後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
工具本体と、押圧面において清掃体を清掃対象に押し当てるヘッドを備え、前記工具本体から延び出た延出部とを有する清掃工具であって、前記延出部は、前記ヘッドを内部に挿通するプラグ側ガイド部を備え、光プラグの清掃時に、前記プラグ側ガイド部の端面は、前記ヘッドの端面よりも前記光プラグ側に突出しており、前記光プラグが接続された光アダプタの清掃時に、前記プラグ側ガイド部が後退して、前記ヘッドの端面が前記光アダプタ側に露出することを特徴とする清掃工具が明らかとなる。このような清掃工具によれば、光アダプタ内及び光プラグ側の両方のフェルール端面を容易に清掃することができる。
前記プラグ側ガイド部の外周部が、前記光プラグのフェルール端面に対して前記ヘッドをガイドするように設けられていることが望ましい。これにより、フェルール端面に清掃体を精度良く対向させることができる。
前記プラグ側ガイド部の内部は、前記光プラグのフェルールが挿入されるように設けられていることが望ましい。これにより、フェルール端面に清掃体を精度良く対向させることができる。
前記光プラグの清掃時に、前記プラグ側ガイド部の前記光プラグ側の端面を、前記光プラグの前記コネクタハウジング内部の突き当て面に押し当てることで、前記プラグ側ガイド部を後退させることが望ましい。これにより、アダプタ側ガイド部の光プラグ側の端面を、光プラグのコネクタハウジングに押し当てることができる。
前記延出部は、前記工具本体に対して所定方向に移動可能であり、前記工具本体と前記延出部との相対移動によって、前記押圧面に前記清掃体を供給するとともに、前記押圧面における前記清掃体を回収する送り機構をさらに備えることが望ましい。これにより、容易な操作で清掃体を供給・回収することができる。
前記延出部は、前記プラグ側ガイド部を内部に挿通するアダプタ側ガイド部をさらに備え、前記光プラグの清掃時に、前記アダプタ側ガイド部の前記光プラグ側の端面を、前記光プラグの前記コネクタハウジングに押し当てることで、前記相対移動をさせることが望ましい。これにより、容易な操作で清掃体を供給・回収することができる。
前記延出部は、前記プラグ側ガイド部を内部に挿通するアダプタ側ガイド部をさらに備え、前記光アダプタの清掃時に、前記アダプタ側ガイド部の外周部の平坦面が、前記光アダプタに接続された前記光プラグのフェルール端面に対して前記ヘッドをガイドするように設けられていることが望ましい。これにより、フェルール端面に清掃体を精度良く対向させることができる。
前記光アダプタの清掃時に、前記アダプタ側ガイド部の前記光アダプタ側の端面を、前記光アダプタのスリーブホルダ端部に押し当てることで、前記相対移動をさせることが望ましい。これにより、容易な操作で清掃体を供給・回収することができる。
前記延出部は、前記プラグ側ガイド部を前記光プラグ側に付勢するプラグ側スプリングをさらに備えることが望ましい。これにより、光アダプタ内及び光プラグ側の両方のフェルール端面を容易に清掃することができる。
===第1実施形態===
<清掃工具10の全体構成>
図1は、第1実施形態の清掃工具10の全体斜視図である。図2は、第1実施形態の清掃工具10の分解斜視図である。図3は、図1のA−A線における第1実施形態の清掃工具10の断面図である。
以下の説明では、図に示すように各方向を定義する。すなわち、工具本体11から延出部20が延び出る方向を「前後方向」とし、工具本体11から見て延出部20の側を「前」とし、逆側を「後」とする。また、前後方向に垂直な方向のうち、内側ガイド部50に形成された2つの平坦面52が配置されている方向を「上下方向」とする(図2参照)。なお、上下方向は、工具本体11の中にある供給リール13の回転軸又は巻取リール14の回転軸の軸方向でもある(図3参照)。また、前後方向及び上下方向に垂直な方向を「左右方向」とする。
清掃工具10は、光コネクタのフェルール端面(光ファイバ端面)を清掃するための工具である。以下の説明では、本実施形態の清掃工具10の構成について説明する前に、清掃工具10を用いて光コネクタを清掃する際の清掃動作(プッシュ動作及びプル動作)について説明する。図1に示すように、清掃工具10は、工具本体11と、工具本体11に対して前後方向に相対的に移動可能な延出部20とを有する。また、図3に示すように、清掃工具10は、ヘッド部21と、清掃体1を供給・回収する送り機構12とを備えている。ヘッド部21の前側の端部には押圧面22A(ヘッド面)が設けられており、押圧面22Aには清掃体1が掛け回されている。送り機構12は、清掃時の工具本体11と延出部20との相対移動を利用して、押圧面22Aに未使用の清掃体1を供給するとともに、使用済みの清掃体1を回収している(後述)。
清掃工具10を用いて光コネクタを清掃するとき、作業者は、工具本体11を手に持ち、延出部20の先端を光コネクタの挿入口に挿入して、光コネクタに押圧面22Aの清掃体1を押し付け、その状態で工具本体11を前側に向かって移動させる(プッシュ動作)。その後、作業者は、延出部20を光コネクタから引き出す(プル動作)。このように、清掃動作の中で、プッシュ動作とプル動作とが行われることになる。プッシュ動作では、工具本体11が延出部20に対して前側に移動することになり、工具本体11から見ると、延出部20が工具本体11に対して後側に移動することになる。プル動作では、工具本体11が延出部20に対して後側に移動することになり、工具本体11から見ると、延出部20が工具本体11に対して前側に移動することになる。
前述の通り、清掃時の工具本体11と延出部20との前後方向の相対移動を利用して、送り機構12が清掃体1を供給・回収している。但し、送り機構12は、他の方法で清掃体1を供給・回収しても良い。例えば、円盤状のダイヤルを設け、作業者がダイヤルを回して清掃体1が供給・回収されるようにしても良い。このような送り機構12を備えた清掃工具10であれば、工具本体11と延出部20とを前後方向に相対移動させなくても良い。
本実施形態では、清掃体1は糸状のものである。但し、清掃体1の形状は、糸状に限られるものではなく、幅のある帯状(テープ状)であっても良い。帯状の清掃体1を用いることにより、光コネクタの端面における光ファイバの端面を確実に清掃可能である。清掃体1は、ポリエステルやナイロンなどの繊維によって、不織布や織布を構成したものが望ましい。但し、清掃体1の材質や形態は、これに限られるものではない。
次に、本実施形態の清掃工具10の構成について説明する。前述の通り、清掃工具10は、工具本体11と、延出部20とを有する(図1参照)。
工具本体11は、清掃時に作業者が把持する部位である。工具本体11は、本体ハウジング15と、送り機構12とを備えている(図3参照)。
本体ハウジング15は、清掃体1や、清掃体1の供給・回収を行う送り機構12などを内部に収容する収容体である。本体ハウジング15には、バネ受け部16Aが固定されている。バネ受け部16Aは、後述するコイルスプリング18の一端を保持する部位である。バネ受け部16Aは、本体ハウジング15の後側の内壁面に設けられており、コイルスプリング18の一端(後端部)と接触している。
送り機構12は、清掃体1の供給・回収を行うための機構である。送り機構12は、供給リール13と、巻取リール14と、移動体17と、コイルスプリング18とを備えている(図3参照)。
供給リール13は、未使用の清掃体1を供給するリールである。供給リール13には、未使用の清掃体1が巻き回されている。巻取リール14は、使用済みの清掃体1を巻き取って回収するリールである。移動体17は、本体ハウジング15に対して延出部20とともに前後方向に相対移動する部材である。移動体17は、供給リール13と、巻取リール14とをそれぞれ回転可能に支持している。また、移動体17は、後述する回転体19の回転筒部19Aを回転可能に支持している。また、移動体17には、バネ受け部16Bが設けられている。バネ受け部16Bは、コイルスプリング18の一端を保持する部位である。バネ受け部16Bは、移動体17の後側の端面に設けられており、コイルスプリング18の一端(前端部)と接触している。
コイルスプリング18は、工具本体11と延出部20との位置関係を復元させるための弾性部材である。コイルスプリング18は、本体ハウジング15と移動体17との間に配置されている。具体的には、コイルスプリング18の前端部は移動体17のバネ受け部16Bに保持されており、コイルスプリング18の後端部は本体ハウジング15のバネ受け部16Aに保持されている。光コネクタの清掃時に延出部20が工具本体11に対して後側に移動すると、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して後側に移動し、これにより、コイルスプリング18が圧縮変形する。圧縮変形したコイルスプリング18が復元すると、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前側に移動して元の位置に戻り、これにより、延出部20が工具本体11に対して前側に移動して元の位置に戻ることになる。
なお、本実施形態の清掃工具10の送り機構12では、本体ハウジング15に固定されたラック(不図示)と、巻取リール14に回転運動を伝達するピニオン(不図示)とがラックアンドピニオン機構を構成している。これにより、清掃時の工具本体11と延出部20との前後方向の直線運動を回転運動に変換している。清掃時に工具本体11と延出部20とが前後方向に相対的に移動すると、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動によりピニオンが回転する。これにより、巻取リール14が巻取方向に回転して清掃体1を回収するとともに、巻取リール14の回収量に相当する未使用の清掃体1が供給リール13から供給されることになる。
また、本実施形態の清掃工具10は、ヘッド部21を回転させるための回転体19をさらに備えている。さらに、本体ハウジング15の内壁面に設けられたピン状の挿入凸部19Cが、回転体19の回転筒部19Aのカム溝19Dに嵌合しており、カム溝とともに回転機構(回転体19を回転させる機構)を構成している。これにより、清掃時の工具本体11と延出部20との前後方向の相対移動を利用して、光コネクタに清掃体1を押し付けるヘッド部21を、前後方向を軸とする回転方向に回転させている。但し、ヘッド部21が回転しなくても良い。
回転体19は、前後方向を軸に揺動回転(往復回転)する部材であり、ヘッド部21を回転させる部材である。回転体19は、回転筒部19Aと、ヘッド支持部19Bとを備えている(図3参照)。
回転筒部19Aは、前後方向を軸に揺動回転(往復回転)する円筒状の部位である。回転筒部19Aは、外周面に螺旋状のカム溝19Dが形成されており、本体ハウジング15の内壁面に設けられた挿入凸部19Cがカム溝19Dに嵌合している。また、回転筒部19Aは、工具本体11の移動体17に回転可能に支持されており、移動体17(及び延出部20)とともに本体ハウジング15に対して前後方向に相対移動する。回転筒部19Aは、中空に形成されており、供給リール13から押圧面22Aに供給される未使用の清掃体1が前後方向に挿通されているとともに、押圧面22Aから巻取リール14に回収される使用済みの清掃体1が前後方向に挿通されている。
