JP2019047308A - 圧電発振器 - Google Patents

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啓弘 金澤
Takahiro Kanazawa
啓弘 金澤
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Abstract

【課題】 本発明は、より低コスト化の実現が可能であり、発振回路素子の発熱の悪影響を受けにくい電気的特性の優れたより信頼性の高い圧電発振器を提供する。
【解決手段】 圧電振動片9を搭載する第1搭載電極と外底面に導出された第1底部電極7を有した第1容器4と、発振回路素子14を搭載する第2搭載電極8と発振回路素子を収納する凹部と上記側壁の上面に導出された接合電極を有した第2容器3と、を備えており、上記第2容器の上部に上記1容器を搭載し、上記第2容器の接合電極と上記第1容器の底部電極とが接合されることで一体化されており、上記第2容器の凹部の内底面から第2容器の外底面に貫通する切り欠き部Kが形成され、上記発振回路素子の能動面141が第2容器の切り欠き部Kに面対向するよう配置した。
【選択図】 図3

Description

本発明は発振回路素子を収容した圧電発振器に関する。
最近では、通信関係向けを中心に高速で低ノイズ、放射ノイズの低減などの観点から周波数の位相が反転した2つの出力端子を具備した差動出力タイプの圧電発振器の有効性が高まっている。このようなタイプの圧電発振器は例えば特許文献1に開示されている。
差動出力タイプの圧電発振器では、二本の信号線を用いて互いに逆相の電流を流し、信号線間の電位差で伝送している。このため、差動伝送では信号線間の電位差をみるため、ノイズがキャンセルされ誤動作等の悪影響を低減する(低ノイズ)。互いに逆方向の電流が流れることにより、磁束が打ち消されるので、信号の高調波によるEMIノイズの発生が低減される(放射ノイズの低減)。また、振幅が小さくなるため遷移時間が短くなるため高いデータレートを実現できる(高速化・高周波化対応)といった利点がある。その一方で、CMOS回路を用いた従来の圧電発振器などに比べて、出力が大電流となるため、発振回路素子の発熱が生じやすいという問題点があった。
また、発振回路素子を収容した容器の上部に、圧電振動片を収容した容器を蓋で気密封止してなる圧電振動子を、導電接合して2段重ねとした、いわゆる2階建て構造のものが知られている。このような構造の圧電発振器は例えば特許文献2に開示されている。最近、低コスト化の実現のため、このような構造を差動出力タイプの圧電発振器にも適用する動向がある。
特開2015−061184号公報 特許2974622号公報
このような問題点に対して、上述のような圧電発振器では、発振回路素子に対する発熱の悪影響をできるだけ軽減させるような考慮がなされていないのが一般的である。特に小型化された圧電発振器ではその悪影響が大きくなり、それを改善することが求められている。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、より低コスト化の実現が可能であり、発振回路素子の発熱の悪影響を受けにくい電気的特性の優れたより信頼性の高い圧電発振器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、内底面に圧電振動片を搭載する第1搭載電極と、上記第1搭載電極から外底面に導出された第1底部電極とを有した第1容器、内底面に発振回路素子を搭載する第2搭載電極と、上記第2搭載電極を包囲する側壁と、内底面と側壁により発振回路素子を収納する凹部と、上記第2搭載電極の一部から上記側壁の上面に導出された接合電極とを有した第2容器、を備えており、上記第2容器の上部に上記1容器を搭載し、上記第2容器の接合電極と上記第1容器の第1底部電極とが接合されることで一体化されており、上記第2容器の凹部の内底面から第2容器の外底面に貫通する切り欠き部が形成され、上記発振回路素子の能動面の一部が第2容器の切り欠き部に面対向するよう配置されてなることを特徴とする。
