JP2019042927A - 加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 - Google Patents
加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019042927A JP2019042927A JP2017164501A JP2017164501A JP2019042927A JP 2019042927 A JP2019042927 A JP 2019042927A JP 2017164501 A JP2017164501 A JP 2017164501A JP 2017164501 A JP2017164501 A JP 2017164501A JP 2019042927 A JP2019042927 A JP 2019042927A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- decorative layer
- decorative
- molded body
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
Description
従来は、樹脂成形体の加熱成形時に、金型内に加飾フィルム配置し、加熱成形することで、自動車等の内装材又は外装材としての、任意の色相、文様などの意匠が付与された加飾成形体を得ることが一般的であった。
加飾フィルムとしての合成樹脂表皮材を用いた意匠の付与において、樹脂成形体の表面に凹凸形状を付与する場合、合成樹脂表皮材にエンボス処理を施して凹凸を形成することが行なわれている。しかし、この方法によれば、合成樹脂表皮材の厚み以上の深さの凹凸形状を付与することはできない。従って、各種成形体の表面に、合成樹脂表皮材の厚み以上の深さの凹凸形状を付与する場合には、金型により表面に凹凸形状を付与する必要があった。このため、表面における深みのある凹凸形状を変更する場合には、金型の変更が必要となり、多様な意匠表現を容易に実施することは困難である。
また、特許文献2に記載の方法では、金属調印刷層表面に立体印刷を行って凸部を設けているが、最表層が透明フィルムであり、当該透明フィルムを介して金属調印刷層と、そこに形成された立体印刷部が視認されるために、光沢のある透明フィルムにより外観が制限され、多様な意匠を付与することは困難である。
特許文献3に記載の方法では、凸部が視認される側と反対側に形成され、表面は平滑であるために、成形体に、立体的であり、かつ、多様な意匠の外観は与え難い。
本発明の別の実施形態が解決しようとする課題は、最表面に用いられる表皮層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有する加飾成形体を、金型などの変更を要さず、簡易に製造しうる加飾成形体の製造方法を提供することである。
<1> 成形体と、前記成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層と、前記第1の加飾層を覆って配置された、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層と、を備える加飾成形体。
<3> 前記第1の加飾層は、厚みが互いに異なる複数の領域を有し、厚みのより厚い領域が、前記成形体の面上に凸部をなす<1>に記載の加飾成形体。
<6> 前記第2の加飾層の厚みが、前記第1の加飾層の厚みよりも薄い<4>又は<5>に記載の加飾成形体の製造方法。
本発明の別の実施形態によれば、最表面に用いられる表皮層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有する加飾成形体を、金型などの変更を要さず、簡易に製造しうる加飾成形体の製造方法を提供することができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において、「成形体の面上に形成する」とは、必ずしも成形体の表面に直接形成することのみを意味するものではなく、例えば、成形体の表面に他の層を有し、他の層を介して成形体の表面に形成する場合も包含する意味で用いられる。
本開示の加飾成形体は、成形体と、前記成形体の成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層と、前記第1の加飾層を覆って配置された、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層と、を備える。
本開示の加飾成形体では、成形体と、表皮層に相当する第2の加飾層との間に、成形体の面上に凸部を形成し、加飾成形体に立体性を付与するための形状付与層としての第1の加飾層を備える。そして、基材としての成形体の面上に、樹脂層と接着層とを有する表皮層としての意匠性に優れた第2の加飾層を貼り合せる前に、成形体の面上に深い凹凸形状を付与しうる成形体の面上に、凸部を形成する第1の加飾層を配置することで、最表面の第2の加飾層を貼り合せて、第1の加飾層を覆うことで、加飾成形体の表面に、第1の加飾層により形成された深みのある凹凸形状が浮き出るようになる。
