JP2019047128A - 太陽電池の製造方法及び太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い光電変換効率を有する太陽電池を提供する。【解決手段】本発明の太陽電池の製造方法では、アルカリ及び酸化剤を含む第1エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させる第1エッチング工程と、アルカリを含む第2エッチング液と上記単結晶シリコン基板とを接触させる第2エッチング工程と、アルカリ及び異方性エッチング用添加剤を含む第3エッチング液と上記単結晶シリコン基板とを接触させ、上記単結晶シリコン基板の表面にテクスチャを形成する第3エッチング工程と、をこの順で実施して得られた単結晶シリコン基板を用いる。【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池の製造方法及び太陽電池モジュールの製造方法に関する。
エネルギー問題や地球環境問題が深刻化する中、化石燃料に代わる代替エネルギーとして太陽電池が注目されている。結晶シリコン基板を備える結晶シリコン系太陽電池は、光電変換効率が高く、太陽光発電システムとして実用化されている。中でも、単結晶シリコン基板の表面に、単結晶シリコンとは異なるバンドギャップを有する導電型非晶質シリコン系層を有する結晶シリコン系太陽電池は、ヘテロ接合太陽電池と呼ばれている。
ヘテロ接合太陽電池の中でも、導電型非晶質シリコン系層と単結晶シリコン基板との間に真性の非晶質シリコン系層を有するものは、光電変換効率の最も高い結晶シリコン系太陽電池の形態の1つとして知られている。単結晶シリコン基板と導電型非晶質シリコン系層との間に真性の非晶質シリコン系層が製膜されることで、導電型非晶質シリコン系層の製膜による欠陥準位の生成が低減され、かつ基板表面に存在する欠陥(主にシリコンの未結合手)が水素で終端化処理(パッシベーション)される。また、真性の非晶質シリコン系層の存在によって、導電型非晶質シリコン系層製膜時の、結晶シリコン基板表面へのキャリア導入不純物の拡散を防止することもできる。
ヘテロ接合太陽電池等の結晶シリコン系太陽電池においては、光電変換効率を向上させるために、結晶シリコン基板の表面に、テクスチャと呼ばれる四角錘状(ピラミッド状)の凹凸構造が形成されることが多い。基板の表面にテクスチャが形成されていると、結晶シリコン基板に入射する光が散乱されるため、結晶シリコン基板内での光路長を大きくすることができる。
このようなテクスチャは、例えば異方性エッチング技術を用いることにより、結晶シリコン基板の表面に容易に形成することができる。異方性エッチング技術は、エッチング液(例えば、水酸化カリウム水溶液)を選択することにより、シリコン結晶の(100)面と(111)面とで異なるエッチング速度が実現されるという特性を用いたものである。
結晶シリコン基板の表面にテクスチャを形成する方法としては、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、半導体インゴットをスライスして切り出された半導体基板をエッチングして基板表面のダメージ層を除去し、酸化性水溶液とアルカリ性水溶液との混合液に基板を浸漬して基板表面に化学酸化膜を形成した後、アルカリ性水溶液に基板を浸漬して異方性エッチングを行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、結晶系半導体からなる基板の表面にブロッキング層を形成した後、エッチング処理を施すことにより基板の表面に凹凸構造を形成する方法が開示されている。特許文献2には、ブロッキング層を形成する方法の一例として、オゾン水中での酸化処理により酸化膜を形成する方法が記載されている。
上述のとおり、ヘテロ接合太陽電池は、基板表面に真性の非晶質シリコン系層や導電型非晶質シリコン系層が製膜されており、シリコン系層の製膜状態は光電変換効率に影響を及ぼす。特に、基板表面に真性の非晶質シリコン系層が製膜されるヘテロ接合太陽電池では、パッシベーション効果等によって基板表面に存在する欠陥を減らすことができる。このように、ヘテロ接合太陽電池においては、基板表面とシリコン系層との界面の特性が重要であり、他の結晶シリコン系太陽電池に比べて、基板表面の状態(基板表面の清浄性、基板表面に形成されるテクスチャの均一性等)が光電変換効率に大きな影響を及ぼす。
特許文献1によると、異方性エッチングの前に、基板表面に均一な化学酸化膜を形成しておくことで、均一な異方性エッチングができるとされている。また、特許文献2によると、基板の表面にブロッキング層を形成することで、エッチングの深さが基板全面で略等しくなり、基板表面に形成される凹凸構造の均一性を向上できるとされている。そこで、特許文献1又は2に記載の方法によりテクスチャが形成された結晶シリコン基板を用いてヘテロ接合太陽電池を作製したところ、それほど光電変換効率が向上しないことが判明した。したがって、結晶シリコン基板の表面を清浄化する方法、及び、基板表面にテクスチャを均一に形成する方法には、更なる改善の余地があると言える。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、清浄性の高い表面にテクスチャを均一に形成することにより、高い光電変換効率を有するヘテロ接合太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させる第1エッチング工程と、第2エッチング液と上記単結晶シリコン基板とを接触させる第2エッチング工程と、第3エッチング液と上記単結晶シリコン基板とを接触させ、上記単結晶シリコン基板の表面にテクスチャを形成する第3エッチング工程と、をこの順で有する太陽電池用シリコン基板の製造方法に関する。上記第1エッチング液は、アルカリ及び酸化剤を含む。上記第2エッチング液は、アルカリを含む。上記第3エッチング液は、アルカリ及び異方性エッチング用添加剤を含む。
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、基板表面にテクスチャを形成する工程(異方性エッチング)の前に、異なる組成の洗浄液を用いた洗浄を行うことを特徴としている。これにより、いずれか一方の洗浄液を用いた洗浄では取り除けなかった、テクスチャの形成を阻害する要因となるものを取り除くことができる。したがって、異方性エッチング前の基板表面の清浄性を高くすることができ、基板表面にテクスチャを均一に形成することができる。その結果、本発明の方法により製造された太陽電池用シリコン基板を結晶シリコン系太陽電池に用いた場合、短絡電流を向上させることができる。
特に、本発明の方法により製造された太陽電池用シリコン基板をヘテロ接合太陽電池に用いた場合には、基板表面の清浄性が高いため、基板表面に存在する欠陥を少なくすることができる。さらに、基板表面とシリコン系層との界面の特性が改善されるため、真性シリコン系層によるパッシベーション効果等を向上させることができる。その結果、従来のシリコン基板を用いた場合よりも、開放電圧及び曲線因子を向上させることができる。このように、本発明の方法により製造された太陽電池用シリコン基板は、ヘテロ接合太陽電池に用いることが好適である。
