JP2019042829A - マイクロ流路チップの製造方法 - Google Patents

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【課題】樹脂基板と樹脂フィルムとを接合させてマイクロ流路を製造するにあたり、流路溝の縁部分までより確実に接合できるようにする。【解決手段】樹脂基板(10)と樹脂フィルム(20)とを熱プレス機(6)で熱圧着して接合させる接合工程を、熱プレス機(6)と樹脂フィルム(20)との間に、熱プレス機(6)の側から、第一弾性体シート(30)、金属シート(40)、及び第一弾性体シート(30)よりも硬い第二弾性体シート(50)の順に配置した状態で行う。【選択図】図2

Description

本発明は、マイクロ流路チップの製造方法に関する。
近年、化学工業(特に、医薬品や試薬等の製造に関する医薬品工業)の分野では、マイクロミキサー又はマイクロリアクターと呼ばれる微小容器を用いたマイクロ流路チップの開発が進められている。マイクロ流路チップには、複数のマイクロチャネル(マイクロ流路と繋がるマイクロキャビティ)が設けられている。マイクロチャネルを通じて複数種の流体をマイクロキャビティ内で合流させることで、複数種の流体を混合し、或いは、混合と共に化学反応を生じさせる。
樹脂基板を用いて、マイクロ流路チップを低コストに製造することができる。例えば特開2015−199340号公報(特許文献1)には、一方の面に流路溝を有する樹脂基板と、流路溝を覆うように樹脂基板に接合される樹脂フィルムとを備えるマイクロ流路チップが開示されている。特許文献1では、マイクロ流路チップを製造するにあたり、樹脂基板→樹脂フィルム→保護樹脂シートの順に重ねて熱プレスにかけ、樹脂基板と樹脂フィルムとを熱溶着によって接合している。熱プレス機と樹脂フィルムとの間に保護樹脂シートを配置した状態で熱プレスにかけることで、流路溝の縁部分における接合不良を低減させることができる。
このように、特許文献1の方法でも接合不良を低減できてはいるが、さらに改良を加えてより良い方法へと発展させることは、一般的な技術課題として常に存在する。
特開2015−199340号公報
樹脂基板と樹脂フィルムとを接合させてマイクロ流路を製造するにあたり、流路溝の縁部分までより確実に接合できるようにすることが望まれる。
本発明に係るマイクロ流路チップの製造方法は、
一方の面に流路溝を有する樹脂基板と、前記流路溝を覆うように前記樹脂基板に接合される樹脂フィルムと、を備えるマイクロ流路チップの製造方法であって、
前記樹脂基板と前記樹脂フィルムとの積層体を熱プレス機で熱圧着して、前記樹脂基板と前記樹脂フィルムとを接合させる接合工程を含み、
前記接合工程を、前記熱プレス機と前記樹脂フィルムとの間に、前記熱プレス機の側から、第一弾性体シート、金属シート、及び前記第一弾性体シートよりも硬い第二弾性体シートの順に配置した状態で行う。
この構成によれば、接合工程において熱プレス機で樹脂基板と樹脂フィルムとを熱プレス機で熱圧着する際に、熱プレス機の押圧力は、第一弾性体シートに支持された金属シートと、第二弾性体シートとを介して、樹脂フィルムに伝わる。熱プレス機の押圧力を、相対的に柔らかい第一弾性体シートによって分散させながら、剛性の高い金属シートへと良好に伝達することができる。さらに、金属シートに伝達された押圧力を、適度な柔軟性を有する第二弾性体シートを介して樹脂フィルムへと穏やかに伝達することができ、これらが相俟って、樹脂基板と樹脂フィルムとを強固に接合することができる。流路溝の縁部分も含めて、樹脂基板と樹脂フィルムとをより確実に接合することができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
一態様として、
前記第一弾性体シートとして、ショア硬さがA30以上A95以下のものを用いることが挙げられる。
一態様として、
前記第一弾性体シートとして、ゴムを少なくとも含むものを用いることが挙げられる。
一態様として、
前記ゴムとして、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンゴム、ブチルゴム、及びウレタンゴムのいずれか1種以上を含むものを用いることが挙げられる。
一態様として、
前記金属シートとして、ビッカース硬さが100HV以上600HV以下のものを用いることが挙げられる。
一態様として、
前記金属シートとして、ステンレス、鉄、アルミニウム、クロム、銅、ニッケル、若しくはチタン、又は、これらのうちの1種以上を含む合金からなるシートを含むものを用いることが挙げられる。
一態様として、
前記第二弾性体シートとして、ショア硬さがD40以上D80以下のものを用いることが挙げられる。
一態様として、
