JP2019045384A - 衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法及びその装置。 - Google Patents

衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法及びその装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】 電離層の変動が大きい地域における電離層による伝搬遅延の測位誤差を減少させ、測位精度を改善する。【解決手段】 マスタ局からユーザ局へ送信される電離層による伝搬遅延の補正情報は、その作成の際に、電離層遅延量のデータが電離層モデルに適合しているか否かを電離層嵐モニタで判定し、適合していないと判定されている間は、電離層遅延量のデータ数を順次減らしてから再度判定することを繰り返し、適合していると判定された時点の電離層遅延量から作成される。ユーザ局は、この電離層による伝搬遅延の補正情報を用いて航法衛星からの測位信号の補正を行い、自局の測位を行う。【選択図】 図1

Description

この発明は、衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法及びその装置に関し、特に、広域ディファレンシャル補正方式(Wide Area Differential GPS:以下、WADGPSと記す。)における測位誤差の補正方法及びその装置に関するものである。
一般に、人工衛星や天体から発せられる電磁波(以下、信号と記す)が、地上に到達するまでの間に、電離層及び対流圏を通過するが、それぞれの領域を信号が通過する際に遅延が生じる。これらの遅延は、それぞれ電離層遅延及び対流圏遅延と呼ばれている。従って、この信号を測位信号として用いる場合、これらの電離層遅延及び対流圏遅延が測位誤差源のひとつとなっている。
ユーザが有する受信機であるユーザ局に対して、測位誤差の原因のひとつである電離層遅延量の補正は勿論のこと、その他の誤差要因に対応する補正情報をも提供し、ユーザ局側でこれらの補正処理を行うことで測位誤差を低減する方式は、広域ディファレンシャル補正方式(WADGPS)と呼ばれる。WADGPSの実例としては、世界的に実用化が進められている静止衛星型衛星航法補強システム(Satellite Based Augmentation System:以下、SBASと記す。)がある。
WADGPSでは、衛星軌道、衛星クロック、電離層遅延、対流圏遅延等の測位誤差源を、別々に高精度に補正することが目標とされている。衛星のクロックは、ユーザがどの場所にいても同じ影響を受けるが、衛星軌道(衛星の位置)、電離層の伝搬遅延、対流圏の伝搬遅延は、受信機(ユーザ局)の位置によって影響が異なるためである。これらの測位誤差源を全部分けて補正し、位置によって異なる補正情報を送ることによって、広い地理的範囲において有効なディファレンシャル補正が可能となる。
従来、このようなディファレンシャル補正を行うシステムとしては、特許文献1及び特許文献2、特許文献3に記載のように、図4及び図5に示す衛星航法システムがある。
この図4及び図5において、151(151a、151b・・・)はモニタ局で、航法衛星152(152a、152b・・・)からの測位信号による測位精度を向上させる目的で、位置が既知である既知点にそれぞれ複数箇所設置される。モニタ局151(151a、151b・・・)は、ネットワーク153を有し、このネットワーク153を介してマスタ局154と接続されている。155は、ユーザが有する受信機であるユーザ局である。
航法衛星152(152a、152b・・・)は、GPS衛星であり、それぞれGPS衛星自身の詳細な軌道情報を、2つの周波数(L1:1.6GHz帯/L2:1.2GHz帯)で送信している。電離層遅延は、信号の周波数により異なるという特徴を有することから、モニタ局において受信した2つの周波数の測定データを用いれば、電離層遅延を計算により求めることができる。
モニタ局151(151a、151b・・・)は、GPS衛星から送信されている測位信号を2つの周波数(L1、L2)とも受信可能な2周波型GPS受信機を有しており、受信した測定データは、ネットワーク153を介してマスタ局154に送信される。
マスタ局154は、モニタ局で受信した航法衛星からの測位信号の測定データから電離層遅延量を求める機能と、この電離層遅延量を用いて、経緯度で5度毎に設定されたIGP(Ionospheric Grid Point:電離層グリッド点、以下、IGPと記す)における電離層遅延量を求め、その補正情報であるグリッド情報を作成する機能と、航法衛星の軌道の補正情報を作成する機能と、航法衛星から送信される測位信号のクロックの補正情報を作成する機能と、作成したこれらの補正情報(グリッド情報、軌道の補正情報、クロックの補正情報)をユーザ局155へ送信する機能を有している。
ユーザ局155は、通常、GPS衛星から送信されている測位信号を1つの周波数(L1)のみ受信可能な1周波型GPS受信機を有しており、マスタ局154からの補正情報を用いて補正することにより、測位精度を向上させることができる機能を有している。
図4及び図5において、モニタ局151(151a、151b・・・)は、航法衛星152(152a、152b・・・)から送信されている測位信号や準天頂衛星あるいは静止衛星(図示せず)からの信号を受信し、ネットワーク153を介して、マスタ局154にその測定データを送信する。
マスタ局154は、各モニタ局151(151a、151b・・・)の有する2周波型GPS受信機の測定データにより、電離層による伝搬遅延である電離層遅延量を計算する(図4 161、図5 171)。このマスタ局154において計算された電離層遅延量は、2周波型GPS受信機の測定データを用いて計算されているため、測定誤差が少なく、精度が高いものとなっている。次いで、マスタ局154は、この電離層遅延量を用いて、電離層モデルに基づいてモデルパラメータを計算し、これにより各IGPにおける電離層遅延量を求め、その補正情報であるグリッド情報を作成する(図4 162)。このグリッド情報は、ユーザ局155へ送信するために精度を粗くしてあり、IGP毎に作成されている。
