JP2013003093A - 軌道予測装置、及び軌道予測方法 - Google Patents
軌道予測装置、及び軌道予測方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013003093A JP2013003093A JP2011137326A JP2011137326A JP2013003093A JP 2013003093 A JP2013003093 A JP 2013003093A JP 2011137326 A JP2011137326 A JP 2011137326A JP 2011137326 A JP2011137326 A JP 2011137326A JP 2013003093 A JP2013003093 A JP 2013003093A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- satellite
- velocity
- information
- unit
- positioning satellite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)
Abstract
【解決手段】測位衛星からの信号を受信して受信データを取得する情報取得部と、前記受信データに基づいて、前記測位衛星の位置と前記測位衛星の速度である位置速度情報を算出する衛星位置速度算出部と、軌道における前記測位衛星の半径方向、進行方向及び軌道面垂直方向の各単位ベクトルと、前記位置速度情報とを用いて、前記測位衛星の位置と、前記測位衛星の速度と、太陽から前記測位衛星への光の圧力である太陽輻射圧の影響を示す値、及び地球自転の影響を示す値とを含む推定パラメータを算出する推定パラメータ部と、前記推定パラメータ部で推定された推定パラメータを用いて前記測位衛星の位置を推定する軌道予測部と、を備える。
【選択図】図1
Description
カーナビゲーション装置などのGPS受信機は、この航法メッセージを用いてGPS衛星からGPS受信機までの信号到達時間を測定する。そしてGPS受信機は、信号到達時間に光速を掛けることでGPS衛星とGPS受信機間の距離(擬似距離)を求めている。この作業を4機以上の衛星に対して行うことで、受信機の位置を三次元上で算出している。アルマナック・データは、軌道上における全ての衛星に関する軌道情報であり、1日に1回、データが更新される。エフェメリス・データには、各衛星の正確な位置情報と信号を発射した時刻情報が含まれており、2時間毎にデータが更新される。
アルマナック・データの再受信に要する時間は、例えば12分30秒であり、エフェメリス・データの再受信に要する時間は、30秒である。
どちらかのデータの有効期限が切れにより再受信している期間、GPS受信機は、位置測定を行えない。このため、エフェメリス・データの有効期限が切れた場合、GPS受信機は、以前受信したエフェメリス・データを用いて、現在のGPS衛星の位置を予測し、現在のエフェメリス・データが利用できない場合に現在のGPS衛星の状態を使用して位置測定を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
まず、一般的なGPS衛星の軌道予測の概略原理について説明する。
アルマナック・データは、各衛星の軌道情報である。また、アルマナック・データは、約1日に1度の頻度で更新されている。また、アルマナック・データの有効期間は、エポック時刻±3日間である。
そして、ホット・スタートの場合、GPS受信機は、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、記憶されているエフェメリス・データを用いて測位できるので数秒程度である。一方、ウォーム・スタートの場合、GPS受信機は、エフェメリス・データを再取得する必要があるので、取得に30秒以上の時間がかかり、さらに取得したエフェメリス・データの検査にも時間がかかる。このため、ウォーム・スタート場合、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、30秒以上である。さらに、コールド・スタートの場合、全ての航法メッセージを取得する必要があるので、測位信号の捕獲と航法メッセージの取得に数分〜12分30秒かかる。このため、電源投入後に最初の位置情報が出力されるまでの時間は、数分〜12分30秒以上である。
そして、軌道予測装置は、エフェメリス・データから計算される衛星位置・速度をバックアップ・メモリに保存する。次に、軌道予測装置は、軌道予測計算に必要なデータが揃い次第、軌道予測パラメータを推定し、推定した軌道予測パラメータを使用して軌道を予測する。次に、軌道予測装置は、予測した軌道をバックアップ・メモリへ保存する。そして、軌道予測装置は、エフェメリス・データが無効の時、バックアップ・メモリに保存された予測した軌道を使用して衛星位置を計算する。
図1に示すように、GPSは、測位装置1、GPS衛星2から構成されている。測位装置(GPS受信機)1は、軌道予測装置10、測位算出部20を備えている。なお、GPS衛星2は、1機ではなく、24機以上の衛星から構成される。
