JP2019045261A - 検出装置および検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出感度の向上および検出時間の短縮化を図れる検出装置を提供すること。
【解決手段】 実施形態の検出装置1は、検出対象物5を含む可能性のある第1の液体41が供給される第1の領域11と、第1の領域に設けられた第1の電極21と、第2の液体42が供給される第2の領域12と、第2の領域に設けられた第2の電極22とを含む。検出装置1は、第1の領域と第2の領域とを区画するとともに、第1の領域と第2の領域とを連通する貫通孔4が設けられた隔壁3と、第1の電極に分離可能に結合しており、検出対象物に特異的に結合するプローブ23とを含む。検出装置1は、第1の電極21からプローブ23を分離する分離手段31と、第1および第2の領域にそれぞれ第1および第2の液体が供給された状態における、第1の電極と第2の電極との間の電気的状態の変化に基づき、第1の液体が検出対象物を含むか否かを判断する判断手段32とを含む。
【選択図】 図4

Description

本発明の実施形態は、ウイルス、細菌などの検出対象物を検出するための検出装置、検出方法およびプローブ付き電極に関する。
近年、インフルエンザをはじめとする感染症の大規模な流行であるパンデミックが世界中で危惧されている。パンデミックはその膨大な患者数のため、世界的な経済への影響を招くことが懸念されており、その防止策を策定することは急務となっている。
パンデミック防止策としては、例えば、感染初期段階に診断を行い、患者隔離や接触者の行動制限を行うことで感染伝播を遅らせることが重要である。さらに、感染初期段階であれば症状の重篤化前に治療を開始することが可能になるため、感染症による死亡者の減少につながると期待される。これらの点から、初期段階で感染症の診断を行うことは極めて重要となる。
ウイルスや細菌等の病原体を検出する方法の一つとしてイムノクロマト法を用いたものがある。この検出方法は、簡便かつ迅速に感染症の診断を行うことができ、感染症の診断に広く用いられている。しかし、この検出方法は最低検出感度が低いため、体内でのウイルス増殖が充分ではない感染初期での診断には向いていない。
他の検出方法として、ナノポアを用いた方法が知られている。この検出方法は最低検出感度が高い。しかし、検体液中の病原体の濃度が低いと、病原体を検出するまでに時間を要する。
特許第5951527号公報
本発明の目的は、検出感度の向上および検出時間の短縮化を図れる検出装置、検出方法およびプローブ付き電極を提供することにある。
実施形態の検出装置は、検出対象物を含む可能性のある第1の液体が供給される第1の領域と、前記第1の領域に設けられた第1の電極と、第2の液体が供給される第2の領域と、前記第2の領域に設けられた第2の電極とを含む。前記検出装置は、前記第1の領域と前記第2の領域とを区画するとともに、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通する貫通孔が設けられた隔壁と、前記第1の電極に分離可能に結合しており、前記検出対象物に特異的に結合するプローブとをさらに含む。前記検出装置は、前記第1の電極から前記プローブを分離する分離手段と、前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ前記第1の液体および前記第2の液体が供給された状態における、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気的状態の変化に基づき、前記第1の液体が前記検出対象物を含むか否かを判断する判断手段とをさらに含む。
実施形態の検出方法は、第1の領域と、前記第1の領域に設けられた第1の電極と、第2の領域と、前記第2の領域に設けられた第2の電極と、前記第1の領域と前記第2の領域とを区画するとともに、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通する貫通孔が設けられた隔壁と、前記第1の電極に分離可能に結合されており、検出対象物に特異的に結合するプローブとを含む検出装置を用いて行う。前記検出方法は、前記第1の領域に前記検出対象物を含む可能性のある第1の液体を供給し、前記第2の領域に第2の液体を供給する工程と、前記第1の電極から前記プローブを分離する工程と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気的状態の変化に基づき、前記第1の液体が前記検出対象物を含むか否かを判断する工程とを含む。
実施形態のプローブ付き電極は、電極と、前記電極に分離可能に結合されており、液体中の検出対象物に特異的に結合するプローブとを含む。
図1は、第1の実施形態に係る検出装置を模式的に示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る検出装置の隔壁の一例を示す平面図である。 図3は、第1の実施形態に係る検出装置のプローブの一例を模式的に示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図5は、プローブおよびそれに結合した検出対象物を模式的に示す図である。 図6は、図4に続く第1の実施形態に係る検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図7は、下部電極から分離した、検出対象物が結合しているプローブを模式的に示す図である。 図8は、検出対象物の有無で電流信号が異なることを示す図である。 図9は、比較例の検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図10は、第1の実施形態に係る検出装置の分解斜視図である。 図11Aは、第1の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための断面図である。 図11Bは、図11Aに続く第1の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための断面図である。 図11Cは、図11Bに続く第1の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための断面図である。 図11Dは、図11Cに続く第1の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための断面図である。 図12は、図11Dの変形例を示す断面図である。 図13は、第1の実施形態の第1の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図14は、第1の実施形態の第2の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図15は、第1の実施形態の第2の変形例に係る検出装置の隔壁3および分離用電極を示す平面図である。 図16は、第1の実施形態の第3の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図17は、第1の実施形態の第4の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図18は、第2の実施形態に係る検出装置を模式的に示す図である。 図19は、第2の実施形態に係る検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図20は、図19に続く第2の実施形態に係る検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図21は、第3の実施形態に係る検出装置を模式的に示す図である。 図22は、第3の実施形態に係る検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図23は、図22に続く第3の実施形態に係る検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図24は、第4の実施形態に係る検出装置を模式的に示す図である。 図25は、第4の実施形態に係る検出装置を用いた検出方法を説明するための図である。 