前記第二弾性体シートとして、フッ素樹脂を用いることが挙げられる。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
マイクロ流路チップの断面図 マイクロ流路チップの製造方法の一例を示す模式図
マイクロ流路チップ及びその製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態のマイクロ流路チップ1は、図1に示すように、樹脂基板10と、この樹脂基板10に接合される樹脂フィルム20とを備えている。
樹脂基板10を構成する樹脂は、耐熱性及び透明性に優れたものを適宜選択することができる。樹脂基板10は、例えばポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される樹脂で構成することができる。
樹脂基板10は、一方の面である第一面10aに流路溝12を有する。流路溝12の本数は、1本であっても良いし複数本であっても良い。複数本の流路溝12が設けられる場合には、それらの流路溝12が直列に設けられても良いし並列に設けられても良い。また、流路溝12が分岐を有しても良い。流路溝12は、例えば、幅が1mm以下で、かつ、深さが0.01mm以上0.5mm以下であって良い。このようにすれば、微小なスケールでの実験等を行うことができる。流路溝12の一部は、樹脂基板10を貫通して他方の面である第二面10bに開口しており、当該開口によりポート14が形成されている。
樹脂基板10の外形形状及びサイズは、ハンドリング性や分析適合性(分析手法及び分析装置への適合性)等を考慮して適宜設定することができる。例えば四角形(正方形又は長方形)であれば、例えば一辺10mm以上200mm以下であることが好ましく、10mm以上100mm以下であることがより好ましい。樹脂基板10の外形形状は、その他の多角形、円形、又は楕円形等であっても良い。
樹脂基板10は、例えば射出成形によって作製しても良いし、樹脂基板を切削加工することによって作製しても良い。
樹脂フィルム20を構成する樹脂は、耐熱性及び透明性に優れたものを適宜選択することができる。樹脂フィルム20は、例えばポリカーボネート、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、及びポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される樹脂で構成することができる。なお、樹脂フィルム20を構成する樹脂は、樹脂基板10を構成する樹脂と同じ樹脂であっても良いし、異なる樹脂であっても良い。
樹脂フィルム20の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01mm以上1mm以下とすることができる。0.01mm以上であることにより、接合時にシワ等が発生しにくく、十分に流路溝12を密閉することができる。また、1mm以下であることにより、樹脂基板10の凹凸への良好な追随性を得ることができる。
樹脂基板10と樹脂フィルム20とは、樹脂基板10における流路溝12が形成された第一面10aと、樹脂フィルム20の一方の面である第一面20aとが接するように積層されている。樹脂フィルム20は、流路溝12を覆うように樹脂基板10に接合されている。こうして、樹脂基板10と樹脂フィルム20との間に、流路溝12からなるマイクロ流路が形成される。このようなマイクロ流路チップ1は、例えば核酸チップ、プロテインチップ、抗体チップ、アプタマーチップ、及び糖タンパクチップ等のバイオチップ、或いは、各種の化学分析用のマイクロ分析チップとして、好適に用いることができる。
上述したマイクロ流路チップ1の製造方法は、樹脂基板10と樹脂フィルム20との積層体を熱プレス機6で熱圧着して、樹脂基板10と樹脂フィルム20とを接合させる接合工程を含む。
図2に示すように、熱プレス機6は、下部ブロック61と上部ブロック62とを有する。下部ブロック61及び上部ブロック62は、例えばヒーター等の加熱手段によって温度上昇可能に構成されている。接合工程では、例えば樹脂フィルム20で被覆された樹脂基板10を昇温された下部ブロック61の上に載置し、上方から、昇温された上部ブロック62で押圧する。こうして、高温の下部ブロック61と上部ブロック62とで樹脂基板10と樹脂フィルム20との積層体を挟み込み、熱と圧力とを加えることによって両者を溶着して接合する。
本実施形態では、このような接合工程を、熱プレス機6(上部ブロック62)と樹脂フィルム20との間に、熱プレス機6(上部ブロック62)の側から、第一弾性体シート30、金属シート40、及び第二弾性体シート50の順に配置した状態で行う。
第一弾性体シート30は、3層の積層シートを構成する第一弾性体シート30、金属シート40、及び第二弾性体シート50の中で、最も柔らかい。第一弾性体シート30は、熱プレス機6(上部ブロック62)から伝わる押圧力を、適度に分散させながら金属シート40へと伝達する機能を果たす。
