JP2007093513A - データ送信装置及びデータ送信方法及び測位装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 測位に使用する補正データのデータ送信量を低減し、また、送信する補正データの精度を向上させるデータ送信装置の提供を目的とする。
【解決手段】 この発明のデータ送信装置は、電子基準点から電子基準点情報を収集する源泉データ収集処理部102と、収集した電子基準点情報を使用することにより、基準点固有誤差を複数の電子基準点につき計算する第1計算部103と、地域データに複数のグリッド(位置表示点)を設定し、設定した複数のグリッドに対し、電子基準点につき計算した基準点固有誤差に基づき表示点固有誤差データを計算し、複数の表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する第2計算部104と、送信対象データに含まれる少なくともいずれかの表示点固有誤差データのデータ形式を変更するデータ形式変更部1042と、データ形式が変更された表示点固有誤差データを含む送信対象データを送信するデータ送信部106とを備えた。
【選択図】 図5
【解決手段】 この発明のデータ送信装置は、電子基準点から電子基準点情報を収集する源泉データ収集処理部102と、収集した電子基準点情報を使用することにより、基準点固有誤差を複数の電子基準点につき計算する第1計算部103と、地域データに複数のグリッド(位置表示点)を設定し、設定した複数のグリッドに対し、電子基準点につき計算した基準点固有誤差に基づき表示点固有誤差データを計算し、複数の表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する第2計算部104と、送信対象データに含まれる少なくともいずれかの表示点固有誤差データのデータ形式を変更するデータ形式変更部1042と、データ形式が変更された表示点固有誤差データを含む送信対象データを送信するデータ送信部106とを備えた。
【選択図】 図5
Description
この発明は、測位に使用する補正データを送信するデータ送信装置及びデータ送信方法及び測位装置に関する。
従来では、位置を測位する場合の測位位置の補正のためには、測位装置に向けて補正データと観測データとを送信していた。このため、送信するデータ量が1〜2Mbps程度と多かった。また、このデータを受信する測位装置側には、このデータ量を処理する回路が必要であった(例えば特許文献1)。
特開2003−315084号公報
この発明は、測位に使用する補正データのデータ送信量を低減することを目的とする。また、提供する補正データの精度を向上することを目的とする。
この発明のデータ送信装置は、
測位情報を送信する人工衛星から前記測位情報を受信して所定の情報を出力する複数の電子基準点のそれぞれから、前記所定の情報を電子基準点情報として収集する収集部と、
前記収集部の収集した前記電子基準点情報を使用することにより、前記電子基準点の位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記電子基準点のそれぞれに固有な誤差量を示す基準点固有誤差を前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算する第1計算部と、
所定の地域を示す地域データに前記地域の中の位置を示す複数の位置表示点を設定し、設定した前記複数の位置表示点のそれぞれに対して、前記位置表示点の示す位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記位置表示点のそれぞれに固有な誤差量を示す表示点固有誤差データを前記第1計算部が前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算した前記基準点固有誤差に基づいて計算し、前記複数の位置表示点のそれぞれに対して計算した複数の前記表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する第2計算部と、
前記第2計算部が出力した前記送信対象データを送信するデータ送信部と
を備えたことを特徴とする。
測位情報を送信する人工衛星から前記測位情報を受信して所定の情報を出力する複数の電子基準点のそれぞれから、前記所定の情報を電子基準点情報として収集する収集部と、
前記収集部の収集した前記電子基準点情報を使用することにより、前記電子基準点の位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記電子基準点のそれぞれに固有な誤差量を示す基準点固有誤差を前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算する第1計算部と、
所定の地域を示す地域データに前記地域の中の位置を示す複数の位置表示点を設定し、設定した前記複数の位置表示点のそれぞれに対して、前記位置表示点の示す位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記位置表示点のそれぞれに固有な誤差量を示す表示点固有誤差データを前記第1計算部が前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算した前記基準点固有誤差に基づいて計算し、前記複数の位置表示点のそれぞれに対して計算した複数の前記表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する第2計算部と、
前記第2計算部が出力した前記送信対象データを送信するデータ送信部と
を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、送信する補正データの精度を向上するとともに、送信する補正データのデータ量を低減することができる。
実施の形態1.
図1〜図19を使用して本実施の形態を説明する。本実施の形態は、測位に使用する「補正データ」を配信する測位用補正データ配信システムに関する。「補正データ」とは、後述のように、GPS衛星の軌道誤差δO、GPS衛星の衛星クロック誤差δt、GPS衛星の送信する測位情報(L1波、L2波)の電離層遅延δI及び対流圏遅延δTを含む。
図1〜図19を使用して本実施の形態を説明する。本実施の形態は、測位に使用する「補正データ」を配信する測位用補正データ配信システムに関する。「補正データ」とは、後述のように、GPS衛星の軌道誤差δO、GPS衛星の衛星クロック誤差δt、GPS衛星の送信する測位情報(L1波、L2波)の電離層遅延δI及び対流圏遅延δTを含む。