このため、形状付与層としての凸部を形成する第1の加飾層と第2の加飾層とを、それぞれ別に成形し、成形体の表面に順次配置することで、表皮層である第2の加飾層の厚みに制限されず、任意の凹凸形状を成形体に付与することができる。
ここで、好ましくは、第2の加飾層を、密閉構造内での真空成形、圧空成形により形成することで、簡易に加飾成形体を得ることができる。
さらに、第2の加飾層を、凸部を形成し、厚みのある領域与える第1の加飾層とは別に成形することで、第2の加飾層における樹脂層の素材を任意に選択しうるため、色相、感触などの異なる様々な組み合わせの立体的な意匠を容易に形成できると考えられる。
このため、本開示の加飾成形体は、意匠の自由度が高く、深みのある凹凸形状を有する意匠性に優れた加飾成形体となると考えている。
図1は、本開示の一態様の加飾成形体10の層構成の概略を示す断面図である。
図1の加飾成形体10は、成形体12側から、第1の加飾層16と、樹脂層20と接着層18とを有する第2の加飾層22を備える。
図1に示すように、第1の加飾層16は、成形体の面上に図1に示す例では、部分的に存在し、第1の加飾層16の存在する領域により、成形体12の面上に凸部が形成される。第1の加飾層16の面上には、第2の加飾層22が第1の加飾層16を覆って配置されている。第2の加飾層22は、第2の加飾層22が備える接着層18により、第1の加飾層16の面上及び第1の加飾層16が存在しない領域における成形体12の面上に接着される。
図1に示す加飾成形体10は、表皮層に相当する第2の加飾層22が最表面又はその近傍に配置され、第2の加飾層22における樹脂層20を構成する材料を選択することで、任意の色相、外観、感触等を加飾成形体10に付与することができる。
第1の加飾層16及び第2の加飾層22の少なくとも1方には、さらに、意匠性を高める目的で、成形体12とは反対側の面上に凹凸状の絞模様を有していてもよい。
図2に示す加飾成形体24は、成形体12の表面の一部のみに第1の加飾層16が配置されている。
図2では、成形体12との密着性をより向上させるため、第1の加飾層16と成形体12とは、接着層14を介して接着されている。第1の加飾層16と成形体12とを接着する接着層14は任意の層であり、必ずしも必要ではない。
第2の加飾層22は、加飾成形体24に所望の外観を与える層であり、第2の加飾層22における樹脂層20を構成する材料を選択することで、加飾成形体24に所望の外観、感触等を付与することができる。
例えば、樹脂層20が着色剤を含有する場合、加飾成形体24に、任意の色相の外観を与えることができる。また、樹脂層20が樹脂フィラーを含有することで、加飾成形体24の表面に、ソフトでしっとりした触感を付与することができる。
図3に示す加飾成形体26は、成形体12の表面の全面に第1の加飾層16を有する。本実施形態では、第1の加飾層16は、局所的に厚みの異なる領域を備え、より厚みの厚い領域が成形体12表面に凸部を形成している。図3に示す態様では、より厚みの薄い領域との厚みの差により、加飾成形体26に立体的な外観を与える。
図3に示す加飾成形体26における第1の加飾層16は、成形体12との密着性をより向上させるため、接着層14を介して成形体12に接着されている。図2に示す態様における接着層14は任意の層である。
(成形体)
加飾成形体における成形体は、表面に意匠性を付与する成形基材であれば特に制限はなく、樹脂成形体、金属成形体、ガラス、セラミック等の無機成形体のいずれであってもよい。
また、後述のように、第2の加飾層は可撓性に優れるため、成形基材としての成形体の形状も任意であり、表面が平滑な板状でもよく、表面が曲面である成形体でもよい。
例えば、車両の外装をラッピングにより行なう場合にも、容易に凹凸形状を有する立体感のある意匠を付与することができる。
第1の加飾層は、成形体の面上に凸部を形成する加飾層である。従って、第1の加飾層の素材は、成形体の面上に所望の厚みの凸部を形成しうる素材であれば特に制限はなく、樹脂材料、金属材料などが挙げられる。第1の加飾層の素材は、加工の容易性の観点から樹脂材料であることが好ましい。
樹脂材料からなる第1の加飾層としては、例えば、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂などの樹脂が挙げられ、発泡樹脂であってもよく、非発泡樹脂であってもよい。
第1の加飾層に用いうるオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
2種以上の合成樹脂を含む場合には、互いに相溶性の高い樹脂同士を組み合わせることが好ましい。