軌道予測装置10は、情報取得部110、記憶部115、アルマナック取得部120、衛星型抽出部125、エフェメリス取得部130、衛星位置速度算出部135、衛星位置・速度記憶部140、演算開始判定部145、パラメータ推定部150、軌道予測演算部155、予測結果記憶部160を備えている。
記憶部115には、GPS時刻、UTC関係情報と電離層遅延補正係数が記憶されている。
衛星型抽出部125は、アルマナック取得部120が出力するアルマナック・データから衛星型番号を抽出し、抽出した衛星型番号を衛星位置・速度記憶部140に記憶させる。なお、衛星型番号とは、Block IIA,Block IIR,Block IIR−M,Block IIFなどのGPS衛星2の型を示す番号である。
衛星の状態が健康であると判別した場合、衛星位置速度算出部135は、取得したエフェメリス・データをエポック時刻toeに近い偶数正時TOE2に変換する。衛星位置速度算出部135は、衛星位置・速度記憶部140に記憶されているGPS衛星2の位置と速度情報(以下、位置速度情報という)の内、算出した時刻TOE2−3日より以前の情報を保存領域から削除する。時刻TOE2−3日より以前の情報を保存領域から削除する理由は、エフェメリス・データを均等に3日分記憶させるためである。後述するように、このように均等に3日分、記憶させたエフェメリス・データを用いて軌道予測装置10が軌道予測を行った場合、予測誤差が少なくなるためである。
衛星位置速度算出部135は、衛星位置・速度記憶部140に時刻TOE2の位置速度情報が記憶されているか否かを判別する。衛星位置・速度記憶部140に時刻TOE2の位置速度情報が記憶されていると判別した場合、後述するように、衛星位置速度算出部135は、TOE2の位置速度情報を削除後、衛星位置・速度記憶部140の保存領域の空きが、2個分の位置速度情報を記憶できる領域になるまで情報を削除する。衛星位置速度算出部135は、時刻TOE2と時刻TOE2+2時間の各時刻の各GPS衛星2の各位置と各速度を算出し、算出した2つの時刻の位置と速度を位置速度情報として衛星位置・速度記憶部140に記憶させる。
衛星位置・速度記憶部140に時刻TOE2の位置速度情報が記憶されていないと判別した場合、後述するように、衛星位置速度算出部135は、衛星位置・速度記憶部140の保存領域の空きが、3個分の位置速度情報を記憶できる領域になるまで情報を削除する。衛星位置速度算出部135は、時刻TOE2、時刻TOE−2時間、及び時刻TOE2+2時間の各時刻のGPS衛星2の各位置と各速度を算出し、算出した2つの時刻の位置と速度を位置速度情報として衛星位置・速度記憶部140に記憶させる。
演算開始判定部145は、衛星位置・速度記憶部140から過去の位置速度情報、衛星型番号を読み出し、記憶部115からGPS時刻、UTC関係情報及び電離層遅延補正係数を読み出す。演算開始判定部145は、読み出した情報に基づき、後述する演算開始条件を満たしているか否かを判定する。演算開始条件を満たしていると判別した場合、演算開始判定部145は、パラメータ推定部150に読み出した情報と判定結果を出力する。
軌道予測演算部(軌道予測部)155は、パラメータ推定部150が出力する推定パラメータsを使用し、後述するように、例えば将来3日間2時間ごとの時刻te(k)(k=0,・・・,36)での衛星位置pe(i)(i=0,・・・,110)を軌道計算する。軌道予測演算部155は、算出した予測軌道値を予測結果記憶部160に記憶させる。
予測結果記憶部160には、予測軌道値が記憶されている。
測位算出部20は、予測結果記憶部160に記憶されている予測軌道値を読み出し、読み出した予測軌道値を外挿して衛星位置を算出し、公知の手法で位置測位を行う。
まず、軌道予測装置10は、航法データの取得を開始する。
次に、アルマナック取得部120は、GPS衛星2が送信するアルマナック・データを取得し、取得したアルマナック・データを衛星型抽出部125に出力する。
次に、衛星型抽出部125は、アルマナック取得部120が出力するアルマナック・データから衛星型番号を抽出し、抽出した衛星型番号を衛星位置・速度記憶部140に記憶させる。
次に、情報取得部110は、GPS衛星2が送信する航法メッセージのサブフレーム4のデータから、電離層遅延補正係数、GPS時刻、及びUTC関係情報を取得し、取得した電離層遅延補正係数、GPS時刻、及びUTC関係情報を記憶部115に記憶させる。
各衛星の状態が異常を示す値ではない、すなわち健康であり且つエポック時刻toeが更新されたデータであると判別した場合(ステップS2;Yes)、ステップS3に進む。各衛星の状態が異常を示す値である、または、エポック時刻toeが更新されたデータではないと判別した場合(ステップS2;No)、ステップS1に戻る。
時刻TOE2を時刻t(k)(k=0,・・・,n−1)と表現する。以降の処理上、位置はr(i)(i=0,・・・,3n−1)と表現する。時刻t(k)での位置のx成分がr(3k)、位置のy成分がr(3k+1)、位置のz成分がr(3k+2)である。速度はv(i)(i=0,・・・,3n−1)と表現する。時刻t(k)での速度x成分がv(3k)、速度y成分がv(3k+1)、速度z成分がv(3k+2)である。