図26Aは、第4の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための平面図である。 図26Bは、図26Aに続く第4の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための平面図である。 図26Cは、図26Bに続く第4の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための平面図である。 図26Dは、図26Cに続く第4の実施形態に係る検出装置の製造方法を説明するための平面図である。 図27は、第4の実施形態に係る検出装置の製造途中の構造を示す断面図である。 図28は、第4の実施形態の第1の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図29は、第4の実施形態の第2の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図30は、第4の実施形態の第2の変形例に係る検出装置の製造途中の構造を示す断面図である。 図31は、第4の実施形態の第3の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図32は、第4の実施形態の第3の変形例に係る検出装置の製造途中の構造を示す断面図である。 図33は、第4の実施形態の第4の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。 図34は、第4の実施形態の第4の変形例に係る検出装置の製造途中の構造を示す断面図である。 図35は、実施形態に係る検出装置の他のプローブの一例を模式的に示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。図面は、模式的または概念的なものであり、各図面の寸法および比率等は、必ずしも現実のものと同一であるとは限らない。また、図面において、同一符号(添字が異なるものを含む)は同一または相当部分を付してあり、重複した説明は必要に応じて行う。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る検出装置1を模式的に示す図である。
検出装置1は、容器2およびその内部に設けられた隔壁3を含む。隔壁3は、容器2内を第1のチャンバ(第1の領域)11と第2のチャンバ(第2の領域)12とに区画する。
隔壁3は絶縁性を有する。隔壁3の材料は、例えば、ガラス、サファイア、セラミック、樹脂、ゴム、シリコン酸化物、シリコン窒化物または酸化アルミニウム等の絶縁材料を含む。
隔壁3には第1のチャンバ11と第2のチャンバ12とを連通する貫通孔4が設けられ、この貫通孔4はナノポアまたはマイクロポアとして利用する微細孔である。貫通孔4は一つの検出対象物が通過できる大きさを有する。以下、貫通孔4を微細孔4と記載することもある。
検出対象物は、例えば、ウイルスや細菌等の病原体である。さらに、検出対象物は、病原体を構成するもの、例えば、核酸(DNA、RNA)、タンパク質または細胞でも構わない。以下の説明では、検出対象物はウイルスの一つであるインフルエンザウイルスとする。
貫通孔4の形状は、例えば、図2の平面図に示すように円形である。図1に示す隔壁3は図2の矢視1−1断面図に相当する。大きさ約100nmのインフルエンザウイルスを検出対象物として検出する場合、貫通孔4の直径は、例えば、200〜500nmである。インフルエンザウイルスの大きさは一般に直径80〜120nmの範囲内にあるため、検出感度の向上を図るには、貫通孔4の直径は、例えば、200〜300nmの範囲内にあることが好ましい。
第1のチャンバ11はその内部に図示しない検体液(第1の液体)を供給できるように構成されており、そして、第1のチャンバ11の内部は検体液で充填することができる。
検体液は検体を含む通電可能な液体であり、例えば、検体および緩衝液を含む溶液や、検体および電解質溶液を含む溶液である。検体は、例えば、ヒトを含む動物等の生体より採取したものである。検体は検出対象物を含む可能性があるので、検体液も検出対象物を含む可能性がある。
上記緩衝溶液は、例えば、PBS(phosphate buffered saline)、TBS(Tris-buffered saline)、TE(Tris Ethylene diamine tetra acetic acid)またはHEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid)を含む。上記電解質溶液は、例えば、KCl水溶液である。これらの例示した緩衝溶液や電解質溶液のpHは、約7〜8である。このような緩衝溶液を用いた場合、インフルエンザウイルスは検体液中で負に帯電する。
第2のチャンバ12はその内部に図示しない非検体液(第2の液体)を供給できるように構成されており、そして、第2のチャンバ12の内部は非検体液で充填することができる。非検体液は検体を含まない通電可能な液体であり、例えば、PBSまたはTEを含む緩衝液や、KCl水溶液等の電解質溶液である。
第1のチャンバ11内には下部電極(第1の電極)21を設けている。より詳細には、第1のチャンバ11内の下面に下部電極21を設けている。下部電極21の上方には隔壁3の貫通孔4が位置する。
下部電極21の上面には検出対象物に特異的に結合するプローブ23を設けている。検出装置1の使用前(検出方法の実施前)はプローブ23は下部電極21に結合(固定)しているが、検出装置1の使用中(検出方法の実施中)にはプローブ23は下部電極21から分離(脱離)する。
図3は、下部電極21に結合している状態のプローブ23を模式的に示す図である。
プローブ23は、下部電極21に結合している第1の部分23-1を含む。図3では、第1の部分23-1は官能基が−SHであるチオール(R−SH)である。Rは有機基、Sは硫黄、Hは水素を示している。チオールの水素は下部電極21と結合(共有結合)しており、図示していない。
チオールの代わりにジスルフィドまたはチオシアネートを用いても構わない。チオール、ジスルフィドまたはチオシアネート等の硫黄を含む有機化合物に加え、有機セレン、有機テルル、イソシアニド、イソシアネートまたはアルキルシランを含む化合物を用いても構わない。
図35に示すように、プローブ23の端部10をカルボン酸、アミンまたはアルコール等の反応性を持つ官能基とした場合、プローブ23とは別のプローブ23’の一端部20aを端部(官能基)10aに結合し、プローブ23’の他端20bを下部電極21上に分離可能に結合することが可能である。
プローブ23がタンパク質を含む場合、インプリンティング技術を用いて例えば雲母、シリカまたはガラスを含む部材(下部電極21とは別の部材)上にプローブ23を分離可能に結合することが可能である。この場合、プローブ23は下部電極21上には分離可能に結合しないが、下部電極21は後述する電気泳動(電場)のために必要である。
プローブ23がDNAを含む場合、例えば、Si34基板(シリコン窒化物を主成分とする基板)上にプローブ23を分離可能に結合することが可能である。
プローブ23を下部電極21に結合する場合、第1の部分23-1が下部電極21に分離可能に結合できるように下部電極21の材料は選ばれている。本実施形態では、下部電極21の材料は、チオールが結合することができる材料の一つである金(Au)を含む。下部電極21の表面は金を含むが、下部電極21の全体が金である必要はない。金の代わりに銀(Ag)、銅(Cu)、水銀(Hg)または白金(Pt)を用いることも可能である。
なお、第1の部分23-1が下部電極21に分離可能に結合できるように下部電極21の面方位を設定しても構わない。
プローブ23は、図3に示すように、検出対象物に特異的に結合する第2の部分23-2をさらに含む。第2の部分23-2は、第1の部分23-1の下部電極21側とは反対側の末端に結合している。第2の部分23-2は、例えば、抗体、核酸、ペプチドまたは糖鎖を含む。
検体液中の夾雑物はプローブ23に非特異的に吸着する可能性がある。夾雑物の非特異的な吸着を抑制するための物質をプローブ23に付加しても構わない。当該物質は、例えば、分子量100〜100,000のポリエチレングリコール鎖を含む。
