JP2018056668A - 素子搭載部材及び圧電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】製造コストの上昇を抑えつつ、耐衝撃性が高く、発振の不具合を起こしにくい素子搭載部材及び圧電デバイスを提供する。
【解決手段】少なくとも、平面視矩形で平板状の基板と、この基板の上面の一方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第一電極パッドと、基板の上面の他方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第二電極パッドと、を備え、隣り合う第一電極パッドの間の距離に比べ、隣り合う第二電極パッドの間の距離が狭くなっている素子搭載部材、及びその素子搭載部材を備えた圧電デバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電振動素子を搭載するための素子搭載部材と、その素子搭載部材を備えた電子機器等に用いられる電子部品の一つである圧電デバイスに関するものである。
圧電振動素子を内部に搭載した素子搭載部材を備えた圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスは、電子部品の一つとして、コンピュータ,携帯電話又は小型情報機器などの電子機器内部に、基準信号源やクロック信号源として搭載され使用されている。以下に従来の圧電デバイスの一例として圧電振動子について説明する。
従来の圧電振動子は、素子搭載部材に設けられた凹部内に露出した基板上面の一方の短辺に沿って並んで設けられた一対の電極パッドと、圧電振動素子に設けられた一対の接続電極とを、間に塗布した導電性接着剤を用いて接合固着することにより、圧電振動素子を素子搭載部材に搭載し、素子搭載部材に設けられた接合材と蓋部材とを接合させて凹部内に搭載した圧電振動素子を気密に封止した構成となっている(例えば、特許文献1又は2参照)。
特開2015−195606号公報 特開2013−201655号公報
従来の素子搭載部材においては、素子搭載部材に設けられた一対の電極パッドと圧電振動素子に設けられた一対の接続電極とを導電性接着剤を用いて接合する場合、個々の電極パッドの形成位置を、圧電振動素子を搭載したときに個々の接続電極が配置される位置に対向する位置としている。しかし、このような素子搭載部材に、様々な大きさの圧電振動素子を搭載する場合、その圧電振動素子に形成された接続電極の形成位置に合った電極パッドを設けた専用の素子搭載部材を備える必要があり、製造工程や製造装置及び治具の増加から製造コストが上昇してしまうおそれがあった。
また、従来の圧電デバイスでは、特に小型化が進んだ圧電振動素子を従来の電極パッドを設けた素子搭載部材に搭載した場合、電極パッドと接続電極との位置が合っていないため、接続面積が減少して接続強度が低下してしまうため、外部からの衝撃により圧電振動素子が電極パッドから脱落するおそれがあった。また、電極パッドと接続電極間に塗布された導電性接着剤が電極パッド間に流出しやすくなり、電極パッド間が短絡を起こし、圧電デバイスとして発振の不具合を起こすおそれがあった。
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、製造コストの上昇を抑えつつ、耐衝撃性が高く、発振の不具合を起こしにくい素子搭載部材及び圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明の素子搭載部材は、少なくとも、平面視矩形で平板状の基板と、この基板の上面の一方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第一電極パッドと、基板の上面の他方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第二電極パッドと、を備え、隣り合う第一電極パッドの間の距離に比べ、隣り合う第二電極パッドの間の距離が狭くなっていることを特徴とする。
また、本発明の圧電デバイスは、前述した素子搭載部材と、第一電極パッドに対応する接続電極を設けた第一圧電振動素子と、素子搭載部材と接合することにより第一圧電振動素子を気密に封止する蓋部材と、を備え、接続電極と第一電極パッドとを接合することにより、素子搭載部材に第一圧電振動素子が搭載されていることを特徴とする。
本発明の素子搭載部材は、少なくとも、平面視矩形で平板状の基板と、この基板の上面の一方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第一電極パッドと、基板の上面の他方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第二電極パッドと、を備え、隣り合う第一電極パッドの間の距離に比べ、隣り合う第二電極パッドの間の距離が狭くなっている
このような構成により、様々な大きさの圧電振動素子を搭載する場合、その圧電振動素子に形成された接続電極の形成位置に合った電極パッドを設けた専用の素子搭載部材を備える必要がなく、専用の素子搭載部材に対応するための製造工程や製造装置及び治具の増加がないため、製造コストの上昇を抑えることか可能となる。
また、本発明の圧電デバイスは、前述した素子搭載部材と、第一電極パッドに対応する接続電極を設けた第一圧電振動素子と、素子搭載部材と接合することにより第一圧電振動素子を気密に封止する蓋部材と、を備え、接続電極と第一電極パッドとを接合することにより、素子搭載部材に第一圧電振動素子が搭載されている。
このような構成により、パッド間の間隔が広い第一電極パッドに対応できる接続電極が形成される、比較的大きさが大きい第一圧電振動素子を搭載できる。よって、第一電極パッドの全面と接続電極の全面とが対向する位置となっているため、接続面積が最大となり接続強度の低下を抑えることができ、外部からの衝撃により第一圧電振動素子が第一電極パッドから脱落することを低減することが可能となる。また、第一電極パッドと接続電極間に塗布された導電性接着剤がすべて第一電極パッドと接続電極との間に留まることができ、導電性接着剤が流出し第一電極パッド間が短絡を起こし、圧電デバイスとして発振の不具合を起こすことを抑止することが可能となる。
よって、本発明は、製造コストの上昇を抑えつつ、耐衝撃性が高く、発振の不具合を起こしにくい素子搭載部材及び圧電デバイスを提供できる効果を奏する。
本発明の第一実施形態に係る素子搭載部材を示したものであり、(a)は上方から見た平面図であり、(b)は(a)に示したA−A切断線で切断したときの断面図である。 本発明の第一実施形態に係る素子搭載部材の変形例を示したものであり、(a)は上方から見た平面図であり、(b)は(a)に示したB−B切断線で切断したときの断面図である。 本発明の第二実施形態に係る圧電デバイスを示した分解斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る圧電デバイスを示したものであり、(a)は上方から見た平面透視図であり、(b)は(a)に示したC−C切断線で切断したときの断面図である。 本発明の第二実施形態に係る圧電デバイスにおける変形例を、図4(b)と同じ位置で切断したときの断面図である。 本発明の第三実施形態に係る圧電デバイスを示した分解斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る圧電デバイスを示したものであり、(a)は上方から見た平面透視図であり、(b)は(a)に示したD−D切断線で切断したときの断面図である。 本発明の第三実施形態に係る圧電デバイスにおける変形例を、図7(b)と同じ位置で切断したときの断面図である。 本発明の第四実施形態に係る圧電デバイスを示した、図4(b)と同じ位置で切断したときの断面図である。 本発明の第五実施形態に係る圧電デバイスを示した、図7(b)と同じ位置で切断したときの断面図である。
