JP2019041464A - 電力ケーブルの中間接続構造、電力ケーブル線路、及びゴムユニット - Google Patents

電力ケーブルの中間接続構造、電力ケーブル線路、及びゴムユニット Download PDF

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中西 辰雄
Tatsuo Nakanishi
辰雄 中西
助川 琢也
Takuya Sukegawa
琢也 助川
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Abstract

【課題】ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い電力ケーブルの中間接続構造を提供する。【解決手段】導体接続部と、絶縁筒と、絶縁筒の中央外周に設けられる外周筒部、及び縁筒の端部内周に設けられて外部半導電層に導通される端部内周筒部を有する接続用半導電層とを備えるゴムユニットとを備え、ゴムユニットは、絶縁筒に一連に形成されて端部内周筒部の外周を覆い、外周筒部と端部内周筒部とを電気的に縁切りする筒状の縁切り部と、ゴムユニットの端部に設けられる環状の凹部と、凹部の開口を塞ぐ仮想平面を通ると共に、外周筒部と端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離とするとき、外周筒部と端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離よりも長くする環状の沿面距離延長部とを有し、凹部の内周面は、縁切り部の表面を兼ねる重複面を有し、沿面距離延長部は、重複面の少なくとも一部を含む電力ケーブルの中間接続構造。【選択図】図2

Description

本発明は、電力ケーブルの中間接続構造、電力ケーブル線路、及びゴムユニットに関する。
電力ケーブルの端部同士を接続して電力ケーブル線路を構築する電力ケーブルの中間接続構造として、両電力ケーブルに備わるケーブル遮蔽層同士を電気的に接続し導通する特許文献1のようなNJ(Normal straight through joint)タイプと、ケーブル遮蔽層同士を電気的に絶縁する特許文献2のようなIJ(Insulating joint)タイプとが挙げられる。
特許文献1の電力ケーブル用接続部は、中心側から順に、導体接続管と、ブロック絶縁体及びスペーサと、第1遮蔽層と、第2遮蔽層と、遮水層とを備える。導体接続管は、各電力ケーブルの端部において露出されるケーブル導体の端部同士を接続する。ブロック絶縁体は、内周側から順に、導体接続管の外周を覆うブロック内部半導電層と、ケーブル絶縁体同士を接続するブロック絶縁層と、ケーブル外部半導電層同士を接続するブロック外部半導電層とを備える。スペーサは、ブロック絶縁体の各端面に対向して配置されている。第1遮蔽層は、ブロック絶縁体と各ケーブル外部半導電層の外周に跨って配設され、第2遮蔽層は、第1遮蔽層と各ケーブル遮蔽層の外周に跨って配設されている。遮水層は、これら全体を覆うように形成されている。
特許文献2の電力ケーブル接続部用モールドユニット(ゴムユニット)は、絶縁ゴムの端部外周側に一体に形成され、外部半導電層を絶縁ゴムの外周側の外筒と絶縁ゴムの端部内周側の端部内筒とに電気的に縁切りする縁切り部が設けられている。この縁切り部により、3相交流送電を3条の単心ケーブルを用いて行う場合に各相の送電を行う単心ケーブルに電圧を印加した際、他相により各単心ケーブルの端部にケーブル長に応じて生じる誘起電圧に耐えるように設計されている。
特開2007−110831号公報 特開平10−309027号公報
電力ケーブルの中間接続構造では、一般に、ヒートサイクルを受けた際、電力ケーブルの膨張・収縮をゴムユニットで吸収しており、ゴムユニットとその端面に対向配置されるスペーサの挙動が一連ではない。そのため、ゴムユニットの端面とその端面に対向配置されるスペーサとの間に空隙が形成される場合がある。そうすると、その空隙が電気的弱点になり、絶縁性能の低下を招く。
そこで、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い電力ケーブルの中間接続構造を提供することを目的の一つとする。
また、上記電力ケーブルの中間接続構造を備える電力ケーブル線路を提供することを目的の一つとする。
さらに、端部の沿面距離を延長できるゴムユニットを提供することを目的の一つとする。
本開示に係る電力ケーブルの中間接続構造は、
導体と外部半導電層とを有する電力ケーブルの端部同士を接続する電力ケーブルの中間接続構造であって、
各電力ケーブルの端部において露出される前記導体の端部同士を接続する導体接続部と、
前記導体接続部の外周を覆う絶縁筒と、前記絶縁筒の中央外周に設けられる外周筒部、及び前記絶縁筒の端部内周に設けられて前記外部半導電層に導通される端部内周筒部を有する接続用半導電層とを備えるゴムユニットとを備え、
前記ゴムユニットは、
前記絶縁筒に一連に形成されて前記端部内周筒部の外周を覆い、前記外周筒部と前記端部内周筒部とを電気的に縁切りする筒状の縁切り部と、
前記ゴムユニットの端部に設けられる環状の凹部と、
前記凹部の開口を塞ぐ仮想平面を通ると共に、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離とするとき、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を前記比較沿面距離よりも長くする環状の沿面距離延長部と、を有し、
