系移動機構として機能する。
また、被検体8と形状保持部1100との間には被検体8と音響波受信素子30を音響的に結合させるための音響マッチング材1300が満たされている。また、音響波受信素子30と形状保持部1100との間にも音響波受信素子30と形状保持部1100とを音響的に結合させるための音響マッチング材1300が満たされている。なお、被検体8と形状保持部1100との間、および音響波受信素子30と形状保持部1100との間、にそれぞれ異なる音響マッチング材1300を満たすことができる。
音響マッチング材1300は、被検体8および音響波受信素子30に音響インピーダンスが近い材料であることが好ましい。さらに、音響マッチング材1300は、被検体8および音響波受信素子30の中間の音響インピーダンスを有する材料であることがより好ましい。また、音響マッチング材1300は、照射部1から出射される照射光11が透過する材料であることが好ましい。また、音響マッチング材1300は液体であることが好ましい。具体的に音響マッチング材1300としては、水、ひまし油、ジェルなどを用いることができる。
本実施形態に係るステップ400では、低減データ決定部15が、領域60と高感度領域1500が重畳する領域を求める。続いて、低減データ決定部15は、図8に示すように領域60および高感度領域1500の重畳領域と各音響波受信素子30−1〜8の受信面の法線ベクトルとの交点を求める。続いて、低減データ決定部15は、求められた各交点の位置情報と各音響波受信素子30の位置情報とに基づいて、実施形態1と同様に受信信号を保存するか否かを表す保存制御信号を生成し、信号データ取得部7に出力する。そして、ステップ500において、信号データ取得部7が、保存制御信号に基づいて、領域60および高感度領域1500の重畳領域で発生した光音響波の受信信号のデータを保存せずに受信信号データを生成し、保存する。
このようにデータ量を低減する期間を決定することにより、光量が高い領域から発生する発生音圧の高い光音響波を、高感度に受信して出力された受信信号のデータを選択的に保存することができる。
なお、本発明におけるデータ量低減期間の設定は、距離を単位に行っても良く、時間を単位に行ってもよい。もしくは、ADCのサンプリングクロック数、システムCLK数、データ数を単位にしてデータ量低減期間設定を行ってもよい。その他、領域を指定できる手段であれば、どのような手段を用いてデータ量低減期間設定を行ってもよい。
また、本発明では音響波受信素子の数が8個の例を示したが、音響波受信素子の数は必ずしもこれに限定されない。装置の仕様に応じ、いかなる数値も取り得るとする。
データ取得期間の終了タイミングは、全ての音響波受信素子で同時になるよう設定しても良いし、音響波受信素子毎に個別に設定してもよい。
データ取得期間の終了タイミングを音響波受信素子毎に個別に設定する場合、被検体の形状情報をもとに、受信素子毎に指向軸上に被検体が存在しない領域を判定し、データ取得期間の終了タイミングに反映させてもよい。
また、本発明におけるデータ量低減期間の設定は、すべての音響波受信素子30毎に異なる必要はない。複数の音響波受信素子30をいくつかのグループにまとめて、グループ毎にデータ量低減期間を割り当てるようにしてもよい。例えば、光量が閾値より高い領域と素子との距離がほぼ等しい素子同士や素子間の距離が近い素子同士などをグループとしてまとめることができる。この場合、すべての音響波受信素子30毎に個別に設定を行う煩雑さを低減できる。このとき、グループ分けのしかたは測定位置に依存して変えてもよい。測定位置毎にグループ分けを変えてもよいし、ある測定位置群ではグループ分けのしかたが同じであってもよい。グループ分けのしかたは、同一の測定位置であっても、光照射の態様を変えて測定を行う測定を行う場合に異ならせてもよい。
また、データ量低減期間は、支持体40の測定位置毎に異なっていてもよい。また、複数の測定位置で同じデータ量低減期間の設定を行ってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
2 探触子
5 光量取得部
7 信号データ取得部
8 被検体
9 再構成部
20 光源

Claims (15)

  1. 光源と、
    前記光源からの光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を受信して時系列の受信信号を出力する受信素子を備える探触子と、
    前記受信素子から出力された前記時系列の受信信号に基づいて受信信号データを生成し、保存する信号データ取得部と、
    前記被検体内の注目位置における光量を取得する光量取得部と、
    前記信号データ取得部に保存された前記受信信号データに基づいて前記被検体内の被検体情報を取得する情報取得部と、
    を有し、
    前記信号データ取得部は、前記注目位置における光量が閾値よりも小さいときに、前記時系列の受信信号のうち前記注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する
    ことを特徴とする光音響装置。
  2. 前記信号データ取得部は、前記注目位置における前記光量が前記閾値よりも小さいときに、前記時系列の受信信号のうち前記注目位置に対応する受信信号を保存しない
    ことを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  3. 前記光量取得部は、複数の前記注目位置における前記光量を取得し、