次に、マスタ局154は、電離層遅延量を用いて、航法衛星の軌道の補正情報を作成し(図4 163)、そしてさらに航法衛星から送信される測位信号のクロックの補正情報を作成する(図4 164)。
マスタ局154は、このようにして作成したこれらの補正情報(グリッド情報、軌道の補正情報、クロックの補正情報)を、静止衛星を介してユーザ局155へ送信する(図4 165)。
ユーザ局155では、マスタ局154から送信されたこれらの補正情報(グリッド情報、軌道の補正情報、クロックの補正情報)を受信して補正処理を行う(図4 166)。即ち、これらの補正情報を用いて、ユーザ局155における電離層の伝搬遅延の補正や、航法衛星の軌道の補正、航法衛星からの測位信号のクロックの補正を行う。
電離層の伝搬遅延の補正については、マスタ局154から送信されたグリッド情報の内、当該測位信号が電離層を通過する地点に隣接する4つのIGPのグリッド情報を用いて、これらを線形補間することにより電離層遅延量を求め、その補正を行う(図5 172)。ユーザ局155は、このようにして電離層の伝搬遅延の補正や、衛星軌道の補正、衛星クロックの補正を行うとともに、ユーザ局155の測位を行っている。
特開2007−171082号公報 特開2011−203100号公報 特開2015−138021号公報
しかしながら、相変わらずSBASのような広域ディファレンシャル補正システムでは、4つの誤差要因を確実に分離して、ユーザ局における測位の際に、この4つの誤差要因による測位誤差をどのようにして小さくするかが、重要な課題であった。
特に、高層大気圏内に存在する電離層(D、E、F層)においては、時間的、空間的に様々なスケールの擾乱現象が起きており、衛星通信の電波にも大きな影響を与えている。そして、大気が受ける太陽紫外線やX線は、季節、緯度・経度、時刻、太陽活動周期等により変化するため、電離層は基本的にこれらに依存して変化する。又、これらの定常的な変化のほかに、電離層は、突発的な太陽爆発によるX線や高エネルギー粒子等の増加、オーロラ活動に代表される磁気嵐等の擾乱、又は母体となる中世大気の擾乱の影響を受けて複雑に変化する。そして、ときには電離層嵐と称される擾乱状態になることがあり、そのような場合には、電離層の伝搬遅延を精度良く補正することが困難である。そのため、補正しきれない測位誤差がどうしても残ってしまうという問題があった。例えば、日本国内の南方の地域、特に九州以南では、この電離層の変動が大きいため、電離層の伝搬遅延による誤差を補正しきれず、十分な測位精度を得られないという問題があった。
こうした問題の解決方法として、ユーザ局においてもマスタ局と同様に二周波データによって電離層遅延量を補正することが考えられる。しかしながら、ユーザ局のGPS受信機をモニタ局と同じく2周波型GPS受信機にすると、アンテナの大きさが大きくなり、また、高周波回路も二組必要となるのでコストが増大するという問題があった。その上、航空機に搭載する受信機については安全上の理由から、規定上1周波型GPS受信機しか使用出来ないという問題もあった。
このように、従来の電離層の伝搬遅延の補正情報では補正しきれず、測位誤差を小さくすることが出来なかった。そのため、この測位誤差を可能な限り小さくすることの出来る電離層の伝搬遅延の新たな補正情報が求められていた。
その上、次期MSASでは、垂直誘導機能を付加する計画があり、電離層伝搬遅延の補正情報生成方式の改良によるアベイラビリティの改善が緊急の課題となっており、早急な課題解決が求められている。
請求項1に係る発明は、航法衛星からの測位信号により、この測位信号のクロックの補正情報と、航法衛星の軌道の補正情報と、電離層による伝搬遅延の補正情報とを求め、これらの補正情報をユーザが有する受信機であるユーザ局へ送信するマスタ局と、これらの補正情報を求めるために、航法衛星からの測位信号を受信し、既知点に設置された複数のモニタ局と、マスタ局と複数のモニタ局を結ぶネットワークとからなる衛星航法システムにおいて、マスタ局は、モニタ局において受信可能な全ての航法衛星からの測位信号を用いて電離層による伝搬遅延である電離層遅延量を求め、これらの電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する際に、この補正情報を作成するために収集した電離層遅延量が、電離層による伝搬遅延の補正情報の作成に用いる電離層モデルに適合しているか否かを電離層嵐モニタで判定し、電離層モデルに適合していないと判定した場合、電離層による伝搬遅延の補正情報を作成するために収集した電離層遅延量のデータ数を減らして、電離層嵐モニタで再度判定するとともに、電離層遅延量のデータを減らしても電離層モデルに適合していないと判定されている間は、電離層遅延量のデータ数を更に減らしてから再度判定することを繰り返し、電離層モデルに適合していると判定した場合、この時点での電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成し、次いで、マスタ局は、電離層による伝搬遅延の補正情報を、クロックの補正情報と、軌道の補正情報とともにユーザ局へ送信し、このユーザ局は、受信可能な複数の航法衛星からの測位信号を受信し、これらの測位信号を、マスタ局から送信された電離層による伝搬遅延の補正情報と、クロックの補正情報と、軌道の補正情報とによりそれぞれ補正を行い、ユーザ局の測位を行うことを特徴とする衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、電離層嵐モニタは、カイ2乗検定を用いて判定を行うものである。