前記凹部の内周面は、前記縁切り部の表面を兼ねる重複面を有し、
前記沿面距離延長部は、前記重複面の少なくとも一部を含む。
本開示に係る電力ケーブル線路は、本開示に係る電力ケーブルの中間接続構造を備える。
本開示に係るゴムユニットは、
導体と外部半導電層とを有する電力ケーブルの端部において露出される前記導体の端部同士を接続する導体接続部の外周を覆う絶縁筒と、前記絶縁筒の中央外周に設けられる外周筒部、及び前記絶縁筒の端部内周に設けられて前記外部半導電層に導通される端部内周筒部を有する接続用半導電層とを備えるゴムユニットであって、
前記絶縁筒に一連に形成されて前記端部内周筒部の外周を覆い、前記外周筒部と前記端部内周筒部とを電気的に縁切りする筒状の縁切り部と、
前記ゴムユニットの端部に設けられる環状の凹部と、
前記凹部の開口を塞ぐ仮想平面を通ると共に、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離とするとき、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を前記比較沿面距離よりも長くする環状の沿面距離延長部と、を有し、
前記凹部の内周面は、前記縁切り部の表面を兼ねる重複面を有し、
前記沿面距離延長部は、前記重複面の少なくとも一部を含む。
上記電力ケーブルの中間接続構造は、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い。
上記電力ケーブル線路は、ヒートサイクルによって絶縁性能が低下し難い。
上記ゴムユニットは、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制できる電力ケーブルの中間接続構造を構築できる。
実施形態1に係る電力ケーブルの中間接続構造及び電力ケーブル線路の概略を示す部分断面図である。 実施形態1に係る電力ケーブルの中間接続構造に備わるゴムユニットの一方の端部付近を拡大した断面図である。 実施形態2に係る電力ケーブルの中間接続構造に備わるゴムユニットの一方の端部付近を拡大した断面図である。 実施形態3に係る電力ケーブルの中間接続構造に備わるゴムユニットの一方の端部付近を拡大した断面図である。 実施形態4に係る電力ケーブルの中間接続構造に備わるゴムユニットの一方の端部付近を拡大した断面図である。 実施形態5に係る電力ケーブルの中間接続構造に備わるゴムユニットの一方の端部付近を拡大した断面図である。 参考例1の電力ケーブルの中間接続構造に備わるゴムユニットの一方の端部付近を拡大した断面図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る電力ケーブルの中間接続構造は、
導体と外部半導電層とを有する電力ケーブルの端部同士を接続する電力ケーブルの中間接続構造であって、
各電力ケーブルの端部において露出される前記導体の端部同士を接続する導体接続部と、
前記導体接続部の外周を覆う絶縁筒と、前記絶縁筒の中央外周に設けられる外周筒部、及び前記絶縁筒の端部内周に設けられて前記外部半導電層に導通される端部内周筒部を有する接続用半導電層とを備えるゴムユニットとを備え、
前記ゴムユニットは、
前記絶縁筒に一連に形成されて前記端部内周筒部の外周を覆い、前記外周筒部と前記端部内周筒部とを電気的に縁切りする筒状の縁切り部と、
前記ゴムユニットの端部に設けられる環状の凹部と、
前記凹部の開口を塞ぐ仮想平面を通ると共に、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離とするとき、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を前記比較沿面距離よりも長くする環状の沿面距離延長部と、を有し、
前記凹部の内周面は、前記縁切り部の表面を兼ねる重複面を有し、
前記沿面距離延長部は、前記重複面の少なくとも一部を含む。
上記の構成によれば、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い。ヒートサイクルによってゴムユニットの端面の対向箇所に電気的弱点に成りうる空隙が形成されても、沿面距離延長部を備えることで、沿面距離延長部を備えない場合に比較して沿面距離を長くできるからである。
(2)上記電力ケーブルの中間接続構造の一形態として、
前記凹部の内周面は、更に前記端部内周筒部の表面を有し、
前記沿面距離延長部は、
前記凹部内に挿入される筒状の挿入部と、
前記挿入部に一連に形成され、前記凹部の外側に露出する筒状の露出部とを有することが挙げられる。
上記の構成によれば、挿入部や露出部のサイズを調整することで沿面距離を調整できるため、沿面距離を比較沿面距離よりも長くし易い。
(3)上記沿面距離延長部が挿入部と露出部とを備える上記電力ケーブルの中間接続構造の一形態として、
前記挿入部よりも前記凹部の底側に前記挿入部と独立して配置され、前記縁切り部を内周側から支持する筒状の底側挿入部を備えることが挙げられる。
上記の構成によれば、ヒートサイクルによる膨張収縮で縁切り部が劣化し難い。底側挿入部により縁切り部をその内周側から支持することで、縁切り部を機械的に補強できるからである。
(4)上記沿面距離延長部が挿入部と露出部とを備える上記電力ケーブルの中間接続構造の一形態として、
前記挿入部は、前記凹部の内周面と一体成形され、
