JP2014143502A - 光加入者システム及び光加入者システムの動的波長帯域割当方法 - Google Patents

光加入者システム及び光加入者システムの動的波長帯域割当方法 Download PDF

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Abstract

【課題】受信ポート17で受信した下りフレームの到着タイミングと、転送先ONU92の波長切替のタイミングが合致する場合は、波長切替中のONU92がフレーム送受信不可であることから、フレーム損となる。
【解決手段】本発明は、動的帯域割当回路に、OLTが波長の切替を指示する直後から、OLTの上位NWから受信ポートで受信して、ONUへ転送する下りフレームのうち、波長切替中のONU向けのフレームをOLTで一時的に蓄積し、波長の切替を確認した後に蓄積したフレームから転送を再開するよう指示する機能を新たに設けることとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長多重及び時分割多重を組み合わせたPON(Passive Optical Networks)における、動的波長帯域割当回路及び動的波長帯域割当方法に関する。
近年の急速なインターネットの普及に伴い、アクセスサービスシステムの大容量化、高度化、経済化が求められており、それを実現する手段としてPONの研究が進められている。PONとは、光受動素子による光合分波器を用いて、1個の局側装置及び伝送路の一部を複数ユーザで共有することにより、経済化を図る光通信システムである。
現在日本では主に、1Gbpsの回線容量を最大32ユーザで時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)によって共有するGE−PON(GigabitEthernet(登録商標) Passive Optical Network)が導入されている。これにより、FTTH(Fiber To The Home)サービスが現実に提供されるようになった。
また、より大容量の帯域ニーズに対応するため、次世代光アクセスシステムとして、総帯域が10Gbps級である10G−EPONの研究が進められており、2009年に国際標準化が完了した。これは、光ファイバなどの伝送路部分はGE−PONと同一のものを利用しながら、送受信器のビットレートを増大させることにより、大容量化を実現している。
さらなる将来には、超高精細映像サービスやユビキタスサービスなど、10Gbpsを超える大容量が求められることが考えられる。しかし今後は、単純に送受信器のビットレートを40/100G級に増大させ、システムを置き換えるだけでは、システムアップグレードにかかるコストが増大し、実用化が難しくなるという課題がある。
これを解決する手段として、帯域要求量に応じて局側装置内の送受信器を段階的に増設することができるように、送受信器に波長可変性を付加し、時分割多重(TDM)及び波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を効果的に組み合わせた波長可変型WDM/TDM−PONが報告されている(非特許文献1)。
Hirotaka Nakamura et al.,"40Gbit/s λ−tunable stacked−WDM/TDM−PON using dynamic wavelength and bandwidth allocation",OThT4,OSA/OFC/NFOEC2011,2011 Michael P.McGarry et al.,"WDM Ethernet(登録商標) Passive Optical Networks",Communications Magazine,IEEE,vol.44,No.2,pp.15−22,2006 Kenji Sato et al,"Wideband External Cavity Wavelength−Tunable Laser Utilizing a Liquid−Crystal−Based Mirror and an Intracavity Etalon",Journal of Lightwave Technology,IEEE,Vol.25,No.8,pp.2226−2232,2007 "IEEE Std, Local and metropolitan area networks Part 3:Carrier sense multiple access with Collision Detection (CSMA/CD) Access Method and Physical Layer Specifications(IEEE std 802.3)",Clause 64,IEEE Computer Society,2008
ONU(Optical Network Unit:加入者装置)に対して複数波長を総合したシステムとしての総帯域、特に上りの総帯域を効率良く分配するべく、動的に波長を切替えて帯域を割り当てる動的波長帯域割当(DWBA:Dynamic Wavelength and Bandwidth Allocation)技術が提案されている。(例えば非特許文献2参照。)。
DWBA技術は、たとえば非特許文献2のように、局側装置(OLT:Optical Line Terminal)からの指示によって、ONUが時間的に波長を切替える、すなわちONUの光送受信器の送信波長および受信波長を変える。したがって、たとえば非特許文献3に示すような技術を用いて光送受信器を構成した場合、そのONUの切替遷移中は、当該ONUは信号の送受信が不可能になる。このONUが送受信波長を切替えている最中に、OLTから当該ONUへの下りフレームが到着すると、そのフレームは当該ONUで受信されず、フレーム損が発生することになる。
上記説明した問題の発生を、図を用いて説明する。
図8にDWBAを用いた波長可変型WDM/TDM−PONシステム、およびそれを構成する局側装置(OLT)と加入者装置(ONU)の構成例を示す。OLT91とONU92間はパワースプリッタまたは波長ルータなどの光合分岐回路93を用いたpoint−to−multipoint構成のPONトポロジで接続される。
OLT91にはONU1〜ONUnのn台のONU92が接続され、それぞれのONU92はλ1〜λmの波長を用いて送受信する。ONU92はOLT91からの指示に従ってλ1〜λmの波長を切替えて送受信することができる。ただし、本発明では上り下り同一波長を用いて通信を行うことが可能であるシステムを用いて説明するが、本発明は上り波長と下り波長が異なっていてもよい。例えば、上り、下りを波長多重させ、上り波長λ1、下り波長λm+1〜上り波長λm、下り波長λ2mのm種類の組み合わせを切替えて通信を行うこととしてもよい。各ONU92には設置されるユーザ宅の通信装置からの上りフレームが入力され、ONU92内部の光送受信器から送信される。上りフレームは光合分岐回路93からOLT91に向けて多重されるため、上りフレームが衝突しないよう各ONU92が送信する上りフレームの波長、送信時刻、送信継続時間をOLT91(具体的には動的波長帯域割当回路12)が算出し、制御する。
OLT91は各λ1〜λmの波長を送受信するラインカード(LC:Line Card)LC1〜LCmと動的波長帯域割当回路12、宛先対応テーブル13、読み出し選択制御回路14、受信ポート17で構成され、LC1〜LCmはONU92から送信される各波長の上りフレームを受信し、上位NW94へ出力する。また、上位NW94からの下りフレームは、受信ポート17から選択回路15によってフレームの宛先に応じた転送先ONU92が所属するLC11へ転送される。
動的波長帯域割当回路12は、各ONU92から送信された帯域要求を含んだReport信号を各LC11を通じて受信し、その要求に基づいて各ONU92に割当てる上りフレームおよびReport信号の送信時刻、送信継続時間を算出し、その情報を格納したGate信号を切替指示信号生成部(不図示)で生成し、制御信号送信部(不図示)から各LC11を通じて各ONU92へ送信する。また、動的波長帯域割当回路12は、受信したReport信号の情報等から、ONU92の所属するLC11を変更する、すなわちONU92の送受信波長を切替えると判断した場合は、Gate信号に波長切替情報(たとえば切替先波長等)を記載してONU92へ送信する。
また動的波長帯域割当回路12は、ONU92の所属するLC11を切替えるためのONU92の波長切替と同時に、下りフレームの転送先LC11を変更する。具体的には、宛先対応テーブル13に記載されている、下りフレームの識別子と転送先LC11の対応関係を変更する。