2種以上の合成樹脂を組み合わせて用いることで、所望の性能をより高めることができる。
例えば、ポリ塩化ビニル樹脂に対し、改質剤を添加することで、得られる加飾フィルムの低温での延伸性をより向上させることができ、真空成形などに適用する際の適性をより向上させることができる。改質剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ウレタン樹脂等が挙げられる。
第1の加飾層と成形体とをより安定に固着させる目的で、第1の加飾層と成形体との間に接着層を備えることができる。なお、接着層の詳細については後述する。
第1の加飾層を成形体表面の一部に局所的に備えることで、第1の加飾層の形成部分における凸部が、非形成部分に対する厚みの差により、より明確になり、凸部の厚み及び形状が第1の加飾層に依存することになり、意匠における立体感がより効果的に得られ、任意の領域に所望の意匠で凸部を形成し易くなる。
第1の加飾層形成用積層体としては、仮支持体の面上の一部の、所望の領域のみに成形体の面上に凸状部を形成して、第1の加飾層を形成し得る凸状部を有する積層体が挙げられる。成形体の表面の一部に第1の加飾層を局所的に形成する場合、第1の加飾層形成用積層体を成形体に密着させ、その後前記仮支持体を剥離して、成形体上に、第1の加飾層を形成することができる。
第1の加飾層を、厚みが互いに異なる領域を有する加飾層とすることで、簡易に加飾成形体に立体的な外観を付与することができる。
厚みが互いに異なる領域を有する第1の加飾層は、例えば、既述の発泡性樹脂層として、充分な厚みを有する均一な厚みの樹脂層を形成した後、エンボス加工等を行なって局所的に凹部を形成することにより、エンボス加工されていない領域が凸部となり、厚みの互いに異なる領域を有する第1の加飾層を得ることができる。
本開示の加飾成形体は、第2の加飾層を有する。
即ち、本開示の加飾成形体は、成形体の面上の少なくとも一部に既述の第1の加飾層が形成され、第1の加飾層の面上に、第1の加飾層を覆って第2の加飾層を有する。
第2の加飾層は、成形時の柔軟性が良好であり、接着層を有するため、成形体及びその面上の少なくとも一部に配置された成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層に対して均一な密着を容易に行うことができる。
後述のように、第2の加飾層は、真空成形或いは圧空成形により形成されることが好ましい。
第2の加飾層は、加飾フィルムの外観、感触等を決定づける層であり、層を形成する合成樹脂を含み、必要に応じてその他の成分を含むことができる。
第2の加飾層に用いられる合成樹脂としては、カレンダー法、溶融押出し法等の公知の成形方法によりフィルムやシートを成形しうる樹脂であれば特に制限はない。
第2の加飾層の形成に用いうる合成樹脂としては、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられる。
なかでも、加工容易性、及び得られた表皮層としての第2の加飾層の柔軟性等の観点からは、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の合成樹脂を含むことが好ましい。
第2の加飾層に用いうるオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
2種以上の合成樹脂を含む場合には、互いに相溶性の高い樹脂同士を組み合わせることが好ましい。
2種以上の合成樹脂を組み合わせて用いることで、所望の性能をより高めることができる。
例えば、ポリ塩化ビニル樹脂に対し、改質剤を添加することで、得られる加飾フィルムの低温での延伸性をより向上させることができ、真空成形などに適用する際の適性をより向上させることができる。改質剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ウレタン樹脂等が挙げられる。
第2の加飾層における樹脂層は着色剤を含んでもよい。
第2の加飾層における樹脂層が着色剤を含むことにより、第2の加飾層、さらに、第2の加飾層を表皮層として有する加飾成形体に任意の色相を付与することができる。
第2の加飾層における樹脂層が含み得る着色剤には特に制限はなく、加飾成形体に付与しようとする外観に応じて適宜選択できる。
単に、加飾成形体に所望の色相を付与する場合には、着色剤としては、染料及び顔料のいずれも用いることができ、なかでも、耐久性、耐候性等の観点から、顔料が好適に使用される。また、着色剤としてパール粒子、アルミ粉等の金属粉等を用いると、加飾成形体の外観に光沢、金属光沢などを付与することができる。
顔料には特に制限はなく、所望の色相を達成するため、従来公知の種々の無機顔料、有機顔料等の1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