前記露出部は、前記縁切り部及び前記端部内周筒部の端面と一体成形されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、凹部と挿入部との間、縁切り部及び端部内周筒部の端面と露出部との間に隙間が形成され難いため、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下をより一層抑制し易い。特に、挿入部が凹部の内周面と一体成形されることで、挿入部で凹部をその全域に亘って埋め易いため、沿面距離を比較沿面距離に比較してより一層長くし易い。
(5)上記電力ケーブルの中間接続構造の一形態として、
前記凹部の内周面は、前記重複面のみで形成され、
前記沿面距離延長部は、前記凹部で形成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、部品点数を低減しつつヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い。沿面距離延長部として、絶縁筒とは独立する部材を別途用意する必要がないからである。
(6)本発明の一態様に係る電力ケーブル線路は、上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の電力ケーブルの中間接続構造を備える。
上記の構成によれば、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い電力ケーブルの中間接続構造を備えるため、絶縁性能が低下し難い。
(7)本発明の一態様に係るゴムユニットは、
導体と外部半導電層とを有する電力ケーブルの端部において露出される前記導体の端部同士を接続する導体接続部の外周を覆う絶縁筒と、前記絶縁筒の中央外周に設けられる外周筒部、及び前記絶縁筒の端部内周に設けられて前記外部半導電層に導通される端部内周筒部を有する接続用半導電層とを備えるゴムユニットであって、
前記絶縁筒に一連に形成されて前記端部内周筒部の外周を覆い、前記外周筒部と前記端部内周筒部とを電気的に縁切りする筒状の縁切り部と、
前記ゴムユニットの端部に設けられる環状の凹部と、
前記凹部の開口を塞ぐ仮想平面を通ると共に、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離とするとき、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を前記比較沿面距離よりも長くする環状の沿面距離延長部と、を有し、
前記凹部の内周面は、前記縁切り部の表面を兼ねる重複面を有し、
前記沿面距離延長部は、前記重複面の少なくとも一部を含む。
上記の構成によれば、沿面距離延長部を備えない場合に比較して沿面距離を長くできるため、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制できる上記電力ケーブルの中間接続構造を構築できる。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《実施形態1》
〔電力ケーブルの中間接続構造〕
図1、図2を参照して、実施形態1に係る電力ケーブルの中間接続構造1を説明する。電力ケーブルの中間接続構造1は、二つの電力ケーブル100の導体110の端部同士を接続して電力ケーブル線路200を構築する。この電力ケーブルの中間接続構造1は、導体110の端部同士を接続する導体接続部2と、導体接続部2の外周を覆うゴムユニット3とを備える。電力ケーブルの中間接続構造1の特徴の一つは、ゴムユニット3が特定の沿面距離延長部36を有する点にある。まず、電力ケーブル100の概要を説明し、その後、電力ケーブルの中間接続構造1の各構成を詳細に説明する。
[電力ケーブル]
各電力ケーブル100は、導体110と、導体110の外周に形成される絶縁体120と、絶縁体120の外周に形成されるケーブル遮蔽層130と、ケーブル遮蔽層130の外周に形成されるシース140とを備える(図1)。本例の電力ケーブル100はCVケーブルである。絶縁体120の内周部分には、ケーブル内部半導電層(図示せず)が設けられ、絶縁体120の外周部分には、外部半導電層122と、半導電テープ層124とが設けられている。各電力ケーブル100の端部は、段剥ぎされて、導体110、絶縁体120、外部半導電層122、半導電テープ層124、及びケーブル遮蔽層130の各々が露出される。
導体110の材質は、導電性を有する金属、例えば銅やアルミニウムなどが挙げられる。絶縁体120の材質は、電気絶縁性を有する樹脂が挙げられる。本例の絶縁体120の材質は、架橋ポリエチレンである。ケーブル内部半導電層及び外部半導電層122の材質は半導電性を有する樹脂が挙げられる。ケーブル遮蔽層130は、銅やアルミニウムなどの導電性を有する金属のテープや編組線で形成されている。シース140の材質は、例えばポリエチレン樹脂が挙げられる。
電力ケーブル100の基本的構成は公知の構成を参照できる。例えば、電力ケーブル100は、送電電圧が例えば66kV以上の高圧用ケーブル、更には400kV以上、500kV以上といった超高圧用ケーブルなどとすることが挙げられる。
[中間接続構造]
中間接続構造1は、内周側から順に導体接続部2とゴムユニット3とを備える。図1では、説明の便宜上、中間接続構造1の一方側(紙面右側)のみ半断面で示し、他方側(紙面左側)を外観図で示している。
(導体接続部)