図1に戻ると、第2のチャンバ12内には上部電極(第2の電極)22を設けている。より詳細には、第2のチャンバ12内の上面に上部電極22を設けている。上部電極22の下方には隔壁3の貫通孔4が位置している。上部電極22は下部電極21と対向するように配置している。上部電極22の材料は、例えば、銀または塩化銀(AgCl)である。上部電極22の材料は、白金または金でも構わない。
検出装置1は、上部電極22に対して直列に接続された直流電源31および計測回路(計測装置)32をさらに含む。
次に、検出装置1を用いた検出方法について説明する。
まず、図4に示すように、第1のチャンバ11内を検体液41で充填し、第2のチャンバ12内を非検体液42で充填する。下部電極21は検体液41中に浸漬し、上部電極22は非検体液42中に浸漬する。以下、検体液41は検出対象物5を含んでいるものとして説明する。
検出対象物5はプローブ23に結合する。より詳細には、図5に示すように、検出対象物5はプローブ23の第2の部分23-2の末端に特異的に結合する。
なお、図4および図5においては、検出対象物5はその形状が粒子に見えるスケールで描かれているが、検出対象物5を拡大して見た場合、検出対象物5の形状は粒子とは限らない。
次に、直流電源31によって下部電極21と上部電極22との間に電圧を印加する。本実施形態では、下部電極21の電位(V1)よりも上部電極22の電位(V2)を高くする(V1<V2)。検体液41および非検体液42は通電可能であるため、上部電極22から下部電極21に向かって電流は流れる。
その結果、図6に示すように、プローブ23は下部電極21から分離する。より詳細には、図7に示すように、下部電極21(金)と結合しているプローブ23の第1の部分(チオール)が還元され(金チオールの還元反応)、プローブ23は下部電極21から分離する。その結果、プローブ23に結合している検出対象物5も下部電極21から分離する。以下、プローブ23に結合した検出対象物5を単に検出対象物5ともいう。
第1のチャンバ11内の検体液41中の検出対象物5(ここでは、負に帯電したインフルエンザウイルス)は、電気泳動(電場)により、微細孔4(液路)を通り第2のチャンバ12内の非検体液42中に移動する。
なお、検出対象物5が正に帯電している場合、直流電源31によってV1>V2に設定する。その結果、電気泳動(電場)により、第1のチャンバ11内の検体液41中の検出対象物5は微細孔4(液路)を通り第2のチャンバ12内の非検体液42中に移動する。この場合、V1>V2の条件で下部電極21から分離するプローブ23を使用することが可能である。
検出対象物5が正に帯電している場合において、V1<V2の条件で下部電極21から分離するプローブ23を使用するときには、例えば、直流電源31とは別の電源によってV1<V2に設定して、下部電極21からプローブ23を分離する。その後、直流電源31によってV1>V2に設定して、電気泳動により、第1のチャンバ11内の検出対象物5を第2のチャンバ12内に移動させる。
直流電源31が可変電源の場合、下部電極21からプローブ23を分離するためにV1<V2に設定し、その後、第1のチャンバ11内の検出対象物5を第2のチャンバ12内に移動させるためにV1>V2に設定する。
図6に戻ると、検出対象物5が微細孔4を通過するとき、計測回路32で計測される電流(電流信号)は例えば図8に示すようにパルス的に変化し、上記電流信号の値は低下する。その理由は以下の通りである。
検出対象物5が微細孔4を通過していないときには、下部電極21と上部電極22との間の電流パスである微細孔4内のイオンの数は略一定であるため、下部電極21と上部電極22との間には略一定の電流信号(I2)が流れる。すなわち、検出対象物5が微細孔4を通過していないときには、下部電極21と上部電極22との間の導通状態(電気的状態)は略一定である。
一方、検出対象物5が微細孔4を通過するときには、下部電極21と上部電極22との間の電流パスである微細孔4内のイオンの数は検出対象物5分だけ減少する。その結果、微細孔4内の電流抵抗が増大し、電流信号は低下する。すなわち、検出対象物5が微細孔4を通過するときには、下部電極21と上部電極22との間の導通状態は変化する。そして、検出対象物5の通過が終了すれば、電流信号は元の値I2に回復し、下部電極21と上部電極22との間の導通状態は略一定になる
したがって、下部電極21と上部電極22との間の導通状態の変化(電気的状態の変化)の有無に基づき、検体液41が検出対象物5を含むか否かを判断することができる。より詳細には、以下の通りである。
検出対象物5が微細孔4を通過するときの電流信号の値は、検出対象物5の大きさ、形状(立体構造)および表面状態に依存して変化する。したがって、検出対象物5に対応する電流信号の低下(基準)を予め取得しておき、計測された電流値と基準とを比べることにより、検体液が検出対象物5を含むか否かを判断することができる。
例えば、検出対象物5であるインフルエンザウイルスのサイズは、おおよそ既知であるため、ある範囲の電流信号の低下のみを、インフルエンザウイルス由来の信号とみなし、それ以外は、夾雑物由来の信号として識別することが可能である。
上記判断の機能は、例えば、計測回路32に持たせる。すなわち、計測回路32を判断手段とすることができる。あるいは、計測回路32とは別の機器に上記判断の機能を持たせても構わない。この場合、上記判断手段は計測回路32および上記機器を含むものとする。
一つの検出対象物5が微細孔4を通過するだけで、検出対象物5の有無を判断できるので、検出装置1の最低検出感度は高い。したがって、本実施形態によれば、検出感度の向上を図れる。
ここで、図9に示すように、下部電極21上にプローブがない検出装置(比較例の検出装置1’)では、検出対象物5は検体液41内を拡散する。そのため、検体液41中の検出対象物5の濃度が同じであれば、比較例の検出装置1’の微細孔4近傍の検出対象物5の濃度は、実施形態の検出装置1のそれよりも低い。
一般に、微細孔4近傍の検出対象物5の濃度が低いほど、一定時間内に検出対象物5が微細孔4を通過する可能性は低く、そして、検出対象物5を検出するまでに時間がかかる。
検出装置1’を用いた検出方法(比較例の検出方法)では、第1のチャンバ11内の検出対象物5の濃度が1×107 個/mL以上でないと検出対象物5を検出するまでに長い時間を要する。
一方、検出装置1を用いた検出方法(本実施形態の検出方法)では、第1のチャンバ11内の検出対象物5の濃度が1×107 個/mLが未満でも、微細孔4近傍の検出対象物5の濃度はプローブ23によって1×107 個/mLよりも高くなる。その結果、本実施形態の検出方法は、これまで検出が困難であった検出対象物5の濃度が低い検体液41を用いても、検出対象物5を迅速に検出することが可能となる。このように本実施形態によれば、検出感度の向上を図れるだけではなく、検出時間の短縮化も図れる。
一般に、プローブ23の密度が高いほど、本実施形態の効果(検出時間の短縮化)はより高くなる。また、プローブ23の密度は一様でなくても構わない。例えば、微細孔4の直下およびその近傍においてプローブ23の密度を最も高くしても構わない。
なお、検体液41中に検出対象物5が存在しない場合、計測回路32で計測される電流は変化しない。したがって、例えば、電流信号の計測を予め定めた時間を行っても電流信号の変化(検出信号)を検出することができない場合、検体液41は検出対象物5を含んでいないと判断する。
また、一つの検出対象物5が貫通孔17を通過すれば、一つのパルス的な電流信号の低下(検出信号)が発生する。そのため、例えば、一定時間内の検出信号の数に基づき、検体液41中の検出対象物5の数を推定できる。この推定値から例えば感染初期段階か否かを判断することも可能である。
なお、本実施形態では計測回路32で電流値を計測する構成を採用したが、計測回路32で電圧を計測する構成を採用しても構わない。この場合、計測回路32で計測される電圧信号の変化(検出信号)に基づいて、検出対象物の有無を判断する。
次に、図10および図11A〜図11Dを用いて本実施形態の検出装置1の製造方法の一例について説明する。
図10は本実施形態の検出装置1の分解斜視図を示している。図11A〜図11Dは検出装置1の製造方法を説明するための断面図を示している。図11A〜図11Dは、図10中の一点破線を通り、矢印に垂直な面による断面図に相当する。