請求項3に係る発明は、請求項1〜2の何れかに係る発明において、電離層遅延量のデータを減らす際は、電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から遠い地点の電離層遅延量のデータから遠い順に減らすようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜2の何れかに係る発明において、電離層遅延量のデータを減らす際は、赤道に近い地点の電離層遅延量のデータから緯度が低い順に減らすようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜3の何れかに係る発明において、電離層遅延量のデータを減らす際は、電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から最も遠い地点までの距離を半径とする収集範囲について、データを減らすことにより狭まる収集範囲の狭める範囲に上限を設けるようにしたものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5の何れかに係る発明において、電離層遅延量のデータを減らす際は、減らすデータ数に上限を設けるようにしたものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6の何れかに係る発明において、電離層による伝搬遅延の補正情報は、経緯度5度毎に作成されたグリッド点毎の情報とするものである。
請求項8に係る発明は、航法衛星からの測位信号により、この測位信号のクロックの補正情報と、航法衛星の軌道の補正情報と、電離層による伝搬遅延の補正情報とを求め、これらの補正情報をユーザが有する受信機であるユーザ局へ送信するマスタ局と、これらの補正情報を求めるために、航法衛星からの測位信号を受信し、既知点に設置された複数のモニタ局と、マスタ局と複数のモニタ局を結ぶネットワークとからなる衛星航法システムにおいて、マスタ局は、モニタ局において受信可能な全ての航法衛星からの測位信号を用いて電離層による伝搬遅延である電離層遅延量を求める機能と、これらの電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する際に、この補正情報を作成するために収集した電離層遅延量が、電離層による伝搬遅延の補正情報の作成に用いる電離層モデルに適合しているか否かを判定する機能を有する電離層嵐モニタと、電離層モデルに適合していないと判定した場合、電離層による伝搬遅延の補正情報を作成するために収集した電離層遅延量のデータ数を減らして、電離層嵐モニタで再度判定するとともに、電離層遅延量のデータを減らしても電離層モデルに適合していないと判定されている間は、電離層遅延量のデータ数を更に減らしてから再度判定することを繰り返す機能と、電離層モデルに適合していると判定した場合、この時点での電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する機能と、電離層による伝搬遅延の補正情報を、クロックの補正情報と、軌道の補正情報とともにユーザ局へ送信する機能とを有し、ユーザ局は、受信可能な複数の航法衛星からの測位信号を受信する機能と、これらの測位信号を、マスタ局から送信された電離層による伝搬遅延の補正情報と、クロックの補正情報と、軌道の補正情報とによりそれぞれ補正を行い、ユーザ局の測位を行う機能とを有することを特徴とする衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る発明において、電離層嵐モニタは、カイ2乗検定を用いて判定を行う機能を有するものである。
請求項10に係る発明は、請求項8〜9の何れかに係る発明において、マスタ局は、電離層遅延量のデータを減らす際は、電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から遠い地点の電離層遅延量のデータから遠い順に減らす機能を有するものである。
請求項11に係る発明は、請求項8〜9の何れかに係る発明において、マスタ局は、電離層遅延量のデータを減らす際は、赤道に近い地点の電離層遅延量のデータから緯度が低い順に減らす機能を有するものである。
請求項12に係る発明は、請求項8〜10の何れかに係る発明において、マスタ局は、電離層遅延量のデータを減らす際は、電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から最も遠い地点までの距離を半径とする収集範囲について、データを減らすことにより狭まる収集範囲の狭める範囲に上限を設ける機能を有するものである。
請求項13に係る発明は、請求項8〜12の何れかに係る発明において、マスタ局は、電離層遅延量のデータを減らす際は、減らすデータ数に上限を設ける機能を有するものである。
請求項14に係る発明は、請求項8〜13の何れかに係る発明において、電離層による伝搬遅延の補正情報は、経緯度5度毎に作成されたグリッド点毎の情報とするものである。
請求項1及び請求項8に係る発明は、上記のように構成したので、電離層による伝搬遅延の補正情報に内在される補正誤差、即ち、残差が過大になる恐れを軽減することが出来る。また、電離層による伝搬遅延の補正情報の精度が良くなり、WADGPS(広域ディファレンシャル補正システム)による測位誤差を小さくすることが出来、測位精度が向上する。特に、電離層による影響を受けやすい低緯度地域において、WADGPSの測位精度を大幅に改善することが出来る。
その上、従来の衛星航法システムにおけるマスタ局やモニタ局のハードウェア構成を変えることなく、また、ユーザ局についても、ハードウェア及びソフトウェアを何ら変えることなく、ユーザ局における測位誤差を小さくし、その測位精度をさらに向上させることができる。
