以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明する。下記の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、走行状態分析システム10の模式図である。走行状態分析システム10は、車両30の走行状態を分析し、車両30を運転するユーザ20に対してアラートを出したり、ユーザ20を見守る、例えば親族などの見守り者21に対して、ユーザ20が運転する車両30の走行状態を報告したりする。走行状態分析システム10は、車両30に搭載される車載器100と、ユーザ20によって所持され、車載器100と無線通信する移動端末200と、インターネット500を介して移動端末200と無線通信する中間サーバ300と、インターネット500を介して中間サーバ300と無線通信する分析サーバ400と、見守り者21によって所持され、中間サーバ300と無線通信する移動端末210とを備える。中間サーバ300および分析サーバ400は、分析装置の一例である。
走行状態分析システム10は、例えば保険会社などの1つ又は複数のサービス提供者によって提供される。中間サーバ300および分析サーバ400は、走行状態分析システム10の1つ又は複数のサービス提供者によって管理される。分析サーバ400には、ユーザ20および見守り者21の少なくとも一方によって予め指定される、ユーザ20が車両30によって走行することを想定している区域である指定区域が登録されている。指定区域の一例は、ユーザ20の自宅から半径10kmの円範囲内である。
走行状態分析システム10によるサービスを提供されるユーザ20は、走行状態分析システム10のサービス提供者が保険会社である場合には、当該保険会社との間で保険契約を締結している被保険者である。ユーザ20は、サービス提供者との間で、自身が所有する車両30の車両IDを予め設定しておき、車両IDを自身が所有する移動端末200に記憶させておく。そして、ユーザ20は、サービス提供者から与えられる車載器100を、予め車両30に搭載しておく。
なお、1台の車両30が、例えばサービス提供者との間で保険契約をしている複数人の親族など、複数のユーザ20によって運転される可能性がある場合には、複数のユーザ20は、サービス提供者との間で、車両30および車載器100の1セットに対し、各々が所持する移動端末IDを予め個別に設定しておく。これにより、複数のユーザ20のそれぞれに対して個別に、車両30の保険料を設定したり、定期的に見直したりすることができる。
車両30に搭載された状態の車載器100は、車両30と電気的に接続されている。車載器100は、車両30のイグニッションスイッチがONになったら、車両30から電気を供給されて自動で電源がONになり、車両30のイグニッションスイッチがOFFになったら、車両30から電気を供給されなくなって自動で電源がOFFになる。換言すると、車載器100は、ユーザ20が車両30の運転を開始する度に、電源がOFFからONに切り替わり、運転を終了する度に、電源がONからOFFに切り替わる。
図2は、走行状態分析システム10における、車両30の走行中のデータの流れを説明するためのフロー図である。車載器100は、車両30の走行中に、車両30の走行状態に関するデータである走行状態データを検出して、予め定められたサンプリング周波数で、走行状態データを近距離無線通信によって移動端末200に送信する(ステップS101)。走行状態データは、車両30の走行に関するサンプリングデータの一例である。近距離無線通信の規格として、例えばBluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などを使用してもよい。本実施形態では、近距離無線通信の規格としてBLEを使用する。車載器100は、車載器IDを有し、走行状態データと共に車載器IDを移動端末200に送信する。
移動端末200は、車両30の走行中に、車載器100から予め定められたサンプリング周波数で、走行状態データを近距離無線通信によって受信する(ステップS101)。移動端末200は、車載器100およびインターネット500に無線接続可能な、例えばiOS、Android(登録商標) OSなどのスマートフォンや、タブレット、ウェアラブルデバイスなどである。移動端末200は、車載器100と予めペアリングされ、BLE通信範囲内で移動端末200および車載器100のBLEがONになると、車載器100との間でBLE通信を確立する。
移動端末200は、車載器100とペアリングするときに車載器100から受信する車載器IDを、予め記憶している車両IDと紐付けて記憶しておく。移動端末200は、車両30の走行中に、車載器100から走行状態データおよび車載器IDを受信すると、車載器IDに紐付けられている車両IDを、車載器IDおよび走行状態データと共に、インターネット500を介して、前述のサンプリング周波数よりも低い予め定められた送信周波数で中間サーバ300に送信する(ステップS103)。
中間サーバ300は、移動端末200から予め定められた送信周波数で、インターネット500を介して走行状態データ、車載器IDおよび車両IDを受信する(ステップS103)。中間サーバ300は、受信した車載器IDに基づいて、予め車載器IDと紐付けて記憶している車両情報を特定する。車両情報は、車両クラス、車両重量、サイズ等の情報を含む。また、中間サーバ300は、ユーザ20の移動端末ID、および見守り者21の移動端末IDも、車載器IDおよび車両IDと紐付けて予め記憶している。
中間サーバ300は、走行状態データの一部を補正し、補正したデータを含む走行状態データを、車両IDおよび車両情報と共に、インターネット500を介して分析サーバ400に送信する(ステップS105)。中間サーバ300は、複数の移動端末200から受信する複数の走行状態データを並行して補正する。
分析サーバ400は、中間サーバ300から、インターネット500を介して走行状態データ、車両IDおよび車両情報を受信して(ステップS105)、走行状態データおよび車両情報に基づいて、車両30の走行状態を分析する。分析サーバ400は、車両30の走行状態を分析することによって車両30が外部走行していると判定した場合に、外部走行を示す外部走行ステータスデータを、車両IDと共に、インターネット500を介して中間サーバ300に送信する(ステップS107)。
中間サーバ300は、分析サーバ400から、インターネット500を介して外部走行ステータスデータおよび車両IDを受信すると(ステップS107)、外部走行ステータスデータおよび車両IDを紐付けて記憶する。中間サーバ300は、受信した車両IDに基づいて、予め車両IDと紐付けて記憶しているユーザ20の移動端末ID、および見守り者21の移動端末IDを特定する。中間サーバ300は、特定した移動端末IDを有するユーザ20の移動端末200に、外部走行ステータスデータおよび車両IDを送信する(ステップS109)。また、中間サーバ300は、一定期間ごとに、当該一定期間における外部走行ステータスを見守り者21に報告するための外部走行レポートを作成する。中間サーバ300は、外部走行レポートの作成が完了したときに、外部走行レポートを見守り者21によって参照可能な状態にして、外部走行レポートの参照が可能になった旨のメールを、特定した移動端末IDを有する見守り者21の移動端末210に送信する(ステップS111)。外部走行レポートの一例は、PDFファイルである。外部走行レポートには、例えば、ユーザ20および車両30の情報と共に、ユーザ20が運転する車両30が外部走行した日時、場所などの履歴情報が含まれる。見守り者21は、外部走行レポートを閲覧することで、ユーザ20が運転する車両30が、いつ、どこで、外部走行したのかを把握することができ、これによって、ユーザ20に注意喚起することもできる。
移動端末200は、中間サーバ300から、インターネット500を介して外部走行ステータスデータおよび車両IDを受信すると(ステップS109)、車両30が外部走行している外部走行状態であることをユーザ20に通知するように要求する外部走行通知データを生成し、近距離無線通信により、外部走行通知データを車載器100に送信する(ステップS111)。また、移動端末200は、外部走行通知データに基づいて、例えば発音、発振などの手段によって、自らユーザ20に対し、車両30が外部走行状態であることを通知する。
車載器100は、移動端末200から外部走行通知データを受信すると(ステップS111)、外部走行通知データに基づいて、例えば発音、発光などの手段によって、ユーザ20に対し、車両30が外部走行状態であることを通知する。
図3は、車載器100のブロック図である。車載器100は、制御部101と、加速度センサ105と、ジャイロセンサ107と、地磁気センサ109と、気圧センサ111と、GPSデータ受信部103と、音声出力部113と、スピーカ117と、発光部115と、無線通信部119とを備える。
加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、および気圧センサ111は、制御部101から要求信号を入力されたら、それぞれセンシングを開始して、制御部101に走行状態データを出力し始める。制御部101に対して、加速度センサ105は加速度データを出力し、ジャイロセンサ107は角速度データを出力し、地磁気センサ109は地磁気データを出力し、気圧センサ111は気圧データを出力する。なお、車載器100は更に、速度センサを備えてもよい。
GPSデータ受信部103は、制御部101から要求信号を入力されたら、GPS(全地球測位システム)から車両30の位置の緯度及び経度を表すGPSデータの受信を開始して、制御部101にGPSデータの出力を開始する。
無線通信部119は、加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、気圧センサ111、およびGPSデータ受信部103によって取得した走行状態データを、近距離無線通信によって、予め定められたサンプリング周波数で移動端末200に送信する。無線通信部119は更に、移動端末200から外部走行通知データを受信したら、外部走行通知データを制御部101に出力する。
スピーカ117は、ユーザ20に対して車両30が外部走行していることを通知するためのアラート音声を発する。音声出力部113は、制御部101が、外部走行通知データを入力されたことに応じて出力する発音信号に基づいて、スピーカ117にアラート音声を発音させる。
発光部115は、制御部101が、外部走行通知データを入力されたことに応じて出力する発光信号に基づいて、ユーザ20に対して車両30が外部走行していることを通知するために発光する。発光部115は、例えばLEDであり、車載器100が車両30に搭載された状態で、ユーザ20が視認可能な位置に配される。
制御部101は、車載器100の電源がONになると、前述の要求信号を加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、気圧センサ111、およびGPSデータ受信部103に出力する。制御部101は、加速度センサ105、ジャイロセンサ107、地磁気センサ109、気圧センサ111、およびGPSデータ受信部103から走行状態データを入力されると、走行状態データを予め定められたサンプリング周波数で無線通信部119から移動端末200に送信する。制御部101は、無線通信部119から外部走行通知データを入力されると、音声出力部113に発音信号を出力し、発光部115に発光信号を出力する。
図4は、移動端末200のブロック図である。移動端末200は、制御部201と、記憶部203と、無線通信部205と、送受信部207とを備える。
記憶部203は、車両IDを車載器IDと紐付けて記憶している。記憶部203は更に、移動端末200によって走行状態分析システム10のサービスを利用するための走行状態分析アプリケーションを記憶している。走行状態分析アプリケーションは、走行状態分析システム10のサービス提供者により、例えばインターネット500を介して、インストール可能な状態にされている。走行状態分析アプリケーションは、ユーザ20によって移動端末200に予めインストールされる。
車載器100は、電源がONの状態でアドパタイズパケットを発信し続けており、電源がONの状態にある移動端末200が車載器100とのBLE通信範囲内に入ると、車載器100からアドパタイズパケットを受信し、これをトリガとして、走行状態分析アプリケーションが起動する。移動端末200が特定のOS、例えばiOSの場合、その仕様上、アドパタイズパケットを受信したことをトリガとして起動したアプリケーションは、15秒以上バックグラウンドで動作し続けることができない。そこで、走行状態分析システム10では、車載器100から近距離無線通信の通信パケットを移動端末200が受信し続けている限りにおいて、走行状態分析アプリケーションがバックグラウンドで動作し続ける構成としている。
本実施形態では、車載器100からアドパタイズパケットを受信したことをトリガとして起動した走行状態分析アプリケーションは、移動端末200と車載器100との間のBLE通信を確立し、車載器100からBLEの通信パケットを受信し続けることで、バックグラウンドで動作し続ける。また、バックグラウンドで動作している走行状態分析アプリケーションは、車載器100からBLEの通信パケットを受信しない状態が15秒続くと自動的に終了する。移動端末200が車載器100からBLEの通信パケットを受信しない状態が15秒続く場合の例は、車載器100の電源が15秒以上OFFになっている場合や、移動端末200が車載器100とのBLE通信範囲外に出て15秒以上経過した場合である。よって、ユーザ20による手動での、走行状態分析アプリケーションの起動操作、終了操作、および、車載器100と移動端末200との間の無線接続操作は不要である。
ただし、移動端末200が、例えばSIMフリー端末である場合には、走行状態分析アプリケーションによる車載器100との自動接続ができない可能性がある。また、ユーザ20が自ら明示的に車載器100との手動接続を行いたい場合もある。これらの事情を考慮して、走行状態分析アプリケーションの起動操作、終了操作、および、車載器100と移動端末200との間の無線接続操作を手動で出来るように設定してもよい。なお、走行状態分析アプリケーションが、車両30のイグニッションスイッチがONになって車載器100がONになったときに既に起動状態にある場合には、移動端末200が車載器100と通信可能な状態になったときに、移動端末200と車載器100との間のBLE通信を確立してもよい。
無線通信部205は、近距離無線通信によって予め定められたサンプリング周波数で、車載器100から走行状態データを受信する。無線通信部205は更に、制御部201から外部走行通知データを入力されると、外部走行通知データを車載器100に送信する。なお、無線通信部205は、車両30の走行中に、移動端末200と共に車両30に搭載された車載器100から、車両30の走行に関するサンプリングデータを、近距離無線通信により、予め定められたサンプリング周波数で受信する受信部の一例である。
送受信部207は、インターネット500を介して予め定められた送信周波数で、走行状態データを車両IDおよび車載器IDと共に中間サーバ300に送信する。送受信部207は更に、インターネット500を介して外部走行ステータスデータおよび車両IDを受信すると、外部走行ステータスデータおよび車両IDを制御部201に出力する。なお、車載器100と移動端末200と中間サーバ300との間の無線通信手段は同じであってもよく、この場合、無線通信部205および送受信部207は同じであってもよい。なお、送受信部207は、車両30の走行中に、サンプリング周波数でのサンプリング周期の複数の期間にわたって受信した複数のサンプリングデータのうちの少なくとも1つに基づく送信データを、インターネットを介して無線通信により、外部装置、及び、外部装置と通信するサーバの少なくとも何れかへと、サンプリング周波数よりも低い送信周波数で送信する送信部の一例である。
制御部201は、前述のように走行状態分析アプリケーションが起動すると、走行状態分析アプリケーションを実行する。制御部201は、無線通信部205から走行状態データを入力されると、記憶部203を参照して、互いに紐付けられた車載器IDおよび車両IDと共に、走行状態データを送受信部207から中間サーバ300に送信する。また、制御部201は、送受信部207から外部走行ステータスデータおよび車両IDを入力されると、入力された車両IDを記憶部203に記憶されている車両IDと照合すると共に、前述の外部走行通知データを生成し、外部走行通知データを無線通信部205から車載器100に送信する。
図5は、中間サーバ300のブロック図である。中間サーバ300は、車両情報特定部301と、データ補正部303と、記憶部305と、送受信部307と、レポート作成部309とを備える。
送受信部307は、インターネット500を介して、移動端末200から走行状態データ、車両IDおよび車載器IDを受信すると、車両IDおよび走行状態データをデータ補正部303に出力し、車載器IDを車両情報特定部301に出力する。送受信部307は更に、データ補正部303から走行状態データおよび車両IDを入力され、車両情報特定部301から車両情報を入力されると、インターネット500を介して、走行状態データ、車両IDおよび車両情報を分析サーバ400に送信する。送受信部307は更に、インターネット500を介して分析サーバ400から外部走行ステータスデータおよび車両IDを受信すると、外部走行ステータスデータおよび車両IDを記憶部305に出力する。送受信部307は更に、分析サーバ400から受信した車両IDと紐付けられて記憶部305に記憶されているユーザ20の移動端末IDを特定する。送受信部307は更に、インターネット500を介して外部走行ステータスデータおよび車両IDを、特定した移動端末IDを有するユーザ20の移動端末200に送信する。
送受信部307は更に、レポート作成部309から、外部走行レポートの参照が可能になった旨のメール、および見守り者21の移動端末IDを入力されると、この移動端末IDを有する見守り者21の移動端末210にメールを送信する。送受信部307は更に、移動端末210から外部走行レポートの送信を要求する要求信号、および移動端末210の移動端末IDを受信すると、要求信号および移動端末IDをレポート作成部309に出力する。送受信部307は更に、レポート作成部309から外部走行レポート、および移動端末210の移動端末IDを入力されると、この移動端末IDを有する移動端末210に外部走行レポートを送信する。
記憶部305は、車載器ID、車両ID、ユーザ20の移動端末ID、および見守り者21の移動端末IDを互いに紐付けて記憶している。また、記憶部305は、走行状態データの一部を補正するための関数情報なども記憶している。記憶部305は、送受信部307から外部走行ステータスデータおよび車両IDを入力されると、車両30の外部走行を検知したことを、外部走行を検知した日時および場所の情報、並びに、車両IDと共に記憶する。記憶部305は更に、レポート作成部309から外部走行レポートおよび車両IDを入力されると、外部走行レポートおよび車両IDを、見守り者21の移動端末IDと紐付けて記憶する。なお、記憶部305は、記憶している外部走行情報を、送受信部307を介して外部から参照されてもよい。
データ補正部303は、送受信部307から車両IDおよび走行状態データを入力されると、記憶部305に記憶されている関数情報などを参照して、走行状態データに含まれる加速度データ、角速度データおよび地磁気データに対し、地軸補正および車両軸補正を行う。地軸補正の一例は、地軸に対し車載器100の上下軸であるZ軸が垂直になるように補正を行うことで、想定される車載器100の進行方向軸であるX軸の値と、X軸およびZ軸に直交するY軸の値とを補正するものである。車両軸補正の一例は、車両30の進行方向と、車載器100のX軸とがずれている場合に、車両30の進行方向と車載器100のX軸とが一致するように補正するものである。データ補正部303は更に、補正後の加速度データ、角速度データおよび地磁気データを、補正していないGPSデータおよび気圧データ、並びに、車両IDと共に、送受信部307から分析サーバ400に送信する。なお、データ補正部303は、補正前の加速度データ、角速度データおよび地磁気データも併せて送受信部307から分析サーバ400に送信してもよい。
車両情報特定部301は、送受信部307から車載器IDを入力されると、記憶部305に記憶されている車両情報を参照して、入力された車載器IDから車両情報を特定する。車両情報特定部301は更に、特定した車両情報を送受信部307から分析サーバ400に送信する。
レポート作成部309は、定期的に記憶部305を参照し、記憶部305に記憶されている車両IDおよび外部走行ステータスデータに基づいて外部走行レポートを作成する。レポート作成部309は更に、記憶部305に記憶されている車両IDから見守り者21の移動端末IDを特定する。レポート作成部309は更に、外部走行レポートの作成が完了したときに、外部走行レポートおよび車両IDを記憶部305に記憶させることによって、見守り者21が外部走行レポートを参照可能な状態にする。レポート作成部309は更に、外部走行レポートの参照が可能になった旨のメールを、送受信部307から、特定した移動端末IDを有する見守り者21の移動端末210に送信する。レポート作成部309は更に、送受信部307から、外部走行レポートの送信を要求する要求信号および移動端末210の移動端末IDを入力されると、移動端末IDと紐付けられて記憶部305に記憶されている外部走行レポートを送受信部307から移動端末210に送信する。
図6は、分析サーバ400のブロック図である。分析サーバ400は、マップマッチング部401と、判定出力部405と、記憶部407と、送受信部409とを備える。
送受信部409は、インターネット500を介して、中間サーバ300から走行状態データ、車両IDおよび車両情報を受信すると、走行状態データ、車両IDおよび車両情報をマップマッチング部401に出力する。送受信部409は更に、判定出力部405から外部走行ステータスデータおよび車両IDを入力されると、インターネット500を介して、外部走行ステータスデータおよび車両IDを中間サーバ300に送信する。
記憶部407は、DRM(Digital Road Map)情報および外部走行判定条件を記憶している。DRM情報は、道路の最小単位の線である道路リンクに関するデータを含む。道路リンクに関するデータには、道路リンクのデータの他に、道路リンク間を結ぶ座標点を含むノードのデータが含まれる。道路リンクに関するデータには更に、道路リンクごとの、複数の緯度経度からなる形状データ、距離のデータ、隣接する道路リンクのデータ、道路タイプ、各道路リンクに予め設定されている走行可能方向のデータ、制限速度などが含まれる。外部走行判定条件は、車両30が外部走行状態であることを示す外部走行ステータスデータを出力することを決定するための条件である。記憶部407は更に、外部走行カウンタとして、判定出力部405から出力される外部走行カウントも記憶する。
マップマッチング部401は、送受信部409から走行状態データ、車両IDおよび車両情報を入力されると、記憶部407に記憶されているDRM情報に含まれる道路リンクのデータに対して、走行状態データに含まれるGPSデータをマッチングするマップマッチング処理を行う。マップマッチング処理は、GPSデータの誤差を補正する処理を含む。GPSデータは、車両30の計測された位置を示す。マップマッチング部401は、マップマッチング処理によって、道路上における車両30の位置を推定する。
マップマッチング処理では、例えば互いに立体交差する複数の道路の何れを車両30が走行しているかを知るための情報として、気圧データを用いてもよい。また、車両30の加減速、走行速度、向き、斜面を走行することによる傾きなどを知るための情報として、加速度データ、角速度データおよび地磁気データを用いてもよい。また、車両クラス、車両重量、サイズ等の情報が含まれる車両情報を用いてもよい。この場合、記憶部407は、車両クラス、車両重量、サイズ等に応じて異なる、加速度センサ105、ジャイロセンサ107などの判定閾値を予め記憶しておき、マップマッチング部401は、これら判定閾値を用いてGPSデータを道路リンクのデータにマッチングする。なお、角速度データには、水平面内における車両30の向き、鉛直方向に対する車両30の傾斜角度、当該傾斜角度の変化量などが含まれる。鉛直方向に対する車両30の傾斜角度は、例えば、鉛直方向に対する車両30の前後方向軸の傾斜角度や、車両30の重心を通る上下方向軸周りの回転角であるヨー角等を含み、傾斜角度の変化量は、例えば、ヨー角の変化する速さであるヨーレートを含む。
マップマッチング部401は、マップマッチング処理によって推定した車両30の位置である推定位置を示す、推定位置データを、車両IDと共に、判定出力部405に出力する。
判定出力部405は、マップマッチング部401から推定位置データおよび車両IDを入力されると、推定位置が指定区域外であるかどうかを判断する。判定出力部405は、推定位置が指定区域外であると判定した場合に、車両30の推定位置の外部走行カウントを1つアップして、車両IDと共に記憶部407に記憶させる。判定出力部405は、記憶部407に記憶させている外部走行カウントのアップが予め定められた時間以上連続しているかどうか、すなわち、外部走行カウントが予め定められた数以上であるかどうかを判断する。本実施形態における予め定められた数は2カウントであり、予め定められた数は記憶部407に記憶されている。例えば、分析サーバ400に走行状態データが1秒周期で送信される場合、外部走行カウントが2以上であることを条件として外部走行ステータスデータを出力することは、少なくとも2秒間、外部走行している可能性がある状態が続いていることを確認してから外部走行ステータスデータを出力することを意味する。そして、判定出力部405は、記憶部407に記憶させている外部走行カウントが2以上である場合に外部走行判定条件を満たしていると判定し、送受信部409に外部走行ステータスデータおよび車両IDを出力する。
なお、判定出力部405は、走行状態データに含まれるGPSデータによって示される車両30の計測された位置、および、当該走行状態データに基づく車両30の推定位置の他に、加速度データ、角速度データ、地磁気データ、気圧データ、シミュレーション情報なども考慮して、外部走行判定条件を満たしているかどうかを判断してもよい。シミュレーション情報は、予めシミュレーションによって把握される、生じ得る誤差の傾向の情報を含む。
図7は、移動端末210のブロック図である。移動端末210は、制御部211と、記憶部213と、入力部215と、送受信部217と、表示部219とを備える。移動端末210は、移動端末200と同様に、インターネット500に無線接続可能な、例えばiOS、Android(登録商標) OSなどのスマートフォンや、タブレット、ウェアラブルデバイスなどである。
送受信部217は、中間サーバ300から外部走行レポートの参照が可能になった旨のメールを受信すると、メールを制御部211に出力する。送受信部217は、制御部211から外部走行レポートの送信を要求する要求信号を入力されると、要求信号を中間サーバ300に送信する。送受信部217は更に、中間サーバ300から外部走行レポートを受信すると、外部走行レポートを制御部211に出力する。
表示部219は、例えばタッチパネルであって、制御部211の指示を受けて、外部走行レポートの参照が可能になった旨のメール、および、外部走行レポートを表示する。入力部215は、見守り者21による、メールの閲覧操作、要求信号の出力操作、外部走行レポートの閲覧操作などの入力を受け付けて、入力信号を制御部211に出力する。入力部215は、表示部219がタッチパネルである場合に、表示部219と共にタッチパネルを構成してもよい。
記憶部213は、制御部211から外部走行レポートの参照が可能になった旨のメールを入力されると、メールを記憶する。記憶部213はまた、制御部211から外部走行レポートを入力されると、外部走行レポートを記憶する。
図8は、指定区域40の内外において、車両30が道路50を走行している状態を説明する模式図である。図9は、図8に示される指定区域40の内外の道路リンクと車両30の走行状態とをマップマッチング処理して外部走行判定する方法を説明する図である。本実施形態では、マップマッチング処理手法として、GPSデータによって示される車両30の計測された位置に最も近い道路上の位置を車両30の位置として推定する。
本実施形態における指定区域40は、図8において破線で示されている、自宅60を中心とする円範囲である。指定区域40の内外における道路50上には、車両30の走行可能方向が黒塗りの矢印で示されている。
図8では、道路50を順走している車両30の位置を一定時間ごとに示している。そして、図9では、図8に示される車両30の各位置の時間に車載器100から取得されるGPSデータによる、車両30の計測位置31を破線の円で示している。一定の範囲を含む計測位置31は、GPSデータの誤差範囲を示している。また、図9では、図8に示される自宅60に対応して、自宅60の位置情報を示す自宅位置61が示されている。
図9において、指定区域40の内外の道路50における道路リンクは、直線状の道路リンク51、52、53、54で示されている。これらの道路リンクは何れも、分析サーバ400の記憶部407に記憶されている。また、図9において、各道路リンク間を結ぶノードは、黒塗りの点状のノード80で示されている。
また、図9において、車両30の計測位置31に最も近い道路リンク上の位置を車両30の位置として推定するマップマッチング処理を行った後の車両30の推定位置33が、推定位置33の時間推移を示す番号と共に、白抜きの矢印で示されている。矢印の向きは、車両30の走行状態データに含まれる地磁気データなどから算出される、車両30の走行方向を示している。
なお、図9を参照すると、図8に示されるように車両30は道路50上を走行しているにも拘わらず、車両30の計測位置31の中心は、車両30が実際に位置する道路リンクからずれている。そのため、マップマッチング処理後の車両30の推定位置33は、車両30が実際に位置する道路リンクと異なる道路リンク上に位置する場合がある。
分析サーバ400の判定出力部405は、分析サーバ400の記憶部407に記憶されている外部走行判定条件に従い、図9に示される全ての推定位置33について順に、車両30が外部走行しているかどうかを判定する。
判定出力部405は、番号1から6の白抜き矢印の推定位置33の何れも、指定区域40の内側なので、何れのカウントも増減しない。続けて、判定出力部405は、番号7の白抜き矢印の推定位置33が指定区域40の外側なので、外部走行カウントを1つアップして、記憶部407に記憶させる。
続けて、判定出力部405は、番号8から9の白抜き矢印の推定位置33が指定区域40の外側なので、外部走行カウントを1つずつ2回連続してアップして、記憶部407に記憶させる。判定出力部405は更に、番号8から9の白抜き矢印の推定位置33の何れにおいても、外部走行カウントが2以上になっているので、外部走行ステータスデータを2回連続して出力する。これにより、車載器100および移動端末200から、ユーザ20に対して立て続けに外部走行していることを報知する。
図10は、車載器100から、移動端末200および中間サーバ300を経由して、分析サーバ400に送信される走行状態データの周波数を説明するための表である。図10の表の上には、左から順に、車載器100、移動端末200、中間サーバ300および分析サーバ400が記載されており、表中には、走行状態データであるサンプリングデータの流れ方向を右向きの矢印で示してある。
図10の表に示される通り、車載器100は、車両30の走行中に、サンプリングデータを、近距離無線通信により、予め定められたサンプリング周波数で移動端末200に送信する。サンプリングデータに含まれる加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データについては、サンプリング周波数を50Hzとする。加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データは、車両30の車軸の向きに関する第1のサンプリングデータの一例である。50Hzは、第1のサンプリング周波数の一例である。なお、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データは、BLEの通信パケットの周波数が50Hzなので、通信パケットの周期にサンプリング周期を同期させて、通信パケットに付与するように構成している。
一方で、サンプリングデータに含まれる気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データについては、サンプリング周波数を10Hzとする。気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データは、第2のサンプリングデータの一例である。10Hzは、第2のサンプリング周波数の一例である。気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データは、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データに比べて変化が少ない。そのため、気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データのサンプリング周波数は、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データのサンプリング周波数に比べて、低く設定する。一方で、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データは、相対的にサンプリング周波数を高くすることで、分解能を高くして、車両30の走行状態をより正確に把握する。
車載器100から移動端末200に送信するサンプリングデータの周波数は、走行状態を細かく分析するために高い方が好ましいが、受信側の処理速度や、受信側での他の用途の通信を確保するなどの観点も考慮されることが好ましい。そこで、BLEの通信パケットの伝送容量等を考慮して、上記のように50Hzと10Hzとに設定している。
一方で、図10の表の上段に示される通り、車両30の走行中に、移動端末200から中間サーバ300にサンプリングデータを送るときは、通信状態が悪いので、サンプリング周波数を低くする。これにより、通信状態が悪いときに高周波数で移動端末200から中間サーバ300へとサンプリングデータを送信した場合に生じ得る通信回線の輻輳を回避することができる。
図10の表の上段には、車両30の走行中に、移動端末200から中間サーバ300を経由して分析サーバ400にサンプリングデータを送信する場合のサンプリング周波数が記載されている。なお、本実施形態では、車両30の走行中に、車両30が外部走行していると判定した場合に、当該走行中にアラートするが、これを「リアルタイムアラート」と称することがある。
図10の表の上段について、より具体的には、移動端末200は、車載器100から、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データを第1のサンプリング周期と同一の50Hzで受信し、気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データを第2のサンプリング周期と同一の10Hzで受信する。移動端末200は、上記のサンプリング周波数で受信した、これら全てのサンプリングデータを、数分の一倍から数十分の一倍の送信周波数で中間サーバ300に送信する。本実施形態では、移動端末200から中間サーバ300に送信するサンプリングデータの送信周波数は、車載器100から移動端末200に送信するサンプリングデータのサンプリング周波数の10分の一倍である。
移動端末200は、サンプリング周波数の10分の一倍の送信周波数で中間サーバ300に送信する。より具体的には、図10の表に示される通り、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データについては、送信周波数を5Hzとし、気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データについては、送信周波数を1Hzとする。
移動端末200は、車載器100から上記のサンプリング周波数で受信した複数のサンプリングデータの平均値を算出し、平均値を1つのパケットとして中間サーバ300に送信する。より具体的には、例えば車載器100から50Hzで受信する加速度データについて、50分の1秒のサンプリング周期の複数の期間にわたって受信した複数のサンプリングデータの平均値を算出する。なお、移動端末200は、上記の平均値を中間サーバ300に送信することによって、結果的に、単位時間当たりにおいて、車載器100から受け取ったデータ量よりも少ないデータ量を中間サーバ300に送信していることになる。これにより、データ送信時間が短縮されるので、より確実に、分析サーバ400において車両30の走行状態を分析できる。