ヘッド支持部19Bは、ヘッド部21を支持する部位である。ヘッド支持部19Bは、回転体19の前側の端部に設けられており、回転筒部19Aに接続している。ヘッド支持部19Bは、押圧面22Aで清掃体1を光コネクタに押し付けたときにヘッド部21が後退できるように、ヘッド部21を支持している。また、ヘッド支持部19Bは、ヘッド支持部19Bとヘッド部21との間で回転方向に相対移動しないように、回転方向の相対移動を規制(制限)しながらヘッド部21を支持している。これにより、回転体19が前後方向を軸に回転すると、ヘッド部21も回転体19とともに回転する。また、ヘッド支持部19Bは、後述するヘッド用スプリング25の一端を保持する部位でもある。ヘッド支持部19Bの前端は、ヘッド用スプリング25の後端と接している。
延出部20は、清掃対象となる光コネクタの挿入口に挿入する部材である。延出部20は、工具本体11から前側に延出して設けられている。延出部20は、工具本体11に対して前後方向に相対的に移動可能である。延出部20は、ヘッド部21と、ヘッド用スプリング25と、ガイドユニット30とを備えている(図3参照)。
ヘッド部21は、清掃対象となる光コネクタに清掃体1を押し当てる部材である。ヘッド部21は、後述するプラグ側ガイド部40の内部に収容されている。但し、プラグ側ガイド部40がヘッド部21に対して後退することで、ヘッド部21の前側に位置する部位(ヘッド22)は、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42に形成された挿通孔42Aを通ってプラグ側ガイド部40の外側に露出することが可能である(後述)。ヘッド部21は、ヘッド22と、フランジ部23と、基端部24とを備えている(図3参照)。
ヘッド22は、清掃対象に清掃体1を押し当てる部位である。ヘッド22は、ヘッド部21の前側に位置する部位である。ヘッド22の前側の端部は、清掃対象に清掃体1を押し当てるための押圧面22A(ヘッド面)が設けられている。押圧面22Aには、清掃体1が掛け回されている。光コネクタに清掃体1を押し付けられるように、押圧面22Aに掛け回した清掃体1がヘッド22の外部に露出している。なお、ヘッド部21は、プラグ側ガイド部40の内部に収容され、押圧面22Aはプラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42より後側に位置しているため、清掃体1もプラグ側ガイド部40の内部に位置している(後述)。但し、プラグ側ガイド部40がヘッド部21に対して後退することで、ヘッド22がプラグ側ガイド端面42に形成された挿通孔42Aを通ってプラグ側ガイド部40の外側に露出することができ、このとき清掃体1もプラグ側ガイド部40の外側に露出することになる(後述)。
フランジ部23は、後述するヘッド用スプリング25の一端を保持する部位である。フランジ部23は、ヘッド22の後側においてヘッド22よりも外周が突出した部位である。フランジ部23はヘッド用スプリング25の前端部と接しており、ヘッド22(ヘッド部21)はフランジ部23を介してヘッド用スプリング25によって前側に押圧されている。
基端部24は、フランジ部23の後側の部位である。基端部24は、ヘッド支持部19Bによって、ヘッド支持部19Bとの相対的な回転移動を規制されながら、後退可能に支持されている。また、基端部24はヘッド用スプリング25に挿通されている。
ヘッド用スプリング25は、ヘッド部21を前側に押圧するための弾性部材である。ヘッド用スプリング25は、ヘッド部21のフランジ部23と、回転体19のヘッド支持部19Bとの間に配置されている。具体的には、ヘッド用スプリング25の前端部はヘッド部21のフランジ部23に保持されており、ヘッド用スプリング25の後端部は回転体19のヘッド支持部19Bに保持されている。清掃時にヘッド部21がプラグ側ガイド部40に対して後側に移動すると、ヘッド用スプリング25が圧縮変形する。これにより、ヘッド部21の押圧面22Aにおいて所定の押圧力で清掃体1を光コネクタに押し付けることができる。
ガイドユニット30は、延出部20の先端を清掃対象となる光コネクタの挿入口に挿入する際のガイドとなる部材である。また、ガイドユニット30は、延出部20においてヘッド部21や、回転体19を覆うための部材(カバー)でもある。ガイドユニット30は、複数の部材から構成されている。ガイドユニット30の詳細な構成については、後述する。
<ガイドユニット30>
次に、図2及び図3を参照して、ガイドユニット30の詳細な構成について説明する。以下の説明では、まず清掃工具10の清掃対象となる光コネクタについて説明した後、ガイドユニット30の詳細な構成について説明する。
前述の通り、清掃工具10は、光コネクタのフェルール端面(光ファイバ端面)を清掃するための工具である。本実施形態では、フェルールをコネクタハウジングの先端部に収容した構成の光コネクタプラグ(以下、単に「光プラグ」という)について、清掃工具10の清掃対象とすることができる。また、一方から光プラグを挿入して内部の光コネクタ(フェルール)と光接続させるための光コネクタレセプタクル(以下、単に「光レセプタクル」という)についても、清掃工具10の清掃対象とすることができる。なお、以下の説明では、光レセプタクルには、ハウジング(アダプタハウジング)のコネクタ収容穴に光プラグを挿入した構成の光コネクタアダプタ(以下、単に「光アダプタ」という)を含む。但し、清掃工具10は、これ以外の光コネクタも清掃対象とすることができる。
清掃工具10は、前述したように、光プラグや光レセプタクルなどの様々な種類の光コネクタのフェルール端面を清掃対象とすることができる。ここで、光コネクタの種類が異なると、清掃工具10の延出部20の先端が挿入される挿入口の形状も異なる。本実施形態では、延出部20がガイドユニット30を備えることにより、異なった形状の挿入口に対して延出部20の先端を挿入するだけで、様々な種類の光コネクタのフェルール端面に清掃体1を精度良く対向させることができる。この際、清掃作業の作業者は、清掃工具10にガイドユニット30が取り付けられたまま、延出部20の先端を挿入口に挿入するだけでよい。これにより、清掃作業の作業者は、例えば清掃対象を光プラグ側のフェルール端面とするか、あるいは光レセプタクル内のフェルール端面とするかによってアタッチメントをその都度付け外す必要がない。このようにして、様々な種類の光コネクタのフェルール端面について、容易に清掃することができ、清掃作業全体の作業効率の低下を抑制することができる。
ガイドユニット30は、プラグ側ガイド部40と、プラグ側スプリング45と、内側ガイド部50と、外側ガイド部60と、外側スプリング65と、外側バネ受け部66とを有する(図2及び図3参照)。
プラグ側ガイド部40は、後述する光プラグ70のコネクタハウジング72の内側(内壁面72B)に嵌合することで(図4C参照)、清掃工具10の延出部20の先端をガイドする部材である。プラグ側ガイド部40は、回転体19及びヘッド部21を覆う円筒状の部材である。また、プラグ側ガイド部40は、中空に形成されており、回転体19及びヘッド部21が前後方向に挿通されている。
プラグ側ガイド部40には、バネ受け部41が設けられている。バネ受け部41は、後述するプラグ側スプリング45の一端を保持する部位である。バネ受け部41は、プラグ側ガイド部40の後側の端部に設けられており、プラグ側スプリング45の一端(前端部)と接触している。
また、プラグ側ガイド部40には、プラグ側ガイド端面42が設けられている。プラグ側ガイド端面42は、清掃対象となる光コネクタの一部(例えば後述する光プラグ70のコネクタハウジング72の突き当て面72C、図5B参照)に突き当たる部位である。プラグ側ガイド端面42は、プラグ側ガイド部40の前側の端部に設けられており、清掃対象となる光コネクタの一部(例えば後述する光プラグ70のコネクタハウジング72の突き当て面72C、図5B参照)に後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40が内側ガイド部50に対して後退可能となっている。また、プラグ側ガイド部40はヘッド部21に対しても後退可能となっている。なお、本実施形態の清掃工具10では、プラグ側ガイド端面42は、プラグ側ガイド部40の内部に挿通されたヘッド部21のヘッド22の押圧面22Aより前側に位置している。
プラグ側ガイド端面42には、挿通孔42Aが設けられている。挿通孔42Aは、ヘッド部21のヘッド22が挿通可能な大きさの開口である。したがって、プラグ側ガイド部40がヘッド部21に対して後退したとき、ヘッド部21のヘッド22の押圧面22Aがプラグ側ガイド端面42よりも前側に出ることになる。以下の説明では、このようにヘッド22の押圧面22Aがプラグ側ガイド端面42よりも前に出ることを、ヘッド22(ヘッド部21)が「前側に露出する」と言うことがある。
本実施形態の清掃工具10では、挿通孔42Aは、清掃対象である光コネクタのフェルールが挿通可能な大きさの開口でもある。また、挿通孔42Aは、フェルールの外周部と略同じ大きさの開口であってもよい。これにより、光コネクタの清掃時に挿通孔42Aを介してプラグ側ガイド部40の内部にフェルールが挿入されることで、フェルールをガイドすることができる。したがって、フェルール端面に清掃体1を精度良く対向させることができる。但し、挿通孔42Aは、ヘッド22や清掃対象である光コネクタのフェルールが挿通可能であれば、どのような形状であってもよい。
プラグ側スプリング45は、プラグ側ガイド部40を内側ガイド部50及びヘッド部21に対して後退可能に前側に押圧する弾性部材である。プラグ側スプリング45は、プラグ側ガイド部40と、内側ガイド部50及びヘッド部21との位置関係を復元させるための弾性部材でもある。プラグ側スプリング45は、プラグ側ガイド部40と移動体17との間に配置されている。具体的には、プラグ側スプリング45の前端部はプラグ側ガイド部40のバネ受け部41に保持されており、プラグ側スプリング45の後端部は移動体17のバネ受け部17Aに保持されている(図3参照)。光コネクタの清掃時にプラグ側ガイド部40が後側に押圧されると、プラグ側ガイド部40が内側ガイド部50及びヘッド部21に対して後側に移動し、これにより、プラグ側スプリング45が圧縮変形する。圧縮変形したプラグ側スプリング45が復元すると、プラグ側ガイド部40が内側ガイド部50及びヘッド部21に対して前側に移動して元の位置に戻ることになる。
内側ガイド部50は、後述する第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内側(内壁面97A)に嵌合することで(図9A参照)、清掃工具10の延出部20の先端をガイドする部材である。また、内側ガイド部50は、後述する光アダプタ80のアダプタハウジング81の内側(内壁面81B)に嵌合することで(図10C参照)、清掃工具10の延出部20の先端をガイドする部材である。内側ガイド部50は、プラグ側ガイド部40を覆う円筒状の部材である。内側ガイド部50は、中空に形成されており、プラグ側ガイド部40が前後方向に挿通されている。
