JP2019047174A - 波長切替制御装置及びプログラム並びに光通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】波長チャネルプロテクションを同時多数実施する際CPU処理を負荷分散できサービス継続性と上りユーザ帯域割当て演算の周期性処理を保証する。【解決手段】本発明の波長切替制御装置は、波長を用いて、複数の終端装置と光通信する複数の光通信手段と、上り帯域割当を周期的に行う帯域割当処理手段と、入力断波長が検出されると、入力断波長収容終端装置の上り帯域割当停止を帯域割当処理手段に指示し、入力断波長収容終端装置の収容波長切替処理の開始を、上記入力断波長収容終端装置の数に応じて調整して指示する波長切替制御手段と、入力断波長収容終端装置との間で所定の収容波長切替処理を行う収容波長切替処理手段とを備える。波長切替制御手段は、全ての入力断波長収容終端装置に対する収容波長切替処理が完了すると、上り帯域割当再開を帯域割当処理手段に指示する。【選択図】図2
Description
この発明は、波長切替制御装置及びプログラム並びに光通信装置に関し、波長多重方式を採用した光通信システムを構成する光通信装置に適用し得るものである。
非特許文献1には、PON(Passive Optical Network)回線を複数波長で多重し、広帯域化を実現する次世代光アクセスシステム(NG−PON2システム)が定義されている。NG−PON2システムでは、OLT(Optical Line Terminal)は異なる波長のPONインタフェースを複数持ち、ONU(Optical Line Unit)は送受信波長を動的に別波長へ切り替え可能な構成を持つ。
さらに非特許文献1では、NG−PON2システムの波長チャネルプロテクション動作が定義されている。図2は、NG−PON2システムにおける波長チャネルプロテクション動作を説明する説明図である。図2では、導通断となった波長1でPONリンク確立している全てのONUが、別波長Wに波長切替をする場合を例示している。
図2において、OLT1のPONインタフェース12−1の故障時に、故障波長(波長1)でPONリンク確立している全てのONU2−1〜2−Nは、故障波長(波長1)から別波長(波長W)へ切り替わることにより、PONリンク断をすることなく別波長でのサービス継続を可能としている。
なお、図2には図示していないが、波長1以外の波長でPONリンクを確立しているONUは、導通断となった波長1の波長チャネルプロテクション動作の影響を受けることなく、選択中の波長を使用したままサービスを継続する動作となる。
図3は、波長チャネルプロテクション動作時のOTL1とONU2との間の処理動作の概略を示すシーケンス図である。図3のONU2側には、非特許文献1にて定義されるONU Activation cycle state machineのONU状態および状態遷移トリガとなるT03タイマの満了を併記している。
OLT1は、PLOAMという制御メッセージで、ONU2の波長チャネルプロテクション動作を制御する。図3において、Complete_uとComplete_dがPLOAMメッセージに該当し、このPLOAMメッセージの送受信により、OLT1−ONU2間で新波長への切替完了を確認している。
OLT1は、DBA(Dynamic Bandwidth Assignment)というPONリンク単位の上りユーザトラフィックの帯域割当機能(以下では、上りユーザ帯域割当て機能とも呼ぶ。)を実装している。この出願書類では、各PONリンクの上り帯域の割当て処理を行うDBA111を「帯域割当部」とも呼ぶ。上り方向はONU2からOLT1に向けた方向であり、上り帯域は、ONU2からOLTに向けたPONリンクの帯域をいう。
DBA111は、ユーザトラフィックとPLOAMメッセージの上り帯域を周期的に算出して、各PONリンクに上り帯域を割り当てる。上りユーザ帯域割当ての周期性が乱れると、上りトラフィックのレイテンシが増大し、サービス品質が落ちるため、DBA111は定周期処理を維持する必要がある。
図3中のLOS(Loss of signal;上り信号入力断)、LODS(Loss of downstream synchronization;下り同期外れ)は、非特許文献1にて定義される監視項目であり、OLT1側でLOSを検出し、ONU2側でLODSを検出する。例えば、図2の動作例の場合、OLT1は、波長1でのLOS検出を契機に、波長チャネルプロテクション動作へ移行し、波長1でリンク確立中の全ONU2(2−1〜2−N)は、LODS検出を契機に波長チャネルプロテクション動作へ移行する。
ここで、波長チャネルプロテクション処理において、図3のOLT1での処理S10(新波長への切替処理)及び処理S20(ユーザ帯域割当開始処理)に着目する。これはS10及びS20の処理は、OLT1のCPU11(図2参照)で実装される処理である。
