JP2019043114A - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 重複記録領域、非重複記録領域間での粒状感、均一性の低下による画質低下と複数回の走査間での画像濃度低下による画質低下との両方を抑制する。【解決手段】 非重複記録領域、一方の記録ヘッドに対応する多値データには、ディザパターンと、非重複記録領域および他方の記録ヘッドに対応する多値データと、に基づいて量子化を行い、且つ、走査間で用いるディザパターンの閾値の配置を異ならせる。【選択図】 図8

Description

本発明は、記録装置および記録方法に関する。
インクを吐出する複数の吐出口を配列した吐出口列を有する記録ユニットを記録媒体の単位領域に対して複数回走査させながらインクを吐出して画像を記録する記録装置が知られている。
このような記録装置では、記録媒体に対する記録時間の短縮が従来より求められている。このような記録時間の短縮を達成するため、特許文献1には記録ユニットとして走査方向の左側と右側のそれぞれに複数色のインクを吐出する複数の吐出口列を備えた記録部を1つずつ設けた記録ユニットを用いることが記載されている。同文献では、上述のような記録ユニットを用い、記録媒体上の走査方向左側の領域には左側の記録部のみから、また、走査方向右側の領域には右側の記録部のみからインクを吐出してドットを形成する。これにより、記録ユニットを記録媒体上の左側端部と対向する位置から右側端部と対向する位置までの全域に走査させなくとも記録を完了することができるため、記録時間を短縮することが可能となる。
上述のような記録ユニットを用いると、2つの記録部で吐出特性に違いが生じた場合、記録媒体上の左側の記録部で記録される領域と右側の記録部で記録される領域とで濃度差が生じてしまうことがある。この濃度差によって、記録媒体上の走査方向における全域に対して左側の記録部と右側の記録部のいずれかのみによって記録を行った場合、左側の記録部によって記録した領域と右側の記録部によって記録した領域の境界において得られる画像の画質が低下する虞がある。この点を鑑み、特許文献1では、記録媒体上の走査方向における中央部に対しては左側の記録部と右側の記録部の両方によって分担(重複)して記録することにより上述の画質の低下を抑制している。
特開平10−044519号公報
ここで、上述のような記録ユニットを用いて記録を行う場合、左右の記録部で重複記録を行う領域(以下、重複記録領域と称する)に形成されるドットの配置と、左右の記録部のいずれかのみで記録を行う領域(以下、非重複記録領域と称する)に形成されるドットの配置と、が異なると、画質が低下する虞がある。隣接する重複記録領域、非重複記録領域間でドットの配置が異なると、それらの領域間で粒状感や均一性が違ってしまい、これが画質低下を引き起こすのである。
一方、単位領域に対して複数回の走査で記録を行う場合には、それらの複数回の走査で排他的且つ補完的な位置にドットを形成すると、本来であれば最も好ましい画質の画像が得られる。しかしながら、走査間で記録媒体の斜行搬送や記録ヘッドの速度、傾きの変動等により複数回の走査間でインクの吐出位置ずれが生じた場合には、排他的且つ補完的な位置にドットを形成すると画像濃度が大きく低下する虞がある。特に重複記録領域では、上述の斜行や変動の他、左右の記録部間での製造誤差や記録ユニットの取付誤差等に由来するインクの吐出位置ずれも発生し得るため、画像濃度の低下はより顕著なものとなる。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、重複記録領域、非重複記録領域間での粒状感、均一性の低下による画質低下と複数回の走査間での画像濃度低下による画質低下との両方を抑制することを目的とする。
そこで、本発明は、インクを吐出する吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2記録部と、を有し、前記第1記録部と前記第2記録部が前記所定方向に交差する交差方向に離間して配置された記録ユニットと、前記記録ユニットを記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させる走査手段と、前記単位領域に記録する画像に対応する多値データを取得する取得手段と、多値データの値に応じて各画素に対するインクの吐出または非吐出を規定するための閾値が各画素に対して定められた複数のディザパターンを記憶するメモリと、前記複数のディザパターンを用いて前記多値データを量子化して記録データを生成する生成手段と、前記第2記録部からは記録を行わず、前記第1記録部からは記録を行う前記単位領域内の第1領域と、前記第1領域と前記交差方向に隣接し、前記第1記録部と前記第2記録部の両方によって記録を行う前記単位領域内の第2領域と、に対し、各回の走査を行いながら前記記録データに基づいてインクを吐出するように記録動作を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、前記取得手段は、前記第1領域に対して前記複数回の走査のうちの第1走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第1多値データと、前記第2領域に対して前記第1走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第2多値データと、前記第2領域に対して前記第1走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第3多値データと、前記第1領域に対して前記第1走査と異なる第2走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第4多値データと、前記第2領域に対して前記第2走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第5多値データと、前記第2領域に対して前記第2走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第6多値データと、を取得し、前記生成手段は、前記第1多値データと前記複数のディザパターンのうちの第1ディザパターンに基づいて第1記録データを生成し、前記第2多値データと前記第1ディザパターンに基づいて第2記録データを生成し、前記第2多値データと前記第3多値データと前記第1ディザパターンに基づいて第3記録データを生成し、前記第4多値データと前記複数のディザパターンのうちの第2ディザパターンに基づいて第4記録データを生成し、前記第5多値データと前記第2ディザパターンに基づいて第5記録データを生成し、前記第5多値データと前記第6多値データと前記第2ディザパターンに基づいて第6記録データを生成し、前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンは、各画素に対する閾値の配置が互いに異なることを特徴とする。
本発明に係る記録装置によれば、重複記録領域、非重複記録領域間での粒状感、均一性の低下による画質低下と複数回の走査間での画像濃度低下による画質低下との両方を抑制することが可能となる。
実施形態に係る記録装置の内部構成を示す模式図である。 実施形態に係る記録ユニットを示す図である。 実施形態における分担記録方式を説明するための図である。 実施形態におけるマルチパス記録方式を説明するための図である。 実施形態に係る記録制御系を説明するための図である。 実施形態に係る画像処理の過程を示すフローチャートである。 実施形態におけるディザパターンを説明するための図である。 実施形態における分配処理、量子化処理を説明するための図である。 実施形態に係る画像処理の過程を示すフローチャートである。 実施形態におけるディザパターンの減算処理を説明するための図である。 実施形態におけるディザパターンを説明するための図である。 実施形態におけるディザパターンの減算処理を説明するための図である。 実施形態におけるディザパターンを説明するための図である。 実施形態におけるドット配置とその空間周波数特性を示す図である。 実施形態におけるドット配置を説明するための図である。 比較形態におけるドット配置を説明するための図である。 実施形態におけるディザパターンを説明するための図である。
(第1の実施形態)
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るインクジェット記録装置310の内部構成を示す模式図である。
本実施形態のインクジェット記録装置(以下、プリンタ、記録装置とも称する)310は、記録ユニット101を備えている。記録ユニット101は、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rを有しており、これらの記録ヘッド102L、102Rは1つの保持部103によって保持されている。記録ヘッド102L、102Rそれぞれには、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを吐出するための吐出口列が1つずつ設けられているが、詳細については後述する。
記録ユニット101は、記録媒体に対し、X方向に延伸して設けられたガイドレール104に沿ってX方向(交差方向、走査方向)に相対的に往復移動(走査)可能となっている。また、記録媒体106はプラテン107に支持されており、搬送ローラ105を回転させることによりY方向(所定方向、配列方向、搬送方向)へと搬送される。本実施形態におけるインクジェット記録装置310は、上述の記録ユニット101のX方向への走査を伴った記録動作と、搬送ローラ105による記録媒体106のY方向への搬送動作と、を繰り返し行うことにより、記録媒体106の全域に対する記録を完了する。
図2は本実施形態で用いる記録ユニット101の詳細を示す図である。なお、図2(a)には記録ユニット101をXY平面に対して鉛直下方から見た図を模式的に示している。また、図2(b)には記録ユニット101をY方向から見た図を模式的に示している。
本実施形態における記録ユニット101内には、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102RがX方向に距離Wだけ離間して設けられている。そして、記録ヘッド102Lには、X方向左側からシアンインクを吐出する吐出口列111C、マゼンタインクを吐出する吐出口列111M、イエローインクを吐出する吐出口列111Y、ブラックインクを吐出する吐出口列111Kの順番で4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kが配置されている。一方、記録ヘッド102RにはX方向左側からブラックインクを吐出する吐出口列112K、シアンインクを吐出する吐出口列112C、マゼンタインクを吐出する吐出口列112M、イエローインクを吐出する吐出口列112Yの順番で4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kが配置されている。なお、記録ヘッド102L、102R内の各吐出口は3[ng]の吐出量でインクを吐出するよう製造されている。
ここで、記録ヘッド102L内の4つの吐出口列111C、111M、111Y、111Kは、互いに同じ距離dだけ離間して配置されている。同様に、記録ヘッド102R内の4つの吐出口列112C、112M、112Y、112Kもまた互いに同じ距離dだけ離間しながら配置されている。また、8つの吐出口列それぞれには、それぞれのインクを吐出する複数の吐出口(不図示)がY方向に配列されている。
なお、各記録ヘッド102L、102R内における各吐出口列のX方向における配列順序は他の順序であっても良い。
また、図2からわかるように、記録ヘッド102L、102RはY方向に同じ位置であって、X方向に互いに離間するような位置に設けられている。なお、ここでは記録ヘッド102L、102RがY方向に同じ位置に設けられた記録ユニット101を記載したが、同一走査で記録ヘッド102L、102Rの両方によって記録媒体上の少なくとも一部の領域を記録可能なように、Y方向に関して各色のインクを吐出する吐出口列に応じた記録領域が部分的にオーバーラップするように構成されていれば、記録ヘッド102L、102RがY方向にずれた位置に設けられていても良い。
記録ヘッド102L内の各吐出口列内の吐出口は、不図示の流路を介してそれぞれのインクを収納するインクタンクに接続されている。詳細には、吐出口列111Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク108Cに、吐出口列111Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク108Mに、吐出口列111Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク108Yに、吐出口列111Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク108Kにそれぞれ接続されている。同様に、記録ヘッド102R内の吐出口列112Cに配列された吐出口はシアンインクを収納するインクタンク109Cに、吐出口列112Mに配列された吐出口はマゼンタインクを収納するインクタンク109Mに、吐出口列112Yに配列された吐出口はイエローインクを収納するインクタンク109Yに、吐出口列112Kに配列された吐出口はブラックインクを収納するインクタンク109Kにそれぞれ接続されている。