第1の基板50の表面に溝51を形成する(図10、図11A)。第1の基板50の表面は導電性を持たない。第1の基板50の材料は絶縁体であり、例えば、ガラス、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等の樹脂、シリコン酸化物(SiO2)である。
溝51は液体が通過する流路として用いられる。溝51は、例えば、上から見て二つの円形の溝領域およびそれらを結ぶ長方形の溝領域を含む(図10)。円形の溝領域の直径は長方形の溝領域の短辺よりも大きい。溝51の形成は、例えば、エッチング処理等の化学加工や、掘削等の物理加工を用いて行う。
次に、第1の基板50上に下部電極21を形成し(図10、図11A)、さらに下部電極21の引き出し電極21aを形成する(図10)。下部電極21は溝51内に形成する。下部電極21および引き出し電極21aを形成する工程は、例えば、スパッタリングまたは蒸着を用いて導電膜を形成する工程と、当該導電膜をエッチングにより加工する工程とを含む。
その後、下部電極21上に図1に示したプローブ23を形成する。
なお、図10および図11A〜図11Fでは図面の簡略化のためにプローブ23は省略してある。
プローブ23の形成は、例えば、引き出し電極21aをレジスト等でマスクした状態で、プローブ23を含む溶液を下部電極21に供給することにより行う。供給した溶液中のプローブ23の官能基(−SH)は下部電極21に結合する。その後、上記マスクを除去する。このようにして下部電極21およびそれに結合するプローブ23を含む構造を得る。すなわち、検出感度の向上および検出時間の短縮化に寄与する、検出装置に使用されるプローブ付き電極を得る。
第1の基板50上に第1のパッキン(第1のスペーサ)60を設ける(図10、図11B)。第1のパッキン60には、図11Bに示す貫通孔61,62,63、および、図10に示す貫通孔64が設けられている。
貫通孔61,62は上述した二つの円形の溝領域の上方に位置する。貫通孔61,62は溝51に液体を導入するもしくは回収するための流路となる。貫通孔63は下部電極21の上方に位置する。貫通孔64は引き出し電極21aの上方に位置する。
第1のパッキン60の材料は、例えば、シリコンゴムやPDMS等の粘着性を持った樹脂、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム等の樹脂に粘着剤を塗布したもの、PETフィルム等の樹脂に親水性膜を形成したものである。このような材料を用いることにより、第1の基板50上に第1のパッキン60を固定できる。図示しない粘着剤や粘着層によって第1の基板50上に第1のパッキン60を固定しても構わない。第1のパッキン44の形成方法の一つとしては、上記材料を含む部材をレーザーにより加工する方法がある。
次に、第1のパッキン60上に隔壁3を設け、続いて、第1のパッキン60上に第2のパッキン(第2のスペーサ)70を設ける(図10、図11C)。
第2のパッキン70は隔壁3の縁部の上面を覆う構造を有し、隔壁3の縁部は第1のパッキン60と第2のパッキン70とによって挟まれて固定される。第2のパッキン70の厚さは、例えば、隔壁3の貫通孔4の深さより厚くする。
第2のパッキン70には、図11Cに示す貫通孔71,72,73、および、図10に示す貫通孔74が設けられている。
貫通孔71,72は貫通孔61,62上に位置する。貫通孔71,72は貫通孔61,62とともに溝51に液体を導入するもしくは回収するための流路となる。貫通孔73は隔壁3上に位置するように形成し、貫通孔74は引き出し電極21aの上方に位置するように形成する。
第2のパッキン70の材料は、例えば、上述した第1のパッキン60のそれと同じである。このような材料を用いることにより、第1のパッキン60上に2パッキン70を固定することができる。また、第2のパッキン70は例えば図示しない粘着剤や粘着層によって第1のパッキン60上に固定しても構わない。第1および第2のパッキン60,70は隔壁3に対しても粘着性を有していても構わない。第2のパッキン70の形成方法は第1のパッキン60のそれと同じである。
第1の基板50、第1のパッキン60および第2のパッキン70は図1の第1のチャンバ11を規定する。
第2の基板80に貫通孔81,82,83および溝84を形成する(図10)。溝84は第2の基板80の裏面にあり、図10では破線で示してある。第2の基板80の材料は絶縁体であり、例えば、ポリメチルメタクリレート等の樹脂で導電性を持たないものやガラスである。貫通孔81,82,83および溝84の形成は、例えば、上記材料を含む部材に対してレーザー加工または掘削等の物理加工を施すことにより行う。
その後、図11Dに示すように、溝84内に上部電極22を形成し、上部電極22を形成した側を下にして第2の基板80を第2のパッキン70上に設ける。第2のパッキン70が粘着性を有する場合、第2のパッキン70上に第2の基板80を固定することができる。粘着剤や粘着層によって第2のパッキン70上に第2の基板80を固定しても構わない。
貫通孔81,82は貫通孔71,72,61,62とともに溝51に液体を導入するもしくは回収するための流路を構成する(図11D)。
第2のパッキン70および第2の基板80は図1の第2のチャンバ12を規定する。図1の検出装置は、図11Dの破線で囲まれた領域に対応する。
図11Dにおいて、例えば、貫通孔81,71,61(および/または貫通孔82,72,62)から検体液を供給することにより、第1のチャンバ内を検体液で充填した後、貫通孔81,71,61(および/または貫通孔82,72,62)から非検体液を供給することにより、第2のチャンバを非検体液で充填できる。
なお、図12に示すように、検体液を供給する貫通孔81,71,61(および/または貫通孔82,72,62)とは別に非検体液を供給するための貫通孔85を含む第2の基板80を形成することにより、検体液と非検体液との混合を抑制できる。
以上述べたように本実施形態によれば、微細孔4近傍の検出対象物5の濃度を下部電極21上に設けたプローブ23で高める構成を採用することにより、検出感度の向上および検出時間の短縮化を図れる検出装置、検出方法およびプローブ付き電極を提供することができるようになる。
図13は、本実施形態の第1の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。
第1の変形例では、直流電源31の代わりに可変電源31aを用い、第1のチャンバ11内に電極24を設け、そして、電極24に電圧を印加するための可変電源25を設けている。電極24は下部電極21からプローブ23を分離するために用いる。電極24の材料は、例えば、Ptである。以下、電極24を分離用電極24という。なお、図13では、分離用電極24は下部電極21よりも小さいが、分離用電極24のサイズは下部電極21のサイズと同じでも構わない。
第1の変形例では、例えば、以下のようにして下部電極21からプローブ23を分離する。可変電源31aにより上部電極22の電位(V2)を零に設定し、可変電源25により分離用電極24の電位(V3)を下部電極21の電位(V1)よりも高くする。検体液41は通電可能であるため、分離用電極24から下部電極21に向かって電流は流れ、プローブ23は下部電極21から分離する。
なお、検出対象物5が負に帯電している場合、一般には、V3>V1,V2とすれば、下部電極21からプローブ23を分離することは可能である。したがって、V2は必ずしも零である必要はない。しかし、消費電力の観点からはV2は零であることが好ましい。
また、第1の変形例では、例えば、以下のようにして電気泳動により第1のチャンバ11内の検出対象物5を第2のチャンバ12内に移動させる。検出対象物5が負に帯電している場合、可変電源31aにより上部電極22の電位(V2)を下部電極21の電位(V1)よりも高くし、可変電源25により分離用電極24の電位(V3)を零にする。
なお、検出対象物5が負に帯電している場合、一般には、V2>V1,V3とすれば、電気泳動により第1のチャンバ11内の検出対象物5を第2のチャンバ12内に移動させることが可能である。したがって、V3は必ずしも零である必要はない。しかし、消費電力の観点からはV2は零であることが好ましい。
図14は、本実施形態の第2の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。図15は、第2の変形例に係る検出装置の隔壁3および分離用電極24を示す平面図である。