有機顔料、無機顔料、パール粒子等の粒子径としては、発色性及びハンドリング性の観点からは、平均一次粒子径が0.5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、3μm〜50μmの範囲である。
顔料の平均一次粒子径は、走査型顕微鏡(SEM)、又は透過型顕微鏡(TEM)で観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求めることができる。
C.I.ピグメント イエロー 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.ピグメント オレンジ 36,71,
C.I.ピグメント レッド 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.ピグメント バイオレット 19,23,32,
C.I.ピグメント ブルー 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.ピグメント ブラウン 25,28,
C.I.ピグメント グリーン 7,36,37,
C.I.ピグメントブラック 1,
顔料分散剤は、前記樹脂層に含まれる顔料及び合成樹脂のそれぞれの特性を考慮し選択して用いることが好ましい。
例えば、顔料としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックとエステル系分散剤と合成樹脂とを予め混合した混合物を用いて第2の加飾層における樹脂層を形成することが顔料の均一分散性の観点から好ましい。
また、顔料の均一分散性の観点から、合成樹脂で表面を被覆した加工顔料などを用いることもできる。
加飾層には着色剤を1種のみ含んでもよく、調色等の目的で2種以上含んでいてもよい。着色剤としての着色剤の含有量には特に制限はなく、目的とする加飾フィルムの目的とする色相に応じて適宜選択される。一般的には、加飾層を構成する全固形分中に3質量%〜20質量%の範囲で含有されることが好ましい。なお、ここで固形分とは、加飾層を構成する全成分中、溶剤を除いた成分を指す。
第2の加飾層における樹脂層をカレンダー法により形成することで、種々の着色剤を含有する樹脂層を簡易に製造することができ、また、着色剤の種類や添加量を変更する際に必要な装置内の清掃が容易に行われるため、所望の色相を有する様々な変型例を簡易に製造しうる。
このため、色相等の外観のバリエーションが豊富で、耐久性に優れる加飾フィルムの小ロット生産に適する。
また、既述のように、カレンダー法などにより形成された着色層の表面に公知の印刷方法を用いてインク組成物を付与し、さらに任意の意匠を施して、これを加飾層としてもよい。
第2の加飾層は、成形体及び第1の加飾層の少なくともいずれかに第2の加飾層を接着させる接着層を備える。
接着層の形成に使用される接着剤、粘着剤には特に制限はなく、表面を加飾する成形体及び隣接する第1の加飾層の種類により適宜選択される。
接着層の形成に用いうる接着剤、粘着剤としては、例えば、(1)2液硬化型ポリエステル系接着剤、(2)2液硬化型ウレタン接着剤、(3)2液硬化型アクリル接着剤等が好適に使用される。
なお、接着層の形成に使用される接着剤は市販品としても入手可能であり、例えば、(株)日本触媒製、粘着剤 AST‐8207等が好適である。
第2の加飾層、又は以下に詳述する所望により設けられるプライマー層上に接着層を形成する方法としては、転写法、塗布法等公知の方法を何れも使用できる。均一な厚みの接着層を簡易に形成しうるという観点からは、転写法を用いることが好ましく、簡易性の観点からは、塗布法が好ましい。
第2の加飾層においては、接着層は、第2の加飾層又は所望により設けられるプライマー層上に、接着剤又は粘着剤を含む接着層形成用組成物を付与して接着層形成用組成物層を設け、その後、乾燥させ、接着層形成用組成物層を硬化させて形成することが好ましい。
接着層を形成する際には、接着層形成用組成物に含まれる溶媒を除去したり、接着剤の硬化反応を促進させたりするため、30℃以上200℃未満の温度範囲で加熱、乾燥することが好ましい。加熱温度は、40℃以上150℃以下の範囲が好ましく、40℃以上60℃以下の範囲であることがより好ましい。加熱、乾燥は、非接触で行なわれることが好ましく、例えば、温風による乾燥、所定の温度に設定した加熱ゾーン内を搬送することによる乾燥等が挙げられる。
なお、第1の加飾層に、所望により設けられる接着層は、前記第2の加飾層における接着層と同様のものが挙げられ、好ましい例も同じである。
第2の加飾層は、第2の加飾層における接着層と第2の加飾層における樹脂層との密着性向上を目的として、前記接着層と前記樹脂層との間に、さらにプライマー層を有することができる。
プライマー層は塗布法により形成することができる。即ち、プライマー層形成用の樹脂を適切な溶媒で溶解し、第2の加飾層における前記樹脂層の、前記接着層と接する側の面に塗布し、乾燥してプライマー層を形成することができる。