なお、ここでは同色のインクを吐出する記録ヘッド102L内の吐出口列と記録ヘッド102R内の吐出口列は異なるインクタンクに接続される形態について記載したが、1つの同じインクタンクに接続される形態であっても良い。また、異なるインクタンクを用いる場合と同じインクタンクを用いる場合のいずれであっても、インクタンクを支持部103のX方向中央側に寄せて設けることにより記録ユニットを小型化することができる。しかしながら、小型化を考えないのであれば、例えば2つの異なるインクタンクを用いる場合には、それぞれの記録ヘッドとインクタンクのX方向の中央部がおおよそ一致するように設計しても良い。
(左右分担記録)
図3は記録ユニット101を用いて記録媒体106に記録を行う際の様子を説明するための模式図である。なお、図3に示す2つの記録ユニット101のうち、破線にて記載したX方向左側に位置する記録ユニット101は、X方向左側から右側へと走査させる場合において記録媒体106に対する記録を開始するタイミングにおける記録ユニット101の位置を示している。また、実線にて記載したX方向右側に位置する記録ユニット101は、X方向左側から右側へと走査させる場合において記録媒体106に対する記録を終了するタイミングにおける記録ユニット101の位置を示している。
以下の説明では記録媒体106のX方向左側の端部位置を位置X1、記録媒体106のX方向右側の端部位置を位置X4と記載する。また、位置X1よりもX方向右側の所定位置を位置X2、位置X4よりもX方向左側の所定位置を位置X3と記載する。このように位置X1〜X4を定義した上で、記録媒体上の位置X1から位置X2までのX方向左側の領域を領域A1、記録媒体上の位置X2から位置X3までのX方向中央の領域を領域A2、記録媒体上の位置X3から位置X4までのX方向右側の領域を領域A3として記載する。
領域A1は記録ヘッド102Rからはインクを吐出せず、記録ヘッド102Lからのインクの吐出のみによって記録を行う領域である。また、領域A3は記録ヘッド102Lからはインクを吐出せず、記録ヘッド102Rからのインクの吐出のみによって記録を行う領域である。
一方、領域A2は記録ヘッド102L、102Rの両方からのインクの吐出によって重複して記録を行う領域(重複記録領域)である。したがって、本実施形態では後述する記録ヘッド分配処理を行うことで領域A2に対応するデータを分割し、記録ヘッド102Rと記録ヘッド102Lの両方を用いた領域A2に対する重複記録を行うために用いる記録データを生成する。
以上記載したように、本実施形態では記録媒体106をX方向に3分割し、領域A1と、領域A1とX方向に隣接する領域A2と、領域A2とX方向に隣接する領域A3と、の3つの領域ごとにインクを吐出するために用いる記録ヘッドを異ならせて記録を行う。詳細には、X方向左側の領域A1には記録ヘッド102Lのみによって、X方向右側の領域A3には記録ヘッド102Rのみによって、また、X方向中央の領域A2には記録ヘッド102L、102Rの両方によってインクを吐出して記録を行う。
(マルチパス記録)
図4は本実施形態において記録媒体上の単位領域に対して記録ユニットを2回走査させて記録を行う、いわゆる2パス記録時の過程を模式的に示す図である。ここで、図4では2パス記録時の記録媒体上の単位領域212に対する記録を行う際の過程を示している。なお、ここでは簡単のため、記録ユニット101内の吐出口列111Cの1列のみについて説明し、更に吐出口列111Cが32個の吐出口から構成されるとして記載する。
吐出口列111C内の複数の吐出口は、Y方向に沿って2つの吐出口群205、206に分割される。そして、単位領域212に対して、1パス目では吐出口群205から、2パス目では吐出口群206から、インクが吐出される。そのため、2パス記録時の単位領域212はY方向において吐出口群205、206の1つのY方向における長さ、すなわち吐出口列111CのY方向の長さをLとした場合L/2の長さを有することになる。
以下は記録媒体上にデューティが100%の画像(以下、ベタ画像とも称する)を形成する例について説明する。なお、本実施形態では記録媒体上のある領域内に存在する画素相当の画素領域のすべてに1回ずつインクが付与された場合において、その領域に対する記録デューティが100%であると定義する。
1回目の記録走査では、記録媒体106上の領域211に対して吐出口群205からインクが吐出される。この結果、単位領域211では図7のPの黒色で示す画素領域にインクが吐出される。ここでは50%のデューティで記録が行われている。
次に、記録媒体106を吐出口列111Cに対してY方向の上流側から下流側にL/2の距離だけ相対的に搬送する。これにより、吐出口列111Cと記録媒体106は吐出口群111Cと単位領域212が対向するような位置関係となる。
この後に2回目の記録走査を行う。2回目の記録走査では、記録媒体上の単位領域212に対して吐出口群206からインクが吐出される。この2回目の記録走査が行われた後、単位領域212には図7のQの黒色で示す画素領域にインクが付与されたことになる。ここでも50%のデューティで記録が行われている。
この結果、2回目の記録走査が行われた後には、Qに示すように記録媒体106の単位領域212ではすべての画素領域に対してインクの吐出が完了し、ベタ画像が形成される。
(記録制御系)
図5は、本実施形態における記録制御系の概略構成を示すブロック図である。本実施形態における記録制御系は、図1に示したプリンタ310と、そのホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)300と、から構成される。
PC300は、以下の要素を有して構成される。画像処理部であるCPU301は、記憶手段であるRAM302やHDD303に保持されているプログラムに従った処理を実行し、記録画像に対応する赤色(R)、緑色(G)、青色(B)によって示されるRGBデータを生成する。RAM302は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。HDD303は、不揮発性のメモリであり、同じくプログラムやデータを保持する。本実施形態では、データ転送I/F(インターフェース)304は、CPU301とプリンタ310との間におけるRGBデータの送受信を制御する。このデータ送受信の接続方式としては、USB、IEEE1394、LAN等を用いることができる。キーボード・マウスI/F305は、キーボードやマウス等のHID(Human Interface Device)を制御するI/Fであり、ユーザーは、このI/Fを介して入力を行うことができる。ディスプレイI/F306は、ディスプレイ(不図示)における表示を制御する。
一方、プリンタ310は、以下の要素を有して構成される。画像処理部であるCPU311は、RAM312やROM313に保持されているプログラムに従い、後述する各処理を実行する。RAM312は、揮発性のメモリであり、プログラムやデータを一時的に保持する。ROM313は不揮発性のメモリであり、各処理で使用するテーブルデータやプログラムを保持することができる。なお、後述する左右ヘッド分配処理で用いる分配パターンも、ROM313に保持されている。データ転送I/F314は、PC300との間におけるデータの送受信を制御する。
左ヘッドコントローラ315Lと右ヘッドコントローラ315Rは、それぞれ図3に示した記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに対して記録データを供給するとともに、それぞれの記録ヘッド102L、102Rによる記録動作を制御(記録制御)する。具体的には、左ヘッドコントローラ315Lは、RAM312の所定のアドレスから制御パラメータと記録データを読み込む構成とすることができる。そして、CPU311が、制御パラメータと記録データをRAM312の上記所定のアドレスに書き込むと、左ヘッドコントローラ315Lにより処理が起動され、記録ヘッド102Lからのインク吐出が行われる。右ヘッドコントローラ315Rについても同様であり、RAM312の所定のアドレスにCPU311によって制御パラメータと記録データが書き込まれると、右ヘッドコントローラ315Rによる処理が実行され、記録ヘッド102Rからのインクの吐出が行われる。
なお、ここではプリンタ310内にCPU311が1つだけ設けられた形態を記載したが、複数のCPUが設けられていても良い。
(記録データ生成)
図6は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPU311が実行する、記録に用いられる記録データ生成処理のフローチャートである。なお、この制御プログラムはROM313に予め格納されている。
PC300から記録装置310にRGB形式で示されたRGBデータが入力(取得)されると、まずステップS801にてRGBデータを記録に用いるインクの色に対応するインク色データに変換する色変換処理を行う。この色変換処理により、複数の画素それぞれにおける階調値を定める8ビット256値の情報によって表されるインク色データが生成される。上述のように、本実施形態ではブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを記録に用いるため、ステップS801における色変換処理によってブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクそれぞれに対応するインク色データが生成されることになる色変換処理の一例としては、ROM313に予め記憶されたRGB値とCMYK値の対応関係を規定した3次元ルックアップテーブル(3D−LUT)を用いることができる。
次に、ステップS802にてCMYK値それぞれのインク色データが示す階調値を補正し、CMYK値それぞれ8ビット256値の情報によって表される階調補正データ(画像データ)を生成する階調補正処理を実行する。この階調補正処理では、例えば補正前の各色のインクに対応するインク色データと補正後の各色のインクに対応する階調補正データの対応関係を規定した1次元ルックアップテーブル(1D−LUT)等を用いることができる。なお、この1D−LUTはROM313に予め格納されている。
次に、ステップS803にて階調補正データを記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rに分配し、ヘッド分配データを生成する分配処理が実行される。
領域ごとに見ると、領域A1は記録ヘッド102Lのみで記録するため、領域A1に対応する階調補正データは記録ヘッド102Lのみに分配される。また、領域A3は記録ヘッド102Rのみで記録するため、領域A3に対応する階調補正データは記録ヘッド102Rのみに分配される。
一方、領域A2は記録ヘッド102L、102Rの両方で記録するため、領域A2に対応する階調補正データは記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rの両方に分配される。ここで、本実施形態では、分配後の記録ヘッド102Lに対応するヘッド分配データが示す値と記録ヘッド102Rに対応するヘッド分配データが示す値が同じとなるように、領域A2に対応する階調補正データの分配が行われる。例えば、ある領域において階調補正データが示す値が「128」である場合、その領域において記録ヘッド102Lに対応するヘッド分配データが示す値が「64」、記録ヘッド102Rに対応するヘッド分配データが示す値も「64」となるように、左右記録ヘッド分配処理が行われる。
次に、ステップS804にて記録ヘッド102L、102Rそれぞれに分配されたヘッド分配データを、2パス記録における1パス目と2パス目に更に分配し、パス分配データを生成する。このとき、本実施形態では、分配後の1パス目に対応するパス分配データが示す値と2パス目に対応するパス分配データが示す値が同じとなるように、記録ヘッド102Lに分配されたヘッド分配データを1パス目と2パス目に分配する。例えば、ある領域において記録ヘッド102Lに対応するヘッド分配データが示す値が「64」である場合、その領域において記録ヘッド102L、1パス目に対応するパス分配データが示す値が「32」、記録ヘッド102L、2パス目に対応するヘッド分配データが示す値も「32」となるように、パス分配処理が行われる。
そして、ステップS805において各パス分配データを量子化し、各画素に対する各色のインクの吐出または非吐出を定める1ビット2値の情報によって表され、記録に用いる記録データ(2値データ)を生成する量子化処理を行う。この量子化処理については後述する。