以下に、各実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、第一実施形態に係る素子搭載部材を示したものであり、(a)は上方から見た平面図であり、(b)は(a)に示したA−A切断線で切断したときの断面図である。図2は、第一実施形態の変形例に係る素子搭載部材を示したものであり、(a)は上方から見た平面図であり、(b)は(a)に示したB−B切断線で切断したときの断面図である。図3は、第二実施形態に係る圧電デバイスを示した分解斜視図である。図4は、第二実施形態に係る圧電デバイスを示したものであり、(a)は上方から見た平面透視図であり、(b)は(a)に示したC−C切断線で切断したときの断面図である。図5は、第二実施形態の変形例に係る圧電デバイスの断面図である。図6は、第三実施形態に係る圧電デバイスを示した分解斜視図である。図7は、第三実施形態に係る圧電デバイスを示したものであり、(a)は上方から見た平面透視図であり、(b)は(a)に示したD−D切断線で切断したときの断面図である。図8は、第三実施形態の変形例に係る圧電デバイスの断面図である。図9は、第四実施形態に係る圧電デバイスを示した、図4(b)と同じ位置で切断したときの断面図である。図10は、本発明の第五実施形態に係る圧電デバイスの断面図である。
尚、各図では、説明を明りょうとするため構造体の一部を図示せず、また寸法も一部誇張して図示している。また、各図面では説明を平易とするため、図1(b)、図2(b)、図4(b)、図5、図7(b)、図8〜10は、図面が記載されている用紙上方を素子搭載部材、圧電デバイス及びそれを構成する各構成要素の上方として記述する。図1(a)、図2(a)、図3、図4(a)、図6及び図7(a)については、図示してある面を上面、反対側の面を下面として記述する。
(第一実施形態)
以下に説明する第一実施形態に係る素子搭載部材100は、圧電デバイス等の電子部品の構成要素の一つである。素子搭載部材100は、例えば、図1に示すように、基板110と、枠体111と、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、外部接続電極パッド140と、接合材150とから主に構成されている。このような素子搭載部材100は、圧電デバイスの一つである圧電振動子において、後述する電子素子の一つである圧電振動素子を安定的に搭載するためのものである。
基板110は、第二実施形態及び第二実施形態において後述されるように、その上面に第一圧電振動素子310又は第二圧電振動素子410を実装するための実装部材として機能するものである。基板110は、平面視矩形の平板であり、その上面には、第一圧電振動素子310へ信号を入出力するための第一電極パッド120a及び120bが設けられており、且つ第二圧電振動素子410へ信号を入出力するための第二電極パッド130a及び130bが設けられている。また、基板110の下面には、外部接続電極パッド140が設けられている。基板110の表面及び内部には、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、外部接続電極パッド140とを電気的に接続するための配線パターン(図示せず)が設けられている。基板110は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。
枠体111は、基板110の上面の外周縁に沿って設けられており、基板110の上面側に凹部112を形成するためのものである。枠体111は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。尚、この枠体111の内周の大きさ、つまり凹部112の開口部の大きさは、後述する第一圧電振動素子310が横方向で凹部112内に搭載できる大きさとなっている。この枠体111の凹部112の開口側の上面には、接合材150が設けられている。
第一電極パッド120a及び120bは、導電性接着剤320用いて後述する第一圧電振動素子310を保持導通し、第一圧電振動素子310への信号の入出力をするものである。第一電極パッド120a及び120bはそれぞれ一個ずつ計二個であり、凹部112内に露出した基板110の上面の一方の短辺に沿って並びつつ、一方の第一電極パッド120aと他方の第一電極パッド120bとの間に間隔αを有している。この間隔αは、第一圧電振動素子310が凹部112内の所定の位置に配置されたときに第一圧電振動素子310に設けられた、後述する一対の第一接続電極313に対向するように設けられている。例えば、後述する第一圧電振動素子310が平面視矩形の平板であり、長辺の寸法が5mmで、一対の第一接続電極313間の間隔が0.25mm以上だった場合、間隔αは0.25mmとなる。この第一電極パッド120aは、基板110内に設けられた配線パターン(図示せず)により所定の外部接続電極パッド140と電気的に接続されている。また、第一電極パッド120bは、基板110内に設けられた配線パターン(図示せず)により第一電極パッド120aが接続している外部接続電極パッド140以外の外部接続電極パッド140と電気的に接続されている。尚、第一電極パッド120a及び120bは金等の導電性の金属のメタライズ処理によって形成される。
第二電極パッド130a及び130bは、導電性接着剤420用いて後述する第二圧電振動素子410を保持導通し、第二圧電振動素子410への信号の入出力をするものである。第二電極パッド130a及び130bはそれぞれ一個ずつ計二個であり、凹部112内に露出した基板110の上面の他方の短辺に沿って並びつつ、一方の第二電極パッド130aと他方の第二電極パッド130bとの間に間隔βを有している。この間隔βは、第二圧電振動素子410が凹部112内の所定の位置に配置されたときに第二圧電振動素子410に設けられた一対の第二接続電極413に対向するように設けられており、その間隔寸法は、間隔αに比べて間隔βが狭く(α>β)なっている。例えば、後述する第二圧電振動素子410が平面視矩形の平板であり、長辺の寸法が2mmで、後述する一対の第二接続電極413間の間隔が0.15mm以上だった場合、間隔βは0.15mmとなる。この一方の第二電極パッド130aは、基板110内に設けられた配線パターン(図示せず)により一方の第一電極パッド120aが接続している所定の外部接続電極パッド140と電気的に接続されている。また、他方の第二電極パッド130bは、基板110内に設けられた配線パターン(図示せず)により他方の第一電極パッド120bが接続している外部接続電極パッド140と電気的に接続されている。尚、第二電極パッド130a及び130bは金等の導電性の金属のメタライズ処理によって形成される。
外部接続電極パッド140は、素子搭載部材100を備えた圧電デバイスを外部の実装基板上に実装する際に、半田等の導電性接合材を介して電気的に接続するための電極パッドとして機能する。外部接続電極パッド140は、基板110の下面に少なくとも二個設けられており、それぞれの外部接続電極パッド140は、例えば、圧電振動素子入力端子、圧電振動素子出力端子として構成されている。この外部接続電極パッド140のうち、圧電振動素子入力端子として機能するものは一方の第一電極パッド120a及び一方の第二電極パッド130aと電気的に接続しており、圧電振動素子出力端子となるものは他方の第一電極パッド120b及び他方の第二電極パッド130bと電気的に接続している。尚、外部接続電極パッド140は金等の導電性の金属のメタライズ処理によって形成される。