上記発明によれば、発振回路素子を収容した第2容器の上部に、圧電振動片を収容した第1容器を搭載した2階建て構造のため、各仕様に対応した圧電振動片が収納された圧電振動子としての数種類の第1容器を準備して流用することができるので、歩留まりの向上や低コスト化の実現に有効な構造とすることができる。
また、圧電振動片が収納された第1容器と発振回路素子が収納された第2容器とは別体構造となっているため、発振回路素子で生じた熱の影響を圧電振動片に対して受けにくくできる。
さらに、第2容器の凹部の内底面から第2容器の外底面に貫通する切り欠き部が形成され、発振回路素子の能動面の一部が第2容器の切り欠き部に面対向するように配置していることで、発振回路素子のうち最も発熱が生じる能動面を圧電振動片とは背向する方向に向けることができる。この能動面で発生した熱は、上記第2容器に形成された貫通する切り欠き部により第2容器の外部(外底面)に逃がすことができる。
このため、発振回路素子の能動面から生じる輻射熱の影響を圧電振動片から遠ざかる方向に位置させながら、第2容器に形成された切り欠き部を介して第2容器の外部に熱を逃がすことができる。結果として、圧電振動片や発振回路素子に熱的な影響が加わりにくくなり、周波数がずれたり周波数温度特性が変動するといった電気的特性の悪化をなくすことができる。
また、本発明では、上記切り欠き部のうち発振回路素子の能動面との対向領域の面積を、上記発振回路素子の能動面の面積より小さく、上記発振回路素子の能動面の面積の1/4以上に形成するとより好適な構成とできる。つまり、切り欠き部の面積を発振回路素子の能動面の面積より小さくすることで、第2容器に形成される切り欠き部により、発振回路素子の第2容器への搭載領域を狭めることがないので、発振回路素子を第2容器の切り欠き部以外の搭載領域により安定かつ確実に搭載することができる。また、上記発振回路素子の能動面の面積の1/4以上に形成することで、第2容器の外部への放熱性をより高めることができる。
また、本発明は、上記発振回路素子が複数の周波数出力を有する差動出力タイプの圧電発振器に好適である。つまり、差動出力タイプの圧電発振器では、出力が大電流となるため、発振回路素子の発熱が生じやすいというデメリットがあったが、本発明の構成を組み合わせることで発熱の影響を低減することができる。しかも、高速化・高周波化対応でき、低ノイズで放射ノイズの低減に有利である差動出力タイプの圧電発振器のメリットをより生かせることができる。
以上のように、低コスト化の実現が可能であり、圧電振動片に対して発振回路素子の発熱の悪影響を受けにくくでき、周波数温度特性の変動や周波数シフトなどが抑制されるため電気的特性の優れたより信頼性の高い圧電発振器を提供することができる。また発熱の影響を低減できることで、小型化にも対応しやすくできる。
本発明の実施形態に係る水晶発振器の模式的な断面図 本発明の水晶発振器の第1容器の底面図 本発明の水晶発振器の第2容器の上面図 本発明の水晶発振器の第2容器の底面図
以下、本発明の実施形態につき、差動出力機能を備えた水晶発振器(圧電発振器)を例に挙げ、図1乃至図4を参照しながら説明する。なお、図1は本発明の実施形態に係る水晶発振器の模式的な断面図であり、第2容器の上部に水晶振動子(第1容器)が搭載された状態の断面図となる。図2は本発明の水晶発振器の第1容器(水晶振動子)の底面図である。図3は本発明の水晶発振器の第2容器の上面図となっている。図4は本発明の水晶発振器の第2容器の底面図である。
水晶発振器1は全体としては略直方体状であり、平面視では略矩形となっている。本実施形態では、水晶発振器1の平面視における外形寸法は長辺が2.05mmで、短辺が1.65mmとなっている。なお、前述の水晶発振器の平面視の外形寸法は一例であり、前記外形寸法以外のパッケージサイズであっても本発明は適用可能である。
水晶発振器1は、第2容器3の上部に水晶振動子2が導電接合された,いわゆる「2階建て構造」となっている。水晶発振器1は、図4に示すように、第2容器の外底面301の外周縁付近に設けられた6つの外部接続端子13(13a,13b,13c,13d,13e,13f)が、半田等を介して外部基板と接合されるようになっている。