なお、ここではステップS801〜S805における全ての処理をプリンタ310内のCPU311が実行する形態について記載したが、PC300内のCPU301がステップS801〜S805の一部あるいは全ての処理を実行しても良い。
(本実施形態における量子化処理)
以下、本実施形態で実行する量子化処理について詳細に説明する。
本実施形態では、各画素に対してインクの吐出または非吐出を規定するための閾値が配置されたディザパターンを用いて量子化が行われる。
ディザパターンには、各画素に対して異なる閾値が定められている。閾値の取り得る範囲は、入力される多値データが示し得る値の範囲と対応しており、例えば多値データが8ビット256値であれば1〜256の閾値のいずれかが各画素に定められている。
ここで、ある画素において多値データが示す値が閾値以上の場合、該多値データを該画素に対するインクの吐出を示す記録データに変換する。一方、ある画素において多値データが示す値が閾値未満の場合、該多値データを該画素に対するインクの非吐出を示す記録データに変換する。
図7は本実施形態で用いる複数のディザパターンのうちのディザパターン70を示す図である。本実施形態で示すディザパターン70は、図7(a)に示すように、512画素×512画素のサイズを有している。なお、簡単のため図7(a)では省略しているが、実際には512画素×512画素の各画素に対して1〜256の閾値が定められている。
図7(b)は図7(a)に示した512画素×512画素のサイズのディザパターンのうち、4画素×4画素のサイズの一部の領域80aを抜き出した図である。実際には図7(a)に示す512画素×512画素のサイズのディザパターン70全域において以降に説明する規則にしたがって各画素に閾値が定められているが、ここでは簡単のため、図7(b)に示す4画素×4画素のサイズの領域80a内のみについて説明する。
図7(b)のディザパターン内の領域70aを用いて量子化を行った決定されるドット配置について説明する。
図7(c)は「64」の値を示す多値データに対してディザパターン70内の領域70aを用いて量子化した際に得られる記録データによって形成されるドットの配置を示している。このとき、ディザパターン70内で、多値データの値である「64」以下の閾値が定められた画素についてはインクの吐出が定められ、「64」より大きい閾値が定められた画素についてはインクの非吐出が定められることになる。その結果、図7(c)の黒く塗り潰された画素にインクが吐出される。
また、図7(d)は「128」の値を示す多値データに対してディザパターン70内の領域70aを用いて量子化した際に得られる記録データによって形成されるドットの配置を示している。このとき、ディザパターン70内で、多値データの値である「128」以下の閾値が定められた画素についてはインクの吐出が定められ、「128」より大きい閾値が定められた画素についてはインクの非吐出が定められることになる。その結果、図7(d)の黒く塗り潰された画素にインクが吐出される。
本実施形態では、上記したディザパターン70を含む複数のディザパターンを用いてステップS806〜S809における量子化処理を実行する。
図8は本実施形態における領域A1、A2、A3それぞれに対するヘッド分配処理、パス分配処理、および量子化処理の過程を説明するための図である。
ここでは一例として、図8(a)に示すように、階調補正処理(S802)後の領域A1における画像データImA1、領域A2における画像データImA2、領域A3における画像データImA3として、それぞれ「256」の値を示す画像データを処理する場合について説明する。すなわち、所謂ベタ画像を記録するための画像データを処理する場合について示している。
図8(a)に示す画像データImA1、ImA2、ImA3に対し、左右ヘッド分配処理(S803)を行った後に生成される記録ヘッド102Lに対応するヘッド分配データGrA1_L、GrA2_L、GrA3_Lを図8(b1)に、また、記録ヘッド102Rに対応するヘッド分配データGrA1_R、GrA2_R、GrA3_Rを図8(b2)にそれぞれ示す。
上述のように、領域A1に対応する画像データは記録ヘッド102Rには分配されず、記録ヘッド102Lのみに分配されるため、図8(a)に示す画像データを処理する場合、記録ヘッド102L、領域A1に対応するヘッド分配データGrA1_Lは「256」、記録ヘッド102R、領域A1に対応するヘッド分配データGrA1_Rは「0」の値となる。同様に、領域A3に対応する画像データは記録ヘッド102Rのみに分配されるため、記録ヘッド102L、領域A3に対応するヘッド分配データGrA3_Lは「0」、記録ヘッド102R、領域A3に対応するヘッド分配データGrA3_Rは「256」の値となる。
なお、画像データがどのようなデータであっても、記録ヘッド102R、領域A1に対応するヘッド分配データGrA1_Rと記録ヘッド102L、領域A3に対応するヘッド分配データGrA3_Lの値は「0」となるため、以降の説明ではヘッド分配データGrA1_R、MuA3_Lについては説明を省略する。
一方、領域A2に対応する画像データは記録ヘッド102L、102Rに同じ値ずつ分配されるため、記録ヘッド102L、領域A2に対応するヘッド分配データGrA2_Lと記録ヘッド102R、領域A2に対応するヘッド分配データGrA2_Rは両方とも「128」の値となる。
次に、ヘッド分配データGrA1_L、GrA2_L、GrA3_Lに対し、ステップS804のパス分配処理を行う。この結果生成される、記録ヘッド102L、1パス目に対応する多値データMuA1_L1、MuA2_L1、MuA3_L1を図8(c1)に示す。また、同様に生成される記録ヘッド102L、2パス目に対応する多値データMuA1_L2、MuA2_L2、MuA3_L2を図8(c2)に示す。
上述したように、1パス目と2パス目には同じ値ずつヘッド分配データが分配される。したがって、領域A1に対応するヘッド分配データGrA1_Lが示す値は「256」であるため、1パス目に分配されて生成される多値データMuA1_L1が示す値は「128」、2パス目に分配されて生成される多値データMuA1_L1が示す値も「128」となる。同様にして、領域A2についても、1パス目に対応する多値データMuA2_L1、2パス目に対応する多値データMuA2_L2のいずれも「64」の値となる。
次に、ヘッド分配データGrA1_R、GrA2_R、GrA3_Rに対し、ステップS805のパス分配処理を行う。この結果生成される、記録ヘッド102R、1パス目に対応する多値データMuA1_R1、MuA2_R1、MuA3_R1を図8(c3)に示す。また、同様に生成される記録ヘッド102R、2パス目に対応する多値データMuA1_R2、MuA2_R2、MuA3_R2を図8(c4)に示す。
こちらも1パス目と2パス目に同じ値ずつヘッド分配データが分配されるため、領域A2について、1パス目に対応する多値データMuA2_R1、2パス目に対応する多値データMuA2_R2はいずれも「64」の値となる。また、領域A3について、1パス目に対応する多値データMuA3_R1、2パス目に対応する多値データMuA3_R2はいずれも「128」の値となる。
このように、ヘッド分配処理、パス分配処理によって図8(c1)〜(c4)に示すような多値データが得られる。具体的には、(1)領域A1、記録ヘッド102L、1パス目に対応する多値データMuA1_L1、(2)領域A2、記録ヘッド102L、1パス目に対応する多値データMuA2_L1、(3)領域A1、記録ヘッド102L、2パス目に対応する多値データMuA1_L2、(4)領域A2、記録ヘッド102L、2パス目に対応する多値データMuA2_L2、(5)領域A2、記録ヘッド102R、1パス目に対応する多値データMuA2_R1、(6)領域A3、記録ヘッド102R、1パス目に対応する多値データMuA3_R1、(7)領域A2、記録ヘッド102R、2パス目に対応する多値データMuA2_R2、(8)領域A3、記録ヘッド102R、2パス目に対応する多値データMuA3_R2の8つの多値データが取得される。これらの8つの多値データに対し、以下のようにして量子化処理を実行する。
図9は本実施形態における制御プログラムにしたがってCPU311が実行する量子化処理のフローチャートである。
まず、ステップS1にて多値データが多値データMuA1_L1、MuA2_L1、MuA3_R1のいずれかであるか否かを判定する。これらの3つの多値データについては、後述するステップS4へと進む。それ以外の5つの多値データはステップS2へと進む。
ステップS2では、多値データが多値データMuA2_R1であるか否かを判定する。多値データMuA2_R1については、後述するステップS5へと進む。それ以外の4つの多値データはステップS3へと進む。
そして、ステップS3では、多値データが多値データMuA1_L2、MuA2_L2、MuA3_R2のいずれかであるか否かを判定する。これらの3つの多値データは、後述するステップS7へと進む。それ以外の多値データ、すなわち残りの多値データである多値データMuA2_R2については、後述するステップS8へと進む。
ステップS4〜S9における処理について、以下に詳細に説明する。
同一の走査内において、非重複記録領域A1、A3と重複記録領域A2の間でドットの配置が異なると、それらの領域の間で粒状感や均一性に違いが生じてしまう。したがって、本実施形態では、同一走査内においては非重複記録領域A1、A3と重複記録領域の間ではドット配置が同じとなるような量子化処理を行う。
一方、同一の領域内で2回の走査の間でインクの吐出位置ずれが生じると、吐出位置ずれが生じなかった場合に比べて画像濃度が大きく低下してしまう虞がある。この画質低下は、2回の走査において排他的且つ補完的な位置にドットを形成した際に特に顕著なものとなる。したがって、本実施形態では、同一領域内については1パス目と2パス目でインクの吐出位置ずれが生じない場合であってもある程度ドットが同じ位置に重畳するような量子化処理を行う。
まず、ステップS4では、(1)領域A1、記録ヘッド102L、1パス目に対応する多値データMuA1_L1、(2)領域A2、記録ヘッド102L、1パス目に対応する多値データMuA2_L1、(6)領域A3、記録ヘッド102R、1パス目に対応する多値データMuA3_R1に対する量子化を行う。このステップS4では、上述した図7に示すディザパターン70を用いて各多値データの量子化を実行する。
図8(c1)、(c3)に示すように、(1)多値データMuA1_L1、(6)多値データMuA3_R1それぞれが示す値は「128」である。そのため、ディザパターン70内の「128」以下の閾値が定められた画素に対してインクが吐出されることになる。ディザパターン内の領域70aに対応する領域では、図8(d1)、(d6)に示すように、図7のディザパターン内の領域70aのうちの「16」〜「128」の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められた記録データBiA1_L1、BiA3_R1が生成される。ここで、記録データBiA1_L1は領域A1、記録ヘッド102L、1パス目で用いられる記録データであり、記録データBiA3_R1は領域A3、記録ヘッド102R、1パス目で用いられる記録データである。
一方、図8(c1)に示すように、(2)多値データMuA1_L1が示す値は「64」である。そのため、ディザパターン70内の「64」以下の閾値が定められた画素に対してインクが吐出されることになる。ディザパターン内の領域70aに対応する領域では、図8(d2)に示すように、図7のディザパターン内の領域70aのうちの「16」〜「64」の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められた記録データBiA2_L1が生成される。ここで、記録データBiA2_L1は領域A2、記録ヘッド102L、1パス目で用いられる記録データである。
次にステップS5では、(5)領域A2、記録ヘッド102R、1パス目に対応する多値データMuA2_R1に対する量子化を行うため、まずはディザパターン70と多値データMuA2_L1に基づいてディザパターン70´の生成を行う。詳細には、ディザパターン70内の各画素に定められた閾値から多値データMuA2_L1が示す値を減算することにより、ディザパターン70´を生成する。ここでは、多値データMuA2_L1が示す値は「64」であるので、ディザパターン70内の各閾値から「64」を減算してディザパターン70´を生成する。
図10(a)は生成されるディザパターン70´を示す図である。上述したようにディザパターン70´は図7のディザパターン70内の閾値から多値データMuA2_L1内の値を減算して生成されるため、減算後のディザパターン70´のサイズは減算前のディザパターン70と同じく512画素×512画素となる。
図10(b)はディザパターン70´のうちの4画素×4画素のサイズを有する一部の領域70a´を示している。なお、図10(b)に示す領域70a´は図7(b)に示す領域70と同じ領域に対応している。