請求項2及び請求項9に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1及び請求項8に係る発明と同様の効果がある。
請求項3及び請求項10に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1及び請求項8に係る発明と同様の効果がある。
請求項4及び請求項11に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1及び請求項8に係る発明と同様の効果がある。さらに、電離層嵐による電離層の擾乱の影響を受けやすい地点の測定データから減らしていくので、測定データの数を必要以上に減らすことなく効果を発揮することが可能である。
請求項5及び請求項12に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1及び請求項8に係る発明と同様の効果がある。さらに、収集範囲を狭める範囲に制限を設けることにより、この発明の処理に係るマスタ局の負担を軽減することが可能である。
請求項6及び請求項13に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1及び請求項8に係る発明と同様の効果がある。さらに、減らすデータ数に制限を設けることにより、この発明の処理に係るマスタ局の負担を軽減することが可能である。
請求項7及び請求項14に係る発明は、上記のように構成したので、請求項1及び請求項8に係る発明と同様の効果がある。
この発明の第1の実施例を示すもので、この発明の衛星航法システムにおける測位方法を説明するための模式図である。 この発明の第1の実施例を示すもので、この発明の衛星航法システムにおける測位方法の原理を説明するための模式図であり、(a)はこの発明の測位方法を用いない場合、(b)はこの発明の測位方法を用いた場合の図である。 この発明の効果を示すもので、各IGPにおける電離層遅延量の推定結果を示すヒストグラムである。 従来の衛星航法システムにおける測位方法を説明するための模式図である。 従来の衛星航法システムにおける測位方法を説明するための模式図である。
航法衛星からの測位信号により、この測位信号のクロックの補正情報と、航法衛星の軌道の補正情報と、電離層による伝搬遅延の補正情報とを求め、これらの補正情報をユーザが有する受信機であるユーザ局へ送信するマスタ局と、これらの補正情報を求めるために、航法衛星からの測位信号を受信し、既知点に設置された複数のモニタ局と、マスタ局と複数のモニタ局を結ぶネットワークとからなる衛星航法システムにおいて、マスタ局は、モニタ局において受信可能な全ての航法衛星からの測位信号を用いて電離層による伝搬遅延である電離層遅延量を求め、これらの電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する際に、この補正情報を作成するために収集した電離層遅延量が、電離層による伝搬遅延の補正情報の作成に用いる電離層モデルに適合しているか否かを電離層嵐モニタで判定し、電離層モデルに適合していないと判定した場合、電離層による伝搬遅延の補正情報を作成するために収集した電離層遅延量のデータ数を減らして、電離層嵐モニタで再度判定するとともに、電離層遅延量のデータを減らしても電離層モデルに適合していないと判定されている間は、電離層遅延量のデータ数を更に減らしてから再度判定することを繰り返し、電離層モデルに適合していると判定した場合、この時点での電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成し、次いで、マスタ局は、電離層による伝搬遅延の補正情報を、クロックの補正情報と、軌道の補正情報とともにユーザ局へ送信し、このユーザ局は、受信可能な複数の航法衛星からの測位信号を受信し、これらの測位信号を、マスタ局から送信された電離層による伝搬遅延の補正情報と、クロックの補正情報と、軌道の補正情報とによりそれぞれ補正を行い、ユーザ局の測位を行う。
この発明の第1の実施例を、図1〜図2に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明の第1の実施例を示すもので、この発明の衛星航法システムにおける測位方法を説明するための模式図である。図2は、この発明の第1の実施例を示すもので、この発明の衛星航法システムにおける測位方法の原理を説明するための模式図であり、(a)はこの発明の測位方法を用いない場合、(b)はこの発明の測位方法を用いた場合の図で、それぞれ電離層嵐により電離層の擾乱の影響を受けた地域において、電離層の補正情報を作成する際に、どの様に影響を受けるか、またこの発明によりどの様に影響を回避するかを示している。
図1において、1(1a、1b・・・)はモニタ局で、航法衛星2(2a、2b・・・)からの測位信号による測位精度を向上させる目的で、位置が既知である複数個所の既知点に、それぞれ設置されている。モニタ局1(1a、1b・・・)は、ネットワーク3を有し、このネットワーク3を介してマスタ局4と接続されている。5はユーザ局で、ユーザが有する受信機である。
航法衛星2(2a、2b・・・)は、この実施例ではGPS衛星であり、それぞれGPS衛星自身の詳細な軌道情報を、2つの周波数(L1:1.6GHz帯/L2:1.2GHz帯)で送信している。
モニタ局1(1a、1b・・・)は、GPS衛星から送信されている測位信号を2つの周波数(L1、L2)とも受信可能な2周波型GPS受信機を有しており、受信した測位信号は、ネットワーク3を介してマスタ局4に送信される。