第1の変形例では第1のチャンバ11の下面側に分離用電極24を設けているが、第2の変形例では第1のチャンバ11の上面側に分離用電極24を設けている。図14では、第1のチャンバ11内の隔壁3に分離用電極24を設けている。第2の変形例において、電気泳動により検出対象物を移動させる場合、電極24と電極21との間の電位差を利用しても構わない。
図16は、本実施形態の第3の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。
第3の変形例が第1の変形例と異なる点は三電極系のポテンショスタット26と、参照電極27とをさらに具備していることにある。ポテンショスタット27は参照極、作用極および対向極を有する。参照電極27は第1のチャンバ11内に配置している。参照電極27の材料は、例えば、AgClである。
参照電極27、分離用電極24および下部電極21は、それぞれ、ポテンショスタット27の参照極、作用極および対向極に接続する。ポテンショスタット27により下部電極21と分離用電極との間の電圧を正確に制御することが可能となる。これにより、プローブ23の下部電極21からの分離を正確に行うことが可能となる。
図17は、本実施形態の第4の変形例に係る検出装置を模式的に示す図である。
第4の変形例は、第2の変形例にポテンショスタット27を追加したものであり、分離用電極24をポテンショスタット27の対向電極に接続する。
(第2の実施形態)
図18は、第2の実施形態に係る検出装置1を模式的に示す図である。
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は2種類(複数種)の検出対象物を検出できることにある。2種類の検出対象物を検出するために、本実施形態の検出装置1は、二つのプローブ231, 232、二つの貫通孔41, 42、二つの上部電極221, 222、二つの直流電源311, 312、および、二つの計測回路321, 322を備えている。
プローブ231(以下、第1のプローブ231という)は第1の検出対象物に特異的に結合し、プローブ232(以下、第2のプローブ232という)は第1の検出対象物とは種類が異なる第2の検出対象物に特異的に結合する。
貫通孔41は第1の検出対象物に対応する大きさ(直径)を有し、貫通孔42は第2の検出対象物に対応する大きさ(直径)を有する。以下、貫通孔41および貫通孔42はそれぞれ微細孔41および微細孔42と記載する場合もある。
上部電極221の下方には貫通孔41が位置している。また、上部電極(第4の電極)222の下方には貫通孔42が位置している。上部電極221, 222は下部電極21と対向するように配置する。
直流電源311および計測回路321は上部電極221に対して直列的に接続される。同様に、直流電源312および計測回路322は上部電極222に対して直列的に接続される。
直流電源311の電位は直流電源312の電位と同じでも構わないし、異なっていても構わない。すなわち、第1の検出対象物および第2の検出対象物を検出しやすいように、直流電源311, 312 の電位は選ばれる。また、電位が同じ場合、二つの直流電源311,312は共通の一つの直流電源とすることが可能である。電位が異なる場合、直流電源31および直流電源93を一つの可変電源に変更しても構わない。
本実施形態のプローブ付きの電極(21,231, 232)は、例えば、以下のプロセスにより形成することができる。
下部電極21の形成後、下部電極21の一部の領域上に第1のプローブ231を含む溶液を供給し、その後、下部電極21の別の一部の領域上に第2のプローブ232を含む溶液を供給する。第1のプローブ231を含む溶液の供給、および、第2のプローブ232を含む溶液の供給は、例えば、スクリーンプリント技術やインクジェットプリント技術を用いて行う。このような技術を用いることで、電極21の任意の領域に第1のプローブ231を含む溶液を容易に選択的に供給することが可能となり、同様に、電極21の任意の領域に第2のプローブ232を含む溶液を容易に選択的に供給することが可能となる。
なお、第1の実施形態と同様にマスクを用いた形成方法でもプローブ付きの電極(21,231, 232)は得られる。
次に、本実施形態の検出装置1を用いた検出方法について説明する。
まず、図19に示すように、第1のチャンバ11内を検体液41で充填し、第2のチャンバ12内を非検体液42で充填する。以下、検体液41は負に帯電した検出対象物51, 52 を含んでいるとして説明する。
第1のプローブ231は第1の検出対象物51に特異的に結合するので、微細孔41近傍の第1の検出対象物51の濃度は高くなる。同様に、第2のプローブ232は第2の検出対象物52に特異的に結合するので、微細孔42近傍の第2の検出対象物52の濃度は高くなる。
次に、直流電源311によって下部電極21と上部電極221との間に電圧を印加し、直流電源312によって下部電極21と上部電極222との間に電圧を印加する。
その結果、図20に示すように、第1のプローブ231およびそれに結合した第1の検出対象物51は下部電極21から分離する。同様に、第2のプローブ232およびそれに結合した第2の検出対象物52は下部電極21から分離する。以下、第1のプローブ231に結合した第1の検出対象物51および第2のプローブ232に結合した第2の検出対象物52を、それぞれ、単に第1の検出対象物51および第2の検出対象物52ともいう。
第1のチャンバ11内の検体液41中の第1の検出対象物51は、電気泳動(電場)により、微細孔41を通り第2のチャンバ12内の非検体液42中に移動する。第1の検出対象物51が微細孔41を通過するとき、下部電極21と上部電極221との間の導通状態は変化する。微細孔41近傍の第1の検出対象物51の濃度は高いので、導通状態の変化は起こりやすい。したがって、計測回路321で計測される電流信号の時間変化に基づき、検体液41が第1の検出対象物51を含んでいるか否かを短時間で判断することが可能となる。
第1のチャンバ11内の検体液41中の第2の検出対象物52は、電気泳動(電場)により、微細孔42を通り第2のチャンバ12内の非検体液42中に移動する。第2の検出対象物52が微細孔42を通過するとき、下部電極21と上部電極222との間の導通状態は変化する。微細孔42近傍の第2の検出対象物52の濃度は高いので、導通状態の変化は起こりやすい。したがって、計測回路322で計測される電流信号の時間変化に基づき、検体液41が第2の検出対象物52を含んでいるか否かを短時間で判断することが可能となる。
なお、下部電極21と上部電極221との間に電圧を印加するタイミングと、下部電極21と上部電極222との間に電圧を印加するタイミングは異なっていても構わない。例えば、下部電極21および上部電極221に印加する電位が異なる場合において、直流電源31および直流電源93を一つの可変電源に変更したときには、二つの電圧を印加するタイミングは異なる。
また、本実施形態では、図18に示すように、複数の第1のプローブ231は下部電極21の左側に配置し、複数の第2のプローブ232は上部電極22の左側に配置している。しかし、複数の第1のプローブ231および複数の第2のプローブ232の一部または全ては、下部電極21上において混在するように配置しても構わない。
さらに、複数の第1のプローブ231の本数および複数の第2のプローブ232の本数は同じでも、または、異なっていても構わない。上部電極221の寸法および上部電極222の寸法は同じでも、または、異なっていても構わない。
本実施形態の2種類の検出対象物を検出する検出装置および検出方法に準じて、3種類以上の検出対象物を対象とする検出装置および検出方法を実施することも可能である。
また、本実施形態では、第1のプローブ231および第2のプローブ232はそれぞれ別種の検出対象物に特異的に結合するとしたが、第1のプローブ231および第2のプローブ232は同じ検出対象物に特異的に結合しても構わない。すなわち、本実施形態の検出装置および検出方法は、1種類の検出対象物を対象とする検出装置および検出方法にも適用可能である。
(第3の実施形態)
図21は、第3の実施形態に係る検出装置1を模式的に示す図である。