減算によるディザパターン70´の生成について、より詳細に説明する。例えば、図7(b)に示す減算前のディザパターンの領域70a内の最も右上の画素には「144」の閾値が定められている。したがって、図10(b)に示す減算後のディザパターンの領域70a´では、最も左上の画素には「128」の閾値が定められることになる(80=144−64)。
また、図7(b)に示す減算前のディザパターンの領域70a内の最も右下の画素には「240」の閾値が定められている。したがって、図10(b)に示す減算後のディザパターンの領域70a´では、最も右下の画素には「176」の閾値が定められることになる(176=240−64)。
また、ある画素に対する減算の結果、値が0以下の値となる場合には、その減算結果の絶対値を閾値の最大値である「256」から更に減算し、ディザパターン70´内の閾値とする。例えば、図7(b)に示す減算前のディザパターンの領域70a内の最も左上の画素には「48」の閾値が定められている。そのため、減算結果は「−16」となる。したがって、図10(b)に示す減算後のディザパターンの領域70a´では、最も左上の画素には「240」の閾値が定められることになる(240=256−16)。
以上のようにして、ディザパターン70´が生成される。
そして、ステップS6では、(5)領域A2、記録ヘッド102R、1パス目に対応する多値データMuA2_R1に対し、ディザパターン70´を用いて量子化を実行する。
図8(c3)に示すように、(5)領域A2、記録ヘッド102R、1パス目に対応する多値データMuA2_R1が示す値は「64」である。そのため、ディザパターン70´内の「64」以下の閾値が定められた画素に対してインクが吐出されることになる。ディザパターン内の領域70a´に対応する領域では、図8(d5)に示すように、図10のディザパターン内の領域70a´のうちの「16」〜「64」の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められた記録データBiA2_R1が生成される。ここで、記録データBiA2_R1は領域A2、記録ヘッド102R、1パス目で用いられる記録データである。
ここで、図8(d2)に示す記録データBiA2_L1と図8(d5)に示す記録データBiA2_R1は1パス目にて重複記録領域A2に記録する際に用いられるデータである。つまり、同一の領域に対して同一の走査によって異なる記録ヘッドから記録を行うためのデータである。重複記録領域A2には、1パス目では記録データBiA2_L1、BiA2_R1の論理和に対応する配置でドットが形成されることになる。そして、その論理和は、図8(d1)、(d6)に示す記録データBiA1_L1、BiA3_R1と同じとなる。ここから、1パス目においては、非重複記録領域A1、A3と重複記録領域A2の間でドット配置が同じとなることがわかる。
次に、ステップS7では、(3)領域A1、記録ヘッド102L、2パス目に対応する多値データMuA1_L2、(4)領域A2、記録ヘッド102L、2パス目に対応する多値データMuA2_L2、(8)領域A3、記録ヘッド102R、2パス目に対応する多値データMuA3_R2に対する量子化を行う。このステップS7では、予め記憶されたディザパターン71を用いて量子化を実行する。
図11(a)はステップS7で用いるディザパターン71を示す図である。ディザパターン71のサイズは、ディザパターン70と同じく512画素×512画素である。また、図11(b)はディザパターン71のうちの4画素×4画素のサイズを有する一部の領域71aを示している。なお、図11(b)に示す領域71aは図7(b)に示す領域70と同じ領域に対応している。
ここで、ディザパターン71とディザパターン70は、閾値の配置が互いに異なるように配置されている。
図8(c2)、(c4)に示すように、(3)多値データMuA1_L2、(8)多値データMuA3_R2それぞれが示す値は「128」である。そのため、ディザパターン71内の「128」以下の閾値が定められた画素に対してインクが吐出されることになる。ディザパターン内の領域71aに対応する領域では、図8(d3)、(d8)に示すように、図7のディザパターン内の領域70aのうちの「16」〜「128」の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められた記録データBiA1_L2、BiA3_R2が生成される。ここで、記録データBiA1_L2は領域A1、記録ヘッド102L、2パス目で用いられる記録データであり、記録データBiA3_R2は領域A3、記録ヘッド102R、2パス目で用いられる記録データである。
一方、図8(c2)に示すように、(2)多値データMuA2_L2が示す値は「64」である。そのため、ディザパターン71内の「64」以下の閾値が定められた画素に対してインクが吐出されることになる。ディザパターン内の領域71aに対応する領域では、図8(d4)に示すように、図7のディザパターン内の領域71aのうちの「16」〜「64」の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められた記録データBiA2_L2が生成される。ここで、記録データBiA2_L2は領域A2、記録ヘッド102L、2パス目で用いられる記録データである。
ここで、図8(d1)に示す記録データBiA1_L1と図8(d3)に示す記録データBiA1_L2は非重複記録領域A1に対して記録ヘッド102Lから記録する際に用いられるデータである。つまり、同一の領域に対して同一の記録ヘッドによって異なる走査にて記録を行うためのデータである。図8(d1)に示す記録データBiA1_L1と図8(d3)に示す記録データBiA1_L2では、4画素×4画素のうち、それぞれ8画素に対してインクの吐出を定めているが、そのうち、最も左上の画素、左から2番目、且つ最も下側の画素、最も右側、且つ上から2番目の画素については、記録データBiA1_L1、BiA1_L2の両方でインクの吐出を定めている。つまり、領域A1内のディザパターンの領域70、71に対応する4画素×4画素のうち、3画素については、1パス目と2パス目で重畳してインクを吐出することになる。これは、ディザパターン70にて「128」以下の閾値が定められた画素と、ディザパターン71にて「128」以下の閾値が定められた画素と、が一部(詳細には上記した3画素)で重畳するように、ディザパターン70、71が設計されているためである。これにより、1パス目と2パス目の間に吐出位置ずれが生じるような場合であっても、濃度がそれ程変わらない画像を記録することが可能となる。
次に、ステップS8では、(7)領域A2、記録ヘッド102R、2パス目に対応する多値データMuA2_R2に対する量子化を行うため、まずはディザパターン71と多値データMuA2_L2に基づいてディザパターン71´の生成を行う。詳細には、ディザパターン71内の各画素に定められた閾値から多値データMuA2_L2が示す値を減算することにより、ディザパターン71´を生成する。ここでは、多値データMuA2_L2が示す値は「64」であるので、ディザパターン71内の各閾値から「64」を減算してディザパターン71´を生成する。
図12(a)は生成されるディザパターン71´を示す図である。上述したようにディザパターン71´は図11のディザパターン70内の閾値から多値データMuA2_L2内の値を減算して生成されるため、減算後のディザパターン71´のサイズは減算前のディザパターン71と同じく512画素×512画素となる。
図12(b)はディザパターン71´のうちの4画素×4画素のサイズを有する一部の領域71a´を示している。なお、図12(b)に示す領域71a´は図11(b)に示す領域71と同じ領域に対応している。
なお、実際の減算処理については、ディザパターン70´を生成するための多値データMuA2_L1を用いたディザパターン70の生成時に行う処理と同様であるため、説明を省略する。
そして、ステップS9では、(7)領域A2、記録ヘッド102R、2パス目に対応する多値データMuA2_R2に対し、ディザパターン71´を用いて量子化を実行する。
図8(c4)に示すように、(7)多値データMuA2_R2が示す値は「64」であるため、ディザパターン71´内の「64」以下の閾値が定められた画素に対してインクが吐出されることになる。ディザパターン内の領域71a´に対応する領域では、図8(d7)に示すように、図12のディザパターン内の領域71a´のうちの「16」〜「64」の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められた記録データBiA2_R2が生成される。ここで、記録データBiA2_R2は領域A2、記録ヘッド102R、2パス目で用いられる記録データである。
ここで、図8(d4)に示す記録データBiA2_L2と記録データBiA2_R2の論理和と、図8(d3)、(d8)に示す記録データBiA1_L2、BiA3_R2と、を比較することにより、2パス目においても、非重複領域A1、A3と重複記録領域A2の間でドット配置が同じとなることがわかる。
以上記載したように、本実施形態によれば、重複記録領域と非重複記録領域の間でドット配置を同じとしつつ、走査間ではドットの形成位置が一部重畳するように、インクを吐出することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、第1の実施形態で用いたディザパターン70の代わりに後述するディザパターン80を、ディザパターン71の代わりに後述するディザパターン81を用いて量子化処理を行う。これらのディザパターン80、81は、低周波成分が少ない空間周波数特性を示すものである。
なお、上述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図13は本実施形態で用いるディザパターン80を示す図である。本実施形態で示すディザパターン80は、図13(a)に示すように、512画素×512画素のサイズを有している。なお、簡単のため図13(a)では省略しているが、実際には512画素×512画素の各画素に対して1〜256の閾値が定められている。
ここで、以降の説明では、1〜256の閾値を1〜64、65〜128、129〜192、193〜256の4つにグループ分けしたときに、最も小さい閾値のグループに相当する1〜64の閾値を「最も小さい閾値」と称する。また、上記4つのグループのうち、「最も小さい閾値」の次に小さい閾値のグループに相当する65〜128の閾値を「次に小さい閾値」と称する。
図13(b)は図13(a)に示した512画素×512画素のサイズのディザパターンのうち、4画素×4画素のサイズの一部の領域80aを抜き出した図である。
図13(a)に示した本実施形態で用いるディザパターン80は、図7(a)に示したディザパターン70と異なり、最も小さい閾値が定められた画素の分散性が、次に小さい閾値が定められた画素の分散性よりも大きくなるように、各画素に対する閾値が定められている。最も小さい閾値が定められた画素は、例えば65、66、67等、比較的小さい多値データが入力された場合であってもインクの吐出を定める画素である。つまり、ディザパターン80内の最も小さい閾値が定められた画素はインクの吐出を定め易い(定めることが多い)画素である。そのため、本実施形態では、最も小さい閾値が定められた画素において、他の閾値が定められた画素に比べて優先的に分散性を大きくする。
ある領域における画素の分散性を評価するため、その領域における画素の配置に応じた空間周波数特性を用いることが一般に知られている。空間周波数特性とは、画素の分散性を評価するための指標として一般に用いられるものである。「T. Mitsa and K. J. Parker, digital Halftoning using a Blue Noise Mask Proc. SPIE 1452, pp.47−56(1991)」等に記載された方法にしたがうことで、画素の配置を空間領域から周波数領域に変換し、画素の配置に応じた空間周波数特性を得ることができる。上記方法により得られる空間周波数は、横軸に周波数、縦軸に各周波数に応じた出力値(パワースペクトル)の2次元によって表される。
一般に画素の分散性が低い場合には空間周波数特性においては比較的低い周波数(低周波領域)において大きなパワースペクトルを有し、分散性が高い場合には空間周波数特性においては比較的高い周波数(高周波領域)において大きなパワースペクトルを有する。ここで、本実施形態では、低周波成分とはパワースペクトルが存在する周波数領域の範囲のうち、低周波寄りの半分の範囲を低周波領域、高周波寄りの残りの半分の範囲を高周波領域とし、上記の低周波領域に存在するパワースペクトルを低周波成分と称する。具体的な数値としては、512画素×512画素のサイズを有するディザパターンにおいては、15[cycle/mm]より小さい範囲に存在するパワースペクトルを低周波成分とすることが好ましい。また、低周波成分の比較においては、低周波領域に属するパワースペクトルの積分値で行うことが好ましい。
上述のような本実施形態におけるディザパターン80を設定するためには、最も小さい閾値が定められた画素の配置(閾値画素配置)に応じた空間周波数特性における低周波成分が、次に小さい閾値が定められた画素の配置(閾値画素配置)に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなるように、各画素に対して閾値が定められていれば良い。
また、「分散性」とは、「疎密の均一さ」に対応する。ここで、2つの画素が互いに近接する位置に配置されている場合にはその2つの画素は「密」であり、逆に2つの画素が互いに離間する位置に配置されている場合にはその2つの画素は「疎」となる。例えばある空間において所定の画素が一定の間隔で2次元的に配置されている、すなわち所定の画素の疎密が空間内でほぼ均一である場合、その状態は所定の画素の「分散性が高い」ということに対応する。一方、ある空間内のある領域では所定の画素が数多く、且つ互いに近接して配置され、別の領域では所定の画素が数少なく、且つ互いに離間して配置されている、すなわち所定の画素の疎密が空間内の領域に応じて異なる(疎密がばらつく)場合、その状態は所定の画素の「分散性が低い」ということに対応する。
図13(c)は図13(b)に示すディザパターン内の領域80aのうち、最も小さい閾値(ここでは16、32、48、64)が定められた4つの画素を黒く塗り潰して示した図である。また、図13(d)は図13(b)に示すディザパターン内の領域80aのうち、次に小さい閾値(ここでは80、96、112、128)が定められた4つの画素を黒く塗りつぶして示した図である。
図13(c)、図13(d)を比較するとわかるように、図13(c)に示す最も小さい閾値が定められた画素の方が、図13(d)に示す次に小さい閾値が定められた画素よりも分散性が高くなっている。
また、疎密を見ても、図13(c)に示す最も小さい閾値が定められた4つの画素は互いにほぼ同じ距離だけ離間した位置に配置されているのに対し、図13(d)に示す次に小さい閾値が定められた4つの画素は、一部は互いに隣接する位置に配置されており、他部では他の画素と離間した位置に配置されている。このように、図13(d)に示す次に小さい閾値が定められた4つの画素では、疎密がばらついている。ここから、図13(c)に示す最も小さい閾値が定められた画素は疎密がほぼ均一であり、図13(d)に示す次に小さい閾値が定められた画素は疎密がばらついていることがわかる。
なお、ここでは図13(b)に示すディザパターン内の領域80aを抜き出して詳細に説明したが、図13(a)に示すディザパターン80全域についても同じようにして各閾値が定められている。つまり、「低周波成分」で言えば、最も小さい閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数における低周波成分が次に小さい閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも小さい周波数特性となるように、ディザパターン80全域に各閾値が定められている。また、「分散性」で言えば、最も小さい閾値が定められた画素の分散性が次に小さい閾値が定められた画素の分散性よりも高くなるように、ディザパターン80全域に各閾値が定められている。また、「疎密」で言えば、最も小さい閾値が定められた画素は疎密がほぼ均一であり、次に小さい閾値が定められた画素は疎密がばらつくように、ディザパターン全域に各閾値が定められている。
上記した図13(b)に示すディザパターン80の作成方法として、「Rovert Ulichney, The void−and−cluster method for dither array generation, Proccedings SPIE, Human Vsion, Visual Processing, Digital Displyas IV, vol.1913, pp.332−343 (1993)」等に記載されたvoid−and−cluster方式を用いることができる。void−and−cluster方式では、まずある任意の階調である領域内にドットを配置し、そのときの当該領域内の各位置におけるドット密度を決定する。ここで、ドット密度を評価するためにガウシアンフィルタの強度和を用いる。そして、その上記の強度和から得られたドット密度が高い位置を探し、その位置でドットが減るように当該階調より低階調側の閾値を決定する。一方で、当該階調より高階調側については、上記の任意の階調におけるドット密度が低い箇所を探し、その箇所でドットが増えるように閾値を決定する、これらの処理を上記の任意の階調よりも低階調側、高階調側それぞれに対して順次行い、各閾値の配置を決定する。
また、4画素×4画素からなる領域ごとに1〜64のいずれか4つの閾値を配置し、且つ、65〜128のいずれか4つの閾値を配置するというルールを満たした上で、512画素×512画素からなる領域全体において、1〜64の閾値が定められた画素の配置が、65〜128の閾値が定められた画素の配置よりも、空間周波数特性おける低周波成分が少なく、分散性が小さく、疎密がほぼ均一になるように、各閾値を小さい閾値から順次配置してディザパターンを設定しても良い。
また、512画素×512画素の全域に対し、各閾値を小さい閾値から順次配置してディザパターンを設定することもできる。まず、512画素×512画素のうちの1画素に1つの閾値「1」が定められた画素を配置する。次に、先に定められた1つの1の閾値が定められた画素から離間した位置に閾値「1」が定められた画素をもう1つ配置する。次に、先に定められた2つの閾値「1」が定められた画素のいずれもから離間した位置に閾値「1」が定められた画素をもう1つ配置する。同じようにして、512画素×512画素の全域に閾値「1」が定められた画素の数が合計で1024(=512×512/256)個となるまで閾値「1」が定められた画素を配置する。その後、先に定められた1024個の閾値「1」が定められた画素のいずれもから離間した位置に閾値「2」が定められた画素を配置する。次に、先に定められた1024個の閾値「1」が定められた画素と、1個の閾値「2」が定められた画素と、のいずれもから離間した位置に閾値「2」が定められた画素をもう1つ配置する。同じようにして、512画素×512画素の全域に閾値「2」が定められた画素の数が合計で1024個となるまで2の閾値が定められた画素を配置する。以降同じようにして、閾値を順次大きくしながら512画素×512画素の全域に閾値「1」〜「256」を定めることで設定されたディザパターンであっても良い。
ここで、上述の図13(c2)、(c3)では、ディザパターンの領域80aに対応する4画素×4画素のサイズの領域のみを抜き出して記載した。しかしながら、実際にはディザパターン80は512画素×512画素と更に大きいサイズを有している。図14を参照しながら、図13に示すディザパターン80を用いた場合に領域A2に対して1パス目で形成されるドットの配置を説明する。ここで、図14(a)は1走査目で記録ヘッド102Lによって形成されるドットの配置を、図14(b)は1走査目で記録ヘッド102Rによって形成されるドットの配置をそれぞれ示している。なお、図14(a)、(b)には、多値データMuA2_L1、MuA2_R1ともに「64」の値を有する場合について示している。
図8、図9を用いて説明したように、多値データMuA2_L1に対してはディザパターン80(第1の実施形態におけるディザパターン70の代わり)をそのまま適用する。そのため、図14(a)にはディザパターン80内の1〜64の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められている。
また、多値データMuA2_R1に対しては、ディザパターン80内の各閾値を多値データMuA2_L1の値である「64」で減算し、減算後のディザパターンを用いて量子化が行われる。したがって、減算後のディザパターンにおいて「64」以下の閾値が定められた画素、すなわち減算前のディザパターン80において「65」〜「128」の閾値が定められた画素にインクの吐出が定められることになる。
図14(a)、(b)を比較するとわかるように、図14(b)に示す記録ヘッド102Rによるドット配置は分散性が比較的低い。ある領域においてはドット配置が空間的に疎となり、別の領域ではドット配置が空間的に密となっている。
一方、図14(a)に示す記録ヘッド102Lによるドット配置は分散性が比較的高く、ドット配置の空間的な疎密が領域によらずおおよそ一定となっている。
ドットの分散性は、上述したように、ドット配置に応じた空間周波数特性をみることでも評価できる。
図14(c)は図14(a)に示す領域A2、1パス目、記録ヘッド102Lに対応するドット配置に応じた空間周波数特性の各周波数領域におけるパワースペクトル(実線部)と図14(b)に示す領域A2、1パス目、記録ヘッド102Rに対応するドット配置に応じた空間周波数特性の各周波数領域におけるパワースペクトル(破線部)を示している。ここで、図14(a)、(b)に示す2値データによるドット配置を図14(c)に示すようにドット配置に応じた空間周波数特性に変換する際、「T. Mitsa and K. J. Parker, digital Halftoning using a Blue Noise Mask Proc. SPIE 1452, pp.47−56(1991)」に記載の方法にしたがって行った。
分散性が高い場合、空間周波数特性は一般にブルーノイズ特性に近い性質を示す。すなわち、低周波成分が少なくなる。ここで、図14(c)をみると、記録ヘッド102Lに対応する周波数特性は、記録ヘッド102Rに対応する周波数特性に比べ、低周波成分が少なくなっていることがわかる。特に、0〜15[cycle/mm]の周波数領域においてそれが顕著である。そのため、0〜15[cycle/mm]の周波数領域においては、記録ヘッド102Lに対応する周波数成分(パワースペクトル)の積分値(縦軸の値を横軸0〜15の範囲で積分した値)の方が記録ヘッド102Rに対応する周波数成分の積分値よりも随分と小さくなっている。ここからも、記録ヘッド102Lによるドット配置が記録ヘッド102Rによるドット配置よりも分散性が高くなっていることがわかる。
これは、ディザパターン80では、最も小さい閾値(例えば1〜64)が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が、次に小さい閾値(例えば65〜128)が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなっているためである。多値データMuA2_L1に対してはディザパターン80をそのまま適用するため、ディザパターン80において最も小さい閾値が定められた画素から順番にインクの吐出が定められる。一方で多値データMuA2_R1に対しては、上述の減算処理により、ディザパターン80内のある程度大きい閾値(多値データMuA2_L1が示す値が64であれば閾値「65」)から順番にインクの吐出が定められる。そのため、領域A2、1パス目、記録ヘッド102Lに対応するドット配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が、領域A2、1パス目、記録ヘッド102Rに対応するドット配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも小さく(分散性が高く)なるのである。
このような低い閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が少ないディザパターンを用いると、本実施形態のように、複数の記録ヘッドで分担して記録する重複記録領域A2において画質低下を抑制することができる。同一の走査内で記録ヘッド102L、102Rの一方において吐出位置ずれが生じた場合であっても、その影響を小さくすることができるのである。
図15(a)は領域A1、1パス目、記録ヘッド102Lに対応し、「128」の値を示す多値データMuA1_L1を本実施形態にしたがって量子化した際のドット配置を示す図である。
また、図15(b)は領域A2、1パス目、記録ヘッド102Lに対応する多値データMuA2_L1と領域A2、1パス目、記録ヘッド102Rに対応する多値データMuA2_R1を本実施形態にしたがって量子化した際のドット配置を示す図である。ここでは多値データMuA2_L1、MuA2_R1のいずれも「64」の値を示す場合について示している。また、図15(b)には記録ヘッド102L、102R間に吐出位置ずれがない場合について示している。
一方、図15(c)も図15(b)と同様に多値データMuA2_L1、MuA2_R1を本実施形態にしたがって量子化した際のドット配置を示しているが、図15(c)では記録ヘッド102Rからの吐出において左側に1画素分だけずれるような吐出位置ずれが生じた場合について示している。
なお、右上から左下への斜線を引かれた画素が記録ヘッド102Lから形成されるドットを、左上から右下への斜線を引かれた画素が記録ヘッド102Rから形成されるドットをそれぞれ示している。また、ここでは簡単のため、領域A1、A2それぞれのうちの、ディザパターン80内の領域80aに対応する領域におけるドット配置のみを示している。
図15(a)、(b)を比較するとわかるように、記録ヘッド間で吐出位置ずれが生じなければ、第1の実施形態と同様に、領域A1のドット配置と領域A2のドット配置は同じとなる。
一方、図15(a)、(c)を比較するとわかるように、一方の記録ヘッドで吐出位置ずれが生じた場合には、領域A1と領域A2それぞれに形成されるドット配置は異なるものとなってしまう。したがって、画質はある程度は低下してしまう。しかしながら、ドットの分散性、つまりドットの疎密のばらつきについては、図15(a)と図15(c)で大きな違いは生じていない。このように、本実施形態では一方の記録ヘッドで吐出位置ずれが生じたとしても、領域A1、A2間でドットの分散性を然程異ならせないことができるため、領域A1、A2間での画質の低下を抑制できるのである。
この理由は、ディザパターン80において、最も小さい閾値が定められた画素(ここでは1〜64)の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分を小さくし、それらの画素の分散性を高くしているためである。
多値データMuA2_Rにはディザパターン80に基づいて量子化が行われるため、上述のディザパターン80内の最も小さい閾値が定められた画素は、記録ヘッド102Lからの吐出が行われる領域A2内の画素に対応する。このため、記録ヘッド102Lから領域A2に対してインクが吐出される画素81、82、83、84は分散性が高くなる。
ここで、片方の記録ヘッドから形成されたドットだけをみると、記録ヘッド102L、102R間で吐出位置ずれが生じたとしても、ドット配置は変わらない。したがって、吐出位置ずれが生じた場合であっても、本実施形態によって記録ヘッド102Lからインクが吐出される画素81、82、83、84については分散性を高く保つことができる。これらの画素81、82、83、84で分散性を高くしているため、吐出位置ずれが生じたとしても、領域A2におけるドット配置の分散性を領域A1におけるドット配置の分散性に比べてそれ程低下させることがない。
比較として、第1の実施形態で用いた図7に示すディザパターン70を用いた場合について説明する。
図16(a)は領域A1、1パス目、記録ヘッド102Lに対応し、「128」の値を示す多値データMuA1_L1を第1の実施形態にしたがって量子化した際のドット配置を示す図である。
また、図16(b)は領域A2、1パス目、記録ヘッド102Lに対応する多値データMuA2_L1と領域A2、1パス目、記録ヘッド102Rに対応する多値データMuA2_R1を第1の実施形態にしたがって量子化した際のドット配置を示す図である。ここでは多値データMuA2_L1、MuA2_R1のいずれも「64」の値を示す場合について示している。また、図16(b)には記録ヘッド102L、102R間に吐出位置ずれがない場合について示している。
一方、図16(c)も図16(b)と同様に多値データMuA2_L1、MuA2_R1を第1の実施形態にしたがって量子化した際のドット配置を示しているが、図16(c)では記録ヘッド102Rからの吐出において左側に1画素分だけずれるような吐出位置ずれが生じた場合について示している。
なお、右上から左下への斜線を引かれた画素が記録ヘッド102Lから形成されるドットを、左上から右下への斜線を引かれた画素が記録ヘッド102Rから形成されるドットをそれぞれ示している。また、ここでは簡単のため、領域A1、A2それぞれのうちの、ディザパターン80内の領域80aに対応する領域におけるドット配置のみを示している。
図16(a)、(b)を比較するとわかるように、記録ヘッド間で吐出位置ずれが生じなければ、第1の実施形態によっても、領域A1のドット配置と領域A2のドット配置は同じとなる。
但し、図16(a)、(c)を比較するとわかるように、一方の記録ヘッドで吐出位置ずれが生じると、領域A1と領域A2それぞれに形成されるドット配置が異なる上、分散性についても大きな違いが生じる虞があることがわかる。例えば、図16(a)の右側の領域ではある程度インクの吐出が定められているが、図16(c)の右側の領域ではインクの吐出が殆ど定められておらず、紙白が目立ってしまっている。
これは、第1の実施形態では、空間周波数特性を特に考慮せずにディザパターン70を設計しているためである。これにより、領域A2、1パス目、記録ヘッド102Lに対応するドット配置においても、領域A2、1パス目、記録ヘッド102Rに対応するドット配置と同じく分散性が低くなり、局所的な偏りが生じているからである。
第2の実施形態では領域A2、1パス目、記録ヘッド102Lに対応するドット配置において分散性を高くしていたため、記録ヘッド間で吐出位置ずれがあっても、記録ヘッド102Lから吐出される部分については分散性を保つことができた。これに対し、第1の実施形態では、領域A2、1パス目、記録ヘッド102Lに対応するドット配置も分散性が低いため、記録ヘッド間で吐出位置ずれが生じると、分散性が大きく低下してしまうのである。この結果、吐出位置ずれが生じたときに領域A1、A2間で分散性に違いが生じ,画質の低下が発生してしまう虞がある。
このように、図13に示すディザパターン80を用いることにより、第1の実施形態と同様の効果に加え、記録ヘッド間で吐出位置ずれが生じた場合であっても画質低下を抑制した記録を行うことが可能となる。
なお、ここでは第1の実施形態におけるディザパターン70の代わりに用いるディザパターン80について説明したが、ディザパターン71の代わりに用いるディザパターン81についても上述したディザパターン80と同様にして設計される。
図17は本実施形態においてディザパターン71の代わりに用いるディザパターン81を示す図である。本実施形態で示すディザパターン81は、図17(a)に示すように、512画素×512画素のサイズを有している。なお、簡単のため図17(a)では省略しているが、実際には512画素×512画素の各画素に対して1〜256の閾値が定められている。
図17(b)は図17(a)に示した512画素×512画素のサイズのディザパターンのうち、4画素×4画素のサイズの一部の領域81aを抜き出した図である。
図17(a)に示したディザパターン81においても、図13(a)に示したディザパターン80と同様に、最も小さい閾値が定められた画素の分散性が、次に小さい閾値が定められた画素の分散性よりも大きくなるように、各画素に対する閾値が定められている。つまり、ディザパターン81においても、最も小さい閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が、次に小さい閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなるように、各画素に対して閾値が定められている。
図17(c)は図17(b)に示すディザパターン内の領域81aのうち、最も小さい閾値(ここでは16、32、48、64)が定められた4つの画素を黒く塗り潰して示した図である。また、図17(d)は図17(b)に示すディザパターン内の領域80aのうち、次に小さい閾値(ここでは80、96、112、128)が定められた4つの画素を黒く塗りつぶして示した図である。
図17(c)、図17(d)を比較するとわかるように、図17(c)に示す最も小さい閾値が定められた画素の方が、図17(d)に示す次に小さい閾値が定められた画素よりも分散性が高くなっている。
ここで、第1の実施形態におけるディザパターン70、71と同様に、本実施形態におけるディザパターン80、81は、「128」以下の閾値が定められた画素が一部で重畳するように設計されている。詳細には、ディザパター80、81ともに、最も左上の画素、左から2番目、且つ最も下側の画素、右から2番目、且つ上から2番目の画素の3画素について、「128」以下の閾値が定められている。このため、例えば領域A1、1パス目、記録ヘッド102Lに対応する多値データMuA1_L1と、領域A1、2パス目、記録ヘッド102Lに対応する多値データMuA1_L1として、それぞれ「128」の値を示すデータが入力されると、上記の3画素については1パス目と2パス目で重畳してインクを吐出することになる。したがって、第1の実施形態と同様に、1パス目と2パス目の間に吐出位置ずれが生じたとしても濃度がそれ程変わらない画像を記録することができる。
また、以上に説明した各実施形態では、ディザパターン80、81内の各画素には1〜256までのいずれかの閾値が定められ、1〜64の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が65〜128の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなっている形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。この低周波成分が少なくなる閾値の幅(各実施形態では閾値「1」〜「64」で低周波成分が少なくなるため、閾値の幅は64)は適宜異なるものとしても良く、例えば1〜32の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が33〜64の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなっていても良い。また、1〜64の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が33〜96の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなっていても良い。また、1〜128の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が129〜256の閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなっていても良い。
実際には、1からj(jはj>1を満たす整数)までの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分がkからk+j−1までの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分より少なくなっていれば良い。ここで、上記のkの条件としては、ディザパターンに定められた閾値の最大値をM(各実施形態ではM=256)としたとき、(1)k≧2、且つ(2)k+j−1≦M、すなわち2≦k≦M−j+1を満たす必要がある。(1)、(2)の条件の理由について説明すると、まず、本実施形態では小さい閾値から優先的に分散性が高くなるようにディザパターン内での配置を決めるため、閾値「1」が定められた画素の分散性は他の閾値、例えば閾値「65」が定められた画素の分散性よりも高くなっている必要がある。そのため、1からjまでの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分は、少なくとも「1」の閾値を除いたkからk+j−1までの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性に応じた低周波成分より少なくなっている必要がある。この理由により、上記(1)の条件が必要となる。また、上記(2)の条件はkからk+j−1の閾値の幅における低周波成分を算出する際、当該幅における最大値であるk+j−1はディザパターンに定められた閾値の最大値(M)以下となっている必要があるためである。
なお、上記(1)の条件においては、少なくともk≧2である必要があると説明したが、実際にはkの値はより大きい方が好ましい。ディザパターンのサイズや閾値の最大値、記録媒体上に形成されるドット径等によるが、ディザパターン内の「1」の閾値が定められた画素の分散性を最大限に高めた場合であっても、未だディザパターン内の画素密度に隙間が多い場合がある。このような場合には、「1」の次に小さい閾値、すなわち「2」の閾値に関しても画素の分散性を十分に高めることができ、「1」の閾値が定められた画素の分散性と「2」の閾値が定められた画素の分散性がそれほど変わらなくなる。この点を考えると、上記のkの値は「2」よりもある程度大きい方が良く、実際にはj≧M/16の条件を満たすことが好ましい。各実施形態ではM=256であるため、j≧16となる。「1」〜「15」の閾値が定められた画素の分散性を優先的に高めていれば、「16」より大きい値になると分散性は低くせざるを得ないためである。
以上記載したような条件を満たしていれば、入力される多値データMuA2_L1、MuA2_L2の値が少なくともj以下であれば、各実施形態と同様に効果を得ることができる。なお、低周波成分の比較を行う場合には閾値の幅は同じであることが好ましく、上記の条件においては1からjまでの閾値の幅はj−1、kからk+j−1までの閾値の幅も(k+j−1)−k=j−1と同じとなっている。また、各実施形態に記載したように連続した閾値の幅(例えば1〜64と65〜128)の比較を行う場合には、k=j+1の条件を満たしていれば良い。なお、実際には閾値の幅が重ならない領域(例えば1〜64までの閾値と65〜128までの閾値、あるいは1〜64までの閾値と193〜256までの閾値)において空間周波数特性に応じた低周波成分の比較を行うことが好ましいため、k>jであることが好ましい。