衛星位置速度算出部135は、衛星位置・速度記憶部140に記憶されている位置速度情報の内、算出した時刻TOE2−3日より以前の情報を保存領域から削除する。ステップS3終了後、ステップS4に進む。
衛星位置・速度記憶部140に時刻TOE2の位置速度情報が記憶されていると判別した場合(ステップS4;Yes)、ステップS5に進む。衛星位置・速度記憶部140に時刻TOE2の位置速度情報が記憶されていないと判別した場合(ステップS4;No)、ステップS7に進む。なお、衛星位置・速度記憶部140に時刻TOE2の位置速度情報が記憶されていない状態は、例えば、GPS衛星2が測位装置1から見て遮蔽されていて、エフェメリス・データを受信できない場合、測位装置1の電源がオフ状態などである。
具体的には、2時間毎の隣り合う情報の内、新しい時刻の情報を削除する。2時間毎の隣り合う情報を比較して、情報を削除しても、空き領域を確保できない場合は、4時間毎に隣り合う情報の内、新しい方の情報を削除する。空き領域を確保できない場合、衛星位置速度算出部135は、6時間毎に隣り合う情報について比較、削除を行う。空き領域を確保できない場合、衛星位置速度算出部135は、8時間毎に隣り合う情報について比較、削除を行う。ステップS5終了後、ステップS6に進む。
具体的には、2時間毎の隣り合う情報を比較して、情報を削除しても、空き領域を確保できない場合は、4時間毎に隣り合う情報の内、新しい方の情報を削除する。空き領域を確保できない場合、衛星位置速度算出部135は、6時間毎に隣り合う情報について比較、削除を行う。空き領域を確保できない場合、衛星位置速度算出部135は、8時間毎に隣り合う情報について比較、削除を行う。ステップS7終了後、ステップS8に進む。
保存回数2において、ステップS6で説明したように、衛星位置速度算出部135は、2つの位置速度情報が衛星位置・速度記憶部140に記憶する。この場合、衛星位置速度算出部135は、この時点で最新の位置速度情報である位置速度情報g3を削除した後、時刻TOE2の位置速度情報を位置速度情報g3’として衛星位置・速度記憶部140に記憶させる。位置速度情報g3を削除する理由は、保存回数2における時刻TOE2時間は、保存回数1における時刻TOE2+2時間であるためである。そして、衛星位置速度算出部135は、時刻TOE2+2時間の位置速度情報を位置速度情報g4として記憶させる。
同様に、保存回数3において、衛星位置速度算出部135は、位置速度情報g4を削除した後、時刻TOE2の位置速度情報を位置速度情報g4’として記憶させる。そして、時刻TOE2+2時間の位置速度情報を、位置速度情報g5として記憶する。
保存回数4において、保存回数4における時刻TOE2から直近の偶数正時、すなわち経過時間10(20時間)にGPS衛星2の位置と速度情報が衛星位置・速度記憶部140に記憶されていないため、ステップS8のように、衛星位置速度算出部135は、再び3つの時刻の位置速度情報を衛星位置・速度記憶部140に記憶させる。このような動作を繰り返していくと、保存回数6で、衛星位置・速度記憶部140に保存される位置速度情報が10個になる。
保存回数7において、ステップS5で説明したように、衛星位置速度算出部135は、2つの位置速度情報分の記憶領域を確保する。このため、まず、保存回数6までと同様に、衛星位置速度算出部135は、保存回数6で保存された位置速度情報g20を削除する。次に、衛星位置速度算出部135は、位置速度情報を2つ書き込める領域が確保できるまで、衛星位置・速度記憶部140に保存されている位置速度情報を削除する。
具体的には、衛星位置速度算出部135は、経過時間が一番古い2時間間隔のペアの位置速度情報g11とg12を比較する。位置速度情報g11は、保存回数1で記憶された位置速度情報g1であるので、保存回数1における時刻TOE2−2時間の位置速度情報である。位置速度情報g12は、保存回数1で記憶された位置速度情報g1であり、保存回数1における時刻TOE2の位置速度情報である。位置速度情報g12の方が新しい情報であるので、衛星位置速度算出部135は、位置速度情報g12を削除する。このようにして、衛星位置速度算出部135は、2つの空き領域を確保する。
次に、衛星位置速度算出部135は、衛星位置・速度記憶部140に、時刻TOE2時間の位置速度情報を新たな位置速度情報g20として記憶させ、時刻TOE2+2時間の位置速度情報をg21として記憶させる。
次に、衛星位置速度算出部14は、時刻TOE2時間の位置速度情報を、位置速度情報g20に上書きし、時刻TOE2+2時間の位置速度情報をg21として記憶させるようにしてもよい。
保存回数13において、衛星位置・速度記憶部140に記憶されている位置速度情報を、便宜上g21〜g30とする。
保存回数14において、時刻TOE2の位置速度情報が衛星位置・速度記憶部140に記憶されていないため、3つの位置速度情報を削除する必要がある。この場合、衛星位置速度算出部135は、まず、経過時間が一番古い2時間間隔のペアの位置速度情報g28とg29を比較し、比較結果に基づき、位置速度情報g29を削除する。次に、衛星位置速度算出部135は、経過時間が一番古い4時間間隔のペアの位置速度情報g24とg25を比較し、比較結果に基づき、位置速度情報g25を削除する。次に、衛星位置速度算出部135は、経過時間が二番古い4時間間隔のペアの位置速度情報g26とg27を比較し、比較結果に基づき、位置速度情報g27を削除する。