接合材150は、後述する蓋部材330を枠体111に気密に接合するためのものである。接合材150は、所定の幅を有する帯状であり、枠体111の凹部112開口側の上面に、凹部112の開口部を環状に囲うように設けられている。接合材150は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト又はこのいずれかを含む合金、或いはタングステン又は金等から構成されている。この接合材150の上には、例えば後述する蓋部材330が配置され、接合材150と蓋部材330とをシーム溶接することにより、蓋部材330と素子搭載部材100とが接合される。
このように本発明の素子搭載部材100は、平面視矩形で平板状の基板110と、この基板110の上面の一方の短辺に沿って並んで設けられている第一電極パッド120a及び120bと、基板110の上面の他方の短辺に沿って並んで設けられている第二電極パッド130a及び130bと、を備え、隣り合う第一電極パッド120aと第一電極パッド120bの間の距離αに比べ、隣り合う第二電極パッド130aと第二電極パッド130bの間の距離βが狭くなっている。
このような構成により、第一圧電振動素子310又は第二圧電振動素子410を搭載する場合、その第一圧電振動素子310に形成された接続電極313又は第二圧電振動素子410に形成された接続電極413の形成位置に合った電極パッドを設けた専用の素子搭載部材を備える必要がなく、専用の素子搭載部材に対応するための製造工程や製造装置及び治具の増加がないため、製造コストの上昇を抑えることか可能となる。
(変形例)
次に、第一実施形態の変形例に係る素子搭載部材について説明する。尚、第一実施形態の変形例に係る素子搭載部材において、第一実施形態である素子搭載部材100と同じ構成要素の部分には、素子搭載部材100の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。図2に示すように、第一実施形態の変形例である素子搭載部材200は、基板210の下面側の形態が第一実施形態の素子搭載部材100と異なっている。
素子搭載部材200は、例えば、図2に示すように、基板210と、第一枠体211と、第二枠体213と、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、外部接続電極パッド240と、接合材150と、第三電極パッド260から主に構成されている。このような素子搭載部材200は、圧電デバイスの一つである圧電発振器において、後述する電子素子の一つである圧電振動素子及び集積回路素子を安定的に搭載するためのものである。
基板210は、その上面に後述する第一圧電振動素子310又は第二圧電振動素子410を実装し、且つ下面に後述する集積回路素子540を実装するための実装部材として機能するものである。基板210は、平面視矩形の平板であり、その上面には、第一圧電振動素子310へ信号を入出力するための第一電極パッド120a及び120bが設けられており、且つ第二圧電振動素子410へ信号を入出力するための第二電極パッド130a及び130bが設けられている。また、基板210の下面には、集積回路素子540へ信号を入出力するための第三電極パッド260が設けられている。基板210の表面及び内部には、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、第三電極パッド260と、後述する外部接続電極パッド240とを電気的に接続するための配線パターン(図示せず)が設けられている。基板210は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。
第一枠体211は、基板210の上面の外周縁に沿って設けられており、基板210の上面側に第一凹部212を形成するためのものである。第一枠体211は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。尚、この第一枠体211の内周の大きさ、つまり第一凹部212の開口部の大きさは、後述する第一圧電振動素子310が横方向で第一凹部212内に搭載できる大きさとなっている。この第一枠体211の第一凹部212の開口側の上面には、接合材150が設けられている。
第二枠体213は、基板210の下面の外周縁に沿って設けられており、基板210の下面側に第二凹部214を形成するためのものである。第二枠体213は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。尚、この第二枠体213の内周の大きさ、つまり第二凹部214の開口部の大きさは、後述する集積回路素子540が横方向で第二凹部214内に搭載できる大きさとなっている。この第二枠体213の凹部214開口側の下面の四隅には、外部接続電極パッド240が設けられている。
第一電極パッド120a及び120bは、導電性接着剤320用いて後述する第一圧電振動素子310を保持導通し、第一圧電振動素子310への信号の入出力をするものである。第一電極パッド120a及び120bはそれぞれ一個ずつ計2個であり、第一凹部212内に露出した基板210の上面の一方の短辺に沿って並びつつ、一方の第一電極パッド120aと他方の第一電極パッド120bとの間に間隔αを有している。この間隔αは、第一圧電振動素子310が第一凹部212内の所定の位置に配置されたときに第一圧電振動素子310に設けられた、後述する一対の第一接続電極313に対向するように設けられている。例えば、後述する第一圧電振動素子310が平面視矩形の平板であり、長辺の寸法が5mmで、一対の第一接続電極313間の間隔が0.25mm以上だった場合、間隔αは0.25mmとなる。この一方の第一電極パッド120aは、基板210内に設けられた配線パターン(図示せず)により所定の第三電極パッド260と電気的に接続されている。また、他方の第一電極パッド120bは、基板210内に設けられた配線パターン(図示せず)により一方の第一電極パッド120aが接続している第三電極パッド260以外の第三電極パッド260と電気的に接続されている。尚、第一電極パッド120a及び120bは金等の導電性の金属のメタライズ処理によって形成される。
第二電極パッド130a及び130bは、後述する導電性接着剤420用いて後述する第二圧電振動素子410を保持導通し、第二圧電振動素子410への信号の入出力をするものである。第二電極パッド130a及び130bはそれぞれ一個ずつ計二個であり、第一凹部212内に露出した基板210の上面の他方の短辺に沿って並びつつ、一方の第二電極パッド130aと他方の第二電極パッド130bとの間に間隔βを有している。この間隔βは、第二圧電振動素子410が第一凹部212内の所定の位置に配置されたときに第二圧電振動素子410に設けられた、後述する一対の第二接続電極413に対向するように設けられており、その間隔寸法は、間隔αに比べて間隔βが狭く(α>β)なっている。例えば、後述する第二圧電振動素子410が平面視矩形の平板であり、長辺の寸法が2mmで、一対の第二接続電極413間の間隔が0.15mm以上だった場合、間隔βは0.15mmとなる。この一方の第二電極パッド130aは、基板210内に設けられた配線パターン(図示せず)により一方の第一電極パッド120aが接続している所定の第三電極パッド260と電気的に接続されている。また、他方の第二電極パッド130bは、基板210内に設けられた配線パターン(図示せず)により他方の第一電極パッド120bが接続している第三電極パッド260と電気的に接続されている。尚、第二電極パッド130a及び130bは金等の導電性の金属のメタライズ処理によって形成される。
