JP5639240B1 - 光通信装置及び動的波長帯域割当方法 - Google Patents
光通信装置及び動的波長帯域割当方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、帯域割当周期の短縮を図り、上り方向通信における遅延を低減することを目的とする。【解決手段】本願発明の動的波長帯域割当方法は、波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、複数のONU92からOLT91へ上り信号光を送信するための上り通信波長及び送信許可時間を、OLT91が動的に割り当てる動的波長帯域割当方法であって、予め定められた帯域割当周期ごとに、複数のONU92に上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる帯域割当手順と、帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数のONU92のうち上り通信波長を変更する波長切替対象のONU92に対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する通知手順と、を順に有する。【選択図】図10
Description
本発明は、波長可変型WDM/TDM−PONにおける光通信装置及び動的波長帯域割当方法に関する。
アクセスサービスの高速化に対するニーズの高まりにより、FTTH(Fiber To The Home)の普及が世界的に進んでいる。FTTHサービスの大部分は、1個の収容局側装置(OSU:Optical Subscriber Unit)が時分割多重(TDM:Time Division Multiplexing)により複数の加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)を収容し、経済性に優れたPON(Passive Optical Network)方式により提供されている。
TDM−PONの上り方向通信では、OSU81における動的帯域割当計算に基づいてONU間でシステム帯域を共有しており、図1に示すように各ONU92がOSU81より通知された送信許可時間内のみに間欠的に信号光を送信することにより、信号光同士の衝突を防いでいる。現在の主力システムは伝送速度がギガビット級であるGE−PON(Gigabit Ethernet(登録商標) PON)、G−PON(Gigabit−capable PON)であるが、映像配信サービスの進展に加え、大容量ファイルをアップロード/ダウンロードするアプリケーションの登場などにより、PONシステムの更なる大容量化が求められている。しかしながら、TDM−PONでは、ラインレートの高速化によりシステム帯域を拡張するため、高速化や波長分散の影響により受信特性が大幅に劣化することに加え、バースト送受信器の経済性が課題となるため、10ギガを超える大容量化は難しい。
10ギガ超の大容量化に向けて、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術の適用が検討されている。図2は、TDM−PONにWDM技術を組み合わせたWDM/TDM−PONの一例である。各々のONU92は、光ファイバ伝送路90を介して波長ルーティング手段94のいずれの端子と接続するかに応じて固定的に下り波長および上り波長を割り当てられ、全ONU92間で信号の時間的重なりが、OSU81の数まで許される。そのため、OSUの増設により、1波長あたりのラインレートを高速化することなく、システム帯域を拡張できる。
波長ルーティング手段94の端子のうち同一の端子と光ファイバ伝送路を介して接続する各ONU92は、同一のOSU81と論理的に接続し、上り帯域および下り帯域を共有する。ここで、各ONU92とOSU81との論理接続は不変であり、各OSU81のトラフィック負荷の状態によらず、異なるOSU81間でトラフィック負荷を分散することはできない。
これに対して、非特許文献1では、ONU92に波長可変機能を有する波長可変光送信器21および波長可変光受信器23を備えた波長可変型WDM/TDM−PONが提案されている(図3)。この構成では、ONU92における送受信波長の切替によりONU92単位で論理接続するOSU81を変更できる。この機能を用いることにより、高負荷状態であるOSU81がある時には、低負荷状態であるOSU81へトラフィック負荷が分散するようにONU92−OSU81間の論理接続を変更し、高負荷状態であったOSU81の通信品質の劣化を防ぐことができる。また、OSU81の高負荷状態が定常的に発生する場合、図2のWDM/TDM−PON構成では一定の通信品質を確保するためにはシステム帯域の増設が必要となるが、図3の波長可変型WDM/TDM−PON構成ではOSU81間でトラフィック負荷の分散を図ってシステム全体の帯域を有効に活用することにより一定の通信品質を確保でき、システム帯域の増設のための設備投資を抑えることができる。
波長可変型WDM/TDM−PONにおいてONU92−OSU81間の論理接続を変更する際には、OLT91からONU92へ送受信波長の切替を指示する必要がある。ONU92の波長切替方式として、非特許文献2にて規定されている10G−EPONのMPCP(Multipoint Control Protocol)を拡張した方式が考えられる(図4)。図4の方式は、複数DBA(Dynamic Bandwidth Allocation)周期と同期するDWA(Dynamic Wavelength Allocation)周期内でONU92−OSU81論理接続が固定となるように各ONU92へ下り波長および上り波長を割り当て、同一DWA周期内ではDBA周期ごとに実行されるDBA計算により各ONU92へ上りバースト信号光の送信を許可する時間を決定し、決定した送信許可時間を論理接続先のOSU81から各ONU92へ通知する動的波長帯域割当に基づくシステムを想定している。ONU92−OSU81論理接続は上り方向通信の送信要求帯域量や下り方向通信のトラフィック量等に応じてDWA計算により決定され、DWA周期内の最初のDBA周期において、波長切替対象のONU92宛に波長切替を指示する制御フレームであるGateが送出される。波長切替対象ONU92は、送受信波長を、Gate中に記載された波長切替開始時刻T1から、同じくGate中に記載された割当波長に切り替え始め、波長切替完了後に受信する新たな論理接続先のOSU81からのGateに対して、波長切替完了を報告するReportを送出する。図4は、ONU#1の論理接続先をOSU#1からOSU#2へ切り替える場合を例示している。