    前記信号データ取得部は、前記光量取得部により取得された光量が前記閾値よりも小さい注目位置に対応する受信信号を、前記光量取得部により取得された光量が前記閾値以上の注目位置に対応する受信信号のサンプリング周波数よりも低いサンプリング周波数でサンプリングして前記受信信号データを生成し、保存する
    ことを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の光音響装置。
  4. 前記探触子は、前記受信素子を複数支持する支持体を備え、
    前記支持体は複数の前記受信素子の指向軸が所定の領域に集まるように複数の前記受信素子を支持し、
    前記信号データ取得部は、前記注目位置における前記光量が前記閾値よりも小さく、かつ前記注目位置が前記所定の領域に含まれないときに、前記時系列の受信信号のうち前記注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光音響装置。
  5. 前記探触子は、球面上に前記受信素子を複数支持する球に基づく形状の支持体を備え、
    前記信号データ取得部は、前記注目位置における前記光量が前記閾値よりも小さく、かつ前記注目位置と前記支持体の形状の曲率中心とが一致しないときに、前記時系列の受信信号のうち前記注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光音響装置。
  6. 前記信号データ取得部は、前記注目位置における前記光量が前記閾値よりも小さく、かつ前記注目位置が前記支持体の形状の曲率中心を中心とする高感度領域に含まれないときに、前記時系列の受信信号のうち前記注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する
    ことを特徴とする請求項5に記載の光音響装置。
  7. 前記光源は複数のタイミングのそれぞれで光を発生し、
    前記受信素子は、前記複数のタイミングのそれぞれにおいて、光音響波を受信して前記時系列の受信信号を出力し、
    前記光量取得部は、前記複数のタイミングのそれぞれにおける前記注目位置における光量を取得し、
    前記信号データ取得部は、前記複数のタイミングに対応する複数の前記時系列の受信信号のそれぞれに対して、前記注目位置における前記光量が前記閾値よりも小さいときに、前記時系列の受信信号のうち前記注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光音響装置。
  8. 前記光源は、前記複数のタイミングのそれぞれで前記被検体に照射される光の照射条件が異なるように光を発する
    ことを特徴とする請求項7に記載の光音響装置。
  9. 前記光源から出射された光を前記被検体に導く光学系と、
    前記複数のタイミングのそれぞれで前記光学系の位置が異なるように前記光学系を移動させる光学系移動機構を更に有する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の光音響装置。
  10. 前記複数のタイミングのそれぞれで前記探触子の位置が異なるように前記探触子を移動させる探触子移動機構を更に有する
    ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の光音響装置。
  11. 前記光量取得部は、複数の前記注目位置における光量を取得し、
    前記信号データ取得部は、複数の前記注目位置のそれぞれについて、前記注目位置における前記光量が前記閾値よりも小さいときに、前記時系列の受信信号のうち前記注目位置に対応する受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光音響装置。
  12. 照射条件に関する測定パラメータを設定する制御部を更に有し、
    前記光量取得部は、前記制御部により設定された前記測定パラメータに基づいて前記注目位置における光量を取得する
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光音響装置。
  13. 前記測定パラメータを入力することができるように構成された入力部を更に有し、
    前記制御部は、前記入力部から出力された前記測定パラメータの情報に基づいて前記測定パラメータを設定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の光音響装置。
  14. 前記情報取得部は、前記注目位置における前記光量が前記閾値よりも小さいときに、前記注目位置における前記被検体情報を取得しない
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光音響装置。
  15. 光源と、
    前記光源からの光が被検体に照射されることにより発生した光音響波を受信して時系列の受信信号を出力する受信素子を備える探触子と、
    前記被検体内の光量分布を取得する光量取得部と、
    前記光量取得部により取得された前記光量分布に基づいてデータ量を低減する期間を決定する低減データ決定部と、
    前記時系列の受信信号のうち、前記期間に前記受信素子から出力された出力された受信信号のデータ量を低減して前記受信信号データを生成し、保存する信号データ取得部と、
    前記信号データ取得部に保存された前記受信信号データに基づいて前記被検体内の被検体情報を取得する情報取得部と、
    を有することを特徴とする光音響装置。
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