第三電極パッド260は、後述する集積回路素子540と導電性の接合材を用いて導通し、且つ第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、外部接続電極パッド240と電気的に接続し、集積回路素子540への信号の入出力をするものである。第三電極パッド260は、第二凹部214内に露出した基板210の下面の複数個設けられている。この第三電極パッド260は、基板210及び第二枠体213内に設けられた配線パターン(図示せず)により、所定の第一電極パッド120a及び120b、第二電極パッド130a及び130b、及び外部接続電極パッド240と電気的に接続されている。尚、第三電極パッド260は金等の導電性の金属のメタライズ処理によって形成される。
外部接続電極パッド240は、素子搭載部材200を備えた圧電デバイスを外部の実装基板上に実装する際に、半田等の導電性接合材を介して電気的に接続するための電極パッドとして機能する。外部接続電極パッド240は、第二枠体213の基板210側に向いた面とは反対側となる下面の四隅にそれぞれ一つずつ計四個設けられており、それぞれの外部接続電極パッド240は、例えば、信号入力端子、信号出力端子、電源電圧端子、グランド端子によって構成されている。この外部接続電極パッド240は、基板211及び第二の枠体213内に設けられた配線パターン(図示せず)により、所定の第三電極パッド260と電気的に接続されている。尚、外部接続電極パッド240は金等の導電性の金属のメタライズ処理によって形成される。
接合材150は、後述する蓋部材530を第一枠体211に気密に接合するためのものである。接合材150は、所定の幅を有する帯状であり、第一枠体211の第一凹部212開口側の上面に、第一凹部212の開口部を環状に囲うように設けられている。接合材150は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト又はこのいずれかを含む合金、或いはタングステン又は金等から構成されている。この接合材150の上には、例えば後述する蓋部材530が配置され、接合材150と蓋部材530とをシーム溶接することにより、蓋部材530と素子搭載部材200とが接合される。
このように、第一実施形態の変形例に係る素子搭載部材200は、平面視矩形で平板状の基板210と、この基板210の上面の一方の短辺に沿って並んで設けられている第一電極パッド120a及び120bと、基板210の上面の他方の短辺に沿って並んで設けられている第二電極パッド130a及び130bと、を備え、隣り合う第一電極パッド120aと第一電極パッド120bの間の距離αに比べ、隣り合う第二電極パッド130aと第二電極パッド130bの間の距離βが狭くなっている。
このような構成により、第一圧電振動素子310又は第二圧電振動素子410を搭載する場合、その第一圧電振動素子310に形成された接続電極313又は第二圧電振動素子410に形成された接続電極413の形成位置に合った電極パッドを設けた専用の素子搭載部材を備える必要がなく、専用の素子搭載部材に対応するための製造工程や製造装置及び治具の増加がないため、製造コストの上昇を抑えることか可能となる。
(第二実施形態)
次に説明する第二実施形態に係る圧電デバイスは、前述した素子搭載部材100を構成要素として用いた、圧電デバイスの一つである第一圧電振動子300である。尚、第二実施形態に係る圧電デバイスにおいて、第一実施形態の素子搭載部材100と同じ構成の部分には、素子搭載部材100の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。第一圧電振動子300は、図3〜4に示すように、素子搭載部材100と、第一圧電振動素子310と、導電性接着剤320と、蓋部材330とから主に構成されている。第一圧電振動子300は、電子機器等で使用する基準信号等を生成出力するために用いられている。
第一圧電振動素子310は、例えば、厚みすべり振動を用いて所望する周波数の電気信号を生成するものである。第一圧電振動素子310は、図3〜4に示すように、第一圧電素子311と、第一圧電素子311の上面に設けられた厚みすべり振動を励振する第一励振電極312と、第一接続電極313から主に構成されている。
第一圧電素子311は、平面視矩形の平板であり、人工水晶体から所定のアングルでカットされ外形加工された水晶薄板が用いられている。この外形加工には、ワイヤソーによる切断やラッピング等の研磨による機械的加工手段が主に用いられている。これらの外形加工により形成される第一圧電素子311の大きさは、平面視の長辺寸法で3mm以上となっている。尚、第二実施形態においては、第一圧電素子311に水晶薄板を用いたが、他にタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電性を有する単結晶材料を材料とした薄板を使用しても良い。
第一励振電極312は、厚みすべり振動を第一圧電素子311に生成するためのものである。第一励振電極312は、第一圧電素子311の上面及び下面のほぼ中央に一つずつ、第一圧電素子311を挟んで対向して設けられている。第一励振電極312は、例えば、互いに同一の形状及び大きさであり、平面透視において重なっている。第一励振電極312の形状は、例えば、第一圧電素子311の主面の四辺と平行な四辺を有する概略矩形である。また、第一励振電極312は、第一圧電素子312の上下面に、金、アルミニウム、ニッケル、クロムやチタン、或いはこれらの金属を含む合金等の導電性の金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に積層形成した上で、フォトリソグラフィ法等の製造方法により形成されている。例えば、第一励振電極312は上面から順に金、ニッケル、クロムの金属の三層構造となっていても良い。
第一接続電極313は、素子搭載部材100に設けられた第一電極パッド120a及び120bと第一圧電振動素子310の第一励振電極312との間の信号の入出力を行うためのものである。第一接続電極313は、第一圧電素子311の表裏主面それぞれに設けられた第一励振電極312から引き出された引出し電極の各終端部分に設けられおり、第一圧電素子311の一方の短辺の両角部の上面から側面を介して下面にかけて、それぞれ一個ずつ計二個形成されている。この二個の第一接続電極313の間隔は、一方の第一電極パッド120aと他方の第一電極パッド120bとの間隔αよりも広くなっている。この第一接続電極312は、導電性接着剤320により、素子搭載部材100に設けられた第一電極パッド120a及び120bと電気的に接続されている。また、第一接続電極313は、第一圧電素子311の一方の短辺の両角部の上下側面に、金、アルミニウム、ニッケル、クロムやチタン、或いはこれらの金属を含む合金等の導電性の金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に積層形成した上で、フォトリソグラフィ法等の製造方法により形成されている。例えば、接続用電極123は上面から順に金、ニッケル、クロムの金属の三層構造となっていても良い。
導電性接着剤320は、第一接続電極313と第一電極パッド120a及び120bとを電気的に接続させつつ、第一圧電振動素子310を第一電極パッド120a及び120bに固着するためのものである。導電性接着剤320は、銀等を導電性フィラーとして含有したエポキシ系又はシリコーン系の合成樹脂からなり、粘度は20〜40Pa・sとなっている。この導電性接着剤320は、例えば、流動性を有した状態で第一電極パッド120a及び120bの上面に適量塗布され、第一圧電振動素子310を導電性接着剤320と第一接続電極313とが接触するように配置した後、120〜200℃で加熱して導電性接着剤320を固化させることにより、第一接続電極313と第一電極パッド120a及び120bとを電気的に接続させつつ、第一圧電振動素子310を第一電極パッド120a及び120bに固着させている。