第一弾性体シート30は、金属シート40及び第二弾性体シート50よりも柔らかければその具体的な柔らかさ(硬さ)は特に限定されないが、ショア硬さがA30以上A95以下のものを用いることが好ましい。第一弾性体シート30のショア硬さがA30未満であると、熱プレス機6の押圧力が過度に分散されてしまい、熱プレス時に十分な面圧を確保できなくなる可能性がある。一方、第一弾性体シート30のショア硬さがA95を超えて大きくなると、熱プレス機6の押圧力を分散する効果が薄れてしまう可能性がある。そこで、ショア硬さがA30以上A95以下の第一弾性体シート30を用いることで、熱プレス時に十分な面圧を確保しながらも押圧力を適度に分散させることができる。第一弾性体シート30のより好ましいショア硬さは、A60以上A80以下である。
なお、第一弾性体シート30についてのショア硬さは、JIS K 6253に従い、タイプAデュロメーターを用いて測定することによって得ることができる。
第一弾性体シート30を構成する材料は特に限定されないが、ゴムを少なくとも含むものを用いることが好ましい。このようなゴム素材を含むものを利用することで、ショア硬さがA30以上A95以下(より好ましくはショア硬さがA60以上A80以下)の第一弾性体シート30を容易に得ることができる。そして、熱プレス機6(上部ブロック62)から伝わる押圧力を、適度に分散させながら金属シート40へと良好に伝達することができる。
より具体的な構成材料としては、第一弾性体シート30として、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンゴム、ブチルゴム、及びウレタンゴムのいずれか1種以上を含むものを用いることが好ましい。かかる構成では、汎用されているゴム素材を用いて低コストに、熱プレス機6からの押圧力を適度に分散させながら金属シート40へと良好に伝達することができる。
第一弾性体シート30の厚みは、特に限定されないが、熱プレス時の押圧力を適度に分散させて金属シート40に伝達させるという観点からは、例えば0.2mm以上1mm以下であることが好ましい。
金属シート40は、3層の積層シートを構成する第一弾性体シート30、金属シート40、及び第二弾性体シート50の中で、最も硬い。また、金属シート40は、積層シートの3層の中で最も剛性が高く、この意味で“剛性体シート”と称することもできる。金属シート40は、第一弾性体シート30を介して熱プレス機6(上部ブロック62)から伝わってくる押圧力を、全面で均等に樹脂フィルム20側へと伝達する機能を果たす。
金属シート40は、第一弾性体シート30及び第二弾性体シート50よりも硬ければその具体的な硬さは特に限定されないが、ビッカース硬さが100HV以上600HV以下のものを用いることが好ましい。金属シート40のビッカース硬さが100HV未満であると、金属シート40の剛性が不足して、熱プレス時に十分な面圧を確保できなくなる可能性がある。一方、ビッカース硬さが600HVを超えて大きい金属シート40を用いるには、組成や焼入方法等の点で特殊なシートを準備する必要があり、汎用性に劣るという欠点がある。そこで、ビッカース硬さが100HV以上600HV以下の金属シート40を用いることで、過度に汎用性を損なうことなく、熱プレス時に十分な面圧を確保することができる。金属シート40のより好ましいビッカース硬さは、370HV以上430HV以下である。
なお、金属シート40についてのビッカース硬さは、JIS Z 2244に規定される測定方法に従って得ることができる。
金属シート40を構成する金属の具体的材料は特に限定されないが、ステンレス、鉄、アルミニウム、クロム、銅、ニッケル、若しくはチタン、又は、これらのうちの1種以上を含む合金からなるシートを含むものを用いることが好ましい。かかる構成では、汎用されている金属素材を用いて低コストに、伝わってくる押圧力を全面で均等に樹脂フィルム20側へと伝達することができる。
金属シート40の厚みは、特に限定されないが、例えば0.05mm以上0.2mm以下であることが好ましい。金属シート40の厚みが0.05mm未満であると、金属シート40自体の剛性が不足して、熱プレス時に十分な面圧を確保できなくなる可能性がある。一方、金属シート40の厚みが0.2mmを超えて厚くなると、最終的に得られるマイクロ流路チップ1において、流路溝12の縁部分において樹脂フィルム20の浮きがみられる場合があった。そこで、0.05mm以上0.2mm以下の厚みの金属シート40を用いることで、流路溝12の縁部分にも浮きのない、樹脂基板10と樹脂フィルム20とが強固に接合したマイクロ流路チップ1を得ることができる。金属シート40のより好ましい厚みは、0.1mm程度である。