プライマー層の塗布量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。一般的には、接着性向上効果の観点から、1g/m2〜5g/m2の範囲であることが好ましく、2g/m2〜3g/m2の範囲であることがさらに好ましい。
本開示の加飾成形体は、上記構成とすることで、最表面に用いられる表皮層である第2の加飾層の厚みよりも深い凹凸形状を有する、立体感に優れた外観を有するため、種々の分野に好適に適用しうる。
既述の本開示の加飾フィルムの製造方法には特に制限はなく、公知の積層体の形成方法を適宜適用することができる。なかでも、以下に記載する本開示の加飾成形体の製造方法により製造されることが好ましい。
なお、以下、本開示の加飾成形体の製造方法について述べるが、加飾成形体の製造方法は、以下の本開示の加飾成形体の製造方法に限定されない。
第2の加飾層を、真空成形又は圧空成形にて前記成形体の表面に配置された第1の加飾層上に第1の加飾層を覆って配置することで、第1の加飾層により成形体表面に形成された凹凸の立体形状に添って簡易に第2の加飾層を形成することができる。
即ち、既述の本開示の加飾成形体として好ましい態様である、成形体の表面の一部のみに第1の加飾層を形成する際に、予め、所望のパターンで第1の加飾層が形成された第1の加飾層形成用積層体を作製し、前記積層体を用いることで、基材としての成形体の面上の所望の領域のみに、転写により簡易に第1の加飾層を配置することができる。
図4(A)は、基材としての成形体12の表面の一部に、成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層16が備えられた態様の一例を示す概略断面図である。成形体12表面の一部に第1の加飾層16を設ける方法は任意であり、塗布法、印刷法、転写法など任意の方法で第1の加飾層16を成形体12の表面に接触させて配置することができる。
なかでも、既述のように仮支持体上に、予め局所的に、成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層16が形成された第1の加飾層形成用積層体を用いて、第1の加飾層16を転写して設けることが、生産性の観点から好ましい。
図4に示す態様では、成形体12の面上に、第1の加飾層16を安定に接着させるため、成形体12と第1の加飾層16との間に、任意の層である接着層14が形成されている。
第2の加飾層22は、第2の加飾層22における接着層18が第1の加飾層16と接する方向に配置される。
図4(C)では、前記第2の加飾層22は、真空成形または圧空成形により第1の加飾層16を覆って形成される。図4(C)における矢印は、真空成形または圧空成形における気体の流れを示す。
図4(C)において、第2の加飾層22を配置する工程では、第2の加飾層22を加熱手段としてのヒーター(図示せず)により加熱してもよい。
また、第1の加飾層16の形成位置、厚みなどを制御することで、簡易な方法により種々の意匠の凹凸を有する加飾成形体を簡易に製造することができる。
また、本開示の加飾成形体の製造方法によれば、簡易に、かつ、効率よく、様々な意匠により立体的な意匠と任意の色相により加飾された、外観に優れる加飾成形体を簡易に製造することができ、その応用範囲は広い。
なお、特に断らない限り、以下の「%」及び「部」は質量基準である。
まず、成形体の表面に、第1の加飾層を形成する。
(成形体)
成形体としては、ABS樹脂を含む基材としての成形体を用いた。
ポリ塩化ビニル樹脂〔S1001N(商品名)(株)カネカ〕100kgに、顔料(白色顔料:ディスコール1030(商品名)、大日精化工業(株))2kgを投入し、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが150μmになるようにシート状に成形して、第1の加飾層における樹脂層を形成した。
形成した樹脂層の片方の面に接着剤〔AST‐8207(商品名)、(株)日本触媒〕を、乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布して接着層を形成して、第1の加飾層の前駆体である樹脂層と接着層の積層体を得た。
次に、第2の加飾層を形成した。第2の加飾層における樹脂層は、ポリ塩化ビニル樹脂〔S1001N(商品名)(株)カネカ〕100kgに、顔料(赤色顔料:ディスコール1060(商品名) 大日精化工業(株))2kgを投入し、200℃に加熱しながらカレンダー法により、乾燥後の厚みが150μmになるようにシート状に成形して作製した。
樹脂層の裏面に接着剤〔AST‐8207(商品名)、(株)日本触媒〕を、乾燥後の膜厚が40μmとなるように塗布して接着層を形成して第2の加飾層を得た。
成形体の表面に、第1の加飾層形成用積層体の仮支持体を剥離して、第1の加飾層における接着層側を成形体の面上に密着させ、接着して成形体の表面の一部に第1の加飾層を形成した。
その後、真空圧空成形装置内に、第1の加飾層が表面の一部に形成された成形体を配置し、第2の加飾層の接着層を第1の加飾層に接する方向に配置し、真空圧空成形を行なって加飾成形体を得た。
得られた加飾成形体の外観を観察したところ、第1の加飾層による厚み150μmの立体的な意匠を有する赤色の成形体であり、色相が鮮やかで立体的な凹凸を有する意匠性に優れた加飾成形体であることが確認された。
12 成形体
14 接着層
16 第1の加飾層
18 接着層
20 樹脂層
22 第2の加飾層
Claims (7)
- 成形体と、前記成形体の面上に凸部を形成する第1の加飾層と、前記第1の加飾層を覆って配置された、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層と、を備える加飾成形体。
- 前記第1の加飾層は、前記成形体の表面の一部に配置される請求項1に記載の加飾成形体。
- 前記第1の加飾層は、厚みが互いに異なる複数の領域を有し、厚みのより厚い領域が、前記成形体の面上に凸部をなす請求項1に記載の加飾成形体。
- 成形体の面上に、凸部を形成する第1の加飾層を配置する工程と、
前記成形体の面上に配置された第1の加飾層上に、樹脂層及び接着層を有する第2の加飾層を、前記第2の加飾層における接着層を前記第1の加飾層に接触させて接着し、前記成形体の面上に配置された第1の加飾層を覆って前記第2の加飾層を配置する工程と、
を含む加飾成形体の製造方法。 - 前記第2の加飾層を配置する工程は、真空成形又は圧空成形にて、前記第2の加飾層を配置する工程を含む請求項4に記載の加飾成形体の製造方法。
- 前記第2の加飾層の厚みが、前記第1の加飾層の厚みよりも薄い請求項4又は請求項5に記載の加飾成形体の製造方法。
- 前記第1の加飾層を配置する工程は、
仮支持体の面上に、凸部状の第1の加飾層を形成して、第1の加飾層形成用積層体を得る工程と、
前記第1の加飾層形成用積層体の第1の加飾層を前記成形体の面上に接触させ、仮支持体を剥離して、第1の加飾層を前記成形体の面上に転写する工程と、を含む請求項4〜請求項6のいずれか1項に記載の加飾成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017164501A JP2019042927A (ja) | 2017-08-29 | 2017-08-29 | 加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017164501A JP2019042927A (ja) | 2017-08-29 | 2017-08-29 | 加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019042927A true JP2019042927A (ja) | 2019-03-22 |
Family
ID=65816065
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017164501A Pending JP2019042927A (ja) | 2017-08-29 | 2017-08-29 | 加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019042927A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0417938U (ja) * | 1990-05-31 | 1992-02-14 | ||
JP2003011594A (ja) * | 2001-07-02 | 2003-01-15 | Yamaha Livingtec Corp | 化粧材の加飾方法及びその化粧材 |
JP2010064448A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Three M Innovative Properties Co | ラッピング立体成形体及びその製造方法 |
WO2013008318A1 (ja) * | 2011-07-12 | 2013-01-17 | リケンテクノス株式会社 | フィルムで被覆された成形品 |
JP2013184409A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Mimaki Engineering Co Ltd | 転写媒体の製造方法、印刷方法及び印刷システム |
-
2017
- 2017-08-29 JP JP2017164501A patent/JP2019042927A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0417938U (ja) * | 1990-05-31 | 1992-02-14 | ||