水晶振動子2は直方体状のパッケージからなる表面実装型の圧電振動子である。水晶振動子2は、水晶振動片9(圧電振動片)と、第1容器4と、蓋10が主な構成部材となっている。以下、水晶振動子2を構成する各部材の概略について説明する。
図1において水晶振動片9(圧電振動片)はATカット水晶振動板の表裏主面に各種電極が形成された平面視矩形状の圧電素子である。水晶振動板の表裏主面の各々には、励振電極E,Eが水晶振動板を挟んで対向するように一対で形成されている。そして一対の励振電極の各々からは、水晶振動板の長辺の一端側に向かって引出電極が引き出されている。この一対の引出電極の各々の終端部は接着用の接着電極となっている。なお、図1では励振電極(E)のみを図示し、前記引出電極と前記接着電極とは図示を省略している。
発振回路素子14は発振回路などが1チップ化され、複数の周波数出力を有する差動出力タイプの集積回路素子(ベアチップIC)であり、その外観は直方体状となっている。発振回路素子14の能動面141には各種機能別の接続パッドP(図1では一部のみ図示)が形成されている。接続パッドPとしては発振用増幅器の第1出力部と、当該第1出力部の出力周波数の位相が逆位相となるように構成された第2出力部と、電源部と、接地部と、水晶振動片9の励振電極とつながる水晶入力部と水晶出力部などを少なくとも備えており、出力制御部や周波数制御部、調整部、電気的には機能しない単なる接続部などのいずれかを追加して構成してもよい。本形態では、例えば、能動面141の両端部に各々4つの接続パッドP(合計8つの接続パッドP)を備えており、図1では一部の接続パッドPのみを図示している。
第1容器4は上部が開口した箱状の容器体であり、平面視では略矩形となっている。第1容器4は、絶縁性材料からなる平板状の底板部40と、底板部40の上面の外周部に取り付けられる金属製の枠部5とで構成されている。前記底板部40はセラミックグリーンシートからなる2つの層(下層である第1層41と、その上層の第2層42)で構成されている。第2層42の上面の外周部には図示しないタングステン(W)のメタライズ層が周状に形成されており、当該メタライズ層の上にコバール(Kovar)からなる枠部5がロウ材を介して取り付けられている。枠部5は平面視で環状となっており、その上面に後述する蓋10がシーム溶接によって接合される。
枠部5と、第2層42の上面とで囲まれた空間は凹部C1となっており、平面視では略矩形となっている。この凹部C1の内底面420(第2層42の上面)の一短辺側には、水晶振動片9と導電接合される一対の第1搭載電極6,6が並列して形成されている(図1では1つのみ図示)。一対の第1搭載電極6,6の上には、前述した水晶振動片の一対の接着電極(図示省略)が導電性接着剤Sを介して一対一で導電接合される。これにより、水晶振動片9の長辺の一端側が第1搭載電極6に片持ち支持接合される。なお本実施形態では導電性接着剤Sにシリコーン系の導電性樹脂接着剤が使用されているが、シリコーン系以外の導電性樹脂接着剤を使用してもよい。
凹部C1の内底面420の他短辺側であって、片持ち支持された水晶振動片の自由端の下方に対応する位置には枕8が形成されている。この枕8はタングステンまたはモリブデン(Mo)のメタライズ処理によって形成されており、定常状態では水晶振動片の自由端との間に隙間を有する状態となっている。この枕8が存在することによって、外部衝撃等を受けて水晶振動片の自由端側が撓んだときに、当該自由端と凹部C1の内底面420との接触を防止することができる。これによって前記接触による水晶振動片の破損や発振周波数の変化を防止することできる。
図2に示すように第1容器4の外底面410(第1層41の下面)は平面視略矩形となっており、外底面410の4隅の各々には第1底部電極7(7a,7b,7c,7d)が形成されている。なお、4つの第1底部電極のうち7bについては、外底面410の1長辺の周縁側の角部が面取りされている。これは4つの第1底部電極の方向性を識別するための目印となっている。