本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、二つ(複数)の下部電極211, 212を備えていることにある。
下部電極211には第1のプローブ231が分離可能に結合しており、下部電極(第3の電極)212には第2のプローブ232が分離可能に結合している。
上部電極221は下部電極211に対向して配置され、上部電極222は下部電極212に対向して配置されている。
下部電極211と上部電極221との間には貫通孔41が位置しており、下部電極212と上部電極222との間には貫通孔42が位置している。
次に、本実施形態の検出装置1を用いた検出方法について説明する。
まず、図22に示すように、第1のチャンバ11内を検体液41で充填し、第2のチャンバ12内を非検体液42で充填する。
第1のプローブ231は第1の検出対象物51に特異的に結合するので、微細孔41近傍の第1の検出対象物51の濃度は高くなる。同様に、第2のプローブ232は第2の検出対象物52に特異的に結合するので、微細孔42近傍の第2の検出対象物52の濃度は高くなる。
次に、直流電源311によって下部電極211と上部電極221との間に電圧を印加し、直流電源312によって下部電極212と上部電極222との間に電圧を印加する。
その結果、図23に示すように、第1のプローブ231およびそれに結合した第1の検出対象物51は下部電極211から分離する。同様に、第2のプローブ232およびそれに結合した第2の検出対象物52は下部電極212から分離する。
第1のチャンバ11内の検体液41中の第1の検出対象物51は、電気泳動(電場)により、微細孔41を通り第2のチャンバ12内の非検体液42中に移動する。第1の検出対象物51が微細孔41を通過するとき、下部電極211と上部電極221との間の導通状態は変化する。微細孔41近傍の第1の検出対象物51の濃度は高いので、導通状態の変化は起こりやすい。したがって、計測回路321で計測される電流信号の時間変化に基づき、検体液41が第1の検出対象物51を含んでいるか否かを短時間で判断することが可能となる。
第1のチャンバ11内の検体液41中の第2の検出対象物52は、電気泳動(電場)により、微細孔42を通り第2のチャンバ12内の非検体液42中に移動する。第2の検出対象物52が微細孔42を通過するとき、下部電極212と上部電極222との間の導通状態は変化する。微細孔42近傍の第2の検出対象物52の濃度は高いので、導通状態の変化は起こりやすい。したがって、計測回路322で計測される電流信号の時間変化に基づき、検体液41が第2の検出対象物52を含んでいるか否かを短時間で判断することが可能となる。
本実施形態では、下部電極211は下部電極212とは物理的に別のものである。そのため、下部電極211は第1のプローブ231に対して容易に最適化でき、下部電極212は第2のプローブ232に対して容易に最適化できる。例えば、第1のプローブ231が下部電極211に分離可能に結合するために適した材料または/および面方位を含む下部電極211を使用することができ、かつ、第2のプローブ232が上部電極212に分離可能に結合するために適した材料または/および面方位を含む上部電極212を使用することができる。
本実施形態の下部電極211, 212の形成方法は、例えば、第1の実施形態の下部電極21の形成方法と同じである。
本実施形態の検出装置および検出方法は、第2の実施形態と同様に、3種類以上の検出対象物を対象とする検出装置および検出方法に適用可能であり、そして、同一種類の検出対象物を対象とする検出装置および検出方法にも適用可能である。
(第4の実施形態)
図24は、第4の実施形態に係る検出装置1を模式的に示す図である。
本実施形態の検出装置1は流路構造の第1のチャンバ11を備えている。第1のチャンバ11内に導入された検体液(不図示)は、例えば、左から右の方向6に流れる。その結果、検体液中の検出対象物(不図示)は左から右の方向6に進むので、検出対象物がプローブ23に結合するまでの時間を短縮できる。本実施形態の流路構造は第1〜第3の実施形態にも適用できる。
検体液の流れは、例えば、ポンプ(不図示)による送液によって発生することができる。また、チャンバ11内の検体液の下流(流路下流)側に吸収帯を設け、当該吸収帯に検体液を吸収させることによっても検体液の流れを発生することはできる。検体液の流速は、例えば、0.001−1000μL/minの範囲内で適宜変更する。
本実施形態の検出装置1は、検体液中の検出対象物をプローブ23に誘導するための誘導機構を備えている点でも、第1〜第3の実施形態とは異なる。
上記誘導機構は、下部誘導電極(第5の電極)91、上部誘導電極(第6の電極)92および直流電源93を含む。下部誘導電極91は下部電極21と同様に第1のチャンバ11内の底面に設けられている。下部誘導電極91は接地されている。下部誘導電極91は下部電極21から一定距離だけ離れて配置されている。
上部誘導電極92は第1のチャンバ11内の上面に設けられ、直流電源93に接続されている。上部誘導電極92は隔壁3から一定距離だけ離れて下部誘導電極91と対向するように配置されている。
なお、直流電源31および直流電源93を一つの可変電源に変更しても構わない。下部誘導電極91および上部誘導電極92の材料は、例えば、下部電極21の材料と同じである。
次に、本実施形態の検出装置1を用いた検出方法について説明する。
まず、図25に示すように、第2のチャンバ12内を非検体液42で充填し、第1のチャンバ11内を充填するように検体液41を流す。以下、検体液41は負に帯電した検出対象物5を含んでいるとして説明する。
直流電源93により下部誘導電極91に正の電位、上部誘導電極92に負の電位を与える。その結果、下部誘導電極91から上部誘導電極92に向けて電気力線が生じる。このとき、直流電源31はオフであり、下部電極21と上部電極22との間には電位差は生じていない。
検出対象物5は負に帯電しているので、左から右の方向6に進んでいる検出対象物5には上記電気力線によって下向きの力が作用する。その結果、下部電極21上のプローブ23に近づくように、検出対象物5の進む方向は変わる。
このようにプローブ23に近づくように検出対象物5を誘導すること(誘導工程)により、図4に示した状態、つまり、プローブ23に検出対象物5が結合した状態を容易に実現することができる。上記誘導工程を予め定めた一定の期間を行った後、直流電源93をオフにするとともに、検体液41の流れを止める。
この後は、第1の実施形態と同様に、直流電源31によって下部電極21と上部電極22との間に電圧を印加して下部電極21からプローブ23を分離し、計測回路32により検出対象物5の有無の判断を行う。
図29は、本実施形態の検出装置1の他の変形例を模式的に示す図である。この変形例では第2のチャンバ12内に上部誘導電極92を設ける。より詳細には、第2のチャンバ12内の下面(底)に上部誘導電極92を設ける。
第2のチャンバ12内の下面(第1のチャンバ内の上面)は図26Cに示したフィルム75により規定される。フィルム75は薄いので、直流電源93によって下部誘導電極91と上部誘導電極92との間に電位差を与えることができる。その結果、上述した電気力線が発生し、プローブ23の近くに検出対象物を誘導することが可能となる。
また、第2のチャンバ12内には検出液は流さないので、第2のチャンバ12内の上部誘導電極92にプローブ34を設ける必要はない。
図26A〜図26Dは、本実施形態の検出装置1の製造方法の一例を説明するための平面図である。
まず、図26Aに示すように、第1の基板50上に、下部電極21およびその引き出し電極21a、ならびに、下部誘導電極91およびその引き出し電極91aを形成する。第1の基板50は第1のチャンバ11の底面(流路底)を規定する。
下部誘導電極91の長さ101は例えば5mmであり、下部電極21の長さ102は例えば1mmである。下部誘導電極91および下部電極21の幅は例えば1mmである。
次に、図26Bに示すように、パッキン(スペーサ)60を形成する。パッキン60は第1のチャンバ11の側面(流路壁)を規定する。本実施形態ではパッキン60は粘着性を有するとする。