以上の処理により、保存回数13で保存されていた位置速度情報から3個の位置速度情報の削除を完了する。
また、保存回数15回において、衛星位置速度算出部135は、経過時間0の情報が、ステップS3で説明した時刻TOE2−3日の位置速度情報であるため削除する。
図4(a)、図4(c)及び図4(e)において、横軸は予測誤差の最大値を表し、縦軸はその割合を表している。図4(b)、図(d)及び図(f)において、横軸は時間を表し、白丸は位置速度情報を取得できなかった「中抜け」状態を表し、黒丸は位置速度情報を取得できた状態を表している。
4時間間隔の場合、このように取得された位置速度情報を用いて、GPS衛星2の位置を予測すると、図4(a)に示すように、予測誤差の最大値は7[m]以下である。中抜けが3日に渡る場合、このように取得された位置速度情報を用いて、GPS衛星2の位置を予測すると、図4(c)に示すように、予測誤差の最大値は20[m]以上もあり、その割合もランダムである。中抜けが2日に渡る場合、このように取得された位置速度情報を用いて、GPS衛星2の位置を予測すると、図4(e)に示すように、予測誤差の最大値は20[m]以上が50%もある。
このように、予測誤差を抑えるには、中抜けの期間が長い状態は好ましくなく、位置速度情報が均等に保存されていることが好ましい。
ここで、エポック時刻toeに近い偶数正時TOE2を時刻t(k)(k=0,・・・,n−1)と表現する。以降の処理上、位置はr(i)(i=0,・・・,3n−1)と表現する。時刻t(k)での位置のx成分がr(3k)、位置のy成分がr(3k+1)、位置のz成分がr(3k+2)である。速度はv(i)(i=0,・・・,3n−1)と表現する。時刻t(k)での速度x成分がv(3k)、速度y成分がv(3k+1)、速度z成分がv(3k+2)である。
ステップS101終了後、ステップS102に進む。
1.過去の位置速度情報が9個以上記憶されていること
2.記憶部115に記憶されている衛星型番号が有効で、衛星型がBLOCK IIA、BLOCK IIR、BLOCK IIR−Mであること
3.軌道予測が未完了であること
4.RTC(実時間のクロック)の補正が完了していること
5.アルマナック・データが有効であること
演算開始条件を満たしていないと判別した場合、ステップS101に戻る。
演算開始条件を満たしていると判別した場合、演算開始判定部145は、パラメータ推定部150に読み出した情報と判定結果を出力する。
ステップS102終了後、ステップS103に進む。
成分1 s(0);時刻t(0)での衛星位置のx成分(初期値r(0))
成分2 s(1);時刻t(0)での衛星位置のy成分(初期値r(1))
成分3 s(2);時刻t(0)での衛星位置のz成分(初期値r(2))
成分4 s(3);時刻t(0)での衛星速度のx成分(初期値v(0))
成分5 s(4);時刻t(0)での衛星速度のy成分(初期値v(1))
成分6 s(5);時刻t(0)での衛星速度のz成分(初期値v(2))
成分7 s(6);太陽輻射圧パラメータのワイバイアス(Y−bias)(初期値0)
成分8 s(7);太陽輻射圧パラメータのスケールファクタ(scale Factor)(初期値1)
成分9 s(8);地球自転パラメータの極運動x方向(初期値0)
成分10 s(9);地球自転パラメータの極運動y方向(初期値0)
成分11 s(10);地球自転パラメータの地球自転速度変化(初期値0)
パラメータ推定部150は、推定した推定パラメータを軌道予測演算部155に出力する。ステップS103終了後、ステップS104に進む。なお、ワイバイアスとは、軌道におけるGPS衛星2の太陽パネル(ソーラーパネル)の梁方向(Beam Directions)であるy軸に対するバイアス成分であり、スケールファクタとは、スケール係数である。太陽輻射圧、ワイバイアス及びスケースファクタについては、例えば、非特許文献1(” New Empirically Derived Solar Radiation Pressure Model for Global Positioning System Satellites”, Y.Bar-Sever and D.Kuang, IPN Progress Report 42-159, Nov 15, 2004)参照。
(ステップS201)まず、パラメータ推定部150は、演算開始判定部145が出力する読み出された情報と判定結果を用いて、推定パラメータsで軌道計算する(ステップS103)。
時刻t(0)での軌道における衛星位置において、半径方向、進行方向、軌道面垂直方向の各単位ベクトルd1、d2、d3は、次式(2)〜(4)のように表される。
また、式(10)において、Tは転置行列を表し、行列Bは、次式(11)である。なお、行列Aは、GPS衛星2の位置の半径方向と垂直方向の成分、GPS衛星2の速度の半径方向と進行方向の成分である。行列Bは、この行列Aの成分を、元のxyz方向の成分に座標系を変換する役割をしている。