なお、本発明において、テクスチャが均一に形成されているとは、一定の大きさのテクスチャが形成されている状態を意味するのではなく、基板表面の全体にテクスチャが形成されており、テクスチャが形成されていない部分が実質的に存在しない状態を意味する。
また、ヘテロ接合太陽電池の光電変換効率を向上させるためには、基板表面に小さいテクスチャを形成することも有効である。基板表面に形成されるテクスチャが小さいと、均一な膜厚を有するシリコン系層をテクスチャ上に形成することができる。つまり、テクスチャの凹部上に形成される真性シリコン系層の厚みが他の部分よりも小さくなるといった問題がなく、パッシベーション不良等による開放電圧の低下を防ぐことができる。また、基板表面に小さいテクスチャが形成されていると、テクスチャ形状を受け継いだ透明電極層の上に集電極を一定の厚みで形成することができる。つまり、集電極の厚みが不均一になるといった問題がなく、高抵抗による曲線因子の低下を防ぐことができる。
上述のとおり、本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、異方性エッチング前の基板表面の清浄性を高くすることができるため、小さいテクスチャを容易に形成することができる。具体的には、本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法では、上記第3エッチング工程において、大きさが1μm以上5μm未満であるテクスチャを形成することができる。
さらに、基板表面に形成されるテクスチャが小さいと、テクスチャの凹部(基板の最も薄い部分)と凸部(基板の最も厚い部分)との間で基板の厚みの差が大きくならないため、基板の厚みが小さい場合であっても、基板が割れにくく、ハンドリング性に優れるという利点もある。そのため、本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法により、基板の薄型化が可能となる。具体的には、本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、上記第3エッチング工程後の単結晶シリコン基板の厚みが170μm以下である基板を製造することができる。
一実施形態においては、上記第1エッチング液中のアルカリ濃度をA1、上記第2エッチング液中のアルカリ濃度をA2、上記第3エッチング液中のアルカリ濃度をA3としたとき、A1≦A2≦A3の関係を満たす。
他の実施形態においては、上記第1エッチング工程の処理温度をB1、上記第2エッチング工程の処理温度をB2、上記第3エッチング工程の処理温度をB3としたとき、B1≦B2≦B3の関係を満たす。
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、上記第1エッチング工程に供される上記単結晶シリコン基板として、基板表面に複数のスライス跡が平行に延在するものを用いてもよい。
また、本発明は、上記の方法により製造された太陽電池用シリコン基板の一主面上に、非晶質又は微結晶シリコン系層を製膜することを特徴とする太陽電池の製造方法に関する。本発明の太陽電池の製造方法においては、上記非晶質又は微結晶シリコン系層を製膜した後、上記非晶質又は微結晶シリコン系層上に透明導電層を形成することが好ましい。
上記のとおり、上記の方法により製造された太陽電池用シリコン基板は、ヘテロ接合太陽電池に用いることが好適であり、上記の方法により製造された太陽電池用シリコン基板をヘテロ接合太陽電池に用いることにより、光電変換効率を向上させることができる。
さらにまた、本発明は、上記の方法により太陽電池を製造し、上記太陽電池の複数を接続し、封止材により封止することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、単結晶シリコン基板の表面の清浄性を高くすることができ、基板表面にテクスチャを均一に形成することができる。その結果、ヘテロ接合太陽電池の光電変換効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
[太陽電池用シリコン基板の製造方法]
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法では、アルカリ及び酸化剤を含む第1エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させた後(第1エッチング工程)、アルカリを含む第2エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させ(第2エッチング工程)、その後、アルカリ及び異方性エッチング用添加剤を含む第3エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させ、単結晶シリコン基板の表面にテクスチャを形成する(第3エッチング工程)。
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法では、アルカリ及び酸化剤を含む第1エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させた後(第1エッチング工程)、アルカリを含む第2エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させ(第2エッチング工程)、その後、アルカリ及び異方性エッチング用添加剤を含む第3エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させ、単結晶シリコン基板の表面にテクスチャを形成する(第3エッチング工程)。
各エッチング工程において、エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させる方法としては、エッチング液に単結晶シリコン基板を浸漬する方法、単結晶シリコン基板の表面にエッチング液を塗布する方法(例えば、エッチング液をスプレーする方法)等が挙げられる。これらの中では、エッチング液に単結晶シリコン基板を浸漬する方法が好ましい。以下の実施形態では、エッチング液に単結晶シリコン基板を浸漬する場合を例に挙げて説明するが、好適なエッチング条件(エッチング液の組成、処理温度、処理時間等)については、他の方法で接触させる場合も同様である。
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法では、まず、スライスした単結晶シリコン基板(以下、シリコンウェハともいう)を準備する。この単結晶シリコン基板は、一導電型(n型又はp型)の単結晶シリコンからなる。
単結晶シリコン基板は、例えばチョクラルスキー法等によって作製されたシリコンインゴットを、ワイヤーソー等を用いて所定の厚みにスライスすることにより作製される。