マスタ局4は、モニタ局で受信した全ての航法衛星からの測位信号を用いて電離層遅延量を求める機能と、この電離層遅延量を用いて航法衛星毎の電離層の伝搬遅延の補正情報を求める機能と、この電離層の伝搬遅延の補正情報を用いて、経緯度で5度毎に設定されたIGP(Ionospheric Grid Point:電離層グリッド点、以下、IGPと記す)における電離層の伝搬遅延の補正情報であるグリッド情報(航法衛星毎)を作成する機能と、電離層遅延量の推定精度を求めることにより、このグリッド情報における電離層の伝搬遅延の補正情報の品質を判定する機能と、航法衛星の軌道の補正情報を作成する機能と、航法衛星から送信される測位信号のクロックの補正情報を作成する機能と、作成したこれらの補正情報(グリッド情報(航法衛星毎)、軌道の補正情報、クロックの補正情報)をユーザ局5へ送信する機能とを少なくとも有している。
ユーザ局5は、GPS衛星から送信されている測位信号を受信可能なGPS受信機を有しており、マスタ局4からの補正情報を用いて補正することにより、測位精度を向上可能とする機能を有している。
次に、作用動作について、図1〜図2に基づいて説明する。
モニタ局1(1a、1b・・・)は、航法衛星2(2a、2b・・・)から送信されている測位信号や準天頂衛星あるいは静止衛星(図示せず)からの信号を受信し、ネットワーク3を介して、マスタ局4にその測定データを送信する。
マスタ局4は、各モニタ局1(1a、1b・・・)の有する2周波型GPS受信機の測定データにより、それぞれのモニタ局1(1a、1b・・・)における電離層による伝搬遅延である電離層遅延量を計算する(図1 11)とともに、航法衛星の軌道の補正情報を作成し(図1 12)、次いで、航法衛星から送信される測位信号のクロックの補正情報を作成する(図1 13)。このマスタ局4において計算された電離層遅延量は、2周波型GPS受信機の測定データを用いて計算されているため、測定誤差が少なく、精度が高いものとなっている。
そして、マスタ局4は、これらの電離層遅延量を用いて、電離層遅延量の推定に用いる電離層モデルに基づいてモデルパラメータを計算し、これにより各IGPにおける電離層遅延量の推定を行い、その補正情報であるグリッド情報を作成する(図1 14(14a、14b・・・))。このグリッド情報を作成する際に、現実の電離層の状態が電離層モデルと適合しているか電離層嵐モニタアルゴリズム(以下、単に電離層嵐モニタと記す。)により判定される(図1 17)。この電離層嵐モニタが作動した場合、即ち、電離層嵐モニタが異常ありと判定した場合には、補正情報の作成に用いる電離層遅延量のデータ数を減らして(図1 18)、モデルパラメータを再度計算する。このデータ数を減らして再計算されたモデルパラメータを、電離層嵐モニタで再度判定し(図1 17)、それでもまだ「異常あり」と判定された場合には、さらに補正情報の作成に用いる電離層遅延量のデータを減らして(図1 18)モデルパラメータを再計算するということを繰り返す。電離層嵐モニタが作動しなかった場合、即ち、電離層嵐モニタが「異常なし」と判定した場合には、この時点のモデルパラメータを用いてIGPにおける電離層遅延量が求められ、グリッド情報が作成される。このようにして、すべてのIGPについてグリッド情報を作成する。なお、この実施例では、このグリッド情報は、ユーザ局5向けに放送するために、精度を粗くして情報量を抑えている。
このようにして作成されたグリッド情報は、マスタ局4で作成された他の補正情報(航法衛星の軌道の補正情報、航法衛星のクロック補正情報等)とともに、マスタ局4からユーザ局5へ向けて放送される(図1 15)。ユーザ局5は、受信したこれらの補正情報で補正処理を行う(図1 16)ことにより、測位精度を向上させることが出来る。
ここで、各IGPにおけるグリッド情報を作成する際のこの発明の原理について、IGPの一つを例にとって、図1〜図2を用いて詳細に説明する。図2において、図の中心はグリッド情報を作成する対象となるIGPの地点21の位置を示している。このIGPにおけるモデルパラメータを計算する際、各モニタ局1(1a、1b・・・)における電離層遅延量のデータの内、22は計算に使用するデータ(●の部分)を示し、23は計算に使用しないデータ(○の部分)を示している。また、図2において、24は計算に使用するデータ22を収集する際に設定される収集範囲の最小範囲、25は最大範囲、26はデータを収集する範囲である。27は、電離層嵐による電離層の擾乱の影響を受けている領域、28は、電離層の擾乱の影響を受けている測定データ群であり、この発明を適用することによりモデルパラメータの計算に使用しなくなった測定データ群、即ち、減らされた測定データ群である。
まず、各モニタ局1(1a、1b・・・)における測定データ(航法衛星2(2a、2b・・・)からの測位信号)から求められた各モニタ局1(1a、1b・・・)における電離層遅延量のデータの中から、IGPの地点21に近い地点のモニタ局1(1a、1b・・・)の電離層遅延量のデータから近い順に収集する。この収集するデータ数は、安全上の観点から最大の30個になるように収集される。収集範囲の最小範囲24内のデータが、30に満たない場合には、収集範囲の最大範囲25を超えない範囲で収集範囲26を拡げてデータが30個になるように収集される。なお、この実施例では、収集範囲の最小範囲24はIGPの地点21を中心に半径800(km)、最大範囲25は半径2100(km)となっている。
次に、マスタ局4では、収集されたデータ22を用いて、電離層モデルに基づいてモデルパラメータを求め、このモデルパラメータによりIGPの地点21における電離層遅延量の推定を行うとともに、電離層遅延量の推定精度を求める。また、この推定されたIGPにおける電離層遅延量により、その補正情報であるグリッド情報が作成される。ユーザ局5へ放送されるグリッド情報には、残差、即ち、このグリッド情報を作成するために用いたIGPの地点21における電離層遅延量の推定精度に関する情報も含まれており、この推定精度に関する情報も併せてユーザ局5へ放送される。