推定パラメータsが収束したと判別した場合(ステップS208;Yes)、ステップS209に進む。推定パラメータの1つの成分sが収束していないと判別した場合(ステップS208;No)、ステップS201に戻る。
(ステップS209)軌道予測演算部155は、この推定パラメータの1つの成分sを使用し、例えば将来3日間2時間ごとの時刻te(k)(k=0,・・・,36)での衛星位置pe(i)(i=0,・・・,110)を軌道計算する。
(手順1)推定パラメータsの最初の6個のパラメータ衛星位置速度をECEF座標系
からECI(地心慣性;Earth Centered Inertial)座標系に変換する。
(手順2)GPS時刻をUTC時刻に変換する。
(手順3)GPS衛星2に加わる力(地球からの重力、月からの重力、太陽からの重力、太陽輻射圧)を計算する。
(手順4)GPS衛星2に加わる力を加速度に変換し数値積分し、将来のGPS衛星2の位置と速度を算出する。用いる数値積分法は、例えば、RKF45及びCowellである。座標系、時刻系、衛星に加わる太陽輻射圧以外の力、数値積分については、例えば、非特許文献2(‘’Satellite Orbits, Models, Methods and Application’’, O.Montenbruck and E.Gill, Springer,2005)の2章「Introductory Astrodynamics」、3章「Force Model」、4章「Numerical Integration」、5章「Time and Reference Systems」、及び8章の「Orbit Determination and Parameter Estimation」参照。
(手順5)算出したGPS衛星2の位置と速度をECI座標系からECEF座標系に変換する。
(手順101)本実施形態と同様に、従来の軌道予測装置は、各種の情報をGPS衛星2から受信する。
(手順102)従来の軌道予測速装置は、本実施形態と同様に11個の成分を有するベクトルである推定パラメータsを推定する。
(手順103)従来の軌道予測装置は、最小二乗法による予測推定を行うために、推定パラメータの値をΔsずらす。従来の軌道予測装置は、推定パラメータsの1つの成分s(j)をs(j)+Δs(j)に代え、時刻t(k)(k=0,・・・,n−1)での衛星位置p(i)(i=0,・・・,3n−1)を軌道計算する。なお、iは、GPS衛星2の位置の何番目がずれるのかを表している。jは、0から10であり、どのパラメータをずらしたかを表している。
(手順104)従来の軌道予測装置は、式(12)で求めた誤差量を用いて、次式(13)を用いて、推定パラメータsを算出する。
従来の軌道予測装置は、推定パラメータsが収束するまで、手順102から104を繰り返す。従来の軌道予測装置は、このように算出された推定パラメータsを用いて将来のGPS衛星2の位置peを軌道計算していた。
また、従来技術では、位置と速度について、衛星位置の半径方向と進行方向及び垂直方向、衛星速度の半径方向と進行方向及び垂直方向の計6つのパラメータについて推測していた。
また、推定パラメータの内、GPS衛星2の位置の進行方向、GPS衛星2の速度の垂直方向の計2つのパラメータについて推定しないようにした。このため、最小二乗法で用いる行列を従来技術より小さくできるので、推定に必要なメモリ容量を削減できる。また、最小二乗法で用いる行列を小さくできるので、演算に係る時間を短くできる効果もある。このため、軌道予測装置10のコストを下げることができ、さらに演算時間を短くできるため、起動後に従来技術より短時間で測位を開始できる。この結果、利用者にとって利便性が増すので、使用頻度を増す効果もある。
例えば、一般的なGPS受信装置では、電源オフ状態から電源オン状態になった後、エフェメリス・データの取得を開始する。そして、エフェメリス・データ取得後、パラメータの推定及び軌道推定を開始する。パラメータの推定にかかる時間が長い場合、推定途中で測位装置の電源をオフ状態にされてしまうと、それまでの演算結果が無効なままである。このため、電源オン状態になった後、再度、エフェメリス・データの取得からやり直す必要が生じる場合があった。
一方、本実施形態の軌道予測装置10は、軌道推定にかかる時間が短いため、利用者が電源をオフ状態にする前に推定を完了し、推定結果をGPS受信部内の記憶部に記憶させておくことが可能になる。そして、このように記憶された推定結果を、電源オフ状態からオン状態になった場合に用いて推定を行えるので、本実施形態の軌道予測装置10は、電源オン状態後に位置測位開始までの時間を短縮できる。
また、従来技術と同数のエフェメリス・データを用いて軌道予測を行った場合、推定に用いるパラメータの数を削減したため、観測方程式の数に対して推定パラメータの数が減ったため、パラメータ間の共分散が減少し,精度の良いパラメータ値を推定できる。この結果、本実施形態の軌道予測装置10は、推定精度を改善することができる。なお、推定しないパラメータに関しては、実測により、軌道予測に十分な精度のデータであることを確認している。
第1実施形態では、推定パラメータの内、9つのパラメータを推定する例を説明した。本実施形態では、第1実施形態で用いた9個の成分のうち、さらに、太陽輻射圧パラメータのワイバイアスとスケールファクタの2つを推定せず、7個の成分のベクトルによる推定パラメータsを推定する例を説明する。