また、上述のような空間周波数特性における低周波成分の比較をするためには、ディザパターン内の1からjまでの閾値が定められた画素の数と、kからk+j−1までの閾値が定められた画素の数と、が同じであることが好ましい。
(その他の実施形態)
以上に説明した第1、第2の実施形態では、2つのディザパターン(第1の実施形態ではディザパターン70、71、第2の実施形態ではディザパターン80、81)において、「128」よりも低い閾値がある程度重畳していれば良いと記載した。しかしながら、この2つのディザパターン間で重畳する画素の数が多すぎると、1パス目と2パス目で重畳して形成されるドットが多くなり過ぎ、粒状感が低下してしまう虞がある。
そこで、2つのディザパターンは以下の条件を満足していることが好ましい。2つのディザパターンの画素数をA画素、一方のディザパターン(ディザパターン70またはディザパターン80)において「128」以下の閾値が定められた画素数をB画素、他方のディザパターン(ディザパターン71またはディザパターン81)において「128」以下の閾値が定められた画素数をC画素、2つのディザパターンの両方で「128」以下の閾値が定められた画素数をD画素としたとき、0<D<(B×C)/Aとなっていることが好ましい。
2つのディザパターンにおいて各画素における閾値の配置がランダムに規定されている場合、「128」以下の閾値が重畳する確率は、(B/A)×(C/A)=(B×C)/(A×A)である。すなわち、2つのディザパターンを用いて同じ値の多値データを量子化したとき、ディザパターンのサイズがA画素であることを考えれば、ディザパターンに対応する領域にてドットが重畳する数の期待値は(B×C)/(A×A)×A=(B×C)/Aとなる。本実施形態では、2つのディザパターンの両方で「128」以下の閾値が定められた画素数Dが上述の(B×C)/A未満となっていることが好ましい。すなわち、2つのディザパターンで閾値の配置をランダムにしたときよりも重畳するドット数が少なくなれば、粒状感を低減することができる。
一方で、ある程度は1パス目と2パス目で重畳するドットを形成しなければ、上述したような1パス目と2パス目で吐出位置ずれが生じた際の画質低下を抑制することができない。したがって、0<D<(B×C)/Aを満足していることが好ましいのである。
なお、ここでB、C、Dともに「128」以下の閾値が定められた画素について説明したが、この値は他の値でも良く、例えば「64」以下の閾値が定められた画素におけるB、C、Dが上記の式を満たしているような場合であっても良い。「1」〜「256」の256値のすべてにおいてB、C、Dが上記の式を満たしていることが最も好ましい。
また、各実施形態では、ディザパターン70内の閾値から多値データMuA2_L1の値を減算することでディザパターン70´を生成し、それを用いて多値データMuA2_R1を量子化すると記載したが、他の形態による実施も可能である。
例えば、多値データMuA2_R1の量子化に際し、多値データMuA2_R1の値に多値データMuA2_L1の値を加算し、ディザパターン70を用いて加算後の多値データMuA2_R1を量子化する形態であっても良い。この場合、加算後の多値データMuA2_R1の値がディザパターン70内の閾値以上であり、且つ、加算前の多値データMuA2_R1の値がディザパターン70内の閾値未満である画素に対してインクの吐出を定めることが好ましい。
図8(c3)の多値データMuA2_R1を一例としてより詳細に説明すると、加算前の多値データMuA2_R1の値は64、加算後の多値データMuA2_R1の値は128(=64+64)となる。したがって、図7に示すディザパターンのうち、65〜128の閾値が定められた画素にインクが吐出されるような記録データBiA2_R1が生成される。図7(b)に示すディザパターン内の領域70aで考えると、上記の条件を満たす80、96、112、128の閾値が定められた画素にインクの吐出を定める2値データBiA2_R1が生成されることになるが、これは図8(d5)に示した第1の実施形態で生成される2値データBiA2_R1と同じであることがわかる。
ここでは多値データMuA2_R1を処理する場合について記載したが、多値データMuA2_R2を処理する場合についても同様である。
また、以上に説明した各実施形態では、記録ヘッド102Lと記録ヘッド102Rがある程度だけ離間して設けられた記録ユニットを記載したが、この離間の距離Wは少なくとも各記録ヘッド内の吐出口列間の距離dよりも長いことが好ましい。なお、記録ヘッド間の距離が長いほど記録時間を短縮することができるため、実際には所望の記録時間となるような距離だけ記録ヘッド間が離間されていることが好ましい。
また、以上に説明した各実施形態ではいずれも各記録ヘッドがシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを吐出する吐出口列を1つずつ用いる形態について記載したが、その他の色のインクを吐出する吐出口列を用いるような形態であっても良い。また、同じ色のインクを吐出する吐出口列を1つの記録ヘッド当たり複数用いても良い。
また、以上に説明した各実施形態では、同じ種類のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された1つの列によって1つの吐出口列が構成される形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。例えば、同じ種類のインクを吐出する複数の吐出口がY方向に配列された列を2つ有し、その2列がX方向に互いにずれた位置であって、且つ、一方の列の吐出口が他方の列の吐出口間にインクを吐出可能なようにY方向に互いにずれた位置に配置されることによって1つの吐出口列が構成されても良い。
また、以上に説明した各実施形態では、記録ユニットとして異なる2つの記録ヘッドと、記録ヘッドを保持する保持部と、から構成される記録ユニットを用いる形態について記載したが、他の形態による実施も可能である。すなわち、第1の記録部と第2の記録部を備え、第1、第2の記録部間のX方向における距離がある程度離間して配置された記録ユニットを用いる形態であれば各実施形態に記載した各記録部内での吐出口列の配置を行うことにより各実施形態と同様の効果を得ることができる。例えば、保持部を有さず、第1の記録部と第2の記録部が1つの記録ヘッド内に備えられた記録ユニットを用いる場合であっても各実施形態による効果を得ることができる。
また、各実施形態には重複記録領域とそれ以外の領域で同一走査で形成されるドットの配置が同じとなる形態について記載したが、多少、例えば1画素や2画素程度異なっていても良い。このときの異なる原因としては、生成されるデータ自体がドットの配置が多少異なっていても良いし、データは同じ位置にドットを形成するよう定められているが、種々の着弾位置ずれの影響によって多少ドットの配置が異なってしまっていても、ある程度の差異であれば各実施形態と同様の効果を得られる。
また、「インク」とは、記録媒体上に付与されることで、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工に供され得る記録剤としての液体を表すものとする。
80 ディザパターン
101 記録ユニット
106 記録媒体
311 CPU

Claims (20)

  1. インクを吐出する吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2記録部と、を有し、前記第1記録部と前記第2記録部が前記所定方向に交差する交差方向に離間して配置された記録ユニットと、
    前記記録ユニットを記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させる走査手段と、
    前記単位領域に記録する画像に対応する多値データを取得する取得手段と、
    多値データの値に応じて各画素に対するインクの吐出または非吐出を規定するための閾値が各画素に対して定められた複数のディザパターンを記憶するメモリと、
    前記複数のディザパターンを用いて前記多値データを量子化して記録データを生成する生成手段と、
    前記第2記録部からは記録を行わず、前記第1記録部からは記録を行う前記単位領域内の第1領域と、前記第1領域と前記交差方向に隣接し、前記第1記録部と前記第2記録部の両方によって記録を行う前記単位領域内の第2領域と、に対し、各回の走査を行いながら前記記録データに基づいてインクを吐出するように記録動作を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記取得手段は、前記第1領域に対して前記複数回の走査のうちの第1走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第1多値データと、前記第2領域に対して前記第1走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第2多値データと、前記第2領域に対して前記第1走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第3多値データと、前記第1領域に対して前記第1走査と異なる第2走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第4多値データと、前記第2領域に対して前記第2走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第5多値データと、前記第2領域に対して前記第2走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第6多値データと、を取得し、
    前記生成手段は、前記第1多値データと前記複数のディザパターンのうちの第1ディザパターンに基づいて第1記録データを生成し、前記第2多値データと前記第1ディザパターンに基づいて第2記録データを生成し、前記第2多値データと前記第3多値データと前記第1ディザパターンに基づいて第3記録データを生成し、前記第4多値データと前記複数のディザパターンのうちの第2ディザパターンに基づいて第4記録データを生成し、前記第5多値データと前記第2ディザパターンに基づいて第5記録データを生成し、前記第5多値データと前記第6多値データと前記第2ディザパターンに基づいて第6記録データを生成し、
    前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンは、各画素に対する閾値の配置が互いに異なることを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、前記第2領域と前記交差方向に隣接し、前記第1記録部からは記録を行わず、前記第2記録部からは記録を行う第3領域に対しても、各回の走査を行いながら前記記録データに基づいてインクを吐出するように記録動作を制御し、
    前記取得手段は、前記第3領域に対して前記第1走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第7多値データと、前記第3領域に対して前記第2走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第8多値データと、を更に取得し、
    前記生成手段は、前記第7多値データと前記第1ディザパターンに基づいて第7記録データを更に生成し、前記第8多値データと前記第2ディザパターンに基づいて第8記録データを更に生成することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンそれぞれの画素の数をA画素、前記第1ディザパターンの所定の値より低い閾値が定められた画素の数をB画素、前記第2ディザパターンの前記所定の値より低い閾値が定められた画素の数をC画素、前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンの両方で前記所定の値よりも低い閾値が定められた画素の数をD画素としたとき、前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンは、0<D<(B×C)/Aを満たすように、各画素に対する閾値が定められていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンのそれぞれは、前記閾値のうちの1からj(jはj>1を満たす整数)までの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が、前記閾値のうちのk(閾値の最大値をMとしたとき、kは2≦k≦M−j+1を満たす整数)からk+j−1までの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなるように、各画素に対する閾値が定められていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンのそれぞれは、1からjまでの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分がほぼ0となるように、各画素に対する閾値が定められていることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