図4は、図3のOLT1における波長チャネルプロテクション処理を簡略化したフローチャートである。
処理S10は、新波長でのComplete_u受信(S11)、新波長へのユーザトラフィックの方路切替(S12)、新波長でのComplete_d送信(S13)等の処理を含む図3のS8に対応する処理であり、CPU処理でハードウェアの設定変更を行う。
処理S20は、上りユーザ帯域割当て演算をCPU11で周期的に行う処理である。
図5は、波長チャネルプロテクション処理を実現するOLT1のCPU11での機能構成を示すブロック図である。図5において、波長チャネルプロテクション処理部113は処理S10を行ない、DBA111は処理20を行ない、これら処理S10及び処理S20は、OLT1のCPU11で実装される処理に該当する。
図5のLOS発生検出部112は、一般的にはハードウェア処理で実現される。LOS発生検出時に、LOS発生検出部112は、該当波長で確立している全てのPONリンクに対する上りユーザ帯域割当てを停止し、波長チャネルプロテクション処理を開始する。波長チャネルプロテクション処理が完了すると、LOS発生検出部112は、DBA111に対して該当PONリンクの上りユーザ帯域割当て開始を要求する。
ITU−T G.989.3
OLTにおける波長チャネルプロテクション処理のCPU負荷について考える。同一波長でPONリンク確立しているONU2が多数存在する場合、OLT1の当該波長のPONインタフェース12でLOSを検出すると、当該PONインタフェースで収容している全てのONUについて同時に波長チャネルプロテクション処理が実施されることになり、処理S10のCPU処理負荷が高くなる。その結果、波長チャネルプロテクション動作の対象外であるONU(すなわち、故障波長ではない別波長のPONインタフェースに収容されているONU)に対して、定周期で上りユーザ帯域が割り当てられなくなる懸念が出てくる(図6参照)。
上記のように、同時に多数のONU2について波長チャネルプロテクションが動作する場合、OLT1のCPU処理負荷が増大することにより、上りユーザ帯域割当て演算のCPU定周期処理性を保証することが難しくなる。
CPU処理負荷を軽減するために、複数のCPUで処理を負荷分散させるなどハードウェア構成を含めたアーキテクチャ検討が必要となるが、実装コストを抑えつつ、又図3の処理は1つのCPUに実装することが一般的であると考えられる。
特定条件下におけるCPU処理負荷の増大に対して、CPU処理を分散させるような回避策を実装することが考えられる。例えば、図7に示すように、複数のONU2−1〜2−Nとの間の処理開始タイミングをずらして起動することにより、一斉同時処理を回避する方法もある。
しかし、波長チャネルプロテクション処理においては、次のような理由により上記対策では完全な負荷分散対策にならない。
上りユーザ帯域割当て処理のCPU定周期処理性を守るためには、定周期で起動されるS20の処理が完了して、次のS20の起動周期到来までのCPUアイドル時間に、S10の処理を実行完了する必要がある。
(1)S10の同時処理数が多いと、波長チャネルプロテクション処理の開始タイミングをずらして起動しても、先に起動して処理完了したPONリンクに対して上りユーザ帯域割当てを開始すると、CPUアイドル時間が少なくなり、後段の波長チャネルプロテクション処理がCPUアイドル時間内に収まらず(CPU負荷増大)、処理S20の周期処理タイミングに影響を及ぼす(周期処理性能が低下する)ことが懸念される(図7参照)。
(2)S10の同時処理数を少なくすれば、同時処理によるCPU負荷増大は回避可能だが、全ONUに対して波長チャネルプロテクション処理が完了するまでの時間が長くなってしまうため、波長チャネルプロテクション動作におけるサービス継続性の点で、迅速な障害復帰の有効性が失われてしまう。
そこで、本発明は、同時に多数のONUについて波長チャネルプロテクションを行なう場合でも、CPU処理を負荷分散でき、サービス継続性と、上りユーザ帯域割当て演算のCPU定周期処理性とを保証しようとするものである。
かかる課題を解決するために、第1の本発明に係る波長切替制御装置は、(1)それぞれ割り当てられた波長を用いて、複数の終端装置と光通信する複数の光通信手段と、(2)各終端装置の上り帯域割当を周期的に行う帯域割当処理手段と、(3)終端装置からの上り信号の入力断波長を検出する入力断検出手段と、(4)入力断検出手段により入力断波長が検出されると、複数の終端装置のうち、当該入力断波長で収容している入力断波長収容終端装置の上り帯域割当停止を帯域割当処理手段に指示し、入力断波長収容終端装置の収容波長切替処理の開始を、入力断波長収容終端装置の数に応じて調整して指示する波長切替制御手段と、(5)波長切替制御手段からの指示に従って、入力断波長収容終端装置との間で所定の収容波長切替処理を行う収容波長切替処理手段とを備え、(6)波長切替制御手段が、全ての入力断波長収容終端装置に対する収容波長切替処理が完了すると、入力断波長収容終端装置の上り帯域割当再開を帯域割当処理手段に指示することを特徴とする。