内側ガイド部50には、係合凹部54が設けられている(図2参照)。係合凹部54は、内側ガイド部50を移動体17に対して固定する部位である。係合凹部54は、内側ガイド部50の後側の端部に設けられた凹部であり、工具本体11の移動体17の係合凸部(不図示)が係合することで、内側ガイド部50を移動体17に対して固定する。したがって、移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対移動すると、内側ガイド部50も本体ハウジング15に対して同様に前後方向に相対移動することになる。また、内側ガイド部50から見ると、内側ガイド部50が前後方向に相対移動すると、移動体17が本体ハウジング15に対して同様に前後方向に相対移動することになる。つまり、内側ガイド部50と移動体17とが、本体ハウジング15に対して一体的に前後方向に相対移動することになる。
また、内側ガイド部50には、内側ガイド端面53が設けられている。内側ガイド端面53は、清掃対象となる光コネクタの一部(例えば後述する第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の当接部92C、図7B参照)に突き当たる部位である。内側ガイド端面53は、内側ガイド部50の前側の端部に設けられており、清掃対象となる光コネクタの一部(例えば後述する第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の当接部92C、図7B参照)に後側に押圧されることにより、内側ガイド部50が移動体17とともに本体ハウジング15に対して後退可能となっている。内側ガイド端面53には、挿通孔51が設けられている。挿通孔51は、プラグ側ガイド部40が挿通可能な大きさの開口である。
外側ガイド部60は、後述する第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内側(内壁面92A)に嵌合することで(図6B参照)、清掃工具10の延出部20の先端をガイドする部材である。外側ガイド部60は、内側ガイド部50を覆う円筒状の部材である。外側ガイド部60は、中空に形成されており、内側ガイド部50が前後方向に挿通されている。
外側ガイド部60には、外側ガイド端面62が設けられている。外側ガイド端面62は、清掃対象となる光コネクタの一部(例えば後述する第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97のハウジング端面97C、図8C参照)に突き当たる部位である。外側ガイド端面62は、外側ガイド部60の前側の端部に設けられており、清掃対象となる光コネクタの一部(例えば後述する第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97のハウジング端面97C、図8C参照)に後側に押圧されることにより、外側ガイド部60が内側ガイド部50に対して後退可能となっている。外側ガイド端面62には、挿通孔61が設けられている。挿通孔61は、内側ガイド部50が挿通可能な大きさの開口である。
外側スプリング65は、外側ガイド部60を内側ガイド部50に対して後退可能に前側に押圧する弾性部材である。外側スプリング65は、外側ガイド部60と内側ガイド部50との位置関係を復元させるための弾性部材でもある。外側スプリング65は、外側ガイド部60と、後述する外側バネ受け部66との間に配置されている。具体的には、外側スプリング65の前端部は外側ガイド部60の後端に接触しており、外側スプリング65の後端部は外側バネ受け部66に保持されている。光コネクタの清掃時に外側ガイド部60が後側に押圧されると、外側ガイド部60が内側ガイド部50に対して後側に移動し、これにより、外側スプリング65が圧縮変形する。圧縮変形した外側スプリング65が復元すると、外側ガイド部60が内側ガイド部50に対して前側に移動して元の位置に戻ることになる。
外側バネ受け部66は、外側スプリング65の一端を保持する部位である。外側バネ受け部66は、内側ガイド部50に固定されており、外側スプリング65の一端(前端部)と接触している。外側バネ受け部66は内側ガイド部50に固定されているので、外側バネ受け部66と内側ガイド部50とは、移動体17とともに本体ハウジング15に対して一体的に前後方向に相対移動することになる。
<光プラグの清掃手順>
図4A〜図4Cは、光プラグ70清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て前)を示す断面図である。図5A〜図5Cは、光プラグ70清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て後)を示す断面図である。なお、図4A〜図4C及び図5A〜図5Cでは、外側ガイド部60、外側スプリング65及び外側バネ受け部66の図示を省略している。
図4Aは、本実施形態において、光プラグ70の清掃前の清掃工具10と光プラグ70との様子を示す図である。清掃作業の作業者は、清掃工具10のヘッド22の押圧面22A(プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42)を、光プラグ70のフェルール71のフェルール端面71Aに対向させるようにして、清掃工具10を光プラグ70側へ移動させる。この際、作業者は、図4Bに示すように、プラグ側ガイド端面42の挿通孔42Aにフェルール71の端部を挿入するように清掃工具10を光プラグ70側へ移動させることになる。前述したように、ヘッド22が挿通可能な挿通孔42Aは、フェルール71が挿通可能な大きさの開口でもある。また、挿通孔42Aは、フェルール71の外周部と略同じ大きさの開口でもある。本実施形態では、作業者が挿通孔42Aにフェルール71を挿入させることによって、挿通孔42Aにフェルール71がガイドされてもよい。これにより、清掃工具10の延出部20の前側端部が、光プラグ70に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)に位置合わせされる。したがって、作業者は、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。
作業者が清掃工具10を光プラグ70側へさらに移動させると、図4Cに示すように、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド外周部43が、光プラグ70のコネクタハウジング72の内壁面72Bに嵌合する。この際、プラグ側ガイド外周部43はフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面となる。これにより、清掃工具10の延出部20の前側端部が、光プラグ70に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)に位置合わせされる。したがって、作業者は、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。但し、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイドとなるようなものであれば、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド外周部43が、光プラグ70のコネクタハウジング72の内壁面72Bに嵌合しなくてもよい。
また、作業者が清掃工具10を光プラグ70側へさらに移動させると、図5Aに示すように、挿通孔42Aからプラグ側ガイド部40の内部に挿入されたヘッド22がフェルール端面71Aに当接する。前述したように、ヘッド22の押圧面22Aには、清掃体1が掛け回されている。したがって、これにより、フェルール端面71Aに清掃体1が押し当てられることになる。本実施形態では、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド外周部43が光プラグ70のコネクタハウジング72の内壁面72Bによってガイドされるため、精度よくフェルール端面71Aに清掃体1を押し当てることができる。なお、前述したように、本実施形態の清掃工具10では、ヘッド用スプリング25を有することにより、ヘッド22の押圧面22Aにおいて所定の押圧力で清掃体1をフェルール端面71Aに押し付けることができる。
作業者が清掃工具10を光プラグ70側へさらに移動させると、図5Bに示すように、光プラグ70の突き当て面72Cにプラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が突き当たる。作業者が清掃工具10を光プラグ70側へさらに移動させると、プラグ側ガイド部40(プラグ側ガイド端面42)がコネクタハウジング72(突き当て面72C)から後方に力を受けることで、プラグ側ガイド部40の後部に位置するプラグ側スプリング45が圧縮変形する。これにより、プラグ側ガイド部40は、内側ガイド部50に対してさらに後側に移動することができる。そして、図5Cに示すように、内側ガイド部50の内側ガイド端面53が光プラグ70のコネクタハウジング72の端面72Aに突き当たる。
この状態から清掃工具10を光プラグ70側へさらに移動させると、内側ガイド部50の内側ガイド端面53が、コネクタハウジング72の端面72Aから後側に押圧されることにより、内側ガイド部50は、移動体17とともに本体ハウジング15に対して後退する。これにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されることになる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは光プラグ70のフェルール端面71A)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは光プラグ70のコネクタハウジング72の端面72A)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。
<第1光レセプタクルの清掃手順>
図6A〜図6Cは、第1光レセプタクル91清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て前)を示す断面図である。図7A〜図7Bは、第1光レセプタクル91清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て後)を示す断面図である。
図6Aは、本実施形態において、第1光レセプタクル91の清掃前の清掃工具10と第1光レセプタクル91との様子を示す図である。清掃作業の作業者は、清掃工具10のヘッド22の押圧面22A(プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42)を、第1光レセプタクル91のフェルール71のフェルール端面71Aに対向させるようにして、清掃工具10を第1光レセプタクル91側へ移動させる。