パッキン60には、第1の実施形態の貫通孔61,62(図10、図11B)に対応する貫通孔61a,62aが設けられている。パッキン60は、流路に対応する貫通孔65および引き出し電極91aを引き出すための貫通孔66がさらに設けられている。貫通孔65は貫通孔61aと貫通孔62aとを繋ぐように形成し、貫通孔61a,62a,65は一つの貫通孔を構成している。流路幅を規定する貫通孔65の幅は例えば1mm、流路高さを規定するパッキン60の厚さは例えば25μmである。
次に、図26Cに示すように、フィルム(薄膜)75を形成する。フィルム75には貫通孔61a’および貫通孔61b’が設けられている。フィルム75の貫通孔61a’および貫通孔61b’は、それぞれ、パッキン60の貫通孔61aおよび貫通孔61bに連通する。貫通孔61a’および貫通孔61aは流路を構成する。同様に、貫通孔62a’および貫通孔62aは流路を構成する。フィルム75は第1のチャンバ11内の上面および第2のチャンバ12内の下面を規定する。
フィルム75には、隔壁3の貫通孔4に対応する貫通孔76、引き出し電極21aを引き出すための貫通孔77、および、引き出し電極91aを引き出すための貫通孔78が設けられている。
次に、図26Dに示すように、フィルム75上に上部誘導電極92およびその引き出し電極92aを形成する。フィルム75の貫通孔76の周囲に粘着性を有する粘着部材(例えば、粘着層または粘着剤)79を形成し、その粘着部材79上に隔壁3を配置することにより、フィルム75上に隔壁3を固定する。このとき、隔壁3の貫通孔4がフィルム75の貫通孔76に連通するように、フィルム75上に隔壁3を固定する。貫通孔76は一般には貫通孔4よりも大きい。
次に、図26Aの第1の基板50上に図26Bのパッキン60を固定する。
その後、パッキン60上に図26Dのフィルム75を固定する。この段階の構造の断面図を図27に示す。図27の断面図は図26Dの矢視21−21に沿った断面に対応する。
次に、周知の方法に従って第2のチャンバ12および上部電極22を含む構造を形成する。その後、上部電極22に対して直流電源31および計測回路32を直列に接続し、そして、上部誘導電極92に直流電源93を接続する。
なお、図26A〜図26Dに示した工程の順番は適宜変更可能である。例えば、図26Bの工程は、図26Aの工程の前、または、図26Dの工程の後でも構わない。
図28は、本実施形態の第1の変形例に係る検出装置1を模式的に示す図である。この変形例では、下部誘導電極91に検出対象物が非特異的に吸着することを抑制するためのプローブ34を下部誘導電極91に設けている。
プローブ34は、例えば、一端が下部誘導電極91に結合し、他端がOH基であるチオール分子を含む。すなわち、プローブ34は、例えば、図3の第2の部分23-2をOH基に置き換えた構造を含む。下部誘導電極91の表面にはOH基が露出する。OH基は親水的であるため、検出対象物5の吸着を抑制するのに有効である。
なお、下部誘導電極91および上部誘導電極92の両方にプローブ34を設けても構わない。下部誘導電極91に設けるプローブ34(官能基)は、上部誘導電極92に設けるプローブ34(官能基)と同じでも、または、異なっていても構わない。また、上部誘導電極92のみにプローブ34を設けても構わない。
図29は、本実施形態の第2の変形例に係る検出装置1を模式的に示す図である。第2の変形例では第2のチャンバ12内に上部誘導電極92を設ける。より詳細には、第2のチャンバ12内の下面(底)に上部誘導電極92を設ける。図30は第2の変形例に係る検出装置1の製造途中の構造を示す断面図であり、図27の断面図に相当する。第2の変形例では、フィルム75の第1の面(表面)側に上部誘導電極92を形成し、フィルム75の第1の面と反対側の面(裏面)側に粘着部材79および隔壁3を形成する。
第2のチャンバ12内の下面(第1のチャンバ内の上面)は図26Cに示したフィルム75により規定される。フィルム75は薄いので、直流電源93によって下部誘導電極91と上部誘導電極92との間に電位差を与えることができる。その結果、上述した電気力線が発生し、プローブ23の近くに検出対象物を誘導することが可能となる。
また、第2のチャンバ12内には検出液は流さないので、第2のチャンバ12内の上部誘導電極92にプローブ34を設ける必要はない。
図31は、本実施形態の第3の変形例に係る検出装置1を模式的に示す図である。第3の変形例では第2のチャンバ12内に隔壁3および上部誘導電極92を設ける。より詳細には、第2のチャンバ12内の下面(底)に隔壁3および上部誘導電極92を設ける。図32は第3の変形例に係る検出装置1の製造途中の構造を示す断面図であり、図27の断面図に相当する。第3の変形例では、フィルム75の表面側に上部誘導電極92、粘着部材79および隔壁3を形成する。
図33は、本実施形態の第4の変形例に係る検出装置1を模式的に示す図である。第4の変形例では第1のチャンバ11内に上部誘導電極92を設け、第2のチャンバ12内に隔壁3を設ける。より詳細には、第1のチャンバ11内の上面に上部誘導電極92を設け、第2のチャンバ12内の下面に隔壁3を設ける。図34は第4の変形例に係る検出装置1の製造途中の構造を示す断面図であり、図27の断面図に相当する。第4の変形例では、フィルム75の表面側に粘着部材79および隔壁3を形成し、フィルム75の裏面側に上部誘導電極92を形成する。
以上述べた実施形態の上位概念、中位概念および下位概念の一部または全ては、例えば以下のような付記1−20で表現できる。
[付記1]
検出対象物を含む可能性のある第1の液体が供給される第1の領域と、
前記第1の領域に設けられた第1の電極と、
第2の液体が供給される第2の領域と、
前記第2の領域に設けられた第2の電極と、
前記第1の領域と前記第2の領域とを区画するとともに、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通する貫通孔が設けられた隔壁と、
前記第1の電極に分離可能に結合しており、前記検出対象物に特異的に結合するプローブと、
前記第1の電極から前記プローブを分離する分離手段と、
前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ前記第1の液体および前記第2の液体が供給された状態における、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気的状態の変化に基づき、前記第1の液体が前記検出対象物を含むか否かを判断する判断手段と
を具備してなることを特徴とする検出装置。
[付記2]
前記プローブは、前記第1の電極に分離可能に結合している第1の部分と、前記検出対象物と特異的に結合する第2の部分とを含むことを特徴とする付記1に記載の検出装置。
[付記3]
前記プローブの前記第1の部分は、チオールまたはジスルフィドを含むことを特徴とする付記2に記載の検出装置。
[付記4]
前記プローブの前記第2の部分は、抗体、核酸、ペプチドまたは糖鎖を含むことを特徴とする付記2または3に記載の検出装置。
[付記5]
前記第1の電極は金、銀、銅または白金を含むことを特徴とする付記1ないし4のいずれか1項に記載の検出装置。
[付記6]
前記プローブは、前記検出対象物に特異的に結合する第1のプローブと、前記検出対象物とは種類が異なる別の検出対象物に特異的に結合する第2のプローブとを含むことを特徴とする付記1ないし5のいずれか1項に記載の検出装置。
[付記7]
前記第1のプローブおよび前記第2のプローブはそれぞれ前記第1の電極の異なる領域に分離可能に結合していることを特徴とする付記6に記載の検出装置。
[付記8]
前記第1の領域に設けられた第3の電極をさらに具備してなり、
前記第1のプローブは前記第1の電極に分離可能に結合しており、前記第2のプローブは前記第3の電極に分離可能に結合していることを特徴とする付記6に記載の検出装置。
[付記9]
前記第2の領域に設けられ、前記第3の電極に対向して配置された第4の電極をさらに具備してなり、
前記第1の電極は前記第2の電極に対して対向して配置され、
前記隔壁には、前記第1の電極と前記第2の電極との間に設けられた貫通孔と、前記第3の電極と前記第4の電極との間に設けられた貫通孔が設けられていることを特徴とする付記8に記載の検出装置。
[付記10]
前記分離手段は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電圧印加手段を含むことを特徴とする付記1ないし9のいずれか1項に記載の検出装置。