第二弾性体シート50は、第一弾性体シート30よりも硬く、かつ、金属シート40よりも柔らかい。第二弾性体シート50は、第一弾性体シート30及び金属シート40を介して熱プレス機6(上部ブロック62)から伝わる押圧力を、その柔軟性によって緩和させながら樹脂フィルム20側へと伝達する機能を果たす。また、第二弾性体シート50は、熱プレス時における形状転写を防止する機能をも果たす。
なお、例えばこのような第二弾性体シート50を配置せずに接合工程を行う場合において、樹脂フィルム20を柔軟に押圧しようとすれば金属シート40を例えば0.05mm未満に薄くする必要がある。しかし、そのようにすると、金属シート40に樹脂基板10の形状が転写されてしまう場合があり、その都度、金属シート40を交換しなければならない。第二弾性体シート50を設けることで、樹脂フィルム20への金属シート40の形状転写を防止することができるのみならず、金属シート40への樹脂基板10の形状転写を防止することもできる。
第二弾性体シート50は、第一弾性体シート30及び金属シート40との関係で中間の柔らかさを有していればその具体的な柔らかさ(硬さ)は特に限定されないが、ショア硬さがD40以上D80以下のものを用いることが好ましい。第二弾性体シート50のショア硬さがD40未満であると、第二弾性体シート50が過度な柔軟性を有することによって流路溝12が部分的につぶれてしまい、所望のサイズよりも小さくなる可能性がある。一方、第二弾性体シート50のショア硬さがD80を超えて大きくなると、第二弾性体シート50の柔軟性が不足して、熱プレス時の押圧力を穏やかに伝達できなくなり、流路溝12の縁部分に浮きが生じる可能性がある。そこで、ショア硬さがD40以上D80以下の第二弾性体シート50を用いることで、流路溝12のサイズを設計どおりに確保しつつ、樹脂基板10と樹脂フィルム20とを強固に接合することができる。第二弾性体シート50のより好ましいショア硬さは、D50以上D55以下である。
なお、第二弾性体シート50についてのショア硬さは、JIS K 7215に従い、タイプDデュロメーターを用いて測定することによって得ることができる。
第二弾性体シート50を構成する材料は特に限定されないが、フッ素樹脂を少なくとも含むものを用いることが好ましい。このようなフッ素樹脂素材を含むものを利用することで、ショア硬さがD40以上D80以下(より好ましくはショア硬さがD50以上D55以下)の第二弾性体シート50を容易に得ることができる。そして、第一弾性体シート30及び金属シート40を介して熱プレス機6(上部ブロック62)から伝わる押圧力を、その柔軟性によって緩和させながら樹脂フィルム20側へと良好に伝達することができる。
より具体的な構成材料としては、第二弾性体シート50として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、及びポリフッ化ビニル(PVF)のいずれか1種以上を含むものを用いることが好ましい。かかる構成では、汎用されているフッ素樹脂素材を用いて低コストに、熱プレス機6側からの押圧力を適度に緩和させながら樹脂フィルム20側へと良好に伝達することができる。
以下に実施例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
[実施例1]
基板の中央部に40μm幅、30μm深さの流路溝を有する、50mm×30mm×1.5mm厚のポリメチル(メタ)アクリレート製基板と、ポリメチル(メタ)アクリレート製フィルムとを準備した。これらの樹脂基板及び樹脂フィルムを熱プレス機の下部ブロックに載置し、熱プレス機の上部ブロックと樹脂フィルムとの間に、上部ブロックの側からフッ素ゴムシート、ステンレスシート、及びPTFEシートの順に配置した状態で、熱圧着した。フッ素ゴムシートとして、ショア硬度がA60で厚みが0.5mmのものを用い、ステンレスシートとして、ビッカース硬さが400HVで厚みが0.1mmのものを用い、PTFEシートとして、ショア硬度がD50で厚みが1mmのものを用いた。熱圧着は、熱板温度118℃、圧力900N、圧着時間210秒で行った。
得られたマイクロ流路チップは、樹脂基板と樹脂フィルムとが強固に溶着されており、流路溝の縁部分においても浮きは見られなかった。また、樹脂フィルムが変形することもなく、設計通りのサイズの流路溝が形成されていた。
[実施例2]
フッ素ゴムシートとしてショア硬度がA70のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロ流路チップを作製した。得られたマイクロ流路チップは、樹脂基板と樹脂フィルムとが強固に溶着されており、流路溝の縁部分においても浮きは見られなかった。また、樹脂フィルムが変形することもなく、設計通りのサイズの流路溝が形成されていた。
[実施例3]