図1は、本実施の形態1に係る測位用補正データ配信システム500の構成を示す。測位用補正データ配信システム500は、測位情報1を送信するGPS(Global Positioning System)衛星300a・・・300nと、測位情報1を受信し電子基準点情報2を出力する電子基準点10a・・・10nと、電子基準点情報2を収集して処理するセンター局100(データ送信装置101)と、センター局100からの補正データ3を中継する準天頂衛星400と、GPS衛星300a等の測位情報1及び準天頂衛星400の配信する補正データ3を受信して位置を測位する測位装置201とを備える。
センター局100は、図に示すようにデータ送信装置101を備える。センター局100における処理は、データ送信装置101が実行する。また、GPS衛星は、GPS衛星300a,300nの2機のみ図示しているが、例示であり2機にかぎらない。通常、4機以上を想定する。また、電子基準点は、電子基準点10a,10nの2点を図示しているが、例示であり2点にかぎらない。電子基準点は、例えば日本各地に約1000点程度設置されているものとする。
測位用補正データ配信システム500の特徴の一つは、後述のように、データ送信装置101の送信する補正データが、従来1Mbps以上必要であったのに対して40kbps程度のデータ量となる点にある。これはデータ送信装置101が「補正データ」のみを送信し、更新間隔の短くデータ容量の大きな観測データを送信しないこと、及び誤差要因をそれぞれのダイナミックレンジに最適化すること、さらに誤差要因ごとのダイナミクスを考慮することにより更新周期を最適化すること、送信するべき「補正データ」に対して地域データとしてブロック化して送ることにより日本全国に渡り無駄なく送信すること等により、送信するべき「補正データ」のデータ形式を変更することによる。
また、地域データとしてブロック化することの利点は、データ量削減のほか、運用後においても、地域データのサイズ、位置、解像度を柔軟に変更できる、ユーザは自分の位置に合致した地域データのみを受信すればよく、信頼性が向上するなどが考えられる。図2に各誤差要因のレンジ幅を示す。図3に各誤差要因毎のデータサイズを示す。図4に各誤差要因毎の更新周期とそれに基づくデータ転送容量を示す。これらの表から、従来の方式では、日本全国のデータを配信するのに、1Mbps以上のデータ通信容量が必要であったのが、データを誤差要因に分解することにより、40Kbpsになり、さらに、各誤差要因に最適な更新周期を適応することにより、1.3Kbpsにまでデータ量を圧縮できる。また、電離層と対流圏は関数化が難しいため、グリッド化することが効率的である。このとき、グリッドの矩形のまとまりを複数個想定し、サイズを可変長にしたグリッドマトリックスを日本の形状に重なり合うように合わせることにより、グリッド点数が削減できデータサイズを小さくすることが可能となる。受信側の複合を考えた場合、矩形にすることが最も効率がよく、さらに柔軟性と効率化を考えたとき、グリッドの間隔とサイズをグリッドマトリックス毎に付与する方法を提案する。
図1を参照して、測位用補正データ配信システム500の概要を説明する。
(1)GPS衛星300a・・・300n等は測位情報1を送信する。
(2)電子基準点10a・・・10n等は、この測位情報1を受信して所定の情報を電子基準点情報2として出力する。所定の情報は、電子基準点とGPS衛星との擬似距離、ドップラ周波数、及び搬送波位相などを含む。
(3)センター局100の備えるデータ送信装置101は、電子基準点10a等のそれぞれが出力する電子基準点情報2を収集し、収集した電子基準点情報2に基づいて補正データを作成する。そして作成した補正データを、例えば準天頂衛星400を介して配信する。なお、準天頂衛星400を介して補正データを配信するのは一例である。他の衛星を介して配信しても構わない。また、衛星によらず地上波として配信しても構わない。また、インターネットなどのネットワークを介して配信しても構わない。
(1)GPS衛星300a・・・300n等は測位情報1を送信する。
(2)電子基準点10a・・・10n等は、この測位情報1を受信して所定の情報を電子基準点情報2として出力する。所定の情報は、電子基準点とGPS衛星との擬似距離、ドップラ周波数、及び搬送波位相などを含む。
(3)センター局100の備えるデータ送信装置101は、電子基準点10a等のそれぞれが出力する電子基準点情報2を収集し、収集した電子基準点情報2に基づいて補正データを作成する。そして作成した補正データを、例えば準天頂衛星400を介して配信する。なお、準天頂衛星400を介して補正データを配信するのは一例である。他の衛星を介して配信しても構わない。また、衛星によらず地上波として配信しても構わない。また、インターネットなどのネットワークを介して配信しても構わない。
図5は、センター局100の備えるデータ送信装置101の構成を示す。図に示すように、データ送信装置101は、源泉データ収集処理部102(収集部)、第1計算部103、第2計算部104、地域データ記憶部105、データ送信部106、電子基準点データ記憶部107とを備える。また、第2計算部104は、補間処理部1041とデータ形式変更部1042とを備える。
(1)源泉データ収集処理部102は、電子基準点情報2を収集し処理する。
(2)第1計算部103は、電子基準点情報2と電子基準点データ記憶部107が記憶する電子基準点の座標を表したデータを使用して、後述の電離層遅延量(電離層遅延誤差という場合もある)や対流圏遅延量(対流圏遅延誤差という場合もある)などの補正データを計算する。
(3)補間処理部1041は、地域データ記憶部105が記憶する所定の地域内に複数のグリッドを設定し、第1計算部103が計算した電離層遅延量や対流圏遅延量に基づき、設定した複数のグリッドのそれぞれに固有な電離層遅延量や対流圏遅延量を求める。
(4)データ形式変更部1042は、第2計算部104が求めたグリッドごとの電離層遅延量や対流圏遅延量のデータ形式を変更する。特に、日本の形状は北東から南西に細長いため、グリッドで構成される矩形で全エリアをカバーするには冗長で、多くのグリッドは意味のない海上の点となる。そこで、複数の地域データにより、日本の形状を効率よくカバーするように配置する。さらに、ユーザにどの地域データがユーザ位置に対応するデータかをリアルタイムに判別し、ユーザ側で測位計算に使えるようにするため、各地域データの基準点となるグリッドの位置と地域データのサイズ、グリッドの間隔情報を付与する。