本実施形態では第1搭載電極6および第1底部電極7等は、3種類の金属の積層構成となっている。具体的にはこれらの電極は、第1容器の基材(セラミック)上に印刷処理によってタングステン層が形成され、当該タングステン層の上に、ニッケルめっき層、金めっき層の順で電解めっき法によってめっき層が積層された構成となっている。このようにして搭載電極や底部電極等が一括同時に形成されている。なお前述した電極の各層を構成する金属材料は一例であり、他の金属材料を使用してもよい。例えばタングステンに代えてモリブデンを用いてもよい。
4つの第1底部電極7a,7b,7c,7dのうち7aと7cは、第1層41と第2層42の積層間に設けられた内部配線(図示省略)と後述するキャスタレーションを経由して、一対の第1搭載電極6,6とそれぞれ電気的に接続されている。残りの第1底部電極7bと7dは、後述するビア(図示省略)と枠部5を介して金属製の蓋10と電気的に接続されている(グランド用端子)。
平面視略矩形の第1容器の外底面410の4つの角部は、平面視では4分の1円弧状に切り欠かれている。具体的には、第1容器の底板部40の外側面の4つの稜部の各々は底板部を厚み方向に貫くように切り欠かれており、これら4つの切り欠かれた部位の各々の内壁面のうち、第1層41の部分だけに導体が被着されている。このように4分の1円柱状に切り欠かれた部位の内壁面の一部に導体が被着されたものをキャスタレーションと称し、図2では符号40a,40b,40c,40dで図示している。これらのキャスタレーション40a〜40dにおける各導体は、外底面410の第1底部電極7a〜7dの各々に電気的に接続されている。
図1において蓋10は平面視略矩形の平板である。蓋10はコバールが基材となっており、基材の表面にニッケルメッキと金メッキが施されている。そして蓋の枠部5と接合される側の主面の外周部には封止材が枠状に形成されている。これらの蓋10と枠部5とは、例えばシーム溶接などの手法により接合されることで、第1容器4の内部に水晶振動片9が気密封止され水晶振動子2が構成されている。なお、気密封止するための手法としては、シーム溶接だけに限らず、他の封止構成による公知の封止手法を適用することができる。
本実施形態では底板部40のうち、第2層42の内部を厚み方向に貫く貫通孔の内部に導体が充填されたビアが複数形成されている(図示省略)。これら複数のビアは、その一端が第2層42の上面に露出しており、一部のビアの一端は金属製の枠部5と電気的に接続されている。一方、前記一部のビアの他端は前述した4つのキャスタレーションのうち、40bと40dを経由して最終的に第1底部電極7bと7dと各々電気的に接続されている。第1底部電極7bと7d(7bまたは7d)を、第2容器を介して外部基板のグランド端子とグランド電位で接続することによって電磁的シールド効果を得ることができる。以上が水晶振動子の主要構成部材の概略である。
次に、第2容器等について説明する。図3に示すように第2容器3は、上部が開口した箱状の容器体であり、平面視では略矩形となっている。第2容器3は2枚のセラミックグリーンシートが積層された状態で焼成により一体成型されている。具体的に第2容器3は、平板状の第1層30と、第1層30の上面の外周部に積層され枠状の第2層31とで構成されている(図1参照)。第2層31と、第1層30の上面とで囲まれた空間は凹部C2となっており、平面視では略矩形となっている。第2層31は凹部C2を包囲する側壁となっている。
第2層31は凹部C2を包囲する平面視矩形状の枠体であり、第2容器の側壁となっている。当該側壁は対向する1組の短辺部と対向する1組の長辺部とから成っている。すなわち、短辺側の側壁である短辺部3a,3bと、長辺側の側壁である長辺部3c,3dの4つの側壁で構成されている。
平面視で平面視略矩形の第2容器の4つの角部は、平面視では4分の1円弧状に切り欠かれている。具体的には、第2容器の第1層30と第2層31の外側面の4つの稜部の各々を当該容器の厚み方向に貫くように切り欠かれており、これら4つの切り欠かれた部位の各々の内壁面のうち、第1層30の部分だけに導体が被着されている。図3では4分の1円柱状に切り欠かれた部位の内壁面の一部に導体が被着されたものをキャスタレーション33(33a,33b,33c,33d)として図示している。