このグリッド情報を作成する際には、マスタ局4では、現実の電離層の状態が計算に用いた電離層モデルと適合しているか否かが電離層嵐モニタにより判定される。この電離層嵐モニタは、電離層モデルによりモデルパラメータを求める際、この計算に用いる測定データ、即ち、計算に用いるモニタ局1(1a、1b・・・)の電離層遅延量のデータを収集する収集範囲26において、測位データが電離層嵐による擾乱の影響を受けているか否かを判定するために用いられているものである。この実施例では、電離層嵐モニタには、カイ2乗検定が用いられ、収集範囲26における測定データ22の分布が理論的な値の分布とほぼ同じか判定しており、異なる場合には「異常あり」と出力して作動するように構成されている。
電離層嵐モニタが作動した場合、即ち、「異常あり」と出力された場合には、図2(a)に示すように、測定データの収集範囲において、電離層嵐による電離層の擾乱の影響を受けた領域27の測定データが含まれている(図2(b)28)ため、理論的な値の分布から外れる測定データが存在していることになる。従って、電離層嵐モニタが作動して「異常あり」と出力された場合、モデルパラメータの計算に用いる電離層モデルに対して、収集した測定データの一部または全部が適合していないので、モデルパラメータが異常となる。この異常なモデルパラメータにより、推定精度の悪いグリッド情報が作成される。従って、グリッド情報を作成するのに用いたIGPにおける電離層遅延量の推定精度が悪いとして(この実施例では、推定精度に関する情報を最大にセットして)、グリッド情報に併せてユーザ局5へ送信していた。
そこで、この発明では、電離層嵐モニタが作動した場合、計算に用いる測定データの収集範囲26を狭めるようにIGPから遠い順に収集した測定データを減らして、計算に用いる測定データの数を減らす(図1 18)。このデータ数の減った測定データを用いて再度電離層モデルに基づいてモデルパラメータを求め、電離層嵐モニタにより再度判定させる(図1 17)ように構成されている。再度判定してもまだ電離層嵐モニタが作動する場合には、さらに測定データを減らして(図1 18)同様にモデルパラメータを求め、電離層嵐モニタにて再度判定させる(図1 17)ということを繰り返すように構成されている。
このようにして、測定データのデータ数を減らした結果、電離層嵐モニタが作動しなかった場合、即ち、電離層嵐モニタが「異常なし」と判定した場合には、図2(b)に示すように、測定データを減らしたことにより電離層嵐による電離層の擾乱の影響を受けた領域の測定データ28が含まれなくなり、正常なモデルパラメータにより、推定精度の良いグリッド情報が作成される。即ち、電離層嵐モニタが「異常なし」と判定した場合、モデルパラメータの計算に用いる電離層モデルに対して適合しない測定データが取り除かれ、モデルパラメータが正常となり、この時点での電離層遅延量からグリッド情報を作成しているので、推定精度の良いグリッド情報を作成出来る。
なお、この実施例では、電離層嵐モニタが作動した場合において、測定データを減らす際の収集範囲26を狭める範囲について、制限を設けている。この実施例では、モデルパラメータを求めるために収集した測定データが30個になった時の収集範囲若しくは収集範囲の最大範囲25の何れか狭い方の範囲から起算して、狭める範囲が半径で600(km)以下となるように制限している。しかしながら、これに限定されることはなく、例えば収集範囲の最小範囲24まで狭めることが出来るように構成しても良い。
また、電離層嵐モニタが作動した場合に、減らすデータ数についても制限を設けている。この実施例では、減らすデータ数が10個を超えない範囲までに制限している。しかしながら、これに限定されることはなく、例えば、減らすデータ数が10個を超えてもそのまま処理を続行可能となるように構成し、最終的に収集する最小のデータ数である10個になるまでデータ数を減らすことが出来るように構成しても良い。
なお、この実施例において、電離層嵐モニタが作動した場合、データを減らす段階で、下限まで収集範囲を狭める、若しくは、下限までデータ数を減らしてもなお電離層嵐モニタが作動する場合には、この発明における測定データを減らして電離層嵐モニタで再判定するという一連の処理を破棄し、グリッド情報を作成する際に収集した30個の測定データを用いて、電離層モデルに基づいてモデルパラメータを求め、このモデルパラメータによりIGPにおける電離層遅延量の推定を行ってグリッド情報を作成する。このグリッド情報は、電離層嵐モニタが作動した状態で作成されたものであるので、推定精度が悪いグリッド情報である。このグリッド情報とともにユーザ局5へ放送される電離層遅延量の推定精度に関する情報は、推定精度が悪い、即ち、推定精度に関する情報を最大にセットされたものとなっている。
また、この実施例では、電離層嵐モニタが作動した場合に、測定データを減らす際には、対象となるIGPから遠い順に減らすようにしているが、赤道に近い測定データから緯度が低い順に減らすようにしても良い。上述したように、日本国内の南方の地域、特に九州以南では、電離層の変動が大きい。これは電離層嵐による電離層の擾乱のためで、このような日本国内の南方の地域、換言すれば、低緯度の地域では、電離層嵐による電離層の擾乱が発生する蓋然性が高い。従って、このような電離層の擾乱の影響を受けやすい地点の測定データ、即ち、低緯度の地点の測定データから順に減らすようにしていけばより効率の良い効果が得られる。
この発明の第2の実施例を、図3に基づいて詳細に説明する。
図3は、この発明の効果を示すもので、各IGPにおける電離層遅延量の推定結果を示すヒストグラムである。
この発明の第2の実施例は、この発明の効果を確認するために発明者が行ったシミュレーション及びその結果について説明する。なお、第1の実施例と同じ部分については、同一名称、同一番号を用い、その説明を省略する。
発明者は、日本周辺におけるSBASを想定する目的で、13局のモニタ局を配置した場合に、(1)従来の方式、(2)この発明による方式で電離層による伝搬遅延の補正情報を作成した際に電離層遅延量の推定結果がどのようになるか、即ち、各IGPにおける電離層遅延量の推定精度に関する情報がどのようになるかについてシミュレーションを行った。このシミュレーション結果を図3に示す。