導体接続部2は、段剥ぎされて露出する導体110の端部同士を接続する。導体接続部2は、本例では両端が開口する2つの収納孔が形成された円筒状部材であり、その中央に各収納孔の底を形成する仕切部が設けられている。導体接続部2は、両端の開口から導体110の端部をそれぞれ収納孔内に挿入して圧縮接続することで、導体110同士を電気的に接続する。導体接続部2の材質は、導体110と同じ材質、例えば、銅やアルミニウムなどの導電性を有する金属が挙げられる。
(ゴムユニット)
ゴムユニット3は、中間接続構造1の主絶縁に用いられる。ゴムユニット3は、筒状部材であり、一方の電力ケーブル100の外部半導電層122の外周から他方の電力ケーブル100の外部半導電層122の外周に亘って一連に覆う。このゴムユニット3は、拡径状態で導体接続部2の外周などに配置される。そのため、ゴムユニット3の各部の内周面は、ゴムの収縮力によって電力ケーブル100の外周などに隙間なく密着する。このゴムユニット3は、絶縁筒31と、内部半導電層32と、接続用半導電層33と、縁切り部34と、凹部35と、沿面距離延長部36(図2)とを有する。図1では、説明の便宜上、一方(紙面右側)の縁切り部34と凹部35とを図示し、他方(紙面左側)の縁切り部と凹部の図示を省略している。図2では、説明の便宜上、後述する防水層6(図1)の図示を省略すると共に、縁切り部34と沿面距離延長部36との間の隙間を誇張して示している。この点は、後述する図3〜図7でも同様である。
〈絶縁筒〉
絶縁筒31は、一方の電力ケーブル100の絶縁体120の外周から他方の電力ケーブル100の絶縁体120の外周に亘って覆う(図1)。絶縁筒31の材質は、例えば、絶縁性エチレンプロピレンゴム、又は絶縁性シリコーンゴムなどが挙げられる。
〈内部半導電層〉
内部半導電層32は、絶縁筒31における軸方向の中央の内周に設けられる円筒状の部材であり、導体接続部2の外周を覆う。内部半導電層32は、絶縁筒31と一体成形されている。内部半導電層32の材質は、例えば、半導電性エチレンプロピレンゴム、又は半導電性シリコーンゴムなどが挙げられる。
〈接続用半導電層〉
接続用半導電層33は、絶縁筒31における軸方向の中央の外周に設けられる外周筒部331と、絶縁筒31における軸方向の各端部の内周側に設けられる端部内周筒部332とを備える。外周筒部331及び各端部内周筒部332は、絶縁筒31と一体成形されている。外周筒部331と各端部内周筒部332とは、後述の縁切り部34により電気的に縁切りされている。外周筒部331は、後述の遮蔽層(図示略)を介して他方のケーブル遮蔽層(図示略)に接続されている。外周筒部331の形状は、軸方向に一様な厚みの円筒状である。各端部内周筒部332は、各外部半導電層122に接続されている(図1紙面左側は図示略)。各端部内周筒部332の内周面は、ゴムユニット3の中央側に向かって内径の広がるラッパ状に形成されており、各端部内周筒部332の厚さは、ゴムユニット3の中央側ほど薄くて、ゴムユニット3の端部側ほど厚い。外周筒部331及び端部内周筒部332の材質は、例えば、半導電性エチレンプロピレンゴム、又は半導電性シリコーンゴムなどが挙げられる。
〈縁切り部〉
縁切り部34は、接続用半導電層33の外周筒部331と各端部内周筒部332とを電気的に縁切りする。各縁切り部34は、絶縁筒31の各端部の外周側に絶縁筒31と一体成形されている(図1紙面左側は図示略)。本例では、各縁切り部34は、絶縁筒31に片持ち支持されるように一体成形されている。各縁切り部34は、各端部内周筒部332の外周を覆うと共に、後述する凹部35の外周に形成される。各縁切り部34の形状は、本例では厚さの略一様な円筒状である。縁切り部34は、内周側に凹むように変形して押さえ付けられている。上述したように、ゴムユニット3は拡径状態で導体接続部2の外周などに配置され、ゴムの収縮力によって電力ケーブル100の外周などに隙間なく密着されるからである。また、本例ではその外側に形成される防水層6による面圧で内周側に押さえ付けられている。この変形により、縁切り部34の内周面の一部が端部内周筒部332の外周面に接していて、後述の凹部35がその底側から開口側に向かって一部埋められている。縁切り部34の材質は、絶縁筒31と同じ絶縁性ゴムが挙げられる。
〈凹部〉
凹部35は、ゴムユニット3の端部に設けられる(図2)。凹部35の形状は、円環状である。凹部35の内周面は、縁切り部34の表面を兼ねる重複面351を有する。本例では、凹部35は、縁切り部34と端部内周筒部332とで構成され、凹部35の内周面は、縁切り部34の表面(内周面)を兼ねる重複面351と、端部内周筒部332の表面(外周面)とで構成されている。なお、後述するように、凹部35は、縁切り部34の一部で構成され、凹部35の内周面は、重複面351(縁切り部34の表面)のみで形成されていてもよい(図5)。この凹部35は、絶縁筒31と内部半導電層32と接続用半導電層33とを一体成形する際、使用する金型の内周面に凹部35に相当する突起を設けることで形成できる。
〈沿面距離延長部〉
沿面距離延長部36は、凹部35の開口を塞ぐ仮想平面V(図7)を通ると共に、外周筒部331と端部内周筒部332との間に亘る沿面距離を比較沿面距離Lc(図7)とするとき、外周筒部331と端部内周筒部332との間に亘る沿面距離L(図2)を比較沿面距離Lc(図7)よりも長くする。それにより、ゴムユニット3の端面の対向箇所(例えば後述する半導電性台座スペーサ4との間)に電気的弱点に成りうる空隙が形成されても、沿面距離延長部36を備えない場合(比較沿面距離Lc)に比較して沿面距離Lが長いため、絶縁性能の低下を抑制し易い。沿面距離L及び比較沿面距離Lcは、外周筒部331と端部内周筒部332とを部材表面に沿って繋ぐ最短距離をいう。図7は、図2に示す挿入部361及び露出部362(共に後述)を備えない参考例1の電力ケーブルの中間接続構造を示す。参考例1の電力ケーブルの中間接続構造は、挿入部361及び露出部362を備えない点を除き、図2に示すゴムユニット3と同様である。図7では、説明の便宜上、縁切り部34が変形していない状態を示している。