(5)地域データ記憶部105は、所定の地域を示す地域データを記憶する。「地域データ」とは、例えば、前記所定の地域内の任意の場所を座標で表したデータである。
(6)データ送信部106は、データ形式変更部1042がデータ形式を変更したグリッドごとの電離層遅延量や対流圏遅延量を含むデータを測位に使用する補正データとして配信(送信)する。
(7)電子基準点データ記憶部107は、電子基準点の座標を表したデータを記憶する。
(2)第1計算部103は、電子基準点情報2と電子基準点データ記憶部107が記憶する電子基準点の座標を表したデータを使用して、後述の電離層遅延量(電離層遅延誤差という場合もある)や対流圏遅延量(対流圏遅延誤差という場合もある)などの補正データを計算する。
(3)補間処理部1041は、地域データ記憶部105が記憶する所定の地域内に複数のグリッドを設定し、第1計算部103が計算した電離層遅延量や対流圏遅延量に基づき、設定した複数のグリッドのそれぞれに固有な電離層遅延量や対流圏遅延量を求める。
(4)データ形式変更部1042は、第2計算部104が求めたグリッドごとの電離層遅延量や対流圏遅延量のデータ形式を変更する。特に、日本の形状は北東から南西に細長いため、グリッドで構成される矩形で全エリアをカバーするには冗長で、多くのグリッドは意味のない海上の点となる。そこで、複数の地域データにより、日本の形状を効率よくカバーするように配置する。さらに、ユーザにどの地域データがユーザ位置に対応するデータかをリアルタイムに判別し、ユーザ側で測位計算に使えるようにするため、各地域データの基準点となるグリッドの位置と地域データのサイズ、グリッドの間隔情報を付与する。
(5)地域データ記憶部105は、所定の地域を示す地域データを記憶する。「地域データ」とは、例えば、前記所定の地域内の任意の場所を座標で表したデータである。
(6)データ送信部106は、データ形式変更部1042がデータ形式を変更したグリッドごとの電離層遅延量や対流圏遅延量を含むデータを測位に使用する補正データとして配信(送信)する。
(7)電子基準点データ記憶部107は、電子基準点の座標を表したデータを記憶する。
図6は、データ送信装置101の動作を示すフローチャートである。図6を参照して、データ送信装置101の動作の概略を説明する。
S11において、源泉データ収集処理部102が複数の電子基準点のそれぞれから電子基準点情報2を収集する。
S12において、第1計算部103は、源泉データ収集処理部102が収集した電子基準点情報2を使用することにより、
(1)GPS衛星の軌道誤差δO、
(2)GPS衛星の衛星クロック誤差δt、
(3)GPS衛星の送信する測位情報1の電離層遅延(Ionospheric delay)による電離層遅延誤差δI、
(4)GPS衛星の送信する測位情報1の対流圏遅延(Tropospheric delay)による対流圏遅延誤差δTを計算する。
ここで、(1)GPS衛星の軌道誤差δOと、(2)GPS衛星のクロック誤差δtとは、それぞれの電子基準点の位置には依存しない、個々のGPS衛星に固有の誤差である。一方、電離層遅延誤差δIと対流圏遅延誤差δTとは、それぞれの電子基準点の位置に依存する電子基準点に固有な基準点固有誤差である。それぞれの電子基準点を「添え字i」で表現するとすれば、各電子基準点における電離層遅延誤差δIと対流圏遅延誤差δTとは、「電離層遅延誤差δIi」、「対流圏遅延誤差δTi」と表すことができる。第1計算部103は、それぞれの電子基準点iごとに「電離層遅延誤差δIi」、及び「対流圏遅延誤差δTi」を計算する。「電離層遅延誤差δIi」は、電子基準点iの位置を測位する場合の測位精度に影響する「電離層遅延による誤差」である。同様に「対流圏遅延誤差δTi」は、電子基準点iの位置を測位する場合の測位精度に影響する「対流圏遅延による誤差」である。なお、第1計算部103の処理の詳細は後述する。
(1)GPS衛星の軌道誤差δO、
(2)GPS衛星の衛星クロック誤差δt、
(3)GPS衛星の送信する測位情報1の電離層遅延(Ionospheric delay)による電離層遅延誤差δI、
(4)GPS衛星の送信する測位情報1の対流圏遅延(Tropospheric delay)による対流圏遅延誤差δTを計算する。
ここで、(1)GPS衛星の軌道誤差δOと、(2)GPS衛星のクロック誤差δtとは、それぞれの電子基準点の位置には依存しない、個々のGPS衛星に固有の誤差である。一方、電離層遅延誤差δIと対流圏遅延誤差δTとは、それぞれの電子基準点の位置に依存する電子基準点に固有な基準点固有誤差である。それぞれの電子基準点を「添え字i」で表現するとすれば、各電子基準点における電離層遅延誤差δIと対流圏遅延誤差δTとは、「電離層遅延誤差δIi」、「対流圏遅延誤差δTi」と表すことができる。第1計算部103は、それぞれの電子基準点iごとに「電離層遅延誤差δIi」、及び「対流圏遅延誤差δTi」を計算する。「電離層遅延誤差δIi」は、電子基準点iの位置を測位する場合の測位精度に影響する「電離層遅延による誤差」である。同様に「対流圏遅延誤差δTi」は、電子基準点iの位置を測位する場合の測位精度に影響する「対流圏遅延による誤差」である。なお、第1計算部103の処理の詳細は後述する。
S13において、補間処理部1041は、後述の図9で説明するが、地域データ記憶部105が記憶する「地域データ」を読み込み、「地域データ」が示す地域中に複数のグリッド(位置表示点の一例)を設定する。地域データは、複数エリア分用意し、日本の形状を効率よくカバーするように配置する。各地域データは、複数のグリッドで矩形の形状を構成する。地位データには、基準となるグリッドの位置座標と地域データの大きさを規定するための緯度/経度方向のサイズ、グリッドの間隔を付与情報として持つ。そして、電子基準点iごとの「電離層遅延誤差δIi」に基づいて、設定した各グリッドg(位置表示点)ごとに「グリッド電離層遅延誤差δIg」(表示点固有誤差データの一例)を計算する。「グリッド電離層遅延誤差δIg」は、そのグリッドgの示す位置を測位する場合の測位精度に影響する「電離層遅延による誤差」であり、そのグリッドgに固有の誤差である。第2計算部104は、計算した複数の「グリッド電離層遅延誤差δIg」を、送信するべき電離層遅延送信対象データ(送信対象データの一例)として出力する。同様に、補間処理部1041は、電子基準点iごとの「対流圏遅延誤差δTi」に基づいて、設定した各グリッドgごとに「グリッド対流圏遅延誤差δTg」(表示点固有誤差データの一例)を計算する。「グリッド対流圏遅延誤差δTg」は、そのグリッドgの示す位置を測位する場合の測位精度に影響する「対流圏遅延による誤差」であり、そのグリッドgに固有の誤差である。補間処理部1041は、計算した複数の「グリッド対流圏遅延誤差δTg」を、送信するべき対流圏遅延送信対象データ(送信対象データの一例)として出力する。これらのグリッドの設定及び「グリッド電離層遅延誤差δIg」等については、さらに具体例により後述する。