図3において、横軸はGIVE値のインデックス(GIVEI:Grid Ionospheric Vertical Error Index)を示し、縦軸はこのGIVEIの相対頻度(Relative Frequency)、即ち、GIVEIの出現頻度を示している。また、図3において、黒色のバーは(1)従来の方式の場合、白色のバーは(2)この発明による方式の場合の結果を示し、この発明の方式の適用前後におけるGIVE値のインデックスの出現頻度をそれぞれ示している。
GIVE(Grid Ionospheric Vertical Error)値は、各IGPにおける電離層遅延量の残差、即ち、各IGPにおける電離層遅延量の推定誤差であり、このGIVE値をインデックスとして求めたのがGIVEIである。このGIVEIは、実施例1で述べた推定精度に関する情報であり、ユーザ局へ向けて放送する電離層遅延量の補正情報に付属して放送される4bitの値の情報である。GIVEIは、4bitの値であるが、GIVEI=15、即ち、インデックス15は、「使用不可」を意味する値である。実施例1で述べた電離層嵐モニタが作動した際にセットする最大値は、GIVEI=14、即ち、インデックス14となっている。
また、図3において、(2)この発明による方式の場合の結果は、収集範囲を狭める範囲が半径で600(km)以下となるように制限してこの発明を適用した場合の結果を示している。
この図3から明らかであるように、(1)従来の方式に対し、(2)この発明による方式によるインデックス14の出現頻度は大きく減少し、逆にインデックス11〜13の出現頻度は増加している。このことから、この発明の適用により、インデックス14の出現頻度が大きく減少しており、この減少分がインデックス11〜13に移動している様子が分かる。このことは、即ち、この発明の適用により、電離層遅延量の推定誤差が減少しているので、測位精度が減少していることを示している。従って、この発明の適用により、測位精度を改善し、精度良い推定を行うことが出来る。
この発明による衛星航法システムにおける補正方法は、移動体の測位システム、誘導システム等に利用可能である。ユーザ局の測位精度が向上するので、垂直誘導付航法モードの利用率を改善可能である。この垂直誘導付航法モードの利用率改善により、SBASの普及が期待できる。
また、宇宙航空研究開発機構が開発を進めている準天頂衛星システムにおいても応用が可能である。特に、準天頂衛星サブメータ級測位補正サービスにおいては、現時点では九州以南における測位精度が十分ではなく、この改善が大きな課題となっているが、この地域において利用可能である。
さらに、次期MSASは、垂直誘導機能を付加する計画がある。垂直誘導機能の付加は、6年後に想定されていることから、電離層伝搬遅延の補正情報生成方式の改良によるアベイラビリティの改善は急務となっており、この発明が利用される可能性は大きい。
1(1a、1b・・・) モニタ局
2(2a、2b・・・) 航法衛星
3 ネットワーク
4 マスタ局
5 ユーザ局
17 電離層嵐モニタ
26 収集範囲

Claims (14)

  1. 航法衛星からの測位信号により、この測位信号のクロックの補正情報と、前記航法衛星の軌道の補正情報と、電離層による伝搬遅延の補正情報とを求め、これらの補正情報をユーザが有する受信機であるユーザ局へ送信するマスタ局と、
    前記これらの補正情報を求めるために、前記航法衛星からの測位信号を受信し、既知点に設置された複数のモニタ局と、
    前記マスタ局と前記複数のモニタ局を結ぶネットワークとからなる衛星航法システムにおいて、
    前記マスタ局は、前記モニタ局において受信可能な全ての航法衛星からの測位信号を用いて電離層による伝搬遅延である電離層遅延量を求め、
    これらの電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する際に、この補正情報を作成するために収集した前記電離層遅延量が、前記電離層による伝搬遅延の補正情報の作成に用いる電離層モデルに適合しているか否かを電離層嵐モニタで判定し、
    前記電離層モデルに適合していないと判定した場合、前記電離層による伝搬遅延の補正情報を作成するために収集した前記電離層遅延量のデータ数を減らして、前記電離層嵐モニタで再度判定するとともに、前記電離層遅延量のデータを減らしても前記電離層モデルに適合していないと判定されている間は、前記電離層遅延量のデータ数を更に減らしてから再度判定することを繰り返し、
    前記電離層モデルに適合していると判定した場合、この時点での電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成し、
    次いで、前記マスタ局は、前記電離層による伝搬遅延の補正情報を、前記クロックの補正情報と、前記軌道の補正情報とともにユーザ局へ送信し、
    このユーザ局は、受信可能な複数の航法衛星からの測位信号を受信し、これらの測位信号を、前記マスタ局から送信された前記電離層による伝搬遅延の補正情報と、前記クロックの補正情報と、前記軌道の補正情報とによりそれぞれ補正を行い、前記ユーザ局の測位を行うこと
    を特徴とする衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法。
  2. 前記電離層嵐モニタは、カイ2乗検定を用いて判定を行うこと
    を特徴とする請求項1に記載の衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法。
  3. 前記電離層遅延量のデータを減らす際は、前記電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から遠い地点の電離層遅延量のデータから遠い順に減らすこと