作業者が清掃工具10を第1光レセプタクル91側へ移動させると、図6Bに示すように、外側ガイド部60の外側ガイド外周部63が、第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内壁面92Aに嵌合する。この際、外側ガイド外周部63はフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面となる。これにより、清掃工具10の延出部20の前側端部が、第1光レセプタクル91に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)に位置合わせされる。したがって、作業者は、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。但し、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイドとなるようなものであれば、外側ガイド部60の外側ガイド外周部63が、第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内壁面92Aに嵌合しなくてもよい。
作業者は、図6Cに示すように、フェルール収容部92Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たるように清掃工具10を第1光レセプタクル91側へ移動させることになる。本実施形態では、外側ガイド部60の外側ガイド外周部63が第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内壁面92Aによってガイドされるため、精度よくプラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42をフェルール収容部92Bに突き当てることができる。
フェルール収容部92Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態(図6C参照)で作業者が清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が、フェルール収容部92Bの後側端面から後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40は、ヘッド22及び内側ガイド部50に対して後退する。プラグ側ガイド部40がヘッド22に対して後退したとき、ヘッド22の端面である押圧面22Aがプラグ側ガイド端面42よりも前側に露出することになる(図7A参照)。これにより、フェルール収容部92Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態で、ヘッド22をフェルール収容部92B内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。本実施形態では、外側ガイド部60の外側ガイド外周部63が第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内壁面92Aによってガイドされるため、精度よくヘッド22をフェルール収容部92B内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。
また、作業者が清掃工具10を第1光レセプタクル91側へさらに移動させると、図7Aに示すように、ヘッド22がフェルール収容部92B内部のフェルール挿入穴に挿入される。さらに、フェルール収容部92B内部のフェルール挿入穴に挿入されたヘッド22がフェルール端面71Aに当接する。前述したように、ヘッド22の押圧面22Aには、清掃体1が掛け回されている。したがって、これにより、フェルール端面71Aに清掃体1が押し当てられることになる。本実施形態では、外側ガイド部60の外側ガイド外周部63が第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内壁面92Aによってガイドされるため、精度よくフェルール端面71Aに清掃体1を押し当てることができる。なお、前述したように、本実施形態の清掃工具10では、ヘッド用スプリング25を有することにより、ヘッド22の押圧面22Aにおいて所定の押圧力で清掃体1をフェルール端面71Aに押し付けることができる。
また、作業者が清掃工具10を第1光レセプタクル91側へさらに移動させると、図7Bに示すように、内側ガイド端面53がレセプタクルハウジング92の当接部92Cに当接する。この状態から清掃工具10を第1光レセプタクル91側へさらに移動させると、内側ガイド部50の内側ガイド端面53が、当接部92Cから後側に押圧されることにより、内側ガイド部50は、移動体17とともに本体ハウジング15に対して後退する。これにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されることになる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは第1光レセプタクル91の当接部92C)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。
<第2光レセプタクルの清掃手順>
図8A〜図8Cは、第2光レセプタクル96清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て前)を示す断面図である。図9A〜図9Bは、第2光レセプタクル96清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て後)を示す断面図である。なお、図9Aの上部には、図9A中の矢印方向の断面図を示している。
図8Aは、本実施形態において、第2光レセプタクル96の清掃前の清掃工具10と第2光レセプタクル96との様子を示す図である。本実施形態では、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内面の形状は、第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92と異なる。また、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内面の径(図8AのX部分参照)は、第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内面の径(図6AのY部分参照)より小さい(X<Y)。
清掃作業の作業者は、清掃工具10のヘッド22の押圧面22A(プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42)を、第2光レセプタクル96のフェルール71のフェルール端面71Aに対向させるようにして、清掃工具10を第2光レセプタクル96側へ移動させる。この際、作業者は、図8Bに示すように、フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たるように清掃工具10を第2光レセプタクル96側へ移動させることになる。
フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態(図8B参照)で作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、図8Cに示すように、外側ガイド部60の外側ガイド端面62がレセプタクルハウジング97のハウジング端面97Cに当接する。前述したように、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内面の径(図8AのX部分参照)は、第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内面の径(図6AのY部分参照)より小さくなっている(X<Y)。このため、外側ガイド部60は、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97に嵌合することなく、外側ガイド部60の外側ガイド端面62がレセプタクルハウジング97のハウジング端面97Cに当接することになる。
外側ガイド部60の外側ガイド端面62がレセプタクルハウジング97のハウジング端面97Cに当接した状態から清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、外側ガイド部60の外側ガイド端面62が、ハウジング端面97Cから後側に押圧されることにより、外側ガイド部60が内側ガイド部50に対して後退する。これにより、後述するように、前側に露出した内側ガイド部50の内側ガイド外周部55が、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aに嵌合することができる。
また、フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態(図8B参照)で作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が、フェルール収容部97Bの後側端面から後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40は、ヘッド22及び内側ガイド部50に対して後退する。プラグ側ガイド部40がヘッド22に対して後退したとき、ヘッド22の端面である押圧面22Aがプラグ側ガイド端面42よりも前側に露出することになる。これにより、フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態で、ヘッド22をスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。本実施形態では、内側ガイド部50の内側ガイド外周部55が第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Cによってガイドされるため、精度よくヘッド22をフェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。
作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、図9Aの上部に示すように、内側ガイド部50の内側ガイド外周部55が、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aに嵌合する。この際、内側ガイド外周部55はヘッド22がフェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入する際のガイド面となる。これにより、清掃工具10の延出部20の前側端部が、第2光レセプタクル96に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)に位置合わせされる。したがって、作業者は、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。但し、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイドとなるようなものであれば、内側ガイド部50の端部が、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aに嵌合しなくてもよい。