フッ素ゴムシートとしてショア硬度がA80のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、マイクロ流路チップを作製した。得られたマイクロ流路チップは、樹脂基板と樹脂フィルムとが強固に溶着されており、流路溝の縁部分においても浮きは見られなかった。また、樹脂フィルムが変形することもなく、設計通りのサイズの流路溝が形成されていた。
[実施例4]
ステンレスシートとして厚みが0.2mmのものを用いたこと以外は実施例3と同様にして、マイクロ流路チップを作製した。得られたマイクロ流路チップにおいて、樹脂フィルムが変形することはなく、設計通りのサイズの流路溝が形成されていた。また、樹脂基板と樹脂フィルムとは概ね良好に溶着されており、流路溝の縁部分において僅かに浮きが見られる場合があったものの問題となるレベルではなかった。
[比較例1]
ステンレスシートを介在させずに、熱プレス機の上部ブロックと樹脂フィルムとの間に上部ブロックの側からフッ素ゴムシート及びPTFEシートの順に配置した状態で熱圧着したこと以外は実施例1と同様にして、マイクロ流路チップを作製した。
[比較例2]
フッ素ゴムシートとしてショア硬度がA70のものを用いたこと以外は比較例1と同様にして、マイクロ流路チップを作製した。
[比較例3]
フッ素ゴムシートとしてショア硬度がA80のものを用いたこと以外は比較例1と同様にして、マイクロ流路チップを作製した。
比較例1〜3で得られたマイクロ流路チップは、いずれも、樹脂基板と樹脂フィルムとは強固に溶着されていたものの、樹脂フィルムが変形して流路溝のサイズが設計よりも小さくなっていた。
Figure 2019042829
以上、マイクロ流路チップ及びその製造方法の実施形態(実施例を含む)について具体例を示して詳細に説明したが、本発明の範囲は、上述した具体的な実施例及び実施形態に限定される訳ではない。本明細書において開示された実施例及び実施形態は全ての点で例示であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
1 マイクロ流路チップ
6 熱プレス機
10 樹脂基板
10a 第一面(一方の面)
12 流路溝
20 樹脂フィルム
30 第一弾性体シート
40 金属シート
50 第二弾性体シート

Claims (8)

  1. 一方の面に流路溝を有する樹脂基板と、前記流路溝を覆うように前記樹脂基板に接合される樹脂フィルムと、を備えるマイクロ流路チップの製造方法であって、
    前記樹脂基板と前記樹脂フィルムとの積層体を熱プレス機で熱圧着して、前記樹脂基板と前記樹脂フィルムとを接合させる接合工程を含み、
    前記接合工程を、前記熱プレス機と前記樹脂フィルムとの間に、前記熱プレス機の側から、第一弾性体シート、金属シート、及び前記第一弾性体シートよりも硬い第二弾性体シートの順に配置した状態で行うマイクロ流路チップの製造方法。
  2. 前記第一弾性体シートとして、ショア硬さがA30以上A95以下のものを用いる請求項1に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  3. 前記第一弾性体シートとして、ゴムを少なくとも含むものを用いる請求項1又は2に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  4. 前記ゴムとして、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、エチレンゴム、ブチルゴム、及びウレタンゴムのいずれか1種以上を含むものを用いる請求項3に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  5. 前記金属シートとして、ビッカース硬さが100HV以上600HV以下のものを用いる請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  6. 前記金属シートとして、ステンレス、鉄、アルミニウム、クロム、銅、ニッケル、若しくはチタン、又は、これらのうちの1種以上を含む合金からなるシートを含むものを用いる請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  7. 前記第二弾性体シートとして、ショア硬さがD40以上D80以下のものを用いる請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
  8. 前記第二弾性体シートとして、フッ素樹脂を用いる請求項1から7のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップの製造方法。
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