沿面距離延長部36は、重複面351の少なくとも一部を含む。本例では、沿面距離延長部36は重複面351の一部(縁切り部34の内周面における凹部35の開口側)を含むが、後述するように、重複面351の全面を含んでいてもよい(図4)。この沿面距離延長部36は、挿入部361と露出部362と備える。挿入部361及び露出部362は、本例のように縁切り部34及び端部内周筒部332とは別体に形成してもよいし、後述のように縁切り部34及び端部内周筒部332と一体成形(図4)されていてもよい。
・挿入部
挿入部361は、凹部35内に挿入されて、凹部35をその全周に亘って埋める。挿入部361の形状は、円筒状である。挿入部361の軸方向の長さは、図2に示す本例のように、凹部35の全長よりも短くて凹部35の開口側にのみ挿入される程度の長さであってもよいし、図4に示す後述の実施形態4のように、凹部35の全域に亘って挿入されるように、凹部35の全長と同程度の長さとしてもよい。露出部362のサイズにもよるが、挿入部361の長さを調整することで沿面距離Lの長さを調整でき、挿入部361の長さを長くすることで沿面距離Lを長くできる。
・露出部
露出部362は、挿入部361に一連に形成されて、凹部35の外側に露出する。露出部362は、本例では半導電性台座スペーサ4(後述)の外周に配置されている。この露出部362は、その挿入部361側(図2の左端側)が外周側に突出して縁切り部34の端面を覆うと共に、その挿入部361側からその反対側(図2の右端側)の先端に向かって厚さが薄くなる傾斜面を有するくさび状に形成されている。この露出部362の縦断面形状は、直角台形状であり、直角台形の上底(短辺)が外周側、下底(長辺)が内周側、傾斜辺が先端側に位置する。この上底と下底と傾斜辺との合計長さは、縁切り部34の厚さ(端面の長さ)と挿入部361の軸方向の長さと挿入部361の厚さ(端面(図2の左端面)の長さ)の合計長さよりも長い。
挿入部361及び露出部362の材質は、絶縁性ゴムが挙げられる。挿入部361及び露出部362の硬さは、縁切り部34や端部内周筒部332の硬さと同等、更には縁切り部34や端部内周筒部332の硬さよりも硬いことが好ましい。そうすれば、挿入部361を凹部35内に挿入させ易い。
ゴムユニット3のケーブル端部外周への装着は、次のようにして行える。まず、凹部35に挿入部361を挿入して、挿入部361及び露出部362と絶縁筒31及び端部内周筒部332とを一体化してゴムユニット3を作製する。このゴムユニット3、及び後述の半導電性台座スペーサ4を一方の電力ケーブル100に事前に挿入しておく。このとき、ゴムユニット3は、拡径され、拡径保持材(図示せず)により拡径状態で保持されている。各電力ケーブル100の端部を段剥ぎ処理して、互いの導体110を導体接続部2に挿入して圧縮接続し、導体110同士を接続する。拡径されたゴムユニット3を所定の位置に移動させた後、拡径保持材を抜き取り、ゴムユニット3を収縮させ、絶縁体120及び外部半導電層122に密着させる。
その他、次のようにして、ゴムユニット3をケーブル端部外周へ装着させることもできる。まず、ゴムユニット3を外部半導電層122よりもシース140側に逃しておく。その状態で、段剥ぎされて露出した導体110同士を導体接続部2に挿入して圧縮接続し、導体110同士を接続する。導体接続部2の外周には、絶縁体120の外周との間に段差ができないように半導電テープを巻回する。続いて、外部半導電層122の外周に半導電テープ層40を形成し、その外周に半導電性台座スペーサ4を配置する。そして、半導電性台座スペーサ4の斜面(後述)を利用してゴムユニット3を拡径させ、導体接続部2(その外周の半導電テープ)の外周を覆うようにゴムユニット3を半導電性台座スペーサ4よりも導体接続部2側に移動させて絶縁体120及び外部半導電層122に密着させる。
(その他)
電力ケーブルの中間接続構造1は、更に、ゴムユニット3の端面に対向配置される半導電性台座スペーサ4と、ゴムユニット3の外周側に形成される遮蔽層(図示略)及び防水層6とを備える(図1)。
〈半導電性台座スペーサ〉
半導電性台座スペーサ4は、ゴムユニット3及び外部半導電層122の外周に遮蔽層や防水層6を巻回し易くする。半導電性台座スペーサ4は、2つの分割片からなる半割れの環状体で構成され、分割片を組み合わせて環状体になる。半導電性台座スペーサ4(図1紙面右側、図2)は、露出部362の内側で端部内周筒部332の端面に対向配置されて、露出部362の内周面と端部内周筒部332の端面と外部半導電層122の外周面との間のスペースを埋める。半導電性台座スペーサ4の縦断面形状は、本例では直角台形状であり、その斜面がゴムユニット3とは反対側に配置されている。半導電性台座スペーサ4と外部半導電層122との間の隙間は、半導電テープ層40により埋められている。
〈遮蔽層〉
遮蔽層は、本例では外周筒部331と他方のケーブル遮蔽層(図示略)とを接続する。この遮蔽層は、ゴムユニット3の外周における外周筒部331の端面から他方のケーブル遮蔽層に亘って形成されている。遮蔽層は、銅やアルミニウムなどの導電性を有する金属のテープや編組線で形成されている。