また、図9Aの下部に示すように、ヘッド22がフェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入される。そして、フェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入されたヘッド22がフェルール端面71Aに当接する。前述したように、ヘッド22の押圧面22Aには、清掃体1が掛け回されている。したがって、これにより、フェルール端面71Aに清掃体1が押し当てられることになる。本実施形態では、内側ガイド部50の内側ガイド外周部55が第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aによってガイドされるため、精度よくフェルール端面71Aに清掃体1を押し当てることができる。なお、前述したように、本実施形態の清掃工具10では、ヘッド用スプリング25を有することにより、ヘッド22の押圧面22Aにおいて所定の押圧力で清掃体1をフェルール端面71Aに押し付けることができる。
なお、本実施形態のガイドユニット30では、外側スプリング65が外側ガイド部60を前側に押圧している。このため、第2光レセプタクル96の清掃をしないときは、外側ガイド部60は内側ガイド部50に対して前側に移動し、再び前述の第1光レセプタクル91の清掃をすることができる。このため、清掃対象を第1光レセプタクル91内のフェルール端面71Aとするか、あるいは第2光レセプタクル96内のフェルール端面71Aとするかによって別体のアタッチメントなどをその都度付け外す必要がない。したがって、アタッチメントの付け外し作業の分の手間がかかることで、清掃作業全体の作業効率が低下することを抑制し、異なるタイプの光アダプタ(光コネクタレセプタクル)のフェルール端面を容易に清掃することができる。
また、例えば、複数のタイプの光レセプタクルにおけるコネクタ収容穴の形状に適合するように、一つの挿入部(例えば内側ガイド部50)に対して複数のガイドを形成した場合には、ガイドに寄与しない隙間が空くことでフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる精度が低下することがあった。また、コネクタ収容穴の径が大きい光レセプタクル(例えば、本実施形態の第2光レセプタクルに対する第1光レセプタクル)に挿入する場合には、隙間が大きくなり、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる精度の低下が特に問題となっていた。しかし、本実施形態では、第1光レセプタクル清掃時には、外側ガイド外周部63がガイド面となり、第2光レセプタクル清掃時には、内側ガイド外周部55がガイド面となることで、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる精度の低下を抑制することができる。
作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、図9Bに示すように、外側ガイド部60の当接部64が、外側バネ受け部66の前側端部に当接する。前述したように、外側バネ受け部66は内側ガイド部50に固定されているので、図9Bに示す時点が、外側ガイド部60が内側ガイド部50に対して後退する限界位置となり、これ以上外側ガイド部60が内側ガイド部50に対して後退することができない。そうすると、外側ガイド部60の外側ガイド端面62が、レセプタクルハウジング97のハウジング端面97Cから後側に押圧されることにより、内側ガイド部50は、外側バネ受け部66を介して移動体17とともに本体ハウジング15に対して後退する。これにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されることになる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは第2光レセプタクル96のフェルール端面71A)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。なお、この図9Bに示す時点では、内側ガイド部50の内側ガイド端面53は、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97内部の内壁面97Aの奥には突き当たっていない。このため、本実施形態の清掃工具10では、内側ガイド部50の内側ガイド端面53が、内壁面97Aの奥から後側に押圧されることにより、内側ガイド部50は、本体ハウジング15に対して後退することはない。
<光アダプタの清掃手順>
図10A〜図10Cは、光アダプタ80清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(ラッチ爪83への内側ガイド端面53突き当て前)を示す断面図である。図11A〜図11Bは、光アダプタ80清掃時の第1実施形態の清掃工具10の様子(ラッチ爪83への内側ガイド端面53突き当て後)を示す断面図である。なお、図10A〜図10C及び図11A〜図11Bでも、外側ガイド部60、外側スプリング65及び外側バネ受け部66の図示を省略している。また、図11A〜図11Bでは、それぞれ図の上部に左右方向に垂直な面で切った断面図を、図の下部に上下方向に垂直な面で切った断面図を示している。
図10Aは、本実施形態において、光アダプタ80の清掃前の清掃工具10と光アダプタ80との様子を示す図である。本実施形態では、光アダプタ80は、アダプタハウジング81に光プラグ70が挿入されることで、スリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴にフェルール71が挿入されている。清掃作業の作業者は、清掃工具10のヘッド22の押圧面22A(プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42)を、光アダプタ80のフェルール71のフェルール端面71Aに対向させるようにして、清掃工具10を光アダプタ80側へ移動させる。この際、作業者は、図10Bに示すように、スリーブホルダ端部82の後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たるように清掃工具10を光プラグ70側へ移動させることになる。
スリーブホルダ端部82の後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態で作業者が清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が、スリーブホルダ端部82の後側端面から後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40は、ヘッド22及び内側ガイド部50に対して後退する。プラグ側ガイド部40がヘッド22に対して後退したとき、ヘッド22の端面である押圧面22Aがプラグ側ガイド端面42よりも前側に露出することになる。これにより、スリーブホルダ端部82の後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態で、ヘッド22をスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。
なお、本実施形態のガイドユニット30では、プラグ側スプリング45がプラグ側ガイド部40を前側に押圧している。このため、光アダプタ80の清掃をしないときは、プラグ側ガイド部40はヘッド22及び内側ガイド部50に対して前側に移動し、再び前述の光プラグ70の清掃をすることができる。このため、清掃対象を光アダプタ80内のフェルール端面71Aとするか、あるいは光プラグ70側のフェルール端面71Aとするかによって別体のアタッチメント等をその都度付け外す必要がない。したがって、アタッチメントの付け外し作業の分の手間がかかることで、清掃作業全体の作業効率が低下することを抑制し、光アダプタ内及び光プラグ側の両方のフェルール端面を容易に清掃することができる。
図10Cに示すように、内側ガイド部50の上下一対の平坦面52により、内側ガイド部50の端部は、光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bに嵌合する。この際、平坦面52はヘッド22がスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入する際のガイド面となる。また、平坦面52はフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面でもある。これにより、清掃工具10の延出部20の前側端部が、光アダプタ80に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)に位置合わせされる。これにより、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。但し、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイドとなるようなものであれば、内側ガイド部50の端部が、光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bに嵌合しなくてもよい。
また、作業者が清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、図10Aに示すように、ヘッド22がスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入される。本実施形態では、内側ガイド部50の平坦面52が光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bによってガイドされるため、精度よくヘッド22をスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。また、内側ガイド端面53がラッチ爪83の後側端面に当接する。この状態から清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、内側ガイド部50の内側ガイド端面53が、ラッチ爪83から後側に押圧されることにより、内側ガイド部50は、移動体17とともに本体ハウジング15に対して後退する。これにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されることになる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは光アダプタ80のフェルール端面71A)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。