[付記11]
前記第1の液体中に含まれている可能性のある前記検出対象物を前記プローブに誘導するための誘導手段をさらに具備してなることを特徴とする付記1ないし10のいずれか1項に記載の検出装置。
[付記12]
前記誘導手段は、
前記第1の領域に設けられた第5の電極と、
前記第5の電極と対向する第6の電極と、
前記第5の電極と前記第6の電極との間の電圧を制御する電圧制御手段と
を含むことを特徴とする付記11に記載の検出装置。
[付記13]
前記第2の領域に供給される前記第2の液体は前記検出対象物を含まないことを特徴とする付記1ないし12のいずれか1項に記載の検出装置。
[付記14]
前記検出対象物は、ウイルス、細菌、核酸、タンパク質または細胞を含むことを特徴とする付記1ないし13のいずれか1項に記載の検出装置。
[付記15]
第1の領域と、
前記第1の領域に設けられた第1の電極と、
第2の領域と、
前記第2の領域に設けられた第2の電極と、
前記第1の領域と前記第2の領域とを区画するとともに、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通する貫通孔が設けられた隔壁と、
前記第1の電極に分離可能に結合されており、検出対象物に特異的に結合するプローブとを具備してなる検出装置を用いた検出方法であって、
前記第1の領域に前記検出対象物を含む可能性のある第1の液体を供給し、前記第2の領域に第2の液体を供給する工程と、
前記第1の電極から前記プローブを分離する工程と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気的状態の変化に基づき、前記第1の液体が前記検出対象物を含むか否かを判断する工程と
を具備してなることを特徴とする検出方法。
[付記16]
前記第1の電極から前記プローブを分離する工程の前に、前記第1の液体中に含まれている可能性のある前記検出対象物を前記プローブに誘導するための工程をさらに具備してなることを特徴とする付記15に記載の検出方法。
[付記17]
前記第1の液体は通電可能な液体であり、
前記第2の液体は通電可能であるとともに前記検出対象物を含まない液体であることを特徴とする付記15または16に記載の検出方法。
[付記18]
電極と、
前記電極に分離可能に結合されており、液体中の検出対象物に特異的に結合するプローブと
を具備しなることを特徴とするプローブ付き電極。
[付記19]
前記プローブは所定の処理により前記電極から分離するように構成されていることを特徴とする付記18に記載のプローブ付き電極。
[付記20]
前記プローブは、前記電極に分離可能に結合した第1の部分と、前記検出対象物と特異的に結合する第2の部分とを含み、
前記所定の処理は、前記第1の部分を還元する処理を含むことを特徴とする付記19に記載のプローブ付き電極。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…検出装置、2…容器、3…隔壁、4,41, 42…貫通孔(微細孔)、5…検出対象物、51…第1の検出対象物、52…第2の検出対象物、11…第1のチャンバ(第1の領域)、12…第2のチャンバ(第2の領域)、21…下部電極(第1の電極)、211…下部電極、212…下部電極、21a…引き出し電極、22…上部電極(第2の電極)、221…上部電極(第3の電極), 222…上部電極(第4の電極)、23…プローブ、23-1…第1の部分、23-2…第2の部分、24…分離用電極26…ポテンショスタット、27…参照電極、25…可変電源、31,311, 312…直流電源(分離手段)、31a…可変電源、32,321, 322…計測回路(判断手段)、34…プローブ、41…検体液(第1の液体)、42…非検体液(第2の液体)、50…第1の基板、51…溝、61,61a,61a’,62,62a,62a’,63,64,65,66…貫通孔、75…フィルム、76,77,78…貫通孔、79…粘着部材、80…第2の基板、81,82,83…貫通孔、84…溝、91…下部誘導電極(第5の電極)、91a…引き出し電極、92…上部誘導電極(第6の電極)、93…直流電源。
本発明の目的は、検出感度の向上および検出時間の短縮化を図れる検出装置および検出方法を提供することにある。

Claims (9)

  1. 検出対象物を含む可能性のある第1の液体が供給される第1の領域と、
    前記第1の領域に設けられた第1の電極と、
    第2の液体が供給される第2の領域と、
    前記第2の領域に設けられた第2の電極と、
    前記第1の領域と前記第2の領域とを区画するとともに、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通する貫通孔が設けられた隔壁と、
    前記第1の電極に分離可能に結合しており、前記検出対象物に特異的に結合するプローブと、
    前記第1の電極から前記プローブを分離する分離手段と、
    前記第1の領域および前記第2の領域にそれぞれ前記第1の液体および前記第2の液体が供給された状態における、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気的状態の変化に基づき、前記第1の液体が前記検出対象物を含むか否かを判断する判断手段と
    を具備してなることを特徴とする検出装置。
  2. 前記プローブは、前記第1の電極に分離可能に結合している第1の部分と、前記検出対象物と特異的に結合する第2の部分とを含むことを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記プローブは、前記検出対象物に特異的に結合する第1のプローブと、前記検出対象物とは種類が異なる別の検出対象物に特異的に結合する第2のプローブとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の検出装置。
  4. 前記分離手段は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加する電圧印加手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の検出装置。
  5. 前記第1の液体中に含まれている可能性のある前記検出対象物を前記プローブに誘導するための誘導手段をさらに具備してなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の検出装置。
  6. 前記誘導手段は、
    前記第1の領域に設けられた第5の電極と、
    前記第5の電極と対向する第6の電極と、
    前記第5の電極と前記第6の電極との間の電圧を制御する電圧制御手段と
    を含むことを特徴とする請求項5に記載の検出装置。
  7. 第1の領域と、
    前記第1の領域に設けられた第1の電極と、
    第2の領域と、
    前記第2の領域に設けられた第2の電極と、
    前記第1の領域と前記第2の領域とを区画するとともに、前記第1の領域と前記第2の領域とを連通する貫通孔が設けられた隔壁と、
    前記第1の電極に分離可能に結合されており、検出対象物に特異的に結合するプローブとを具備してなる検出装置を用いた検出方法であって、
    前記第1の領域に前記検出対象物を含む可能性のある第1の液体を供給し、前記第2の領域に第2の液体を供給する工程と、
    前記第1の電極から前記プローブを分離する工程と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気的状態の変化に基づき、前記第1の液体が前記検出対象物を含むか否かを判断する工程と
    を具備してなることを特徴とする検出方法。
  8. 前記第1の電極から前記プローブを分離する工程の前に、前記第1の液体中に含まれている可能性のある前記検出対象物を前記プローブに誘導するための工程をさらに具備してなることを特徴とする請求項7に記載の検出方法。
  9. 電極と、
    前記電極に分離可能に結合されており、液体中の検出対象物に特異的に結合するプローブと
    を具備しなることを特徴とするプローブ付き電極。
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