図4に示す波長切替方式は、ONU92に搭載する波長可変デバイスの波長切替時間がDBA周期より長い場合であっても適用可能である。一方、波長切替時間がDBA周期と比べて短い波長可変デバイスをONU92に搭載する場合、非特許文献3に記載されているように、波長切替を完了したONU92が、波長切替指示を受けたDBA周期の次のDBA周期内に上りバースト信号光が新たな論理接続先のOSU81に到着するように上りバースト信号光を送出することが可能となる。
非特許文献3における動的波長帯域割当(DWBA:Dynamic Wavelength and Bandwidth Allocation)では、ONU92−OSU81論理接続は、上り方向通信の送信要求帯域量や下り方向通信のトラフィック量等に応じて、毎DBA周期ごとにDWBA計算により決定され、例えば、図5に示すように、論理接続先のOSU81から各ONU92へ、次DBA周期における割当波長と送信許可時間がGateにて通知される。波長切替対象のONU92は、波長切替を行った後に、新たな論理接続先のOSU81へ、送信許可時間内に上りバースト信号光を送出する。非波長切替対象のONU92は、波長切替を行わずに、前DBA周期と同じ上り波長で、送信許可時間内に上りバースト信号光を送出する。図5は、送信要求帯域量をOLT91へ通知するReportが次DBA周期の先頭部に位置するReport受信領域内にOSU81に到着するように、各ONU92が、上りDateと別の上りバースト信号光でReportを送出する場合を図示している。
非特許文献3における動的波長帯域割当において、Gate送信領域内の任意の時刻に波長切替対象のONU92に対する波長切替指示を送出する場合、波長切替指示がGate送信領域の最後部にて送出されることが起こりうる。この時、当該Gateの宛先である波長切替対象のONU92に対して、波長切替完了後に送出する上りバースト信号光が次DBA周期におけるReport受信領域の先頭部にOSU81へ到着するように送信許可時間が割り当てられる場合に、波長切替指示を受信してから上りバースト信号光を送出するまでの時間が最短となるが、この場合においても、当該ONU92が、波長切替を完了した後に割り当てられた送信許可時間内に上りバースト信号光を送出できるように、Gate送信領域の位置を定める必要がある。そのため、ONU92とOLT91との間での最大フレーム往復伝搬時間をmax(RTT)、ONU92が波長切替指示を受信してから波長切替を完了して上りバースト信号光の送出が可能となるまでの時間をΔtλとすると、Gate送信領域の終了時刻は、DBA周期の終了時刻からmax(RTT)+Δtλ以上遡った時刻とする必要がある。最大フレーム往復伝搬時間は、システムで許容する最大距離だけOLT91から離れたONU92とOLT91との間でのフレーム往復伝搬時間、もしくは、全てのONU92の中でOLT91からの距離が最も遠いONU92とOLT91との間でのフレーム往復伝搬時間に相当する。
Gate送信領域の位置を上述のように定めると、Gate送信領域の最後部にて送出される波長切替指示の宛先である波長切替対象のONU92に対して、波長切替完了後に送出する上りバースト信号光が次DBA周期におけるReport受信領域の先頭部に新たな論理接続先のOSU81へ到着するように上りバースト信号光の送信許可時間が割り当てられ、波長切替指示を受信してから上りバースト信号光を送出するまでの時間が最短となる場合であっても、波長切替を完了した後に、割り当てられた送信許可時間内に上りバースト信号光を送出できる。そのため、宛先であるONU92が波長切替対象であるか否かに関わらず各ONU92に対して、Gate送信領域内の任意の時刻にGateを送出し、上りバースト信号光が次DBA周期におけるReport受信領域内の任意の時刻にOSU81へ到着するように上りバースト信号光の送信許可時間を割り当てることができる。
この時、DBA周期の開始時刻からGate送信領域の開始時刻までの時間をΔt0、Gate送信領域の時間長をΔtGateとすると、DBA周期長ΔtDBAは、式(1)を満たす。
(数1)
ΔtDBA≧Δt0+ΔtGate+max(RTT)+Δtλ (1)
(数1)
ΔtDBA≧Δt0+ΔtGate+max(RTT)+Δtλ (1)
上りDataフレームがONU92へ入力されてからOSU81に向けて出力されるまでの遅延は、DBA周期長ΔtDBAが長くなるほど増大する。よって、上り方向通信における遅延を低減するためには、DBA周期を短縮することが求められる。
S. Kimura, "WDM/TDM−PON technologies for future flexible optical access networks," OECC2010, 6A1−1, 2010
IEEE Std 802.3av, 2009
H.Nakamura, "40Gbit/s−class−λ−tunable WDM/TDM−PON using Tunable B−Tx and Cyclic AWG Router for Flexible Photonic Aggregation Networks," ECOC2012, Tu.4.B.3, 2012
本発明は、波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、帯域割当周期の短縮を図り、上り方向通信における遅延を低減することを目的とする。
本願発明の動的波長帯域割当方法は、
親ノードと複数の子ノードが光ファイバ伝送路を介して接続される光通信システムにおいて、複数の子ノードから親ノードへ上り信号光を送信するための上り通信波長及び送信許可時間を、親ノードが動的に割り当てる動的波長帯域割当方法であって、