また、作業者が清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、図10Bに示すように、スリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入されたヘッド22がフェルール端面71Aに当接する。前述したように、ヘッド22の押圧面22Aには、清掃体1が掛け回されている。したがって、これにより、フェルール端面71Aに清掃体1が押し当てられることになる。本実施形態では、内側ガイド部50の平坦面52が光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bによってガイドされるため、精度よく清掃体1をフェルール端面71Aに押し当てることができる。なお、前述したように、本実施形態の清掃工具10では、ヘッド用スプリング25を有することにより、ヘッド22の押圧面22Aにおいて所定の押圧力で清掃体1をフェルール端面71Aに押し付けることができる。
<内側ガイド部50の平坦面52>
図12Aは、第2光レセプタクル96に第1実施形態の清掃工具10の内側ガイド部50の端部を差し込んだ様子を示す斜視図である。図12Bは、光アダプタ80に第1実施形態の清掃工具10の内側ガイド部50の端部を差し込んだ様子を示す斜視図である。なお、図12A〜図12Bでは、説明を簡単にするために、清掃工具10の内側ガイド部50以外の構成の図示を省略している。
図12Aに示すように、内側ガイド部50の内側ガイド外周部55が、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aに嵌合している。この際、内側ガイド外周部55はフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面となる。また、図12Bに示すように、内側ガイド部50の上下一対の平坦面52により、内側ガイド部50の端部は、光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bに嵌合している。この際、平坦面52はフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面となる。
本実施形態の清掃工具10では、内側ガイド部50の前側端部に上下方向に一対の平坦面52が形成されている。平坦面52は、内側ガイド部50の内側ガイド外周部55の上下側の一部分に形成されている。したがって、図12A〜図12Bに示すように、清掃対象(第2光レセプタクル96又は光アダプタ80)に清掃工具10の内側ガイド部50の端部を差し込むだけで、内側ガイド外周部55と平坦面52とのいずれもがフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面となる。これにより、多種類の光コネクタのフェルール端面を容易に清掃することができる。
===第2実施形態===
図13は、第2実施形態の清掃工具10における延出部20の断面図である。前述の第1実施形態と同様に、本実施形態の清掃工具10においても、延出部20は、ヘッド部21と、ヘッド用スプリング25と、ガイドユニット30とを備えている。また、前述の第1実施形態と同様に、本実施形態の清掃工具10においても、ガイドユニット30は、プラグ側ガイド部40と、プラグ側スプリング45と、内側ガイド部50と、外側ガイド部60と、外側スプリング65と、外側バネ受け部66とを有する。
本実施形態の清掃工具10では、延出部20の形状が異なっていてもよい。本実施形態の清掃工具10では、内側ガイド部50には、鍔部56が設けられている(図13参照)。鍔部56は、後述する第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内側(内壁面97A)に嵌合することで(図15A参照)、清掃工具10の延出部20の先端をガイドする部位である。また、鍔部56は、後述する光アダプタ80のアダプタハウジング81に当接し、アダプタハウジング81から押圧されることで(図17B参照)、工具本体11と延出部20との相対移動をさせる部位でもある。鍔部56は、内側ガイド部50の他の部位よりも突出した円筒状の部位である。鍔部56から前側の外側ガイド部60の内周は、鍔部56が挿通可能な大きさとなっている。これにより、内側ガイド部50は外側ガイド部60に対して前側に移動可能となっている。一方、鍔部56よりも後側の外側ガイド部60の内周は、鍔部56の外周よりも小さくなっている。このため、鍔部56の後側の端面(後述する鍔部端面56Aと対向する後側の端面)が外側ガイド部60の内壁と当接することで、内側ガイド部50の外側ガイド部60に対する後抜けが抑制されている。
鍔部56は、鍔部端面56Aと、鍔部外周面56Bとを有する。鍔部端面56Aは、後述する光アダプタ80のアダプタハウジング81に当接し、アダプタハウジング81から押圧されることで(図17B参照)、工具本体11と延出部20との相対移動をさせる部位である。鍔部外周面56Bは、後述する第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内側(内壁面97A)に嵌合することで(図15A参照)、清掃工具10の延出部20の先端をガイドする部位である。
また、本実施形態の清掃工具10では、内側ガイド部50には、中間筒部57が設けられている。中間筒部57は、後述する光アダプタ80のアダプタハウジング81の内側(内壁面81B)に嵌合することで(図16C参照)、清掃工具10の延出部20の先端をガイドする部位である。中間筒部57は、鍔部56と、後述する先端筒部58との間に設けられた円筒状の部位である。
中間筒部57と先端筒部58との間には、中間端面57Aと、中間テーパ面57Bとが設けられている。中間端面57Aと中間テーパ面57Bとは、後述する光アダプタ80のラッチ爪83に当接し、ラッチ爪83から押圧されることで(図17B参照)、工具本体11と延出部20との相対移動をさせる部位である。但し、中間テーパ面57Bは設けられなくてもよい。
さらに、本実施形態の清掃工具10では、内側ガイド部50には、先端筒部58が設けられている。先端筒部58は、光コネクタの一部(例えば、光プラグ70のコネクタハウジング72)に当接し、当該光コネクタの一部から押圧されることで、工具本体11と延出部20との相対移動をさせる部材でもある。先端筒部58の前側の端面は、内側ガイド端面53となっている。また、先端筒部58の先端内周面58Aは、光アダプタ80のスリーブホルダ端部82が嵌合可能に設けられている。また、先端筒部58の先端内周面58Aは、第1光レセプタクル91(又は第2光レセプタクル96)のフェルール収容部92B(又はフェルール収容部97B)が嵌合可能に設けられている。これにより、先端筒部58の先端内周面58Aは、清掃工具10の延出部20の先端をガイドすることができる。
<第2光レセプタクルの清掃手順>
図14A〜図14Cは、第2光レセプタクル96清掃時の第2実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て前)を示す断面図である。図15A〜図15Bは、第2光レセプタクル96清掃時の第2実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て後)を示す断面図である。なお、図15Aの上部には、図15A中の矢印方向の断面図を示している。
図14Aは、本実施形態において、第2光レセプタクル96の清掃前の清掃工具10と第2光レセプタクル96との様子を示す図である。本実施形態の第2光レセプタクル96は、前述の第1実施形態の第2レセプタクルと同様のものであってよい。すなわち、本実施形態の第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内面の形状は、前述の第1実施形態の第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92と異なる。また、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内面の径(図14AのX部分参照)は、第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内面の径(図6AのY部分参照)より小さい(X<Y)。
清掃作業の作業者は、清掃工具10のヘッド22の押圧面22A(プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42)を、第2光レセプタクル96のフェルール71のフェルール端面71Aに対向させるようにして、清掃工具10を第2光レセプタクル96側へ移動させる。この際、作業者は、図14Bに示すように、フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たるように清掃工具10を第2光レセプタクル96側へ移動させることになる。
フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態(図14B参照)で作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、図14Cに示すように、外側ガイド部60の外側ガイド端面62がレセプタクルハウジング97のハウジング端面97Cに当接する。前述したように、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内面の径(図14AのX部分参照)は、第1光レセプタクル91のレセプタクルハウジング92の内面の径(図6AのY部分参照)より小さくなっている(X<Y)。このため、外側ガイド部60は、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97に嵌合することなく、外側ガイド部60の外側ガイド端面62がレセプタクルハウジング97のハウジング端面97Cに当接することになる。
外側ガイド部60の外側ガイド端面62がレセプタクルハウジング97のハウジング端面97Cに当接した状態から清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、外側ガイド部60の外側ガイド端面62が、ハウジング端面97Cから後側に押圧されることにより、外側ガイド部60が内側ガイド部50に対して後退する。これにより、後述するように、前側に露出した内側ガイド部50の鍔部外周面56B(鍔部56)が、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aに嵌合することができる。