バッファメモリ16は、受信ポート17から受信した下りフレームを一時的に蓄積する。
読み出し選択制御回路14は、バッファメモリ16を監視し、フレームが格納されていれば先頭にあるフレームの識別子を読み取り、宛先対応テーブル13に記載の識別子とLC11の対応関係を参照し、下りフレームを対応するLC11へ転送する方路を選択回路15に指示する。選択回路15は読み出し選択制御回路14の指示に従って転送先LC11の方路を切替え、バッファメモリ16から送られるフレームをLC17へ転送する。
宛先対応テーブル13は、下りフレームの識別子と転送先LCの対応関係を管理する表である。図9に関連発明における宛先対応テーブルの例を示す。LLID(Logical Link IDentifier)は非特許文献4に記載の、OLT91と各ONU92への論理的な通信路を識別するための識別子である。図8におけるONU1〜ONUnに対し、それぞれ1〜nのLLID識別子が付与されているとする。転送先LCの列は、その時点でONU92が所属しているLC11を示している。動的波長帯域割当回路12は、ONU92の波長切替と同時にこの転送先LCを書き換えることで、下りフレームの転送先を変更する。VID(VLAN−ID:Virtual Local Area Network IDtentifier)は下りフレームに記載のユーザ識別子である。図9のテーブル例では上位NWとしてEthernet(登録商標)を想定しており、VIDは例えばONU92の下部に接続されるユーザ毎のEthernet(登録商標)フレームに付与される。図9の宛先対応テーブル13は、上位NW94から受信する下りフレームのVIDをLLIDとLC11に対応づけることで、下りフレームの転送先ONU92を指定している。
図10にONUの構成を示す。
ONU92はデータ受信部21、バッファメモリ22、フレーム送出制御部23、フレーム組立送信部24、波長可変光送受信器25、要求帯域計算部26、要求帯域信号生成部27、フレーム送出及び波長制御信号受信部28、波長切替制御部29から構成される。ユーザからの上りフレームはデータ受信部21で受信され、バッファメモリ22内に一時的に蓄積される。フレーム送出制御部23はGate信号によって指定された上りフレームの送信時刻および送信継続時間に従って、上りフレームをフレーム組立送信部24に送る。フレーム組立送信部24はPON構成でOLT91に信号を送信するために必要なフレーム形式を構成し、波長可変光送受信器25に送る。波長可変光送受信器25は波長切替制御部29で指定された波長λ1〜λmのいずれかで光信号に変換しOLT91へ送信する。
波長可変光送受信器25はOLT91からのGate信号を受信して電気信号に変換し、フレーム送出及び波長制御信号受信部28へ送る。フレーム送出及び波長制御信号受信部28はGate信号の指示を解析し、Gate信号に波長切替指示、切替後の波長、切替開始時刻が含まれていれば、指定された時刻に切替先波長と切替指示を波長切替制御部29に送る。波長切替制御部29は前記波長切替制御に従って波長可変光送受信器25の波長を切替える。
また、Gate信号にはONU92の要求する帯域をReport信号としてONU92から送信するよう指示する情報が含まれる。フレーム送出及び波長制御信号受信部28はReport信号送出を要求するGate信号を受信すると、要求帯域信号生成部27へReport信号の生成を指示する。要求帯域信号生成部27は要求帯域計算部26に要求する帯域を算出するよう指示する。要求帯域信号計算部26はバッファメモリ22に蓄積されている上りフレームのデータ量を監視、計測しており、そのデータ量に基づき要求帯域量を決定し、要求帯域信号生成部27へ要求帯域量を送る。要求帯域信号生成部27は要求量を含んだReport信号を生成し、フレーム送出制御部23に送る。
前記Gate信号はReport信号の送出時刻および送信量の情報が含まれている。フレーム送出及び波長制御信号受信部28はフレーム送出制御部23にGate信号に含まれていたReport信号の送出時刻および送信量の情報を送り、フレーム送出制御部23は指示された時刻にReport信号をフレーム組立送信部24に送り、波長可変光送受信器25を介してOLT91へReport信号を送信する。
また、OLT91から送信されるGate信号にはONU92が受信した上りフレームを送信する時刻およびデータ量が含まれている。フレーム送出及び波長制御信号受信部28はフレーム送出制御部23にGate信号に含まれていた上りフレームの送出時刻および送信量の情報を送り、フレーム送出制御部23は指示された時刻に上りフレームをバッファメモリ22から送信量を超えないデータ量のフレームを取り出し、フレーム組立送信部24に送り、波長可変光送受信器25を介してOLT91へReport信号を送信する。
図11に、関連発明におけるDWBAの動作例を示す。図11では、当初ONU1、ONU2、ONUnはLC1の波長λ1を用いて通信しており、周期T_dwba_iにONUnがLC2の波長λ2を用いて通信するよう波長を切替えることを想定し、上り、下りの制御フレームおよびデータフレームの時間的な送受信の様子を示している。周期T_dwba_iとはDWBAのi番目の周期において、その1周期の時間を表すとする。
受信ポート17の時間軸を示す矢印においては下側に受信した下りフレームを示す。OLT91の時間軸を示す矢印においては、上側にONU92からの受信フレーム、下側に送信フレームのタイミングを示す。OLT91から送信された信号は光ファイバを介してONU92で受信される。ONUnはPONトポロジの中で一番遠くの距離にあるONU92とする。ONU92の時間軸を示す矢印においては、上側にフレームの送信タイミング、下側にフレームの受信タイミングを示している。
まず、ONU92からの上りフレームの送信手順について説明する。
OLTは各ONUに対しReport信号および上りフレームの送信時刻および送信継続時間を指示したGate信号を送信する。ONUn向け、周期iのGate信号をgn_iと表記する。各ONUはg1_i−1〜gn_i−1を受信すると、Gate信号に指示された時刻に、OLTに要求する帯域情報(例えばONUに蓄積されている上りフレーム用バッファのデータ量等)をReport信号(rep1_i〜repn_i)としてOLTへ送出する。当該Report信号を送信する時刻は、Gate信号g1_i−1〜gn_i−1で指示されており、Report信号がOLTで衝突しないよう伝搬時間を考慮して計算される。また、上りフレームの送信時刻と送信継続時間もg1_i−1〜gn_i−1に含まれており、各ONUは指定の時刻に上りフレーム(図示せず)をOLTへ送信する。
OLTは各ONUから受信したReport信号(rep1_i〜repn_i)に記載されている帯域要求に基づき、上りフレームをそれぞれのONUがどの時刻に、どの時間送出するかの割当を計算する。また、次の周期のReport信号(rep1_i+1〜repn_i+1)を送信する時刻も計算する。それらの計算結果をGate信号(g1_i〜gn_i)に入れ、各ONUへ送信する。g1_i〜gn_iを受信した各ONUは再びReport信号(rep1_i+1〜repn_i+1)と上りフレームを指定された時刻に送信する。
次に、OLT91からの下りフレームの送信手順について説明する。
上位NWからOLTの受信ポート17に到着した各ONUへの信号(d1_1〜dn_1)はOLTの宛先対応テーブルに記載のONUと下りフレームの識別子の対応に従って、各LCへ転送される。図11においてはd1_1〜d2_3まではLC1へ転送される。LC1〜LCmはそれぞれ割り当てられた波長λ1〜λmで下り信号を送信する。PONシステムにおいては、下り信号は同報され、受信した各ONUが自宛のフレームを選択して受信する。
OLTは周期T_dwba_iのReport信号受信やその直後の割当て計算時間等で波長の切替を判断すれば、Gate信号に波長切替指示を記載してONUに送信する。図11においては、ONUnをLC1(すなわち波長λ1)からLC2(すなわち波長λ2)へ変更(切替)する場合を示す。この時、波長の切替を判断したOLTは、ONUnへ転送されるフレームの識別子をLC2へ転送するよう宛先対応テーブルを書き換える。したがって、下りフレームdn_3以降はLC2へ転送される。
ONUnはλ2への波長切替指示を受信した後、波長の切替を開始する。波長切替には最大T_lmaxの時間を要するとし、切替は送信器の発振波長や、受信器の透過波長を変更するため、波長切替中は信号の送受信が不可能となる。一方で、下りフレームは、フレームの送信元がONUの波長切替の発生まで考慮して送信しないため、dn_3フレームに示すように、波長切替中に下り信号がONUに到着し、結果フレーム損が発生することになる。
以上説明した通り、受信ポート17で受信した下りフレームの到着タイミングと、転送先ONU92の波長切替のタイミングが合致する場合は、波長切替中のONU92がフレーム送受信不可であることから、フレーム損となる。この課題を解決するための手段が必要である。
そこで本発明は、動的帯域割当回路に、OLTが波長の切替を指示する直後から、OLTの上位NWから受信ポートで受信して、ONUへ転送する下りフレームのうち、波長切替中のONU向けのフレームをOLTで一時的に蓄積し、波長の切替を確認した後に蓄積したフレームから転送を再開するよう指示する機能を新たに設けることとした。
また別の方法では、OLTが波長の切替を指示する直後から一定時間の間、フレームの転送を停止してOLTへ蓄積し、その一定時間が過ぎてから、蓄積した下りフレームから転送を再開するよう指示する手順を新たに設けることとした。
具体的には、本発明の光加入者システムは、
複数の加入者装置と単一の局側装置とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行う光加入者システムであって、
前記局側装置は、所定の周期ごとに前記加入者装置からの要求に応じて、要求元の加入者装置の送信する信号が干渉しないよう要求元の加入者装置毎に波長を割当てる動的波長帯域割当回路を備え、
前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置の波長の切替を行う場合は、該当加入者装置へ波長切替指示を送出し、当該波長切替指示を契機に当該加入者装置への信号送出を停止して局側装置に蓄積するよう指示し、加入者装置の波長切替完了を契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示することを特徴とする。
具体的には、本発明の局側装置は、
複数の加入者装置と単一の局側装置とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行う光加入者システムの前記局側装置であって、
所定の周期ごとに前記加入者装置からの要求に応じて、要求元の加入者装置の送信する信号が干渉しないよう要求元の加入者装置毎に波長を割当てる動的波長帯域割当回路を備え、
前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置の波長の切替を行う場合は、該当加入者装置へ波長切替指示を送出し、当該波長切替指示を契機に当該加入者装置への信号送出を停止して局側装置に蓄積するよう指示し、加入者装置の波長切替完了を契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示することを特徴とする。
また、本発明の局側装置は、
制御信号を除く加入者装置への下り信号を一時的に蓄積するバッファ回路と、
加入者装置毎に信号送出が停止中か否かを示す宛先対応表と、
前記宛先対応表を参照して、信号送出が停止中でない加入者装置宛の下り信号をバッファ回路から取り出して加入者装置へ転送する読み出し選択回路と、
をさらに備え、
前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置の波長の切替を行う場合は、当該加入者装置が波長変更を行う間、当該加入者装置への信号を前記バッファ回路に蓄積させ、当該加入者装置への信号送出が停止中であることを前記宛先対応表へ記載し、当該加入者装置の波長切替完了を契機に、当該加入者装置への信号送出が停止中でないことを宛先対応表へ上書きし、前記バッファ回路に蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう前記読み出し選択回路へ指示してもよい。
また、本発明の局側装置は、前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置から切替後の波長で送信される波長切替完了の通知を受信し確認したことを契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者層装置への信号送出を再開するよう指示してもよい。
また、本発明の局側装置は、前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置が波長の切替えを完了する波長切替完了時間を計算し、信号送出の再開によって局側装置から送出された信号が当該加入者装置における波長の切替の完了直後に当該加入者装置に到達するように、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示してもよい。
また、本発明の局側装置は、前記波長切替指示は加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、停止した加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記波長切替開始時刻から、当該波長切替指示を加入者装置が受信してから加入者装置が波長の切替を開始するまでの時間と加入者装置における波長の切替に要する時間の和を経過した時刻としてもよい。
また、本発明の局側装置は、前記波長切替指示は、加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、当該波長切替開始時刻を、当該加入者装置への信号送出を停止し信号蓄積を開始する時刻に、局側装置内に滞留していた当該加入者装置への信号を送出する時間および波長切替指示が加入者装置へ到達する時間を経過した時刻とし、当該加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記信号蓄積開始時刻から、加入者装置における波長の切替に要する時間を経過した時刻としてもよい。
具体的には、本発明の動的波長帯域割当方法は、
複数の加入者装置と単一の局側装置とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行う光加入者システムの前記局側装置に設けられ、所定の周期ごとに前記加入者装置からの要求に応じて、要求元の加入者装置の送信する信号が干渉しないよう要求元の加入者装置毎に波長を割当てる動的波長帯域割当方法であって、
加入者装置へ波長切替指示を送出する波長切替指示送出手順と、
当該波長切替指示の送出直後に、当該加入者装置への信号送出を停止して局側装置に蓄積するよう指示する蓄積手順と、
当該加入者装置の波長切替完了の直後に、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示する送出再開手順と、
を有する。
また、本発明の動的波長帯域割当方法は、
前記波長切替指示送出手順において、波長切替指示を送出した加入者装置への信号送出が停止中であることを宛先対応表へ記載し、
前記蓄積手順において、当該加入者装置が波長変更を行う間、当該加入者装置への信号をバッファ回路に蓄積し、
前記送出再開手順において、当該加入者装置への信号送出が停止中でないことを宛先対応表へ上書きし、前記バッファ回路に蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう読み出し選択回路へ指示してもよい。
また、前記送出再開手順は、加入者装置から切替後の波長で送信される波長切替完了の通知を局側装置が受信し確認したことを契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者層装置への信号送出を再開してもよい。
また、前記送出再開手順は、加入者装置が波長の切替えを完了する波長切替完了時間を局側装置が計算し、信号送出の再開によって局側装置から送出された信号が当該加入者装置における波長の切替の完了直後に当該加入者装置に到達するように、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示してもよい。
また、前記波長切替指示は加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、停止した加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記波長切替開始時刻から、当該波長切替指示を加入者装置が受信してから加入者装置が波長の切替を開始するまでの時間と加入者装置における波長の切替に要する時間の和を経過した時刻としてもよい。
また、前記波長切替指示は、加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、当該波長切替開始時刻を、当該加入者装置への信号送出を停止し信号蓄積を開始する時刻に、局側装置内に滞留していた当該加入者装置への信号を送出する時間および波長切替指示が加入者装置へ到達する時間を経過した時刻とし、当該加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記信号蓄積開始時刻から、加入者装置における波長の切替に要する時間を経過した時刻としてもよい。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、波長切替中にはOLTから波長切替中のONUへ下りフレームが転送されないため、送受信が行えない波長切替中に、当該ONUへ下りフレームが到達することによるフレームの欠落が生じない。
また、加入者装置の波長切替完了を確認してから下りフレームの送信を再開するため、波長切替動作に時間がかかり、波長切替完了が遅れた場合においても、波長切替後に下りフレームがONUの送達される確実性を高めることができる。
さらに、切替中に通信が行えないONUへの下りフレームを一時停止するため、他のONUに波長切替による影響を及ぼすことなく、その他のONUへの下りフレーム転送は継続することができる。
したがって、本発明によれば、受信ポート17で受信した下りフレームの到着タイミングと、転送先ONU92の波長切替のタイミングが合致する場合に、当該ONU92へ下りフレームが到達することによるフレームの欠落を防ぐことができる。
本発明の第1の実施形態における全体構成とOLT構成図である。 本発明の第1および第2の実施形態における宛先対応テーブルの構成図である。 本発明の第1の実施形態における制御信号および下りフレームの転送と波長切替のシーケンス図である。 本発明の第1および第2の実施形態における下りフレーム読み出し選択制御フローチャートである。 本発明の第2の実施形態における全体構成とOLT構成図である。 本発明の第2の実施形態における制御信号および下りフレームの転送と波長切替のシーケンス図である。 本発明の第3の実施形態における制御信号および下りフレームの転送と波長切替のシーケンス図である。 関連発明における波長可変型WDM/TDM−PONシステムの構成図である。 関連発明における宛先対応テーブルの構成図である。 関連発明におけるONUの構成図である。 関連発明における制御信号および下りフレームの転送と波長切替のシーケンス図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
本発明に係る光加入者システムは、複数のONU92(加入者装置)と単一のOLT91(局側装置)とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行うシステムであり、例えば、波長可変型WDM/TDM−PONシステムである。動的波長帯域割当回路は、波長可変型WDM/TDM−PONシステムを構成するOLT91に設けられ、所定の周期ごとにONU92からの要求に応じて、要求元のONU92の送信する信号が干渉しないよう要求元のONU92毎に波長を割当てる。波長可変型WDM/TDM−PONシステムは、複数のONU92と単一のOLT91とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行う。
本発明に係る動的波長帯域割当方法は、動的波長帯域割当回路において、波長切替指示送出手順と、蓄積手順と、送出再開手順と、を順に有する。
波長切替指示送出手順では、ONU92へ波長切替指示を送出する。
蓄積手順では、波長切替指示の送出直後に、対象ONU92への信号送出を停止してOLT91に蓄積する。
送出再開手順では、対象ONU92の波長切替完了の直後に、指示によって蓄積した対象ONU92への信号送出を再開する。
(実施形態1)
図1は本発明の第1の実施形態における波長可変型WDM/TDM−PONシステム、およびそれを構成する局側装置(OLT)と加入者装置(ONU)の構成図である。本実施形態に係る波長可変型WDM/TDM−PONシステムは、OLT91と、ONU92と、OLT91とONU92をPONトポロジで接続する光伝送路を備える。OLT91とONU92は、パワースプリッタまたは波長ルータなどの光合分岐回路93を用いたpoint−to−multipoint構成のPONトポロジで接続される。
OLT91は、宛先対応表として機能する宛先対応テーブル13と、バッファ回路として機能するバッファメモリ16と、LC11と、動的波長帯域割当回路12と、読み出し選択制御回路14と、選択回路15と、受信ポート17を備える。動的波長帯域割当回路12が本発明に係る動的波長帯域割当回路として機能する。ただし、本発明に係る動的波長帯域割当回路は、宛先対応テーブル13と、バッファメモリ16と、読み出し選択制御回路14と、選択回路15と、の各機能を備えていてもよい。
本実施形態に係る波長可変型WDM/TDM−PONシステムは、図7に示すシステムと比較して、動的波長帯域割当回路12が対象ONU92に対して、下りフレームの読み出し停止の指示と読み出し再開の指示を伝達する点が異なる。また、受信ポート17で受信した下りフレームはONU92に対応するLLID毎にバッファメモリ16で蓄積することとする。
動的波長帯域割当回路12は、関連発明と同様に、各ONU92から送信された帯域要求を含んだReport信号を各LC11を通じて受信し、その要求に基づいて各ONU92に割当てる上りフレームおよびReport信号の送信時刻、送信継続時間を算出し、その情報を格納したGate信号を切替指示信号生成部(不図示)で生成し、制御信号送信部(不図示)から各LC11を通じて各ONU92へ送信する。また、受信したReport信号の情報等から、ONU92の所属するLC11を変更する、すなわちONU92の送受信波長を切替えると判断した場合は、Gate信号に波長切替情報(たとえば切替先波長等)を記載してONU92へ送信する。また、ONU92の所属するLC11を切替えるためのONU92の波長切替と同時に、下りフレームの転送先LC11を変更する。具体的には、宛先対応テーブル13に記載されている、下りフレームの識別子と転送先LCの対応関係を変更する。
本実施形態の動的帯域割当回路における関連発明との差分は、波長切替指示をGate信号としてONU92に送信すると同時に、該当ONU92に割り当てられたLLID宛のフレームを転送しないよう読み出し選択制御回路14へ指示すること、およびONUから波長切替完了の通知を受け取ると同時に、該当ONU92に割り当てられたLLID宛のフレーム転送を再開するよう読み出し選択制御回路14へ指示する機能を具備している点である。
本実施形態では動的波長帯域割当回路12はOLT91の内部に1つの機能ブロックとして存在するが、上記に示した機能を全体で発揮するのであれば、その機能の一部が各LC1〜LCmに分散して存在してもよい。例えば、Gate信号やReport信号の送受信、波長を切替えない場合の帯域割当て計算などは各LCが個別に有していてもよい。
バッファメモリ16は、受信ポート17から受信した下りフレームを宛先LLID毎に一時的に蓄積する。
読み出し選択制御回路14は、関連発明と同様に、バッファメモリ16を監視し、フレームが格納されていれば先頭にあるフレームの識別子を読み取り、宛先対応テーブル13に記載の識別子とLCの対応関係を参照し、下りフレームを対応するLC11へ転送する方路を選択回路15に指示する。関連発明との差分は、宛先対応テーブル13に“波長切替中”フラグが設定されていた場合は、対象LLIDのバッファメモリ16からはフレームの読み出しを行わない機能を新たに有することである。また、本実施形態における各LLIDのフレーム読み出し順序は、概ね公平性が得られかつ高速処理が可能なラウンドロビンを用いることとするが、LLIDの優先度に応じて読み出し順を変えるなどのQoS制御も適用可能であり、本発明を構成する要件ではない。
選択回路15は関連発明と同様に、読み出し選択制御回路14の指示に従って転送先LCの方路を切替え、バッファメモリ16から送られるフレームをLCへ転送する。
図2に本発明の第1の実施形態における宛先対応テーブルの例を示す。図10におけるONU1〜ONUnに対し、それぞれ1〜nのLLIDが付与されているとする。転送先LCの列は、その時点でのONUが所属しているLCを示している。動的波長帯域割当回路12が、ONUの波長切替と同時にこの転送先LCを書き換えることで、下りフレームの転送先を変更する。
本実施形態の宛先対応テーブルでは、上位NW84としてEthernet(登録商標)技術を想定しており、識別子はONU92の下部に接続されるユーザそれぞれに異なるVIDが付与される。図8の宛先対応テーブルは、上位NW84から受信するVIDをLLIDと転送先LCに対応づけることで、下りフレームの転送先ONUを指定している。
また、本実施形態の宛先対応テーブルでは、当該ONUが波長切替中かどうかを示す列を有し、テーブルを参照すれば、該当LLIDのONUが波長切替中かどうかを判別することができる。
本実施形態では、下りフレームの転送先を示す識別子としてVIDを用いた場合を示しているが、識別子はVLAN−IDに限るものではない。他の方法でフレームの転送先を表す識別子を付与する場合は、OLT91がその識別子とLLIDを関連付ける設定を宛先対応テーブル13に設定することで対応できる。
本発明の実施形態におけるONU92の構成は関連発明に示した図9と同様である。
次に本実施形態の波長可変型WDM/TDM−PONシステムの動作を説明する。
図3に本実施形態におけるDWBAの動作例を示す。当初ONU1、ONU2、ONUnはLC1の波長λ1を用いて通信しており、周期T_dwba_iにONUnがLC2の波長λ2を用いて通信するよう波長を切替えることを想定し、上り、下りの制御フレームおよびデータフレームの時間的な送受信の様子を示している。周期T_dwba_iとはDWBAのi番目の周期において、その1周期の時間を表すとする。
受信ポート17の時間軸を示す矢印においては下側に受信した下りフレームを示す。OLTの時間軸を示す矢印においては、上側にONUからの受信フレーム、下側に送信フレームのタイミングを示す。OLTから送信された信号は光ファイバを介してONUで受信される。ONUnはPONトポロジの中で一番遠くの距離にあるONUとする。ONUの時間軸を示す矢印においては、上側にフレームの送信タイミング、下側にフレームの受信タイミングを示している。
上り信号の制御信号(Gate信号、Repoort信号)の送受信および上りフレームの転送シーケンスについては関連発明と同様である。
次に、下りフレームの送信手順について説明する。
上位NW94からOLT91の受信ポート17に到着した各ONU92への信号(d1_1〜dn_1)はOLT91の宛先対応テーブル13に記載のONU92とフレームの識別子の対応に従って、各LC11へ転送される。図3においてはd1_1〜d2_3まではLC1へ転送される。LC11はそれぞれ割り当てられた波長で各ONU92へ下り信号を送信する。
動的波長帯域割当回路12は周期T_dwba_iのReport信号受信やその直後の割当て計算時間等で波長の切替を判断すれば、Gate信号に波長切替指示を記載してONUに送信する。図3においては、ONUnをLC1(すなわち波長λ1)からLC2(すなわち波長λ2)へ変更(切替)する場合を示す。この時、波長の切替を判断した動的波長帯域割当回路12は、ONUnへ転送されるフレームの識別子をLC2へ転送するよう宛先対応テーブル13を書き換え、宛先対応テーブル13のONUn(すなわちLLID=n)に相当する行の波長切替の列を、“波長切替中”に変更する。また、ONUnの転送を止めるために、転送を停止するよう読み出し選択制御回路14へ指示する。読み出し選択制御回路14は宛先対応テーブル13を参照し、ONUnへの転送は行わないように変更して転送動作を継続する。
ONUnはλ2への波長切替指示を受信した後、波長の切替を開始する。ONUnにおいて波長切替が完了するまでにはT_lmaxの時間を要するとし、波長切替は送信器の発振波長や受信器の透過波長を変更するため、信号の送受信が不可能となる。この間、ONUnへの下りフレームは転送されず、OLT91のバッファメモリ16のLLID=nに相当するキューに蓄積される。したがって、関連発明で生じたような、波長切替中に下り信号がONUnに到着することで生じるフレーム損は発生しない。
ONUnはλ2への波長切替えを完了した後に、λ2でReport信号repn_i+1をLC2へ送信する。それを受信したLC2はその信号を動的波長帯域割当回路12へ伝達する。動的波長帯域割当回路12は、そのrepn_i+1の受信をもってONUnの波長切替えを完了したと認識し、ONUnへの転送を再開する。具体的には、動的波長帯域割当回路12が、宛先対応テーブルのONUn(LLID=n)の行、波長切替の列にある波長切替中フラグを“なし”に変更し、読み出し選択制御回路14へ転送再開を指示する。読み出し選択制御回路14は宛先対応テーブル13を参照し、ONUnへの転送を行ってもよいことを認識し、LLID=nのバッファ16からフレームを読みだすことを再開する。
本実施形態では、ONUnがReport信号repn_1+1をLC2へ送信し、LC2がそのReport信号を正しく受信したことを以て波長の切替を完了したと認識する。しかし、その確認手順は一例であって、ONUnの波長切替完了をLC2が認識する情報交換手順を有し、その確認後にOLT91からの下り信号転送を再開するのであれば、本発明はその手順を問わない。
図4は第1の実施形態における読み出し選択制御回路14のフレーム転送のフローチャートを示している。本フローチャートは、各LLIDのフレームを概ね公平かつ高速に振り分けるラウンドロビン動作と、波長切替中のONU92へは転送を停止し、それ以外のフレームを適切なLCへ転送する振り分け動作に分けられる。具体的には、
1)まず、あるLLIDに対するバッファにフレームがあるかを確認する(S102)。
フレームがない場合(S102においてNo)は、当該LLIDのフレーム転送動作をスキップし、手順3)へ移行する。
フレームがある場合(S102においてYes)は、手順2)へ移行する。
2)宛先対応テーブルを参照し、該当LLIDすなわち該当ONUが波長切替中かどうかを確認する(S103)。これは図2に記載の宛先対応テーブルにおいて、該当するONUの行で波長切替の列の欄を参照すればよい。
2−1)波長切替中であれば(S103においてYes)、該当LLIDのフレームの転送を行わず、手順3)へ移行する。
2−2)波長切替中でなければ(S103においてNo)、該当ONUを宛先とするフレームを宛先対応テーブル13から読み出し(S104)、宛先対応テーブル13に記載のLCへフレームを転送するよう選択回路15を設定し、宛先対応テーブル13に記載のLCへ転送し、手順3)へ移行する。
3)次のLLIDのバッファへ移動する(S107)。すなわち、読み出し中のLLIDが最大値(i=n)であれば、LLIDの値を初期化(i=1)とし(S108)、最大値でなければ1増やす(S109)。
4)手順1)に戻る。
以降、これを繰り返すことで、波長切替中は当該ONUへフレームの転送することなく通信を行うことが可能となる。
なお、本実施形態ではLLIDの選択方法についてラウンドロビンを用いたが、本発明は選択LLIDが波長切替中かどうかを特定できればLLIDの選択方法に依存しない。例えば、図4のS101、S107、S109、S108においてはiをインクリメントさせてLLIDを選択したが、iの値は任意に変更させることができる。
本実施形態によって、関連発明に比べ、以下の効果が期待できる。
まず、本実施形態では波長切替中にはONU92へ下りフレームを転送しないため、送受信が行えない波長切替中に、当該ONU92へ下りフレームが到達することによるフレームの欠落が生じない。
また、波長を切替える時間T_lmax後に波長切替完了を表すReport信号を送信するため、波長の切替を動的波長帯域割当回路12が確認してから下フレームの送信を再開することになる。もし、波長切替動作に時間がかかり、切替完了Report信号が遅れた場合においても、バッファメモリ16を十分に確保すれば波長切替を待つことができる。これは、波長切替後に下りフレームがONU92の送達される確実性を高める効果がある。
さらに、本実施形態は波長切替を行うONU92へのフレームのみをバッファリングし、波長切替中のその他のONU92への下りフレーム転送は継続される。波長切替中はPONシステムにおけるすべてのONU92や、該当波長(実施形態でいうλ2)のすべてのONU92の送受信を停止して切替えるという方法も考えられるが、その際はトラフィックの停止による影響が波長を切替えないONU92へも波及することになる。本実施形態ではもともと切替中に通信が行えないONU92への下りフレームを一時停止するため、他のONU92へ波長切替えによる影響なく、その他のONUへの下りフレーム転送は継続することができる。