予め定められた帯域割当周期ごとに、複数の子ノードに上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる帯域割当手順と、
帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更する波長切替対象子ノードに対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する通知手順と、を順に有する。
親ノードと複数の子ノードが光ファイバ伝送路を介して接続される光通信システムにおいて、複数の子ノードから親ノードへ上り信号光を送信するための上り通信波長及び送信許可時間を、親ノードが動的に割り当てる動的波長帯域割当方法であって、
予め定められた帯域割当周期ごとに、複数の子ノードに上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる帯域割当手順と、
帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更する波長切替対象子ノードに対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する通知手順と、を順に有する。
本願発明の動的波長帯域割当方法では、前記帯域割当手順において波長切替対象子ノードに送信許可時間を割り当てるに際し、前記通知手順において前記波長切替対象子ノードへ上り通信波長及び送信許可時間を通知する順に前記波長切替対象子ノードからの上り信号光が前記親ノードに到着するように送信許可時間を割り当ててもよい。
本願発明の動的波長帯域割当方法では、前記通知手順において、前記波長切替対象子ノードへの上り通信波長及び送信許可時間の通知の後に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更しない非波長切替対象子ノードへ送信許可時間を通知してもよい。
本願発明の動的波長帯域割当方法では、前記帯域割当手順において、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更しない非波長切替対象子ノードからの上り信号光が、前記波長切替対象子ノードからの上り信号光よりも後に親ノードに到着するように、各々の子ノードに対して送信許可時間を割り当ててもよい。
本願発明の動的波長帯域割当方法では、前記帯域割当手順において、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更しない非波長切替対象子ノードに送信許可時間を割り当てるに際し、前記通知手順において前記非波長切替対象子ノードへ送信許可時間を通知する順に前記非波長切替対象子ノードからの上り信号光が前記親ノードに到着するように送信許可時間を割り当ててもよい。
本願発明の動的波長帯域割当方法では、前記通知手順において、同一の帯域割当周期内に親ノード内の同一の受信器にて上り信号光が受信されるように上り通信波長が割り当てられた子ノードに対し、送信許可時間を異なるタイミングで通知してもよい。
本願発明の光通信装置は、親ノードと複数の子ノードが光ファイバ伝送路を介して接続される光通信システムにおいて、複数の子ノードから親ノードへ上り信号光を送信するための上り通信波長及び送信許可時間を動的に割り当てる前記親ノードとして機能する光通信装置であって、
予め定められた帯域割当周期ごとに、複数の子ノードに上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる帯域割当部と、
帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更する波長切替対象子ノードに対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する通知部と、
を備える。
予め定められた帯域割当周期ごとに、複数の子ノードに上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる帯域割当部と、
帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更する波長切替対象子ノードに対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する通知部と、
を備える。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、帯域割当周期の短縮を図り、上り方向通信における遅延を低減することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
本実施形態に係る光通信システムは、親ノードとして機能するOLT91と、子ノードとして機能するONU92を備える。OSU81が親ノードに備わる受信器として機能する。本実施形態に係るOLT91は、帯域割当部と、通知部と、を備える。OSU81が通知部として機能し、OSU81を制御する制御部(不図示)が帯域割当部として機能する。
本実施形態に係る動的波長帯域割当方法は、帯域割当手順と、通知手順と、を順に有する。
帯域割当手順では、帯域割当部が、予め定められた帯域割当周期ごとに、ONU92に上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる。
通知手順では、OSU81が、帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数のONU92のうち上り通信波長を変更する波長切替対象のONU92に対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する。
帯域割当手順では、帯域割当部が、予め定められた帯域割当周期ごとに、ONU92に上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる。
通知手順では、OSU81が、帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数のONU92のうち上り通信波長を変更する波長切替対象のONU92に対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態は、ONU92内に搭載する波長可変デバイスの波長切替に要する時間が帯域割当周期と比べて短く、波長切替を完了したONU92が、波長切替指示を受けた帯域割当周期の次の帯域割当周期内に上りバースト信号光がOLT91に到着するように上りバースト信号光を送出することが可能な波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、帯域割当周期の短縮を図る動的波長帯域割当方法である。
第1の実施形態は、ONU92内に搭載する波長可変デバイスの波長切替に要する時間が帯域割当周期と比べて短く、波長切替を完了したONU92が、波長切替指示を受けた帯域割当周期の次の帯域割当周期内に上りバースト信号光がOLT91に到着するように上りバースト信号光を送出することが可能な波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、帯域割当周期の短縮を図る動的波長帯域割当方法である。
本実施形態における動的波長帯域割当方法を図3の波長可変型WDM/TDM―PON構成を例に説明する。なお、本実施形態における動的波長帯域割当方法を適用する波長可変型WDM/TDM―PON構成は図3に限らず、OSU側端子#1〜#M(Mは2以上の整数)および光ファイバ伝送路側端子#1〜#N(Nは2以上の整数)を有し、入力光を波長に応じて決定される1個の端子から出力する波長振り分け機能を備えた波長ルーティング手段97をONU92とOLT91との間に配置した図6のような構成などへの適用も可能である。波長ルーティング手段97としては、波長周回性を有し入出力特性が図7および図8で表わされるN×M AWGなどがこれにあたる。
図3の波長可変型WDM/TDM−PONでは、OSU#1〜#M(Mは1以上の整数)を備え、波長λD_1〜λD_Mである下り信号光を送出し、波長λU_1〜λU_Mである上りバースト信号光が入力されるOLT91(Optical Line Terminal)が、λD_1〜λD_M、λU_1〜λU_Mから1つずつの波長をそれぞれ下り波長と上り波長としてOLT91から割り当てられる複数のONU92と、光ファイバ伝送路90を介して接続されている。OLT91内の各OSU81は、OSU81ごとに相異なる波長である下り信号光を送出し、各OSU81からの下り信号光は、光合分波手段96により波長多重された後、光ファイバ伝送路90へ出力される。光合分波手段96としては、光ファイバまたはPLC(Planar Lightwave Circuit)等により作成された光カプラなどがこれにあたる。
ONU92は、入力される波長多重信号光の中から、OLT91から割り当てられている下り波長である下り信号光を選択的に受信する。図3のように、PIN−PD(Photo−Diode)やAPD(Avalanche Photo−Diode)などの受光器232の前段に波長可変フィルタ231を配置し、波長可変フィルタ231の透過波長を割り当てられた下り波長に応じて変化させることにより、所望の波長の下り信号光を選択的に受信することができる。ここで、波長可変フィルタの波長切替時間は、帯域割当周期と比べて短い。各ONUは、LLID(Logical Link ID)等のONU識別子を用いて、受信したフレームが自分宛であるかを判断し、受信フレームの取捨選択を行う。
一方、上り方向通信用に、ONU92は、波長λU_1〜λU_Mの信号光を間欠的に送信可能な波長可変光送信器21を備え、OLT91から割り当てられている上り波長で、OLT91から通知された送信許可時間内に上りバースト信号光を送信する。OLT91から通知される送信許可時間は、同じ上り波長を割り当てられている異なるONU92からのバースト信号光同士が衝突しないように、OLT91が記憶している各ONU92との間でのフレーム往復伝搬時間を考慮して決定される。ここで、波長可変光送信器21は、波長切替時間が帯域割当周期と比べて短い。波長可変光送信器21としては、出力光波長が異なる直接変調レーザをアレイ状に配置し、外部からの制御信号により発光するレーザを切り替える高速波長切替が可能な構成がこれにあたる。波長可変光源からの出力光を、半導体や二オブ酸リチウム(LiNbO3)を材料とするマッハツェンダー型変調器、電界吸収型(EA:Electro Absorption)変調器、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)変調器などを用いて外部変調する構成も可能である。波長可変光源としては、出力光波長が異なる連続光(CW:Continuous Wave)レーザをアレイ状に配置し、外部からの制御信号により出力光波長を切り替える高速波長切替が可能な構成がこれにあたる。また、分布ブラッグ反射型(DBR:Distributed Bragg Grating)レーザや外部共振器型レーザなどを波長可変光源として用いることも可能である。
光ファイバ伝送路90を伝送された上りバースト信号光は、光合分波手段96で分岐された後、各々異なる波長の上りバースト信号光を選択的に受信するOSU#1〜#Mへ入力される。図3のように、バースト信号対応のPIN―PDやAPDなどの受光器132の前段に透過波長が光受信器ごとに相異なる波長フィルタ131を配置することにより、各OSU81で相異なる波長の上りバースト信号光を選択的に受信することができる。ここで、各ONU92が自分に付与されたLLID等のONU識別子を送信フレーム内に含めた上りバースト信号光を送出することで、OLT91は受信フレーム内のONU識別子によりフレームの送信元であるONU92を特定することができる。
ONU92内およびOLT91内の光受信器として、図9のように、コヒーレント受信器17及び27を用いることも可能である。この場合、ONU92内の局発光源26の出力光波長は、割り当てられている下り信号光の波長近傍に設定される。一方、OLT91内の局発光源16の出力光波長は、OSU81ごとに相異なるように、λU_1〜λU_Mのいずれか1つの波長の近傍に設定される。高受信感度を特徴とするコヒーレント受信を適用することで、光ファイバ伝送路90中での許容損失や各OSU81と接続する光合分波手段96における許容損失を増大できる。光ファイバ伝送路90中で許容される伝送損失や分岐損失の増大により、伝送距離の長延化や収容するONU92数の拡大を図ることができる。また、各OSU81と接続する光合分波手段96において許容される分岐損失の増大によりOSU数を拡大できるため、システム総帯域を拡張できる。更には、コヒーレント受信の適用により波長フィルタが不要となるため、波長フィルタの特性に制限されずに隣接波長間隔を狭窄化することも可能である。
本実施形態における動的波長帯域割当方法では、図10に示すように、上り方向通信の送信要求帯域量や下り方向通信のトラフィック量等に応じて、帯域割当周期であるDBA周期ごとに動的波長帯域割当(DWBA)計算により、上り・下り波長と上りバースト信号光の送信許可時間を各ONU92へ割り当てる。波長切替対象のONU92へは、波長切替指示および上りバースト信号光の送信許可時間を通知する制御フレームが元の論理接続先のOSU81から送出され、ONU92は、波長切替を行った後に、送信要求帯域量の通知や上りData等を含む上りバースト信号光を新たな論理接続先のOSU81へ送信許可時間内に送出する。波長切替指示と上りバースト信号光の送信許可時間は、同一の制御フレームで通知してもよいし、別の制御フレームで通知してもよい。図10では、Gateが、波長切替指示および上りバースト信号光の送信許可時間を通知する制御フレームに相当する。非波長切替対象のONU92は、波長切替を行わずに、前DBA周期と同じ上り波長で、送信許可時間内に上りバースト信号光を送出する。
上り方向通信において、ONU92は、送信要求帯域量の通知と上りDataを、各々異なる上りバースト信号光で送出してもよいし、同一の上りバースト信号光で送出してもよい。送信要求帯域量の通知と上りDataを異なる上りバースト信号光で送出する場合は、各々の上りバースト信号光の送信許可時間が各ONU92へ割り当てられる。送信要求帯域量の通知と上りDataを同一の上りバースト信号光で送出する場合は、1個の上りバースト信号光の送信許可時間が各ONU92へ割り当てられる。図10は、送信要求帯域量の通知が次DBA周期の先頭部に位置するReport受信領域内にOSU81に到着するように、各ONU92が送信要求帯域量を通知するフレームであるReportを上りDateと別の上りバースト信号光で送出する場合である。
DBA周期は全てのOSU81の間で同期しており、DBA周期の時間長および開始時刻は全てのOSU81において等しい。また、OSU81が自らと論理接続している各ONU92に対して制御フレームを送出する時間領域である制御フレーム送信領域の開始時刻は、全てのOSUにおいて等しい。
上りバースト信号光の送信許可時間は、より早い時刻にOSU81から送出された制御フレームに従ってONU92から送出される上りバースト信号光ほど、より早い時刻にOSU81に到着するように、各ONU92に対して割り当てられる。ここで、次DBA周期に同一のOSU81と論理接続する複数のONU92からの上りバースト信号光がOSU81に同時に到着しないように、次DBA周期に同一のOSU81と論理接続する複数のONU92宛の制御フレームが、異なるOSU81から同時に送出されないように、送信許可時間を異なるタイミングで通知するよう制御フレームの送出順を制御する。
制御フレーム送信領域の先頭部にて送出された制御フレームを受信したONU92は、次DBA周期において上りバースト信号光の到着が許容される最も早い時刻に上りバースト信号光がOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間を割り当てられる。この時、当該ONU92が波長切替対象である場合であっても、波長切替を完了した後に、割り当てられた送信許可時間内に上りバースト信号光を送出できるように、制御フレーム送信領域の先頭部に送出されるGateの送出完了時刻と、次DBA周期において上りバースト信号光の到着が許容される最も早い時刻との時間差を、ONU92とOLT91との間での最大フレーム往復伝搬時間max(RTT)と、ONU92が波長切替指示を受信してから波長切替を完了して上りバースト信号光の送出が可能となるまでの時間Δtλとの合計時間以上とする。
最大フレーム往復伝搬時間とは、システムで許容する最大距離だけOLT91から離れたONU92とOLT91との間でのフレーム往復伝搬時間、もしくは、全てのONU92の中でOLT91からの距離が最も遠いONU92とOLT81との間でのフレーム往復伝搬時間に相当する。図10では、制御フレームであるGateを各ONU92へ送出するGate送信領域の先頭部にて送出されたGateを受信したONU92は、送出するReportが次DBA周期の先頭部に位置するReport受信領域の開始時刻にOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間を割り当てられ、Gate送信領域の位置は、Gate送信領域の先頭部に送出されるGateの送出完了時刻がDBA周期の終了時刻からmax(RTT)+Δtλだけ遡った時刻となるように定めている。
各ONU92への上りバースト信号光の送信許可時間の割り当てと制御フレーム送信領域の位置を上述のように定めると、制御フレーム送信領域内の任意の時刻にOSU81から送出される制御フレームを受信したONU92が制御フレームに従って送出する上りバースト信号光がOSU81に到着する時刻と、当該制御フレームがOSU81から送出される時刻との時間差が、ONU92とOLT91との間での最大フレーム往復伝搬時間max(RTT)と、ONU92が波長切替指示を受信してから波長切替を完了して上りバースト信号光の送出が可能となるまでの最短時間Δtλとの合計時間以上となる。そのため、波長切替対象のONU92であっても、波長切替を完了した後に、割り当てられた送信許可時間内に上りバースト信号光を送出することが可能である。