なお、太陽輻射圧パラメータのワイバイアスとスケールファクタは、GPS衛星2毎に固有の固定値を、予めGPS衛星2毎に算出して軌道予測装置10内のいずれかの記憶部か機能部に、予め記憶させておく。例えば、所定の期間のデータを算出して、平均値を記憶させるようにしてもよい。
GPS衛星2の位置と速度情報の記憶と削除は、第1実施形態と同様に行う(図2、ステップS1〜S8)。
第1実施形態と異なるのは、衛星位置p0(i)の軌道計算の方法である。
(ステップS201’)軌道予測演算部155は、推定パラメータsを使用し、時刻t(k)での衛星位置p0(i)(i、・・・、3n−1)を軌道計算する。
推定パラメータsは、以下の9個の成分のベクトルである。
成分1 s(0);時刻t(0)での衛星位置のx成分(初期値r(0))
成分2 s(1);時刻t(0)での衛星位置のy成分(初期値r(1))
成分3 s(2);時刻t(0)での衛星位置のz成分(初期値r(2))
成分4 s(3);時刻t(0)での衛星速度のx成分(初期値v(0))
成分5 s(4);時刻t(0)での衛星速度のy成分(初期値v(1))
成分6 s(5);時刻t(0)での衛星速度のz成分(初期値v(2))
成分7 s(6);地球自転パラメータの極運動x方向(初期値0)
成分8 s(7);地球自転パラメータの極運動y方向(初期値0)
成分9 s(8);地球自転パラメータの地球自転速度変化(初期値0)
(ステップS206’)軌道予測演算部155は、j=4,5,6に対して推定パラメータの1つの成分s(j+2)をs(j+2)+Δs(j)に代え、時刻t(k)での衛星位置p(i)を式(9)のように軌道計算する。ただし、式(9)おいて、j=4,5,6である。
推定パラメータsが収束したと判別した場合(ステップS208;Yes)、ステップS209に進む。推定パラメータの1つの成分sが収束していないと判別した場合(ステップS208;No)、ステップS201’に戻る。
(ステップS209)軌道予測演算部155は、この推定パラメータの1つの成分sを使用し、将来の衛星位置peを軌道計算する。
軌道予測演算部155は、第1実施形態と同様に軌道計算を行う。
また、第2実施形態によれば、第1実施形態と比較して、さらに推定パラメータにおける未知数が少なくなるので、本実施形態の軌道予測装置10では、必要な観測方程式の数を減らせる効果もある。この結果、少数のエフェメリス・データを用いて、軌道予測を行うことが可能になるので、従来技術と比較して、本実施形態の軌道予測装置10では、利用者にとって利便性が増すため、利用者の使用頻度が向上する効果もある。
Claims (5)
- 測位衛星からの信号を受信して受信データを取得する情報取得部と、
前記受信データに基づいて、前記測位衛星の位置と前記測位衛星の速度である位置速度情報を算出する衛星位置速度算出部と、
軌道における前記測位衛星の半径方向、進行方向及び軌道面垂直方向の各単位ベクトルと、前記位置速度情報とを用いて、前記測位衛星の位置と、前記測位衛星の速度と、太陽から前記測位衛星への光の圧力である太陽輻射圧の影響を示す値、及び地球自転の影響を示す値とを含む推定パラメータを算出する推定パラメータ部と、
前記推定パラメータ部で推定された推定パラメータを用いて前記測位衛星の位置を推定する軌道予測部と、
を備えることを特徴とする軌道予測装置。 - 前記推定パラメータ部は、
前記測位衛星の半径方向と進行方向及び軌道面垂直方向との成分による座標系に変換する行列を用いて前記推定パラメータを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の軌道予測装置。 - 前記推定パラメータ部は、
前記測位衛星の位置の進行方向成分に対して予め算出された値を用い、前記測位衛星の速度の軌道面垂直方向成分に対して予め算出された値を用い、前記推定パラメータを推定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軌道予測装置。 - 前記推定パラメータ部は、
前記測位衛星に対する太陽輻射圧のワイバイアスとスケール係数とに対して各々予め算出した値を用い、前記推定パラメータを推定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軌道予測装置。 - 軌道予測装置における軌道予測方法であって、
情報取得部が、測位衛星からの信号を受信して受信データを取得する情報取得過程と、
衛星位置速度算出部が、前記受信データに基づいて、前記測位衛星の位置と前記測位衛星の速度である位置速度情報を算出する衛星位置速度算出過程と、
推定パラメータ部が、軌道における前記測位衛星の半径方向、進行方向及び軌道面垂直方向の各単位ベクトルと、前記位置速度情報とを用いて、前記測位衛星の位置と、前記測位衛星の速度と、太陽輻射圧の影響を示す値及び地球自転の影響を示す値とを含む推定パラメータを算出する推定パラメータ過程と、
軌道予測部が、前記推定パラメータ手順で推定された前記推定パラメータを用いて前記測位衛星の位置を推定する軌道予測過程と、