蓋部材330は、真空状態にある凹部112、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが充填された凹部112を気密的に封止するためのものである。蓋部材330は、平面視矩形状の平板形状であり、凹部112の開口部を覆い塞ぐ大きさを有する。蓋部材330は、枠体111の開口部側主面上に凹部112の開口部を覆い塞ぐように配置され、枠体111の開口部側上面と接合材150を介して接合されている。蓋部材330は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金あるいはセラミックからなり、その厚み寸法は、例えば0.2〜1.0mmである。
このように第二実施形態に係る圧電デバイスは、第一圧電振動子300であり、前述した素子搭載部材100と、第一電極パッド120a及び120bに対応する第一接続電極313を設けた第一圧電振動素子310と、素子搭載部材100と接合することにより第一圧電振動素子310を気密に封止する蓋部材330と、を備え、第一接続電極313と第一電極パッド120a及び120bとを接合することにより、素子搭載部材100に第一圧電振動素子310が搭載されている。
このような構成により、パッド間の間隔が広い第一電極パッド120a及び120bに対応できる第一接続電極313が形成される、比較的大きさが大きい第一圧電振動素子310を搭載できる。よって、第一電極パッド120a及び120bの全面と第一接続電極313の全面とが対向する位置となっているため、接続面積が最大となり接続強度の低下を抑えることかでき、外部からの衝撃により第一圧電振動素子310が第一電極パッド120a及び120bから脱落することを低減することが可能となる。また、第一電極パッド120a及び120bと第一接続電極313間に塗布された導電性接着剤320がすべて第一電極パッド120a及び120bと第一接続電極313との間に留まることができ、導電性接着剤320が流出し一方の第一電極パッド120aと他方の第一電極パッド120bとの間が短絡を起こし、圧電振動子300として発振の不具合を起こすことを抑止することが可能となる。
(変形例)
以下に第二実施形態の変形例に係る圧電デバイスについて説明する。尚、第二実施形態の変形例に係る圧電デバイスにおいて、第二実施形態の第一圧電振動子300と同じ構成要素の部分には、第一圧電振動子300の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。図5に示すように、第二実施形態の変形例である第一圧電振動子350は、素子搭載部材及び蓋部材の形態が第二実施形態の第一圧電振動子300と異なっている。
第二実施形態の変形例に係る圧電デバイスである第一圧電振動子350は、第二実施形態の第一圧電振動子300における素子搭載部材100に相当する基板360と、第一圧電振動素子310と、導電性接着剤320と、蓋部材370とから主に構成されている。第一圧電振動子350は、電子機器等で使用する基準信号等を生成出力するために用いられている。
基板360は、その上面に第一圧電振動素子310を実装するための実装部材として機能するものである。基板360は、平面視矩形の平板であり、その上面には、第一圧電振動素子310へ信号を入出力するための第一電極パッド120a及び120bが設けられており、且つ第二圧電振動素子410へ信号を入出力するための第二電極パッド130a及び130bが設けられている。また、基板360の下面には、外部接続電極パッド140が設けられている。基板360の表面及び内部には、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、外部接続電極パッド140とを電気的に接続するための配線パターン(図示せず)が設けられている。基板360は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。
蓋部材370は、基板360の上面に搭載された第一圧電振動素子310を、真空、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスで充填された内部空間371に収容して気密に封止するためのものである。蓋部材370は、厚み60μm〜100μmの金属板を、従来周知の板金加工にて開口部周囲につば状の基板接合部を有する概略箱形状となっている。また、この箱形状部分の内部空間371の大きさは、第一圧電振動素子310と第一電極パッド120a及び120bと第二電極パッド130a及び130bとを蓋部材370に接触させずに内部空間371内に収納できる大きさとなっている。蓋部材370は、基板360の上面に搭載された第一圧電振動素子310を箱形状の内部空間371に収納するように、基板360の上面に配置され、基板360の上面の辺縁部と接合部材380を介して接合されている。蓋部材370は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなる。
このように、第二実施形態の変形例に係る圧電デバイスは、第一圧電振動子350であり、素子搭載部材としての基板360と、第一電極パッド120a及び120bに対応する第一接続電極313を設けた第一圧電振動素子310と、基板360と接合することにより第一圧電振動素子310を気密に封止する蓋部材370と、を備え、第一接続電極313と第一電極パッド120a及び120bとを接合することにより、基板360に第一圧電振動素子310が搭載されている。
このような構成により、パッド間の間隔が広い第一電極パッド120a及び120bに対応できる第一接続電極313を形成した、比較的大きさが大きい第一圧電振動素子310を搭載できる。よって、第一電極パッド120a及び120bの全面と第一接続電極313の全面とが対向する位置となっているため、接続面積が最大となり接続強度の低下を抑えることかでき、外部からの衝撃により第一圧電振動素子310が第一電極パッド120a及び120bから脱落することを低減することが可能となる。また、第一電極パッド120a及び120bと第一接続電極313間に塗布された導電性接着剤320がすべて第一電極パッド120a及び120bと第一接続電極313との間に留まることができ、導電性接着剤320が流出し、一方の第一電極パッド120aと他方の第一電極パッド120bとの間が短絡を起こし、圧電振動子300として発振の不具合を起こすことを抑止することが可能となる。
(第三実施形態)
次に説明する第三実施形態に係る圧電デバイスは、前述した素子搭載部材100を構成要素として用いた、圧電デバイスの一つである第二圧電振動子400である。尚、第二実施形態において、第一実施形態の素子搭載部材100と同じ構成の部分には、素子搭載部材100の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。第二圧電振動子400は、図6〜7に示すように、素子搭載部材100と、第二圧電振動素子410と、導電性接着剤420と、蓋部材430とから主に構成されている。第二圧電振動子400は、電子機器等で使用する基準信号等を生成出力するために用いられている。
第二圧電振動素子410は、例えば、厚みすべり振動を用いて所望する周波数の電気信号を生成するものである。第二圧電振動素子410は、図6〜7に示すように、第二圧電素子411と、第二圧電素子411の上面に設けられた厚みすべり振動を励振する第二励振電極412と、第二接続電極413から主に構成されている。