    を特徴とする請求項1〜請求項2の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法。
  4. 前記電離層遅延量のデータを減らす際は、赤道に近い地点の電離層遅延量のデータから緯度が低い順に減らすこと
    を特徴とする請求項1〜請求項2の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法。
  5. 前記電離層遅延量のデータを減らす際は、前記電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から最も遠い地点までの距離を半径とする収集範囲について、データを減らすことにより狭まる収集範囲の狭める範囲に上限を設けること
    を特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法。
  6. 前記電離層遅延量のデータを減らす際は、減らすデータ数に上限を設けること
    を特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法。
  7. 前記電離層による伝搬遅延の補正情報は、経緯度5度毎に作成されたグリッド点毎の情報であること
    を特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差の補正方法。
  8. 航法衛星からの測位信号により、この測位信号のクロックの補正情報と、前記航法衛星の軌道の補正情報と、電離層による伝搬遅延の補正情報とを求め、これらの補正情報をユーザが有する受信機であるユーザ局へ送信するマスタ局と、
    前記これらの補正情報を求めるために、前記航法衛星からの測位信号を受信し、既知点に設置された複数のモニタ局と、
    前記マスタ局と前記複数のモニタ局を結ぶネットワークとからなる衛星航法システムにおいて、
    前記マスタ局は、前記モニタ局において受信可能な全ての航法衛星からの測位信号を用いて電離層による伝搬遅延である電離層遅延量を求める機能と、
    これらの電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する際に、この補正情報を作成するために収集した前記電離層遅延量が、前記電離層による伝搬遅延の補正情報の作成に用いる電離層モデルに適合しているか否かを判定する機能を有する電離層嵐モニタと、
    前記電離層モデルに適合していないと判定した場合、前記電離層による伝搬遅延の補正情報を作成するために収集した前記電離層遅延量のデータ数を減らして、前記電離層嵐モニタで再度判定するとともに、前記電離層遅延量のデータを減らしても前記電離層モデルに適合していないと判定されている間は、前記電離層遅延量のデータ数を更に減らしてから再度判定することを繰り返す機能と、
    前記電離層モデルに適合していると判定した場合、この時点での電離層遅延量から、ユーザ局が利用可能な電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する機能と、
    前記電離層による伝搬遅延の補正情報を、前記クロックの補正情報と、前記軌道の補正情報とともにユーザ局へ送信する機能とを有し、
    前記ユーザ局は、受信可能な複数の航法衛星からの測位信号を受信する機能と、これらの測位信号を、前記マスタ局から送信された前記電離層による伝搬遅延の補正情報と、前記クロックの補正情報と、前記軌道の補正情報とによりそれぞれ補正を行い、前記ユーザ局の測位を行う機能とを有すること
    を特徴とする衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置。
  9. 前記電離層嵐モニタは、カイ2乗検定を用いて判定を行う機能を有すること
    を特徴とする請求項8に記載の衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置。
  10. 前記マスタ局が、前記電離層遅延量のデータを減らす際は、前記電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から遠い地点の電離層遅延量のデータから遠い順に減らす機能を有すること
    を特徴とする請求項8〜請求項9の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置。
  11. 前記マスタ局が、前記電離層遅延量のデータを減らす際は、赤道に近い地点の電離層遅延量のデータから緯度が低い順に減らす機能を有すること
    を特徴とする請求項8〜請求項9の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置。
  12. 前記マスタ局が、前記電離層遅延量のデータを減らす際は、前記電離層による伝搬遅延の補正情報を作成する地点から最も遠い地点までの距離を半径とする収集範囲について、データを減らすことにより狭まる収集範囲の狭める範囲に上限を設ける機能を有すること
    を特徴とする請求項8〜請求項10の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置。
  13. 前記マスタ局が、前記電離層遅延量のデータを減らす際は、減らすデータ数に上限を設ける機能を有すること
    を特徴とする請求項8〜請求項12の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置。
  14. 前記電離層による伝搬遅延の補正情報は、経緯度5度毎に作成されたグリッド点毎の情報であること
    を特徴とする請求項8〜請求項13の何れかに記載の衛星航法システムにおける測位誤差を補正する装置。
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