第2の本発明に係る波長切替制御プログラムは、それぞれ割り当てられた波長を用いて、複数の終端装置と光通信する複数の光通信手段と、終端装置からの上り信号の入力断波長を検出する入力断検出手段とを備える光通信装置に搭載されるコンピュータを、(1)各終端装置の上り帯域割当を周期的に行う帯域割当処理手段と、(2)入力断検出手段により入力断波長が検出されると、複数の終端装置のうち、当該入力断波長で収容している入力断波長収容終端装置の上り帯域割当停止を帯域割当処理手段に指示し、入力断波長収容終端装置の収容波長切替処理の開始を、入力断波長収容終端装置の数に応じて調整して指示する波長切替制御手段と、(3)波長切替制御手段からの指示に従って、入力断波長収容終端装置との間で所定の収容波長切替処理を行う収容波長切替処理手段として機能させ、(4)波長切替制御手段が、全ての入力断波長収容終端装置に対する収容波長切替処理が完了すると、入力断波長収容終端装置の上り帯域割当再開を帯域割当処理手段に指示することを特徴とする。
第3の本発明に係る光通信装置は、第1の本発明に係る波長切替制御装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、同時に多数のONUについて波長チャネルプロテクションを行なう場合でも、CPU処理を負荷分散でき、サービス継続性と、上りユーザ帯域割当て演算のCPU定周期処理性とを保証することができる。
(A)主たる実施形態
以下では、本発明の波長切替制御装置及びプログラム並びに光通信装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下では、本発明の波長切替制御装置及びプログラム並びに光通信装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の実施形態では、ITU−TG.989.3にて規定されるNG−PON2システムにおける波長チャネルプロテクションの実装方法に、本発明を適用する場合を例示する。
(A−1)実施形態の構成
この実施形態に係る光通信システム(NG−PON2システム)の全体構成とOLT1の内部構成は、基本的には従来と同様であるため、この実施形態でも図2を用いて説明する。
この実施形態に係る光通信システム(NG−PON2システム)の全体構成とOLT1の内部構成は、基本的には従来と同様であるため、この実施形態でも図2を用いて説明する。
実施形態に係る光通信システムは、ITU−TG.989.3にて規定されるNG−PON2システムを適用でき、OLT1とONU2との間で波長多重技術を採用して、例えば40Gbit/s程度の広帯域通信を実現する。
ONU2は、ユーザ側の光回線終端装置であり、OLT1と接続している光回線と、ユーザネットワークと接続しており、光回線に送受信する光信号と、ユーザネットワークに送受信するデータ(電気信号)とを相互に変換して送受信する。ONU2は、使用波長が割り当てられており、その使用波長を用いて光通信を行なう。また、NG−PON2システムに採用されているONU2は、使用波長が故障してPONリンクが導通断となった場合に、使用波長を別波長に切り替える波長チャネルプロテクション動作を行なう。
OLT1は、局側の光回線(PON回線)終端装置であり、ONU2と接続している光回線と、図示しない上位ネットワークと接続しており、光回線に送受信する光信号と、上位ネットワークに送受信するデータ(電気信号)とを相互に変換して送受信する。
図2に例示するように、OLT1は、CPU11、各割当波長を用いた光信号を光回線との間で授受する複数のPONインタフェース12−1〜12−W(「光通信手段」とも呼ぶ。)と、複数のPONインタフェース12−1〜12−Wのそれぞれと、上位ネットワークとの間で通信信号の宛先に応じてデータの方路を切り替える集線スイッチ13を有する。OLT1は、それぞれ波長が割り当てられているPONインタフェース12−1〜12−Wから送出される複数の波長を多重化したり、光回線から受波した光信号を波長ごとに分離して、各PONインタフェース部に振り分けたりする波長多重・分離部を有している。