第二圧電素子411は、平面視矩形の平板であり、人工水晶体から所定のアングルでカットされ外形加工された水晶薄板が用いられている。この外形加工には、フォトリソグラフィ法及びエッチングよる化学的加工手段が主に用いられている。これらの外形加工により形成される第一圧電素子311の大きさは、平面視の長辺寸法で3mm未満となっており、第一圧電素子311と比べて小さくなっている。尚、第三実施形態においては、第一圧電素子411に水晶薄板を用いたが、他にタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電性を有する単結晶材料を材料とした薄板を使用しても良い。
第二励振電極412は、厚みすべり振動を第二圧電素子411に生成するためのものである。第二励振電極412は、第二圧電素子411の上面及び下面のほぼ中央に一つずつ、第二圧電素子411を挟んで対向して設けられている。第二励振電極412は、例えば、互いに同一の形状及び大きさであり、平面透視において重なっている。第二励振電極412の形状は、例えば、第二圧電素子411の主面の四辺と平行な四辺を有する概略矩形である。また、第二励振電極412は、第二圧電素子412の上下面に、金、アルミニウム、ニッケル、クロムやチタン、或いはこれらの金属を含む合金等の導電性の金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に積層形成した上で、フォトリソグラフィ法等の製造方法により形成されている。例えば、第二励振電極412は上面から順に金、ニッケル、クロムの金属の三層構造となっていても良い。
第二接続電極413は、素子搭載部材100に設けられた第二電極パッド130a及び130bと第二圧電振動素子410の第二励振電極412との間の信号の入出力を行うためのものである。第二接続電極413は、第二圧電素子411の表裏主面それぞれに設けられた第二励振電極412から引き出された引出し電極の各終端部分に設けられおり、第二圧電素子411の一方の短辺の両角部の上面から側面を介して下面にかけて、それぞれ一個ずつ計二個形成されている。この二個の第二接続電極413の間隔は、第二電極パッド130aと130bとの間隔βよりも広く、且つ第一電極パッド120aと120bとの間隔αよりも狭くなっている。この第二接続電極412は、導電性接着剤420により、素子搭載部材100に設けられた第二電極パッド130a及び130bと電気的に接続されている。また、第二接続電極413は、第一圧電素子311の一方の短辺の両角部の上下側面に、金、アルミニウム、ニッケル、クロムやチタン、或いはこれらの金属を含む合金等の導電性の金属を蒸着あるいはスパッタリング等により薄膜状に積層形成した上で、フォトリソグラフィ法等の製造方法により形成されている。例えば、接続用電極123は上面から順に金、ニッケル、クロムの金属の三層構造となっていても良い。
導電性接着剤420は、第二接続電極413と第二電極パッド130a及び130bとを電気的に接続させつつ、第二圧電振動素子410を第二電極パッド130a及び130bに固着するためのものである。導電性接着剤420は、銀等を導電性フィラーとして含有したエポキシ系又はシリコーン系の合成樹脂からなり、粘度は20〜40Pa・sとなっている。この導電性接着剤420は、例えば、流動性を有した状態で第二電極パッド130a及び130bの上面に適量塗布され、第二圧電振動素子410を導電性接着剤420と第二接続電極413とが接触するように配置した後、120〜200℃で加熱して導電性接着剤420を固化させることにより、第二接続電極413と第二電極パッド130a及び130bとを電気的に接続させつつ、第二圧電振動素子410を第二電極パッド130a及び130bに固着させている。
蓋部材430は、真空状態にある凹部112、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが充填された凹部112を気密的に封止するためのものである。蓋部材430は、平面視矩形状の平板形状であり、凹部112の開口部を覆い塞ぐ大きさを有する。蓋部材430は、枠体111の開口部側主面上に凹部112の開口部を覆い塞ぐように配置され、枠体111の開口部側上面と接合材150を介して接合されている。蓋部材430は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金あるいはセラミックからなり、その厚み寸法は、例えば0.2〜1.0mmである。
このように第三実施形態に係る圧電デバイスは、前述した素子搭載部材100と、第二電極パッド130a及び130bに対応する第二接続電極413を設けた第二圧電振動素子410と、素子搭載部材100と接合することにより第二圧電振動素子410を気密に封止する蓋部材430と、を備え、第二接続電極413と第二電極パッド130a及び130bとを接合することにより、素子搭載部材100に第二圧電振動素子410が搭載されている。
このような構成により、パッド間の間隔が狭い第二電極パッド130a及び130bに対応できる第二接続電極413が形成された、比較的大きさが小さい第二圧電振動素子410を搭載できる。より具体的には、第一圧電振動子310よりも小さいサイズの第二圧電振動素子410を搭載できるので、一つの素子搭載部材100にて様々なサイズの圧電振動素子を搭載することが可能となる。よって、第二電極パッド130a及び130bの全面と第二接続電極413の全面とが対向する位置となっているため、接続面積が最大となり接続強度の低下を抑えることかでき、外部からの衝撃により第二圧電振動素子410が第二電極パッド130a及び130bから脱落することを低減することが可能となる。また、第二電極パッド130a及び130bと第二接続電極413の間に塗布された導電性接着剤420がすべて第二電極パッド130a及び130bと第二接続電極413との間に留まることができ、導電性接着剤420が流出し第二電極パッド130aと130bとの間が短絡を起こし、圧電デバイスとして発振の不具合を起こすことを抑止することが可能となる。
尚、第二圧電振動素子410を第一電極パッド120a及び120bに搭載した場合、第二圧電振動素子410の第二接続電極413の間隔が第一電極パッド120a及び120bの間隔αよりも狭いので、第二接続電極413と第一電極パッド120a及び120bとの間に設けた導電性接着剤420が、第一電極パッド120a及び120bとの間側に突出した第二接続電極413を介して第一電極パッド120a及び120bとの間に流出してしまい、第一電極パッド120aと120bとを短絡してしまう。よって、第二圧電振動素子410は第一電極パッド120a及び120bに搭載することはできない。
(変形例)
以下に第三実施形態の変形例に係る圧電デバイスについて説明する。尚、第三実施形態の変形例に係る圧電デバイスは、第三実施形態の第二圧電振動子400と同じ構成要素の部分には、第二圧電振動子400の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。図8に示すように、第三実施形態の変形例である第二圧電振動子450は、素子搭載部材及び蓋部材の形態が第三実施形態の第二圧電振動子400と異なっている。
第三実施形態の変形例に係る圧電デバイスである第二圧電振動子450は、第三実施形態の第二圧電振動子400における素子搭載部材100に相当する基板460と、第二圧電振動素子410と、導電性接着剤420と、蓋部材470とから主に構成されている。第二圧電振動子450は、電子機器等で使用する基準信号等を生成出力するために用いられている。
基板460は、その上面に第二圧電振動素子410を実装するための実装部材として機能するものである。基板460は、平面視矩形の平板であり、その上面には、第一圧電振動素子310へ信号を入出力するための第一電極パッド120a及び120bが設けられており、且つ第二圧電振動素子410へ信号を入出力するための第二電極パッド130a及び130bが設けられている。また、基板460の下面には、外部接続電極パッド140が設けられている。基板460の表面及び内部には、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、外部接続電極パッド140とを電気的に接続するための配線パターン(図示せず)が設けられている。基板460は、例えば、アルミナセラミックスまたはガラス−セラミックス等のセラミック材料、またはガラス−エポキシである絶縁材料から構成されている。
蓋部材470は、基板460の上面に搭載された第二圧電振動素子450を、真空、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスで充填された内部空間471に収容して気密に封止するためのものである。蓋部材470は、厚み60μm〜100μmの金属板を、従来周知の板金加工にて開口部周囲につば状の基板接合部を有する概略箱形状となっている。また、この箱形状部分の内部空間471の大きさは、第二圧電振動素子410と第一電極パッド120a及び120bと第二電極パッド130a及び130bとを蓋部材470に接触させずに内部空間471内に収納できる大きさとなっている。蓋部材470は、基板460の上面に搭載された第二圧電振動素子410を箱形状の内部空間471に収納するように、基板460の上面に配置され、基板460の上面の辺縁部と接合部材480を介して接合されている。蓋部材460は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金からなる。
このように、第三実施形態の変形例に係る圧電デバイスは、第二圧電振動子450であり、素子搭載部材としての基板460と、第二電極パッド130a及び130bに対応する第二接続電極413を設けた第二圧電振動素子410と、基板460と接合することにより第二圧電振動素子410を気密に封止する蓋部材470と、を備え、第二接続電極413と第一電極パッド130a及び130bとを接合することにより、基板460に第二圧電振動素子410が搭載されている。
このような構成により、パッド間の間隔が狭い第二電極パッド130a及び130bに対応できる第二接続電極413が形成された、比較的大きさが小さい第二圧電振動素子410を搭載できる。よって、第二電極パッド130a及び130bの全面と第二接続電極413の全面とが対向する位置となっているため、接続面積が最大となり接続強度の低下を抑えることかでき、外部からの衝撃により第二圧電振動素子410が第二電極パッド130a及び130bから脱落することを低減することが可能となる。また、第二電極パッド130a及び130bと第二接続電極413の間に塗布された導電性接着剤420がすべて第二電極パッド130a及び130bと第二接続電極413との間に留まることができ、導電性接着剤420が流出し第二電極パッド130aと130bとの間が短絡を起こし、圧電デバイスとして発振の不具合を起こすことを抑止することが可能となる。
(第四実施形態)
次に説明する第四実施形態の圧電デバイスは、前述した素子搭載部材200を構成要素として用いた、圧電デバイスの一つである第一圧電発振器500である。尚、第四実施形態の圧電デバイスにおいて、第一実施形態の変形例の素子搭載部材200と同じ構成の部分には、素子搭載部材200の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。また、第三実施形態の圧電振動子300と同じ構成の部分には、圧電振動子300の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。第一圧電発振器500は、図9に示すように、素子搭載部材200と、第一圧電振動素子310と、導電性接着剤320と、蓋部材530と、集積回路素子540から主に構成されている。第一圧電発振器500は、電子機器等で使用する基準信号等を生成出力するために用いられている。
蓋部材530は、真空状態にある素子搭載部材200における第一圧電振動素子310が搭載されている第一凹部212、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが充填された第一圧電振動素子310が搭載されている第一凹部212を気密的に封止するためのものである。蓋部材530は、平面視矩形状の平板形状であり、第一凹部212の開口部を覆い塞ぐ大きさを有する。蓋部材530は、第一枠体211の開口部側主面上に第一凹部212の開口部を覆い塞ぐように配置され、第一枠体211の開口部側上面と接合材150を介して接合されている。蓋部材530は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金あるいはセラミックからなり、その厚み寸法は、例えば0.2〜1.0mmである。
集積回路素子540は、例えば、素子搭載部材200を構成する基板210側を向く主面に複数個の接続パッド541を有した平面視矩形のフリップチップ型集積回路素子が用いられ、その回路形成面には、所定の電子回路及び電子素子を組み合わせて、例えば、第一圧電振動素子310を励振する発振回路、波形成形回路、温度補償回路などが設けられている。この集積回路素子540は、接続パッド541と基板210の下面に設けられた第三電極パッド260とを導電性の接合材542によって接合固着することにより、素子搭載部材200の第二凹部214内に搭載される。これにより、基板210の表面及び内部に設けられた配線パターン(図示しない)により、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、第三電極パッド260に接続された集積回路素子540とが電気的に接続されている。
尚、集積回路素子540が搭載された第二凹部214内は絶縁性樹脂550により充填固化されていても良い。絶縁性樹脂550は、エポキシ樹脂又はポリイミド樹脂によって構成されている。また、絶縁性樹脂550は、少なくともフリップチップ型集積回路素子の回路形成面を覆う高さ(基板210の下面から絶縁性樹脂550の第二凹部214の開口側の表面までの距離)となるように充填されている。
このように、第四実施形態に係る圧電デバイスは第一圧電発振器500であり、少なくとも発振回路を搭載した集積回路素子540を、素子搭載部材200の基板210の下面に搭載しており、第一電極パッド120a及び120bと第二電極パッド130a及び130bと集積回路素子540とが電気的に接続している。
このような構成により、圧電発振器を構成しており、第一圧電発振器500においても、パッド間の間隔が広い第一電極パッド120a及び120bに対応できる第一接続電極313が形成された、比較的大きさが大きい第一圧電振動素子310を搭載できる。よって、第一電極パッド120a及び120bの全面と第一接続電極313の全面とが対向する位置となっているため、接続面積が最大となり接続強度の低下を抑えることかでき、外部からの衝撃により第一圧電振動素子310が第一電極パッド120a及び120bから脱落することを低減することが可能となる。また、第一電極パッド120a及び120bと第一接続電極313との間に塗布された導電性接着剤320がすべて第一電極パッド120a及び120bと第一接続電極313との間に留まることができ、導電性接着剤320が流出し第一電極パッド120aと120bとの間が短絡を起こし、第一圧電発振器500として発振の不具合を起こすことを抑止することが可能となる。
(第五実施形態)
次に説明する第五実施形態に係る圧電デバイスは、前述した素子搭載部材200を構成要素として用いた、圧電デバイスの一つである第二圧電発振器600である。尚、第五実施形態の圧電デバイスにおいて、第一実施形態の変形例の素子搭載部材200と同じ構成の部分には、素子搭載部材200の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。また、第三実施形態の第二圧電振動子400と同じ構成の部分には、第二圧電振動子400の各構成要素に付与した符号と同じ符号を付してその説明を省略する。第二圧電発振器600は、図10に示すように、素子搭載部材200と、第二圧電振動素子410と、導電性接着剤420と、蓋部材630と、集積回路素子640から主に構成されている。第二圧電発振器600は、電子機器等で使用する基準信号等を生成出力するために用いられている。
蓋部材630は、真空状態にある素子搭載部材200における第二圧電振動素子410が搭載されている第一凹部212、あるいは窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが充填された第二圧電振動素子410が搭載されている第一凹部212を気密的に封止するためのものである。蓋部材630は、平面視矩形状の平板形状であり、第一凹部212の開口部を覆い塞ぐ大きさを有する。蓋部材630は、第一枠体211の開口部側主面上に第一凹部212の開口部を覆い塞ぐように配置され、第一枠体211の開口部側上面と接合材150を介して接合されている。蓋部材630は、例えば、鉄、ニッケルまたはコバルトの少なくともいずれかを含む合金あるいはセラミックからなり、その厚み寸法は、例えば0.2〜1.0mmである。
集積回路素子640は、例えば、素子搭載部材200を構成する基板210側を向く主面に複数個の接続パッド641を有した平面視矩形のフリップチップ型集積回路素子が用いられ、その回路形成面には、所定の電子回路及び電子素子を組み合わせて、例えば、第一圧電振動素子310を励振する発振回路、波形成形回路、温度補償回路などが設けられている。この集積回路素子640は、接続パッド641と基板210の下面に設けられた第三電極パッド260とを導電性の接合材642によって接合固着することにより、素子搭載部材200の第二凹部214内に搭載される。これにより、基板210の表面及び内部に設けられた配線パターン(図示しない)により、第一電極パッド120a及び120bと、第二電極パッド130a及び130bと、第三電極パッド260に接続された集積回路素子640とが電気的に接続されている。
尚、集積回路素子640が搭載された第二凹部214内は絶縁性樹脂650により充填固化されていても良い。絶縁性樹脂650は、エポキシ樹脂又はポリイミド樹脂によって構成されている。また、絶縁性樹脂650は、少なくともフリップチップ型集積回路素子の回路形成面を覆う高さ(基板210の下面から絶縁性樹脂650の第二凹部214の開口側の表面までの距離)となるように充填されている。
このように、第五実施形態に係る圧電デバイスは第二圧電発振器600であり、少なくとも発振回路を搭載した集積回路素子640を、素子搭載部材200の基板210の下面に搭載しており、第一電極パッド120a及び120bと第二電極パッド130a及び130bと集積回路素子640とが電気的に接続している。
このような構成により、圧電発振器を構成しており、第二圧電発振器600においても、パッド間の間隔が狭い第二電極パッド130a及び130bに対応できる第二接続電極413が形成された、比較的大きさが小さい第二圧電振動素子410を搭載できる。より具体的には、第一圧電振動子310よりも小さいサイズの第二圧電振動素子410を搭載できるので、一つの素子搭載部材200にて様々なサイズの圧電振動素子を搭載することが可能となる。よって、第二電極パッド130a及び130bの全面と第二接続電極413の全面とが対向する位置となっているため、接続面積が最大となり接続強度の低下を抑えることかでき、外部からの衝撃により第二圧電振動素子410が第二電極パッド130a及び130bから脱落することを低減することが可能となる。また、第二電極パッド130a及び130bと第二接続電極413との間に塗布された導電性接着剤420がすべて第二電極パッド130a及び130bと第二接続電極413との間に留まることができ、導電性接着剤420が流出し第二電極パッド130aと130bとの間が短絡を起こし、第二圧電発振器600として発振の不具合を起こすことを抑止することが可能となる。
尚、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、前述した実施形態においては、圧電デバイス内に搭載する周波数決定素子として平面視矩形の圧電振動素子を例示したが、他に、平面視音叉型の圧電振動素子や、弾性表面波素子を用いても構わない。
100、200・・・素子搭載部材
110、210・・・基板
111・・・枠体
112・・・凹部
120a、120b・・・第一電極パッド
130a、130b・・・第二電極パッド
140、240・・・外部接続電極パッド
150・・・接合材
211・・・第一枠体
212・・・第一凹部
213・・・第二枠体
214・・・第二凹部
260・・・第三電極パッド
300、350・・・第一圧電振動子(圧電デバイス)
310・・・第一圧電振動素子
313・・・第一接続電極
320、420・・・導電性接着剤
330、370、430、470、530、630・・・蓋部材
400、450・・・第二圧電振動子(圧電デバイス)
410・・・第二圧電振動素子
413・・・第二接続電極
500・・・第一圧電発振器(圧電デバイス)
540、640・・・集積回路素子
600・・・第二圧電発振器(圧電デバイス)

Claims (4)

  1. 少なくとも、
    平面視矩形で平板状の基板と、
    前記基板の上面の一方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第一電極パッドと、
    前記基板の上面の他方の短辺に沿って並んで設けられている一対の第二電極パッドと、
    を備え、
    隣り合う前記第一電極パッドの間の距離に比べ、隣り合う前記第二電極パッドの間の距離が狭くなっている、
    ことを特徴とする素子搭載部材。
  2. 請求項1記載の素子搭載部材と、
    前記第一電極パッドに対応する第一接続電極を設けた第一圧電振動素子と、
    前記素子搭載部材と接合することにより前記第一圧電振動素子を気密に封止する蓋部材と、
    を備え、
    前記第一接続電極と前記第一電極パッドとを接合することにより、前記素子搭載部材に前記第一圧電振動素子が搭載されている
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  3. 請求項1記載の素子搭載部材と、
    前記第二電極パッドに対応する第二接続電極を設けた第二圧電振動素子と、
    前記素子搭載部材と接合することにより前記第二圧電振動素子を気密に封止する蓋部材と、
    を備え、
    前記第二接続電極と前記第二電極パッドとを接合することにより、前記素子搭載部材に前記第二圧電振動素子が搭載されている
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  4. 少なくとも発振回路を搭載した集積回路素子を、前記基板の下面に搭載しており、前記第一電極パッド及び前記第二電極パッドと前記集積回路素子とが電気的に接続していることを特徴とする請求項2又は3に記載された圧電デバイス。
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