S14において、データ形式変更部1042は、入力した電離層遅延送信対象データに含まれる少なくともいずれかの「グリッド電離層遅延誤差δIg」のデータ形式を変更する。データ形式の変更とは、例えば後述のように補間処理部1041が出力する電離層遅延送信対象データを入力し、各地域データに対応する電離層遅延送信対象データ毎に、基準となるグリッド座標値と地域データのサイズ、グリッド間隔を付与するなどのデータ形式に変更する。対流圏遅延送信対象データに関しても同様の処理を行う。また、データ形式の変更の第2の例として、「グリッド電離層遅延誤差δIg」を各地域データの基準となるグリッドの「グリッド電離層遅延誤差δIg」に対して差分表現するような場合である。同様に、データ形式変更部1042は、補間処理部1041が出力する対流圏遅延送信対象データを入力し、入力した対流圏遅延送信対象データに含まれる少なくともいずれかの「グリッド対流圏遅延誤差δTg」のデータ形式を変更する。データ形式の変更は、「グリッド電離層遅延誤差δIg」の場合と同様である。
S15において、データ送信部106は、データ形式変更部1042によりデータ形式が変更された「グリッド電離層遅延誤差δIg」を含む電離層遅延送信対象データと、データ形式変更部1042によりデータ形式が変更された「グリッド対流圏遅延誤差δTg」を含む対流圏遅延送信対象データとを、「補正データ」の一部として送信する。
次に、図6のS12の説明で述べた(1)GPS衛星の軌道誤差δO、(2)GPS衛星の衛星クロック誤差δt、(3)電離層遅延誤差δI、(4)対流圏遅延誤差δTについて順に説明する。
まず「GPS衛星の軌道誤差δO」について説明する。図7を参照して軌道誤差δOについて説明する。図7は軌道誤差を説明する図である。第1計算部103は、1つのGPS衛星の軌道誤差を、軌道進行方向(AT)、軌道垂直方向(XT)、軌道半径方向(R)に分割する。従って、1つのGPS衛星毎に3パラメータの軌道誤差(δAT,δXT,δR)となる。なお更新周期はT秒とする。
次に、「衛星クロック誤差δt」について説明する。第1計算部103は、「衛星クロック誤差δt」を、以下の2次多項式δtとして求める。データ送信装置101は、「衛星クロック誤差δt」として、以下の2次多項式δtにおける(af0、af1、af2)の3つの係数を配信する。従って、1つGPS衛星毎に、3パラメータとなる。
δt=af0+af1・(t−toc)+af2・(t−toc)2+Δtr
ここで、
δt:satellite clock offset,
t:GPS t seconds,
toc:reference epoch,
af0:clock offset(second),
af1:fractional frequency offset(second/second),
af2:fractional frequency drift(second/second2),
Δtr:relativistic correction,
δt=af0+af1・(t−toc)+af2・(t−toc)2+Δtr
ここで、
δt:satellite clock offset,
t:GPS t seconds,
toc:reference epoch,
af0:clock offset(second),
af1:fractional frequency offset(second/second),
af2:fractional frequency drift(second/second2),
Δtr:relativistic correction,
次に図8〜図14を参照して「電離層遅延誤差」について説明する。図8は、各グリッドにおける電離層遅延誤差の計算過程を示すフローチャートである。
(1)モデル化
S21において、第1計算部103は電子基準点情報を使用して電子基準点iごとの「電離層遅延誤差δIi」を計算する。また、第1計算部103は、電子基準点情報を使用して次に示す関数Ifunction kを求める。電離層誤差は、次式のように関数モデルと統計モデルの2段階で表すことができる。
(2)モデル
(1)モデル化
S21において、第1計算部103は電子基準点情報を使用して電子基準点iごとの「電離層遅延誤差δIi」を計算する。また、第1計算部103は、電子基準点情報を使用して次に示す関数Ifunction kを求める。電離層誤差は、次式のように関数モデルと統計モデルの2段階で表すことができる。
(2)モデル
第1計算部103は、電離層の位置による変動状態を表現するために、関数モデルを使用する。関数モデルは、電離層レンジは30m、精度は1m以内とし、緯度/経度をパラメータとして、電離層遅延量を多項式で表現する。第1計算部103は、電子基準点情報を使用することにより、次に示す関数Ifunction kを求める。さらに、Istochastic kを、時間的変動との整合性を維持するために、統計的条件として設定する。
関数Ifunction kは、緯度(y)方向に4次、経度(x)方向に3次の関数(sprine関数、あるいは、spherical harmonic function)である。後述のようにデータ送信部106は、関数Ifunction kの定数項、クロス項を入れて、「α0,0〜α3,4」の20のパラメータを送信する。「α0,0〜α3,4」の20のパラメータは、関数Ifunction kを特定するための所定のパラメータである。第1計算部103は所定の期間ごとに「α0,0〜α3,4」の値を求め更新する。
関数モデルは、空間的な連続性を記述するのに対して、統計モデルIstochastic kは時間的ダイナミクスを記述する。電離層遅延における統計的条件としては、一次マルコフ過程(前エポックからの時間間隔tと時定数τ)としてモデル化する。
関数モデルは、空間的な連続性を記述するのに対して、統計モデルIstochastic kは時間的ダイナミクスを記述する。電離層遅延における統計的条件としては、一次マルコフ過程(前エポックからの時間間隔tと時定数τ)としてモデル化する。
以上のように、電子基準点における空間的、時間的な条件により電離層遅延量をモデル化しリアルタイムに推定する。
(2)グリッドの設定