凹部C2の内底面300(第1層30の上面)には、発振回路素子14(IC)の複数の各種機能端子(図示省略)と金属バンプBを介して接合される複数の第2搭載電極8(図1参照)が形成されている。これら複数の第2搭載電極8は図示しない電極パターンの端部となっている。
第2層31の上面310(側壁の上面)は平坦面であり、当該上面の4隅部分には図3に示すように4つの接合電極11a,11b,11c,11dが形成されている。これらの接合電極は、水晶振動子2の外底面410に設けられた4つの第1底部電極7a,7b,7c,7dと一対一で対応している。すなわち、接合電極11aは第1底部電極7aに対応し、接合電極11bは第1底部電極7bに、接合電極11cは第1底部電極7cに、接合電極11dは第1底部電極7dにそれぞれ対応している。
接合電極11(11a,11b,11c,11d)は、その平面視形状がアルファベットの「L」字状に屈曲した形状となっている。そして接合電極11は、平面視で略矩形の凹部C2の角部(図3では曲率を帯びた角部)と、当該角部を挟んで隣接する2つの辺に沿うようにして側壁の上面(第2層31の上面310)に形成されている。つまり、接合電極11の内周縁は、側壁の内周縁に沿って形成されている。一方、接合電極11の外周縁のうち第2容器3の角部(キャスタレーション33a〜33d)に近接する角部は平面視で4分の1円弧状に切り欠かれている。
接合電極11(11a,11b,11c,11d)は、水晶振動子2の第1底部電極7(7a,7b,7c,7d)と対応しているが、その平面視の面積は接合電極11の方が第1底部電極7よりも小さくなっている。なお第2容器の上部に第1容器を位置決め載置した状態では、平面視「L」字状の接合電極11の凹部C2に面する内周縁を除いた外縁と、第1底部電極7の外底面410の外周縁に面する側の外縁とは平面視で略一致している。
発振回路素子14の各種機能端子のうち、2つの端子(水晶用端子)は前記電極パターンおよび後述するビアを経由して接合電極11b,11dと電気的に接続されている。そして第2容器の接合電極11b,11dと第1容器の第1底部電極7b,7dとが各々導電接合されることによって、最終的に発振回路素子14の前記2つの水晶用端子は、水晶振動片9の表裏主面に形成された励振電極E,Eと電気的に接続されることになる。なお、発振回路素子14の水晶振動片9と接続する以外の端子については、電極パターンやビア、第2容器のキャスタレーション33a,33cなどを経由して接合電極11a,11cや6つの外部接続端子13a〜13fと電気的に接続されている。
接合電極11(11a,11b,11c,11d)は、側壁である第2層31の内壁面を半円柱状に切り欠き、その内部に導体が充填された図示しない4つのビア(ハーフビア)の一端側と各々電気的に接続されている。これら4つのビアの他端側は、後述する凹部C2の内底面300に形成された複数の第2搭載電極8(81〜88)の一部と電気的に接続されている。
本発明では、図3、図4に示すように、第2容器3の凹部C2の内底面300(第1層30の上面)から第2容器3の外底面301(第1層30の下面)に貫通する平面視で長方形状の切り欠き部Kが形成されている。切り欠き部Kのうち長辺側の長さ寸法K1を発振回路素子14の幅寸法以上に形成するとともに、切り欠き部Kのうち短辺側の幅寸法K2を設定することで、発振回路素子14の能動面141との対向領域の面積を決定している。本形態では、切り欠き部Kのうち発振回路素子14の能動面141との対向領域の面積の1/4程度に形成している。また、切り欠き部Kのうち短辺側の幅寸法K2については、後述する切り欠き部Kの両長辺に沿って形成される第1の第2搭載電極群(81〜84)と第2の第2搭載電極群(85〜88)との端子間の寸法より小さく形成されている。
図3に示すように、第2容器3の凹部C2の内底面300(第1層30の上面)のうち切り欠き部Kの周囲には、発振回路素子14の搭載領域301が形成されており、この搭載領域301のうち切り欠き部Kの長辺K1,K1に沿うとともに、発振回路素子14の能動面141の8つの接続パッドPの形成位置に対応して、8つの第2搭載電極8(81〜88)が形成されている。