ワイヤーソーを用いてシリコンインゴットをスライスする代表的な方法としては、遊離砥粒方式と固定砥粒方式とがある。遊離砥粒方式とは、SiC等の砥粒を含む研削液をワイヤーに供給しながらシリコンインゴットをスライスする方式である。一方、固定砥粒方式とは、ダイヤモンド等の硬い砥粒を固着させたワイヤーを用いてシリコンインゴットをスライスする方式である。固定砥粒方式では、ワイヤーを細線化することでスライスのピッチを縮小することができ、原材料のロスを少なくすることができるため、遊離砥粒方式よりも優れている。その一方、固定砥粒方式では、スライスされたシリコンウェハに、砥粒に由来するスライス跡(スライス方向に延在する複数の溝)が残りやすく、均一なテクスチャが形成されにくいという欠点もある。また、固定砥粒方式以外のスライス方法でも、基板表面に複数のスライス跡が平行に延在する場合がある。この場合、スライス跡の深さは0.5〜10μm程度、スライス跡の間隔は0.1〜5μm程度である。本発明においては、固定砥粒方式等を採用し、表面に複数のスライス跡が平行に延在する基板に対しても、基板表面のスライス跡を緩和することができるため、基板表面の清浄性を高くすることができ、テクスチャを均一に形成することができる。
スライス後のシリコンウェハの表面には、スライスによるダメージ層が数μmから数十μm程度の厚みで形成されている。ダメージ層とは、インゴットをスライスする際の機械的衝撃によって結晶組織が破壊されてひずみが生じている層をいう。また、シリコンウェハの表面には、スライス跡も形成されている。さらに、シリコンウェハの表面には、スライス時の汚染物質(例えば、油分等の有機物、パーティクル等)が付着している場合もある。これらはすべて、異方性エッチング時にテクスチャの形成を阻害する要因となる。
本発明においては、必要に応じて、スライスした単結晶シリコン基板に対して、切り粉や研磨剤を除去する洗浄する工程を行ってもよい。
次に、スライスした単結晶シリコン基板を、アルカリ及び酸化剤を含む第1エッチング液に浸漬する(第1エッチング工程)。この工程では、酸化剤の酸化作用によって油分等の有機物を分解するとともに、アルカリによって基板表面をエッチングしていく。基板表面がエッチングされる際、油分等の有機物やパーティクルが除去される。また、酸化剤によって基板表面の一部が酸化される結果、基板の表面には、薄い酸化膜が形成されると考えられる。
第1エッチング液に含まれるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。第1エッチング液には、1種のアルカリのみが含まれていてもよく、2種以上のアルカリが含まれていてもよい。第1エッチング液のpHは、12.9〜13.7が好ましく、13.0〜13.5がより好ましく、13.1〜13.2がさらに好ましい。
上述したアルカリの中では、水酸化カリウムが好ましい。この場合、第1エッチング液中の水酸化カリウムの濃度は、0.5〜3重量%が好ましく、0.7〜2重量%がより好ましく、0.8〜1.2重量%がさらに好ましく、0.8〜1重量%が特に好ましい。
第1エッチング液に含まれる酸化剤としては、例えば、過酸化水素、オゾン等が挙げられる。第1エッチング液には、1種の酸化剤のみが含まれていてもよく、2種以上の酸化剤が含まれていてもよい。
上述した酸化剤の中では、過酸化水素が好ましい。この場合、第1エッチング液中の過酸化水素の濃度は、0.2〜5重量%が好ましく、0.5〜3重量%がより好ましく、0.8〜1.5重量%がさらに好ましい。
第1エッチング液としては、アルカリ性水溶液と過酸化水素水との混合液を用いることが好ましく、水酸化カリウム水溶液と過酸化水素水との混合液を用いることがより好ましい。
第1エッチング工程の処理温度(第1エッチング液の温度)は、50〜90℃が好ましく、60〜70℃がより好ましい。
第1エッチング工程の処理時間(第1エッチング液への浸漬時間)は、第1エッチング液のアルカリ濃度や温度等を考慮して適宜決定すればよいが、例えば、3〜10分間程度である。
第1エッチング工程の後、アルカリを含む第2エッチング液に単結晶シリコン基板を浸漬する(第2エッチング工程)。この工程では、アルカリによって基板表面をエッチングすることで、第1エッチング工程で除去されなかったテクスチャの形成を阻害する要因となるものを好適に除去することができる。例えば、第1エッチング工程の酸化剤によって形成された酸化膜、第1エッチング工程で除去できずに残った汚染物質(特に、油分等の有機物)、スライスによる基板表面のダメージ層やスライス跡等を除去又は緩和することができる。また、上述したように、固定砥粒方式等でシリコンインゴットをスライスした場合のように、表面に複数のスライス跡が平行に延在する基板に対しても、この第2エッチング工程を行うことにより、スライス跡を緩和することができる。
第2エッチング液に含まれるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。第2エッチング液には、1種のアルカリのみが含まれていてもよく、2種以上のアルカリが含まれていてもよい。第2エッチング液のpHは、13.1〜14.3が好ましく、13.2〜14.0がより好ましく、13.3〜13.6がさらに好ましい。
上述したアルカリの中では、水酸化カリウムが好ましい。この場合、第2エッチング液中の水酸化カリウムの濃度は特に限定されないが、0.8〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましく、1.2〜3重量%がさらに好ましく、1.5〜2.8重量%が特に好ましい。
第2エッチング液は、第1エッチング工程で説明した酸化剤、及び、第3エッチング工程で説明する異方性エッチング用添加剤を実質的に含まないことが好ましい。具体的には、第2エッチング液中の酸化剤の濃度は、0.01重量%以下が好ましく、0.001重量%以下がより好ましく、0重量%が最も好ましい。同様に、第2エッチング液中の異方性エッチング用添加剤の濃度は、0.01重量%以下が好ましく、0.001重量%以下がより好ましく、0重量%が最も好ましい。
すなわち、第2エッチング液としては、アルカリ性水溶液を単独で用いることが好ましく、水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。
第2エッチング工程の処理温度(第2エッチング液の温度)は、60〜95℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。
第2エッチング工程の処理時間(第2エッチング液への浸漬時間)は、第2エッチング液のアルカリ濃度や温度等を考慮して適宜決定すればよいが、例えば、1〜10分間程度である。
なお、第1及び第2エッチング工程では、基本的には単結晶シリコン基板に対して等方性エッチングが行われる。ただし、第1及び第2エッチング工程においては、単結晶シリコン基板が局所的に異方性エッチングされる場合がある。
第2エッチング工程の後、アルカリ及び異方性エッチング用添加剤を含む第3エッチング液に単結晶シリコン基板を浸漬する(第3エッチング工程)。この工程では、単結晶シリコン基板に対して異方性エッチングを行うことで、基板表面にテクスチャを形成することができる。
第3エッチング液に含まれるアルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。第3エッチング液には、1種のアルカリのみが含まれていてもよく、2種以上のアルカリが含まれていてもよい。第3エッチング液のpHは、13.5〜14.3が好ましく、13.6〜14.1がより好ましく、13.7〜14.0がさらに好ましい。