〈防水層〉
防水層6は、本例ではゴムユニット3の外周をゴムユニット3の軸方向の全長に亘って形成されている(図1)。防水層6は、絶縁性の樹脂テープを巻回して形成したり、絶縁性の熱収縮チューブを被せて形成できる。
〈保護管・コンパウンド〉
電力ケーブルの中間接続構造1は、地中布設される場合、更に保護管とコンパウンド(いずれも図示略)を備えることができる。保護管は、一方の電力ケーブル100(図右側)のシース140近くの外周から、ゴムユニット3の外周を経て、他方の電力ケーブル100(図左側)のシース(図示略)近くの外周に亘る領域を覆う。この保護管は、上記領域との間に所定の空間をあけて配置される。コンパウンドは、保護管内(上記空間内)に充填されて、保護管内の水密性を高める。コンパウンドには、公知の防水コンパウンドを利用できる。
[用途]
実施形態1に係る電力ケーブルの中間接続構造1は、電力ケーブル線路において、電力ケーブルの端部同士を接続すると共に、両電力ケーブルに備わるケーブル遮蔽層同士を電気的に絶縁するIJタイプの中間接続構造に好適に利用できる。特に、電力ケーブルの中間接続構造1は、地中送電線などの各種の電力ケーブル線路の中間接続構造に好適に利用できる。電力ケーブルの中間接続部は、地中布設される場合、マンホールや洞道内などに設置される。電力ケーブルの中間接続部は、地上布設される場合、架台上などに設置される。
〔作用効果〕
実施形態1に係る電力ケーブルの中間接続構造1によれば、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い。ヒートサイクルによってゴムユニット3の端面の対向箇所(半導電性台座スペーサ4との間)に電気的弱点に成りうる空隙が形成されても、沿面距離延長部36を備えることで、沿面距離延長部36を備えない場合に比較して沿面距離Lを長くできるからである。特に、挿入部361と露出部362のサイズを調整することで沿面距離Lを調整できるため、沿面距離Lを比較沿面距離Lcよりも長くし易い。
《実施形態2》
〔電力ケーブルの中間接続構造〕
図3を参照して実施形態2に係る電力ケーブルの中間接続構造を説明する。実施形態2に係る電力ケーブルの中間接続構造は、更に、縁切り部34をその内周側から支持する筒状の底側挿入部37を備える点が実施形態1と相違する。以下の説明では、実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の構成は説明を省略する。この点は、後述の実施形態3、実施形態4でも同様である。
〈底側挿入部〉
底側挿入部37は、凹部35の底側に挿入部361と独立して配置されて、凹部35の底側を埋める。縁切り部34は、実施形態1で説明したように内周側に変形して押さえ付けられているものの、ヒートサイクルにより膨張収縮する。この底側挿入部37により縁切り部34をその内周側から支持することで縁切り部34を機械的に補強できる。そのため、ヒートサイクルによる膨張収縮で縁切り部34が劣化し難く、特に縁切り部34の根元の損傷を抑制し易い。図3では、説明の便宜上、凹部35の内周面と底側挿入部37との間の隙間を誇張して示している。底側挿入部37の長さは、凹部35における挿入部361以外の領域を埋める長さとすることが好ましい。そうすれば、挿入部361と底側挿入部37とで実質的に凹部35の全域を埋めることができて、縁切り部34をより強固に支持し易い。底側挿入部37の材質は、挿入部361と同じ絶縁性ゴムが挙げられ、その硬さは、挿入部361と同様、縁切り部34及び端部内周筒部332の硬さと同等、更には縁切り部34や端部内周筒部332の硬さよりも硬いことが好ましい。そうすれば、底側挿入部37を凹部35内に挿入し易い。
〔作用効果〕
実施形態2に係る電力ケーブルの中間接続構造によれば、ヒートサイクルに伴う膨張収縮による縁切り部34の劣化を抑制し易い。底側挿入部37により縁切り部34をその内周側から支持することで、縁切り部34を機械的に補強できるからである。
《実施形態3》
〔電力ケーブルの中間接続構造〕
図4を参照して実施形態3に係る電力ケーブルの中間接続構造を説明する。実施形態3に係る電力ケーブルの中間接続構造は、挿入部361が凹部35の内周面(縁切り部34の内周面及び端部内周筒部332の外周面)と一体成形され、露出部362が縁切り部34及び端部内周筒部332の両端面と一体成形されている点が実施形態1と相違する。
挿入部361は、凹部35の全域に亘って充填されている。即ち、本例では挿入部361と凹部35との間には隙間が実質的に形成されていない。露出部362は、縁切り部34の端面と端部内周筒部332の端面の両端面の略全面を覆う。本例の露出部362の大きさは実施形態1や実施形態2で説明した露出部362よりも大きい。そのため、本例の電力ケーブルの中間接続構造では、露出部362と外部半導電層122との間に半導電性台座スペーサを設けていない。なお、露出部362の大きさによっては、半導電性台座スペーサ4(図2)を設けてもよい。
挿入部361及び露出部362と、縁切り部34(絶縁筒31)及び端部内周筒部332(接続用半導電層33)との一体化は、例えば、以下の(a)、(b)の手法で行える。
(a)絶縁筒31と内部半導電層32と接続用半導電層33とを一体成形した一体物を金型内に配置し、挿入部361及び露出部362の構成材料を金型内に充填して成形する。