を含むことを特徴とする軌道予測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011137326A JP5801111B2 (ja) | 2011-06-21 | 2011-06-21 | 軌道予測装置、及び軌道予測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011137326A JP5801111B2 (ja) | 2011-06-21 | 2011-06-21 | 軌道予測装置、及び軌道予測方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013003093A true JP2013003093A (ja) | 2013-01-07 |
JP5801111B2 JP5801111B2 (ja) | 2015-10-28 |
Family
ID=47671789
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011137326A Active JP5801111B2 (ja) | 2011-06-21 | 2011-06-21 | 軌道予測装置、及び軌道予測方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5801111B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10088575B2 (en) * | 2014-06-30 | 2018-10-02 | Casio Computer Co., Ltd. | Positioning system, positioning apparatus, storage apparatus, and positioning method |
CN116609813A (zh) * | 2023-05-17 | 2023-08-18 | 北京星网宇达科技股份有限公司 | 一种卫星轨道位置确定系统、方法、设备及存储介质 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007093513A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Mitsubishi Electric Corp | データ送信装置及びデータ送信方法及び測位装置 |
JP2009243946A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Sony Corp | 情報処理装置、位置推定方法、プログラム、および人工衛星システム |
JP2010508524A (ja) * | 2006-10-31 | 2010-03-18 | サーフ テクノロジー インコーポレイテッド | 現在の放送軌道暦を使用しない位置の確定 |
WO2010047875A2 (en) * | 2008-09-11 | 2010-04-29 | California Institute Of Technology | Method and apparatus for autonomous, in-receiver prediction of gnss ephemerides |
JP2011503554A (ja) * | 2007-11-09 | 2011-01-27 | アールエックス ネットワークス インコーポレイテッド | 自律的軌道伝播システム及び方法 |
-
2011
- 2011-06-21 JP JP2011137326A patent/JP5801111B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007093513A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-12 | Mitsubishi Electric Corp | データ送信装置及びデータ送信方法及び測位装置 |
JP2010508524A (ja) * | 2006-10-31 | 2010-03-18 | サーフ テクノロジー インコーポレイテッド | 現在の放送軌道暦を使用しない位置の確定 |
JP2011503554A (ja) * | 2007-11-09 | 2011-01-27 | アールエックス ネットワークス インコーポレイテッド | 自律的軌道伝播システム及び方法 |
JP2009243946A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Sony Corp | 情報処理装置、位置推定方法、プログラム、および人工衛星システム |
WO2010047875A2 (en) * | 2008-09-11 | 2010-04-29 | California Institute Of Technology | Method and apparatus for autonomous, in-receiver prediction of gnss ephemerides |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10088575B2 (en) * | 2014-06-30 | 2018-10-02 | Casio Computer Co., Ltd. | Positioning system, positioning apparatus, storage apparatus, and positioning method |