上述したアルカリの中では、水酸化カリウムが好ましい。この場合、第3エッチング液中の水酸化カリウムの濃度は、2〜10重量%が好ましく、2.5〜8重量%がより好ましく、3〜6重量%がさらに好ましい。
第3エッチング液に含まれる異方性エッチング用添加剤は、異方性エッチング時の反応中に発生する水素ガスが単結晶シリコン基板へ付着することを防ぐために添加される。異方性エッチング用添加剤としては、表面張力を低下させる働きを有するものが好ましく用いられ、例えば、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)等のアルコール類や、界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、市販のものを使用することができる。第3エッチング液には、1種の異方性エッチング用添加剤のみが含まれていてもよく、2種以上の異方性エッチング用添加剤が含まれていてもよい。
異方性エッチング用添加剤としてイソプロピルアルコールを用いる場合、第3エッチング液中のイソプロピルアルコールの濃度は、0.5〜20重量%が好ましく、0.8〜18重量%がより好ましく、1〜15重量%がさらに好ましい。
第3エッチング液としては、異方性エッチング用添加剤を添加したアルカリ性水溶液を用いることが好ましく、イソプロピルアルコール又は界面活性剤を添加した水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。また、異方性エッチング用添加剤が予め添加された市販のエッチング液を使用してもよい。
第3エッチング工程の処理温度(第3エッチング液の温度)は、70〜95℃が好ましく、80〜90℃がより好ましい。
第3エッチング工程の処理時間(第3エッチング液への浸漬時間)は、第3エッチング液のアルカリ濃度や温度等を考慮して適宜決定すればよいが、例えば、10〜30分間程度である。
以上の工程により、単結晶シリコン基板の表面にテクスチャが形成された太陽電池用シリコン基板を製造することができる。
上述したように、本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、異方性エッチング前に第1及び第2エッチング工程が行われることにより、基板表面の清浄性を高くすることができ、単結晶シリコン基板の表面にテクスチャを均一に形成することができる。その結果、基板の反射率を低くすることができ、太陽電池に用いた場合に短絡電流を向上させることができる。
また、本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、基板の洗浄から異方性エッチングに至るまで、一貫してアルカリを含むエッチング液を用いている。そのため、製造工程での汚染(コンタミネーション)を防ぐことができ、生産性を向上させることができる。このような観点から、第1エッチング液、第2エッチング液及び第3エッチング液には、同じ種類のアルカリが含まれていることが好ましく、水酸化カリウムが含まれていることが好ましい。
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、第1エッチング液中のアルカリ濃度をA1、第2エッチング液中のアルカリ濃度をA2、第3エッチング液中のアルカリ濃度をA3としたとき、A1≦A3の関係を満たすことが好ましく、A1<A3の関係を満たすことがより好ましい。A2については特に限定されないが、第2エッチング工程でのエッチング反応をマイルドにする観点から、A2≦A3の関係を満たすことが好ましく、A2<A3の関係を満たすことがより好ましく、また、A1≦A2の関係を満たすことが好ましく、A1<A2の関係を満たすことがより好ましい。以上より、A1≦A2≦A3の関係を満たすことが好ましく、A1<A2<A3の関係を満たすことがより好ましい。
上記と同様、本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法においては、第1エッチング工程の処理温度をB1、第2エッチング工程の処理温度をB2、第3エッチング工程の処理温度をB3としたとき、B1≦B3の関係を満たすことが好ましく、B1<B3の関係を満たすことがより好ましい。B2については特に限定されないが、第2エッチング工程でのエッチング反応をマイルドにする観点から、B2≦B3の関係を満たすことが好ましく、B2<B3の関係を満たすことがより好ましく、また、B1≦B2の関係を満たすことが好ましく、B1<B2の関係を満たすことがより好ましい。以上より、B1≦B2≦B3の関係を満たすことが好ましく、B1<B2<B3の関係を満たすことがより好ましい。
[太陽電池用シリコン基板]
図1に、単結晶シリコン基板の表面に形成されたテクスチャの一例を示す。十分な光散乱特性を得るためには、単結晶シリコン基板のテクスチャは、図1に示すように連続的に形成されていることが好ましい。テクスチャが連続した形状になっていないと、光散乱特性が低下する傾向がある。ここで、連続とは、構造が実質的に平坦部を有することなく凸部が隣接している状態を意味する。
図1に、単結晶シリコン基板の表面に形成されたテクスチャの一例を示す。十分な光散乱特性を得るためには、単結晶シリコン基板のテクスチャは、図1に示すように連続的に形成されていることが好ましい。テクスチャが連続した形状になっていないと、光散乱特性が低下する傾向がある。ここで、連続とは、構造が実質的に平坦部を有することなく凸部が隣接している状態を意味する。
単結晶シリコン基板表面のテクスチャの大きさは、凸部の頂点と凹部の谷の高低差により求めることができる。図1に示すように、テクスチャの大きさH1は、隣接する凹凸構造のそれぞれの凸部の頂点T1とT2とを結んだ線と、両頂点間の凹部の谷V1との距離で定義される。
テクスチャの大きさは、原子間力顕微鏡を用いて基板の表面形状を測定することによって特定することができる。具体的には、高低差H1は、原子間力顕微鏡(AFM)により単結晶シリコン基板の表面を40×40μm2程度の面積で走査して、表面形状を測定することにより求められる。測定された平面形状(AFM像)から無作為にテクスチャの凸部の頂点T1を選択し、頂点T1と隣接する1つのテクスチャの凸部の頂点をT2、T1とT2との間の凹部の谷をV1として、直線T1−T2とV1との距離により高低差H1を算出すればよい。テクスチャの大きさに分布がある場合、20箇所で高低差を算出してその平均値を求め、この平均値をテクスチャの大きさH1とすればよい。
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法では、基板表面の清浄性を高くすることができるため、単結晶シリコン基板表面に小さいテクスチャを容易に形成することができる。第3エッチング工程で形成されるテクスチャの大きさは、1μm以上5μm未満であることが好ましく、2μm以上4μm未満であることがより好ましい。
本発明の太陽電池用シリコン基板の製造方法では、小さいテクスチャが形成されやすいため、単結晶シリコン基板の厚みを小さくしても割れにくい。したがって、基板の厚みを小さくした分だけシリコンの使用量を減らすことができ、生産コストを削減することができる。第3エッチング工程後の単結晶シリコン基板の厚みは、170μm以下、160μm以下、150μm以下、130μm以下又は110μm以下とすることができる。単結晶シリコン基板の厚みの下限は特に限定されないが、例えば、50μm以上であればよい。
単結晶シリコン基板の厚みは、後述する図2のH0で示すように、一方の主面側のテクスチャの凸部側頂点を結んだ直線と他方の主面側のテクスチャの凸部側頂点とを結んだ直線との距離で算出される。
[太陽電池]
上述の製造方法により製造された太陽電池用シリコン基板を用いて、結晶シリコン系太陽電池を製造することができる。上記太陽電池用シリコン基板の表面にはテクスチャが均一に形成されているため、基板の反射率を低くすることができ、短絡電流を向上させることができる。
上述の製造方法により製造された太陽電池用シリコン基板を用いて、結晶シリコン系太陽電池を製造することができる。上記太陽電池用シリコン基板の表面にはテクスチャが均一に形成されているため、基板の反射率を低くすることができ、短絡電流を向上させることができる。
中でも、上述の製造方法により製造された太陽電池用シリコン基板を用いて、ヘテロ接合太陽電池を製造することが好ましい。具体的には、上記太陽電池用シリコン基板の一主面上に、非晶質又は微結晶シリコン系層を製膜することが好ましく、上記太陽電池用シリコン基板の一主面上に、真性の非晶質又は微結晶シリコン系層を製膜することがより好ましい。
上記太陽電池用シリコン基板をヘテロ接合太陽電池に用いた場合、基板表面の清浄性が高いため、基板表面に存在する欠陥を少なくすることができる。さらに、基板表面とシリコン系層との界面の特性が改善されるため、真性シリコン系層によるパッシベーション効果等を向上させることができる。その結果、従来のシリコン基板を用いた場合よりも、開放電圧及び曲線因子を向上させることができる。
さらに、基板表面に小さいテクスチャが形成されている場合には、均一な膜厚を有するシリコン系層をテクスチャ上に形成することができる。そのため、パッシベーション不良等による開放電圧の低下を防ぐことができる。また、基板表面に小さいテクスチャが形成されている場合には、テクスチャ形状を受け継いだ透明電極層の上に集電極を一定の厚みで形成することができる。そのため、高抵抗化による曲線因子の低下を防ぐことができる。
このように、上記太陽電池用シリコン基板をヘテロ接合太陽電池に用いることで、変換効率の高い太陽電池を得ることができる。
以下、上記太陽電池用シリコン基板を用いた太陽電池の好適例として、ヘテロ接合太陽電池の構成及び製造方法について説明する。
図2に、ヘテロ接合太陽電池の一例を示す。図2に示すヘテロ接合太陽電池においては、一導電型単結晶シリコン基板1の一方の面に第1真性シリコン系層2、他方の面に第2真性シリコン系層4が形成されている。第1真性シリコン系層2及び第2真性シリコン系層4のそれぞれの表面には、p型シリコン系層3及びn型シリコン系層5が形成されている。p型シリコン系層3及びn型シリコン系層5のそれぞれの表面には、第1透明導電層6及び第2透明導電層8が形成されている。少なくとも光入射側の透明導電層上には、集電極が形成される。図2においては、光入射側及び裏面側の両方に集電極7,9が形成されている。
一導電型単結晶シリコン基板1としては、上述の製造方法により製造された太陽電池用シリコン基板が用いられている。一般的に単結晶シリコン基板は、シリコンに対して電荷を供給する不純物を含有しており、導電性を有している。このような不純物を含有する導電型単結晶シリコン基板としては、Si原子に対して電子を導入する不純物(例えば、リン原子)を含有するn型単結晶シリコン基板と、Si原子に対して正孔を導入する不純物(例えば、ホウ素原子)を有するp型単結晶シリコン基板とがある。すなわち、本明細書における「一導電型」とは、n型又はp型のいずれか一方であることを意味する。
このような一導電型単結晶シリコン基板がヘテロ接合太陽電池に用いられる場合、単結晶シリコン基板へ入射した光が最も多く吸収される入射側のへテロ接合が逆接合であることが好ましい。光入射側のヘテロ接合が逆接合であれば、強い電場が設けられ、電子・正孔対を効率的に分離回収することができる。一方で、正孔と電子とを比較した場合、有効質量及び散乱断面積の小さい電子の方が、一般的に移動度が大きい。以上の観点から、一導電型単結晶シリコン基板1は、n型単結晶シリコン基板であることが好ましい。
このようにn型単結晶シリコン基板が用いられる場合のヘテロ接合太陽電池の構成例としては、光入射側から、集電極7/透明導電層6/p型シリコン系層3/真性シリコン系層2/n型単結晶シリコン基板1/真性シリコン系層4/n型シリコン系層5/透明導電層8/集電極9をこの順に有するものが挙げられる。当該形態においては、n型シリコン系層(n層ともいう)側を裏面側とすることが好ましい。上述のとおり、光閉じ込めの観点から、単結晶シリコン基板の表面にはテクスチャ(凹凸構造)が形成されている。
単結晶シリコン基板1の表面にはシリコン系層が製膜される。シリコン系層の製膜方法としてはプラズマCVDが好ましい。シリコン系層の製膜には、原料ガスとして、SiH4、Si2H6等のシリコン含有ガス、又は、それらのガスとH2を混合したものが用いられる。p層又はn層を形成するためのドーパントガスとしては、B2H6又はPH3等が好ましく用いられる。この場合、PやBといった不純物の添加量は微量でよいため、ドーパントガスが予め原料ガスやH2などで希釈された混合ガスを用いることもできる。また、CH4、CO2、NH3、GeH4等の異種元素を含むガスを上記ガスに添加することにより、シリコン系層として、シリコンカーバイド、シリコンナイトライド、シリコンゲルマニウム等のシリコン合金層が製膜されてもよい。
上記の真性シリコン系層2,4は、実質的に真性なノンドープシリコン系薄膜である。真性シリコン系層2,4は、実質的にシリコン及び水素からなる真性水素化非晶質シリコンであることが好ましい。単結晶シリコン基板1表面に真性シリコン系層2,4が形成されることで、導電型シリコン層製膜時の単結晶シリコン基板への不純物拡散が抑制されつつ、単結晶シリコン基板表面のパッシベーションを有効に行うことができる。また、真性シリコン系層の膜中の水素量を変化させることで、エネルギーギャップにキャリア回収を行う上で有効なプロファイルを持たせることができる。
本発明では、単結晶シリコン基板1として上述の製造方法により製造された太陽電池用シリコン基板が用いられているため、基板表面の清浄性が高く、基板表面に存在する欠陥が少ない。また、基板表面と真性シリコン系層との界面の特性に優れており、真性シリコン系層による良好なパッシベーション効果等を得ることができる。その結果、開放電圧及び曲線因子を向上させることができる。このようなパッシベーション効果等による変換効率の向上を考えた場合、本発明の製造方法により製造された太陽電池用シリコン基板は、基板表面に真性シリコン系層が形成されたヘテロ接合太陽電池に用いることが好ましい。
真性シリコン系層2,4の膜厚は、3nm〜16nmであることが好ましく、4nm〜14nmであることがより好ましく、5nm〜12nmであることがさらに好ましい。真性シリコン系層の膜厚が過度に小さいと、導電型シリコン系層3,5中の不純物原子の単結晶シリコン基板面への拡散や、単結晶シリコン基板表面のカバレッジ悪化に起因して、界面欠陥が増大する傾向がある。一方、真性シリコン系層の膜厚が過度に大きいと、高抵抗化や光吸収ロスの増大による変換特性の低下を招く場合がある。
第1真性シリコン系層2上には、p型シリコン系層3が形成される。p型シリコン系層は、p型水素化非晶質シリコン層、p型非晶質シリコンカーバイド層、p型酸化非晶質シリコン層等の非晶質シリコン系層であることが好ましい。非晶質シリコン系層は、微結晶シリコン系層に比して低パワー密度での製膜が可能であるため、不純物原子の単結晶シリコン基板面への拡散が抑制される。非晶質シリコン系層の中でも、不純物拡散の抑制や直列抵抗低下の観点では、p型水素化非晶質シリコン層が好ましい。一方で、p型非晶質シリコンカーバイド層あるいはp型酸化非晶質シリコン層はワイドギャップの低屈折率層として光学的なロスを低減できる点において好ましい。p型シリコン系層3の厚みは、3nm〜50nmの範囲が好ましい。
第2真性シリコン系層4上には、n型シリコン系層5が形成される。n型シリコン系層5は、n型非晶質シリコン系層あるいはn型微結晶シリコン系層の単層により構成されてもよく、複数層により構成されてもよい。n型シリコン系層5の厚みは、5nm〜50nmの範囲が好ましい。
n型非晶質シリコン系層としては、隣接層との良好な接合特性が得られやすいことから、n型水素化非晶質シリコン層やn型非晶質シリコンナイトライド層が好ましい。n型微結晶シリコン系層としては、例えばn型微結晶シリコン層、n型微結晶シリコンカーバイド層、n型微結晶シリコンオキサイド層が挙げられる。n層内部の欠陥の生成を抑制する観点からは、ドープ不純物以外の不純物が積極的に添加されていないn型微結晶シリコン層が好適に用いられる。一方で、n型微結晶シリコン系層としてn型微結晶シリコンカーバイド層や、n型微結晶シリコンオキサイド層を用いることで、実効的な光学ギャップを広げることができ、屈折率も低下することから、光学的なメリットが得られる。
p型シリコン系層3上及びn型シリコン系層5上には、それぞれ第1透明導電層6及び第2透明導電層8が形成される。第1及び第2透明導電層の膜厚は、透明性と導電性の観点から、10nm以上140nm以下であることが好ましい。透明導電層の役割は、集電極へのキャリアの輸送であり、そのために必要な導電性があればよい。一方で、透明性の観点から、厚すぎる透明導電層は、それ自身の吸収ロスのために透過率を減少させて、光電変換効率を低下させる原因となる場合がある。透明導電層としては、一般に、透明導電性金属酸化物、例えば酸化インジウムや酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタンやその複合酸化物などからなる薄膜が用いられる。中でも、酸化インジウムを主成分とするインジウム系複合酸化物が好ましい。高い導電率と透明性の観点からは、インジウム錫複合酸化物(ITO)が特に好ましく用いられる。
第1透明導電層及び第2透明導電層は、いずれも公知の手法により製膜することができる。製膜方法としては、スパッタリング法、イオンプレーティング法、有機金属化学気相堆積(MOCVD)法、熱CVD法、プラズマCVD法、分子線ビームエピタキシー(MBE)法やパルスレーザー堆積(PLD)法等が挙げられる。中でも、ITO等のインジウム系複合酸化物層の製膜には、スパッタリング法が好適に用いられる。透明導電層製膜時の基板温度は適宜設定すればよいが、200℃以下が好ましい。それ以上の高温となると、シリコン系層から水素が脱離して、ケイ素原子にダングリングボンドが発生し、キャリアの再結合中心となる場合がある。
透明導電層6,8上には、電流取り出しのための集電極7,9が形成される。集電極は、インクジェット、スクリーン印刷、導線接着、スプレー、めっき等の公知技術によって作製できる。スクリーン印刷法においては、金属粒子と樹脂バインダーからなる導電ペーストをスクリーン印刷によって印刷する方法が用いられる。めっき法においては、レジストを用いてパターン電極を形成する方法(例えば、特開昭60−66426号公報参照)、第一導電層上の絶縁層に開口部を形成し、この絶縁層の開口部を起点として、めっきにより第二導電層を析出させる方法(例えば、特許第5325349号公報参照)が用いられる。いずれの方法で集電極を作製する場合であっても、小さいテクスチャが形成された基板を用いることにより、テクスチャ形状を受け継いだ透明導電層の上に集電極を一定の厚みで形成することができる。そのため、集電極の抵抗を低くすることができる。特に、めっき法により集電極を作製する場合、基板表面に大きいテクスチャが形成されていると、テクスチャの凹部におけるレジストや絶縁層の厚みが小さくなり、その部分に電極が析出されてしまう。これに対して、小さいテクスチャが形成された基板を用いると、このような問題は生じない。したがって、集電極の抵抗を低くすることができ、曲線因子を向上させることが可能である。
少なくとも光入射側の集電極は、太陽電池への光入射面積を大きくするために、櫛形パターン等の形状にパターン化されていることが好ましい。光入射側と反対側の集電極は、パターン化されていてもよく、パターン化されていなくともよい。例えば、光入射側と反対側の金属電極が透明導電層上の略全面に形成されていてもよく、この場合は、金属電極層が、シリコン基板に吸収されなかった光がセル外に漏れることを抑止する反射層として作用し得る。また、透明導電層と集電極あるいは金属電極層との間に、反射層としてAgやAl等の金属層が形成されていてもよい。
以上のとおり、本発明の製造方法により製造された太陽電池用シリコン基板は、ヘテロ接合太陽電池に用いることで、基板の反射率低下による短絡電流の向上効果だけでなく、ヘテロ接合太陽電池に特有の構成に起因する開放電圧及び曲線因子の向上効果が顕著となる。
上記のように製造された太陽電池は、実用に供するに際して、モジュール化されることが好ましい。太陽電池のモジュール化は、適宜の方法により行われる。例えば、集電極にタブ等のインターコネクタを介してバスバーが接続されることによって、複数の太陽電池が直列又は並列に接続され、封止材及びガラス板により封止されることによりモジュール化が行われる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
膜厚は、断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。なお、TEM観察によって、真性シリコン系層と導電型シリコン系層との界面を識別することは困難である。そのため、これらの層の膜厚は、TEM観察から求められた各層の合計厚みと製膜時間の比から算出した。また、テクスチャが形成されたシリコン基板表面に形成された層については、テクスチャの斜面と垂直な方向を膜厚方向とした。太陽電池の光電変換特性は、ソーラーシミュレータを用いて評価した。
膜厚は、断面の透過型電子顕微鏡(TEM)観察により求めた。なお、TEM観察によって、真性シリコン系層と導電型シリコン系層との界面を識別することは困難である。そのため、これらの層の膜厚は、TEM観察から求められた各層の合計厚みと製膜時間の比から算出した。また、テクスチャが形成されたシリコン基板表面に形成された層については、テクスチャの斜面と垂直な方向を膜厚方向とした。太陽電池の光電変換特性は、ソーラーシミュレータを用いて評価した。
[実施例1]
実施例1では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、図2に模式的に示すヘテロ接合太陽電池を作製した。
実施例1では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、図2に模式的に示すヘテロ接合太陽電池を作製した。
入射面の面方位が(100)で、厚みが180μmのn型単結晶シリコン基板が、65℃に保持された1/1重量%のKOH/H2O2水溶液(第1エッチング液)にシリコン基板が10分間浸漬された(第1エッチング工程)。第1エッチング工程後、75℃に保持された2重量%のKOH水溶液(第2エッチング液)にシリコン基板が2分間浸漬された(第2エッチング工程)。第2エッチング工程後、80℃に保持された3/1重量%のKOH/イソプロピルアルコール水溶液(第3エッチング液)にシリコン基板が30分間浸漬され、シリコン基板表面がエッチングされることでテクスチャが形成された(第3エッチング工程)。その後、超純水によるリンスが2回行われた。
シリコン基板に形成されたテクスチャの表面形状を測定するため、原子間力顕微鏡(AFM パシフィックナノテクノロジー社製)により40×40μm2のサイズでシリコン基板の表面観察を行った。シリコン基板表面には、ピラミッド型のテクスチャが均一に形成されていた。また、図1に示すように、テクスチャの凸部の頂点T1及びT2並びに凹部の谷V1を選択し、T1及びT2を通る直線での断面図をもとに、シリコン基板のテクスチャの高低差H1(テクスチャの大きさ)を算出したところ、3.1μmであった。
エッチングが終了した単結晶シリコン基板1がCVD装置へ導入され、一方の面(入射面側)に、第1真性非晶質シリコン層2が5nmの膜厚で製膜された。製膜条件は、基板温度が150℃、圧力120Pa、SiH4/H2流量比が3/10、高周波パワー密度が0.011W/cm2であった。第1真性非晶質シリコン層2上にp型非晶質シリコン層3が10nmの膜厚で製膜された。p型非晶質シリコン層3の製膜条件は、基板温度が150℃、圧力60Pa、SiH4/希釈B2H6流量比が1/3、高周波パワー密度が0.011W/cm2であった。なお、上記希釈B2H6ガスとしては、H2によりB2H6濃度が5000ppmまで希釈されたガスが用いられた。
単結晶シリコン基板1の他方の面(裏面側)に、第2真性非晶質シリコン層4が5nmの膜厚で製膜された。第2真性非晶質シリコン層4の製膜条件は、第1真性非晶質シリコン層2の製膜条件と同一であった。第2真性非晶質シリコン層4上にn型非晶質シリコン層5が10nmの膜厚で製膜された。n型非晶質シリコン層5の製膜条件は、基板温度が150℃、圧力60Pa、SiH4/希釈PH3流量比が1/2、高周波パワー密度が0.011W/cm2であった。なお、上記希釈PH3ガスとしては、H2によりPH3濃度が5000ppmまで希釈されたガスが用いられた。
p型非晶質シリコン層3上及びn型非晶質シリコン層5上のそれぞれに、第1透明導電層6及び第2透明導電層8として、インジウム錫複合酸化物(ITO)が100nmの膜厚で製膜された。ITOの製膜には、ターゲットとして酸化インジウムと酸化スズの焼結体(酸化錫含有量が5重量%)が用いられた。キャリアガスとしてアルゴンが100sccmで導入され、基板温度は室温、圧力0.2Pa、高周波パワー密度0.5W/cm2の条件で製膜が行われた。
上記の透明導電層6,8のそれぞれの表面に、集電極7,9として、銀ペーストがスクリーン印刷された。その後、銀ペーストを固化するために、150℃の大気下にて60分間加熱が行われて、櫛形の集電極が形成された。集電極の間隔は10mmとした。
[比較例1]
比較例1では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
比較例1では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
入射面の面方位が(100)で、厚みが180μmのn型単結晶シリコン基板が、80℃に保持された3/1重量%のKOH/イソプロピルアルコール水溶液(第3エッチング液)に、シリコン基板が30分間浸漬され、シリコン基板表面がエッチングされることでテクスチャが形成された(第3エッチング工程)。その後、超純水によるリンスが2回行われた。
実施例1と同様の方法により、シリコン基板の表面観察を行ったところ、シリコン基板表面には、ピラミッド型のテクスチャが形成されていたが、均一に形成されていない箇所があることが確認された。また、シリコン基板のテクスチャの大きさを算出したところ、8.2μmであった。
[比較例2]
比較例2では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
比較例2では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
入射面の面方位が(100)で、厚みが180μmのn型単結晶シリコン基板が、75℃に保持された2重量%のKOH水溶液(第2エッチング液)にシリコン基板が2分間浸漬された(第2エッチング工程)。第2エッチング工程後、80℃に保持された3/1重量%のKOH/イソプロピルアルコール水溶液(第3エッチング液)にシリコン基板が30分間浸漬され、シリコン基板表面がエッチングされることでテクスチャが形成された(第3エッチング工程)。その後、超純水によるリンスが2回行われた。
実施例1と同様の方法により、シリコン基板の表面観察を行ったところ、シリコン基板表面には、ピラミッド型のテクスチャが形成されていたが、均一に形成されていない箇所があることが確認された。また、シリコン基板のテクスチャの大きさを算出したところ、9.8μmであった。
[比較例3]
比較例3では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
比較例3では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
入射面の面方位が(100)で、厚みが180μmのn型単結晶シリコン基板が、65℃に保持された1/1重量%のKOH/H2O2水溶液(第1エッチング液)にシリコン基板が10分間浸漬された(第1エッチング工程)。第1エッチング工程後、80℃に保持された3/1重量%のKOH/イソプロピルアルコール水溶液(第3エッチング液)にシリコン基板が30分間浸漬され、シリコン基板表面がエッチングされることでテクスチャが形成された(第3エッチング工程)。その後、超純水によるリンスが2回行われた。
実施例1と同様の方法により、シリコン基板の表面観察を行ったところ、シリコン基板表面には、ピラミッド型のテクスチャが形成されていたが、均一に形成されていない箇所があることが確認された。また、シリコン基板のテクスチャの大きさを算出したところ、2.5μmであった。
[比較例4]
比較例4では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
比較例4では、以下の方法により太陽電池用シリコン基板を作製し、この基板を用いて、実施例1と同様にヘテロ接合太陽電池を作製した。