(b)まず、挿入部361及び露出部362を準備する。挿入部361及び露出部362の準備は、絶縁筒31と内部半導電層32と接続用半導電層33とを一体成形した一体物と同形状の治具を用意し、その治具を金型に配置して、挿入部361及び露出部362の構成材料を金型内に充填して成形することで行える。そして、挿入部361及び露出部362と内部半導電層32と接続用半導電層33とを金型内に配置し、絶縁筒31の構成材料を金型内に充填して成形する。
なお、実施形態2と同様、挿入部361よりも凹部35の底側に配置される底側挿入部37(図3)を備えていてもよい。
〔作用効果〕
実施形態3に係る電力ケーブルの中間接続構造によれば、凹部35と挿入部361との間、縁切り部34及び端部内周筒部332の端面と露出部362との間に隙間が形成され難い。挿入部361が凹部35の内周面と一体成形され、露出部362が縁切り部34及び端部内周筒部332の両端面と一体成形されているからである。そのため、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下をより一層抑制し易い。特に、挿入部361が凹部35の内周面と一体成形されることで、挿入部361で凹部35の全域に亘って埋め易いため、沿面距離Lを比較沿面距離Lcに比較してより一層長くし易い。
《実施形態4》
〔電力ケーブルの中間接続構造〕
図5を参照して実施形態4に係る電力ケーブルの中間接続構造を説明する。実施形態4に係る電力ケーブルの中間接続構造は、凹部35の内周面が重複面351(縁切り部34の表面)のみで形成されている点が実施形態1との相違点の一つである。即ち、沿面距離延長部36は凹部35で形成されている。
端部内周筒部332は、ゴムユニット3の中央側に向かって径の広がるラッパ状に形成されると共に、その先端をゴムユニット3の端部側へ折り返して形成されている。端部内周筒部332の厚さは、略均一である。この端部内周筒部332と縁切り部34との間には隙間が形成されず、縁切り部34と端部内周筒部332とは密着している。
縁切り部34の表面は、ゴムユニット3の端部側に向かって外径の小さくなる傾斜面を有し、その傾斜面には、軸方向に沿って局所的に凹む円環状の凹部35が形成されている。この凹部35が沿面距離延長部36を形成する。この場合、凹部35の開口を塞ぐ仮想平面Vが傾斜面の延長面となる。凹部35の内周面の合計長さ(凹部35の上面の軸方向の長さ+底面の径方向の長さ+下面の軸方向の長さ)は、上記延長面よりも長い。そのため、本例の沿面距離Lは、比較沿面距離Lcよりも長くできている。
この電力ケーブルの中間接続構造は、実施形態1などと同様、凹部35内に挿入される挿入部361と凹部35の外側に露出する露出部362とを備えていてもよい。図5では、説明の便宜上、挿入部361及び露出部362のハッチングは省略して示している。この場合、沿面距離延長部36は、重複面351(凹部35)と挿入部361と露出部362とで構成される。また、実施形態2と同様、更に、挿入部361よりも凹部35の底側に配置される底側挿入部37(図3)を備えていてもよい。
〔作用効果〕
実施形態4に係る電力ケーブルの中間接続構造によれば、挿入部361及び露出部362を備えない場合、実施形態1に比較して、部品点数を低減しつつヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い。絶縁筒31などと独立する沿面距離延長部36を別途用意する必要がないからである。一方、挿入部361及び露出部362を備える場合、実施形態1と同様、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い。
《実施形態5》
〔電力ケーブルの中間接続構造〕
図6を参照して実施形態5に係る電力ケーブルの中間接続構造を説明する。実施形態5に係る電力ケーブルの中間接続構造は、凹部35の内周面が重複面351(縁切り部34の表面)のみで形成されている点は、実施形態4と同様である。この電力ケーブルの中間接続構造は、縁切り部34の傾斜面に局所的に突出する突出部39を有し、凹部35が突出部39の内周面と縁切り部34における突出部39よりも内周側の傾斜面(内周側傾斜面)とで形成される点が実施形態4と相違する。
突出部39は、軸方向に平行に突出する円筒状に形成されている。突出部39の軸方向の長さは、突出部39の内周面における軸方向の長さが、縁切り部34における突出部39よりも外周側の傾斜面と上記内周側傾斜面とを繋ぐ仮想傾斜面の長さよりも長くなる程度の長さとしている。その上、突出部39の軸方向の長さは、突出部39の内周面における軸方向の長さと上記内周側傾斜面の長さとの合計長さが、凹部35の開口を塞ぐ仮想平面(本例では、ゴムユニット3の軸方向と直交する面)の長さよりも長くなる程度の長さとしている。
この形態では、実施形態1などと同様、凹部35に挿入される挿入部361と凹部35から露出して突出部39の端面を覆う露出部362とを備える。凹部35の縦断面形状は、本例では三角形状であり、挿入部361の縦断面形状は、凹部35の縦断面形状に沿った三角形状である。沿面距離延長部36は、重複面351(凹部35)と挿入部361と露出部362とで構成される。
〔作用効果〕
実施形態5に係る電力ケーブルの中間接続構造によれば、突出部39がない場合に比較して沿面距離Lを長くできるため、ヒートサイクルによる絶縁性能の低下を抑制し易い。
《試験例1》