(実施形態2)
図5は本発明の第2の実施形態における波長可変型WDM/TDM−PONシステム、およびそれを構成する局側装置(OLT)と加入者装置(ONU)の構成図である。
関連発明の図7と比較して、動的波長帯域割当回路12が対象ONUへの下りフレーム読み出し停止の指示と読み出し再開の指示を伝達する信号線およびタイマ1〜nのタイマ18、動的波長帯域割当回路12からタイマ18までの信号線及びタイマ18から宛先対応テーブル13への信号線が追加されている。また、本実施形態のバッファメモリ16は、受信ポートで受信した下りフレームはONU92に対応するLLID毎にバッファメモリ16で蓄積することとする。
動的波長帯域割当回路12は、関連発明と同様に、各ONU92から送信された帯域要求を含んだReport信号を各LC11を通じて受信し、その要求に基づいて各ONU92に割当てる上りフレームおよびReport信号の送信時刻、送信継続時間を算出し、その情報を格納したGate信号を切替指示信号生成部(不図示)で生成し、制御信号送信部(不図示)から各LC11を通じて各ONU92へ送信する。また、受信したReport信号の情報等から、ONU92の所属するLC11を変更する、すなわちONU92の送受信波長を切替えると判断した場合は、Gate信号に波長切替情報(たとえば切替先波長等)を記載してONU92へ送信する。また、ONU92の所属するLC11を切替えるためのONU92の波長切替と同時に、下りフレームの転送先LCを変更するよう通知する。具体的には、動的波長帯域割当回路12は、宛先対応テーブル13に記載されている、下りフレームの識別子と転送先LCの対応関係を変更する。
本実施形態の動的波長帯域割当回路12における関連発明との差分は、波長切替指示および切替開始時刻をGate信号としてONU92に送信すると同時に、該当ONU92に割り当てられたLLID宛のフレームを転送しないよう読み出し選択制御回路14へ指示すること、および、波長切替完了時間を計算し、その計算値をタイマ18の初期値として設定し、タイマ18の起動を指示する機能を具備している点である。
本実施形態では動的波長帯域割当回路12はOLT91の内部に1つの機能ブロックとして存在するが、上記に示した機能を全体で発揮するのであれば、その機能の一部が各LC1〜LCmに分散して存在してもよい。例えば、Gate信号やReport信号の送受信、波長を切替えない場合の帯域割当て計算などは各LC11が個別に有していてもよい。
バッファメモリ16、読み出し選択制御回路14、選択回路15、宛先対応テーブル13は実施形態1と同様の動作である。
本実施形態2ではn個のタイマ1〜nが備わるタイマ18をOLT91に具備する。タイマ18は波長切替完了までの時間をOLT91側で計測するために単位時間ごとに減算するタイマであり、動的波長帯域割当回路12によって初期値が設定され、起動される。タイマ18が0になった時点で、宛先対応テーブル13の、該当するONU92を行とし、波長切替を列とする欄の“波長切替中”フラグを“なし”に変更する機能を持つ。本実施形態では便宜上ONU1に対してタイマ1、以降ONUnに対してタイマnを割り当てるとする。ただしタイマ18内のタイマの数は、タイマと波長切替を行うONU92との関連付けが行え、かつ同時に波長を切替えるONU数分有するのであれば、nに限らず自由に決定することができる。
次に本実施形態の波長可変型WDM/TDM−PONシステムの動作を説明する。
図6に本実施形態におけるDWBAの動作例を示す。第1の実施形態における図3と同様に、当初ONU1、ONU2、ONUnはLC1の波長λ1を用いて通信しており、周期T_dwba_iにONUnがLC2の波長λ2を用いて通信するよう波長を切替えることを想定し、上り、下りの制御フレームおよびデータフレームの時間的な送受信の様子を示している。また表記方法および上り信号の制御信号の送受信および上りフレームの転送動作についても図7と同様である。
次に、下りフレームの送信手順について説明する。
上位NW94からOLT91の受信ポート17に到着した各ONU92への信号(d1_1〜dn_1)はOLT91の宛先対応テーブル13に記載のONU92とフレームの識別子の対応に従って、各LC11へ転送される。図6においてはd1_1〜d2_3まではLC1へ転送される。LC11はそれぞれ割り当てられた波長で各ONU92へ下り信号を送信する。
動的波長帯域割当回路12は周期T_dwba_iのReport信号受信やその直後の割当て計算時間等で波長の切替を判断すれば、Gate信号に波長切替指示と波長切替開始時刻を記載してONU92に送信する。図6においては、ONUnをLC1(すなわち波長λ1)からLC2(すなわち波長λ2)へ変更(切替)する場合を示す。この時、波長の切替を判断した動的波長帯域割当回路12は、ONUnへ転送されるフレームの識別子をLC2へ転送するよう宛先対応テーブル13を書き換え、宛先対応テーブル13のONUn(すなわちLLID=n)に相当する行の波長切替の列を、“波長切替中”に変更する。また、ONUnの転送を止めるために、転送を停止するよう読み出し選択制御回路14へ指示する。さらに、波長切替を行うONU92に対してタイマ18における1つのタイマを選択し、当該タイマの初期値を設定し、起動する。本実施形態では波長切替を行うONU92はONUnのみだが、複数のONU92の波長切替を行うのであれば、それぞれのONU92に対して異なるタイマ92を関連付け、初期値を設定する。
読み出し選択制御回路14は宛先対応テーブル13を参照し、ONUnへの転送は行わないように変更して転送動作を継続する。
ONUnはλ2への波長切替指示を受信した後、Gate信号で指示された時刻に波長の切替を開始する。波長切替にはT_lmaxの時間を要するとし、切替は送信器の発振波長や受信器の透過波長を変更するため、信号の送受信が不可能となる。この間、ONUnへの下りフレームは転送されず、OLTのバッファメモリのLLID=nに相当するキューに蓄積される。
タイマ18の減算処理が進み0になると波長切替が完了したとし、タイマ18は宛先対応テーブル13のONUnの行、波長切替の列にある“波長切替中”フラグを“なし”に書き換える。これにより、読み出し選択制御回路14が波長の切替を完了したとみなし、ONUnすなわちLLID=nのバッファメモリ16の読み出しを再開する。
タイマ18に設定される初期値は、ONUごとに異なる。Gate信号を送出してから波長切替が完了するまでに要する波長切替完了時間(Tn_fin)は、波長切替を指示するGate信号が伝搬する時間(Tn_prop)およびGate信号受信から波長切替を開始するまでの時間(Tn_pre)、ONU92の波長切替時間(T_lmax)を用いて以下のように表すことができる。
Tn_fin=Tn_prop+Tn_pre+T_lmax
このTn_finの直後に一時停止していた下りフレームをONU92へ到着させるには、Tn_finよりTn_propさかのぼった時間にLC2から送出すればよい。したがって、Gate信号送出から下りフレームの転送を停止する時間Tn_stopは、
Tn_stop=Tn_fin−Tn_prop=Tn_pre+T_lmax
となる。
ここで、Tn_preは、たとえば、OLTとONUの時刻を同期するシステムの場合、波長切替の指示を行うGate信号に波長切替開始時刻(Tn_s)を指定して切替えるとし、Tn_sからTn_propとGate信号送信時刻を差し引くことで求めることができる。Tn_propは例えばPONのDiscoveryプロセスによって測定されるラウンドトリップタイムの半分として計算することができる。また、T_lmaxはONUの性能として仕様を規定するか、もしくはDiscoveryプロセス中にONU92からOLT91へ申告することで把握してもよい。したがって、Tn_stopは、仕様や既存のDiscoveryプロセス情報交換の枠組み、およびその軽微な変更によって得られる情報から、動的波長帯域割当回路12が計算することができる。または、非特許文献4に記載されるような、OLTの制御フレームに記載するタイムスタンプを、ONUへ到着した時刻で同期するシステムの場合であれば、ONUはTn_propの時間遅れてOLTと時刻の同期を行うため、Tn_preは各ONUのラウンドトリップタイムから計算することはなく、OLTが設定することができる。