次に、図10の表の上段について、中間サーバ300は、移動端末200から、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データを5Hzで受信し、気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データを1Hzで受信する。中間サーバ300は、上記のサンプリング周波数で受信した、これら全てのサンプリングデータを、同じ周波数で分析サーバ400に送信する。なお、加速度データおよびジャイロデータについては、中間サーバ300で補正した補正後加速度データおよび補正後ジャイロデータとして、中間サーバ300から分析サーバ400に送信する。また、磁気データは、x軸およびy軸のそれぞれのデータに分解して、中間サーバ300から分析サーバ400に送信する。また、GPSデータは、緯度および経度のそれぞれのデータに分解して、中間サーバ300から分析サーバ400に送信する。
次に、図10の表の下段に示される通り、車両30の走行中に、移動端末200から中間サーバ300を経由して分析サーバ400に送信済のサンプリングデータを一括して、車両30の停止後に、移動端末200から中間サーバ300を経由して分析サーバ400に再び送信する。車両30の停止後なので、車両30の走行中に比べて通信状態が良くなっていることから、例えば1MHzなどの高周波数で、送信済みのサンプリングデータを再び一括して送信する。これにより、例えば通信状態の不良で車両30の走行中に受信できなかったサンプリングデータが存在したとしても、そのようなサンプリングデータも含めて、精度の高い走行状態の分析を事後的に行うことができる。また、車両30の停止後に、上記の送信済のサンプリングデータを含めて、車載器100から送信されるサンプリングデータを、例えば移動端末200によって平均化される前の状態で、移動端末200から中間サーバ300を経由して分析サーバ400に一括して送信してもよい。これにより、より細かい、より多くのサンプリングデータを用いて、より精度の高い走行状態の分析を事後的に行うことができる。また、このようにサンプリングデータを一括して送信するときは、サンプリングデータを圧縮できるので、個別に5秒分や1秒分などを送る場合に比べて、効率的に送ることができる。
図10の表の下段には、車両30の走行中に、移動端末200から中間サーバ300を経由して分析サーバ400にサンプリングデータを送信する場合のサンプリング周波数が記載されている。なお、本実施形態では、車両30が走行してから停止するまでのワントリップ分のサンプリングデータを、車両30の停止後に、一括して再び送信するが、これを「ワントリップ分一括送信」と称することがある。
図10の表の下段について、より具体的には、移動端末200は、車載器100から、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データを50Hzで受信し、気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データを10Hzで受信する。移動端末200は、上記のサンプリング周波数で受信した、これら全てのサンプリングデータのサンプリング周期を、同じ周波数で、中間サーバ300に送信する。
また、図10の表の下段について、中間サーバ300は、移動端末200から、加速度データ、ジャイロデータおよび磁気データを50Hzで受信し、気圧データ、GPSデータ、速度データおよび時計データを10Hzで受信する。中間サーバ300は、上記のサンプリング周波数で受信した、これら全てのサンプリングデータを、任意の送信周波数で、分析サーバ400に送信する。本実施形態では、加速度データおよびジャイロデータについては、中間サーバ300で補正した補正後加速度データおよび補正後ジャイロデータとして、中間サーバ300から分析サーバ400に50Hzで送信する。また、磁気データは、x軸およびy軸のそれぞれのデータに分解し、送信周波数をサンプリング周波数の10分の1倍の5Hzにして、中間サーバ300から分析サーバ400に送信する。また、GPSデータは、緯度および経度のそれぞれのデータに分解し、送信周波数をサンプリング周波数の10分の1倍の1Hzにして、中間サーバ300から分析サーバ400に送信する。また、残りの気圧データ、速度データおよび時計データは、送信周波数をサンプリング周波数の10分の1倍の1Hzにして、中間サーバ300から分析サーバ400に送信する。
以上の通り、走行状態分析システム10によれば、移動端末200は、車両30の走行中は、車載器100からサンプリングデータを受信するときのサンプリング周波数よりも低い送信周波数で中間サーバ300に送信する。また、移動端末200は、車両30の走行中に中間サーバ300に送信済の送信データを一括して、車両30の停止後に、再び中間サーバ300に送信する。これにより、通信状態が悪いときに高周波数で移動端末200から中間サーバ300へとサンプリングデータを送信した場合に生じ得る通信回線の輻輳を回避することによって、分析サーバ400による車両30のリアルタイムな走行状態の分析が実現できるだけでなく、分析サーバ400において、車両30のワントリップ後に走行状態データを分析して、走行状態をより正確に分析することができる。これによって、分析サーバ400における分析精度の改善につなげることができる。なお、本実施形態では、車両30の走行中において、実質的に、移動端末200は、車載器100から受信したサンプリングデータのサンプリング周波数よりも低いサンプリング周波数でサンプリングしたデータを生成して、中間サーバ300に送信していることにもなっている。
以上の複数の実施形態において、移動端末は、車両の走行中において、サンプリング周期の複数の期間にわたって受信した複数のサンプリングデータの平均値を算出して、平均値を中間サーバに送信する構成として説明したが、これに代えて、移動端末は、サンプリング周期の複数の期間にわたって受信した複数のサンプリングデータのうちの、最初の期間の1つのサンプリングデータのみや、最後の期間の1つのサンプリングデータのみや、中間の期間の1つのサンプリングデータのみや、これら3つの期間の平均値を取得して、中間サーバに送信してもよい。また、移動端末は、車載器から全てのサンプリングデータを受信できない場合があるので、受信できたサンプリングデータの平均値を算出して中間サーバに送信してもよい。
以上の複数の実施形態において、外部走行レポートは、見守り者が自身の移動端末から中間サーバに対して要求信号を出したら、見守り者の移動端末に送信される構成としたが、これに代えて、見守り者による要求に拘わらず、中間サーバから定期的に送信されてもよく、車両を運転するユーザが外部走行する度に送信されてもよい。
以上の複数の実施形態において、中間サーバおよび分析サーバは、インターネットを介した無線接続によって互いにデータ通信する構成として説明したが、中間サーバおよび分析サーバは有線接続によって互いにデータ通信してもよい。また、中間サーバおよび分析サーバが別のサーバであって、それぞれ異なる機能を有する構成として説明したが、中間サーバおよび分析サーバは同一のサーバであってもよい。この場合、当該同一のサーバが分析装置である。
以上の複数の実施形態において、車載器と移動端末との間の通信手段としてBLEなどの近距離無線通信手段を使用し、移動端末と中間サーバとの間の通信手段としてインターネットを介した無線通信手段を使用する構成として説明したが、車載器と移動端末との間も含めて、何れの構成間の通信手段にもインターネットを介した無線通信手段を使用してもよい。
以上の複数の実施形態において、分析サーバにおけるマップマッチング処理は、GPSデータによる車両の計測された位置に最も近い道路リンク上の位置を、車両の推定位置とする構成として説明した。これに代えて、分析サーバの記憶部に記憶されている車両の走行履歴を考慮して、GPSデータによる車両の計測された位置に最も近い道路リンク上の位置を、車両の推定位置とするマップマッチング処理などの、他のマップマッチング処理を用いてもよい。
以上の複数の実施形態において、中間サーバは、移動端末から走行状態データおよび車両IDと共に車載器IDを受信すると、車載器IDに紐付けられて記憶部に記憶されている車両情報を特定し、走行状態データ、車両IDおよび車両情報を分析サーバに送信する構成として説明した。これに代えて、分析サーバの記憶部が車両IDと紐付けて車両情報を記憶しておき、分析サーバは、走行状態データおよび車両IDを受信すると、車両IDに紐付けられて記憶部に記憶されている車両情報を特定し、マップマッチング処理に用いてもよい。
以上の複数の実施形態において、車載器から移動端末に送信される走行状態データ、すなわちサンプリングデータのサンプリング周波数は50Hzおよび10Hzの2種類として説明したが、これに代えて、当該サンプリング周波数は1種類でもよく、3種類以上あってもよく、他の周波数であってもよい。同様に、移動端末から中間サーバに送信される走行状態データ、すなわち送信データの送信周波数は、50Hz、10Hz、5Hzおよび1Hzの何れかで説明したが、これに代えて、当該送信周波数は1種類でもよく、5種類以上あってもよく、他の周波数であってもよい。
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図11は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されうるコンピュータ1200の例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。このようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、グラフィックコントローラ1216、及びディスプレイデバイス1218を含み、これらはホストコントローラ1210によって相互に接続される。コンピュータ1200はまた、通信インターフェース1222、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、これらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続される。コンピュータはまた、ROM1230及びキーボード1242のようなレガシの入出力ユニットを含み、これらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続される。
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、これにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又は当該グラフィックコントローラ1216自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示させる。
通信インターフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1201から読み取り、ハードディスクドライブ1224にRAM1214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
ROM1230は、内部に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM1201又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROM1201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
また、CPU1212は、ハードディスクドライブ1224、DVD-ROMドライブ1226(DVD-ROM1201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような、様々なタイプの情報が、情報処理されるべく、記録媒体に格納されてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、これにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
以上の説明によるプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、これにより、プログラムをコンピュータ1200にネットワークを介して提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。