図1,図2に示す実施形態1の電力ケーブルの中間接続構造と、図4に示す実施形態3の電力ケーブルの中間接続構造と、図7に示す参考例1の電力ケーブルの中間接続構造とを用意し、IEC60859規格に準拠して、縁切り部に雷インパルス耐電圧性能を評価した。ここでは、フラッシオーバするまで−10kV/1回Stepで雷インパルス電圧を印加した。
図1,図2に示す実施形態1の電力ケーブルの中間接続構造では、−165kVまで耐え、−175kVでフラッシオーバした。また、図4に示す実施形態3の電力ケーブルの中間接続構造では、−205kVまで耐え、−215kVでフラッシオーバした。一方、図7に示す参考例1の電力ケーブルの中間接続構造では、−145kVまでしか耐えることができなかった。
以上の結果から、電力ケーブルの中間接続構造に備わるゴムユニットが沿面距離延長部を有することで、雷インパルス耐電圧性能に優れることが分かった。特に、凹部の略全長に亘る長さを有する挿入部が凹部と一体成形される実施形態3の電力ケーブルの中間接続構造は、挿入部の長さが凹部の全長よりも短くて挿入部が凹部と一体成形されずに単に凹部に挿入される実施形態1の電力ケーブルの中間接続構造に比較して、雷インパルス耐電圧性能により優れることが分かった。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 中間接続構造
2 導体接続部
3 ゴムユニット
31 絶縁筒
32 内部半導電層
33 接続用半導電層
331 外周筒部
332 端部内周筒部
34 縁切り部
35 凹部
351 重複面
36 沿面距離延長部
361 挿入部
362 露出部
37 底側挿入部
39 突出部
4 半導電性台座スペーサ
40 半導電テープ層
6 防水層
100 電力ケーブル
110 導体
120 絶縁体
122 外部半導電層
124 半導電テープ層
130 ケーブル遮蔽層
140 シース
200 電力ケーブル線路
V 仮想平面
L 沿面距離
Lc 比較沿面距離

Claims (7)

  1. 導体と外部半導電層とを有する電力ケーブルの端部同士を接続する電力ケーブルの中間接続構造であって、
    各電力ケーブルの端部において露出される前記導体の端部同士を接続する導体接続部と、
    前記導体接続部の外周を覆う絶縁筒と、前記絶縁筒の中央外周に設けられる外周筒部、及び前記絶縁筒の端部内周に設けられて前記外部半導電層に導通される端部内周筒部を有する接続用半導電層とを備えるゴムユニットとを備え、
    前記ゴムユニットは、
    前記絶縁筒に一連に形成されて前記端部内周筒部の外周を覆い、前記外周筒部と前記端部内周筒部とを電気的に縁切りする筒状の縁切り部と、
    前記ゴムユニットの端部に設けられる環状の凹部と、
    前記凹部の開口を塞ぐ仮想平面を通ると共に、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離とするとき、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を前記比較沿面距離よりも長くする環状の沿面距離延長部と、を有し、
    前記凹部の内周面は、前記縁切り部の表面を兼ねる重複面を有し、
    前記沿面距離延長部は、前記重複面の少なくとも一部を含む電力ケーブルの中間接続構造。
  2. 前記凹部の内周面は、更に前記端部内周筒部の表面を有し、
    前記沿面距離延長部は、
    前記凹部内に挿入される筒状の挿入部と、
    前記挿入部に一連に形成され、前記凹部の外側に露出する筒状の露出部とを有する請求項1に記載の電力ケーブルの中間接続構造。
  3. 前記挿入部よりも前記凹部の底側に前記挿入部と独立して配置され、前記縁切り部を内周側から支持する筒状の底側挿入部を備える請求項2に記載の電力ケーブルの中間接続構造。
  4. 前記挿入部は、前記凹部の内周面と一体成形され、
    前記露出部は、前記縁切り部及び前記端部内周筒部の端面と一体成形されている請求項2に記載の電力ケーブルの中間接続構造。
  5. 前記凹部の内周面は、前記重複面のみで形成され、
    前記沿面距離延長部は、前記凹部で形成されている請求項1に記載の電力ケーブルの中間接続構造。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力ケーブルの中間接続構造を備える電力ケーブル線路。
  7. 導体と外部半導電層とを有する電力ケーブルの端部において露出される前記導体の端部同士を接続する導体接続部の外周を覆う絶縁筒と、前記絶縁筒の中央外周に設けられる外周筒部、及び前記絶縁筒の端部内周に設けられて前記外部半導電層に導通される端部内周筒部を有する接続用半導電層とを備えるゴムユニットであって、
    前記絶縁筒に一連に形成されて前記端部内周筒部の外周を覆い、前記外周筒部と前記端部内周筒部とを電気的に縁切りする筒状の縁切り部と、
    前記ゴムユニットの端部に設けられる環状の凹部と、
    前記凹部の開口を塞ぐ仮想平面を通ると共に、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を比較沿面距離とするとき、前記外周筒部と前記端部内周筒部との間に亘る沿面距離を前記比較沿面距離よりも長くする環状の沿面距離延長部と、を有し、
    前記凹部の内周面は、前記縁切り部の表面を兼ねる重複面を有し、
    前記沿面距離延長部は、前記重複面の少なくとも一部を含むゴムユニット。
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