この方法により、動的波長帯域割当回路12は波長切替を指示するGate信号の送出と同時にTn_stopの時間だけ下りフレームの転送を停止し、タイマが0になった直後に再開して下りフレームを送信すると、該当フレームをONUの波長切替完了直後に受信させることが可能になる。したがって、関連発明で生じたような、波長切替中に下り信号がONUnに到着し、結果フレーム損が発生することはない。
本実施形態における読み出し選択制御回路14のフレーム転送のフローチャートは第1の実施形態における図4と同様である。
本実施形態によって、関連発明に比べ、以下の効果が期待できる。
まず、本実施形態では波長切替中にはONUへ下り信号を転送しないため、送受信が行えない波長切替中に下り信号が到達することによるフレームの欠落が生じない。
また本実施形態では、波長切替を指示するGate信号受信から、切替え開始までの時間(Tn_pre)、波長り替え時間(T_lamx)の和の間だけOLT91の下りフレーム転送を停止し、その後に転送を再開する。これにより、再開する下りフレームを、波長切替完了直後にONU92へ到達させることが可能になり、OLT91における転送遅延量を最小限に抑えることが可能になる。また、バッファ蓄積時間を短縮化することが可能になり、バッファメモリ量を低減させることが可能になる。
さらに、本実施形態は、波長切替を行うONU92へのフレームのみをバッファリングし、波長切替中のその他のONU92への下りフレーム転送は継続される。波長切替中はPONシステムは以下のすべてのONU92や、該当波長(実施形態でいうλ2)のすべてのONU92の送受信を停止して切替えるという方法も考えられるが、その際はトラフィックの停止による影響が波長を切替えないONU92へも波及することになる。本実施形態ではもともと切替中に通信が行えないONU92への下りフレームを一時停止するため、他のONU92へ波長切替による影響なく、その他のONU92への下りフレーム転送は継続することができる。
(実施形態3)
図7は本発明の第3の実施形態におけるDWBAの動作シーケンス図である。波長切替における構成は第2の実施形態と同様である。本実施形態と第2の実施形態との差異は、OLT91のバッファメモリ16に蓄積する時刻及び時間である。
ONU92はGate信号にて波長切替を開始する時刻までは下りフレームを受信することが可能であるため、そこからT_propさかのぼった時刻まではOLT91は下りフレームを送信できる。一方、バッファメモリ16の蓄積を開始した時点においてもLC1やOLT91内の別のバッファ等に滞留しているフレームがONU92に向けて送出される。したがって、OLT91が下りフレームをバッファメモリ16に蓄積開始する時刻をT2とし、ONU92が波長切替開始する時刻をT1とすると、
T1=T2+T_prop+T_wait
Tn_stop=T_lmax
としてT1及びT2を定めることが可能である。ここで、T_waitはバッファメモリ16よりONU92側に滞留するフレームをすべて送出するのに要する時間とする。
また、非特許文献4に記載されるような、OLT91の制御フレームに記載するタイムスタンプを、ONU92へ到着した時刻で同期するシステムの場合であれば、ONU92はTn_propの時間遅れてOLT91と時刻の同期を行うため、T1に相当するONU92のローカル時刻T1_onuは、
T1_onu=T2+T_wait
Tn_stop=T_lmax
とすることができる。
本実施形態によって、実施形態2に加えて、OLT91のバッファメモリ16以降に滞留しているフレームを確実にONU92が受信するとともに、OLT91におけるバッファメモリ16に蓄積するために必要なメモリ量を最小限に抑制することができる。
本発明にかかる動的波長帯域割り当て方式、回路、プログラムおよびそれを記録した記録媒体は、波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、ONUが信号を送受信できない波長切替中に下りフレームが到達することによって生じるフレーム損を、確実かつ遅延の増大を最低限に抑えながら回避することができる。
11:LC
12:動的波長帯域割当回路
13:宛先対応テーブル
14:読み出し選択制御回路
15:選択回路
16:バッファメモリ
17:受信ポート
18:タイマ
21:データ受信部
22:バッファメモリ
23:フレーム送出制御部
24:フレーム組立送信部
25:波長可変光送受信器
26:要求帯域計算部
27:要求帯域信号生成部
28:フレーム送出及び波長制御信号受信部
29:波長切替制御部
91:OLT
92:ONU
93:光合分岐回路93
94:上位NW

Claims (18)

  1. 複数の加入者装置と単一の局側装置とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行う光加入者システムの前記局側装置であって、
    所定の周期ごとに前記加入者装置からの要求に応じて、要求元の加入者装置の送信する信号が干渉しないよう要求元の加入者装置毎に波長を割当てる動的波長帯域割当回路を備え、
    前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置の波長の切替を行う場合は、該当加入者装置へ波長切替指示を送出し、当該波長切替指示を契機に当該加入者装置への信号送出を停止して局側装置に蓄積するよう指示し、加入者装置の波長切替完了を契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示することを特徴とする局側装置。
  2. 制御信号を除く加入者装置への下り信号を一時的に蓄積するバッファ回路と、
    加入者装置毎に信号送出が停止中か否かを示す宛先対応表と、
    前記宛先対応表を参照して、信号送出が停止中でない加入者装置宛の下り信号をバッファ回路から取り出して加入者装置へ転送する読み出し選択回路と、
    をさらに備え、
    前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置の波長の切替を行う場合は、当該加入者装置が波長変更を行う間、当該加入者装置への信号を前記バッファ回路に蓄積させ、当該加入者装置への信号送出が停止中であることを前記宛先対応表へ記載し、当該加入者装置の波長切替完了を契機に、当該加入者装置への信号送出が停止中でないことを宛先対応表へ上書きし、前記バッファ回路に蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう前記読み出し選択回路へ指示する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の局側装置。
  3. 前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置から切替後の波長で送信される波長切替完了の通知を受信し確認したことを契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者層装置への信号送出を再開するよう指示することを特徴とする請求項1又は2に記載の局側装置。
  4. 前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置が波長の切替えを完了する波長切替完了時間を計算し、信号送出の再開によって局側装置から送出された信号が当該加入者装置における波長の切替の完了直後に当該加入者装置に到達するように、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示すること特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の局側装置。
  5. 前記波長切替指示は加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、
    停止した加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記波長切替開始時刻から、当該波長切替指示を加入者装置が受信してから加入者装置が波長の切替を開始するまでの時間と加入者装置における波長の切替に要する時間の和を経過した時刻とすることを特徴とする請求項4に記載の局側装置。
  6. 前記波長切替指示は、加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、
    当該波長切替開始時刻を、当該加入者装置への信号送出を停止し信号蓄積を開始する時刻に、局側装置内に滞留していた当該加入者装置への信号を送出する時間および波長切替指示が加入者装置へ到達する時間を経過した時刻とし、
    当該加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記信号蓄積開始時刻から、加入者装置における波長の切替に要する時間を経過した時刻とすることを特徴とする請求項4に記載の局側装置。
  7. 複数の加入者装置と単一の局側装置とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行う光加入者システムであって、
    前記局側装置は、所定の周期ごとに前記加入者装置からの要求に応じて、要求元の加入者装置の送信する信号が干渉しないよう要求元の加入者装置毎に波長を割当てる動的波長帯域割当回路を備え、
    前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置の波長の切替を行う場合は、該当加入者装置へ波長切替指示を送出し、当該波長切替指示を契機に当該加入者装置への信号送出を停止して局側装置に蓄積するよう指示し、加入者装置の波長切替完了を契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示する
    ことを特徴とする光加入者システム。
  8. 前記局側装置は、
    制御信号を除く加入者装置への下り信号を一時的に蓄積するバッファ回路と、
    加入者装置毎に信号送出が停止中か否かを示す宛先対応表と、
    前記宛先対応表を参照して、信号送出が停止中でない加入者装置宛の下り信号をバッファ回路から取り出して加入者装置へ転送する読み出し選択回路と、をさらに備え、
    前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置の波長の切替を行う場合は、当該加入者装置が波長変更を行う間、当該加入者装置への信号を前記バッファ回路に蓄積させ、当該加入者装置への信号送出が停止中であることを前記宛先対応表へ記載し、当該加入者装置の波長切替完了を契機に、当該加入者装置への信号送出が停止中でないことを宛先対応表へ上書きし、前記バッファ回路に蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう前記読み出し選択回路へ指示する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の光加入者システム。
  9. 前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置から切替後の波長で送信される波長切替完了の通知を受信し確認したことを契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者層装置への信号送出を再開するよう指示することを特徴とする請求項7又は8に記載の光加入者システム。
  10. 前記動的波長帯域割当回路は、加入者装置が波長の切替えを完了する波長切替完了時間を計算し、信号送出の再開によって局側装置から送出された信号が当該加入者装置における波長の切替の完了直後に当該加入者装置に到達するように、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示すること特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の光加入者システム。
  11. 前記波長切替指示は加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、
    停止した加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記波長切替開始時刻から、当該波長切替指示を加入者装置が受信してから加入者装置が波長の切替を開始するまでの時間と加入者装置における波長の切替に要する時間の和を経過した時刻とすることを特徴とする請求項10に記載の光加入者システム。
  12. 前記波長切替指示は、加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、
    当該波長切替開始時刻を、当該加入者装置への信号送出を停止し信号蓄積を開始する時刻に、局側装置内に滞留していた当該加入者装置への信号を送出する時間および波長切替指示が加入者装置へ到達する時間を経過した時刻とし、
    当該加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記信号蓄積開始時刻から、加入者装置における波長の切替に要する時間を経過した時刻とすることを特徴とする請求項10に記載の光加入者システム。
  13. 複数の加入者装置と単一の局側装置とをPONトポロジ接続し、複数の波長を切替えて送受信を行う光加入者システムの前記局側装置に設けられ、所定の周期ごとに前記加入者装置からの要求に応じて、要求元の加入者装置の送信する信号が干渉しないよう要求元の加入者装置毎に波長を割当てる動的波長帯域割当方法であって、
    加入者装置へ波長切替指示を送出する波長切替指示送出手順と、
    当該波長切替指示の送出直後に、当該加入者装置への信号送出を停止して局側装置に蓄積するよう指示する蓄積手順と、
    当該加入者装置の波長切替完了の直後に、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示する送出再開手順と、
    を有することを特徴とする動的波長帯域割当方法。
  14. 前記波長切替指示送出手順において、波長切替指示を送出した加入者装置への信号送出が停止中であることを宛先対応表へ記載し、
    前記蓄積手順において、当該加入者装置が波長変更を行う間、当該加入者装置への信号をバッファ回路に蓄積し、
    前記送出再開手順において、当該加入者装置への信号送出が停止中でないことを宛先対応表へ上書きし、前記バッファ回路に蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう読み出し選択回路へ指示する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の動的波長帯域割当方法。
  15. 前記送出再開手順は、加入者装置から切替後の波長で送信される波長切替完了の通知を局側装置が受信し確認したことを契機に、前記指示によって蓄積した当該加入者層装置への信号送出を再開することを特徴とする請求項13又は14に記載の動的波長帯域割当方法。
  16. 前記送出再開手順は、加入者装置が波長の切替えを完了する波長切替完了時間を局側装置が計算し、信号送出の再開によって局側装置から送出された信号が当該加入者装置における波長の切替の完了直後に当該加入者装置に到達するように、前記指示によって蓄積した当該加入者装置への信号送出を再開するよう指示すること特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の動的波長帯域割当方法。
  17. 前記波長切替指示は加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、
    停止した加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記波長切替開始時刻から、当該波長切替指示を加入者装置が受信してから加入者装置が波長の切替を開始するまでの時間と加入者装置における波長の切替に要する時間の和を経過した時刻とすることを特徴とする請求項16に記載の動的波長帯域割当方法。
  18. 前記波長切替指示は、加入者装置が波長の切替を開始する波長切替開始時刻を含み、
    当該波長切替開始時刻を、当該加入者装置への信号送出を停止し信号蓄積を開始する時刻に、局側装置内に滞留していた当該加入者装置への信号を送出する時間および波長切替指示が加入者装置へ到達する時間を経過した時刻とし、
    当該加入者装置への信号送出を再開する時刻は、前記信号蓄積開始時刻から、加入者装置における波長の切替に要する時間を経過した時刻とすることを特徴とする請求項16に記載の動的波長帯域割当方法。
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