JP2003011594A (ja) * | 2001-07-02 | 2003-01-15 | Yamaha Livingtec Corp | 化粧材の加飾方法及びその化粧材 |
JP2010064448A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Three M Innovative Properties Co | ラッピング立体成形体及びその製造方法 |
WO2013008318A1 (ja) * | 2011-07-12 | 2013-01-17 | リケンテクノス株式会社 | フィルムで被覆された成形品 |
EP2732952A1 (en) * | 2011-07-12 | 2014-05-21 | Riken Technos Corporation | Molded article coated with film |
CN103826827A (zh) * | 2011-07-12 | 2014-05-28 | 理化科技株式会社 | 用膜覆盖而成的成形品 |
JP2013184409A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Mimaki Engineering Co Ltd | 転写媒体の製造方法、印刷方法及び印刷システム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101423799B1 (ko) | 엠보싱 장식 사출 성형품 및 그의 제조 방법 | |
JP5296059B2 (ja) | 優れた立体感を有する転写シート | |
JP2007054998A (ja) | 加飾成形品及びその製造方法 | |
JP2016203436A (ja) | 合成樹脂表皮材、その製造方法及び合成樹脂表皮材を用いた成形体 | |
JP2014184726A (ja) | 加飾シート、射出成形同時加飾方法、及び加飾成形品 | |
JP5119638B2 (ja) | 凹凸加飾射出成形品 | |
JP6745189B2 (ja) | 合成樹脂成形体の製造方法 | |
KR20170107773A (ko) | 입체 패턴을 구비한 장식시트의 제조방법 및 이 제조방법에 의해 제조된 장식시트 | |
KR101470645B1 (ko) | 인서트 가식 성형품의 제조 방법 | |
JP5194681B2 (ja) | エンボス加飾射出成形品の製造方法 | |
JP2003170546A (ja) | 射出成形同時加飾用シート及び加飾成形品 | |
JP5915307B2 (ja) | 加飾シート及び加飾樹脂成形品 | |
JP5915306B2 (ja) | 加飾シート及び加飾樹脂成形品 | |
JP2019042927A (ja) | 加飾成形体及び加飾成形体の製造方法 | |
JP6064740B2 (ja) | 加飾シート及び加飾樹脂成形品 | |
JP2018149725A (ja) | 合成樹脂加飾フィルム及び合成樹脂加飾フィルムを用いた加飾成形体の製造方法 | |
JP2003311779A (ja) | 射出成形同時絵付用転写シート、及び絵付成形品 | |
JP2000141549A (ja) | 加飾シート及び加飾成形品 | |
JP5240358B2 (ja) | 凹凸加飾射出成形品 | |
JP2006240156A (ja) | 光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法 | |
JP2000108160A (ja) | 射出成形同時絵付け用シート、射出成形同時絵付け方法、及び成形品 | |
JP2008221850A (ja) | 射出成形同時絵付用転写シート、及び絵付成形品 | |
JP4659967B2 (ja) | 射出成形同時絵付用シートの製造方法及び樹脂成形品 | |
JP5150988B2 (ja) | 加飾シートの製造方法 | |
JP5772154B2 (ja) | 加飾シート及び加飾樹脂成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200625 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210331 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210413 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210611 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211124 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220517 |