これらの第2搭載電極8(81〜88)は、発振回路素子14の能動面141の両端部に形成された各々4つの接続パッドP(合計8つの接続パッドP)に対応する位置に形成されている。つまり、第2搭載電極8(81〜88)には、発振用増幅器の第1出力部と、当該第1出力部の出力周波数の位相が逆位相となるように構成された第2出力部と、電源部と、接地部と、水晶振動片9の励振電極とつながる水晶入力部と水晶出力部などに対応するものを少なくとも備えており、出力制御部や周波数制御部、調整部、電気的には機能しない単なる接続部などのいずれか機能に対応するものも構成されている。
以上のように構成された第2搭載電極81〜88に対しては、発振回路素子14の能動面141の8つの接続パッドPを重ねあわせられ、金などの金属バンプBを用いたFCB(フリップチップボンディング)などの手法により電気的機械的に接続される。この時、金属バンプBを覆い隠すようにエポキシ樹脂材などによるアンダーフィルUを施し、かつこのアンダーフィルUが切り欠き部Kからあふれ出さないように施すことが望ましい。また、図3では、このように第2容器の内底面300に搭載された発振回路素子14(点線)を示しており、発振回路素子の能動面141が第2容器の切り欠き部Kに面対向するよう配置されている。
第2容器3の外底面301(第1層30の下面)は図4に示すように平面視略矩形となっており、外底面301の4隅と短辺中央の各々には外部接続端子13(13a,13b,13c,13d,13e,13f)が形成されている。なお、6つの外部接続電極のうち13bは、外底面301の1長辺の周縁側の角部が面取りされている。これは6つの底部電極の方向性を識別するための目印となっている。
6つの外部接続端子13(13a,13b,13c,13d,13e,13f)は、図示しない配線により、8つの第2搭載電極81〜88のうちの一部と接続されている。本形態では、差動出力タイプの水晶発振器であり、6つの外部接続端子13には、少なくとも、電源用端子(VCC)、接地用端子(GND)、第1出力端子(OUT)、第2出力端子(OUTN)を具備しており、これ以外に、出力制御用端子(OE)や周波数制御用端子(VCONT)、調整用端子、NC端子などいずれかを組み合わせて構成している。
以上のように構成された、第2容器3の上面の接合電極11a,11b,11c,11dに対して、第1容器4の外底面の第1底部電極7a,7b,7c,7dを搭載するとともに、お互いの電極をはんだなどの導電性接合材Dにより導電接合することで、図1に示すように、発振回路素子14を収容した第2容器3と、水晶振動片9を収納した第1容器4(水晶振動子2)とがお互いに電気機械的に接合された2階建て構造の圧電発振器の完成となる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
圧電発振器の量産に適用できる。
1 水晶発振器
2 水晶振動子
3 第2容器
4 第1容器
K 切り欠き部

Claims (2)

  1. 内底面に圧電振動片を搭載する第1搭載電極と、上記第1搭載電極から外底面に導出された第1底部電極とを有した第1容器、
    内底面に発振回路素子を搭載する第2搭載電極と、上記第2搭載電極を包囲する側壁と、
    内底面と側壁により発振回路素子を収納する凹部と、上記第2搭載電極の一部から上記側壁の上面に導出された接合電極とを有した第2容器、
    を備えており、
    上記第2容器の上部に上記1容器を搭載し、上記第2容器の接合電極と上記第1容器の第1底部電極とが接合されることで一体化されており、
    上記第2容器の凹部の内底面から第2容器の外底面に貫通する切り欠き部が形成され、
    上記発振回路素子の能動面の一部が第2容器の切り欠き部に面対向するよう配置されてなること
    を特徴とする圧電発振器。
  2. 上記発振回路素子が複数の周波数出力を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
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