本実施形態における動的波長帯域割当方法では、より早い時刻にOSU81から送出された制御フレームに従ってONU92から送出される上りバースト信号光ほど、より早い時刻にOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間を各ONU92に対して割り当てることにより、図5の動的波長帯域割当方法と比べて、制御フレーム送信領域の先頭部に送出されるGateの送出完了時刻とDBA周期の終了時刻との時間差を、制御フレーム送信領域の時間長だけ短縮できる。ここで、1個の制御フレームの時間長は制御フレーム送信領域の時間長と比べて十分短いため、本実施形態における動的波長帯域割当方法と図5の動的波長帯域割当方法とでDBA周期の開始時刻からGate送信領域の開始時刻までの時間を等しいとすると、本実施形態における動的波長帯域割当方法によりDBA周期をおよそ制御フレーム送信領域の時間長だけ短縮できる。このDBA周期の短縮により、上り方向通信における遅延を低減することが可能となる。
図10に示すように、DBA周期の開始時刻からGate送信領域の開始時刻までの時間をΔt0とすると、DBA周期長ΔtDBAは、式(2)を満たす。
(数2)
ΔtDBA>Δt0+max(RTT)+Δtλ (2)
(数2)
ΔtDBA>Δt0+max(RTT)+Δtλ (2)
一方、図5の動的波長帯域割当方法において、DBA周期の開始時刻からGate送信領域の開始時刻までの時間をΔt0とすると、DBA周期長は式(1)を満たすため、本実施形態における動的波長帯域割当方法では図5に示す波長切替方式に基づく動的波長帯域割当方法と比べておよそGate送信領域の時間長ΔtGateだけDBA周期を短縮できることが分かる。
波長切替中における下りDataのフレームロスを回避するためには、波長切替前の論理接続先であったOSU81内にDWBA計算の終了時点で残存する波長切替対象ONU92宛の下りDataフレームが、当該ONU92に到着した後に波長切替を開始することが求められる。これを実現する方式として、波長切替対象ONU92が、波長切替前の論理接続先であったOSU81内にDWBA計算の終了時点で残存する波長切替対象ONU92宛の下りDataフレームを送出し終えるのに要する最大時間ΔtWだけ、Gateを受信した時刻から経ってから、波長切替を開始する図11に示す方式が考えられる。
また、Gate送信領域の開始時刻を、DWBA計算の終了時刻からΔtWだけ経った時刻とする図12に示す方式も考えられる。これらの方式では、図10と比べてDBA周期がΔtWだけ長くなるが、ΔtW<ΔtGateの場合、図5の動的波長帯域割当方法と比べてDBA周期を短縮できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、ONU92内に搭載する波長可変デバイスの波長切替に要する時間が帯域割当周期と比べて短く、波長切替を完了したONU92が、波長切替指示を受けた帯域割当周期の次の帯域割当周期内に上りバースト信号光がOLT91に到着するように上りバースト信号光を送出することが可能な波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、第1の実施形態と異なる方式により、帯域割当周期の短縮を図る動的波長帯域割当方法である。
第2の実施形態は、ONU92内に搭載する波長可変デバイスの波長切替に要する時間が帯域割当周期と比べて短く、波長切替を完了したONU92が、波長切替指示を受けた帯域割当周期の次の帯域割当周期内に上りバースト信号光がOLT91に到着するように上りバースト信号光を送出することが可能な波長可変型WDM/TDM−PONにおいて、第1の実施形態と異なる方式により、帯域割当周期の短縮を図る動的波長帯域割当方法である。
本実施形態における動的波長帯域割当方法では、図13に示すように、上り方向通信の送信要求帯域量や下り方向通信のトラフィック量等に応じて、帯域割当周期であるDBA周期ごとに動的波長帯域割当(DWBA)計算により、上り・下り波長と上りバースト信号光の送信許可時間を各ONU92へ割り当てる。波長切替対象のONU92へは、波長切替指示および上りバースト信号光の送信許可時間を通知する制御フレームが元の論理接続先のOSU81から送出され、ONU92は、波長切替を行った後に、送信要求帯域量の通知や上りData等を含む上りバースト信号光を新たな論理接続先のOSU81へ送信許可時間内に送出する。波長切替指示と上りバースト信号光の送信許可時間は、同じ制御フレームで通知してもよいし、別の制御フレームで通知してもよい。図13では、Gateが、波長切替指示および上りバースト信号光の送信許可時間を通知する制御フレームに相当する。非波長切替対象のONU92は、波長切替を行わずに、前DBA周期と同じ上り波長で、送信許可時間内に上りバースト信号光を送出する。
上り方向通信において、ONU92は、送信要求帯域量の通知と上りDataを、各々異なる上りバースト信号光で送信してもよいし、同一の上りバースト信号光で送信してもよい。送信要求帯域量の通知と上りDataを異なる上りバースト信号光で送信する場合は、各々の上りバースト信号光の送信許可時間が各ONU92へ割り当てられる。送信要求帯域量の通知と上りDataを同一の上りバースト信号光で送信する場合は、1個の上りバースト信号光の送信許可時間が各ONU92へ割り当てられる。図13は、送信要求帯域量の通知が次DBA周期の先頭部に位置するReport受信領域内にOSU81に到着するように、各ONU92が送信要求帯域量を通知するフレームであるReportを上りDateと別の上りバースト信号光で送出する場合である。
DBA周期は全てのOSU81の間で同期しており、DBA周期の時間長および開始時刻は全てのOSU81において等しい。また、OSU81が自らと論理接続している各ONU92に対して制御フレームを送出する時間領域である制御フレーム送信領域の開始時刻は、全てのOSU81において等しい。
OSU81は、波長切替対象のONU92宛の制御フレームを制御フレーム送信領域の前方部に位置する波長切替制御フレーム送信領域にて送出し、非波長切替対象のONU92宛の制御フレームを波長切替制御フレーム送信領域の後に位置する非波長切替制御フレーム送信領域にて送出する。また、非波長切替対象のONU92が制御フレームに従って送出する上りバースト信号光が、波長切替対象のONU92が制御フレームに従って送出する上りバースト信号光よりも前にOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間が各ONU92に対して割り当てられる。ここで、上りバースト信号光の送信許可時間は、非波長切替対象のONU92間では、論理接続するOSU81からより早い時刻に送出された制御フレームに従ってONU92から送出される上りバースト信号光ほど、継続して論理接続するOSU81により早い時刻に到着するように、非波長切替対象の各ONU92に対して割り当てられる。
非波長切替制御フレーム送信領域の先頭部にて送出された制御フレームを受信したONU92は、非波長切替対象のONU92が送出する上りバースト信号光の到着が次DBA周期において許容される最も早い時刻に上りバースト信号光がOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間を割り当てられる。この時、当該ONU92が、割り当てられた送信許可時間内に上りバースト信号光を送出できるように、非波長切替制御フレーム送信領域の先頭部に送出される非波長切替制御フレームの送出完了時刻と、次DBA周期において非波長切替対象のONU92からの上りバースト信号光の到着が許容される最も早い時刻との時間差を、ONU92とOLT91との間での最大フレーム往復伝搬時間max(RTT)と、ONU92が制御フレームを受信してから上りバースト信号光の送出が可能となるまでに要する時間Δt1との合計時間以上とする。最大フレーム往復伝搬時間は、システムで許容する最大距離だけOLT91から離れたONU92とOLT91との間でのフレーム往復伝搬時間、もしくは、全てのONU92の中でOLT91からの距離が最も遠いONU92とOLT91との間でのフレーム往復伝搬時間に相当する。図13では、制御フレームであるGateを非波長切替対象の各ONU92へ送出する非波長切替Gate送信領域の先頭部にて送出されたGateを受信したONU92は、送出するReportが、次DBA周期内の先頭部に位置するReport受信領域内で非波長切替対象のONU92からの上りバースト信号光の到着が許容される非波長切替Report受信領域の開始時刻にOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間が割り当てられ、非波長切替Gate送信領域の先頭部に送出される非波長切替制御フレームの送出完了時刻が、次DBA周期の先頭に位置する非波長切替Report受信領域の開始時刻からmax(RTT)+Δt1だけ遡った時刻となるように定めている。
波長切替対象ONU92へは、割当波長の変更後に同一のOSU81と論理接続する複数の波長切替対象ONU92からの上りバースト信号光がOLT91に同時に到着しないように、上りバースト信号光の送信許可時間を割り当てる。波長切替対象ONU92が波長切替指示を受信してから上りバースト信号光を送出するまでの時間は、波長切替制御フレーム送信領域の最後部にて送出された波長切替制御フレームの宛先である波長切替対象ONU92に対して、波長切替対象のONU92が送出する上りバースト信号光の到着が次DBA周期において許容される最も早い時刻に上りバースト信号光がOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間が割り当てられる場合に、最短となる。この場合においても、当該ONU92が、波長切替を完了した後に、割り当てられた送信許可時間内に上りバースト信号光を送出できるように、波長切替指示を受信してから波長切替を完了して上りバースト信号光の送出が可能となるまでの時間Δtλの上限値は定められる。波長切替対象のONU間で、より早い時刻にOSU81から送出された制御フレームに従ってONU92から送出される上りバースト信号光ほど、より早い時刻にOSU81に到着するように、波長切替対象の各ONU92に対して上りバースト信号光の送信許可時間が割り当てることにより、Δtλの上限値を大きくすることが可能である。
本実施形態における動的波長帯域割当方法では、非波長切替対象のONU92宛の制御フレームを、波長切替制御フレーム送信領域の後に位置する非波長切替制御フレーム送信領域にて送出し、非波長切替対象のONU92が制御フレームに従って送出する上りバースト信号光が、波長切替対象のONU92が制御フレームに従って送出する上りバースト信号光よりも前にOSU81に到着するように、上りバースト信号光の送信許可時間を各ONU92に対して割り当てることにより、図5の動的波長帯域割当方法と比べて、制御フレーム送信領域の先頭部に送出される非波長切替制御フレームの送出完了時刻とDBA周期の終了時刻との時間差を、波長切替指示を受信してから波長切替を完了して上りバースト信号光の送出が可能となるまでの時間Δtλと、非波長切替制御フレーム送信領域の時間長との合計時間から、非波長切替対象ONU92が制御フレームを受信してから上りバースト信号光の送信が可能となるまでに要する時間Δt1を引いた時間だけ短縮できる。ここで、1個の制御フレームの時間長は制御フレーム送信領域の時間長と比べて十分短いため、本実施形態における動的波長帯域割当方法と図5の動的波長帯域割当方法とでDBA周期の開始時刻からGate送信領域の開始時刻までの時間を等しいとすると、本実施形態における動的波長帯域割当方法によりDBA周期を短縮できる。このDBA周期の短縮により、上り方向通信における遅延を低減することが可能となる。
図13に示すように、DBA周期の開始時刻からGate送信領域の開始時刻までの時間をΔt0、波長切替Gate送信領域の時間長をΔt’Gateすると、DBA周期長ΔtDBAは、式(3)を満たす。
(数3)
ΔtDBA>Δt0+Δt’Gate+max(RTT)+Δt1 (3)
(数3)
ΔtDBA>Δt0+Δt’Gate+max(RTT)+Δt1 (3)
一方、図5の動的波長帯域割当方法において、DBA周期の開始時刻からGate送信領域の開始時刻までの時間をΔt0とすると、DBA周期長は式(1)を満たすため、本実施形態における動的波長帯域割当方法では図5に示す波長切替方式に基づく動的波長帯域割当方法と比べて、およそΔtλ+Δt’’GATE−Δt1だけDBA周期を短縮できることが分かる。Δt’’Gate(=ΔtGate−Δt’Gate)は、非波長切替Gate送信領域の時間長である。
波長切替中における下りDataのフレームロスを回避するためには、波長切替前の論理接続先であったOSU81内にDWBA計算の終了時点で残存する波長切替対象ONU92宛の下りDataフレームが、当該ONU92に到着した後に波長切替を開始することが求められる。これを実現する方式として、波長切替対象ONU92が、波長切替前の論理接続先であったOSU81内にDWBA計算の終了時点で残存する波長切替対象ONU92宛の下りDataフレームを送出し終えるのに要する最大時間ΔtWだけ、Gateを受信した時刻から経ってから、波長切替を開始する図14に示す方式が考えられる。図14の方式では、波長切替指示を受信してから波長切替を完了して上りバースト信号光の送出が可能となるまでの時間Δtλの上限値が小さくなり、ONU92内に搭載する波長可変デバイスにより高速な波長切替が求められる。また、Gate送信領域の開始時刻を、DWBA計算の終了時刻からΔtWだけ経った時刻とする図15に示す方式も考えられる。図15の方式では、図13と比べてDBA周期がΔtWだけ長くなるが、ΔtW<Δtλ+Δt’’Gate−Δt1の場合、図5の動的波長帯域割当方法と比べてDBA周期を短縮できる。
本発明は情報通信産業に適用することができる。
11:光送信器
12:波長合分波手段
13:光受信器
14:波長可変光送受信器
16:局発光源
17:コヒーレント受信器
21:波長可変光送信器
22:波長合分波手段
23:波長可変光受信器
24:光受信器
26:局発光源
27:コヒーレント受信器
81:OSU
90:光ファイバ伝送路
91:OLT
92:ONU
93、96:光合分波手段
94、95、97:波長ルーティング手段
131:波長フィルタ
132:受光器
231:波長可変フィルタ
232:受光器
12:波長合分波手段
13:光受信器
14:波長可変光送受信器
16:局発光源
17:コヒーレント受信器
21:波長可変光送信器
22:波長合分波手段
23:波長可変光受信器
24:光受信器
26:局発光源
27:コヒーレント受信器
81:OSU
90:光ファイバ伝送路
91:OLT
92:ONU
93、96:光合分波手段
94、95、97:波長ルーティング手段
131:波長フィルタ
132:受光器
231:波長可変フィルタ
232:受光器
Claims (7)
- 親ノードと複数の子ノードが光ファイバ伝送路を介して接続される光通信システムにおいて、複数の子ノードから親ノードへ上り信号光を送信するための上り通信波長及び送信許可時間を、親ノードが動的に割り当てる動的波長帯域割当方法であって、
予め定められた帯域割当周期ごとに、複数の子ノードに上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる帯域割当手順と、
帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更する波長切替対象子ノードに対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する通知手順と、
を順に有する動的波長帯域割当方法。 - 前記帯域割当手順において波長切替対象子ノードに送信許可時間を割り当てるに際し、前記通知手順において前記波長切替対象子ノードへ上り通信波長及び送信許可時間を通知する順に前記波長切替対象子ノードからの上り信号光が前記親ノードに到着するように送信許可時間を割り当てることを特徴とする請求項1に記載の動的波長帯域割当方法。
- 前記通知手順において、前記波長切替対象子ノードへの上り通信波長及び送信許可時間の通知の後に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更しない非波長切替対象子ノードへ送信許可時間を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の動的波長帯域割当方法。
- 前記帯域割当手順において、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更しない非波長切替対象子ノードからの上り信号光が、前記波長切替対象子ノードからの上り信号光よりも後に親ノードに到着するように、各々の子ノードに対して送信許可時間を割り当てることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動的波長帯域割当方法。
- 前記帯域割当手順において、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更しない非波長切替対象子ノードに送信許可時間を割り当てるに際し、前記通知手順において前記非波長切替対象子ノードへ送信許可時間を通知する順に前記非波長切替対象子ノードからの上り信号光が前記親ノードに到着するように送信許可時間を割り当てることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の動的波長帯域割当方法。
- 前記通知手順において、同一の帯域割当周期内に親ノード内の同一の受信器にて上り信号光が受信されるように上り通信波長が割り当てられた子ノードに対し、送信許可時間を異なるタイミングで通知することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の動的波長帯域割当方法。
- 親ノードと複数の子ノードが光ファイバ伝送路を介して接続される光通信システムにおいて、複数の子ノードから親ノードへ上り信号光を送信するための上り通信波長及び送信許可時間を動的に割り当てる前記親ノードとして機能する光通信装置であって、
予め定められた帯域割当周期ごとに、複数の子ノードに上り通信波長及び送信許可時間を割り当てる帯域割当部と、
帯域割当周期における予め定められた時間領域に、複数の子ノードのうち上り通信波長を変更する波長切替対象子ノードに対して、変更後の上り通信波長及び送信許可時間を通知する通知部と、
を備える光通信装置。
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