  6. 前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンのそれぞれは、1からjまでの閾値が定められた画素の配置に応じた空間周波数特性がブルーノイズ特性となるように、各画素に対する閾値が定められていることを特徴とする請求項4または5に記載の記録装置。
  7. k=j+1であることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. j≧M/16であることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記生成手段は、前記第1ディザパターンの各画素における閾値から前記第2多値データが示す値を減算し、減算後の前記第1ディザパターンを用いて前記第3多値データを量子化して前記第3記録データを生成し、前記第2ディザパターンの各画素における閾値から前記第5多値データが示す値を減算し、減算後の前記第2ディザパターンを用いて前記第6多値データを量子化して前記第6記録データを生成することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記生成手段は、前記第3多値データが示す値に前記第2多値データが示す値を加算し、前記第1ディザパターンを用いて加算後の前記第3多値データを量子化して前記第3記録データを生成し、前記第6多値データが示す値に前記第5多値データが示す値を加算し、前記第2ディザパターンを用いて加算後の前記第6多値データを量子化して前記第6記録データを生成することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. インクを吐出する吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2記録部と、を有し、前記第1記録部と前記第2記録部が前記所定方向に交差する交差方向に離間して配置された記録ユニットと、
    前記記録ユニットを記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させる走査手段と、
    前記第2記録部からは記録を行わず、前記第1記録部からは記録を行う前記単位領域内の第1領域と、前記第1領域と前記交差方向に隣接し、前記第1記録部と前記第2記録部の両方によって記録を行う前記単位領域内の第2領域と、に対し、各回の走査を行いながら前記記録データに基づいてインクを吐出するように記録動作を制御する制御手段と、を有する記録装置であって、
    前記制御手段は、(i)前記第1領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素の配置と、前記第2領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と前記第2領域内の前記第1走査によって前記第2記録部からインクが吐出される画素の配置と、はほぼ等しく、(ii)前記第1領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素の配置と、前記第2領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と前記第2領域内の前記第2走査によって前記第2記録部からインクが吐出される画素との配置と、はほぼ等しく、(iii)前記第1領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、前記第1領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、は一部が重畳するように、記録動作を制御することを特徴とする記録装置。
  12. 前記制御手段は、(i)前記第1領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、前記第1領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、は一部が重畳するように、記録動作を制御することを特徴とする請求項11に記載の記録装置。
  13. 前記制御手段は、前記第1走査が行われてから前記第2走査が行われるまでの間にずれが発生しない場合において、前記第2領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、前記第2領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、が重畳する数が、前記第1走査が行われてから前記第2走査が行われるまでの間にずれが発生した場合において、前記第2領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、前記第2領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、が重畳する数とほぼ等しくなるように、記録動作を制御することを特徴とする請求項11または12に記載の記録装置。
  14. 前記制御手段は、前記第2領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分が、前記第2領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素の配置に応じた空間周波数特性における低周波成分よりも少なくなるように、記録動作を制御することを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の記録装置。
  15. 前記制御手段は、(i)前記第2領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、前記第2領域内の前記第1走査によって前記第2記録部からインクが吐出される画素と、は重畳せず、(ii)前記第2領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、前記第2領域内の前記第2走査によって前記第2記録部からインクが吐出される画素と、は重畳しないように、記録動作を制御することを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の記録装置。
  16. 前記第1記録部と前記第2記録部は、互いに異なる記録ヘッドであって、
    前記記録ユニットは、前記第1記録部と前記第2記録部を保持する保持部を更に有することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の記録装置。
  17. 前記記録ユニットは、前記第1記録部と前記第2記録部が前記所定方向において同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の記録装置。
  18. 前記第1の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における一方の端部を少なくとも含む領域であって、
    前記第2の領域は、前記記録媒体上の前記交差方向における中央部を少なくとも含むことを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の記録装置。
  19. インクを吐出する吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2記録部と、を有し、前記第1記録部と前記第2記録部が前記所定方向に交差する交差方向に離間して配置された記録ユニットを用いて記録を行う記録方法であって、
    前記記録ユニットを記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させる走査工程と、
    前記単位領域に記録する画像に対応する多値データを取得する取得工程と、
    多値データの値に応じて各画素に対するインクの吐出または非吐出を規定するための閾値が各画素に対して定められた複数のディザパターンを読み出す読出工程と、
    前記複数のディザパターンを用いて前記多値データを量子化して記録データを生成する生成工程と、
    前記第2記録部からは記録を行わず、前記第1記録部からは記録を行う前記単位領域内の第1領域と、前記第1領域と前記交差方向に隣接し、前記第1記録部と前記第2記録部の両方によって記録を行う前記単位領域内の第2領域と、に対し、各回の走査を行いながら前記記録データに基づいてインクを吐出するように記録動作を制御する制御工程と、を有し、
    前記取得工程において、前記第1領域に対して前記複数回の走査のうちの第1走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第1多値データと、前記第2領域に対して前記第1走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第2多値データと、前記第2領域に対して前記第1走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第3多値データと、前記第1領域に対して前記第1走査と異なる第2走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第4多値データと、前記第2領域に対して前記第2走査において前記第1記録部から記録する画像に対応する第5多値データと、前記第2領域に対して前記第2走査において前記第2記録部から記録する画像に対応する第6多値データと、を取得し、
    前記生成工程において、前記第1多値データと前記複数のディザパターンのうちの第1ディザパターンに基づいて第1記録データを生成し、前記第2多値データと前記第1ディザパターンに基づいて第2記録データを生成し、前記第2多値データと前記第3多値データと前記第1ディザパターンに基づいて第3記録データを生成し、前記第4多値データと前記複数のディザパターンのうちの第2ディザパターンに基づいて第4記録データを生成し、前記第5多値データと前記第2ディザパターンに基づいて第5記録データを生成し、前記第5多値データと前記第6多値データと前記第2ディザパターンに基づいて第6記録データを生成し、
    前記第1ディザパターンと前記第2ディザパターンは、各画素に対する閾値の配置が互いに異なることを特徴とする記録方法。
  20. インクを吐出する吐出口が所定方向に配列された吐出口列が設けられた第1記録部と、インクを吐出する複数の吐出口が前記所定方向に配列された吐出口列が設けられた第2記録部と、を有し、前記第1記録部と前記第2記録部が前記所定方向に交差する交差方向に離間して配置された記録ユニットを用いて記録を行う記録方法であって、
    前記記録ユニットを記録媒体上の単位領域に対して複数回走査させる走査工程と、
    前記第2記録部からは記録を行わず、前記第1記録部からは記録を行う前記単位領域内の第1領域と、前記第1領域と前記交差方向に隣接し、前記第1記録部と前記第2記録部の両方によって記録を行う前記単位領域内の第2領域と、に対し、各回の走査を行いながら前記記録データに基づいてインクを吐出するように記録動作を制御する制御工程と、を有し、
    前記制御工程において、(i)前記第1領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素の配置と、前記第2領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と前記第2領域内の前記第1走査によって前記第2記録部からインクが吐出される画素との配置と、はほぼ等しく、(ii)前記第1領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素の配置と、前記第2領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と前記第2領域内の前記第2走査によって前記第2記録部からインクが吐出される画素の配置と、はほぼ等しく、(iii)前記第1領域内の前記第1走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、前記第1領域内の前記第2走査によって前記第1記録部からインクが吐出される画素と、は一部が重畳するように、記録動作を制御することを特徴とする記録方法。
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