また、フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態(図14B参照)で作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が、フェルール収容部97Bの後側端面から後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40は、ヘッド22及び内側ガイド部50に対して後退する。プラグ側ガイド部40がヘッド22に対して後退したとき、ヘッド22の端面である押圧面22Aがプラグ側ガイド端面42よりも前側に露出することになる(図15A参照)。これにより、フェルール収容部97Bの後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態で、ヘッド22をスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入することができる(図15A参照)。本実施形態では、内側ガイド部50の鍔部外周面56Bが第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aによってガイドされるため、精度よくヘッド22をフェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。
作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、図15Aの上部に示すように、内側ガイド部50の鍔部外周面56B(鍔部56)が、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aに嵌合する。この際、鍔部外周面56Bはヘッド22がフェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入する際のガイド面となる。これにより、清掃工具10の延出部20の前側端部が、第2光レセプタクル96に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)に位置合わせされる。したがって、作業者は、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。但し、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイドとなるようなものであれば、内側ガイド部50の鍔部56が、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aに嵌合しなくてもよい。
また、図9Aの下部に示すように、ヘッド22がフェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入される。そして、フェルール収容部97B内部のフェルール挿入穴に挿入されたヘッド22がフェルール端面71Aに当接する。前述したように、ヘッド22の押圧面22Aには、清掃体1が掛け回されている。したがって、これにより、フェルール端面71Aに清掃体1が押し当てられることになる。本実施形態では、内側ガイド部50の鍔部外周面56B(鍔部56)が第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97の内壁面97Aによってガイドされるため、精度よくフェルール端面71Aに清掃体1を押し当てることができる。なお、前述したように、本実施形態の清掃工具10では、ヘッド用スプリング25を有することにより、ヘッド22の押圧面22Aにおいて所定の押圧力で清掃体1をフェルール端面71Aに押し付けることができる。
なお、本実施形態のガイドユニット30では、外側スプリング65が外側ガイド部60を前側に押圧している。このため、第2光レセプタクル96の清掃をしないときは、外側ガイド部60は内側ガイド部50に対して前側に移動し、再び前述の第1光レセプタクル91の清掃をすることができる。このため、清掃対象を第1光レセプタクル91内のフェルール端面71Aとするか、あるいは第2光レセプタクル96内のフェルール端面71Aとするかによって別体のアタッチメントなどをその都度付け外す必要がない。したがって、アタッチメントの付け外し作業の分の手間がかかることで、清掃作業全体の作業効率が低下することを抑制し、異なるタイプの光アダプタ(光コネクタレセプタクル)のフェルール端面を容易に清掃することができる。
また、例えば、複数のタイプの光レセプタクルにおけるコネクタ収容穴の形状に適合するように、一つの挿入部(例えば内側ガイド部50)に対して複数のガイドを形成した場合には、ガイドに寄与しない隙間が空くことでフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる精度が低下することがあった。また、コネクタ収容穴の径が大きい光レセプタクル(例えば、本実施形態の第2光レセプタクルに対する第1光レセプタクル)に挿入する場合には、隙間が大きくなり、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる精度の低下が特に問題となっていた。しかし、本実施形態では、第1光レセプタクル清掃時には、外側ガイド外周部63がガイド面となり、第2光レセプタクル清掃時には、鍔部外周面56Bがガイド面となることで、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる精度の低下を抑制することができる。
作業者が清掃工具10を第2光レセプタクル96側へさらに移動させると、図15Bに示すように、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が第2光レセプタクル96のフェルール収容部97Bから後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40が内側ガイド部50に対して後側に移動する。そうすると、プラグ側ガイド部40のバネ受け部41が、移動体17のバネ受け部17Aに当接する(プラグ側ガイド部40のバネ受け部41及び移動体17のバネ受け部17Aについては、図13参照)。前述したように、内側ガイド部50は移動体17に固定されているので、プラグ側ガイド部40のバネ受け部41が移動体17のバネ受け部17Aに当接した時点が、プラグ側ガイド部40が内側ガイド部50に対して後退する限界位置となり、これ以上プラグ側ガイド部40が内側ガイド部50に対して後退することができない。そうすると、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が、第2光レセプタクル96のフェルール収容部97Bから後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40は、移動体17とともに本体ハウジング15に対して後退する。これにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されることになる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは第2光レセプタクル96のフェルール端面71A)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。
なお、この図15Bに示す時点では、内側ガイド部50の内側ガイド端面53は、第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97内部の内壁面97Aの奥には突き当たっていない。しかし、本実施形態の清掃工具10では、内側ガイド部50の内側ガイド端面53が第2光レセプタクル96のレセプタクルハウジング97内部の内壁面97Aの奥に突き当たり、内壁面97Aの奥から後側に押圧されることにより、内側ガイド部50が本体ハウジング15に対して後退してもよい。つまり、内側ガイド部50の内側ガイド端面53が、内壁面97Aの奥から後側に押圧されることにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されてもよい。
<光アダプタの清掃手順>
図16A〜図16Cは、光アダプタ80清掃時の第2実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て前)を示す断面図である。図17A〜図17Bは、光アダプタ80清掃時の第2実施形態の清掃工具10の様子(フェルール端面71Aへの清掃体1押し当て後)を示す断面図である。なお、図17A〜図17Bでは、それぞれ図の上部に左右方向に垂直な面で切った断面図を、図の下部に上下方向に垂直な面で切った断面図を示している。
図16Aは、本実施形態において、光アダプタ80の清掃前の清掃工具10と光アダプタ80との様子を示す図である。本実施形態では、光アダプタ80は、アダプタハウジング81に光プラグ70が挿入されることで、スリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴にフェルール71が挿入されている。清掃作業の作業者は、清掃工具10のヘッド22の押圧面22A(プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42)を、光アダプタ80のフェルール71のフェルール端面71Aに対向させるようにして、清掃工具10を光アダプタ80側へ移動させる。この際、作業者は、図16Bに示すように、スリーブホルダ端部82の後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たるように清掃工具10を光プラグ70側へ移動させることになる。
スリーブホルダ端部82の後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態で作業者が清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42が、スリーブホルダ端部82の後側端面から後側に押圧されることにより、プラグ側ガイド部40は、ヘッド22及び内側ガイド部50に対して後退する。プラグ側ガイド部40がヘッド22に対して後退したとき、ヘッド22の端面である押圧面22Aがプラグ側ガイド端面42よりも前側に露出することになる。これにより、スリーブホルダ端部82の後側端面にプラグ側ガイド端面42が突き当たった状態で、ヘッド22をスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。
なお、本実施形態のガイドユニット30では、プラグ側スプリング45がプラグ側ガイド部40を前側に押圧している。このため、光アダプタ80の清掃をしないときは、プラグ側ガイド部40はヘッド22及び内側ガイド部50に対して前側に移動し、再び前述の光プラグ70の清掃をすることができる。このため、清掃対象を光アダプタ80内のフェルール端面71Aとするか、あるいは光プラグ70側のフェルール端面71Aとするかによって別体のアタッチメント等をその都度付け外す必要がない。したがって、アタッチメントの付け外し作業の分の手間がかかることで、清掃作業全体の作業効率が低下することを抑制し、光アダプタ内及び光プラグ側の両方のフェルール端面を容易に清掃することができる。