入射面の面方位が(100)で、厚みが180μmのn型単結晶シリコン基板が、75℃に保持された2重量%のKOH水溶液(第2エッチング液)にシリコン基板が2分間浸漬された(第2エッチング工程)。第2エッチング工程後、65℃に保持された1/1重量%のKOH/H2O2水溶液(第1エッチング液)にシリコン基板が10分間浸漬された(第1エッチング工程)。第1エッチング工程後、80℃に保持された3/1重量%のKOH/イソプロピルアルコール水溶液(第3エッチング液)にシリコン基板が30分間浸漬され、シリコン基板表面がエッチングされることでテクスチャが形成された(第3エッチング工程)。その後、超純水によるリンスが2回行われた。
実施例1と同様の方法により、シリコン基板の表面観察を行ったところ、シリコン基板表面には、ピラミッド型のテクスチャが形成されていたが、均一に形成されていない箇所があることが確認された。また、シリコン基板のテクスチャの大きさを算出したところ、2.2μmであった。
実施例1及び比較例1〜4のヘテロ接合太陽電池の光電変換特性を、ソーラーシミュレータを用いて評価した結果を表1に示す。なお、表1においては、光電変換特性(開放電圧、短絡電流、曲線因子及び変換効率)の実測値に加えて、比較例1を基準値として規格化された数値も示されている。また、実施例1で作製した太陽電池用シリコン基板の表面のSEM写真を図3に、比較例1〜4で作製した太陽電池用シリコン基板の表面のSEM写真をそれぞれ図4〜図7に示す。
比較例1と比較した場合、実施例1では、ヘテロ接合太陽電池の短絡電流が向上している。一般に、基板表面にテクスチャが均一に形成されていると、反射率が低下し、短絡電流が向上する。図3からもわかるように、実施例1では、第1及び第2エッチング工程を行うことにより、第3エッチング工程(異方性エッチング)前の基板表面が清浄化され、基板表面にテクスチャが均一に形成されている。一方、比較例1では、基板表面にテクスチャが均一に形成されていない(図4参照)。また、実施例1では、基板表面が清浄化されており、ダメージ層やスライス跡、汚染物質等が除去又は緩和されているため、ヘテロ接合太陽電池の開放電圧及び曲線因子も向上している。以上より、第1及び第2エッチング工程を行うことで、基板表面の清浄性を高くすることができ、また、基板表面にテクスチャを均一に形成することができるため、その基板を用いた太陽電池の変換効率を向上させることができる。
比較例2では、第2エッチング工程を行っているものの、比較例1と比べて開放電圧及び短絡電流が向上していない。これは、比較例2では第1エッチング工程を行っていないため、ダメージ層やスライス跡、汚染物質等が基板表面から十分に除去されておらず、基板表面にテクスチャが均一に形成されなかったことが原因と考えられる(図5参照)。
第1エッチング工程を行った比較例3では、比較例1及び2と比べて開放電圧、短絡電流及び曲線因子が向上しているものの、その向上効果は実施例1と比べて小さい。図4からもわかるように、比較例3では、基板表面にテクスチャが均一に形成されておらず、それが開放電圧等の向上効果が小さい原因と考えられる。テクスチャが均一に形成されていない理由としては、比較例3では第1エッチング工程後に第2エッチング工程を行っていないため、基板表面に形成された酸化膜、第1エッチング工程で除去できなかった汚染物質(特に、油分等の有機物)、スライスによる基板表面のダメージ層やスライス跡等が除去されていないことが考えられる。図6では、スライス跡に由来してテクスチャが均一に形成されていないことが確認できる。
比較例4は、比較例3と同様の光電変換特性を有している。比較例4では、第1及び第2エッチング工程を行っているが、実施例1と異なり、第2エッチング工程後に第1エッチング工程を行っている。そのため、比較例3と同様、基板表面に形成された酸化膜や汚染物質、ダメージ層やスライス跡等が除去されておらず、実施例1と比べてテクスチャが均一に形成されていないと考えられる。図7に示すように、比較例4で作製した太陽電池用シリコン基板の表面状態は、比較例3と同様であった。
1 一導電型単結晶シリコン基板
2,4 真性シリコン系層
3 p型シリコン系層
5 n型シリコン系層
6,8 透明導電層
7,9 集電極
2,4 真性シリコン系層
3 p型シリコン系層
5 n型シリコン系層
6,8 透明導電層
7,9 集電極
Claims (8)
- アルカリ及び酸化剤を含む第1エッチング液と単結晶シリコン基板とを接触させる第1エッチング工程と、
アルカリを含む第2エッチング液と前記単結晶シリコン基板とを接触させる第2エッチング工程と、
アルカリ及び異方性エッチング用添加剤を含む第3エッチング液と前記単結晶シリコン基板とを接触させ、前記単結晶シリコン基板の表面にテクスチャを形成する第3エッチング工程と、
をこの順で実施し、得られたシリコン基板の一主面上に非晶質又は微結晶シリコン系層を製膜し、その上に透明導電層を形成する太陽電池の製造方法であって、
前記第1エッチング液、前記第2エッチング液及び前記第3エッチング液には、同じ種類のアルカリが含まれており、
前記第1エッチング工程と前記第2エッチング工程との間、および前記第2エッチング工程と前記第3エッチング工程との間のいずれにも、前記単結晶シリコン基板の表面の洗浄を実施せず、前記第1エッチング工程と前記第2エッチング工程と前記第3エッチング工程とを連続して実施する、太陽電池の製造方法。 - 前記第1エッチング液中のアルカリ濃度A1と、前記第3エッチング液中のアルカリ濃度A3が、A1≦A3を満たす、請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記第3エッチング工程で形成されるテクスチャの大きさが1μm以上5μm未満である請求項1に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記第3エッチング工程後の単結晶シリコン基板の厚みが170μm以下である請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記第3エッチング液が、前記異方性エッチング用添加剤としてイソプロピルアルコールを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記第1エッチング工程の処理温度をB1、前記第2エッチング工程の処理温度をB2、前記第3エッチング工程の処理温度をB3としたとき、B1≦B2≦B3の関係を満たす請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
- 前記第1エッチング工程に供される前記単結晶シリコン基板として、基板表面に複数のスライス跡が平行に延在するものを用いる請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により太陽電池を製造し、
前記太陽電池の複数を接続し、封止材により封止することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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