S22において、第1計算部103において推定した電子基準点における電離層遅延量を、第2計算部104では、グリッドを日本における形状に効率よく配置した地域データ内のグリッドに変換する。図9に地域データの配置例を示す。図10は地域データ内のグリッド配置例、図11は電子基準点とグリッドの関係を示す。なお、地域データ内のグリッド配置は、エリアを重ねて配置する。グリッド変換は、関数モデルを使った座標値による変換と、グリッドの周囲の電子基準点の統計モデルを使った位置による内挿を行う。図12に関数モデルと統計モデルを使った2次元の場合の補間の概念を示す。
S22において、第1計算部103において推定した電子基準点における電離層遅延量を、第2計算部104では、グリッドを日本における形状に効率よく配置した地域データ内のグリッドに変換する。図9に地域データの配置例を示す。図10は地域データ内のグリッド配置例、図11は電子基準点とグリッドの関係を示す。なお、地域データ内のグリッド配置は、エリアを重ねて配置する。グリッド変換は、関数モデルを使った座標値による変換と、グリッドの周囲の電子基準点の統計モデルを使った位置による内挿を行う。図12に関数モデルと統計モデルを使った2次元の場合の補間の概念を示す。
(3)「グリッド電離層遅延誤差δIg」の計算
さらにS22において、第2計算部104は、設定したグリッドのそれぞれにつき、第1計算部103が電子基準点iごとに計算(図6のS12)した「電離層遅延誤差δIi」(基準点固有誤差)に基づき、「グリッド電離層遅延誤差δIg」(表示点固有誤差データ)を計算する。これにより、グリッドgごとの「グリッド電離層遅延誤差δIg」が決まる。図13は、電子基準点iごとの「電離層遅延誤差δIi」とグリッドgごとの「グリッド電離層遅延誤差δIg」との関係を示す概念図である。三角形は電子基準点を表し、三角形における矢印は「電離層遅延誤差δIi」をあらわす。また、白丸はグリッドを表し、白丸における矢印は「グリッド電離層遅延誤差δIg」を表す。第1計算部103が三角形における矢印(「電離層遅延誤差δIi」)を算出し、第2計算部104がそれぞれの三角形における矢印(「電離層遅延誤差δIi」)に基づいて、白丸(グリッド)における矢印(「グリッド電離層遅延誤差δIg」)を算出する。
まず、関数モデルにより、対象となるグリッド位置における電離層遅延量を計算する。ついで、統計モデルにより、グリッドの周囲の電子基準点から線形補間によりグリッドの位置における統計モデルに相当する電離層遅延量を求める。この処理を、地域データごとに全てのグリッドについて実行する。
さらにS22において、第2計算部104は、設定したグリッドのそれぞれにつき、第1計算部103が電子基準点iごとに計算(図6のS12)した「電離層遅延誤差δIi」(基準点固有誤差)に基づき、「グリッド電離層遅延誤差δIg」(表示点固有誤差データ)を計算する。これにより、グリッドgごとの「グリッド電離層遅延誤差δIg」が決まる。図13は、電子基準点iごとの「電離層遅延誤差δIi」とグリッドgごとの「グリッド電離層遅延誤差δIg」との関係を示す概念図である。三角形は電子基準点を表し、三角形における矢印は「電離層遅延誤差δIi」をあらわす。また、白丸はグリッドを表し、白丸における矢印は「グリッド電離層遅延誤差δIg」を表す。第1計算部103が三角形における矢印(「電離層遅延誤差δIi」)を算出し、第2計算部104がそれぞれの三角形における矢印(「電離層遅延誤差δIi」)に基づいて、白丸(グリッド)における矢印(「グリッド電離層遅延誤差δIg」)を算出する。
まず、関数モデルにより、対象となるグリッド位置における電離層遅延量を計算する。ついで、統計モデルにより、グリッドの周囲の電子基準点から線形補間によりグリッドの位置における統計モデルに相当する電離層遅延量を求める。この処理を、地域データごとに全てのグリッドについて実行する。
(4)S23において、求められたグリッドにおける電離層遅延量について、各地域データごとに、地域データの基準となるグリッドの電離層遅延量からの差分を計算する。地域データのなかの各グリッドの電離層遅延量との差分を各グリッドの値とする。
(5)さらに、S24において、データ形式変更部1042が、グリッド電離層遅延誤差δIのデータ形式を変更する。図14に地域データにおける電離層データ配信フォーマット例を示す。地域データ毎に基準となるグリッドの座標と、グリッドの間隔を付与し、あらかじめ定められた順番でグリッドの電離層遅延量がそれに続く。
次に図15〜図18を使用して対流圏遅延誤差δTについて説明する。図15は、地域データにおける対流圏データ配信フォーマット例を示す。図16は、各グリッドにおける対流圏遅延誤差を求める過程を示すフローチャートである。図17は、対流圏遅延誤差δTを説明するための衛星軌道誤差を示す図である。図18は、グリッドの対流圏遅延誤差を示す図である。図16のフローチャートを参照して説明する。対流圏遅延誤差を電離層遅延誤差と同様に、50kmメッシュのグリッドで配信する。対流圏遅延誤差のレンジは2m、解像度は0.2cmとする。更新周期はt秒とする。
(1)S31において、第1計算部103は電子基準点情報を使用して電子基準点iごとの「対流圏遅延誤差δTi」を計算する。
(2)グリッドの設定.
S32において、第2計算部104はグリッド(位置表示点の一例)を設定する。
(3)「グリッド対流圏遅延誤差δTg」の計算.
さらにS32において、第2計算部104は、設定したグリッドのそれぞれにつき、第1計算部103が電子基準点iごとに計算した「対流圏延誤差δTi」(基準点固有誤差)に基づき、「グリッド対流圏遅延誤差δTg」(表示点固有誤差データ)を計算する。これにより、グリッドgごとの「グリッド対流圏遅延誤差δTg」が決まる。図18は、グリッドについて計算する「グリッド対流圏遅延誤差δTg」を示している。図18に示すように対流圏遅延誤差はグリッド位置により変動するが、変動量は通常電離層遅延誤差に比べて少ない。
(4)S33において、データ形式変更部1042が、「グリッド対流圏遅延誤差δTg」のデータ形式を変更する。このデータ変更は、電離層遅延の場合と同様であるが、対流圏遅延の場合は、第2計算部104が計算した「グリッド対流圏遅延誤差δTg」である。そして第2計算部104は、データ送信部106を介して、図15のフォーマットで「グリッド対流圏遅延誤差δTg」として送信する。
(1)S31において、第1計算部103は電子基準点情報を使用して電子基準点iごとの「対流圏遅延誤差δTi」を計算する。
(2)グリッドの設定.
S32において、第2計算部104はグリッド(位置表示点の一例)を設定する。
(3)「グリッド対流圏遅延誤差δTg」の計算.