CN116609813A (zh) * | 2023-05-17 | 2023-08-18 | 北京星网宇达科技股份有限公司 | 一种卫星轨道位置确定系统、方法、设备及存储介质 |
CN116609813B (zh) * | 2023-05-17 | 2024-04-02 | 北京星网宇达科技股份有限公司 | 一种卫星轨道位置确定系统、方法、设备及存储介质 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5801111B2 (ja) | 2015-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2324371B1 (en) | Method and apparatus for autonomous, in-receiver prediction of gnss ephemerides | |
US7564406B2 (en) | Method and apparatus in standalone positioning without broadcast ephemeris | |
JP6433725B2 (ja) | エフェメリス拡張システムとgnssでの使用方法 | |
US8125382B2 (en) | Autonomous orbit propagation system and method | |
AU2008324686B2 (en) | Autonomous orbit propagation system and method | |
EP2426510B1 (en) | Satellite navigation receivers with self-provided future ephemeris and clock predictions | |
US8538682B1 (en) | Systems and methods for satellite navigation using locally generated ephemeris data | |
JP6191074B2 (ja) | 衛星時計精度判定装置、その方法及び測位装置 | |
Bock et al. | GPS single-frequency orbit determination for low Earth orbiting satellites | |
JP2015021900A (ja) | 衛星時計補正パラメータ生成装置、その方法及び測位装置 | |
JP5801111B2 (ja) | 軌道予測装置、及び軌道予測方法 | |
JP5801110B2 (ja) | 軌道予測装置、及び軌道予測方法 | |
Seppänen et al. | Autonomous satellite orbit prediction | |
Ala-Luhtala et al. | An empirical solar radiation pressure model for autonomous GNSS orbit prediction | |
CN112731504B (zh) | 对月球探测器自主定轨的方法及装置 | |
JP2014044191A (ja) | 位置算出方法及び位置算出装置 | |
JP6195264B2 (ja) | 自己供給型未来エフェメリスおよびクロック予測を備えた衛星航法受信機 | |
US20150070213A1 (en) | Location determination in multi-system gnns environment using conversion of data into a unified format | |
CN114325762A (zh) | 一种用于glonass接收机高精度快速定位的方法 | |
Garin et al. | A Novel Ephemeris Extension Compaction/Decompaction Method | |
Jacobson et al. | Planetary System GMs in the JPL Planetary Ephemerides |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140620 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150324 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150519 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150826 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5801111 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |