JP2019044800A - 偏心揺動型減速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊星回転体に作用する回転モーメントを低減することができる偏心揺動型減速装置を提供する。【解決手段】バルブタイミング調整装置10は、遊星回転体24と第2回転体22との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部25を備えている。偏心吸収部25は、遊星回転体24と一体に設けられている第1係合溝51と、第2回転体22と一体に設けられている第2係合溝52と、第1係合溝51および第2係合溝52に対して径方向へ揺動しながら動力を伝達するスライダ53と、を含むオルダム機構である。第1係合溝51とスライダ53との動力伝達中心点P1は、遊星回転体24のスライダ53側の一端面65より外歯車48の歯幅中心Ctw側に位置している。そのため、遊星回転体24に作用する回転モーメントM1を低減することができる。【選択図】図9

Description

本発明は、偏心揺動型減速装置に関する。
従来、第1回転体と第2回転体との間で動力を伝達しつつ、第1回転体内の遊星回転体を遊星運動させることで第1回転体と第2回転体との相対回転位相を変化させる偏心揺動型減速装置が知られている。遊星回転体は、第1回転体の内歯車に噛み合う外歯車を有する。特許文献1では、遊星回転体と第2回転体との間の偏心を吸収する機構として、オルダム継手が採用されている。
特開2016−44627号公報
特許文献1では、オルダム継手は、オルダムリング、第1凸部および第2凸部から構成されている。オルダムリングは、遊星回転体と第2回転体との間に設けられている。第1凸部は、遊星回転体からオルダムリングに向けて軸方向へ突き出すように設けられている。第2凸部は、第2回転体からオルダムリングに向けて軸方向へ突き出すように設けられている。オルダムリングには、径方向へ貫通しており第1凸部に係合する第1凹部と、径方向へ貫通しており第2凸部に係合する第2凹部とが形成されている。
このように構成された装置では、遊星回転体の外歯車が第1回転体の内歯車から力を受ける一方で、外歯車に対して軸方向に離れた位置で、オルダム継手の第1凸部がオルダムリングの第1凹部から力を受ける。そのため、これらの力に起因して、遊星回転体には、回転軸心に直交する軸まわりに遊星回転体を回転させる比較的大きなモーメント(以下、回転モーメント)が作用する。この回転モーメントは、外歯車の摩耗、伝達効率の低下、および騒音の原因となるため、できるだけ小さくすることが望ましい。
本発明の目的は、遊星回転体に作用する回転モーメントを低減することができる偏心揺動型減速装置を提供することである。
本開示の偏心揺動型減速装置は、内歯車(36)を有する第1回転体(21)と、第1回転体と同軸上に設けられている第2回転体(22)と、内歯車と噛み合う外歯車(48)を有している遊星回転体(24、81)と、遊星回転体と第2回転体との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部(25)とを備えている。遊星回転体は、第1回転体の回転軸心(AX1)まわりに公転しながら、回転軸心に対して偏心している偏心軸心(AX2)を中心に回転することで、第1回転体と第2回転体との相対回転位相を変化させる。
偏心吸収部は、遊星回転体と一体に設けられている第1係合溝(51、83)と、第2回転体と一体に設けられている第2係合溝(52)と、第1係合溝および第2係合溝に対して径方向へ揺動しながら動力を伝達するスライダ(53、84)と、を含むオルダム機構である。
第1係合溝とスライダとの動力伝達中心点(P1)は、遊星回転体のスライダ側の一端面(65)より外歯車の歯幅中心(Ctw)側に位置している。
このように構成することで、従来のように遊星回転体の一端面からスライダ側に突き出させた凸部をオルダム機構の一部とする形態と比べて、第1係合溝とスライダとの動力伝達中心点が外歯車の歯幅中心に近くなる。したがって、遊星回転体に作用する回転モーメントを低減することができる。
第1実施形態の偏心揺動型減速装置が適用されたバルブタイミング調整装置の断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図であって、遊星回転体およびスライダ等を示す図である。 図1のIV−IV線断面図であって、第2回転体およびスライダ等を示す図である。 図1のスライダの正面図である。 図1の遊星回転体の正面図である。 図1の第2回転体の正面図である。 図1のVIII部分の拡大図である。 図8の矢印IX方向から見た遊星回転体およびスライダを模式的に示す図である。 第2実施形態の遊星回転体およびスライダの要部を示す断面図であって、第1実施形態における図8に相当する図である。 図10の矢印XI方向から見た遊星回転体およびスライダを模式的に示す図である。 比較形態の遊星回転体およびスライダを模式的に示す図である。
以下、複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
第1実施形態の偏心揺動型減速装置は、図1に示すバルブタイミング調整装置に適用されている。バルブタイミング調整装置10は、内燃機関11のクランクシャフト12からカムシャフト13までの動力伝達経路に設けられており、カムシャフト13が開閉駆動する吸気弁または排気弁のバルブタイミングを調整する。
図1〜図4に示すように、バルブタイミング調整装置10は、第1回転体21、第2回転体22、入力回転体23、遊星回転体24、および偏心吸収部25を備えている。
第1回転体21は、クランクシャフト12に同期して回転軸心AX1を中心に回転する。第1回転体21は、有底筒状であり、底部31のシャフト挿通孔32にカムシャフト13が挿入されている。回転軸心AX1はカムシャフト13の軸心と略一致している。筒部33の外壁にはスプロケット34が一体に設けられている。スプロケット34は、チェーン等の伝達部材35を介してクランクシャフト12に連結されている。筒部33の内壁の開口側には内歯車36が一体に設けられている。
第2回転体22は、第1回転体21と同軸上に設けられており、カムシャフト13と一体に回転する。第2回転体22は、段付き円板状であり、中央部が締結部材37によりカムシャフト13に固定されている。
入力回転体23は、筒状であり、第1回転体21と同軸上に設けられている。入力回転体23と第2回転体22の段付部との間には軸受38が設けられている。入力回転体23の内壁には嵌合溝41が形成されている。入力回転体23は、嵌合溝41に回転式アクチュエータ42の回転軸43の継手部44が嵌合することにより、回転式アクチュエータ42に連結されている。
また、入力回転体23は、回転軸心AX1に対して偏心している偏心部45を有している。偏心部45の偏心側には、径方向外側に向かって開口する凹部46が形成されている。凹部46には弾性部材47が収容されている。以降、偏心部45の軸心のことを偏心軸心AX2と記載する。
遊星回転体24は、内歯車36と噛み合う外歯車48を有しており、偏心部45と同軸上に設けられている。偏心部45と遊星回転体24との間には軸受49が設けられている。遊星回転体24は、第1回転体21に対して入力回転体が相対回転するとき、回転軸心AX1まわりに公転しながら偏心軸心AX2を中心に回転する(すなわち自転する)ことで、第1回転体21と第2回転体22との相対回転位相を変化させる。
偏心吸収部25は、遊星回転体24と第2回転体22との間の偏心を吸収しながらそれら相互間で動力を伝達する。第1実施形態では、偏心吸収部25は、遊星回転体24と一体に設けられている第1係合溝51と、第2回転体22と一体に設けられている第2係合溝52と、第1係合溝51および第2係合溝52に対して径方向へ揺動しながらそれら相互間で動力を伝達するスライダ53と、を含むオルダム機構である。
図1〜図5に示すように、スライダ53は、環状部54、第1突起部55および第2突起部56を有している。第1突起部55および第2突起部56は、環状部54から径方向外側に突き出している。環状部54のうち幅方向の一方側を一側部57とし、幅方向の他方側を他側部58とする。第1突起部55は、一側部57のうち、軸方向に直交する第1摺動方向上の2箇所に設けられている。第2突起部56は、他側部58のうち、軸方向および第1摺動方向に交差する第2摺動方向上の2箇所に設けられている。
図3に示すように、第1突起部55は、第1係合溝51に嵌合している。第1係合溝51は、周方向で第1突起部55の第1突起係合面61と対向する箇所に第1溝係合面62を有している。第1突起係合面61は、第1溝係合面62に対して、周方向で当接するとともに第1摺動方向に摺動可能である。つまり、第1突起部55は、第1係合溝51にスライド自在に係合している。
図4に示すように、第2突起部56は、第2係合溝52に嵌合している。第2係合溝52は、周方向で第2突起部56の第2突起係合面63と対向する箇所に第2溝係合面64を有している。第2突起係合面63は、第2溝係合面64に対して、周方向で当接するとともに第2摺動方向に摺動可能である。つまり、第2突起部56は、第2係合溝52にスライド自在に係合している。
図1、図3、図6、図8に示すように、遊星回転体24は、スライダ53側の一端面65から他端面66側に凹み、スライダ53の環状部54の一側部57を収容している環状の第1収容凹部67を有している。第1係合溝51は、第1収容凹部67から径方向外側に延びるように形成されている。第1係合溝51は、外歯車48の歯面まで貫通していない。
第1係合溝51は、遊星回転体24のスライダ53側の一端面65から他端面66側に凹むように形成されている。図9に示すように、遊星回転体24とスライダ53との動力伝達中心点P1、すなわち、第1突起部55と第1係合溝51との係合範囲の中心点は、一端面65よりも外歯車48の歯幅中心Ctw側に位置している。第1実施形態では、動力伝達中心点P1は、外歯車48の歯幅Wt内に位置している。外歯車48と内歯車36とが噛み合っている幅を噛み合い幅Wmとすると、第1実施形態では、噛み合い幅Wmは外歯車48の歯幅Wtと一致する。
図2、図4、図7に示すように、第2回転体22は、スライダ53側の一端面71から他端面72側に凹み、スライダ53の環状部54の他側部58を収容している環状の第2収容凹部73を有している。第2係合溝52は、第2収容凹部73から径方向外側に延びるように形成されている。
第2係合溝52は、第2回転体22のスライダ53側の一端面71からカムシャフト13側に凹むように形成されている。スライダ53と第2回転体22との動力伝達中心点、すなわち、第2突起部56と第2係合溝52との係合範囲の中心点は、一端面71よりもカムシャフト13側に位置している。
図8に示すように、一端面65から第1収容凹部67の底面74までの深さをGDr1とし、一端面71から第2収容凹部73の底面75までの長さをGDr2とし、軸方向におけるスライダ53の幅をWsとすると、次の式(1)の関係が成り立つ。
GDr1+GDr2>Ws・・・(1)
これにより、遊星回転体24の一端面65と第2回転体22の一端面71とが当接した状態において、スライダ53と第1収容凹部67の底面74との間、および、スライダ53と第2収容凹部73の底面75との間の少なくとも一方には隙間ができる。
図5に示すように、スライダ53の環状部54の外径をDsoとする。図6に示すように、第1収容凹部67の外側内壁面76の直径をDr1oとする。図7に示すように、第2収容凹部73の外側内壁面77の直径をDr2oとする。また、回転軸心AX1と偏心軸心AX2との偏心量をXeとし、スライダ53に最大負荷がかかるときの環状部54の径方向の変形量をXdとすると、次の式(2)、(3)の関係が成り立つ。
Dr1o>Dso+2Xe+Xd・・・(2)
Dr2o>Dso+2Xe+Xd・・・(3)
これにより、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と外側内壁面76との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と外側内壁面77との間には隙間ができる。
図5に示すように、スライダ53の環状部54の内径をDsiとする。図6に示すように、第1収容凹部67の内側内壁面78の直径をDr1iとする。また、図7に示すように、第2収容凹部73の内側内壁面79の直径をDr2iとすると、次の式(4)、(5)の関係が成り立つ。
Dr1i<Dsi−2Xe−Xd・・・(4)
Dr2i<Dsi−2Xe−Xd・・・(5)
これにより、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と内側内壁面78との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と内側内壁面79との間には隙間ができる。
図5に示すように、スライダ53の一方の第1突起部55の先端から他方の第1突起部55の先端までの長さをLs1とし、スライダ53の一方の第2突起部56の先端から他方の第2突起部56の先端までの長さをLs2とする。図6に示すように、一方の第1係合溝51の端から他方の第1係合溝51の端までの長さをLg1とする。また、図7に示すように、一方の第2係合溝52の端から他方の第2係合溝52の端までの長さをLg2とすると、次の式(6)、(7)の関係が成り立つ。
Lg1>Ls1+2Xe・・・(6)
Lg2>Ls2+2Xe・・・(7)
これにより、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、径方向において第1突起部55と第1係合溝51との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、径方向において第2突起部56と第2係合溝52との間には隙間ができる。
(効果)
以上説明したように、第1実施形態では、バルブタイミング調整装置10は、遊星回転体24と第2回転体22との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部25を備えている。偏心吸収部25は、遊星回転体24と一体に設けられている第1係合溝51と、第2回転体22と一体に設けられている第2係合溝52と、第1係合溝51および第2係合溝52に対して径方向へ揺動しながら動力を伝達するスライダ53と、を含むオルダム機構である。
第1係合溝51とスライダ53との動力伝達中心点P1は、遊星回転体24のスライダ53側の一端面65より外歯車48の歯幅中心Ctw側に位置している。
ここで、図12に示すように、従来のように遊星回転体101の一端面102からスライダ103側に突き出させた凸部104と、凸部104に嵌合する凹部105とをオルダム機構の一部とする比較形態について考える。この比較形態において、遊星回転体101には、外歯車106が図示しない内歯車から受ける力Fgと、動力伝達点Pにおいて凸部104がスライダ103から受ける力Foがかかる。そのため、これらの力Fg、Foに起因して、遊星回転体101には、偏心軸心AX2に直交する軸AX3まわりに遊星回転体101を回転させる回転モーメントMが作用する。この回転モーメントMは、外歯車106の摩耗、伝達効率の低下、および騒音の原因となるため、できるだけ小さくすることが望ましい。
この点において、第1実施形態では動力伝達中心点P1が遊星回転体24の一端面65より歯幅中心Ctw側に位置しているので、図12に示す比較形態と比べて、動力伝達中心点P1が歯幅中心Ctwに近くなる。そのため、遊星回転体24に作用する回転モーメントM1を低減することができる。したがって、伝達効率を向上させ、外歯車48の摩耗および騒音を抑制することができる。
また、第1実施形態では、動力伝達中心点P1は外歯車48の歯幅Wt内に位置している。
これにより、動力伝達中心点P1を外歯車48の歯幅中心Ctwにより近くして、遊星回転体24に作用する回転モーメントM1を一層低減することができる。
また、第1実施形態では、スライダ53は、環状部54と、環状部54から径方向外側に突き出して第1係合溝51に嵌合している第1突起部55と、環状部54から径方向外側に突き出して第2係合溝52に嵌合している第2突起部56と、を有している。
このように構成することで、図12に示すように凸部104を軸方向に突き出すように構成する形態と比べて、第1突起部55および第2突起部56がより径方向外側に配置される。そのため、トルクが作用したときに第1突起部55の第1突起係合面61および第2突起部56の第2突起係合面63にかかる力が低減されるので、第1突起係合面61および第2突起係合面63の摩耗が低減される。
また、第1実施形態では、前記の式(1)の関係が成り立つ。
そのため、遊星回転体24の一端面65と第2回転体22の一端面71とが当接した状態において、スライダ53と第1収容凹部67の底面74との間、および、スライダ53と第2収容凹部73の底面75との間の少なくとも一方には隙間ができる。したがって、遊星回転体24と第2回転体22との間でスライダ53がロックすること(すなわち、相対移動不能となること)を抑制することができる。
また、第1実施形態では、前記の式(2)、(3)の関係が成り立つ。
そのため、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と外側内壁面76との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と外側内壁面77との間には隙間ができる。したがって、スライダ53が遊星回転体24および第2回転体22に対してロックすること(すなわち、相対移動不能となること)を抑制することができる。
また、第1実施形態では、前記の式(4)、(5)の関係が成り立つ。
そのため、スライダ53が遊星回転体24に対して第1摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と内側内壁面78との間には隙間ができる。また、スライダ53が第2回転体22に対して第2摺動方向に往復スライドするとき、環状部54と内側内壁面79との間には隙間ができる。したがって、スライダ53が遊星回転体24および第2回転体22に対してロックすること(すなわち、相対移動不能となること)を抑制することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では、図10、図11に示すように、遊星回転体81の第1収容凹部82および第1係合溝83は、一端面65から歯幅中心Ctwよりも他端面66側まで凹むように形成されている。スライダ84の環状部85の一側部86は、歯幅中心Ctwを越えて他端面66側まで延びるように形成されている。第1突起部87は、環状部85のうち軸方向において歯幅中心Ctwを中心とする所定範囲の部分から径方向外側に突き出している。第1係合溝83とスライダ84との動力伝達中心点P2は、外歯車48と内歯車36との噛み合い幅Wmの略中心に位置している。
このように構成することで、力Fgと力Foとの作用する軸方向位置が略同じになる。そのため、遊星回転体81に作用する回転モーメントが略無くなり、回転モーメントを最大限低減することができる。したがって、回転モーメント低減により得られる効果、すなわち伝達効率向上効果と、外歯車48の摩耗および騒音の抑制効果とが最大となる。
[他の実施形態]
他の実施形態では、第1係合溝とスライダとの動力伝達中心点は、遊星回転体の外歯車の歯内になくてもよい。要するに、動力伝達中心点は、遊星回転体のスライダ側の一端面より外歯車の歯幅中心側に位置していればよい。例えば、外歯車のスライダ側の一端面と遊星回転体のスライダ側の一端面との間に位置していてもよい。