さらにS32において、第2計算部104は、設定したグリッドのそれぞれにつき、第1計算部103が電子基準点iごとに計算した「対流圏延誤差δTi」(基準点固有誤差)に基づき、「グリッド対流圏遅延誤差δTg」(表示点固有誤差データ)を計算する。これにより、グリッドgごとの「グリッド対流圏遅延誤差δTg」が決まる。図18は、グリッドについて計算する「グリッド対流圏遅延誤差δTg」を示している。図18に示すように対流圏遅延誤差はグリッド位置により変動するが、変動量は通常電離層遅延誤差に比べて少ない。
(4)S33において、データ形式変更部1042が、「グリッド対流圏遅延誤差δTg」のデータ形式を変更する。このデータ変更は、電離層遅延の場合と同様であるが、対流圏遅延の場合は、第2計算部104が計算した「グリッド対流圏遅延誤差δTg」である。そして第2計算部104は、データ送信部106を介して、図15のフォーマットで「グリッド対流圏遅延誤差δTg」として送信する。
データ送信装置101は、以上から求めた軌道誤差δO、衛星クロック誤差δt、電離層遅延誤差δI、対流圏遅延誤差δTを補正データとして送信する。
(拡張カルマンフィルタによる実時間推定)
次に第1計算部103による処理内容の詳細について以下に説明する。衛星軌道、衛星クロック、電離層遅延、対流圏遅延等の各変数は、以下の拡張カルマンフィルタを用いて実時間推定する。
次に第1計算部103による処理内容の詳細について以下に説明する。衛星軌道、衛星クロック、電離層遅延、対流圏遅延等の各変数は、以下の拡張カルマンフィルタを用いて実時間推定する。
各状態量のモデルを以下に示す。
[搬送波位相]
Φi kは、観測距離であり、既知量である。
[幾何学的距離]
ri kは衛星iと基地局k間の真の距離で次式で表され、衛星位置と基準位置が既知であることから既知量である。
[搬送波位相]
Φi kは、観測距離であり、既知量である。
[幾何学的距離]
ri kは衛星iと基地局k間の真の距離で次式で表され、衛星位置と基準位置が既知であることから既知量である。
[アンビギュイティ]
アンビギュイティのダイナミクスは、定数としてモデル化する。
アンビギュイティのダイナミクスは、定数としてモデル化する。
[対流圏モデル]
対流圏モデルは、functionモデルと統計モデルの積で表す。
(1)functionモデル
functionモデルとしてホップフィールドを採用する。
対流圏モデルは、functionモデルと統計モデルの積で表す。
(1)functionモデル
functionモデルとしてホップフィールドを採用する。
(2)統計モデル
統計モデルに関するダイナミックスは、ガウスマルコフモデルとする。
統計モデルに関するダイナミックスは、ガウスマルコフモデルとする。
[衛星軌道誤差]
図17に、衛星軌道誤差モデルを示す。1つの衛星の軌道誤差を軌道進行方向(AT)、軌道垂直方向(XT)、軌道半径方向(R)に、速度誤差を軌道進行方向(AT)、軌道垂直方向(XT)、軌道半径方向(R)に分割する。従って、1衛星毎に6パラメータとなる。更新周期はTsとする。
図17に、衛星軌道誤差モデルを示す。1つの衛星の軌道誤差を軌道進行方向(AT)、軌道垂直方向(XT)、軌道半径方向(R)に、速度誤差を軌道進行方向(AT)、軌道垂直方向(XT)、軌道半径方向(R)に分割する。従って、1衛星毎に6パラメータとなる。更新周期はTsとする。
[マルチパス]
アンビギュイティのダイナミクスは、ガウスマルコフモデルとする。
アンビギュイティのダイナミクスは、ガウスマルコフモデルとする。
(1)対象システムの状態方程式の記述
ここで、tは時刻、x(t)は状態変数、f(x(t))は状態遷移関数、ω(t)はシステム雑音である。
状態変数の内容は以下の(a)〜(h)である。
(a)衛星位置・速度:衛星数×6
(b)衛星搭載時計のバイアス・ドリフト・周波数間バイアス・周波数間バイアスドリフト:衛星数×4
(c)衛星信号遅延:衛星数
(d)電離層遅延のFunctionモデルパラメータ+Stochastic項:20+1、
(e)対流圏遅延のStochastic項:1、
(f)地上基準点時計のバイアス・ドリフト・ドリフトレート・周波数間バイアス:基準点数×4、
(g)受信機信号遅延:基準点数
(h)波数不定数:衛星数×基準点数、
状態変数の内容は以下の(a)〜(h)である。
(a)衛星位置・速度:衛星数×6
(b)衛星搭載時計のバイアス・ドリフト・周波数間バイアス・周波数間バイアスドリフト:衛星数×4
(c)衛星信号遅延:衛星数
(d)電離層遅延のFunctionモデルパラメータ+Stochastic項:20+1、
(e)対流圏遅延のStochastic項:1、
(f)地上基準点時計のバイアス・ドリフト・ドリフトレート・周波数間バイアス:基準点数×4、
(g)受信機信号遅延:基準点数
(h)波数不定数:衛星数×基準点数、
(2)対象システムの観測方程式の記述
ここで、m(t)は観測量、g(x(t))は観測関数、v(t)は観測雑音である。
観測量の内容は擬似距離、搬送波位相、デルタレンジである。
観測量の内容は擬似距離、搬送波位相、デルタレンジである。
ここで、記号の説明は以下の通りである。
式(2)を離散値化することとで以下の離散表現が得られる。
(3)時間外挿計算
式(1)の状態量のダイナミクスは、線形化のために以下のように定義する。
時間外挿計算のためのシステム状態量の更新は推移行列Φを用いて以下のように表す。
(4)誤差共分散伝播計算
(5)観測更新計算
ここで、Kはカルマンゲインである。観測量計算において、光路差補正、サニャック効果、相対論補正、群遅延補正の4つの補正を考慮する。
カルマンゲインKは以下のように求める。
カルマンゲインKは以下のように求める。
以上、拡張カルマンフィルタによる実時間推定を示した。
次に、図19を用いて方法及びソフトウェアの実施形態を示す。データ送信装置101の源泉データ収集処理部102、第1計算部103、第2計算部104、データ形式変更部1042等の各部が行なう動作は、ハードウェアのみでも実施することができ、ソフトウェアのみでも実施することができ、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせでも実施することができる。また、地域データ記憶部105、電子基準点データ記憶部107は、例えば、磁気記憶装置である。
上記のデータ送信装置101の源泉データ収集処理部102、第1計算部103、第2計算部104、データ形式変更部1042、データ送信部106等の構成要素の動作は互いに関連しており、これら各構成要素の一連の動作からデータ送信方法の発明を把握することが可能である。図19はこれら各構成要素の一連の動作から把握したデータ送信方法の発明の工程を示すフローチャートである。
(1)S101は、測位情報1を送信する人工衛星から測位情報1を受信して電子基準点情報2を出力するそれぞれの電子基準点から、電子基準点情報2を収集する工程である。
(2)S102は、収集した電子基準点情報2を使用することにより、電子基準点の位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに電子基準点のそれぞれに固有な誤差量を示す基準点固有誤差(例えば、電離層遅延誤差、あるいは対流圏遅延誤差)を複数の電子基準点のそれぞれについて計算する工程である。
(3)S103は、地域データに地域の中の位置を示す複数のグリッド(位置表示点)を設定し、設定した複数のグリッドのそれぞれに対して、グリッドの示す位置を測位する場合の測位精度に影響するとともにグリッドのそれぞれに固有な誤差量を示す表示点固有誤差データ(例えば、そのグリッドについての電離層遅延誤差、あるいは対流圏遅延誤差)を複数の電子基準点のそれぞれについて計算した基準点固有誤差に基づいて計算し、複数のグリッドのそれぞれに対して計算した複数の表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する工程である。
(3)S104は、出力された送信対象データに含まれる少なくともいずれかの表示点固有誤差データのデータ形式を変更する工程である。例えば、データ形式を差分表示に変更する。
(4)S105は、データ形式が変更された表示点固有誤差データを含む送信対象データを送信する工程である。
(1)S101は、測位情報1を送信する人工衛星から測位情報1を受信して電子基準点情報2を出力するそれぞれの電子基準点から、電子基準点情報2を収集する工程である。
(2)S102は、収集した電子基準点情報2を使用することにより、電子基準点の位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに電子基準点のそれぞれに固有な誤差量を示す基準点固有誤差(例えば、電離層遅延誤差、あるいは対流圏遅延誤差)を複数の電子基準点のそれぞれについて計算する工程である。
(3)S103は、地域データに地域の中の位置を示す複数のグリッド(位置表示点)を設定し、設定した複数のグリッドのそれぞれに対して、グリッドの示す位置を測位する場合の測位精度に影響するとともにグリッドのそれぞれに固有な誤差量を示す表示点固有誤差データ(例えば、そのグリッドについての電離層遅延誤差、あるいは対流圏遅延誤差)を複数の電子基準点のそれぞれについて計算した基準点固有誤差に基づいて計算し、複数のグリッドのそれぞれに対して計算した複数の表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する工程である。
(3)S104は、出力された送信対象データに含まれる少なくともいずれかの表示点固有誤差データのデータ形式を変更する工程である。例えば、データ形式を差分表示に変更する。
(4)S105は、データ形式が変更された表示点固有誤差データを含む送信対象データを送信する工程である。
センター局100のデータ送信装置101が送信する補正データを用いて自己の位置を測位する測位装置201について説明する。図1に示すように、測位装置201は、準天頂衛星400を介して補正データ3(軌道誤差δO、衛星クロック誤差、グリッド電離層遅延誤差δIg、グリッド対流圏遅延誤差δTg等)を受信する。測位装置201は、この補正データ3と、GPS衛星300a・・・GPS衛星300n等からの測位情報1とにより位置を測位する。補正データ3のうち、グリッド電離層遅延誤差δIg、及びグリッド対流圏遅延誤差δTgについては、図13に示した各グリッドのデータを受信する。測位装置201は、単独測位による単独測位位置を求め、この単独測位位置に基づいて、受信した各グリッドのうち所定のグリッドに関するグリッド電離層遅延誤差δIg、及びグリッド対流圏遅延誤差δTgを選択する。そして、選択したグリッド電離層遅延誤差δIg、及びグリッド対流圏遅延誤差δTgから、測位計算に使用するべき電離層遅延誤差及び対流圏遅延誤差を計算し(グリッド電離層遅延誤差δIgとグリッド対流圏遅延誤差δTgとを、使用するべき電離層遅延誤差、対流圏遅延誤差に「変換」する)、これら変換した電離層遅延誤差、対流圏遅延誤差を使用して測位する。
また、図1に示すように、測位装置201は、準天頂衛星400を介して補正データ3(軌道誤差δO、衛星クロック誤差、グリッド電離層遅延誤差δIg、グリッド対流圏遅延誤差δTg等)を受信する。測位装置201は、この補正データ3と、GPS衛星300a・・・GPS衛星300n等からの測位情報1とにより位置を測位する。補正データ3のうち、グリッド電離層遅延誤差δIg、及びグリッド対流圏遅延誤差δTgについては、各グリッドのデータを受信する。測位装置201は、単独測位による単独測位位置を求め、この単独測位位置に基づいて、受信した各グリッドのうち所定のグリッドに関するグリッド電離層遅延誤差δIg、及びグリッド対流圏遅延誤差δTgを選択する。そして、選択したグリッド電離層遅延誤差δIg、及びグリッド対流圏遅延誤差δTgから、測位計算に使用するべき電離層遅延誤差及び対流圏遅延誤差を計算する(グリッド電離層遅延誤差δIgとグリッド対流圏遅延誤差δTgとを、使用するべき電離層遅延誤差、対流圏遅延誤差に「変換」する)。並行して、単独測位による単独測位位置を求め、この単独測位位置に基づいて衛星間の幾何学的距離を求め、電離層、対流圏、衛星クロック誤差、軌道誤差を加算して、単独測位位置における仮想的な観測データ(仮想観測データ)を求める。この仮想的な観測データから、測位装置で観測された観測データとの差分を取り、相対測位を実施し、測位する。
また、上記の変換ための変換器を従来の受信機に付与して、従来の受信機からの単独測位結果から、上記の補正値および仮想的な観測データを生成し、従来の受信機器送ることにより、従来の受信機を用いても測位可能である。
また、上記の変換ための変換器を従来の受信機に付与して、従来の受信機からの単独測位結果から、上記の補正値および仮想的な観測データを生成し、従来の受信機器送ることにより、従来の受信機を用いても測位可能である。
以上のように本実施の形態に係るデータ送信装置は、電子基準点のそれぞれについて計算した電離層遅延誤差(あるいは対流圏遅延誤差)に基づき、各グリッドごとの電離層遅延誤差(あるいは対流圏遅延誤差)を計算し送信するので、測位の精度を向上することができる。また、観測データを送信しないので、送信するべきデータ量を低減することができる。
以上のように本実施の形態に係るデータ送信装置は、送信するべきデータのデータ形式を変更するデータ形式変更部を備えたので、送信するデータのデータ量を低減することができる。
以上のように本実施の形態に係るデータ送信方法は、電子基準点のそれぞれについて計算した電離層遅延誤差(あるいは対流圏遅延誤差)に基づき、各グリッドごとの電離層遅延誤差(あるいは対流圏遅延誤差)を計算し送信するので、測位の精度を向上することができる。また、観測データを送信しないので、送信するべきデータ量を低減することができる。
以上のように本実施の形態に係る測位装置は、本実施の形態1に係るデータ送信装置からデータ量が低減された補正データを受信して位置を測位する。このため、より簡単な構成にすることができる。また、本実施の形態に係る測位装置は、各グリッドに関する電離層遅延誤差(あるいは対流圏遅延誤差)に基づき位置を測位するので、精度を向上することができる。
以上のように本実施の形態に係るデータ送信装置は、地域データ毎に電離層遅延誤差、対流圏遅延誤差を分割して送ることにより、グリッドの形状、サイズをシステム構築後の運用段階においても変更およびグリッドの追加、地域データの追加等が可能であり、システムにおける柔軟性を向上することができる。
1 測位情報、2 電子基準点情報、3 補正データ、10a,10n 電子基準点、100 センター局、101 データ送信装置、102 源泉データ収集処理部、103 第1計算部、104 第2計算部、1041 補間処理部、1042 データ形式変更部、105 地域データ記憶部、106 データ送信部、107 電子基準点データ記憶部、201 測位装置、300a,300n GPS衛星、400 準天頂衛星、500 測位用補正データ配信システム。
