JP2019042927A - 加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 - Google Patents

加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】最表面に用いられる表皮層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有する加飾成形体及び加飾成形体の簡易な製造方法を提供する。【解決手段】成形体12と、成形体12の面上に凸部を形成する第1の加飾層16と、第1の加飾層16を覆って配置された、樹脂層20及び接着層18を有する第2の加飾層22と、を備える加飾成形体及び加飾成形体の製造方法。【選択図】図2

Description

本開示は、加飾成形体及び加飾成形体の製造方法に関する。
自動車、鉄道車輌、航空機などの内装材、外装材等の成形体として、さまざまな意匠の合成樹脂加飾フィルム(以下、加飾フィルムと称することがある)により加飾された加飾成形体が用いられている。
従来は、樹脂成形体の加熱成形時に、金型内に加飾フィルム配置し、加熱成形することで、自動車等の内装材又は外装材としての、任意の色相、文様などの意匠が付与された加飾成形体を得ることが一般的であった。
加飾フィルムとしての合成樹脂表皮材を用いた意匠の付与において、樹脂成形体の表面に凹凸形状を付与する場合、合成樹脂表皮材にエンボス処理を施して凹凸を形成することが行なわれている。しかし、この方法によれば、合成樹脂表皮材の厚み以上の深さの凹凸形状を付与することはできない。従って、各種成形体の表面に、合成樹脂表皮材の厚み以上の深さの凹凸形状を付与する場合には、金型により表面に凹凸形状を付与する必要があった。このため、表面における深みのある凹凸形状を変更する場合には、金型の変更が必要となり、多様な意匠表現を容易に実施することは困難である。
自動車のボディー、自動車の外装部品等の屋外用の成形物を製造する方法として、熱可塑性樹脂層、未硬化の紫外線硬化型ハードコート層、及び離型性フィルム層が積層した加飾フィルムを用い、射出成形用の金型の凸型に、加飾フィルムの熱可塑性樹脂層が射出成形樹脂に接するように配置し、凸型と加飾フィルムとの間の間隙に溶融樹脂を圧入して成形体とした後、紫外線を照射してハードコート層を硬化させ、次いで離型性フィルムを剥離することにより表面に加飾フィルム層が形成された成形物の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、フィルム上に、金属調印刷層、及び接着層を順次積層して転写フィルムを形成し、熱可塑性フィルム上に接着層を下にして転写フィルムを熱転写し、フィルムを除去して金属調印刷フィルムを形成した後、金属調印刷フィルムの剥離層上に立体印刷を行い、立体印刷が施された剥離層上に透明熱可塑性フィルムを積層して立体幾何学意匠フィルムを形成する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、透明性を有する成型品であり、加飾フィルムとして、基材フィルムの表面に厚盛印刷層による凸部を形成したものを用い、インサート成形により成形品の加飾フィルムを貼着する面側に、凸部が嵌入した状態で凹部が形成され、該凹部により成形品の壁厚を透して凹凸模様が視認される構成とした加飾合成樹脂成形品が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第4627099号公報 特開2005−119043号公報 特開2012−11614号公報
特許文献1に記載の方法では、未硬化のハードコート層を有する加飾フィルムを有する樹脂成形体を得た後、紫外線を照射して硬化させることが必要であり、工程が煩雑であり、また、成形体の最表面には、耐傷性の平滑な透明樹脂層が形成されるために、十分な立体感のある意匠を得ることが困難であった。
また、特許文献2に記載の方法では、金属調印刷層表面に立体印刷を行って凸部を設けているが、最表層が透明フィルムであり、当該透明フィルムを介して金属調印刷層と、そこに形成された立体印刷部が視認されるために、光沢のある透明フィルムにより外観が制限され、多様な意匠を付与することは困難である。
特許文献3に記載の方法では、凸部が視認される側と反対側に形成され、表面は平滑であるために、成形体に、立体的であり、かつ、多様な意匠の外観は与え難い。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、最表面に用いられる表皮層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有する加飾成形体を提供することである。
本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、最表面に用いられる表皮層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有する加飾成形体を、金型などの変更を要さず、簡易に製造しうる加飾成形体の製造方法を提供することである。
課題を解決する手段は以下の実施形態を含む。
<1> 成形体と、前記成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層と、前記第1の加飾層を覆って配置された、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層と、を備える加飾成形体。
<2> 前記第1の加飾層は、前記成形体の表面の一部に配置される<1>に記載の加飾成形体。
<3> 前記第1の加飾層は、厚みが互いに異なる複数の領域を有し、厚みのより厚い領域が、前記成形体の面上に凸部をなす<1>に記載の加飾成形体。
<4> 成形体の面上に、凸部を形成する第1の加飾層を配置する工程と、前記成形体の面上に配置された第1の加飾層上に、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層を、前記第2の加飾層における接着層を前記第1の加飾層に接触させて接着し、前記成形体の面上に配置された第1の加飾層を覆って前記第2の加飾層を配置する工程と、を含む加飾成形体の製造方法。
<5> 前記第2の加飾層を配置する工程は、真空成形又は圧空成形にて、前記第2の加飾層を配置する工程を含む<4>に記載の加飾成形体の製造方法。
<6> 前記第2の加飾層の厚みが、前記第1の加飾層の厚みよりも薄い<4>又は<5>に記載の加飾成形体の製造方法。
<7> 前記第1の加飾層を配置する工程は、仮支持体の面上に、凸部状の第1の加飾層を形成して、第1の加飾層形成用積層体を得る工程と、前記第1の加飾層形成用積層体の第1の加飾層を前記成形体の面上に接触させ、仮支持体を剥離して、第1の加飾層を前記成形体の面上に転写する工程と、を含む<4>〜<6>のいずれか1つに記載の加飾成形体の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、最表面に用いられる表皮層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有する加飾成形体を提供することができる。
本発明の別の実施形態によれば、最表面に用いられる表皮層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有する加飾成形体を、金型などの変更を要さず、簡易に製造しうる加飾成形体の製造方法を提供することができる。
本発明の一態様である加飾成形体の層構成の概略を示す断面図である。 成形体の表面の一部に第1の加飾層を有する加飾成形体の一実施形態を示す概略断面図である。 成形体の表面に厚みの異なる領域を有する第1の加飾層を備えた加飾成形体の一実施形態を示す概略断面図である。 (A)は、成形体の表面の一部に第1の加飾層を形成した状態の一実施形態を示す概略断面図であり、(B)は、第2の加飾層の一実施形態を示す概略断面図であり、(C)は、(A)に示す表面の一部に第1の加飾層を形成した成形体上に、(B)に示す第2の加飾層を接着して配置した状態の一実施形態を示す概略図である。
本明細書において「〜」を用いて記載した数値範囲は、「〜」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を表す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、「成形体の面上に形成する」とは、必ずしも成形体の表面に直接形成することのみを意味するものではなく、例えば、成形体の表面に他の層を有し、他の層を介して成形体の表面に形成する場合も包含する意味で用いられる。
<加飾成形体>
本開示の加飾成形体は、成形体と、前記成形体の成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層と、前記第1の加飾層を覆って配置された、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層と、を備える。
本開示の作用は明確ではないが、以下のように考えている。
本開示の加飾成形体では、成形体と、表皮層に相当する第2の加飾層との間に、成形体の面上に凸部を形成し、加飾成形体に立体性を付与するための形状付与層としての第1の加飾層を備える。そして、基材としての成形体の面上に、樹脂層と接着層とを有する表皮層としての意匠性に優れた第2の加飾層を貼り合せる前に、成形体の面上に深い凹凸形状を付与しうる成形体の面上に、凸部を形成する第1の加飾層を配置することで、最表面の第2の加飾層を貼り合せて、第1の加飾層を覆うことで、加飾成形体の表面に、第1の加飾層により形成された深みのある凹凸形状が浮き出るようになる。
このため、形状付与層としての凸部を形成する第1の加飾層と第2の加飾層とを、それぞれ別に成形し、成形体の表面に順次配置することで、表皮層である第2の加飾層の厚みに制限されず、任意の凹凸形状を成形体に付与することができる。
ここで、好ましくは、第2の加飾層を、密閉構造内での真空成形、圧空成形により形成することで、簡易に加飾成形体を得ることができる。
さらに、第2の加飾層を、凸部を形成し、厚みのある領域与える第1の加飾層とは別に成形することで、第2の加飾層における樹脂層の素材を任意に選択しうるため、色相、感触などの異なる様々な組み合わせの立体的な意匠を容易に形成できると考えられる。
このため、本開示の加飾成形体は、意匠の自由度が高く、深みのある凹凸形状を有する意匠性に優れた加飾成形体となると考えている。
加飾成形体について、図を参照して説明する。
図1は、本開示の一態様の加飾成形体10の層構成の概略を示す断面図である。
図1の加飾成形体10は、成形体12側から、第1の加飾層16と、樹脂層20と接着層18とを有する第2の加飾層22を備える。
図1に示すように、第1の加飾層16は、成形体の面上に図1に示す例では、部分的に存在し、第1の加飾層16の存在する領域により、成形体12の面上に凸部が形成される。第1の加飾層16の面上には、第2の加飾層22が第1の加飾層16を覆って配置されている。第2の加飾層22は、第2の加飾層22が備える接着層18により、第1の加飾層16の面上及び第1の加飾層16が存在しない領域における成形体12の面上に接着される。
図1に示す加飾成形体10は、表皮層に相当する第2の加飾層22が最表面又はその近傍に配置され、第2の加飾層22における樹脂層20を構成する材料を選択することで、任意の色相、外観、感触等を加飾成形体10に付与することができる。
第1の加飾層16及び第2の加飾層22の少なくとも1方には、さらに、意匠性を高める目的で、成形体12とは反対側の面上に凹凸状の絞模様を有していてもよい。
図2は、本開示の加飾成形体の一例としての、成形体の表面の一部に、局所的に第1の加飾層を有する加飾成形体の一実施形態を示す概略断面図である。
図2に示す加飾成形体24は、成形体12の表面の一部のみに第1の加飾層16が配置されている。
第1の加飾層16は、立体形状を有する意匠性を実現するための、凹凸形状を付与する層である。凹凸形状には特に制限はなく、例えば、規則的な格子模様、天然皮革様の凹凸模様、不規則な迷彩模様、或いは、文字などが挙げられ、目的に応じて任意の凹凸形状を形成することができる。例えば、文字或いはマーク等の形状に第1の加飾層を形成することにより、ブランド名などを立体的に浮き出させた意匠を得ることもできる。
図2では、成形体12との密着性をより向上させるため、第1の加飾層16と成形体12とは、接着層14を介して接着されている。第1の加飾層16と成形体12とを接着する接着層14は任意の層であり、必ずしも必要ではない。
成形体12の面上には、前記第1の加飾層16の形成部分及び非形成部分の全域に亘り第2の加飾層22が設けられる。第2の加飾層22は、外観に意匠性を付与するための層であり、樹脂層20と、第2の加飾層22を、第1の加飾層16及び第1の加飾層16の非形成分に露出した成形体12に密着させるための接着層18とを備える。
第2の加飾層22は、加飾成形体24に所望の外観を与える層であり、第2の加飾層22における樹脂層20を構成する材料を選択することで、加飾成形体24に所望の外観、感触等を付与することができる。
例えば、樹脂層20が着色剤を含有する場合、加飾成形体24に、任意の色相の外観を与えることができる。また、樹脂層20が樹脂フィラーを含有することで、加飾成形体24の表面に、ソフトでしっとりした触感を付与することができる。
図3は、本開示の加飾成形体の一例としての、成形体の表面に厚みの異なる領域を有する第1の加飾層を備える加飾成形体の一実施形態を示す概略断面図である。
図3に示す加飾成形体26は、成形体12の表面の全面に第1の加飾層16を有する。本実施形態では、第1の加飾層16は、局所的に厚みの異なる領域を備え、より厚みの厚い領域が成形体12表面に凸部を形成している。図3に示す態様では、より厚みの薄い領域との厚みの差により、加飾成形体26に立体的な外観を与える。
図3に示す加飾成形体26における第1の加飾層16は、成形体12との密着性をより向上させるため、接着層14を介して成形体12に接着されている。図2に示す態様における接着層14は任意の層である。
前記成形体12の表面に備えられた前記第1の加飾層16の表面には、全域に亘り、第1の加飾層16を覆って第2の加飾層22が設けられる。第2の加飾層22は、図2に示す加飾成形体24における第2の加飾層22と同様に、外観に意匠性を付与するための層であり、合成樹脂を含む樹脂層20と、第2の加飾層22を、第1の加飾層16に密着させるための接着層18とを備える。
以下、本開示の加飾成形体が有する各構成要件について説明する。
(成形体)
加飾成形体における成形体は、表面に意匠性を付与する成形基材であれば特に制限はなく、樹脂成形体、金属成形体、ガラス、セラミック等の無機成形体のいずれであってもよい。
また、後述のように、第2の加飾層は可撓性に優れるため、成形基材としての成形体の形状も任意であり、表面が平滑な板状でもよく、表面が曲面である成形体でもよい。
本開示の加飾成形体では、以下に詳述するように、いずれの成形体表面にも任意に立体形状を有し、所望の色相を有する外観を付与することができる。
例えば、車両の外装をラッピングにより行なう場合にも、容易に凹凸形状を有する立体感のある意匠を付与することができる。
<第1の加飾層>
第1の加飾層は、成形体の面上に凸部を形成する加飾層である。従って、第1の加飾層の素材は、成形体の面上に所望の厚みの凸部を形成しうる素材であれば特に制限はなく、樹脂材料、金属材料などが挙げられる。第1の加飾層の素材は、加工の容易性の観点から樹脂材料であることが好ましい。
樹脂材料からなる第1の加飾層としては、例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂などの樹脂が挙げられ、発泡樹脂であってもよく、非発泡樹脂であってもよい。
第1の加飾層に用いうる塩化ビニル樹脂としては、従来、塩化ビニルレザーに使用されているものであれば特に制限なく使用できる。具体的には、平均重合度800〜2000、好ましくは800〜1500程度のポリ塩化ビニルの他、塩化ビニルを主体とする、エチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル等との共重合樹脂や、これらの樹脂とポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、部分ケン化ビニルアルコール等との混合樹脂等が挙げられる。
第1の加飾層に用いうるアクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル酸又はメタクリル酸エステルの重合体或いは共重合体、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体等が挙げられ、成形性の観点からは、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体及びメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルの共重合体の混合物等が挙げられる。
第1の加飾層に用いうるウレタン樹脂としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物が挙げられる。なかでも、自動車内装材等、長期耐久性が必要な場合には、ポリカーボネート系ポリウレタン等が好ましく挙げられる。
第1の加飾層に用いうるオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
第1の加飾層には合成樹脂を1種のみ含んでもよく、目的に応じて2種以上含んでいてもよい。
2種以上の合成樹脂を含む場合には、互いに相溶性の高い樹脂同士を組み合わせることが好ましい。
2種以上の合成樹脂を組み合わせて用いることで、所望の性能をより高めることができる。
例えば、ポリ塩化ビニル樹脂に対し、改質剤を添加することで、得られる加飾フィルムの低温での延伸性をより向上させることができ、真空成形などに適用する際の適性をより向上させることができる。改質剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ウレタン樹脂等が挙げられる。
第1の加飾層の厚みは、必要とする立体形状に応じて適宜選択される。製造の容易性と立体感とのバランスの観点からは、10μm〜5cmの範囲とすることができ、外観上の立体感を充分に得られるという観点からは、50μm〜2mmの範囲であることが好ましい。
第1の加飾層が樹脂層である場合には、樹脂層には、主剤としての樹脂に加えて、目的に応じて種々の化合物を含んでいてもよい。樹脂層が含みうる化合物としては、例えば、可塑剤、滑剤、加工助剤、難燃剤、耐光安定剤、熱安定剤、化学発泡剤、溶剤等が挙げられる。
(接着層)
第1の加飾層と成形体とをより安定に固着させる目的で、第1の加飾層と成形体との間に接着層を備えることができる。なお、接着層の詳細については後述する。
前記第1の加飾層は、前記成形体の表面の一部に配置されることが好ましい。
第1の加飾層を成形体表面の一部に局所的に備えることで、第1の加飾層の形成部分における凸部が、非形成部分に対する厚みの差により、より明確になり、凸部の厚み及び形状が第1の加飾層に依存することになり、意匠における立体感がより効果的に得られ、任意の領域に所望の意匠で凸部を形成し易くなる。
第1の加飾層を成形体の表面の一部に形成する場合には、予め所望の領域のみに第1の加飾層が形成された第1の加飾層形成用積層体を用いて形成することが好ましい。
第1の加飾層形成用積層体としては、仮支持体の面上の一部の、所望の領域のみに成形体の面上に凸状部を形成して、第1の加飾層を形成し得る凸状部を有する積層体が挙げられる。成形体の表面の一部に第1の加飾層を局所的に形成する場合、第1の加飾層形成用積層体を成形体に密着させ、その後前記仮支持体を剥離して、成形体上に、第1の加飾層を形成することができる。
また、立体感を付与する別の方法として、前記第1の加飾層を、厚みが互いに異なる領域を有する加飾層とする方法が挙げられる。
第1の加飾層を、厚みが互いに異なる領域を有する加飾層とすることで、簡易に加飾成形体に立体的な外観を付与することができる。
厚みが互いに異なる領域を有する第1の加飾層は、例えば、既述の発泡性樹脂層として、充分な厚みを有する均一な厚みの樹脂層を形成した後、エンボス加工等を行なって局所的に凹部を形成することにより、エンボス加工されていない領域が凸部となり、厚みの互いに異なる領域を有する第1の加飾層を得ることができる。
<第2の加飾層>
本開示の加飾成形体は、第2の加飾層を有する。
即ち、本開示の加飾成形体は、成形体の面上の少なくとも一部に既述の第1の加飾層が形成され、第1の加飾層の面上に、第1の加飾層を覆って第2の加飾層を有する。
第2の加飾層は、成形時の柔軟性が良好であり、接着層を有するため、成形体及びその面上の少なくとも一部に配置された成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層に対して均一な密着を容易に行うことができる。
後述のように、第2の加飾層は、真空成形或いは圧空成形により形成されることが好ましい。
(合成樹脂を有する樹脂層)
第2の加飾層は、加飾フィルムの外観、感触等を決定づける層であり、層を形成する合成樹脂を含み、必要に応じてその他の成分を含むことができる。
(合成樹脂)
第2の加飾層に用いられる合成樹脂としては、カレンダー法、溶融押出し法等の公知の成形方法によりフィルムやシートを成形しうる樹脂であれば特に制限はない。
第2の加飾層の形成に用いうる合成樹脂としては、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。
なかでも、加工容易性、及び得られた表皮層としての第2の加飾層の柔軟性等の観点からは、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の合成樹脂を含むことが好ましい。
第2の加飾層に用いうる塩化ビニル樹脂としては、従来、塩化ビニルレザーに使用されているものであれば特に制限なく使用できる。具体的には、平均重合度800〜2000、好ましくは800〜1500程度のポリ塩化ビニルの他、塩化ビニルを主体とする、エチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル等との共重合樹脂や、これらの樹脂とポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、部分ケン化ビニルアルコール等との混合樹脂等が挙げられる。
第2の加飾層に用いうるアクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)に代表されるメタクリル酸又はメタクリル酸エステルの重合体或いは共重合体、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体等が挙げられ、成形性の観点からは、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキルとスチレンの共重合体及びメタクリル酸メチルとアクリル酸メチルの共重合体の混合物等が挙げられる。
第2の加飾層に用いうるウレタン樹脂としては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物が挙げられる。なかでも、自動車内装材等、長期耐久性が必要な場合には、ポリカーボネート系ポリウレタン等が好ましく挙げられる。
第2の加飾層に用いうるオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
第2の加飾層には合成樹脂を1種のみ含んでもよく、目的に応じて2種以上含んでいてもよい。
2種以上の合成樹脂を含む場合には、互いに相溶性の高い樹脂同士を組み合わせることが好ましい。
2種以上の合成樹脂を組み合わせて用いることで、所望の性能をより高めることができる。
例えば、ポリ塩化ビニル樹脂に対し、改質剤を添加することで、得られる加飾フィルムの低温での延伸性をより向上させることができ、真空成形などに適用する際の適性をより向上させることができる。改質剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ウレタン樹脂等が挙げられる。
第2の加飾層における樹脂層には、合成樹脂に加えて、目的に応じて種々の化合物を含んでいてもよい。樹脂層が含みうる化合物としては、例えば、着色剤、可塑剤、滑剤、加工助剤、難燃剤、耐光安定剤、熱安定剤等が挙げられる。
(着色剤)
第2の加飾層における樹脂層は着色剤を含んでもよい。
第2の加飾層における樹脂層が着色剤を含むことにより、第2の加飾層、さらに、第2の加飾層を表皮層として有する加飾成形体に任意の色相を付与することができる。
第2の加飾層における樹脂層が含み得る着色剤には特に制限はなく、加飾成形体に付与しようとする外観に応じて適宜選択できる。
単に、加飾成形体に所望の色相を付与する場合には、着色剤としては、染料及び顔料のいずれも用いることができ、なかでも、耐久性、耐候性等の観点から、顔料が好適に使用される。また、着色剤としてパール粒子、アルミ粉等の金属粉等を用いると、加飾成形体の外観に光沢、金属光沢などを付与することができる。
第2の加飾層における樹脂層に用いうる顔料としては、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機顔料及び以下に例示する有機顔料が挙げられる。
顔料には特に制限はなく、所望の色相を達成するため、従来公知の種々の無機顔料、有機顔料等の1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
有機顔料、無機顔料、パール粒子等の粒子径としては、発色性及びハンドリング性の観点からは、平均一次粒子径が0.5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、3μm〜50μmの範囲である。
顔料の平均一次粒子径は、走査型顕微鏡(SEM)、又は透過型顕微鏡(TEM)で観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。
本発明に用いうる有機顔料としては、例えば、以下のものが挙げられるがこれに制限されない。
C.I.ピグメント イエロー 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.ピグメント オレンジ 36,71,
C.I.ピグメント レッド 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.ピグメント バイオレット 19,23,32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.ピグメント ブラウン 25,28,
C.I.ピグメント グリーン 7,36,37,
C.I.ピグメントブラック 1,
着色剤として顔料を用いる場合には、第2の加飾層における樹脂層において、顔料の分散媒となる合成樹脂中における顔料の分散性をより良好にする目的で顔料分散剤を用いることが好ましい。
顔料分散剤は、前記樹脂層に含まれる顔料及び合成樹脂のそれぞれの特性を考慮し選択して用いることが好ましい。
例えば、顔料としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックとエステル系分散剤と合成樹脂とを予め混合した混合物を用いて第2の加飾層における樹脂層を形成することが顔料の均一分散性の観点から好ましい。
また、顔料の均一分散性の観点から、合成樹脂で表面を被覆した加工顔料などを用いることもできる。
顔料の使用態様の一例を挙げれば、加飾層の基材となる合成樹脂100質量部に対して、着色剤としての顔料を3質量部〜5質量部程度投入し、熱ミキシングロールで加熱混合することで合成樹脂中に着色剤が均一に分散され、合成樹脂が着色される。
加飾層には着色剤を1種のみ含んでもよく、調色等の目的で2種以上含んでいてもよい。着色剤としての着色剤の含有量には特に制限はなく、目的とする加飾フィルムの目的とする色相に応じて適宜選択される。一般的には、加飾層を構成する全固形分中に3質量%〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。なお、ここで固形分とは、加飾層を構成する全成分中、溶剤を除いた成分を指す。
第2の加飾層の厚みには特に制限はない。成形体への貼り付け容易性の観点からは、加飾層の厚みは30μm〜3000μmの範囲であることが好ましく、50μm〜1000μmの範囲であることがより好ましい。
第2の加飾層における樹脂層の形成方法には特に制限はなく、公知のシート成形法を適用すればよい。シート形成方法としては、カレンダー法、溶融押出し法、溶液法等が挙げられ、いずれを用いてもよい。なかでも、製造の簡易性、装置のメンテナンス性の観点からは、カレンダー法が好ましい。
第2の加飾層における樹脂層をカレンダー法により形成することで、種々の着色剤を含有する樹脂層を簡易に製造することができ、また、着色剤の種類や添加量を変更する際に必要な装置内の清掃が容易に行われるため、所望の色相を有する様々な変型例を簡易に製造しうる。
このため、色相等の外観のバリエーションが豊富で、耐久性に優れる加飾フィルムの小ロット生産に適する。
また、既述のように、カレンダー法などにより形成された着色層の表面に公知の印刷方法を用いてインク組成物を付与し、さらに任意の意匠を施して、これを加飾層としてもよい。
(接着層)
第2の加飾層は、成形体及び第1の加飾層の少なくともいずれかに第2の加飾層を接着させる接着層を備える。
接着層の形成に使用される接着剤、粘着剤には特に制限はなく、表面を加飾する成形体及び隣接する第1の加飾層の種類により適宜選択される。
接着層の形成に用いうる接着剤、粘着剤としては、例えば、(1)2液硬化型ポリエステル系接着剤、(2)2液硬化型ウレタン接着剤、(3)2液硬化型アクリル接着剤等が好適に使用される。
なお、接着層の形成に使用される接着剤は市販品としても入手可能であり、例えば、(株)日本触媒製、粘着剤 AST‐8207等が好適である。
接着剤や粘着剤により形成される接着層の厚さは、乾燥膜厚で20μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
第2の加飾層、又は以下に詳述する所望により設けられるプライマー層上に接着層を形成する方法としては、転写法、塗布法等公知の方法を何れも使用できる。均一な厚みの接着層を簡易に形成しうるという観点からは、転写法を用いることが好ましく、簡易性の観点からは、塗布法が好ましい。
第2の加飾層においては、接着層は、第2の加飾層又は所望により設けられるプライマー層上に、接着剤又は粘着剤を含む接着層形成用組成物を付与して接着層形成用組成物層を設け、その後、乾燥させ、接着層形成用組成物層を硬化させて形成することが好ましい。
接着層を形成する際には、接着層形成用組成物に含まれる溶媒を除去したり、接着剤の硬化反応を促進させたりするため、30℃以上200℃未満の温度範囲で加熱、乾燥することが好ましい。加熱温度は、40℃以上150℃以下の範囲が好ましく、40℃以上60℃以下の範囲であることがより好ましい。加熱、乾燥は、非接触で行なわれることが好ましく、例えば、温風による乾燥、所定の温度に設定した加熱ゾーン内を搬送することによる乾燥等が挙げられる。
なお、第1の加飾層に、所望により設けられる接着層は、前記第2の加飾層における接着層と同様のものが挙げられ、好ましい例も同じである。
(プライマー層)
第2の加飾層は、第2の加飾層における接着層と第2の加飾層における樹脂層との密着性向上を目的として、前記接着層と前記樹脂層との間に、さらにプライマー層を有することができる。
プライマー層は塗布法により形成することができる。即ち、プライマー層形成用の樹脂を適切な溶媒で溶解し、第2の加飾層における前記樹脂層の、前記接着層と接する側の面に塗布し、乾燥してプライマー層を形成することができる。
プライマー層の塗布量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。一般的には、接着性向上効果の観点から、1g/m〜5g/mの範囲であることが好ましく、2g/m〜3g/mの範囲であることがさらに好ましい。
本開示の加飾成形体において、第1の加飾層の凸部の高さ及び第2の加飾層の厚みを選択することで、第2の加飾層の厚みよりも深い凹凸形状を有することができる。
本開示の加飾成形体は、上記構成とすることで、最表面に用いられる表皮層である第2の加飾層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有するため、種々の分野に好適に適用しうる。
<加飾成形体の製造方法>
既述の本開示の加飾フィルムの製造方法には特に制限はなく、公知の積層体の形成方法を適宜適用することができる。なかでも、以下に記載する本開示の加飾成形体の製造方法により製造されることが好ましい。
なお、以下、本開示の加飾成形体の製造方法について述べるが、加飾成形体の製造方法は、以下の本開示の加飾成形体の製造方法に限定されない。
本開示の加飾成形体の製造方法は、成形体の表面の少なくとも一部に、成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層を配置する工程(以下、工程(A)と称することがある)と、前記成形体の表面に配置された第1の加飾層上に、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層を、前記第2の加飾層における接着層を前記第1の加飾層に接触させて接着し、前記成形体の少なくとも一部に配置された第1の加飾層を覆って第2の加飾層を配置する工程(以下、工程(B)と称することがある)と、を含む。
前記第2の加飾層を配置する工程は、真空成形又は圧空成形にて、前記第2の加飾層を配置する工程を含むことが好ましい。
第2の加飾層を、真空成形又は圧空成形にて前記成形体の表面に配置された第1の加飾層上に第1の加飾層を覆って配置することで、第1の加飾層により成形体表面に形成された凹凸の立体形状に添って簡易に第2の加飾層を形成することができる。
前記第1の加飾層を配置する工程は、仮支持体の表面の少なくとも一部に成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層を形成して、前記仮支持体の面上に前記第1の加飾層を有する第1の加飾層形成用積層体を得る工程と、前記第1の加飾層形成用積層体の第1の加飾層を前記成形体の表面に接触させ、仮支持体を剥離して、第1の加飾層を前記成形体の表面に転写する工程と、を含むことが好ましい。
即ち、既述の本開示の加飾成形体として好ましい態様である、成形体の表面の一部のみに第1の加飾層を形成する際に、予め、所望のパターンで第1の加飾層が形成された第1の加飾層形成用積層体を作製し、前記積層体を用いることで、基材としての成形体の面上の所望の領域のみに、転写により簡易に第1の加飾層を配置することができる。
以下、図面を参照して加飾成形体の製造方法を説明する。
図4(A)は、基材としての成形体12の表面の一部に、成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層16が備えられた態様の一例を示す概略断面図である。成形体12表面の一部に第1の加飾層16を設ける方法は任意であり、塗布法、印刷法、転写法など任意の方法で第1の加飾層16を成形体12の表面に接触させて配置することができる。
なかでも、既述のように仮支持体上に、予め局所的に、成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層16が形成された第1の加飾層形成用積層体を用いて、第1の加飾層16を転写して設けることが、生産性の観点から好ましい。
図4に示す態様では、成形体12の面上に、第1の加飾層16を安定に接着させるため、成形体12と第1の加飾層16との間に、任意の層である接着層14が形成されている。
図4(B)は、成形体に配置される前の第2の加飾層22の一例を示す概略断面図である。第2の加飾層22は、樹脂層20と接着層18とを備える。
第2の加飾層22は、第2の加飾層22における接着層18が第1の加飾層16と接する方向に配置される。
図4(C)は、樹脂層20と接着層18とを備える前記第2の加飾層22を、前記成形体12の表面の一部に形成された第1の加飾層16上に、前記第2の加飾層22における接着層18を前記第1の加飾層16に接触させて接着し、前記第1の加飾層16を覆って前記第2の加飾層22が配置された状態を示す概略断面図である。
図4(C)では、前記第2の加飾層22は、真空成形または圧空成形により第1の加飾層16を覆って形成される。図4(C)における矢印は、真空成形または圧空成形における気体の流れを示す。
図4(C)において、第2の加飾層22を配置する工程では、第2の加飾層22を加熱手段としてのヒーター(図示せず)により加熱してもよい。
本開示の加飾成形体の製造方法によれば、深い凹凸の立体形状を有する、意匠性に優れた本開示の加飾成形体を、簡易に、かつ、効率よく製造することができる。
また、第1の加飾層16の形成位置、厚みなどを制御することで、簡易な方法により種々の意匠の凹凸を有する加飾成形体を簡易に製造することができる。
また、本開示の加飾成形体の製造方法によれば、簡易に、かつ、効率よく、様々な意匠により立体的な意匠と任意の色相により加飾された、外観に優れる加飾成形体を簡易に製造することができ、その応用範囲は広い。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。以下に示す実施例は本発明の実施態様の一例を示すに過ぎず、本発明は以下の実施例に制限されない。
なお、特に断らない限り、以下の「%」及び「部」は質量基準である。
〔実施例1〕
まず、成形体の表面に、第1の加飾層を形成する。
(成形体)
成形体としては、ABS樹脂を含む基材としての成形体を用いた。
(第1の加飾層形成用積層体)
ポリ塩化ビニル樹脂〔S1001N(商品名)(株)カネカ〕100kgに、顔料(白色顔料:ディスコール1030(商品名)、大日精化工業(株))2kgを投入し、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが150μmになるようにシート状に成形して、第1の加飾層における樹脂層を形成した。
形成した樹脂層の片方の面に接着剤〔AST‐8207(商品名)、(株)日本触媒〕を、乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布して接着層を形成して、第1の加飾層の前駆体である樹脂層と接着層の積層体を得た。
次に、既述のようにして得た樹脂層と接着層との積層体(第1の加飾層の前駆体)を、カッティングプロッタにより任意の形状にカットした。カットした積層体を、予めプライマー層を形成した仮支持体(共和レザー(株)、ポリ塩化ビニル樹脂製フィルム)のプライマー層を有する面に、前記積層体における樹脂層を貼り合わせた。その後、カットした第1の加飾層の前駆体における不要部分を取り除くことにより、仮支持体の面上に第1の加飾層を有する第1の加飾層形成用積層体を得た。
(第2の加飾層)
次に、第2の加飾層を形成した。第2の加飾層における樹脂層は、ポリ塩化ビニル樹脂〔S1001N(商品名)(株)カネカ〕100kgに、顔料(赤色顔料:ディスコール1060(商品名) 大日精化工業(株))2kgを投入し、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが150μmになるようにシート状に成形して作製した。
樹脂層の裏面に接着剤〔AST‐8207(商品名)、(株)日本触媒〕を、乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布して接着層を形成して第2の加飾層を得た。
(加飾成形体の作製)
成形体の表面に、第1の加飾層形成用積層体の仮支持体を剥離して、第1の加飾層における接着層側を成形体の面上に密着させ、接着して成形体の表面の一部に第1の加飾層を形成した。
その後、真空圧空成形装置内に、第1の加飾層が表面の一部に形成された成形体を配置し、第2の加飾層の接着層を第1の加飾層に接する方向に配置し、真空圧空成形を行なって加飾成形体を得た。
(評価)
得られた加飾成形体の外観を観察したところ、第1の加飾層による厚み150μmの立体的な意匠を有する赤色の成形体であり、色相が鮮やかで立体的な凹凸を有する意匠性に優れた加飾成形体であることが確認された。
10、24、26 加飾成形体
12 成形体
14 接着層
16 第1の加飾層
18 接着層
20 樹脂層
22 第2の加飾層

Claims (7)

  1. 成形体と、前記成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層と、前記第1の加飾層を覆って配置された、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層と、を備える加飾成形体。
  2. 前記第1の加飾層は、前記成形体の表面の一部に配置される請求項1に記載の加飾成形体。
  3. 前記第1の加飾層は、厚みが互いに異なる複数の領域を有し、厚みのより厚い領域が、前記成形体の面上に凸部をなす請求項1に記載の加飾成形体。
  4. 成形体の面上に、凸部を形成する第1の加飾層を配置する工程と、
    前記成形体の面上に配置された第1の加飾層上に、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層を、前記第2の加飾層における接着層を前記第1の加飾層に接触させて接着し、前記成形体の面上に配置された第1の加飾層を覆って前記第2の加飾層を配置する工程と、
    を含む加飾成形体の製造方法。
  5. 前記第2の加飾層を配置する工程は、真空成形又は圧空成形にて、前記第2の加飾層を配置する工程を含む請求項4に記載の加飾成形体の製造方法。
  6. 前記第2の加飾層の厚みが、前記第1の加飾層の厚みよりも薄い請求項4又は請求項5に記載の加飾成形体の製造方法。
  7. 前記第1の加飾層を配置する工程は、
    仮支持体の面上に、凸部状の第1の加飾層を形成して、第1の加飾層形成用積層体を得る工程と、
    前記第1の加飾層形成用積層体の第1の加飾層を前記成形体の面上に接触させ、仮支持体を剥離して、第1の加飾層を前記成形体の面上に転写する工程と、を含む請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の加飾成形体の製造方法。
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