図16Cに示すように、内側ガイド部50の中間筒部57により、内側ガイド部50は、光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bに嵌合する。この際、中間筒部57はヘッド22がスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入する際のガイド面となる。また、中間筒部57はフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面でもある。これにより、清掃工具10の延出部20の前側端部が、光アダプタ80に対して上下方向及び左右方向(前後方向に垂直な方向)に位置合わせされる。これにより、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。但し、フェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイドとなるようなものであれば、内側ガイド部50の端部が、光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bに嵌合しなくてもよい。
前述の第1実施形態では、図10Cに示すように、内側ガイド部50の上下一対の平坦面52が光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bに嵌合することで、平坦面52がヘッド22をスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入させる際のガイド面となる。また、平坦面52はフェルール端面71Aに清掃体1を対向させる際のガイド面でもある。このため、上下方向(一対の平坦面52が設けられている方向)をアダプタハウジング81の内壁面81Bの上下方向に合わせるようにして、清掃工具10の延出部20を光アダプタ80に挿入する必要がある。しかし、本実施形態(第2実施形態)では、内側ガイド部50の全周に設けられた中間筒部57により、内側ガイド部50は、光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bに嵌合する。このため、作業者は、清掃工具10の上下方向を意識することなく延出部20を光アダプタ80に挿入することができる。
また、作業者が清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、図17Aに示すように、ヘッド22がスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入される。本実施形態では、内側ガイド部50の中間筒部57が光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bによってガイドされるため、精度よくヘッド22をスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入することができる。そして、スリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴に挿入されたヘッド22がフェルール端面71Aに当接する。前述したように、ヘッド22の押圧面22Aには、清掃体1が掛け回されている。したがって、これにより、フェルール端面71Aに清掃体1が押し当てられることになる。本実施形態では、内側ガイド部50の中間筒部57が光アダプタ80のアダプタハウジング81の内壁面81Bによってガイドされるため、精度よく清掃体1をフェルール端面71Aに押し当てることができる。なお、前述したように、本実施形態の清掃工具10では、ヘッド用スプリング25を有することにより、ヘッド22の押圧面22Aにおいて所定の押圧力で清掃体1をフェルール端面71Aに押し付けることができる。
また、作業者が清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、図17Bに示すように、内側ガイド部50の中間端面57Aがラッチ爪83の後側端面に当接する。この状態から清掃工具10を光アダプタ80側へさらに移動させると、内側ガイド部50の中間端面57Aが、ラッチ爪83から後側に押圧されることにより、内側ガイド部50は、移動体17とともに本体ハウジング15に対して後退する。これにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されることになる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは光アダプタ80のフェルール端面71A)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。
なお、この図17Bに示す時点では、内側ガイド部50の内側ガイド端面53は、光アダプタ80のアダプタハウジング81内部の内壁面の奥には突き当たっていない。しかし、本実施形態の清掃工具10では、内側ガイド端面53がアダプタハウジング81の内壁面に当接し、内壁面97Aの奥から後側に押圧されることにより、内側ガイド部50が本体ハウジング15に対して後退してもよい。これにより、本体ハウジング15の内部において移動体17が本体ハウジング15に対して前後方向に相対的に移動し、この相対移動により清掃体1を回収するとともに、回収量に相当する未使用の清掃体1が供給されることになる。つまり、清掃工具10の延出部20を清掃対象(ここでは光アダプタ80のフェルール端面71A)に対して押し込むという容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。
<その他の清掃対象>
本実施形態の清掃工具10では、前述の通り、第2光レセプタクル96及び光アダプタ80について清掃手順を説明した。その他の清掃対象、例えば光プラグ70の清掃手順(図4及び図5参照)、第1光レセプタクル91の清掃手順(図6及び図7参照)については、第1実施形態と同様であってよい。
===小括===
上記実施形態の清掃工具10は、工具本体11と、ヘッド22を備えた延出部20とを有しており、延出部20は、ヘッド22が挿通するプラグ側ガイド部40を備えている。そして、上記本実施形態では、光プラグ70の清掃時に、図4Aに示すように、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド端面42は、ヘッド22の押圧面22Aよりも光プラグ70側に突出している。光プラグ70が接続された光アダプタ80の清掃時に、図11A(又は図17A)に示すように、プラグ側ガイド部40が後退して、ヘッド22の押圧面22Aが光アダプタ80側に露出する。これにより、上記実施形態では、光アダプタ80内及び光プラグ70側の両方のフェルール端面71Aを容易に清掃することができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、図4Cに示すように、プラグ側ガイド部40のプラグ側ガイド外周部43が、光プラグ70のフェルール端面71Aに対してヘッド22をガイドするように設けられている。これにより、上記実施形態では、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、プラグ側ガイド部40の内部は、光プラグ70のフェルール71が挿入されるように設けられている。これにより、上記実施形態では、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、光プラグ70の清掃時に、図5Bに示すように、プラグ側ガイド部40の光プラグ70側のプラグ側ガイド端面42を、光プラグ70のコネクタハウジング72の突き当て面72Cに押し当てることで、プラグ側ガイド部40を後退させる。これにより、上記実施形態では、内側ガイド部50の光プラグ70側の端面を、光プラグ70のコネクタハウジング72に押し当てることができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、延出部20は、工具本体11に対して所定方向(前後方向)に移動可能であり、工具本体11と延出部20との相対移動によって、ヘッド22の押圧面22Aに清掃体1を供給するとともに、押圧面22Aにおける清掃体1を回収する送り機構12をさらに備える。これにより、上記実施形態では、容易な操作で清掃体1を供給・回収することができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、延出部20は、プラグ側ガイド部40を内部に挿通する内側ガイド部50(アダプタ側ガイド部に相当)をさらに備え、光プラグ70の清掃時に、図5Cに示すように、内側ガイド部50の光プラグ70側の内側ガイド端面53を、光プラグ70のコネクタハウジング72の端面72Aに押し当てることで、工具本体11と延出部20との相対移動をさせる。これにより、上記実施形態では、容易な操作で清掃体を供給・回収することができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、延出部20は、プラグ側ガイド部40を内部に挿通する内側ガイド部50(アダプタ側ガイド部に相当)をさらに備え、光アダプタ80の清掃時に、図10C及び図12Bに示すように、内側ガイド部50の内側ガイド外周部55の平坦面52が、光アダプタ80に接続された光プラグ70のフェルール端面71に対してヘッド22をガイドするように設けられている。これにより、上記実施形態では、フェルール端面71Aに清掃体1を精度良く対向させることができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、光アダプタ80の清掃時に、図11Aに示すように、内側ガイド部50(アダプタ側ガイド部に相当)の光アダプタ80側の内側ガイド端面53を、光アダプタ80のスリーブホルダ端部82に押し当てることで、工具本体11と延出部20との相対移動をさせる。これにより、上記実施形態では、容易な操作で清掃体を供給・回収することができる。
また、上記実施形態の清掃工具10では、延出部20は、プラグ側ガイド部40を光プラグ70側に付勢するプラグ側スプリング45をさらに備える。これにより、上記実施形態では、光アダプタ80内及び光プラグ70側の両方のフェルール端面71Aを容易に清掃することができる。
===その他の実施形態===
前述の実施形態では、清掃工具10は、外側ガイド部60、外側スプリング65及び外側バネ受け部66を有していたが、これらを有していなくてもよい。この場合、第1光レセプタクル91は清掃対象ではなくなるが、このような構成の清掃工具10であっても、プラグ側ガイド部40が後退して、ヘッド22の押圧面22Aが前側に露出することで、光アダプタ80のスリーブホルダ端部82内部のフェルール挿入穴にヘッド22を挿入する構成を備えていれば、光アダプタ80内及び光プラグ70の両方の清掃作業が容易になる。
また、前述の実施形態では、清掃対象として、光プラグ70のフェルール71は円筒形状のフェルールであったが、角形状のフェルールであってもよい。例えば、光プラグ70のフェルール71は、いわゆるMTフェルール(JIS C 5981に規定されたF12形多心光ファイバコネクタ)であってもよい。また、光プラグ70のフェルール71は、単心の光ファイバを保持するものであってもよいし、多心の光ファイバを保持するものであってもよい。
前述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得るとともに、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。