Claims (11)
- 測位情報を送信する人工衛星から前記測位情報を受信して所定の情報を出力する複数の電子基準点のそれぞれから、前記所定の情報を電子基準点情報として収集する収集部と、
前記収集部の収集した前記電子基準点情報を使用することにより、前記電子基準点の位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記電子基準点のそれぞれに固有な誤差量を示す基準点固有誤差を前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算する第1計算部と、
所定の地域を示す地域データに前記地域の中の位置を示す複数の位置表示点を設定し、設定した前記複数の位置表示点のそれぞれに対して、前記位置表示点の示す位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記位置表示点のそれぞれに固有な誤差量を示す表示点固有誤差データを前記第1計算部が前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算した前記基準点固有誤差に基づいて計算し、前記複数の位置表示点のそれぞれに対して計算した複数の前記表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する第2計算部と、
前記第2計算部が出力した前記送信対象データをデータ伝送するデータ送信部と
を備えたことを特徴とするデータ送信装置。 - 前記データ送信装置は、さらに、
前記第2計算部が出力する前記送信対象データを入力し、入力した前記送信対象データに含まれる少なくともいずれかの前記表示点固有誤差データのデータ形式を変更するデータ形式変更部を備え、
前記データ送信部は、
前記データ形式変更部によりデータ形式が変更された変更固有誤差データを含む前記送信対象データを送信することを特徴とする請求項1記載のデータ送信装置。 - 前記データ形式変更部は、
入力した前記送信対象データに含まれる少なくともいずれかの前記表示点固有誤差データに対して、前記データ形式の変更として、データ圧縮とフレーミングとを施すことを特徴とする請求項2記載のデータ送信装置。 - 収集部と第1計算部と第2計算部とデータ形式変更部とデータ送信部とを備えたデータ送信装置が行なうデータ送信方法において、
収集部が、測位情報を送信する人工衛星から前記測位情報を受信して所定の情報を出力する複数の電子基準点のそれぞれから、前記所定の情報を電子基準点情報として収集する工程と、
第1計算部が、収集した前記電子基準点情報を使用することにより、前記電子基準点の位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記電子基準点のそれぞれに固有な誤差量を示す基準点固有誤差を前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算する工程と、
第2計算部が、所定の地域を示す地域データに前記地域の中の位置を示す複数の位置表示点を設定し、設定した前記複数の位置表示点のそれぞれに対して、前記位置表示点の示す位置を測位する場合の測位精度に影響するとともに前記位置表示点のそれぞれに固有な誤差量を示す表示点固有誤差データを前記複数の電子基準点のそれぞれについて計算した前記基準点固有誤差に基づいて計算し、前記複数の位置表示点のそれぞれに対して計算した複数の前記表示点固有誤差データを送信対象データとして出力する工程と、
データ形式変更部が、出力された前記送信対象データに含まれる少なくともいずれかの前記表示点固有誤差データのデータ形式を変更する工程と、
データ送信部が、データ形式が変更された前記表示点固有誤差データを含む前記送信対象データを送信する工程とを
備えたことを特徴とするデータ送信方法。 - 請求項1記載のデータ送信装置の送信する前記表示点固有誤差データを受信し、受信した前記表示点固有誤差データを現在の位置における誤差データに変換し、変換した前記誤差データを用いて現在の位置における観測データを補正し、測位することを特徴とする測位装置。
- 請求項1記載のデータ送信装置の送信する前記表示点固有誤差データを受信し、受信した前記表示点固有誤差データを現在の概略位置における誤差データに変換し、変換した前記誤差データを前記概略位置と人工衛星との距離に加えることにより、前記概略位置における仮想観測データを生成し、生成した前記仮想観測データを基準点データとして用いることにより現在の位置における観測データを補正し、測位することを特徴とする測位装置。
- 前記第1計算部は、
1つ以上の電子基準点における電子基準点情報として、観測量である各人工衛星に関する擬似距離と、搬送波位相と、デルタレンジ(ドップラ)とのうちの少なくともいずれかを入力観測量として入力し、あらかじめ測定されている前記電子基準点の位置を取得し、
入力した前記入力観測量と取得した前記電子基準点の位置とに対してカルマンフィルタを使用することにより、測位に使用する誤差を前記電子基準点における前記基準点固有誤差である電離層遅延と対流圏遅延と、さらに前記基準点固有誤差以外の誤差である衛星クロック誤差と衛星軌道誤差との4つに分割して計算し、
前記第2計算部は、
前記第1計算部が計算した前記電離層遅延と前記対流圏遅延と前記衛星クロック誤差と前記衛星軌道誤差とを入力し、入力した前記電離層遅延と前記対流圏遅延と前記衛星クロック誤差と前記衛星軌道誤差とに基づいて、あらかじめ設定された前記位置表示点における電離層遅延と対流圏遅延とを、それぞれ前記表示点固有誤差データとして計算し、
前記データ送信部は、
前記第1計算部が計算した各人工衛星毎の前記衛星クロック誤差と前記衛星軌道誤差と、前記第2計算部が計算した前記位置表示点における前記電離層遅延と前記対流圏遅延とを用いることにより、所定の地域を示す複数の地域データのそれぞれに対して所定の処理を施し、前記所定の処理が施された前記地域データを配信することを特徴とする請求項1記載のデータ送信装置 - 前記第2計算部は、
前記第1計算部が2以上の前記電子基準点について、各電子基準点おける基準点固有誤差である前記電離層遅延と前記対流圏遅延とを計算した場合に、2以上の前記電離層遅延を補完するとともに、2以上の前記対流圏遅延を補完することにより、あらかじめ設定された前記位置表示点における電離層遅延と対流圏遅延とを計算することを特徴とする請求項7記載のデータ送信装置。 - 前記データ送信部は、
所定の地域を示す地域データ毎に、所定の地域の基準となる位置表示点の座標値、サンプリング間隔、範囲を付与して配信することを特徴とする請求項7記載のデータ送信装置。 - 前記データ送信部が配信する前記地域データは、
隣接する地域を示す他の地域データと重複する範囲を有することを特徴とする請求項7記載のデータ送信装置。 - 前記データ送信部は、
所定の地域の基準となる位置表示点の誤差データと、この位置表示点と異なる他の位置表示点の誤差データとの差分として変換された表示点固有誤差データを含む前記送信対象データをデータ伝送することを特徴とする請求項1記載のデータ送信装置。
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