他の実施形態では、第1係合溝は、外歯車の歯面まで貫通していてもよい。
他の実施形態では、偏心揺動型減速装置は、バルブタイミング調整装置以外の装置に適用されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10・・・バルブタイミング調整装置(偏心揺動型減速装置)
21・・・第1回転体
22・・・第2回転体
24・・・遊星回転体
25・・・偏心吸収部
36・・・内歯車
48・・・外歯車
51・・・第1係合溝
52・・・第2係合溝
53・・・スライダ
65・・・一端面
Ctw・・・歯幅中心
P1・・・動力伝達中心点

Claims (8)

  1. 内歯車(36)を有する第1回転体(21)と、
    前記第1回転体と同軸上に設けられている第2回転体(22)と、
    前記内歯車と噛み合う外歯車(48)を有しており、前記第1回転体の回転軸心(AX1)まわりに公転しながら、前記回転軸心に対して偏心している偏心軸心(AX2)を中心に回転することで、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転位相を変化させる遊星回転体(24、81)と、
    前記遊星回転体と前記第2回転体との間の偏心を吸収しながら動力を伝達する偏心吸収部(25)と、
    を備えており、
    前記偏心吸収部は、
    前記遊星回転体と一体に設けられている第1係合溝(51、83)と、
    前記第2回転体と一体に設けられている第2係合溝(52)と、
    前記第1係合溝および前記第2係合溝に対して径方向へ揺動しながら動力を伝達するスライダ(53、84)と、
    を含むオルダム機構であり、
    前記第1係合溝と前記スライダとの動力伝達中心点(P1)は、前記遊星回転体の前記スライダ側の一端面(65)より前記外歯車の歯幅中心(Ctw)側に位置している偏心揺動型減速装置。
  2. 前記動力伝達中心点は前記外歯車の歯幅(Wt)内に位置している請求項1に記載の偏心揺動型減速装置。
  3. 前記動力伝達中心点は、前記外歯車と前記内歯車との噛み合い幅(Wm)の略中心に位置している請求項2に記載の偏心揺動型減速装置。
  4. 前記スライダは、環状部(54)と、前記環状部から径方向外側に突き出して前記第1係合溝に嵌合している第1突起部(55)と、前記環状部から径方向外側に突き出して前記第2係合溝に嵌合している第2突起部(56)と、を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏心揺動型減速装置。
  5. 前記遊星回転体は、前記スライダ側の一端面から他端面(58)側に凹む環状の第1収容凹部(67)を有しており、
    前記第1係合溝は、前記第1収容凹部から径方向外側に延びるように形成されており、
    前記スライダの前記遊星回転体側の一側部(57)は、前記第1収容凹部に収容されており、
    前記第2回転体は、前記スライダ側の一端面(71)から他端面(72)側に凹む環状の第2収容凹部(73)を有しており、
    前記第2係合溝は、前記第2収容凹部から径方向外側に延びるように形成されており、
    前記スライダの前記第2回転体側の他側部(58)は、前記第2収容凹部に収容されている請求項4に記載の偏心揺動型減速装置。
  6. 前記遊星回転体の一端面から前記第1収容凹部の底面(74)までの深さをGDr1とし、前記第2回転体の一端面から前記第2収容凹部の底面(75)までの長さをGDr2とし、前記スライダの軸方向の幅をWsとすると、
    GDr1+GDr2>Ws
    の関係が成り立つ請求項5に記載の偏心揺動型減速装置。
  7. 前記環状部の外径をDsoとし、
    前記第1収容凹部の外側内壁面(76)の直径をDr1oとし、
    前記第2収容凹部の外側内壁面(77)の直径をDr2oとし、
    前記回転軸心と前記偏心軸心との偏心量をXeとし、
    前記スライダに最大負荷がかかるときの前記環状部の径方向の変形量をXdとすると、
    Dr1o>Dso+2Xe+Xd
    Dr2o>Dso+2Xe+Xd
    の関係が成り立つ請求項5または6に記載の偏心揺動型減速装置。
  8. 前記環状部の内径をDsiとし、
    前記第1収容凹部の内側内壁面(78)の直径をDr1iとし、
    前記第2収容凹部の内側内壁面(79)の直径をDr2iとし、
    前記回転軸心と前記偏心軸心との偏心量をXeとし、
    前記スライダに最大負荷がかかるときの前記環状部の径方向の変形量をXdとすると、
    Dr1i<Dsi−2Xe−Xd
    Dr2i<Dsi−2Xe−Xd
    の関係が成り立つ請求項5または6に記載の偏心揺動型減速装置。
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