また、OLT1におけるCPU11は、光通信システムの制御を行なうものであり、例えば、各PONインタフェース12−1〜12−Wが収容する(接続する)ONU2に対して使用波長を割り当てたり、定周期で前記ONU2に対して帯域割当てをしたり、前記ONU2と各PONインタフェース12−1〜12−Wとの間で同期外れが生じる等の故障を検出したり、故障したPONインタフェース12−1〜12−Wに収容するONU2との間で別波長に波長を切り替えるための波長チャネルプロテクション動作などを制御する。
なお、この実施形態は、OLT1のCPU11による波長チャネルプロテクション動作に関する制御(ここでは「波長切替制御方法」、若しくは、「波長切替制御処理」とも呼ぶ。)に関して特徴を有するものであり、それ以外のOLT1の制御処理は、既存技術を適用することができる。そのため、以下では、OLT1のCPU11による波長チャネルプロテクション動作に関する制御を中心に説明し、それ以外のOLT1の動作処理の詳細な説明については省略する。
図1は、実施形態に係るOLT1における波長チャネルプロテクション処理(波長切替制御装置又は波長切替制御処理とも呼ぶ。)の機能構成を示すブロック図である。
図1において、OLT1は、帯域割当手段としてのDBA111、入力断波長検出手段としてのLOS発生検出部112、収容波長切替処理手段としての複数の波長チャネルプロテクション処理部113、波長切替制御手段としてのLOSイベント処理スケジューラ115を有する。
図1において、各波長チャネルプロテクション処理部113、DBA111、LOSイベント処理スケジューラ115は、CPU11による処理(ソフトウェア処理)で実装される。LOS発生検出部112は、一般的にハードウェア処理で実施される。
DBA111は、PONリンク単位の上りユーザ帯域割当てを行なう帯域割当て機能を有しており、ユーザトラフィックとPLOAMメッセージの上り帯域を周期的に算出して、各PONリンクに上り帯域を割り当てる。DBA111による上り帯域の割当ては周期的に実施され、この周期性が乱れてしまうと、上りトラフィックのレイテンシが増大し、サービス品質が落ちるので、DBA111の周期性を維持する必要がある。DBA111の周期性の維持は、波長チャネルプロテクション動作を行なう場合も同様である。すなわち、故障波長でPONリンク確立している全てのONU2について、別波長への切替を行なうが、DBA111の周期性を維持した上で、全てのONU2との間で波長チャネルプロテクション動作を行なう必要がある。
複数の波長チャネルプロテクション処理部113はそれぞれ、論理リンクであるPONリンク毎に、波長チャネルプロテクション処理を行う。つまり、各波長チャネルプロテクション処理部113は、論理的なPONリンクで収容している各ONU2との間で、波長チャネルプロテクション処理を実施して、収容しているONU2に対して別波長への切替を実施する。
各波長チャネルプロテクション処理部113は、主として、図3のS8に対応する処理でありDBA111が周期的に実施する上りユーザ帯域割当て処理(S20)との関係では、図4に例示するように、新波長でのComplete_u受信(S11)、新波長へのユーザトラフィックの方路切替(S12)、新波長でのComplete_d送信(S13)等の処理を行う。
ここで、各波長チャネルプロテクション処理部113は、LOSイベントが通知されたLOSイベント処理スケジューラ115から指示されたタイミングで、波長チャネルプロテクション処理を実施する。
したがって、この実施形態において「収容波長切替処理」は、図3のS5、S7、S8を含む処理を意図する。より具体的に、収容波長切替処理は、故障波長とは異なる波長における上りPLOAMメッセージ帯域割当処理(図3のS5)、ONU2からの応答受信処理(図3のS7、図4のS11)、上記応答受信処理に伴う収容波長切替処理(図4のS12)、波長切替処理の完了通知の送信処理(図3のS8、図4のS13)を含む処理としている。
LOS発生検出部112は、それぞれ波長が割り当てられた各PONインタフェース12−1〜12−Wの故障を検出すると、LOSイベントをLOSイベント処理スケジューラ115に通知する。
LOSイベント処理スケジューラ115は、LOS発生検出部112からLOSイベントが通知されると、LOSが検出されたPONインタフェース12の割当波長が故障波長であると判断し、DBA111に対して故障波長で確立している全てのPONリンクの上りユーザ帯域割当を停止指示すると共に、前記PONリンクを確立している全てのONU2との間の波長チャネルプロテクション処理を起動する。
このとき、LOSイベント処理スケジューラ115は、故障したPONインタフェースが収容している全てのONU数を所定の分岐数M(M値)でグループ化し、グループ毎に、波長チャネルプロテクション処理のタイミングを時間Tごとにずらして起動させる。換言すると、LOS検出された波長(故障波長)で収容されている全てのPONリンクを分岐数(M値)ずつまとめてグループ化して、各グループの間で起動時間をT時間ずつずらして、グループ毎に波長チャネルプロテクション処理を起動する。このように、故障波長で収容している全てのPONリンク(全てのONU2)について、グループ毎に波長チャネルプロテクション処理を実施することで、OLT1のCPU111の処理負荷を分散することができる。
さらに、LOSイベント処理スケジューラ115は、全てのPONリンクに対する波長チャネルプロテクション処理の完了をもって、当該PONリンクに対する上りユーザ帯域割当て再開をDBA111に指示する。つまり、波長チャネルプロテクション処理をグループ毎に起動タイミングをずらして起動させるので、この場合、グループ単位で波長チャネルプロテクション処理が完了することになるが、LOSイベント処理スケジューラ115は、グループ単位で、上りユーザ帯域割当の再開をDBA111に指示するのではなく、全てのPONリンクに対する波長チャネルプロテクション処理が完了する待機し、全てのPONリンクの波長チャネルプロテクション処理が完了したときに、DBA111に上りユーザ帯域割当ての再開指示を行なう。
上記のように、LOSイベント処理スケジューラ115は、LOS発生検出部112、DBA111及びPONリンク単位の波長チャネルプロテクション処理部113の間で、各機能へのトリガ入力タイミングをコントロールする役割を果たす。
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係るOLT1における波長チャネルプロテクション処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
次に、実施形態に係るOLT1における波長チャネルプロテクション処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の動作説明では、図2(A)及び図2(B)に示すように、複数のPONインタフェースのうちPONインタフェース12−1に故障があり、故障波長でPONリンク確立している全てのONU2−1〜2−Nについて波長チャネルプロテクション処理を行う場合を例示する。
まず、図3を参照して、OLT1とONU2との間の波長チャネルプロテクション動作の概要を説明する。
[S1]この時点は、OLT1及びONU2の正常動作状態を示している。すなわち、OLT1とONU2の双方は、ユーザトラフィックならびにPLOAMメッセージの交換を行う正常動作状態(ONU状態:O5.1)。なお、この「ONU状態」として付与する番号は、ITU−T G.989.3に規定されるONU状態を示している。以下も同様である。
[S2]ONU2は、下りLODSを検出すると、所定タイマ(ITU−T G.989.3に規定されるTO3タイマに対応するタイマ)を起動して、LODS保護状態(ONU状態:O6)に遷移する。
[S3]ONU2は、所定タイマ(TO3タイマ)が満了すると、別波長へ波長切り替えを行い、下り同期確立待ち状態(ONU状態:O8.1)へ遷移する。
[S4]上りLOSを検出して波長チャネルプロテクション動作へ移行したOLT1は、LOSを検出した波長でPONリンク確立していた全てのONU2−1〜2−N(波長チャネルプロテクション動作対象ONU)に対して、上りユーザ帯域割当てを停止する。
このとき、後述するように、LOSイベント処理スケジューラ115には、LOS発生検出部112からLOSイベントが通知され、LOSイベント処理スケジューラ115は、DBA111に対して、LOS検出波長でPONリンクを確立している全てのONU2−1〜2−Nの上りユーザ帯域割当てを停止するように指示する。なお、波長チャネルプロテクション動作対象外のONU2については、上りユーザ帯域割当ては継続する。従って、故障波長を使用していないPONリンクについては、DBA111は、継続して周期的に、上りユーザ帯域割当てを継続する。
[S5]OLT1は、波長チャネルプロテクション動作対象であるONU2−1〜2−Nに対して、LOS検出波長とは別の波長で、上りPLOAMメッセージの帯域割当てを開始し、OLT1は、Complete_uメッセージの受信を待つ。なお、本実施形態における上りPLOAMメッセージの帯域割当てとは、ONU2が故障波長とは異なる別波長で上りPLOAMメッセージをOLT1へ送信する送信時間を、OLT1がONU2に指定することを意味する。このOLT1による送信時間の指定は、例えばOLT1からONU2へ送信される信号(フレーム)の所定領域(ITU−TG.989.3準拠であれば下りフレーム内のBWmap)に、帯域割当て情報を埋め込むことで実現される。
ここで、LOSイベント処理スケジューラ115は、波長チャネルプロテクション動作対象であるONU2−1〜2−Nについて分岐数(M値)を用いてグループ化を行ない、グループ単位で起動タイミングをずらしながら、波長チャネルプロテクション動作の起動(上りPLOAMメッセージの帯域割当て及びComplete_uメッセージの受信待ち)を指示する。
[S6]ONU2は、下り同期が確立したら、設定情報(プロファイル情報)を収集して、チャネル利用可能か否かを判断する(ONU状態:O8.2)状態へ遷移する。そして、ONU2は、ユーザトラフィックとPLOAMメッセージ送受信のための装置設定完了後にアップストリームチューニング状態(ONU状態:O9状態)へ遷移する。
[S7]ONU2は、上りPLOAMメッセージの帯域割当てタイミング(OLT1から指定された送信時間)で、Complete_uメッセージをOLT1に送信する。なお、この処理を、上記入力断波長収容終端装置からの応答処理とも呼ぶ。
[S8]Complete_uメッセージを受信したOLT1(すなわち、ONU2からの応答受信処理をしたOLT1)は、該当ONU2に対する導通設定完了後、Complete_dメッセージを送信(波長切替処理の完了通知を送信)して一連のプロテクション処理を完了させる。
ここで、既存の波長チャネルプロテクション動作では、OLT1が、新波長でComplete_dメッセージを送信した時点で、OLT1のDBA111が上りユーザトラフィックの帯域割当てを開始することになる。しかし、OLT1のCPU11が、同時に多数のONUについて上りユーザ帯域割当ての演算処理を実施することにより、CPU11の処理負荷が増大し、CPU11に実装されるDBA111の定周期処理が保証されなくなる場合がある。そこで、この実施形態では、全てのONU2−1〜2−Nに対して新波長の切替が完了した時点で(すなわち、全てのONU2−1〜2−Nに新波長でComplete_dメッセージを送信した時点で)、DBA111による上りユーザトラフィックの帯域割当てを開始する。
[S9]Complete_dメッセージを受信したONU2は、オペレーション状態(ONU状態:O5.1)へ遷移し、OLT1及びONU2の双方が、ユーザトラフィックならびにPLOAMメッセージの交換を行う正常動作状態に復帰する。
次に、実施形態に係るOLT1のLOSイベント処理スケジューラ115における処理を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図8は、実施形態に係るOLT1のLOSイベント処理スケジューラ115における処理を示すフローチャートである。
図9は、実施形態に係るOLT1のCPU11での波長チャネルプロテクション動作の概略的なイメージを示すシーケンス図である。
図8において、LOSイベント処理スケジューラ115は、LOS検出したLOS発生検出部112からLOSイベントが通知される。
LOSイベント処理スケジューラ115は、LOS検出波長に収容されている全てのPONリンクについて、上りユーザ帯域割当て停止を、DBA111に指示する(S21)。
CPU11では、割当波長毎に、PONリンク識別情報(以下では、説明を容易にするため、一例としてONU識別情報とするが、実際は論理的なPONリンク識別情報)を管理している。従って、OLT1のCPU11は、LOS検出波長で収容しているPONリンクを認識することができ、LOS検出波長に収容している全てのPONリンクを認識できる。
次に、LOSイベント処理スケジューラ115は、図9に示すように、LOS検出波長に収容されている全てのPONリンクのうち分岐数Mを1グループとして、グループごとに、T時間だけタイミングをずらしながら、波長チャネルプロテクション処理を起動する(S22)。
例えば、LOSイベント処理スケジューラ115は、図10に例示するような管理テーブル(起動タイミングテーブル)を有しており、LOS検出波長に収容されている全てのPONリンクのうち分岐数Mを1グループとし、複数のグループ化する。
ここで、分岐数Mの値および起動遅延時間Tの値は、システム毎のアーキテクチャおよび実装設計に基づいて決定されるべき値であり、値決定論理に関しては実装依存となる。
例えば、分岐数M値を大きくすると、1グループに属するPONリンク数が多くなるため、グループ単位での波長チャネルプロテクション処理の同時処理数が増大し、グループ単位でのCPU11の負荷が比較的大きくなる。一方、分岐数M値を小さくすると、1グループに属するPONリンク数が少なくなるので、グループ単位でのCPU11の負荷は比較的小さくなる。例えば、PONインタフェースが収容しているONU数が512台であるときに、128台ずつに分岐することで(すなわち、M=128台)、4つのグループにすることができる。
また例えば、起動遅延時間Tの値を大きく設定すると、波長チャネルプロテクション処理に係るグループ単位でのCPU11の処理負荷は軽減できるが、全ての波長チャネルプロテクション処理完了に時間が長くなることが予測される。一方、T値を小さく設定すると、波長チャネルプロテクション処理に係るグループ単位でのCPU11の処理負荷は大きくなるが、全ての波長チャネルプロテクション処理完了に時間が短くなることが予測される。
上記のように、分岐数Mの値と起動遅延時間Tの値をそれぞれどのような値に設定するかについては、システムの運用や実装設計に応じて適宜決定することができる。
またLOS検出波長で収容されている全てのPONリンクをM分岐する方法としては、当該波長のPONリンクは論理的に設定されているため、当該波長のPONリンクの登録順序に従ってM台ずつグループ化していき、第1グループ、第2グループ、…等のようにグループ分けするようにしてもよい。なお、当該波長の全てのPONリンクのM分岐の方法は、特に限定されるものではなく、様々な方法を広く適用できる。
例えば、図10に例示する管理テーブルでは、該当波長の全てのPONリンクをM分岐して、各PONリンク(PONリンク識別情報)にグループ番号を対応付けて管理している。また、図10の管理テーブルでは、「起動タイミング(起動遅延時間)」を管理しており、グループ単位の起動遅延時間も管理している。図10では、該当波長で収容している全てのPONリンクをM台ずつ分岐したグループのうち、第1グループの波長チャネルプロテクションの起動時を基準として、第2グループの起動遅延時間をT時間とし、…、第Kグループの起動遅延時間を((K−1)×T)時間等としている。このように、LOSイベント処理スケジューラ115は、波長チャネルプロテクション処理の起動がグループ間でずれるように管理する。なお、ここでは、第1グループの起動時刻を基準として、各グループ間の起動遅延時間Tを管理する場合を例示したが、直前のグループと今回グループとの間で、波長チャネルプロテクション処理の起動時間がT時間だけずれていればよく、上記説明に限定されるものではない。
そして、LOSイベント処理スケジューラ115は、図9に示すように、LOS検出波長に収容されている全てのPONリンクについて波長チャネルプロテクション処理が完了すると、上りユーザ帯域割当て再開をDBA111に指示する(S23)。
例えば、図10に例示する管理テーブルでは、波長チャネルプロテクション処理部113が、新波長でcomplete_dを送信したか否かを示す状態フラグを管理している。図10では、complete_d送信済みの場合を「状態フラグ:1」とし、そうでない場合を「状態フラグ:0」として管理している。
LOSイベント処理スケジューラ115は、当該波長に収容されている全てのPONリンクについて、新波長でcomplete_dの送信が完了した時点で、上りユーザ帯域割当て再開をDBA111に指示する。つまり、LOSイベント処理スケジューラ115は、全てのPONリンクについて波長チャネルプロテクション処理が完了するまで(すなわち、新波長でcomplete_dの送信が完了するまで)、上りユーザ帯域割当て再開の指示をせずに待機しており、全てのPONリンクについて波長チャネルプロテクション処理完了時に、上りユーザ帯域割当てを再開させる。これにより、CPU11に実装されるDBA111による上りユーザ帯域割当て演算の周期的な処理を保証することができる。
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、OLTが、同時に多数のONUについて波長チャネルプロテクション動作する場合でも、LOSイベント処理スケジューラによるシナリオ制御の結果、図9に示すようなCPU処理の負荷分散を実現することにより、波長チャネルプロテクションの意図するサービス継続性(すなわち、迅速なサービス復旧)と、上りユーザ帯域割当て演算のCPU定周期処理性の保証を両立することが可能となる。
以上のように、この実施形態によれば、OLTが、同時に多数のONUについて波長チャネルプロテクション動作する場合でも、LOSイベント処理スケジューラによるシナリオ制御の結果、図9に示すようなCPU処理の負荷分散を実現することにより、波長チャネルプロテクションの意図するサービス継続性(すなわち、迅速なサービス復旧)と、上りユーザ帯域割当て演算のCPU定周期処理性の保証を両立することが可能となる。
(B)他の実施形態
上述した実施形態では、NG−PON2システムに本発明を適用する場合を例示したが、OLT、ONUが波長可変機能を有するものであれば、本発明を適用することができる。
上述した実施形態では、NG−PON2システムに本発明を適用する場合を例示したが、OLT、ONUが波長可変機能を有するものであれば、本発明を適用することができる。
上述した実施形態において図10に例示した管理テーブルの構成は一例であり、図10に示した構成に限定されるものではない。LOSイベント処理スケジューラは、CPU処理負荷を軽減するために、故障波長でPONリンク確立している全てのONUの収容波長切替処理の開始タイミングを所定の分岐数毎に調整し、DBAによる上り帯域割当ての演算に係る周期性を保証するために、全てのONUに対する収容波長切替処理が完了したことを認識することができればよい。従って、LOSイベント処理スケジューラにおける管理方法は、図10に例示する管理テーブルの構成に限定されるものではなく、様々な方法を適用することができる。
1…OLT、11…CPU、12(12−1〜12−W)…PONインタフェース、13…集線スイッチ、111…DBA、112…LOS発生検出部、113…波長チャネルプロテクション処理部、115…LOSイベント処理スケジューラ、2(2−1〜2−N)…ONU。
Claims (5)
- それぞれ割り当てられた波長を用いて、複数の終端装置と光通信する複数の光通信手段と、
上記各終端装置の上り帯域割当を周期的に行う帯域割当処理手段と、
上記終端装置からの上り信号の入力断波長を検出する入力断検出手段と、
上記入力断検出手段により入力断波長が検出されると、上記複数の終端装置のうち、当該入力断波長で収容している入力断波長収容終端装置の上り帯域割当停止を上記帯域割当処理手段に指示し、上記入力断波長収容終端装置の収容波長切替処理の開始を、上記入力断波長収容終端装置の数に応じて調整して指示する波長切替制御手段と、
上記波長切替制御手段からの指示に従って、上記入力断波長収容終端装置との間で所定の収容波長切替処理を行う収容波長切替処理手段と
を備え、
上記波長切替制御手段が、全ての上記入力断波長収容終端装置に対する収容波長切替処理が完了すると、上記入力断波長収容終端装置の上り帯域割当再開を上記帯域割当処理手段に指示する
ことを特徴とする波長切替制御装置。 - 上記波長切替制御手段が、上記入力断波長収容終端装置について所定数毎にグループ化し、グループ毎に、収容波長切替処理の開始タイミングをずらして、上記収容波長切替処理手段に指示し、
上記収容波長切替処理手段が、グループ毎に開始タイミングをずらして、上記入力断波長収容終端装置との間で所定の収容波長切替処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の波長切替制御装置。 - 上記収容波長切替処理が、上記入力断波長収容終端装置からの応答受信処理、上記応答受信処理に伴う収容波長切替処理、波長切替処理の完了通知の送信処理を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長切替制御装置。
- それぞれ割り当てられた波長を用いて、複数の終端装置と光通信する複数の光通信手段と、
上記終端装置からの上り信号の入力断波長を検出する入力断検出手段と
を備える光通信装置に搭載されるコンピュータを、
上記各終端装置の上り帯域割当を周期的に行う帯域割当処理手段と、
上記入力断検出手段により入力断波長が検出されると、上記複数の終端装置のうち、当該入力断波長で収容している入力断波長収容終端装置の上り帯域割当停止を上記帯域割当処理手段に指示し、上記入力断波長収容終端装置の収容波長切替処理の開始を、上記入力断波長収容終端装置の数に応じて調整して指示する波長切替制御手段と、
上記波長切替制御手段からの指示に従って、上記入力断波長収容終端装置との間で所定の収容波長切替処理を行う収容波長切替処理手段と
して機能させ、
上記波長切替制御手段が、全ての上記入力断波長収容終端装置に対する収容波長切替処理が完了すると、上記入力断波長収容終端装置の上り帯域割当再開を上記帯域割当処理手段に指示する
ことを特徴とする波長切替制御プログラム。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の波長切替制御装置を備えることを特徴とする光通信装置。
Priority Applications (1)
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JP2017165094A JP2019047174A (ja) | 2017-08-30 | 2017-08-30 | 波長切替制御装置及びプログラム並びに光通信装置 |
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JP2022516803A (ja) * | 2019-01-11 | 2022-03-02 | 華為技術有限公司 | 光処理モジュール、及び光処理装置 |
-
2017
- 2017-08-30 JP JP2017165094A patent/JP2019047174A/ja active Pending
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